ミヤマタニソバ 深山谷蕎麦
Flora of Mikawa
タデ科 Polygonaceae イヌタデ属
別 名 | ベニミヤマタニソバ |
英 名 | mountain nepalese smartweed |
学 名 | Persicaria debilis (Meisn.) H. Gross ex W. T. Lee synonym Polygonum debile Meisn synonym Persicaria thunbergii var. coreana (H.Lév.) Nakai ヒカゲミゾソバ |
花 期 | 8~9月 |
高 さ | 10~50㎝ |
生活型 | 1年草 |
生育場所 | 山地の林内 |
分 布 | 在来種 日本(本州、四国、九州)、朝鮮 |
撮 影 | 豊根村 02.8.25 |
ミヤマタニソバはタデ科イヌタデ属の山地の陰湿地に生える1年草。
茎は細く、根元から分枝し、下部は横に這い、先は斜上又は直立し、高さ15~50㎝になり、まばらに下向きの刺あり、多くは赤紫色を帯びる。葉は互生し、細長い葉柄があり、翼は無い。葉身は三角形、長さ1.5~5.5㎝×幅1.5~5.5㎝、各頂点は漸尖形(ときに基部の左右がやや張り出し、先は尖鋭形)、基部は切形、質は薄く、暗紫色の八の字形の斑紋があり、葉身と中脈に粗い刺を散生し、通常、星状毛はない。托葉鞘は長さ約4㎜、しばしば上部が緑色の葉状に丸く広がり、ごく短い縁毛がある。茎頂および上部の葉腋の細い枝先に花序柄を出し、先に小さな花が2~5個まとまってつく。花序柄や小花柄にときに腺毛がある(ケミヤマタニソバ)。花被は白色~~淡い紅色、5深裂する。花被片は広楕円形、長さ2~3㎜。雄しべは5~8本。花柱は3本。痩果は3稜形、長さ2.5(~3)㎜、褐色、光沢がある。花期は7~8(10)月。2n=16。
POWO(Kew)ではヒカゲミゾソバをミヤマタニソバsynonymとしている。
【ヒカゲミゾソバ Persicaria thunbergii var. coreana】
現在ではミゾソバに含められるが、POWO(Kew)ではヒカゲミゾソバをミヤマタニソバsynonymとしている。
1年草、高さ30~100㎝。全体に繊細で刺や毛が少ない。茎は中空、下向きの明瞭な小刺があり、根元は横に這い、立ち上がる。葉は互生し、質はやや厚く、葉形はミゾソバの小型で耳がなく三角形のもの~またはオオミゾソバ形の小さい形で葉身が長さ8~13㎜のもの~あるいはヤマミゾソバの葉が小型のものもヒカゲミゾソバとされていた。葉の基部は浅い心形~切形~楔形。葉柄には翼がある。花序の花数は少ない。花柄には赤色の腺毛、長毛及び小さな星状毛がある。花被は淡紅色~白色、ほとんど白色のものもあり、5裂する。托葉鞘は上部が葉のように丸く広がるものと縁毛だけの2種ある。痩果は長さ3~3.5(4)㎜の3稜形、黄緑色~淡褐色、光沢はない。果実が乾いてくると淡褐色になる。花期は6~9月上旬。2n=40。
ヤマミゾソバ(Persicaria thunbergii (Siebold et Zucc.) H.Gross var. oreophila (Makino) Murai)も陰地植物であり、山地の林内に生え、湿地や水中には見られず、葉が三角状で似ている。痩果はミゾソバより一層円味があって灰色がかり、灰色~灰緑色、著しい光沢がある(完熟して濃褐色のものもある)。花期は10月上旬~11月上旬。2n=38。
タニソバは葉柄が長さ2~3㎝で幅の広い顕著な翼がある。葉身は卵形または三角状卵形。頭状花序に花が多数つき、花被が4裂する。2n=48。
茎は細く、根元から分枝し、下部は横に這い、先は斜上又は直立し、高さ15~50㎝になり、まばらに下向きの刺あり、多くは赤紫色を帯びる。葉は互生し、細長い葉柄があり、翼は無い。葉身は三角形、長さ1.5~5.5㎝×幅1.5~5.5㎝、各頂点は漸尖形(ときに基部の左右がやや張り出し、先は尖鋭形)、基部は切形、質は薄く、暗紫色の八の字形の斑紋があり、葉身と中脈に粗い刺を散生し、通常、星状毛はない。托葉鞘は長さ約4㎜、しばしば上部が緑色の葉状に丸く広がり、ごく短い縁毛がある。茎頂および上部の葉腋の細い枝先に花序柄を出し、先に小さな花が2~5個まとまってつく。花序柄や小花柄にときに腺毛がある(ケミヤマタニソバ)。花被は白色~~淡い紅色、5深裂する。花被片は広楕円形、長さ2~3㎜。雄しべは5~8本。花柱は3本。痩果は3稜形、長さ2.5(~3)㎜、褐色、光沢がある。花期は7~8(10)月。2n=16。
POWO(Kew)ではヒカゲミゾソバをミヤマタニソバsynonymとしている。
【ヒカゲミゾソバ Persicaria thunbergii var. coreana】
現在ではミゾソバに含められるが、POWO(Kew)ではヒカゲミゾソバをミヤマタニソバsynonymとしている。
1年草、高さ30~100㎝。全体に繊細で刺や毛が少ない。茎は中空、下向きの明瞭な小刺があり、根元は横に這い、立ち上がる。葉は互生し、質はやや厚く、葉形はミゾソバの小型で耳がなく三角形のもの~またはオオミゾソバ形の小さい形で葉身が長さ8~13㎜のもの~あるいはヤマミゾソバの葉が小型のものもヒカゲミゾソバとされていた。葉の基部は浅い心形~切形~楔形。葉柄には翼がある。花序の花数は少ない。花柄には赤色の腺毛、長毛及び小さな星状毛がある。花被は淡紅色~白色、ほとんど白色のものもあり、5裂する。托葉鞘は上部が葉のように丸く広がるものと縁毛だけの2種ある。痩果は長さ3~3.5(4)㎜の3稜形、黄緑色~淡褐色、光沢はない。果実が乾いてくると淡褐色になる。花期は6~9月上旬。2n=40。
ヤマミゾソバ(Persicaria thunbergii (Siebold et Zucc.) H.Gross var. oreophila (Makino) Murai)も陰地植物であり、山地の林内に生え、湿地や水中には見られず、葉が三角状で似ている。痩果はミゾソバより一層円味があって灰色がかり、灰色~灰緑色、著しい光沢がある(完熟して濃褐色のものもある)。花期は10月上旬~11月上旬。2n=38。
タニソバは葉柄が長さ2~3㎝で幅の広い顕著な翼がある。葉身は卵形または三角状卵形。頭状花序に花が多数つき、花被が4裂する。2n=48。