サクラタデ 桜蓼
Flora of Mikawa
タデ科 Polygonaceae イヌタデ属
中国名 | 显花蓼 xian hua liao |
学 名 |
Persicaria odorata (Lour.) Sojak subsp. conspicua (Nakai) Yonek. synonym Persicaria japonica (Meisn.) Nakai ex Ohki subsp. conspicua (Nakai) Sugim synonym Persicaria macrantha (Meisn.) Haraldson subsp. conspicua (Nakai) Yonek. synonym Persicaria conspicua (Nakai) Nakai ex Ohki synonym Polygonum japonicum var. conspicuum Nakai [Flora of China] |
花 期 | 9~10月 |
高 さ | 50~100㎝ |
生活型 | 1年草 |
生育場所 | 水辺や湿地、水田の畔 |
分 布 | 在来種 本州、四国、九州、沖縄、朝鮮、中国、台湾 |
撮 影 | 幸田町 06.10.22 |
1 Persicaria odorata (Lour.) Sojak ペルシカリア・オドラタ
basionym Polygonum odoratum Lour.日本、韓国、中国、台湾、カンボジア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、タイ、ベトナム原産。
2亜種に分類される。
1-1 Persicaria odorata (Lour.) Sojak subsp. odorata ベトナムコリアンダー
カンボジア、ラオス、タイ、ベトナム、ミャンマー、マレーシア原産。英名はVietnamese-coriander , Vietnamese mint。東南アジアで栽培され、rau ram , Laska leaf , daun kesom , phak phai , chi krasang tomhom , Xiangliao (香蓼)と呼ばれる。中国在来、中国に帰化ともいわれる。P. wugongshanensis に似ている。P. wugongshanensisは葉と花被片に微細な腺をもち、花序は穂状で間隔が開く、花は2形、花柄は苞より長い。しかし明瞭に異なり、根茎が発達し、葉は披針形~狭い披針形。痩果に光沢がある。多年草、よく発達した根茎がある。全体に強いコリアンダーのような芳香(唐辛子風味)がある。茎は直立、無毛、高さ30~55㎝×直径2~3㎜、溝があり、基部に不定根がある。葉は全縁、披針形~狭披針形(卵状披針形)[広卵形~三角状卵形:Missouri Botanical Garden]、長さ(7~10)11~16㎝×幅1~1.5㎝、基部は楔形、先は尾状尖鋭形、両面とも無毛又は葉縁と下面の中脈にまばらに前向き剛毛又は毛がある。下面に黄色の腺点がまばらにある。葉柄は托葉鞘の基部につき、長さ2~4(5)㎜。托葉鞘は筒形、膜質、無毛、長さ11~16.5㎜、先端に短い縁毛(5㎜以下)がまばらにある[縁毛は葉鞘の1/3~1/2]。花序柄は長さ1~5㎝。花序は頂生、穂状花序状、普通、基部で不連続、長さ7~10㎝×幅約1㎝、1個又は多数の統合した円錐形。苞は膜質、漏斗形、縁には短い毛があり、長さ1~2㎜。花柄は苞より長い。花は両性、長さ3.1㎝以下。花被片は5個、倒卵形、白色又は淡ピンク色、長さ1.5~2.1(5~7)㎜、淡黄色の透明の腺点を持つ。雄しべ8個。花柱は普通、3個(まれに2個)、中間で合着する。花柱は2形。果実は長さ約1.5㎜、扁平な卵状3稜形、褐色、平滑、光沢がある[光沢がない]。花期は6~10月(主に晩夏)。果期は8~12月。
1-2 Persicaria odorata (Lour.) Sojak subsp. conspicua (Nakai) Yonek. サクラタデ 桜蓼
synonym Persicaria japonica (Meisn.) Nakai ex Ohki subsp. conspicua (Nakai) Sugim
synonym Persicaria macrantha (Meisn.) Haraldson subsp. conspicua (Nakai) Yonek.
synonym Persicaria conspicua (Nakai) Nakai ex Ohkisynonym Polygonum japonicum var. conspicuum Nakai [Flora of China]
日本(本州、四国、九州、沖縄)、朝鮮、中国、台湾原産。中国名は显花蓼 xian hua liao。 水辺や湿地、水田の畔。1年草。高さ50~100㎝。葉は匂いが無く、互生し、長さ5~12㎝の披針形、先は鋭く尖る。葉縁と脈上にやや硬い毛(剛毛)がある。托葉鞘は褐色、長さ7~15㎜、縁毛は長さ4~7(5~12)㎜[葉鞘の1/2~2/3]。花序は1~3本に分枝し、細長く、曲がるが、先はあまり垂れ下がらない。花柄はやや長い。花被は淡紅色、まれに白色、腺点があり、5深裂し、長さ5~6㎜。雌雄異株。花序の節当りの花数は2~3個。雄花は雄しべが雌しべより長く、花被からやや突き出す。雌花は雌しべが雄しべより長い。花柱は3個。痩果は長さ約3㎜の3稜形、赤褐色から黒色に熟し、光沢は少ない。花期は9~10月。2n=44。
2 Persicaria japonica (Meisn.) Nakai ex Ohki シロバナサクラタデ 白花桜蓼
synonym Persicaria sterilis (Nakai) Nakai et Ohkisynonym Persicaria japonica (Meisn.) Nakai et Ohki subsp. micrantha (Nakai) Sugim.
