イヌタデ 犬蓼

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Flora of Mikawa

タデ科 Polygonaceae イヌタデ属

別 名 アカマンマ
中国名 长鬃蓼 chang zong liao
英 名 bristly lady's-thumb ,Oriental lady's thumb , Asiatic smartweed
学 名 Persicaria longiseta (De Bruyn) Kitag.
Polygonum longisetum Bruijn
イヌタデの花
イヌタデの花2
イヌタデの小苞
イヌタデの托葉鞘
イヌタデの果実
イヌタデ葉裏の主脈
イヌタデ
イヌタデ花序
イヌタデの葉
イヌタデの葉表
イヌタデの葉裏
花 期 6~10月
高 さ 20~50cm
生活型 1年草
生育場所 道端、荒地などに普通
分 布 在来種 日本全土、中国、朝鮮
撮 影 豊川市  05.10.15
道端、荒地などで普通に見られる。
 1年草、高さ20~50㎝。茎は赤味を帯びることが多く、葉は互生し、長さ3~8㎝、幅1~2㎝の広披針~披針形、全縁、縁毛があり、先が尖り、基部は楔形。葉裏に腺点があり、主脈上に伏毛がある。長さ1~5㎝の円柱状の総状花序に紅色の花を密につける。花被は5裂し、淡紅色、花後は紅色になり痩果を包んで残る。雄しべは8個。花柱は3裂。小苞は赤色、長い縁毛が多数あり、花の間から突き出る。托葉鞘は長さ5~7㎜の円柱形、先に托葉鞘とほぼ同長の剛毛がつく。痩果は長さ約2㎜の3稜形、赤色の花被に包まれたまま、黒褐色に熟し、光沢がある。花期は6~10月。2n = 40
 ヒメタデ Persicaria erectominor = Polygonum longisetum var. rotundatum は日本では絶滅危惧種になっている。葉幅が3~6㎜と狭くて葉が細長く、基部は広い楔形。短い葉柄がある。托葉鞘の縁毛は長さ3~4㎜。雄しべが5~7個。中国では圆基长鬃蓼 yuan ji chang zong liaoといい、 葉の基部が円形、雄しべ6~8個、 2n = 20であり、葉の基部が楔形のイヌタデ(雄しべ6~8個、2n=40)の変種とされている。中国のものとは葉幅、葉の基部、葉柄が異なっている。
 類似のハルタデは開花が5~8月であり、托葉鞘の縁の毛は短く、痩果が普通、扁平な円形。
 ハナタデはやや日陰にも生え、葉先が尾状に尖る。花序がやや長く、花がややまばらにつき、イヌタデの細いものとよく似ている。

イヌタデ属

  family  Polygonaceae - genus Persicaria
 
 根茎又は匍匐枝がある。茎は直立又は、ときに、平伏又は攀縁(はんえん)し、単純又は分枝し、無毛又は有毛、まれに後方へ曲がった刺をもつ。葉は落葉、ほとんど茎葉、互生し、葉柄は有又は無。葉鞘は宿存又は古くなると崩壊して、全体に又は上部で脱落、普通、タン色、褐色又は帯赤色、紙質又は部分的~全体に葉質、まれに、下部が皮革質で上部が紙質、無毛又はざらつき~様々な毛があり、上部で2裂しない。葉身は披針形~卵形~矛形~矢じり形、縁は全縁又はまれに矛形に分裂する。花序は頂生、又は頂生及び腋生、穂状花序状、円錐花序状、又は頭状花序。花序柄は有る。花柄が有又は無。花は両性(しばしば、P. amphibia や P. hydropiperoidesにおいては機能的に単性)、鞘状苞の小束(ocreate fascicle)ごとに花が1~14個つき、基部は柄状にならない。花被は白色、緑白色、バラ色、赤色、又は紫色、鐘形又はつぼ形、まれに車形、まれに果時に肉質になり、無毛、ときに腺点( glandular-punctate)があり、花後に大きくなり又は大きくならない。花被片は4~5個、長さの1/2~1/3が合着し、花弁状、二形。外側の花被片は内側の花被片より大きい。雄しべは5~8個。花糸は分離又は基部で合着。外側の花糸はときに花被の筒につき、無毛。葯は黄色、ピンク色、又は赤色、楕円形~卵形。花柱は2~3個、直立又は開出~反曲し、分離又は合着。柱頭は頭状。痩果は包まれ又は突き出し、褐色~暗褐色~黒色、翼は無く、円盤形、両凸形、2~3稜形、又は回転楕円体、無毛。種子は胚が曲がる。x = 10, 11, 12.。
 世界に約100種あり、ほぼ全世界に分布する。

イヌタデ属の主な種

1 Persicaria amphibia (L.) Delarbre  エゾノミズタデ 蝦夷の水蓼
  synonym Persicaria amphibia (L.) Gray var. amurensis (Korsh.) H.Hara 
  synonym Persicaria amphibia (L.) Gray subsp. amurensis (Korsh.) Sojak
   basionym Polygonum amphibium L.
 北半球の冷温帯に広く分布。英名はamphibious bistort , water persicaria , water smartweed , willow-grass 。中国名は两栖蓼 liang qi liao 。In ponds, riverbanks, wet fields, waste areas; sea level to 3700 m
 多年草、水陸両生(amphibious)。根茎は水平。水生植物:茎は浮かび、無毛、節から根を出す。葉は長い葉柄があり、浮かぶ。葉身は長円形~楕円形、長さ5~12㎝×幅2.5~4㎝、無毛、基部は類心形、先は切形、縁毛は無い。陸生植物:茎は直立、高さ40~60㎝、単純又は基部で分枝する。葉柄は長さ3~5㎜。葉身は披針形~長円状披針形、長さ6~14㎝×幅1.5~2㎝、両面に伏した小剛毛があり、基部は円形、全縁、縁毛があり、先は鋭形。托葉鞘は筒形、長さ1.5~2㎝、膜質、まばらに剛毛があり、先は切形、縁毛は短い。花序は頂生又は腋生、穂状花序、長さ2~4㎝。苞は広漏斗形。花被は帯ピンク色又は白色、5深裂する。花被片は長円形、長さ3~4㎜。雄しべは普通、5個、突き出ない。花柱は2個。突き出し、中間まで合着する。柱頭は頭状。痩果は宿存する花被に包まれ、黒色、光沢があり、円形、レンズ形、直径2.5~3㎜。花期7~8月。果期は8~9月。 2n = 66, 88, 96。

2 Persicaria attenuata (R.Br.) Sojak
2-1 Persicaria attenuata (R.Br.) Sojak subsp. pulchra (Blume) K.L.Wilson  アラゲタデ 粗毛蓼
  synonym Persicaria tomentosa (Willd.) Sasaki 
  synonym Persicaria pulchra (Blume) Sojak 
  synonym Polygonum pulchrum Blume
 日本(沖縄県の大東諸島)、中国、台湾、インド、スリランカ、ミャアマー、タイ、インドネシア、マレーシア、フィリピン、アフリカ、オーストラリア原産。中国名は丽蓼 li liao 。
 常緑多年草。茎は斜上し、高さ60~100㎝に達する。葉は披針形、長さ5~10㎝、両面に白色の絹毛を密布する。花は白色。湿地に生育する。(参考9)

3 Persicaria barbata (L.) H.Hara  ケタデ 毛蓼
  synonym Persicaria kotoshoensis (Ohki) Sasaki 
  synonym Persicaria flaccida auct. non (Roxb.) Nakai ex Sasaki
   basionym Polygonum barbatum L [Flora of China]
  synonym Polygonum omerostroma (Ohki) Sasaki
  synonym Polygonum kotoshoense Ohki;
  synonym Polygonum omerostromum Ohki.
 日本(琉球各島)、中国、台湾、インド、ブータン、ネパール、スリランカ、ミャンマー、タイ、ベトナム、インドネシア、マレーシア、フィリピン、ニューギニア原産。中国名は毛蓼 mao liao 。標高0~1300mの湿地、川岸、水辺に生える。
 多年草。 根茎がある。茎は直立、高さ40~90㎝、丈夫、有毛、単茎又は上部で分枝する。葉柄は長さ5~8㎜、密に小剛毛がある。葉身は披針形~楕円状披針形、長さ7~15㎝×幅1.5~4㎝、両面に毛があり、基部は楔形、縁は縁毛があり、先は尖鋭形。托葉鞘は筒形、長さ1.5~2㎝、膜質、密に小剛毛があり、先は切形、縁毛は長さ1.5~2㎝。花序は頂生、穂状花序、直立、長さ4~8㎝、数個の穂状花序がつき、円錐花序状になり、稀に単生。苞は漏斗形、無毛、縁に縁毛があり、各苞に花が3~5個つく。花柄は、短い。花被は白色又は帯緑色、5深裂する。花被片は楕円形、長さ1.5~2㎜。雄しべは5~8個、突き出ない。花柱は3個。柱頭は頭状。痩果は宿存する花被に包まれ、黒色、光沢があり、卵形、3稜形、長さ1.5~2㎜。花期は8~9月。果期は9~10月。2n = 60。
3-1 Persicaria barbata (L.) H.Hara var. gracilis (Danser) H.Hara  リュウキュウタデ 琉球蓼
  synonym Persicaria barbata (L.) H.Hara subsp. gracilis (Danser) Sojak 
  synonym Polygonum barbatum var. gracile (Danser) Steward
 中国名は細刺毛蓼 xi ci mao liao
 花期は通年。

4 Persicaria biconvexa (Hayata) Nemoto  タイワンミゾソバ 台湾溝蕎麦
  synonym Polygonum biconvexum Hayata
 台湾原産。中国名は双凸戟叶蓼 shuang tu ji ye liao 。

5 Persicaria breviochreata (Makino) Ohki  ナガバノヤノネグサ 長葉矢の根草
 日本(本州の関東地方以西、四国、九州)、朝鮮原産。愛知県絶滅危惧ⅠB類。
 ホソバノウナギツカミと似ているが、托葉鞘が短い。
 1 年草。茎は根元から分枝して斜上し、高さ30~50㎝。葉は短柄がある。葉身は長楕円状披針形、長さ2~7㎝×幅1~2㎝、先は鋭頭、基部は浅い矢じり形で3角形の耳部があり、縁毛がある。托葉鞘は短く、長さ2~6㎜、長い縁毛がある。枝先に短い総状花序をつけ、まばらに1~3個の花をつける。咢は5深裂し、淡紅色、長さ3~4㎜。痩果は3稜形、黄褐色、光沢があり、長さ2.5~3㎜。花期は8~10 月。(レッドデーターブック愛知)

6 Persicaria bungeana (Turcz.) Nakai  ハリタデ 針蓼
   basionym Polygonum bungeanum Turcz.
  朝鮮、中国、ロシア原産。中国名は柳叶刺蓼 liu ye ci liao 。英名はprickly smartweed 。
 日本に帰化している。
 1年草。茎は直立又は斜上、高さ30~80㎝、分枝し、後ろ向きの刺がある。葉柄は長さ5~10㎜。葉身は上面が緑色、披針形~狭楕円形、長さ4~13㎝×幅1~3 ㎝、下面に小剛毛があり、上面は無毛、普通、中脈に小剛毛があり、基部は楔形、縁毛があり、先は鋭形~類尖鋭形。托葉鞘は筒形、長さ1~1.5㎝、膜質、先は切形、長い縁毛がある。花序は頂生又は腋生、穂状花序、長さ5~10㎜、普通、分枝し、基部で間隔が開く。花序柄は密に腺毛がある。苞は緑色、漏斗形、縁毛は無く、無毛、しばしば、少数の腺毛がある。花柄は苞より短い。花被は白色又は帯ピンク色、5深裂する。花被片は楕円形、長さ3~4㎜。雄しべは8個、2輪につき、突き出ない。花柱は2個、中間の下で合着する。柱頭は頭状。痩果は宿存する花被に包まれ、黒色、光沢が無く鈍く、円形、両凸面形、直径約3㎜。花期は7~8月。果期は8~9月。2n = 20.。

7 Persicaria campanulata (Hook.f.) Ronse Decr
  synonym Koenigia campanulata (Hook.f.) T.M.Schust. & Reveal
  synonym Polygonum campanulatum J. D. Hooker [Flora of China]
  synonym Polygonum campanulatum Hook.f.
  synonym Aconogonon campanulatum (Hook.f.) H.Hara
 中国、ブータンネパール、シッキム、ミャンマー原産。中国名は钟花神血宁 zhong hua shen xue ning 。英名はlesser knotweed。2n=72(22, c36 , c64)
品種) Alba Group , 'Madame Jigard' , 'Rosenrot' , 'Southcombe White'

8 Persicaria capitata (Buch.-Ham. ex D.Don) H.Gross  ヒメツルソバ 姫蔓蕎麦
   basionym Polygonum capitatum Buch.-Ham. ex D. Don
 中国、インド、ブータン、ネパール、スリランカ、ミャンマー、タイ、マレーシア原産。中国名は头花蓼 tou hua liao 。英名はJapanese knotweed , pink-head knotweed , pink-head persicaria 。別名はカンイタドリ。民家付近、石垣、土手に生える。
 多年草。茎は這う。茎は基部でよく分枝し、赤褐色、長い毛が生える。葉は長さ15~35㎜の先が尖った卵形、表面に山形の黒い斑紋がある。葉裏には腺点がある。托葉鞘は長さ約2㎜、縁毛がある。直径約1㎝の球形花序に淡紅紫色の花を多数つける。痩果は長さ約1.5㎜、3稜形がほとんどで、やや厚いレンズ形も混じる。寒さにも強く、冬にも花が見られることがある。花期は5~11月。2n=22。
品種)  'Pink Bubbles'

