キリシマツツジ霧島躑躅

mark

Flora of Mikawa

ツツジ科  Ericaceae ツツジ属

別 名 クルメツツジ 久留米躑躅
中国名 钝叶杜鹃 dun ye du juan
学 名 Rhododendron x obtusum (Lindl.) Planch.
キリシマツツジ (クルメツツジ)の花
キリシマツツジ (クルメツツジ)の花横
キリシマツツジ (クルメツツジ)の花の正面
キリシマツツジ (クルメツツジ)の花糸と柱頭
キリシマツツジ (クルメツツジ)の枝先の偽輪生の小さな葉
キリシマツツジ (クルメツツジ)春葉2
キリシマツツジ (クルメツツジ)
キリシマツツジ (クルメツツジ)春葉
花 期 4~5月
高 さ 1~3m
生活型 半常緑低木
生育場所 庭園、公園、街路
分 布 園芸種
撮 影 豊橋市  15.4.21
キリシマツツジの学名はRhododendron obtusumであり、広く栽培されている栽培種であり、中国の公園にもよく植えられている。学名は久留米ツツジも同様であり、キリシマツツジとクルメツツジを区別しない。変種として区別する見解もあるが、形態的には区別は難しい。区別する場合はキリシマツツジを var. obtusum とし、クルメツツジを var. sakamotoi とする。園芸品種では系統として区別されている。ヤマツツジなど在来の自生種がこの変種に分類されてされていたこともある。写真はクルメツツジの品種とされるもの。
 元禄つつじブームのときに人気があったのがキリシマツツジであり、江戸時代に日本中で栽培され、現在、最も多く残っているのが能登半島であり、能登霧島と呼ばれる。
 キリシマツツジは九州南部の霧島山中に自生するヤマツツジ Rhododendron kaempferi とミヤマキリシマ Rhododendron kiusianum の交雑種を起源とし、江戸で改良された栽培種である。鮮やかな深紅色の花が特徴である。江戸霧島系の品種は本霧島、蓑霧島、二順霧島、八重霧島、紫霧島、紅霧島、四季咲霧島があり、けら性一重・けら性二重などの違いもある。
 クルメツツジ(久留米躑躅)は江戸時代末期にキリシマツツジ(又はサタツツジともいわれる)から作出したのが始まりとされ、久留米を産地とする品種でキリシマツツジ、サタツツジ、ミヤマキリシマを起源とすると考えられている。ツツジ類の中で最も品種が多く、最近ではモチツツジ Rhododendron macrosepalumや キシツツジ Rhododendron ripense の形態的特徴が一部の品種に認められている。
 低木、高さ1~3(4)m、小枝は細く、葉は互生し、しばしば偽輪生し、鉄さび色の硬い剛毛が密生する。葉はすべて似ている(春葉と夏葉は夏葉の方が大きいとする解説のものもある)。葉柄は長さ約2㎜、粗く、灰白色の剛毛がある。葉身は膜質、楕円形~楕円状卵形、又は長楕円状倒披針形~倒卵形、長さ2~3㎝、程度、基部は広楔形、縁は縁毛があり、先は鈍形で、先端が尖るか又は円形、ときに 微突形、両面ともまばらに粗い剛毛があり、中脈では目立つ。花序は普通、2~3個の花がつく。花柄は長さ0.4~0.8㎝、粗い鉄さび色の剛毛が密生し、毛は扁平。萼片は卵形、長さ4㎜以下、粗い毛がある。花冠は漏斗状鐘形、基本は赤色~ピンク色又は帯赤色、園芸種は色が多彩。裂片は1つに暗色の斑点があり、長さ約1.5㎝、直径2~2.5㎝(3~4㎝のものもある)。裂片は長楕円形、長さ約1㎝、幅約0.5㎝、先は鈍形。雄しべは5個、ほぼ花冠と同長、下部に微毛があり(キリシマツツジ)、無毛のものもある。蒴果は円錐形~広楕円状卵形、長さ約6㎜、粗い鉄さび色の剛毛が密生する。