synonym Persicaria odorata (Lour.) Sojak subsp. conspicua (Nakai) Yonek. f. albiflora (Hiyama) Yonek.
synonym Polygonum japonicum Meisn.[Flora of China]synonym Persicaria conspicua (Nakai) Nakai ex Ohki f. albiflora Hiyama
synonym Polygonurn japonicum Meissn. var. macranthum Makino ヨウキヒタデ 楊貴妃蓼
synonym Polygonum macranthum Meisn.日本全土、朝鮮、中国(東部~中部および東南部の低標高地に限る)、台湾原産。中国名は蚕茧蓼 can jian liao 。英名はJapanese Knotweed。別名はハナサクラタデ。標高0~1700mの湿地、休耕田、草地、溜池、溝、川岸に生える。
花はサクラタデ Persicaria odorata (Lour.) Sojak subsp. conspicuaに良く似ているが、小さく、色が真っ白で、サクラタデより花序枝が多く、先が垂れ下がることが多い。花序の節当りの花数が2~3個ならサクラタデ、4~6個ならシロバナサクラタデ。シロバナサクラタデは痩果に光沢がある。
多年草、根茎が水平。茎は直立、高さ50~100㎝、無毛、ときにまばらに小剛毛があり、茎は高く、枝分かれし、節が膨らむ。葉柄は短いか又は無柄に近い。葉身は披針形、長さ7~15㎝×幅1~2㎝、薄革質、先は尖鋭形、基部は楔形、葉縁付近や脈上に伏毛があり、毛の長さは0.5(~0.7)㎜以下、下面に腺点がある。托葉鞘は筒形、濃褐色、長さ10~18㎜、膜質、伏した剛毛があり、先は切形、縁毛は長さ1~1.2㎝。花序は1~5本に分枝し、細長く、先が垂れ下がることが多い。花序柄が長い。小苞の先に毛がある。花被は長さ3~4㎜、白色、5裂まれに4裂し、腺点がある。花は雌雄異株ではなく、異形花柱性であり(平塚・中尾 1996)、短花柱花と長花柱花の2形がある。短花柱花は雌しべの長さ約2.4㎜、雄しべの長さ4.3㎜、雄しべが花被より突き出る。長花柱の花は雌しべの長さ約4.3㎜、雄しべの長さ約2.4㎜、雌しべが花被から突き出る。雄しべは6個まれに7~8個。花柱は2まれに3分岐する。痩果は長さ約2.5㎜、レンズ形が多く、3稜形が混じり、黒色、光沢がある。花期は8~10月。2n=40(4倍体), 44(高4倍体), 49(低5倍体), 50(5倍体)、富山県では5倍体が最も多い。
2-1 Persicaria japonica (Meisn.) Nakai ex Ohki var. scabrida (Steward) Yonek. ケサクラタデ 毛桜蓼
葉の両面に剛毛を密生する。Kewscienceでは基本種のsynonymとされている。3 Persicaria pubescens (Blume) H.Hara ボントクタデ 凡篤蓼
synonym Polygonum pubescens Blume
日本(本州、四国、九州、沖縄)、朝鮮、中国、インド、ブータン、インドネシア原産。中国名は伏毛蓼 fu mao liao 。サクラタデに花が似ているが、花が小さく、花序も細い。
1年草、高さ70~100㎝。茎は赤色を帯び、上向きの伏毛が多い。葉は互生し、長さ5~10㎝、幅1.5~2㎝の披針形~広披針形、先が鋭く尖り、基部は楔形、中央部に八の字形の黒い斑紋がある。葉の両面に毛が多く、葉裏の腺点はあるが、少なく不明瞭。葉に辛味はない。苞は緑色、先に毛がある。托葉鞘は長さ約12㎜、縁毛は長さ約8㎜。花序は紐状、先が垂れ下がり、淡紅色の小さな花をまばらにつける。小苞には縁毛があり、小苞と小苞との間が開く。花被は5裂し、花後は紅色が強くなり、下部の緑色を除き、全体がほぼ紅色になり、明瞭な腺点がまばらにある。花柱は3裂。雄しべは8個。痩果は黒褐色、長さ2.5~3㎜の3稜形、表面がざらつき、光沢がない。花期は9~10月。2n=(44)
3-1 Persicaria pubescens (Blume) H.Hara var. acuminata (Franch. et Sav.) H.Hara ボントクタデ 凡篤蓼 狭義
3-2 Persicaria pubescens (Blume) H.Hara f. macrantha M.Mizush. オオバナボントクタデ 大花凡篤蓼
群馬県の妙義山で見られる。花被に包まれた痩果が長さ4.5㎜とおおきいもの。