9 Persicaria chinensis (L.) H.Gross  ツルソバ 蔓蕎麦
  synonym Persicaria umbellata (Houtt.) Nakai 
  synonym Persicaria chinensis (L.) H.Gross var. thunbergiana (Meisn.) Okuyama
   basionym Polygonum chinense L.
 日本、朝鮮、中国、台湾、インド、ブータン、ネパール、シッキム、スリランカ、ミャンマー、タイ、ベトナム、インドネシア、マレーシア、フィリピン原産。中国名は 火炭母 huo tan mu 。英名はChinese knotweed。
 多年草、つる性。茎はつる状に横に這い、斜めに立ち上がる。葉は互生し、長さ5~10㎝の卵形~卵状長楕円形、基部は切形、先は尖る。葉裏には腺点がある。白色の花が枝先に集まってつく。花被は5深裂し、長さ3~4㎜。花後には花被が肥厚し、液質になり、暗黒紫色に熟す。痩果は黒色、長さ約3㎜の3稜形、光沢はない。花期は5~11月。

10 Persicaria clivorum Seriz.  サトヤマタデ 里山蓼
 日本固有種(本州、九州)。沢沿の林道脇の湿った場所、谷あいの放棄されたの水田跡、谷筋の土砂の堆積場などに生える。別名はヒメボントクタデ。
 茎は直立し、高さ35~80㎝。葉は長楕円形で長さ6~12㎝×幅1.5~3㎝、基部は漸尖形、先は鋭形、両面に毛が多く、中央部に明瞭な黒班がある。托葉鞘は筒状で、長さ4~8㎜、縁毛は葉鞘とほぼ同長又は多少短い。花序は長さ4~10㎝、花序の先は垂れ下がり、まばらに淡紅色の花をつける。花期は8~9月。ボントクタデに似ているが、葉の質がやや薄く、花がよりまばら。

11 Persicaria debilis (Meisn.) H.Gross ex W.T.Lee  ミヤマタニソバ 深山谷蕎麦
  synonym Polygonum debile Meisn
 日本(本州、四国、九州)、朝鮮原産。山地の林内に生える。
 1年草。高さ10~50㎝。茎は根元から分枝し、斜上又は直立し、下向きの刺がある。葉は互生し、長さ2~5㎝の三角形、質は薄く、表面には黒班がある。葉に刺を散生する。星状毛はない。托葉鞘は約4㎜、短い縁毛がある。上部の葉腋から出た二股状の細長い枝先に小さな花を2~5個つける。花被は5裂し、長さ2~3㎜。痩果は3稜形、長さ約2.5㎜、褐色、光沢がある。花期は8~9月。2n=16

12 Persicaria dichotoma (Blume) Masam.  ナツノウナギツカミ 夏の鰻攫
  synonym Persicaria ooagariensis Masam.
   basionym Polygonum dichotomum Blume
 日本(沖縄)、中国、台湾、インド、スリランカ、ラオス、タイ、ベトナム、インドネシア、マレーシア、オーストラリア、フィジー原産。中国名は二歧蓼 er qi liao 。別名リュウキュウヤノネグサ。溝や湿地に生える。
 1年草(多年草)。茎は斜上又は直立、高さ40~100㎝、しばしば、分枝し、まばらに後ろ向きの刺をもつ。 葉柄は長さ5~10㎜。葉身は披針形~狭楕円形、長さ 5~10㎜×幅1~3㎜、両面とも無毛、下面の中脈に後ろ向きの刺をもち、基部は楔形~切形~類矛形、全縁、縁毛は無く又はごく短い縁毛があり、先は鋭形。托葉鞘は筒形、長さ1.5~2㎝、膜質、普通、無毛、先は斜めで縁毛は無い。花序は頂生又は腋生、密に短い刺があり、普通、1~2回二又分枝する。花序柄は腺毛がある。苞は広楕円形、長さ2~3㎜、縁毛があり、各苞に花が2~3個つく。花柄は苞より短い。花被は帯ピンク色、5深裂する。花被片は広楕円形、長さ2~3㎜。雄しべは5個、突き出ない。花柱は2個、分離。柱頭は頭状。痩果は宿存する花被に包まれ、褐色、光沢が無く、鈍く、円形に近く、両凸面(レンズ形)、直径2~2.5㎜。花期は6~7月。果期は8~10月。

13 Persicaria dissitiflora (Hemsl.) H.Gross ex T.Mori  コゴメタデ 小米蓼
  synonym Polygonum dissitiflorum Hemsley
 朝鮮、中国、ロシア原産。中国名は稀花蓼 xi hua liao 。

14 Persicaria erectominor (Makino) Nakai  ヒメタデ 姫蓼
  synonym Polygonum erectominus Makino
 日本固有種(本州)。絶滅危惧種に指定されている。中国のものとは葉幅、葉の基部、葉柄が異なっている。
 茎は通常やや細く、疎に分枝し、多少帯紅色。葉鞘は通常、薄く透明質、疎に伏毛があり、縁毛 は長いか又は短かい(長さ3~4㎜)。葉は線形~線状披針形~広披針形、鈍頭状微尖~鋭頭~鋭尖頭、 基部は広い楔形(狭脚~円脚)、短柄があり(やや無柄)、非常に変化があり、多くは長さ6~7㎝×幅(3)4~6 (9) ㎜、通常、薄膜質、稀にやや草質、側脈不明瞭、稀にやや明らか、縁辺と脈を除き無毛、稀に両面に疎に短毛を布く。下面に微隆起点を布くが、腺点はない。花穂はやや密に花がつき、直立、狭円筒状、下部の 花は離在することが多い。頂生花穂は単立、往々分枝、花茎は時に毛管状。小苞の縁毛 は著しい。花被は暗紅色、往々盤状腺点がある。雄しべ6~8個。果は3稜形、多くは黒色、長さ1.5~1.7(2)㎜。花期は5~10月。 2n = 20。(参考6)
14-1 Persicaria erectominor (Makino) Nakai var. erectominor f. viridiflora (Nakai) I.Ito  アオヒメタデ
  synonym Persicaria erectominor (Makino) Nakai var. koreensis sensu I.Ito 
 花被が緑白色のもの。
14-2 Persicaria erectominor (Makino) Nakai var. sungareensis (Kitag.) Kitag.  マンシュウヒメタデ


15 Persicaria filiformis (Thunb.) Nakai ex W.T.Lee  ミズヒキ 水引
  synonym Persicaria virginiana (L.) H.Gross var. filiformis (Thunb.) J.M.H.Shaw
   basionym Polygonum filiforme Thunb.
  synonym Antenoron filiforme (Thumb.) Roberty et Vautier [Flora of China]
 日本、朝鮮、中国、台湾、ロシア、インド、ブータン、ミャンマー、イタリア原産。中国名は 金线草 jin xian cao
 多年草。高さ50~80㎝。茎は緑色~赤色、断面が円形、中実、直立する。茎や托葉鞘(鞘状の托葉)には毛が多い。葉は互生し、長さ5~15㎝の広楕円~倒卵形、全縁、先が短く尖る。葉の両面に毛があり、葉縁にも毛がある。葉の中央に八の字形の黒い斑紋があることが多いが、ない場合もある。葉腋から細い針金のような花柄を長く伸ばし、小さな赤い花を横向きにまばらにつける。花被は4個に深裂し、そのうち上側3個の半分ほどが赤く、下側1個が白く、これがミズヒキと呼ばれる由縁である。雄しべ5個、雌しべ1個、花柱2個は長く、果時まで残る。痩果は長さ約2.5㎜のレンズ状の卵形、褐色、光沢がある。痩果の柄は長さ約1㎜、関節があり、熟すと関節がはずれて果実を離す。花期は8~10月。2n=44 , 48
15-1 Persicaria filiformis (Thunb.) Nakai ex W.T.Lee 'Variegata'  フイリミズヒキ 斑入水引
15-2 Persicaria filiformis (Thunb.) Nakai ex W.T.Lee f. albiflora (Hiyama) Yonek.  ギンミズヒキ 銀水引
  synonym Antenoron filiforme (Thunb.) Roberty et Vautier forma albiflorum (Hiyama) H.Hara
  synonym Persicaria virginiana (L.) H.Gross var. filiformis (Thunb.) J.M.H.Shaw f. albiflora (Hiyama) J.M.H.Shaw
 白花品種。ミズヒキの花被片は4個に分裂し、そのうち上側3個が赤く、下側1個が白く、これがミズヒキと呼ばれる由縁だが、ギンムズヒキは花被片の4個すべてが白いものである。茎や葉などはミズヒキと変わらない。

16 Persicaria foliosa (H.Lindb.) Kitag.
  synonym Polygonum foliosum H.Lindb.
 日本、朝鮮中国、台湾、ロシア原産。中国名は多叶蓼 duo ye liao
 1年草。茎は傾伏、まれに直立、高さ40~60㎝、細く、多数、分枝し、無毛。葉柄はごく短いか又は無いに近い。葉身は狭披針形、長さ3~6㎝×幅3~5㎜、まばらに毛があり、下面の中脈は明瞭、両面とも側脈は不明瞭、基部は楔形、広楔形又は円形、全縁、縁毛は無く、先は鋭形。托葉鞘は筒形、長さ8~10㎜、膜質、まばらに伏した小剛毛があり、先は切形、縁毛は長さ0.5~3㎜。花序は頂生又は腋生、穂状花序、直立、緩く、長さ3~5㎝、細く、下部は間隔が開く。苞は漏斗形、無毛、縁毛があり、各苞に、花が1~2個つく。花被は帯ピンク色、5深裂する。花被片は狭楕円形、長さ1.5~2㎜。雄しべは5個。花柱は2個。痩果は宿存する花被と同長、黒色、光沢があり、卵形、両凸形、長さ1.2~2㎜、平滑。 2n = 20.。
16-1 Persicaria foliosa (H.Lindb.) Kitag. var. foliosa  マンシュウヌカボタデ 満州糠穂蓼
  synonym Polygonum foliosum var. foliosum
 中国に分布し、葉の基部が楔形、托葉鞘の縁毛が長さ0.5~1㎜。中国名は多叶蓼 duo ye liao 。
16-2 Persicaria foliosa (H.Lindb.) Kitag. var. nikaii (Makino) H.Hara  サイコクヌカボ
 日本固有変種(本州の中部地方以西、四国、九州)。ため池、河川敷きに生える。
 1年草、高さ30~60㎝。茎の下部は地を這い、節から根を出し、上部は斜上し、分枝する。葉は長さ3~9㎝、幅2~9㎜の長披針形~長線形。葉質はやや厚い。短い葉柄がある。葉裏に普通、腺点がない。托葉鞘は長さ5~10㎜の筒状、同長の長い縁毛がある。長さ5~6㎝の花序に淡紅色の花をまばらにつける。痩果は長さ1.5~2㎜、茶褐色~黒褐色、光沢があり、レンズ形。愛知県の準絶滅危惧種に指定されている。花期は9~10月。
 標本の花被が乾いた暗色を帯びるが、ヤナギヌカボは白っぽく鈍光沢がある。
16-3> Persicaria foliosa (H.Lindb.) Kitag. var. paludicola (Makino) H.Hara  ヤナギヌカボ 柳糠穂
 日本(本州全域)、中国ロシア原産。中国名は宽基多叶蓼 kuan ji duo ye liao。 愛知県では確認されていない。
 葉の幅がやや狭く、基部は広楔形~円形。葉裏に腺点がある。托葉鞘の縁毛は長さ1.5~3㎜。花序が短く、痩果は長さ1.2~1.5㎜とやや小さく、レンズ形又は3稜形。
 茎はやや細く。直径1~2㎜、太いもので下部3㎜、高さ30~60㎝、帯紅色、無毛。葉鞘に伏毛があって、縁毛は短かく目だたない。縁毛は長いもので1.5~2 (3) ㎜まで。葉は線形~線状披針形で細長く、 漸尖し、鋭尖頭。基部は狭脚又は鈍脚、やや無柄、普通、長さ4~8㎝×幅4~8㎜、葉面はやや無毛のものから細毛を布くものまで変化があり、下面はルーペで粗渋、調査の範囲では何れの標本もどれかの葉には常に盤状腺点があった。下面の主脈上には伏毛があり、側脈は不明瞭。花穂は頂生又は腋生で通常、5~8(9)㎝、やや鞭状でゆるく下垂、花茎の基部の葉腋から花がつき、上部は僅かに断絶しながら、多くの花をつけ、そのため花茎の部分が明らかでない。往々花穂の下部に2~3の小葉をつけることがある。小苞の縁毛は目だたないが、稀に長いものは1~1.5㎜ある。果は両凸形(レンズ形)、稀に僅かに3稜形を混えるととがあり、黒褐色、長さほぼ1.5㎜。(参考6)

17 Persicaria glabra (Willd.) M.Gomez  オオサクラタデ 大桜蓼
   basionym Polygonum glabrum Willd.
  synonym Polygonum densiflorum Meisner
  synonym Polygonum portoricense Bertoloni ex Endlicher.
 中国、台湾、インド、ブータン、スリランカ、バングラデシュ、ミャンマー、タイ、ベトナム、フィリピン、南アメリカ、マダガスカル原産。中国名は光蓼 guang liao 。英名はsmooth smartweed

18 Persicaria glacialis (Meisn.) H.Hara  ヒメタニソバ 姫谷蕎麦
  synonym Persicaria lyrata (Nakai) Nakai
  synonym Polygonum glaciale (Meisner) J. D. Hooker
  synonym Polygonum glaciale var. glaciale
 中国、インド、ネパール、シッキム、アフガニスタン、パキスタン原産。中国名は冰川蓼 bing chuan liao 。標高1300~4300mの斜面の草地、湿った渓谷に生える。(Flora of Pakistan)