ツツジ属

  family Ericaceae - genus Rhododendron

 低木又は高、地上生又は着生、様々な毛又は盾状鱗片があり、又は無毛、密毛があり、ときに、 脱落性(毛がもつれ、層状に取れる)。葉は常緑又は半落葉、互生し、ときに、枝先に束生し、全縁、極まれに小鈍鋸歯状、下面はときに密毛に覆われ、薄皮(表面の薄い皮膚のような層)がある。花序は総状花序又は散房花序、ほとんど頂生、ときに側生、花が少数~多数つき、ときに、単生する。萼は宿存性5~8裂、ときにリム状に退化する。裂片は小さく、三角形~大きく、目立つ。花冠は漏斗形、鐘形、筒形、車形(rotate)又は高杯形(hypocrateriform)、放射相称(regular)又はわずかに左右相称、5(~8)裂。裂片は蕾のとき覆瓦状。雄しべは5~10(~27)個、花冠の基部につき、普通、下向きに湾曲する。花糸は線形~糸状、無毛又は基部側に軟毛がある。葯は付属体が無く、末端又は斜めの孔から裂開する。花盤は普通、5~10(~14)裂する。子房は5(~18)室、毛や鱗片があり、まれに無毛。花柱は直線又は下向きに湾曲~反曲。柱頭は頭状円盤形、円鋸歯状~浅裂。蒴果は円柱形~円錐形~卵形、ときに、曲がり、頂部から胞間裂開し、バルブは厚いか又は薄く、真っすぐ又は捻じれる。種子は極多数、小さく、紡錘形、常に、翼があるか又は両端に付属体又は糸状の尾がある。
 世界に約1000種があり、アジア、ヨーロッパ、北アメリカ、オーストラリア(2種)が分布する。