19 Persicaria hastatosagittata (Makino) Nakai  ナガバノウナギツカミ 長葉の鰻攫
  synonym Persicaria ussuriensis (Regel) Nakai 
  synonym Polygonum hastatosagittatum Makino
 日本(本州、四国、九州)、中国、台湾、ロシア原産。中国名は长箭叶蓼 chang jian ye liao。 別名はナガバノウナギヅル(長葉の鰻蔓)。水辺に生える。
 1年草、高さ30~80㎝。茎には下向きの短い刺がまばらに生える。葉は長さ5~10㎝、幅1~2(4)㎝の線状惰円形~卵状長楕円形で、中部以下の葉には約1㎝、長いものは3㎝の柄がつき、基部は小さく3裂又はほぼ切形。托葉鞘は1~3㎝と長く。先は切形、短い縁毛がある。短い総状花序に密に花をつける。花は淡紅色、花被片は長さ3~4㎜。雄しべ7個。花序の柄には密に赤色~暗褐色の腺毛があり、小苞や小梗((小花柄)にも赤色の腺毛がある。果実は明瞭な稜のある3稜形、光沢があり、褐色。花期は9~10月。2n=22。

20 Persicaria hydropiper (L.) Delarbre  ヤナギタデ 柳蓼
  synonym Persicaria hydropiper (L.) Delarbre var. filiformis Araki
  synonym Polygonum hydropiper L.
 日本、中国、台湾、ロシア、インド、ブータン、ネパール、スリランカ、パキスタン、バングラデシュ、ミャンマー、インドネシア、マレーシア、フィリピン、中央アジア、西アジア、コーカサス、ヨーロッパ、北アフリカ、オーストラリア原産。中国名は辣蓼 la liao。英名はmarsh-pepper smartweed , redleaf , water-pepper 。別名はマタデ、ホンタデ。湿った場所、水田の畦などに生える。
 1年草、高さ30~80㎝ 茎は無毛。葉は長さ3~10㎝の披針形~長卵形、縁と中央脈に短毛があるか又は無毛、葉裏に小さい腺点がある。托葉鞘には長さ約3㎜の縁毛がある。花序は長さ4~10㎝、わずかに紅色を帯びた白い花をまばらにつけ、先が垂れ下がる。花被は4又は5裂し、明瞭な腺点がある。花柱は2又は3裂。雄しべ6~8個。痩果は褐色、長さ2.5~3㎜、表面がざらつき、光沢がなく、レンズ形と3稜形が混じる。 花期は7~10月。2n=18-22
品種)  'Fastigiata'

20-1 Persicaria hydropiper (L.) Delarbre f. angustissima (Makino) Araki  アザブタデ 麻布蓼
  synonym Persicaria hydropiper (L.) Delarbre var. fastigiata (Makino) Araki
 庭地や畑地に栽培される。別名はエドタデ。
 1年草、高さ30~50㎝、基部から多数分枝し、叢生、節は膨れる。葉は披針形、基部は漸尖し、葉柄になり、長さ2~5㎝×幅3~10㎜、ほぼ無毛、細腺点がある。葉鞘は短く、膜質、上部の縁毛だけがある。細い花穂を枝先に出し、下部の花は離れてつく。咢は長さ1.5~2㎜、白色、ときに淡紅色を帯び、基部は淡緑色、4~5裂し、細腺点がある。無花弁。6雄しべ。2花柱。痩果はレンズ形、長さ1.5㎜、黒可食。葉は辛味稜として用いられる。ヤナギタデに比べ枝、葉は密につき、各部が小形、葉が狭線形の品種をイトタデ(f. angustissimum Makino) と呼ぶ(日本牧野植物図鑑)。
20-2 Persicaria hydropiper (L.) Delarbre f. purpurascens (Makino) Nemoto  ムラサキタデ 紫蓼
  synonym Persicaria hydropiper (L.) Delarbre var. latifolia Araki 
 葉や茎が紫色のもの。若芽(スプラウト)が刺し身のつまとして使われている。2n=20
20-3 Persicaria hydropiper (L.) Delarbre f. viridis (Makino) Araki  サツマタデ  薩摩蓼
  synonym Persicaria hydropiper (L.) Delarbre var. maximowiczii (Regel) Nemoto
 別名はホソバタデ
20-4 Persicaria hydropiper (L.) Delarbre var. scabrida H.Hara  ザラツキヤナギタデ

21 Persicaria japonica (Meisn.) Nakai ex Ohki  シロバナサクラタデ 白花桜蓼
  synonym Persicaria sterilis (Nakai) Nakai et Ohki 
  synonym Persicaria japonica (Meisn.) Nakai et Ohki subsp. micrantha (Nakai) Sugim.
  synonym Polygonum japonicum Meisn.
  synonym Polygonurn japonicum Meissn. var. macranthum Makino ヨウキヒタデ(ハナサクラタデ)
  synonym Polygonum macranthum Meisn.
 ※サクラタデの品種として分類する見解がある。
 日本、朝鮮、中国、台湾原産。中国名は蚕茧蓼 can jian liao 。英名はJapanese Knotweed 。標高0~1700mの湿地、休耕田、草地、溜池、溝、川岸に生える。
 花はサクラタデ Persicaria odorata (Lour.) Sojak subsp. conspicuaに良く似ているが、小さく、色が真っ白で、サクラタデより花序枝が多く、先が垂れ下がることが多い。
 多年草、根茎が水平。茎は直立、高さ50~100㎝、無毛、ときにまばらに小剛毛があり、茎は高く、枝分かれし、節が膨らむ。葉柄は短いか又は無柄に近い。葉身は披針形、長さ7~15㎝×幅1~2㎝、薄革質、先は尖鋭形、基部は楔形、葉縁や脈上に伏毛があり、葉裏に腺点がある。托葉鞘は筒形、褐色、長さ10~18㎜、膜質、伏した剛毛があり、先は切形、縁毛は長さ1~1.2㎝。花序は1~5本に分枝し、細長く、先が垂れ下がることが多い。花柄が長い。小苞の先に毛がある。花被は長さ3~4㎜、白色、5裂まれに4裂し、腺点がある。花は雌雄異株ではなく、異形花柱性であり(平塚・中尾 1996)、短花柱花と長花柱花の2形がある。短花柱花は雌しべの長さ約2.4㎜、雄しべの長さ4.3㎜、雄しべが花被より突き出る。長花柱の花は雌しべの長さ約4.3㎜、雄しべの長さ約2.4㎜、雌しべが花被から突き出る。雄しべは6個まれに7~8個。花柱は2まれに3裂する。痩果は長さ約2.5㎜、レンズ形が多く、3稜形が混じり、黒色、光沢がある。花期は8~10月。2n=40(4倍体) , 44(高4倍体) , 49(低5倍体) , 50(5倍体)、富山県では5倍体が最も多い。
21-1 Persicaria japonica (Meisn.) Nakai ex Ohki var. scabrida (Steward) Yonek.  ケサクラタデ
 葉の両面に剛毛を密生する。

22 Persicaria koreensis (Nakai) Nakai  ホソバヌマタデ
 これは満州、朝鮮に産するが、ヒメタデに極めて近いものである。果は1.5mmで小さく、黒色で、花被は盤状腺点のある点在どは変らず、葉の下面に盤状腺点が出ない点も同じであるが、稀に唯l枚の標本で、あるものがある。ヒメタデ、に比べて、茎は下部から著しく分枝、大株で、葉質もいくらかちがうようで、花穂は花がやや接してつき、より狭長で頂生のものは分枝する点なども異なる。内地のヒメタデ中,叢生の点を除いて全く同じ型がある。詳細については分からないのでこれを変種にしてお きたい。満州には花が緑白色で葉は多毛の一型があるが、同じものに属する。ヒメタデ、ホソバイヌタデ、 モリイヌタデ、ホソパヌマタデは前記の様にそれぞれ大凡の傾向があってらさい截然たるものでなく、この間互に移行することなどを考え合わせて、これ等を同一種内に入れた。朝鮮、満州にはヒメタデ、ホソパヌマタデの両方があることも興味がある。(参考6)

22-1 Persicaria koreensis (Nakai) Nakai f. viridiflora (S.X.Li et Y.L.Chang) Kitag.  ミドリホソバヌマタデ

23 Persicaria lapathifolia (L.) Delarbre オオイヌタデ 広義
   basionym  Polygonum lapathifolium L.
 日本、朝鮮、中国、台湾、モンゴル、ロシア、インド、ブータン、ネパール、パキスタン、タイ、ベトナム、インドネシア、中央アジア、西アジア、コーカサス、ヨーロッパ、北アフリカ原産。
23-1 Persicaria lapathifolia (L.) Delarbre var. lapathifolia  オオイヌタデ 大犬蓼
  synonym Persicaria nodosa (Pers.) Opiz 
  synonym Persicaria tenuiflora (Pers.) H.Hara 
  synonym Persicaria lapathifolia (L.) Gray subsp. nodosa (Pers.) A.Love
 日本(全土)、朝鮮、中国、台湾、アジア、ヨーロッパ、北アフリカ、北アメリカ、オーストラリア原産。 中国名は马蓼 ma liao。英名はcurlytop knotweed , pale knotweed , pale persicaria , pale smartweed , pink knotweed
 1年草、高さ80~200㎝。茎の下部は節が膨らみ、よく分枝する。葉は長さ15~25㎝の披針形、基部は楔形、葉縁に毛があり、葉の中央脈に長三角状の伏毛がある以外はほぼ無毛。托葉鞘は膜質で縁毛は長さ1㎜以下。葉裏には明瞭な腺点がある。葉の側脈は20~30対。円柱状の総状花序は長さ3~10㎝と長く、花が密につき、幅が太く、先が垂れる。花柄は腺毛がある。花被は淡紅色~白色、花被は4裂し、腺点があり、花後も痩果を包んで残る。痩果は直径約2㎜の扁平な円形、両面が少し窪む両凹レンズ形、花被の脈は先が2分岐し、釣針状に曲がる。果実の色は黒色でなく、褐色~黒褐色。花期は6~10月。2n=22 , 24, (44)

23-2 Persicaria lapathifolia (L.) Delarbre var. incana (Roth) H.Hara  サナエタデ 早苗蓼
  synonym Persicaria lapathifolia (L.) Delarbre var. maxima (Regel) Nemoto 
  synonym Persicaria scabra (Moench) Moldenke 
  synonym Persicaria tomentosa (Schrank) Bicknell 
  synonym Persicaria lapathifolia (L.) Gray var. pallida (With.) A.Love
  synonym Persicaria lapathifolia (L.) Gray var. tomentosa (Schrank) H.Gross
  synonym Persicaria lapathifolia auct. non (L.) Gray 
  synonym Polygonum lapathifolium L. subsp. pallidum (With.) Fr.
 日本、北半球の暖帯、温帯に広く分布。道端、畑の生える。
 1年草、高さ30~90㎝。茎は無毛、よく分枝する。葉は長さ4~12㎝の披針形、縁に毛があり、基部は楔形。側脈は斜上し、7~15対。葉表にはまばらに毛があり、葉裏は黄色の腺点が密生し、毛はほとんどなく、脈上に長三角状の毛がある。葉裏に密に綿毛があるものもあり、ウラジロサナエタデ Persicaria scabra var. salicifolia という。まるで別種に見えるが、混生することが多く、ウラジロサナエタデをサナエタデにまとめて扱う見解もある。托葉鞘は膜質で縁毛は長さ(0.4)1㎜以下。円柱状の総状花序は長さ1~5㎝で先は垂れない。ただし、時期の遅いものは花序が垂れ下がる。花柄はときに腺毛がある。花柄に腺毛が多く、葉裏の腺点も多く、花被の腺点も多く、花が全体に黄色を帯びているものもある。花被は淡紅色~白色、4(稀に5)裂し、腺点があり、花後も痩果を包んで残る。痩果は黒褐色、直径約2㎜の扁平な円形、表面が少し窪む両凹レンズ形、花被の脈は先が2分岐し、釣針状に曲がる。花期は5~10月。2n=22
 ※ウラジロサナエタデ(Persicaria scabra var. salicifolia)は葉裏に綿毛が密生するもの。最近はサナエタデに含められる。
23-3 Persicaria lapathifolia (L.) Gray var. lanata (Roxb.) H.Hara  キヌタデ
  synonym Persicaria lapathifolia (L.) Gray subsp. lanata (Roxb.) Sojak
  synonym Polygonum lapathifolium var. lanatum (Roxburgh) Steward
  synonym Polygonum lanatum Roxburgh
 中国、台湾、インド、ブータン、ネパール、シッキム、ミャンマー、インドネシア、マレーシア、フィリピンに分布。中国名は密毛马蓼 mi mao ma liao 。葉と茎に密に毛があり、花柄に腺毛がない。痩果は両凹レンズ形。