ツツジ属 genus Rhododendron の分類 亜属、節、亜節

 多説あり、何度も改定されている。
1 セイシカ亜属 (トキワバイカツツジ亜属) subgenus Azaleastrum
   常緑アゼリア
   植物に盾状鱗片(peltate scale)がない。
   新しい葉のシュートは最頂部の頂芽と葉腋から出る。常緑。
   蒴果は円錐状卵形~円柱形。
1-1 セイシカ節(トキワバイカツツジ節) section Azaleastrum
    トキワツツジ(R. uwaense )
1-2 ツツジ節 section Tsutsusi※(4)ツツジ亜属と分ける見解もある
2 オバーツ亜属 subgenus Choniastrum(※節を亜属として分離Goetsch3005)
3 レンゲツツジ亜属 subgenus Pentanthera
 ※ 5シャクナゲ亜属の節とする見解もある 
 植物に盾状鱗片(peltate scale)がない。
 花は頂芽から。新しいシュートは側芽から。落葉、雄しべ5(中国産)
3-1 レンゲツツジ節 sectionPentanthera2 subsections)
  落葉アゼリア(deciduous azalea)
(1) 亜節R. subsect.Pentanthera (G. Don) Pojarkova (15 species)
(2) 亜節R. subsect.Sinensia  (1 species: トウレンゲツツジ R. molle)
           レンゲツツジ R. molle subsp. japonicum
3-2 シロヤシオ節 section Sciadorhodion 
 ・・・落葉アザレア6種がこれに属す
 ※3-1に含める見解もある
3-3 ロドラ節 Rhodora
3-4 オオバツツジ節 section Viscidula
  ※ 1亜属に含められるよう提案されている。  
4 ツツジ亜属 subgenus Tsutsusi
  ※1亜属の節とする見解もある・・・・常緑アゼリア
 植物に盾状鱗片(peltate scale)がない。
 花や新しいシュートは同じ頂芽から出る。葉は常緑~落葉。
 毛はしばしば剛毛状
4-1 ツツジ(ヤマツツジ)節 section Tsutsusi
 サツキ Satsuki はツツジ節に含まれる。
 ツツジの日本の園芸種はクルメツツジ Kurume Hybrids が最も多い。
  ハコネコメツツジ節(ツツジ節に含まれる)
  サクラツツジ節(ミツバツツジ節に含まれる)
4-2 ツバツツジ節 section Brachycalyx
5 シャクナゲ亜属(無鱗片シャクナゲnonscaly rhododendron)
 subgenus Hymenanthes  
   植物に盾状鱗片(peltate scale)がない。
   花は頂芽から。新しいシュートは側芽から。常緑、雄しべ10(~20)
5-1 シャクナゲ節 (無鱗片シャクナゲ)section Pontica
  24亜節subsection
   Arborea, Argyrophylla, Barbata, Campanulata, Campylocarpa, Falconera,Fortunea, Fulgensia, Fulva, Glischra , Grandia, Irrorata, Lanata, Maculifera, Neriiflora, Parishia, Pontica, Selensia, Taliensia, Thomsonia, Williamsiana
5-2 レンゲツツジ節 section Pentanthera ※亜属とする見解もある。
6 ヒカゲツツジ亜属(有鱗片シャクナゲ亜属)subgenus Rhododendron 
 植物に盾状鱗片(peltate scale)があり、普通、無毛。
 葉は常緑、極まれに半落葉、落葉。花は葉の展開後。
 花柱は普通、直線状。
6-1 有鱗片シャクナゲ節 section Rhododendron 北半球約170種
 亜節 25 subsection
 Afghanica , Baileya , Boothia , Camelliiflora ,Campylogyna , Cinnabarina , Edgeworthia , Fragariiflora , Genestieriana , Glauca , Heliolepida ,Lapponica , Ledum , Lepidota , Maddenia , Micrantha , Monantha , [Heliolepida] , Moupinensia , Rhododendron , Rhodorastra(カラムラサキツツジ var. mucronulatum、ゲンカイツツジ var. ciliatum) , Saluenensia , Scabrifolia , Tephropepla ,Triflora (ヒカゲツツジ R. keiskei), Uniflora , Virgata
6-2 イソツツジ節 section Pogonanthum 22種(Flora of China)
 ヒマラヤ山脈周辺国
 花冠の基部が筒状のものが多いがシャクナゲのように見える物もある
6-3 ビレア節 section Vireya 2subsection 約150種
(1) 亜節Euvireya
(2) 亜節Malayovireya
6-4 section Discovireya(Craven 2008 )Vieraから分離 48種、マレーシア
6-5 section Pseudovireya(Craven (2008 )Vieraから分離 10種、アジア
6-6section Schistanthe ※(American Rhododendron Society掲載)
(1) subsection Pseudovireya 5種
   euonymifolium , kawakamii , rushforthii , santapauii , vacciniodes
 ※subgenus Pseudorhodorastrum(Flora of Chinaで分けられている亜属) 
   植物に盾状鱗片(peltate scale)があり、蒴果は短い円柱形
 ※subgenus Pseudazalea(Flora of Chinaで分けられている亜属)
   植物に盾状鱗片(peltate scale)があり、
   普通、有毛。葉は落葉~半落葉、極まれに常緑
   花は葉の展開後。花柱は普通、短く、反曲。
7 バイカツツジ亜属 subgenus Mumeazalea バイカツツジ1種のみ
   ※ 1亜属に含められるよう提案されている。
8 エゾツツジ亜属 subgenus Therorhodion 2種のみ
 植物に盾状鱗片(peltate scale)がない。
 花冠は基部近くから分裂、花序柄に葉状の苞葉がある。花柱が曲がる。
9 カンディダストルム亜属 Candidastrum
 ※(1)に含められるよう提案されている。

ツツジ属の主な種と園芸品種

1 Rhododendron adamsii Rehder  カラフトミヤマツツジ 樺太深山躑躅
 モンゴル、ロシア原産。英名はAzalea fragrans Adams 。
 常緑低木、枝は散開する。葉は長円状楕円形、長さ1~2㎝×幅0.5~1㎝、無毛、上面は無光沢の緑色、下面はさび褐色。花は小さく束生し、7~15個つき、無柄、ピンク色、直径約1.5㎝。花期は6~8月。