24 Persicaria lii Kitag.  ヒメヌカボタデ
 中国東北部原産。

25 Persicaria longiseta (Bruijn) Kitag.  イヌタデ 犬蓼
  synonym Persicaria blumei (Meisn.) H.Gross
  synonym Persicaria longiseta (De Bruyn) Kitag. f. brevifolia (Makino) Hiyama  マルバイヌタデ
  synonym Persicaria longiseta (De Bruyn) Kitag. f. breviseta (Meisn.) W.T.Lee
  synonym Persicaria longiseta (De Bruyn) Kitag. f. divaricatoramosa Hiyama イザリタデ
  synonym Persicaria longiseta (De Bruyn) Kitag. f.contractum Makino ウズタデ
   basionym Polygonum longisetum Bruijn
 日本、朝鮮、中国、台湾、モンゴル、ロシア、インド、ネパール、ミャンマー、インドネシア、マレーシア、フィリピン原産。中国名は长鬃蓼 chang zong liao 。英名bristly lady's-thumb ,Oriental lady's thumb , Asiatic smartweed。別名はアカマンマ。 道端、荒地などに普通 に生える。
 1年草、高さ20~50㎝。茎は赤味を帯びることが多く、葉は互生し、長さ3~8㎝、幅1~2㎝の広披針~披針形、全縁、縁毛があり、先が尖り、基部は楔形。葉裏に腺点があり、主脈上に伏毛がある。長さ1~5㎝の円柱状の総状花序に紅色の花を密につける。花被は5裂し、淡紅色、花後は紅色になり痩果を包んで残る。雄しべは8個。花柱は3裂。小苞は赤色、長い縁毛が多数あり、花の間から突き出る。托葉鞘は長さ5~7㎜の円柱形、先に托葉鞘とほぼ同長の剛毛がつく。痩果は長さ約2㎜の3稜形、赤色の花被に包まれたまま、黒褐色に熟し、光沢がある。花期は6~10月。2n = 40
25-1 Persicaria longiseta (Bruijn) Kitag. f. albiflora (Honda) Masam.  シロバナイヌタデ 白花犬蓼

26 Persicaria maackiana (Regel) Nakai  サデクサ 叉手草
  synonym Polygonum maackianum Regel
 日本(北海度、本州、四国、九州)、朝鮮、中国、台湾、ロシア原産。中国名は长戟叶蓼 chang ji ye liao 。標高100~1600mの湿地、川岸、湖沼などの水辺、渓谷の日陰の草地に生える。
 1年草。茎は直立又は斜上、高さ30~80㎝、角(かど)があり、多数分枝し、後ろ向きの刺と密に星状毛がある。葉柄は長さ1~5㎝、後ろ向きの刺があり、密に星状毛がある。葉身は狭矛形、長さ3~8㎝×幅2~4㎝、両面に密に星状毛とまばらな刺があり、基部は心形、先は鋭形。托葉鞘は筒形、先に草質の翼があり、翼は円形、縁には歯がある。花序は頂生又は腋生。花序柄は分枝し、密な星状毛とまばらな腺毛がある。苞は披針形、普通、密に星状毛があり、各苞に花が2個つく。花柄は苞より短い。花被は帯ピンク色、5深裂する。花被片は広楕円形、長さ約4㎜。雄しべは8個、2輪につき、突き出ない。花柱は3個、中間の下まで合着する。痩果は宿存する花被に包まれ、濃褐色、光沢があり、卵形、3稜形、長さ約3.5㎜。花期は6~9月。果期は7~10月。
26-1 Persicaria maackiana (Regel) Nakai f. albiflora H.Hara  シロバナサデクサ
 白花品種。

27 Persicaria maculosa Gray  ハルタデ 春蓼  [広義]
   basionym Polygonum persicaria L.
 日本、朝鮮、中国、台湾、モンゴル、ロシア、ネパール、インドネシア、中央アジア、コーカサス原産。英名はJesusplant , lady's-thumb , redshank , spotted lady's-thumb 。中国名は蓼 liao 。
 1年草。茎は直立又は斜上、高さ40~80㎝、分枝又は分枝せず、まばらに毛があるか又は無毛になる。葉柄は長さ5~8㎜、伏した小剛毛がある。葉身は披針形~楕円形、しばしば、暗色の三角形の斑紋が中央にあり、両面に伏した小剛毛があり、中脈には密にあり、葉の基部は狭い楔形、葉縁には長い縁毛があり、葉先は鋭形~尖鋭形。托葉鞘は筒形、長さ1~2㎝、膜質、まばらに毛があり、先は切形、縁毛は長さ0.4~3㎜。花序は頂生又は腋生、穂状花序、長さ2~6㎝、普通、数個の穂状花序がつき、円錐花序状になる。花序柄は腺毛があるか又は無毛。苞は漏斗形、縁毛があり、各苞に花が5~7個つく。花柄は長さ2.5~3㎜。花被は赤紫色~暗紫色、普通、5深裂する。花被片は長円形、長さ2.5~3㎜、脈が目立つ。雄しべは6~7個。花柱は2個、まれに3個、中間の下で合着する。痩果は宿存する花被に包まれ、黒褐色、光沢があるか又は光沢がなく、類円形又は広卵形、まれに3稜形、長さ2~2.5㎜、平滑。花期は6~7月。果期は7~9月。 2n = 22, 40 , 42 , 44.。
27-1 Persicaria maculosa Gray subsp. maculosa  ヨウシュハルタデ  洋種春蓼
   basionym Polygonum persicaria L. var. persicaria 
 ユーラシア(ヨーロッパ)原産。英名はlady's thumb ,redshank。有柄の腺毛が無い。
 茎が無毛または伏毛がある。葉は長さ (1)5~10(18)㎝、幅(0.2)1~2.5(4)㎝、葉表には惰円形や三角形の黒斑があり、上面は無毛又は剛毛があり、下面にはときに腺点があり、主脈に剛毛が多い。托葉鞘は長さ4~10(15)㎜、長さ1~3.5(5)㎜の縁毛があり、表面は無毛又は伏した剛毛があり、稀に幅が広い毛があり、腺点はない。葉柄は長さ1~8㎜、無毛又は剛毛がある。茎頂に1、2個の穂状花序状の花序をつけ、葉腋に短い花序をつける。花序は長さ1.3㎝~3.8(6)㎝、直立し、花を密集してつける。花序も苞(鞘状苞葉)は長さ02~1.3(2)㎜の縁毛がある。花序柄は長さ10~50㎜、無毛、稀に毛があり、腺毛がない。花柄は上向き、長さ1~2.5㎜。花は長さ約3㎜。花被片4~5個、下部は緑白色で先がピンク色、又は全体がピンク色、腺点はない。雄しべは4~8個。花柱は2~3裂(2~3個で下部が合着)。痩果は長さ(1.9)2~2.7㎜×幅 (1.5) 1.8~2.2㎜、扁平な卵形又は3稜形、黒褐色~黒色、光沢がある。花は春~秋。2n=22,40,44。

27-2 Persicaria maculosa Gray subsp. hirticaulis (Danser) S.Ekman et Knutsson  ハルタデ 広義
 有柄の腺毛がある。
 茎は分枝して、直立し、普通、赤紫色を帯び、わずかに上向きの毛があるか又は無毛。葉は互生し、長さ4~14(20)㎝×幅0.5~2㎝、広披針形、葉先は鋭形、葉の基部は楔形。葉の中央に黒い斑紋が出ることが多く、両面に伏した剛毛があり、主脈には特に多い。葉下面に腺点がないか又は不明瞭な腺点がある。葉柄は長さ5~8㎜、上向きの伏した剛毛がある。托葉鞘の先には長さ1~3㎜の縁毛がある。花序は長さ3~5(6.5)㎝の円柱状、ほぼ直立、又は垂れ下がることもある。花柄は無毛又は有柄の黄色の腺毛と長毛がある。花被は長さ約2.5㎜、淡紅色、4~5裂する。花柱は2~3裂(2~3個で下部が合着)。雄しべは(5)6~7(8)個。痩果を包んで残る花被は中央部がやや盛り上がり、脈は不明瞭で、先が2分岐するが、釣針形にならず、花被に腺点がない。痩果は光沢のある黒褐色、長さ2~2.5㎜、普通、扁平な円形、中央下部が盛り上がるレンズ形、ときに3稜形の痩果も混じる。2n=22 , 44

27-2-1 Persicaria maculosa Gray subsp. hirticaulis (Danser) S.Ekman et Knutsson var. pubescens (Makino) Yonek.  ハルタデ 狭義
  synonym Persicaria mitis Gilib. var. hirticaulis (Danser) H.Hara et I.Ito
  synonym Persicaria extremiorientalis (Vorosch.) Tzvelev
  synonym Persicaria maculata auct. non (Raf.) A. et D.Love 
  synonym Persicaria mitis auct. non Delarbre
  synonym Persicaria vulgaris auct. non Webb et Moq. 
  synonym Polygonum persicaria L. subsp. hirticaule Danser 
  synonym Polygonum persicaria L. var. pubescens Makino ケハルタデ
  synonym Polygonum persicaria auct. non L.
27-2-2 Persicaria maculosa Gray subsp. hirticaulis (Danser) S.Ekman et Knutsson var. amblyophylla (H.Hara) Yonek.  シラカワタデ
  synonym Persicaria mitis Gilib. var. amblyophylla (H.Hara) Hiyama
  synonym Polygonum persicaria L. var. amblyophyllum (H.Hara) Ohwi 
  synonym Persicaria amblyophylla H.Hara
 関東北部の平地にだけ見られる。
 葉形に特徴のあるタデで、はじめ独立の種として記載されたが、後にオオイヌタデの変種とされた。このタデは外観がオオイヌタデに似ているが、 花や果実はハルタデと区別がつかない。茎には短剛毛がまばらに生え、葉鞘の口には粗毛の出るのがむしろ普通で、 鞘口毛の長さは3~4㎜に達するものがあり、葉の性質も形を除けばケハルタデの型によく似てくる。結局このタデ、はハルタデの変種として扱う。(参考10)

28 Persicaria manshuricola Kitag.  エダハリタデ
  synonym Polygonum longisetum Bruijn var. longisetum
 日本、朝鮮、中国、モンゴル、ロシア、インド、ネパール、シッキム、ミャンマー、インドネシア、マレーシア原産。中国名は长鬃蓼 chang zong liao 。葉の基部は広楔形。2n=40

29 Persicaria microcephala (D. Don) H. Gross
  synonym Polygonum microcephalum D. Don [Flora of China , The Plant List]
 中国、インド、ブータン、ネパール、シッキム原産。中国名は小头蓼 xiao tou liao。標高500~3200mの森林内、草地に生える。
 多年草。根茎は丈夫。茎は直立又は傾伏、高さ40~60㎝、角張り、分枝する。葉柄は長さ1~1.2㎝、翼がある。葉身は広卵形~三角状卵形、長さ6~10㎝×幅2~4㎝、両面とも無毛又は軟毛があり、歯の基部は類円形、葉柄に沿下し、翼を作り、葉縁は全縁、縁毛があり、葉先は尖鋭形。托葉鞘は筒形、緩く、長さ7~10㎜、有毛、先は切形、縁毛がある。花序は頂生、普通、双生、頭状、直径5~7㎜。花序柄は無毛又は腺毛がある。苞は卵形、先は鋭形。花被は白色又は帯ピンク色、5深裂する。花被片は楕円形、長さ2~3㎜。雄しべは8個、突き出ない。花柱は3個、中間の下まで合着する。柱頭は頭状。痩果は黒褐色、光沢がなく、広卵形、3稜形、長さ2~2.5㎜、斑点がある。
品種) 'Chocolate Dragon' (PBR) , 'Dragon's Eye' (PBR) , 'Purple Fantasy' , 'Red Dragon' (PBR) , 'Silver Brown' , 'Silver Dragon'
29-1 Persicaria microcephala (D. Don) H. Gross var. microcephala
  synonym Polygonum microcephalum var. microcephalum
  synonym Persicaria microcephala (D. Don) H. Gross
 花序柄は無毛。花被は白色。
29-2 Persicaria microcephala var. sphaerocephala
  synonym Polygonum microcephalum var. sphaerocephalum (Wallich ex Meisner) H. Hara
  synonym Persicaria sphaerocephala (Wallich ex Meisner) H. Gross.
 中国、インド、ネパールに分布。中国名は腺梗小头蓼 xian geng xiao tou liao
 花序柄は腺毛がある。花被は帯ピンク色。

30 Persicaria mikawana Hanai et Seriz. コミゾソバ 小溝蕎麦
  synonym Polygonum mikawanum Hanai et Seriz.
 日本固有種(本州の福島県~兵庫県)
 1年草、長さ15~80㎝。茎は下向きの小刺があり、星状毛が散生し、横に這い、先がやや立ち上がる。茎の基部は倒伏しない。葉は互生し、長さ3~7㎝×幅2~5(2~3)㎝、先は尖り、側裂片がやや後方へ張り出し、基部は浅い心形となる。側裂片の先は鈍頭。葉縁、葉裏の脈上に毛はあるが星状毛はない。葉柄は狭い翼があり、長さ1~3.5㎝(5~6㎜)、上向きの小刺があり、小さな星状毛がある。托葉鞘は長さ3~5㎜、上向きの小刺があり、上部が葉のように丸く広がるものと広がらないものがある。花は小さな総状花序に数個(3~7個程度)、集まってつく。花柄には腺毛はなく、小さな星状毛がある。苞は披針形、小苞は幅が広く、2脈があり、先が浅く2裂し、先端が黒くなる。花被は長さ約3㎜、幅約1.5㎜、筒部は長さ約2㎜、白色~白緑色、先は5裂し、淡紅色。花後は花被の先が淡褐色になり、下部の幅が広くなる。痩果は長さ約3㎜×幅約2㎜の3稜形、やや光沢がある。花被を取ったすぐの痩果は白緑色であり、放置すると淡褐色になり、未熟なものは白緑色のまま。花期は8~10月。2n=20。地中に閉鎖花はつけない。
30-1 Persicaria mikawana Hanai et Seriz. f. alboviridis Hanai et Seriz.  ミドリコミゾソバ