2 Rhododendron albrechtii Maxim.  ムラサキヤシオツツジ 紫八汐躑躅
 別名はミヤマツツジ、ムラサキヤシオと呼ばれ、アカヤシオ、シロヤシオと合わせてヤシオツツジと総称される。
 日本(北海道、本州の滋賀県以北の主に日本海側)原産。深山に生える。
 落葉低木、高さ1~2.5m。枝はよく分枝し、やや細く、若枝には腺毛がある。冬の花芽は卵形、長さ8~10㎜。葉芽は長楕円形、小さい。葉は枝先に数個、集まって輪生状に互生する。葉身は倒披針形~倒卵状楕円形、長さ(3)5~10㎝、質が薄く、縁に細かい鋸歯と腺毛があり、上面に微細な毛があり、下面は中脈や側脈の付近に白毛が開出する。花は葉の展開前又は同時に開花する。枝先に花が(1~)3~6個つく。花柄に白色の腺毛がある。花冠は直径3~4㎝、濃桃色-紅紫色、広漏斗形、5深裂する。雄しべは10個、5個は短い。花糸の下部に毛がある。花柱は無毛。子房は白色の腺毛が密生する。花期は4~6(7)月。
2-1 Rhododendron albrechtii Maxim. f. albiflorum T.Yamaz.  シロバナムラサキヤシオツツジ
2-2 Rhododendron albrechtii Maxim. f. canescens Sugim.  ウラゲムラサキヤシオツツジ
2-3 Rhododendron albrechtii Maxim. f. hypoleucum (Honda) H.Hara  ウラジロミヤマツツジ

3 Rhododendron amagianum (Makino) Makino  アマギツツジ 天城躑躅
  synonym Rhododendron weyrichii Maxim. var. amagianum (Makino) Hatus.
    basynonym Azalea amagiana Makino
 日本(本州の伊豆半島、熱海市日金山)固有種。
 落葉低木、高さ2~6(~10)m。樹皮は灰黒色。幹は直立し、若枝や葉柄に淡褐色の長毛が密生する。冬の花芽は広披針形、長さ2~2.5㎝。芽鱗は背面や縁に細毛が密生するが、腺毛は無い。葉は枝先に3輪生する。葉柄は長さ4~10㎜、淡褐色の伏毛が密生する。葉身は菱形状広卵形、長さ4~10㎝×幅4~8㎝、葉幅は中央部が最も広く、オンツツジに似るが、下面の主脈の基部から葉柄にかけて褐色の軟毛が密生する。花は葉が展開後に開花し、花期が遅い。枝先に花が2~4個つく。花冠は赤色、漏斗形、直径5~8㎝、5深裂。雄しべ10本。花糸は淡紅色、無毛。花柱は基部に白毛がある。子房には白毛が密生する。 花期は6月下旬~7月上旬。

4 Rhododendron amakusaense (K.Takada ex T.Yamaz.) T.Yamaz.  アマクサミツバツツジ 天草三葉躑躅 [Rhododendron sect. Brachycalyx]
  synonym Rhododendron viscistylum Nakai var. amakusaense K.Takada ex T.Yamaz.
 日本(熊本県上天草観海アルプス)固有種。タカクマミツバツツジRhododendron viscistylumの変種ともされる。
 葉は菱形状広卵形~広卵形、下面の主脈下部から葉柄にかけて果期にも長毛が残り、 タカグマミツパツツジに似るが、果期にも下面全体に短毛が散生する。この性質はタカグマミツパツツジにもヒュウガミツバツツジにも見られない。果実は下部の腹面が膨れた円筒形、長さ7~11㎜×幅2.5~3㎜、他種より細長い。
品種) 黄晃殿(斑入り)
4-1 Rhododendron amakusaense (Takada ex T.Yamaz.) T.Yamaz. x R. weyrichii Maxim.  アマクサオンツツジ

5 Rhododendron amanoi Ohwi  サキシマツツジ 先島躑躅.
  synonym Rhododendron amanoi Ohwi var. glandulistylum Hatus.
  synonym Rhododendron scabrum G.Don subsp. amanoi (Ohwi) D.F.Chamb. et Rae 
 石垣島、西表島、久米島に分布する。
 常緑低木、高さ1~3m。若枝には腺毛と剛毛が混生する。葉柄は長さ3~10㎜、長い剛毛が密生する。葉身は質が厚く、革質、長楕円形~狭楕円形形、長さ2~6㎝×幅1~1.5㎝、縁に伏した長毛がある。枝先に花が1~3個つく。萼片は5個、披針形、先は尖り、腺毛があって粘る。。花冠は赤色、漏斗形、直径5~6㎝、5中裂し、内面の上側に濃色の斑点があり、無毛、やや肉質。雄しべ10本、花糸の下半部に微細な毛がある。花柱は無毛又は基部に長い腺毛がある。子房には長毛と腺毛がある。花期は3~6月。 
5-1 Rhododendron amanoi Ohwi x R. simsii Planch.  サキシマトウツツジ