31 Persicaria muricata (Meisn.) Nemoto ヤノネグサ 矢の根草
  synonym Persicaria nipponensis (Makino) Nakai
  synonym Polygonum muricatum Meisn.
 日本(北海道、本州、四国、九州、朝鮮)、中国、インド、ネパール、ロシア、タイ原産。中国名は小蓼花 xiao liao hua。水田や草地に普通に見られる。
 多年草、高さ30~50(100)㎝。茎は基部が這い、先は斜上して長く、1mほどになることもあり、分枝する。茎は稜があり、黄緑色、赤味を帯びることも多く、稜上に小さい逆刺がある。刺のほとんど無いものもある。葉は互生し、葉柄は長さ0.7~2㎝、わずかに逆に曲がった刺がある。葉身は長さ2.5~6㎝×幅1.5~3㎝、卵形~長円状卵形、葉裏にはわずかに星状毛、短毛があり、中脈上に上向きの刺がある。葉の上面は普通、無毛。葉縁には縁毛がある。葉先は鋭形~尖鋭形、葉の基部は広切形~円形~類心形。托葉鞘は長さ8~20㎜の筒形、膜質、先は切形、長い縁毛がある。花序は穂状、数個の穂状花序が集まってつき、円錐花序状のようになる。枝先の短い穂状花序に10数個が固まってつき、いびつな形をしていて丸くならない。花序の成長の良いものは惰円形になる。花序柄( peduncle)には密に短毛と腺毛がある。腺毛は短毛より長く、腺が赤色。苞は広惰円形~卵形、長さ2.5~3㎜、先が赤色になり、縁毛があり、赤い腺毛もある。花柄(pedicel)は苞より短くて見えず、長さ0.5~2㎜、緑色、腺毛はほとんどない。花被は5裂し、広惰円形、長さ2~3㎜、白色で先が淡紅色。雄しべは6~8個。花柱は3個。柱頭は頭状。痩果は長さ2~2.5㎜の3稜形、緑色~緑褐色~褐色、平滑、光沢がある。花期は9~10月。2n=20。
31-1 Persicaria muricata (Meisn.) Nemoto f. albiflora (Makino) Yonek.  シロバナヤノネグサ
  synonym Persicaria nipponensis (Makino) H.Gross ex Nakai f. albiflora (Makino) Nemoto 
 ヤノネグサの白花

32 Persicaria neofiliformis (Nakai) Ohki  シンミズヒキ 新水引
  synonym Persicaria filiformis (Thunb.) Nakai ex W.T.Lee var. neofiliformis (Nakai) T.B.Lee ex W.T.Lee 
  synonym Antenoron neofiliforme (Nakai) Hara
  synonym Antenoron filiforme (Thunb.) Roberty et Vautier var. neofiliforme (Nakai)A.J.Li
 日本(本州、四国、九州)、中国原産。中国名は短毛金线草 duan mao jin xian cao
 多年草、 高さ50~80㎝ 。茎は中空、直立する。葉は間隔が短く、密に互生し、濃緑色、長さ10~18㎝の長楕円形、毛はほとんどなく、先が尾状に尖る。表面は葉脈がほとんど窪まず、毛がなく、光沢があり、さわるとゴムのような感触がある。葉裏は脈が明瞭で、ややざらつく。葉には黒班がない。ミズヒキより花序が長い。花はミズヒキによく似ている。痩果は長さ3~3.5㎜。花期は8~10月。

33 Persicaria nepalensis (Meisn.) H.Gross タニソバ 谷蕎麦
   basionym Polygonum nepalense Meisn.
 日本、朝鮮、中国、台湾、ロシア、アフガニスタン、インド、ブータン、ネパール、パキスタン、パプアニューギニア、タイ、インドネシア、マレーシア、フィリピン原産。英名はNepalese smartweed , Nepal knotweed , Nepal persicaria。中国名は尼泊尔蓼 ni bo er liao 。山地、原野の湿った場所に生える。
 1年草、高さ10~50㎝。茎はよく分枝し、無毛で、赤味を帯びることがある。葉は長さ1~9㎝×幅0.5~3㎝の卵形で、先が細く尖り、基部は楔形で茎を抱く。下部の葉には広い翼のある葉柄がある。葉の下面には緑色の腺点がある。托葉鞘は薄い膜質で、下向きの粗毛がある。花は頭状花序につき、苞葉の上に接してつく。花色は白から淡紅が多く、青のものもある。花被はほとんど開かない。花序花序柄や花序のすぐ下の茎には腺毛がある。果実は長さ約2㎜の扁平なほぼ円形、光沢のない暗褐色、表面に細かい凸凹がある。果実が暗褐色になっても花被は蕾のように見える。花期は7~10月。2n=48
33-1 Persicaria nepalensis (Meisn.) H.Gross f. adenothrix (Nakai) Hiyama  ネバリタニソバ

34 Persicaria odorata (Lour.) Sojak
    basionym Polygonum odoratum Lour.
34-1 Persicaria odorata (Lour.) Sojak subsp. odorata ベトナムコリアンダー
 中国、カンボジア、ラオス、タイ、ベトナム、ミャンマー、マレーシア、インドネシア原産。英名はVietnamese-coriander , Vietnamese mint。東南アジアで栽培され、rau ram , Laska leaf , daun kesom , phak phai , chi krasang tomhom , Xiangliao (香蓼)と呼ばれる。中国在来、中国に帰化ともいわれる。P. wugongshanensis に似ている。P. wugongshanensisは葉と花被片に微細な腺をもち、花序は穂状で間隔が開く、花は2形、花柄は苞より長い。しかし明瞭に異なり、根茎が発達し、葉は披針形~狭い披針形。痩果に光沢がある。
 多年草、よく発達した根茎がある。全体に強いコリアンダーのような芳香(唐辛子風味)がある。茎は直立、無毛、高さ30~55㎝×直径2~3㎜、溝があり、基部に不定根がある。葉は全縁、披針形~狭披針形(卵状披針形)[広卵形~三角状卵形:Missouri Botanical Garden]、長さ(7~10)11~16㎝×幅1~1.5㎝、基部は楔形、先は尾状尖鋭形、両面とも無毛又は葉縁と下面の中脈にまばらに前向き剛毛又は毛がある。下面に黄色の腺点がまばらにある。葉柄は托葉鞘の基部につき、長さ2~4(5)㎜。托葉鞘は筒形、膜質、無毛、長さ11~16.5㎜、先端に短い縁毛(5㎜以下)がまばらにある[縁毛は葉鞘の1/3~1/2]。花序柄は長さ1~5㎝。花序は頂生、穂状花序状、普通、基部で不連続、長さ7~10㎝×幅約1㎝、1個又は多数の統合した円錐形。苞は膜質、漏斗形、縁には短い毛があり、長さ1~2㎜。花柄は苞より長い。花は両性、長さ3.1㎝以下。花被片は5個、倒卵形、白色又は淡ピンク色、長さ1.5~2.1(5~7)㎜、淡黄色の透明の腺点を持つ。雄しべ8個。花柱は普通、3個(まれに2個)、中間で合着する。花柱は2形。果実は長さ約1.5㎜、扁平な卵状3稜形、褐色、平滑、光沢がある[光沢がない]。花期は6~10月(主に晩夏)。果期は8~12月。
34-2 Persicaria odorata (Lour.) Sojak subsp. conspicua (Nakai) Yonek.  サクラタデ
  synonym Persicaria japonica (Meisn.) Nakai ex Ohki subsp. conspicua (Nakai) Sugim
  synonym Persicaria macrantha (Meisn.) Haraldson subsp. conspicua (Nakai) Yonek.
  synonym Persicaria conspicua (Nakai) Nakai ex Ohki 
  synonym Polygonum japonicum var. conspicuum Nakai  [Flora of China]

 日本(本州、四国、九州、沖縄)、朝鮮、中国、台湾原産。中国名は显花蓼 xian hua liao。 水辺や湿地、水田の畔
 1年草。高さ50~100㎝。葉は匂いが無く、互生し、長さ5~12㎝の披針形、先は鋭く尖る。葉縁と脈上にやや硬い毛(剛毛)がある。托葉鞘は褐色、長さ7~15㎜、縁毛は長さ4~7(5~12)㎜[葉鞘の1/2~2/3]。花序は1~3本に分枝し、細長く、曲がるが、先はあまり垂れ下がらない。花柄はやや長い。花被は淡紅色、まれに白色、腺点があり、5深裂し、長さ5~6㎜。雌雄異株。花序の節当りの花数は2~3個。雄花は雄しべが雌しべより長く、花被からやや突き出す。雌花は雌しべが雄しべより長い。花柱は3個。痩果は長さ約3㎜の3稜形、赤褐色から黒色に熟し、光沢は少ない。 花期は9~10月。 2n=44
34-2-1 Persicaria odorata (Lour.) Sojak subsp. conspicua (Nakai) Yonek. f. albiflora (Hiyama) Yonek.  シロバナサクラタデ ※別種olygonum japonicumとして分類する見解がある。
  synonym Persicaria japonica (Meisn.) Nakai ex Ohki
  synonym Persicaria conspicua (Nakai) Nakai ex Ohki f. albiflora Hiyama
  synonym Polygonum japonicum Meisn.  [Flora of China]
 日本、朝鮮、中国(東部~中部および東南部の低標高地に限る)に分布。
 葉の上面には縁付近にだけ剛毛があり、まれに、均一の毛があり、毛の長さは0.5(~0.7)㎜以下。葉の下面は脈上だけに剛毛がある。花序枝が多く、花が小型で、花序の節当りの花数が4~6個。托葉鞘が濃い褐色。花柱が2~3個、2個のものが多い。、痩果はレンズ形又は3稜形で、レンズが多く、光沢がある。
 花序の節当りの花数が2~3個ならサクラタデ、4個以上ならシロバナサクラタデ。シロバナサクラタデは痩果に光沢がある。

35 Persicaria opaca (Sam.) Koidz. 
  synonym Polygonum persicaria var. opacum (Samuelsson) A. J. Li
  synonym Polygonum opacum Samuelsson
 中国原産。中国名は暗果蓼 an guo liao
 ハルタデ(Polygonum persicaria)の変種と分類されていた。
 痩果は光沢が無い。鞘は縁毛が短く、縁毛の長さ0.4~1㎜。

36 Persicaria orientalis (L.) Spach  オオケタデ 大毛蓼
  synonym Persicaria pilosa (Roxb.) Kitag. 
  synonym Persicaria cochinchinensis (Lour.) Kitag.
   basionym Polygonum orientale L.
 朝鮮、中国、台湾、ロシア、インド、ブータン、バングラデシュ、スリランカ、ミャンマー、タイ、ベトナム、インドネシア、マレーシア、フィリピン、イラン原産。中国名は红蓼 hong liao。英名はprince'sfeather, kiss-me-over-the-garden-gate。別名はオオベニタデ、ベニバナオオケタデ。
 江戸時代に薬草として導入され、花が鮮やかなため全国で観賞用に栽培されるようになり、逸出して野生化している。道端、民家付近、荒地、耕作地などに生える。
 1年草、茎は直立、高さ100~200㎝、丈夫、上部で多数、分枝、密に開出する絨毛がある。葉柄は長さ2~10㎝、開出する絨毛がある。葉身は広卵形~広楕円形~卵状披針形、長さ10~20(~27)㎝×幅5~12㎝、両面に密に毛があり、脈には密に絨毛があり、葉の基部は円形~類心形、わずかに沿下し、葉縁には密に縁毛があり、葉先は尖鋭形。葉の下面には腺点がある。托葉鞘は筒形、長さ1~2㎝、膜質、絨毛があり、縁は切形、長い縁毛があり、普通、緑色の葉状の翼をもつ。花序は頂生又は腋生、穂状花序、わずかに垂れ下がり(生育がよいと垂れ下がることが多い)、長さ3~7㎝、数個の穂状花序がつき、円錐花序状になる。苞は緑色、広漏斗形、長さ3~5㎜、有毛、縁は長い縁毛があり、各苞に花が3~5個つく。花柄は苞より長い。花は2形。花被はピンク色~白色、5裂する。花被片は楕円形、長さ3~4㎜。白色。雄しべ7個、突き出す。花柱は2個、中間の下まで合着し、突き出ないか又は、雄しべが突き出ず、花柱が突き出す株もある。柱頭は頭状。痩果は宿存する花被に包まれ、黒褐色、光沢があり、ほぼ円形、レンズ形、直径約3~3.5㎜。花期は6~9月。果期は8~10月。 2n=22
品種) 'Cerise Pearls' , 'Shiro-Gane Nishiki' , 'Variegata' (v)

37 Persicaria pensylvanica (L.) M.Gomez  アメリカサナエタデ 広義
   basionym Polygonum pensylvanicum L.
  synonym Polygonum maculatum Raf.
  synonym Persicaria mississippiensis (Stanford) Small
 北アメリカ(USA,カナダ)原産。英名はPennsylvania smartweed , pinkweed。
 花序の柄に著しい有柄の腺毛がある。葉は無毛又は圧毛があり、葉裏に腺点がある。托葉鞘の縁毛は長さ05㎜以下。花被は白色~淡紅色、腺点がなく、脈は鉤状に曲がらない。痩果は表面が少し窪む両凹レンズ形。2n=88
37-1 Persicaria pensylvanica (L.) M.Gomez var. pensylvanica  ケオトメサナエタデ
 葉に剛毛がある。花序柄に開出毛がある。花期は7~10月
37-2 Persicaria pensylvanica (L.) M.Gomez var. dura (Stanford) C. F. Reed
 葉に剛毛がある。花序柄に伏毛がある。花期は7~9月
37-3 Persicaria pensylvanica (L.) M.Gomez var. laevigata (Fernald) W.C.Ferguson  オトメサナエタデ
 葉が無毛。花期は7~10月。

38 Persicaria perfoliata (L.) H.Gross  イシミカワ 石見川、石膠
 世界全域に分布する雑草。英名はAsiatic tearthumb, mile-a-minute weed, Chinese tearthumb, devil's-tail。中国名は杠板归 gang ban gui 。
 1年草、つる性。茎には下向きの鋭い刺(逆刺)がある。葉は三角形、白緑色で、葉柄は葉縁でなく、葉身下部の縁寄りに楯状(T字状)につき、刺がある。托葉鞘は膜質で短く、上部は円形の葉のように広がり茎を取り囲む。枝先の丸い葉のような苞の上に花が10~20個の小さな花序をつける。花は淡緑色で小さく、花被は5中裂する。丸い苞の上に花被に包まれた丸い果実が多数乗り、秋には果実の花被の色は青~紫色に変わり目立つようになる。花被の中の果実は黒紫色、直径約3㎜の球形。1日に15cm成長し、7m以上になり、英名のMile-a-minute weedはこの特徴をよく表している。花期は6~10月。2n=24

39 Persicaria posumbu (Buch.-Ham. ex D.Don) H.Gross  ハナタデ 花蓼
  synonym Polygonum posumbu Buchanan-Hamilton ex D. Don
  synonym Persicaria yokusaiana (Makino) Nakai 
  synonym Persicaria yokusaiana (Makino) Nakai f. laxiflora (Meisn.) Hiyama
  synonym Persicaria posumbu (Buch.-Ham. ex D.Don) H.Gross var. laxiflora (Meisn.) H.Hara ナガホハナタデ(ヌカポハナタデ)
   synonym Persicaria caespitosa (Blume) Nakai subsp. yokusaiana (Makino) Sugim. ホソバハナタデ
 日本全土、東アジア原産。中国名は丛枝蓼 cong zhi liao 。英名はAsiatic smartweed , Oriental lady's thumb。別名はヤブタデ。山野の林内、道端、草地に生える。
 1年草、高さ30~60㎝。茎は基部がやや這ってから直立する。葉は長さ3~9㎝、幅1~3㎝の卵形~長卵形、基部は楔形、葉先が尾状に尖り、葉の中央部に普通、黒い班紋がある。葉の両面に毛があり、葉裏に腺点がある。葉が古くなると毛がとれてしまうことも多い。托葉鞘は長さ3~8㎜、縁毛は托葉鞘と同長程度又はやや長い。花序は長さ5~10㎝、細長く、直立し、白色~淡紅色の小さな花をまばらにつける。小花柄がイヌタデより長い。花被は4又は5裂し、腺点はない。花柱は3裂。雄しべは7(8)個。小苞の先はやや長い毛状になる。痩果は長さ2~2.5㎜、褐色、3稜形、平滑、光沢がある。日陰にあるものはほとんど花が朱色を帯びないものが多い。花期は8~10月。2n=40。
39-1 Persicaria posumbu (Buch.-Ham. ex D.Don) H.Gross var. posumbu f. albiflora (Iwata) Yonek. シロバナハナタデ 白花花蓼
  synonym Persicaria caespitosa (Blume) Nakai subsp. yokusaiana (Makino) Sugim. f. albiflora (Iwata) Sugim.
 白花の品種
40 Persicaria praetermissa (Hook.f.) H.Hara  ホソバノウナギツカミ 細葉の鰻攫
  synonym Persicaria hastatoauriculata (Makino ex Nakai) Nakai 
  synonym Polygonum hastato-auriculatum Makino ex Nakai
  synonym Polygonum praetermissum Hook.f.
 日本(本州の関東地方以西、四国、九州)、朝鮮、中国、台湾、インド、ネパール、ブータン、スリランカ、フィリピン、オーストラリア、タスマニア島原産。中国名は 疏蓼 shu liao 。英名はspotted knotweed。
 1年草、這い、長さ30~80㎝。茎には下向きの刺が生える。葉は互生し、長さ4~8㎝の披針形~長披針形。柄は短く、基部は左右が細く突き出し、茎を抱く。托葉鞘は膜状、長さ0.8~2㎝。花は3~5個がまとまってつく程度のまばらな花序。花被は5深裂し、先が淡紅色又は白色。花柄にはまばらに腺毛がある。痩果は長さ約2㎜の丸みのある3稜形。花期は6~9月。

41 Persicaria pubescens (Blume) H.Hara  ボントクタデ 凡篤蓼
  synonym Polygonum pubescens Blume
 日本(本州、四国、九州、沖縄)、朝鮮、中国、インド、ブータン、インドネシア原産。中国名は伏毛蓼 fu mao liao 。
 1年草、高さ70~100㎝。茎は赤色を帯び、上向きの伏毛が多い。葉は互生し、長さ5~10㎝、幅1.5~2㎝の披針形~広披針形、先が鋭く尖り、基部は楔形、中央部に八の字形の黒い斑紋がある。葉の両面に毛が多く、葉裏の腺点はあるが、少なく不明瞭。葉に辛味はない。苞は緑色、先に毛がある。托葉鞘は長さ約12㎜、縁毛は長さ約8㎜。花序は紐状、先が垂れ下がり、淡紅色の小さな花をまばらにつける。小苞には縁毛があり、小苞と小苞との間が開く。花被は5裂し、花後は紅色が強くなり、下部の緑色を除き、全体がほぼ紅色になり、明瞭な腺点がまばらにある。花柱は3裂。雄しべは8個。痩果は黒褐色、長さ2.5~3㎜の3稜形、表面がざらつき、光沢がない。花期は9~10月。2n=(44)
41-1 Persicaria pubescens (Blume) H.Hara var. acuminata (Franch. et Sav.) H.Hara  ボントクタデ 狭義
41-2 Persicaria pubescens (Blume) H.Hara f. macrantha M.Mizush.  オオバナボントクタデ

42 Persicaria runcinata (Buch.-Ham. ex D.Don) H.Gross  ニイタカタニソバ 新高谷蕎麦
  synonym Polygonum runcinatum Buchanan-Hamilton ex D. Don
 中国、台湾、インド、ブータン、ネパール、カシミール、シッキム、ミャンマー、タイ、インドネシア、マレーシア、フィリピン原産。中国名は羽叶蓼 yu ye liao 。英名はlobed leaf knotweed 。標高800~3900mmの草地の斜面、山地の斜面、湿った渓谷、渓谷の茂みに生える。
 多年草。根茎は丈夫。茎はほぼ直立~斜上、高さ30~60㎝、角張り、軟毛があるか又はほぼ無毛、普通、節に後ろ向きの伏した剛毛がある。葉柄は長さ1~1.5㎝、狭い翼があり、基部に耳があり、上部の葉柄はしばしば短柄か又は類無柄になる。葉身は長さ4~8㎝×幅2~4㎝、羽状中裂する。頂裂片は三角形、大きく、先が尖鋭形。側裂片は1~3対、小さく、短い縁毛があり、両面にまばらに剛毛があるか又は無毛。托葉鞘は筒形、長さ約1㎝、膜質、有毛、先は切形、縁毛がある。花序は頂生、散房花序又は円錐花序、頭状、密、直径0.5~1.5㎝。花序柄は腺毛がある。苞は狭卵形、縁は膜質。花柄は苞より短く、細い。花被は帯ピンク色又は白色、5深裂する。花被片は狭卵形、長さ3~3.5㎜。雄しべは普通、8個、突き出ない。葯は紫色。花柱は3個、中間の下まで合着する。痩果は宿存する花被に包まれ、黒褐色、光沢が無く、卵形、3稜形、長さ2~3㎜。2n = 22
品種) Needham's form , 'Purple Fantasy'
42-1 Persicaria runcinata (Buch.-Ham. ex D.Don) H.Gross var. runcinata
  synonym Polygonum runcinatum var. runcinatum
 葉身は両面にまばらに剛毛がある。側裂片は1~3対。頭花は普通、双生、直径1~1.5㎝。
42-2 Polygonum runcinatum var. sinense Hemsley,
  synonym Polygonum runcinatum var. exauriculatum Lingelsheim
 中国名は赤胫散 chi jing san 。
 葉身は無毛又は両面にまばらに短い剛毛がある。側裂片は1対。頭花は直径5~7㎜、数個の頭状の円錐花序をもつ。

43 Persicaria sagittata (L.) H.Gross ウナギツカミ 広義
  synonym Persicaria sagittata (L.) H.Gross var. sibirica (Meisn.) Miyabe f. tomentosa (H.Hara) H.Hara 
  synonym Persicaria anguillana (Koidz.) Honda
  synonym Persicaria aestiva Ohki
  synonym Persicaria sagittata (L.) H.Gross var. aestiva (Ohki) Masam. 
  synonym Persicaria sagittata (L.) H.Gross var. sibirica (Meisn.) Miyabe f. aestiva (Ohki) H.Hara 
  synonym Persicaria sagittata (L.) H.Gross var. sibirica (Meisn.) Miyabe f. pilosa (H.Hara) H.Hara 
  synonym Persicaria sagittata (L.) H.Gross var. sibirica (Meisn.) Miyabe f. sericea (Nakai) H.Hara
  synonym Persicaria sagittata (L.) H.Gross var. sieboldii (Meisn.) Nakai
  synonym Persicaria belophylla (Litv.) Kitag
  synonym Persicaria sieboldii (Meisn.) Ohki  アキノウナギツカミ アジア産
  synonym Persicaria sieboldii (Meisn.) Ohki f. laevicaulis Seriz. 
  synonym Persicaria sieboldii (Meisn.) Ohki var. aestiva (Ohki) Okuyama 
  synonym Persicaria sieboldii (Meisn.) Ohki var. paludosa (Kom.) Nakai ex Kitag.
  synonym Polygonum sagittatum L. 北アメリカ産
 日本、朝鮮、中国、台湾、モンゴル、ロシア、北アメリカ原産。英名はArrow-leaf tearthumb, arrow-vine, renouee sagittee 。中国名は箭头蓼 jian tou liao 。
 1年草、攀縁し、高さ0.3~2m。茎は薄緑色~緑色、成熟するとしばしば赤紫色になり、1本~広範囲に分枝し、無毛、角(かど)があり、角に反曲する小刺(刺は長さ1~1.5㎜)をもち、しばしば、基部で傾伏し、普通、下部の節にひげ根を生じる。葉は葉柄があり、上部の葉はしばしば短柄や無柄になる。葉柄は長さ0.5~4㎝、無毛、角(かど)に後ろ向きの刺がある。葉身は上面が緑色、下面が薄緑色、広披針形~長円形、長さ2~8.5㎝×幅1~3㎝、質が薄く、下面は無毛、中脈の基部近くに後ろ向きの刺を普通もち、上面は無毛~密に伏した単純毛が多列にあり、基部は矢じり形~深い心形で、小さな円形又は三角形の裂片をもち、全縁、縁毛は有又は無、先は鋭形~類鋭形~鈍形。托葉鞘(葉鞘)は斜め、長さ(0.3)0.5~1.3㎝、薄膜質(紙質)、刺は無く、無毛、縁毛は有又は無、縁毛は長さ0.2~1㎜。花序は頂生又は上部の葉の腋につき、頭状花序又は長くなり、円錐花序状、間隔は開かず、長さ3~15㎝×幅4~10㎜、しばしば細く、普通、分枝し、普通、無毛、しかし、ときに下部に少数の反曲する刺をもつ。花序柄は長さ10~80㎜、普通、無毛、ときに下部に後ろ向きの刺をもつ。花序の苞(ocreolae=sheathing bracts )は托葉鞘に似るが、かなり小さく、長さ1.5~3㎜、重なり、縁毛は無い。各花序の枝は多数の花が束生する密な頭状の房が頂生する。各苞には普通、花が2~3個、密集する。苞は披針形~狭楕円形、長さ3~5㎜、無毛、先は強く、尖鋭形。小苞は狭楕円形~楕円形、長さ3~4㎜、無毛、しばしば先端に縁毛がある。花柄は多くは斜上し、短く、長さ1~1.5㎜、無毛、小苞に包まれる。花被は白色~緑白色、しばしばピンク色や赤色を帯び、ときに全体がピンク色になり、無毛、長さ3~5㎜、5深裂する。花被片は5個、広楕円形、肉質ではなく、先は鈍形。雄しべは8個、分離、花被の基部に2輪につく。内側の雄しべは3個、長さ約2㎜。外側の5個は長さ1~1.5㎜。葯はピンク色、卵形。花柱は3個、中間まで合着(1個、中間まで3裂)し、長さ約0.5㎜、突き出ない。柱頭は3個。痩果は突き出ず又は花柱が突き出し、薄褐色~暗褐色~黒色、光沢が無~有、長さ2.5~4㎜×幅1.8~2.5㎜、普通、卵形、鋭い3稜形、有小斑点~平滑、先は鋭形。2n=40 , (34)

43-1 Persicaria sagittata (L.) H.Gross var. sibirica (Meisn.) Miyabe  ウナギツカミ[狭義 アジア産]
 北海道~九州、東アジアに分布。畦畔、水辺、空き地など湿った土地に生育する。種内の変異が大きく、早生の畑地型が狭義のウナギツカミ、晩生の湿地型がアキノウナギツカミと呼ばれてきた。茎はつる状に伸び、下部は地を這い、上部は斜上する。茎は四角形で稜に逆刺がある。葉は互生、葉柄は長く、葉柄の基部には膜質の托葉鞘がある。葉の基部は心形〜やじり形。茎上部の葉は短柄で、基部が矢じり形で茎を抱く。枝先に淡紅色の花を球状につける。花序は直径約1cm。花被片は5枚。上部が紅色〜紅紫色を帯び、長さ約2.5mm。痩果は花被に包まれ、濃茶褐色に紫色を帯び、3稜形で光沢がある。長さ約3㎜。花期は5~10月。
43-2 Persicaria sagittata var.sagittata[狭義 北アメリカ産]
  synonym Polygonum sagittatum L.var.sagittata
 USA,kナダに分布。
 1年草、高さ20~150㎝、しばしば下部の節から根を生じる。茎は攀縁し、うねがあり、無毛、刺は長さ0.5~1㎜。托葉鞘はタン色~帯褐色、円筒形、長さ8~15㎜、紙質、基部は膨れ又は膨れず、刺があり、縁は斜め、長さ05~2.5㎜の剛毛の縁毛をもち、表面は無毛又は伏毛~開出毛がある。葉柄は長さ1~7㎝。葉身は広矛形~矛状心形~三角形、長さ(2~)6.5~13(~18)㎝×幅(1~)6~11(~16)㎝、基部は切形~切形状心形、縁は広矛形で裂片は散開し、縁毛があり、ときに、後ろ向きの刺もあり、先は尖鋭形、表面は伏毛があり、まれに上面が無毛になり、下面は星状毛がありまれに無毛になり、主脈にしばしば刺がある。花序は頭状花序又は円錐花序、間隔は開かず、長さ5~12㎜×幅3~8㎜。花序柄は長さ10~80㎜、下部に後ろ向きの刺があり、上部に星状毛と腺毛があり、腺は赤色又はピンク色。鞘状苞(ocreolae)は普通、重なり、ときに下部で重ならず、縁は縁毛が無く又は長さ0.5㎜以下の剛毛をもつ。花柄は多くは斜上し、長さ2~3㎜。各苞ごとに(ocreate fascicle) 花が2~4個つく。花被はピンク色又は赤色、しばしば下部が白緑色、無毛、花後に大きくなり、果時に青色や肉質にならない。花被片は4個、長さの1/3~1/2が合着し、広楕円形、長さ5~6㎜、先は鋭形~鈍形。雄しべは(6~)8個。花糸は分離。葯はピンク色、楕円形。花柱は2個、分離。痩果は包まれ、暗褐色~黒色、両凸面、長さ3.5~6㎜×幅3~4㎜、光沢があり、平滑。花期は7~8月。果期は9~10月。2n=40
43-3 Persicaria sagittata (L.) H.Gross f. viridialba (Honda) H.Hara  シロバナウナギツカミ
  synonym Persicaria sieboldii (Meisn.) Ohki f. espinulosa Seriz. 
 白花品種。

44 Persicaria senticosa (Meisn.) H.Gross ママコノシリヌグイ 継子の尻拭
  synonym Polygonum senticosum (Meisn.) Franch. et Sav.
 日本(全土)、朝鮮、中国、台湾、ロシア原産。中国名は刺蓼 ci liao 。別名はトゲソバ
 1年草、つる状(長さ1~2m)。茎はよく分枝し、赤色を帯び、茎や葉柄に下向きの刺(逆刺)と細毛がある。葉は三角形、全縁、葉柄は葉縁につき、長い。托葉鞘は膜質で短く、上部は葉質、腎形で、茎を抱く。花はミゾソバにそっくりの頭状花序で、花は直径約4㎜、約10個つく。花序の下には腺毛がある。春に咲き始め、秋まで咲いている。花被は5深裂し、雌しべは1個、雄しべは8個。花被は大きくなって果実を包む。果実は上端がやや尖り、長さ約3㎜、黒色。花期は5~10月。2n=24
44-1 Persicaria senticosa (Meisn.) H.Gross f. albiflora (Honda) Honda  シロバナトゲソバ 白花刺蕎麦
44-2 Persicaria senticosa (Meisn.) H.Gross var. inermis Sugim.  トゲナシママコノシリヌグイ 

45 Persicaria taitoinsularis (Masam.) Yonek.  ダイトウサクラタデ 大東桜蓼
  synonym Persicaria japonica (Meisn.) Nakai ex Ohki var. taitoinsularis (Masam.) Masam.
 日本固有種(大東諸島)。池の畔の湿地に生える。
 多年草。茎は斜上し、高さは60㎝以下。托葉鞘や葉の下面脈上に毛がある他は無毛。全体の様子はケタデの無毛型であるリュウキュウタデに似るが、柱頭が2本で痩果が凸レンズ形である点で大きく異なる。また、この点で似ているシロバナサクラタデとは、花が2~3.2㎜と小さく、花柄が苞よりも短い点で区別できる。(国内希少野生動植物種に追加する種の概要について)

46 Persicaria taquetii (H.Lev.) Koidz.  ヌカボタデ 糠穂蓼
  synonym Persicaria taquetii (H.Lev.) Koidz. var. minutula (Makino) Honda 
  synonym Polygonum taquetii H. Leveille
 日本(本州、四国、九州)、朝鮮、中国原産。中国名は细叶蓼 xi ye liao 。標高0~400mの湿った谷、溝沿い、水辺に生える。
 1年草。茎は直立又は、基部で平伏又は斜上、高さ30~50㎝、細く、無毛、多数分枝し、下部の節から根を出す。葉柄はごく短いか又は無い。葉身は狭披針形、長さ2~4㎝×幅3~6㎜、両面にまばらに毛があり、基部は楔形、全縁、先は鋭形。托葉鞘は筒形、長さ5~6㎜、膜質、まばらに毛があり、先は切形、縁毛は長さ3~5㎜。花序は頂生又は腋生、穂状花序、長さ10㎝以下、細く、間隔が開き、普通、数個の穂状花序がつき、円錐花序状になる。苞は緑色、漏斗形、長さ約2㎜、長い縁毛があり、各苞に花が3~5個つく。花柄は苞より長く、細い。花被は帯ピンク色、5深裂する。花被片は楕円形、長さ1.5~1.7㎜。雄しべは普通、7個、突き出ない。花柱は2又は3個、中間の下まで合着する。痩果は宿存する花被に包まれ、褐色、光沢があり、卵形、両凸面形又は3稜形、長さ1.2~1.5㎜。花期は8~9月。果期は9~10月。2n = 20.。

47 Persicaria tenella (Blume) H.Hara  シマヒメタデ 島姫蓼
  synonym Persicaria minor (Huds.) Opiz var. kawagoeana (Makino) Masam. シマヒメタデ
  synonym Persicaria tenella (Blume) H.Hara var. kawagoeana (Makino) H.Hara シマヒメタデ
  synonym Persicaria kawagoeana (Makino) Nakai 
  synonym Polygonum tenellum Blume
  synonym Polygonum kawagoeanum Makino シマヒメタデ 島姫蓼 [Flora of China]
 日本(千葉県・和歌山県、九州、トカラ列島)、中国、台湾、インド、ブータン、ネパール、シッキム、パキスタン、インドネシア、マレーシア原産。中国名は柔茎蓼 rou jing liao 。標高0~1700mの湿った渓谷、荒地、野原の縁、水辺、水路などに生える。水中個体は地下茎が伸びて本来1年草であるが多年草のようになる。シマヒメタデ var. kawagoeanaとフトボノヌカボタデvar. tenellaを分けていたが、現在では同一種にまとめている。和名はシマヒメタデとフトボノヌカボタデの両方が使われている。
 1年草。茎は斜上又は傾伏、高さ20~50㎝、細く、普通、基部から分枝し、無毛、下部の節から根を出し、節間は2~3㎝。葉は互生、葉柄はごく短いか又は無柄に近い。葉身は狭披針形~線形、長さ3~6(9)㎝×幅4~8㎜、、両面は有毛又は無毛、中脈に伏した剛毛があり、基部は普通、円形、縁に短い縁毛があり、先は鋭形、中央部には暗紫色の斑紋がある。 。托葉鞘は筒形、長さ(5)8~10(13)㎜、膜質、まばらに伏した剛毛があり、先は切形、縁毛は長さ2~4㎜。花序は頂生又は腋生、穂状花序、直立、密、長さ2~3㎝。苞は漏斗形、縁は大きく、縁毛があり、各苞に花が2~4個つく。花柄は長さ1~1.5㎜。花被はローズピンク色、5深裂する。花被片は楕円形、長さ1~1.5㎜。雄しべは5~6個。花柱は2個。柱頭は頭状。痩果は黒色、光沢があり、卵形、両凸面(レンズ形)、長さ1~1.5㎜。花期は5~9月。果期は6~10月。
47-1 Persicaria tenella (Blume) H.Hara var. tenella  フトボノヌカボタデ 太穂の糠穂蓼 [狭義]
 茎葉や果実の形がヤナギヌカボに似ているが、花序は花が常に密集して、円筒形、直立する。シマヒメタデに比べて、全体やや短縮した形で、がっちりした感がある。節問、葉、花序などはやや短かく、花穂も短かく太い点が著しい。果はーまわり大きい。葉の先はやや急尖で、聞出する傾向が強いなどが異なる点である。生育状況によって稀に、伏臥、繊細、小形のものがある。
 全体やや硬く、茎は30~60㎝、無毛、通常帯紅色、直径1㎜前後、下部1.5~2㎜、節問2~3㎝、でやや短.かい。葉鞘は5~8㎜、圧毛があり、縁毛約2(3) ㎜。実は通常やや厚く、広線形~狭披針形、鋭尖頭、円脚~鈍脚、葉の最大幅は下部、両面多少の毛がある。下面通常盤状腺点があり、主脈は明らかに有毛、側脈不明瞭。花穂は頂生又は腋生、花は密集して円筒状で短かく、約1~2㎝×(3) 4~5㎜、直立。花茎は長さ約1㎝、まれに3㎝。小苞の縁毛は短かく目だたず、約1㎜まで、稀に1.3㎜。果は黒褐色、光沢があり、両凸形、長さ1.5~1.7㎜。(参考6)
47-2 Persicaria tenella (Blume) H.Hara f. albida (I.Ito) Yonek.  シロバナフトボノヌカボタデ
 白花品のものを指し、標本は花期のもので全体繊細、花穂は細く、葉に腺点がない。

48 Persicaria thunbergii (Siebold et Zucc.) H.Gross  ミゾソバ 溝蕎麦
  synonym Persicaria thunbergii (Siebold et Zucc.) H.Gross var. coreana (H.Lev.) Nakai
  synonym Persicaria thunbergii (Siebold et Zucc.) H.Gross var. stolonifera (F.Schmidt) Nakai ex H.Hara
  synonym Persicaria thunbergii (Siebold et Zucc.) H.Gross subsp. hastatotriloba (Meisn.) Sugim.
  synonym Persicaria thunbergii (Siebold et Zucc.) H.Gross f. inermis (Honda) Sugim.
  synonym Polygonum thunbergii Siebold et Zucc. var. hastatotrilobum (Meisn.) Maxim.ex Franch. et Sav.
 日本(北海道、本州、四国、九州)、朝鮮、台湾、中国、ロシア、インド原産。中国名は戟叶蓼 ji ye liao 。別名ハウシノヒタイ。
 1年草、高さ30~100㎝。茎は中空、角(かど)があり、下向きの小刺があり、根元は横に這い、立ち上がり、基部の節から根を出す。葉は互生し、葉柄は長さ2~5㎝、葉柄には狭い翼があり、後ろ向きの小刺がある。葉身は矛形~卵状鉾形、長さ4~10㎝、先が鋭く尖り、基部が耳状にはり出し、牛の顔のような形をしているのが特徴である。葉脈上に小刺があり、葉の両面にまばらに剛毛があり、まれに小さな星状毛がある。基部は類心形又は切形、縁に短い縁毛があり、中間の裂片は卵形~広卵形で先は尖鋭形、基部の裂片は小さく、先が鋭形~鈍形、葉の形には変化が多い。托葉鞘は筒形、短く、膜質、長さ7~20㎜、2形ある。上部に緑色の草質の円い翼をもち、縁は全縁又は円鋸歯のものと、縁毛だけの2種ある。花は頭状花序に10~20個集まってつく。花序柄は分枝し、下部は有毛、上部に赤色の腺毛が密につき、長毛及び小さな星状毛がある。苞は披針形、縁毛があり、各苞に花が3~4個つく。花柄は苞より短い。花被は長さ3~4㎜、ピンク色~白色、先の紅色が濃く、5深裂する。花被片は楕円形、長さ3~4㎜。雄しべ8個。花柱は3個、中間の下で合着する(1個で3裂)。柱頭は頭状。痩果は長さ3~3.5㎜の3稜形、緑白色~黄白色、光沢はない。図鑑などで色を記載したものが少なく、果実がソバの実に似ていると解説され、茶色ではないかと誤解しやすいが、ほぼ白色に近い。痩果を採取して時間が経ち、乾いてくると淡褐色~黄褐色~褐色になる。(葉形と果実の色変化参照)。花期は7~10月。2n=40。花期は7~9月。果期は8~10月。2n = 40 , (34)。
48-1 Persicaria thunbergii (Siebold et Zucc.) H.Gross f. albiflora (Honda) Yonek.  シロバナニシミゾソバ
  synonym Persicaria hassegawae Hanai et Seriz. f. albiflora (Honda) Hanai et Seriz.
48-2 Persicaria thunbergii (Siebold et Zucc.) H.Gross f. viridialba (Iwata) Hanai et Seriz.  シロバナミゾソバ 白花溝蕎麦
  synonym Persicaria thunbergii (Siebold et Zucc.) H.Gross subsp. hastatotriloba (Meisn.) Sugim. f. viridans (Honda) Hanai et Seriz. 
  synonym Persicaria thunbergii (Siebold et Zucc.) H.Gross form. albiflora (Honda)Yonek
48-3 Persicaria thunbergii (Siebold et Zucc.) H.Gross var. hassegawae (Hanai et Seriz.)  ニシミゾソバ
  synonym Persicaria hassegawae Hanai et Seriz.
 ニシミゾソバは葉先が尖り、やや葉の形が似ているが、花期が遅く、10月上旬~11月上旬である。2n=20
48-4 Persicaria thunbergii (Siebold et Zucc.) H.Gross var. oreophila (Makino) Murai  ヤマミゾソバ
  synonym Persicaria oreophila (Makino) Hiyama 
  synonym Persicaria thunbergii (Siebold et Zucc.) H.Gross subsp. oreophila (Makino) Sugim.
  synonym Polygonum oreophilum (Makino) Hiyama
 1年草、高さ30~100㎝。茎に刺が少なく、節間が長い。ただし、節間が短く、刺の多いものもある。葉は幅が広く、葉身の湾入部がほとんど無い三角形、頂裂片の先端は鈍頭、側裂片の先端も鈍頭。葉の基部は切形。葉柄に翼がない。ただし、葉形に変化がある。花序の花数は5~8個と少ない。花は白色、花後は花被の先が紫褐色を帯びる。花柄が長く、腺毛がほとんどない。 果実は黄灰色、光沢がある。花期は10月上旬~11月上旬。染色体数2n=38。山地の林内に生える。
48-5 Persicaria thunbergii (Siebold et Zucc.) H.Gross var. coreana (H.Lev.) Nakai ヒカゲミゾソバ 日陰溝蕎麦
  synonym Polygonum thunbergii Siebold et Zucc. var. coreanum Leveille
 最近では分類せず、ミゾソバに含める。
  1年草、高さ30~100㎝。茎は中空、下向きの明瞭な小刺があり、根元は横に這い、立ち上がる。葉は互生し、先が鋭頭、側裂片の先も鋭頭。葉の基部は浅い心形~切形~楔形。葉柄には翼がある。花序の花数は少ない。花柄には赤色の腺毛、長毛及び小さな星状毛がある。花被は淡紅色~白色、ほとんど白色のものもあり、5裂する。托葉鞘は上部が葉のように丸く広がるものと縁毛だけの2種ある。痩果は長さ3~3.5(4)㎜の3稜形、黄緑色~淡褐色、光沢はない。果実が乾いてくると淡褐色になる。花期は6~9月上旬。2n=40。

49 Persicaria tinctoria (Aiton) Spach  アイ 藍
  synonym Polygonum tinctorium Aiton
 中国原産。中国名は蓼蓝 liao lan。 英名はChinese-indigo , polygonum-indigo
 日本へは奈良時代に渡来。広く栽培され、染料として使われる。別名はタデアイ(蓼藍)、アイタデ(藍蓼)。
 1年草。茎は直立、高さ50~80㎝、普通、分枝する。葉柄は長さ5~10㎜。葉身は緑色、乾くと暗青緑色、卵形~広楕円形、長さ3~8㎝×幅2~4㎝、下面にはときに脈上に伏毛があり、上面は無毛、基部は広楔形、縁には短い縁毛があり、先は鈍形~わずかに鋭形。 托葉鞘は筒形、長さ1~1.5㎝、膜質、伏毛があり、先は切形、縁毛は長い。花序は頂生又は腋生、穂状花序、密、長さ2~5㎝。苞は緑色、漏斗形、縁毛があり、各苞に花が3~5個つく。花柄は苞の長さと同長、細い。花被は帯ピンク色、5深裂する。花被片は卵形、長さ2.5~3㎜。雄しべは6~8個、突き出ない。花柱は3個、下部で合着する。痩果は宿存する花被に包まれ、褐色、光沢があり、広卵形、3稜形、長さ2~2.5㎜。花期は6~9月。果期は8~10月。2n=40

50 Persicaria trigonocarpa (Makino) Nakai  ホソバイヌタデ 細葉犬蓼
  synonym Persicaria erectominor (Makino) Nakai var. trigonocarpa (Makino) H.Hara 
 日本固有種(北海道、本州)
 茎は疎に分枝。葉は狭楕円状披針形、鋭頭、鋭脚、草質、標本では側脈やや明らか。稀に上面縁辺に細毛があり、下面は脈を除いて無毛。微隆起点あり、盤状腺点は北海道産と武蔵、小合溜産の2枚を除いて常にある。花穂は枝頂に少数、狭円柱状、密花、下部は花は離在すること稀。花被は鮮淡紅色、盤状腺点がある。果は黒色、3稜形、長さ1.8~2㎜。(参考6)

50-1 Persicaria trigonocarpa (Makino) Nakai var. roseoviridis (Kitag.) Kitag.モリイヌタデ
  synonym Persicaria erectominor (Makino) Nakai var. roseoviridis (Kitag.) I.Ito 
  synonym Persicaria roseoviridis Kitag
 これは満州産のもので、全体ホソパイヌタデに大層よく似ているものである。原記載は葉鞘は透明質、無毛とあるが、標本では毛のあること多く、又ホソパイヌタデにも葉鞘透明質のものがあってこの点変らず、花被に腺点があり、果の形、大きさも同じで、同一物と見なされる場合もあるが、次の点がちがうようである。ホヅパイヌタデに比べて、花穂、花茎はより伸長し、頂生花穂は通常分枝、下部の花は通常離在、花は帯緑淡紅色、葉は膜質に近いが時にははっきりせず、下面に全く盤状腺点がない。(参考6)
51 Persicaria virginiana (L.) Gaertner  バージニア・ノットウィード
  synonym Polygonum virginianum Linnaeus
 北アメリカ(カナダ、USA)原産。英名はjumpseed , Virginia knotweed。
品種) 'Alba' , 'Ballet' , 'Batwings' , 'Brush Strokes' , 'Compton's Red' , 'Guizhou Bronze' , 'Lance Corporal' , 'Moorland Moss' , 'Painter's Palette' (Variegated Group) , 'Variegata' , Variegated Group (v)

52 Persicaria viscofera (Makino) H.Gross ネバリタデ 粘蓼
  synonym Polygonum viscoferum Makino
 日本(本州の関東地方以西、四国、九州)、朝鮮、中国、台湾、ロシア原産。中国名は粘蓼 nian liao。標高500~1800mの湿った渓谷、山地の斜面に生える。
 1年草。茎は高さ30~70㎝、普通、上部で分枝し、毛がある。葉柄はごく短いか又はほぼ無い。葉身は披針形~広披針形、両面に剛毛があり、脈に密にあり、縁に長い縁毛があり、基部は円形~楔形、先は尖鋭形。托葉鞘は筒形、長さ6~12㎜、膜質、長い剛毛があり、先は切形、縁毛は長い。花序は穂状花序、緩く、長さ4~7㎝、基部に間隔が開き、数個の穂状花序がつき、円錐花序状になる。花序柄は無毛、まばらに粘る腺がある。苞は緑色、漏斗形、無毛だが、縁毛があり、各苞に花が3~5個つく。花柄は苞より長い。花被は帯緑色、5(~4)深裂する。花被片は楕円形、長さ1~1.5㎜。雄しべは7又は8個、突き出ない。花柱は3個、中間より下で合着する。痩果は宿存する花被に包まれ、黒褐色、光沢があり、卵形、3稜形、長さ約1.5㎜、平滑。花期は7~9月。果期は8~10月。2n = 24
52-1 Persicaria viscofera (Makino) H.Gross var. viscofera  ネバリタデ
52-2 Persicaria viscofera (Makino) H.Gross f. viridescens (Nakai) Hiyama  アオネバリタデ
52-3 Persicaria viscofera (Makino) H.Gross var. robusta (Makino) Hiyama  オオネバリタデ
  synonym Persicaria makinoi (Nakai) Nakai 
  synonym Persicaria excurrens (Steward) Koidz. 
52-3-1 Persicaria viscofera (Makino) H.Gross var. robusta (Makino) Hiyama f. laevis (Kitag.) Hiyama  イヌネバリタデ
  synonym Persicaria makinoi Nakai f. laevis (Kitag.) Kitag. 
  synonym Persicaria makinoi Nakai var. laevis (Kitag.) Honda

53 Persicaria viscosa (Buch.-Ham. ex D.Don) H. Gross ex T.Mori  ニオイタデ 匂い蓼
  synonym Polygonum viscosum Buchanan-Hamilton ex D. Don
 日本(本州の関東地方以西、四国、九州 )、朝鮮、中国、台湾、ロシア、インド、ネパール原産。中国名は香蓼 xiang liao 。標高1900m以下の道端、草原、溝の縁に生える。
 1年草。匂いがある。茎は直立又は斜上、高さ50~90㎝、多数分枝し、密に粗毛と腺毛がある。葉柄は短いか又はほぼ無い。葉身は卵状披針形~楕円状披針形、長さ5~15㎝×幅2~4㎝、両面に剛毛があり、脈に密にあり、全縁、短い縁毛が密にある。 托葉鞘は筒形、長さ1~1.2㎝、膜質、密に腺毛と粗毛があり、先は切形、縁毛は長い。花序は頂生又は腋生、穂状花序、長さ2~4㎝、普通、数個の穂状花序がつき、円錐花序状になる。花序柄は密に粗毛と腺毛がある。苞は漏斗形、粗毛と腺毛があり、縁にはまばらに長い縁毛があり、各苞に花が3~5個つく。花柄は苞より長い。花被は帯ピンク色、5深裂する。花被片は楕円形、長さ約3㎜。雄しべは8個、突き出ない。花柱は3個、中間より下で合着する。痩果は宿存する花被に包まれ、黒褐色、光沢があり、広卵形、3稜形、長さ約2.5㎜。花期は7~9月。果期は8~10月。2n=(22)

54 Persicaria wallichii Greuter et Burdet
  synonym Polygonum wallichii Meisner
 中国、インド、ネパール、シッキム原産。中国名は球序蓼 qiu xu liao。標高2500~3400mの山地のの斜面の混合林、湿った渓谷に生える。
 1年草。茎は類直立又は斜上、高さ20~30㎝、無毛。葉柄は長さ1~2㎝、翼は無く、普通、
基部に耳がある。葉身は広心形~卵状心形、長さ3~5㎝×幅2~3.5㎝、下面にまばらに剛毛があり、上面はほぼ無毛、基部は類心形、全縁、短い縁毛があり、先は尖鋭形。 托葉鞘は筒形、長さ6~8㎜、膜質、軟毛があり、先は切形、縁毛は短い。花序は普通、双生の頭状花序、直径5~8㎜。花序柄は無毛。苞は卵形、先は鈍形、無毛。花被は白色、5深裂する。花被片は広楕円形、長さ2~3㎜。雄しべは普通、8個。花柱は3個、中間より下で合着する。柱頭は頭状。痩果は黒色、光沢が無く、卵形、3稜形、長さ2~2.5㎜、密に斑点がある。花期は7~8月。果期は8~10月。2n=22

55 交雑種
(1) Persicaria x musashinoensis Hiyama  イヌハナタデ
 イヌタデとハナタデの自然交雑種。
(2) Persicaria × fennica (Reiersen)Stace
 Persicaria alpina(Koenigia alpina ) x Persicaria weyrichii(Koenigia weyrichii )
品種) 'Johanniswolke'

(3) その他ハイブリッド
品種) 'Indian Summer' , 'Pink Elephant' , 'Silver Dragon' (PBR)

参考

1) Flora of China
  Polygonum
 http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=126398
2)GRIN
  Persicarias
 https://npgsweb.ars-grin.gov/gringlobal/taxonomygenus.aspx?id=15859
3) 米倉浩司:日本とその周辺のタデ科植物に関する新知見 (II) 
 植物研究雑誌 The Journal of Japanese Botany』Vol.87 No.3 (June 2012) p151-168
 サクラタデ、シロバナサクラタデ
 http://www.jjbotany.com/pdf/JJB_087_151_168.pdf
4) Flora of North America
 Persicarias
 http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=1&taxon_id=124629
5)热带亚热带植物学报 2019, Vol. 27 Issue (4): 465-468
 香辣蓼, 中国春蓼属(蓼科)一新归化植物
 http://jtsb.scib.ac.cn/html/2019/4/4052.htm
6)植物研究雑誌第31巻第6号昭和31年6月 p170
 伊藤至: ヒメタデ類小記
 http://www.jjbotany.com/pdf/JJB_031_170_178.pdf
7)植物研究雑誌1 第44巻第12号昭和44年12月 p378
 フトボノヌカボタデとシマヒメタデ
8) Flora of Pakistan @ efloras.org
 Persicaria tenella  
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=5&taxon_id=242100111
9) 環境省
 国内希少野生動植物種に追加する種の概要について
 https://www.env.go.jp/press/files/jp/104227.pdf
10) 植物研究雑誌第37巻第1号昭和37年1月 P28
 牧野標本館雑記(7) (檎山庫三)
 http://www.jjbotany.com/pdf/JJB_037_28_30.pdf
11 )Polygonum sagittatum in Global Plants on JSTOR
 Polygonum sagittatum
 https://plants.jstor.org/compilation/Polygonum.sagittatum
12) New Flora of the British Isles
 Persicaria sagittata   
https://books.google.co.jp/books?id=nJ3YP28EjscC&pg=PA438&lpg=PA438&dq=Persicaria+sagittata%E3%80%802n&source=bl&ots=jgJ4xFzztR&sig=ACfU3U0qmpF-eJSS-xKAxlqwb8qDqtUcYw&hl=ja&sa=X&ved=2ahUKEwiIqeG9nMbmAhWCAYgKHc8CD0U4ChDoATABegQIChAB#v=onepage&q=Persicaria%20sagittata%E3%80%802n&f=false
13) Journal of Phytogeography and Taxonomy 51 : 59-61, 2003
 Polyploidy of Persicaria japonica(Polygonaceae)in Toyama Prefecture, central Japan  
http://phytogeogratax.main.jp/site/wp-content/uploads/2017/05/JPT51_1_59.pdf
14) 植物研究雑誌 第37巻 第1号 昭和37年1月 p3-10
 土井田幸郎 タデ属植物の属内分化に関する考察(1)
 http://www.jjbotany.com/pdf/JJB_037_3_12.pdf