6 Rhododendron aureum Georgi  キバナシャクナゲ 黄花石楠花
  synonym Rhododendron chrysanthum Pall.
 日本(北海道、本州の中部以北)、朝鮮、中国、ロシア原産。中国名は牛皮杜鹃 niu pi du juan
 矮性の低木、高さ0.1~1m。茎は水平、斜めに斜上する小枝をもつ。芽鱗は宿存する。葉は互生、枝先に集まってつく。葉柄は長さ5~10(15)㎜、無毛。葉身は革質、倒披針形~倒卵状長円形、長さ2.5~8㎝×幅1~3.5㎝、基部は楔形、先は鈍形~円形、微突形、成葉は両面とも無毛、ときに、下面に若いときに綿毛の痕跡があり、網状脈は明瞭。花序は散房花序、花が5~8個つく。花序軸は長さ約10㎜。花柄は直立し、長さ約3㎝、まばらに、赤味がかった毛がある。咢片は5個、長さ約2㎜、綿毛がある。花冠は鐘形、黄色、上側の1裂片に赤色の斑点があり、長さ2.5~3㎝。裂片は5個、不等長。雄しべは10本、不等長、花糸は基部に毛がある。子房は長さ約5㎜、密に赤褐色の綿毛がある。花柱は長さ約2.5㎝、無毛。柱頭は小さく、5裂。果序は直立、果序柄は長さ4.5~6㎝。蒴果は長円状円筒形、5バルブ、長さ10~14㎜×幅5~6㎜。花期は5~6月。果期は7~8月。
6-1 Rhododendron aureum Georgi f. albiflorum S.Watan.  ゴシキシャクナゲ
6-2 Rhododendron aureum Georgi f. senanense (Y.Yabe) H.Hara  ヤエキバナシャクナゲ

7 Rhododendron benhallii Craven  ツリガネツツジ(ウスギヨウラク
  synonym Menziesia ciliicalyx (Miq.) Maxim. 
 日本固有種(本州の山梨県、長野県以西、四国の徳島県)
 落葉低木、高さ1~2m。幹は灰褐色、樹皮が縦に浅く裂ける。葉は長さ2~5㎝、幅1.5~2.5㎝の楕円形~長楕円形、互生し、枝先にかたまってつく。葉の基部は楔形、葉裏は白色を帯び、脈に粗毛が散生する。葉柄はごく短く、長さ1~3㎜。花は枝先に1~8個、固まってつく。花冠は名のとおり淡黄色で、紅色の斑点があり、長さ1.2~1.8㎜の筒形、内面に短毛が密生する。花冠の先は浅く5裂し、裂片が円形、やや開出する。萼は円形。花柄と萼片に長い腺毛が密生する。蒴果は直径5~7㎜の球形、熟すと5裂する。花期は4~6月。
品種) 'Honshu Blue' , 'Ylva'
7-1 Menziesia ciliicalyx (Miq.) Maxim. var. akiensis Hiyama  アキツリガネツツジ 異分類
 広島県安佐郡可部町の南原峡に分布。
 サイリンヨウラク似るが、葉裏全面に明かに開出する短毛があり、また、脈上にも扇平でくねり曲がる傾向のあるやや開出Lた長毛がまばらに出る。小花柄や葉縁の腺毛の長い点はケナガウスギヨウラクに似ている。
7-2 Menziesia ciliicalyx (Miq.) Maxim. var. lasiostipes Ohwi  アラゲツリガネツツジ(ケナガウスギヨウラク) 異分類

8 Rhododendron boninense Nakai  ムニンツツジ
 日本固有種(小笠原諸島父島)。1株が自生する絶滅危惧IA類(CR)。

9 Rhododendron brachycarpum D.Don ex G.Don  ハクサンシャクナゲ 白山石楠花
 日本(北海道、本州中部以北、四国)、朝鮮北部に分布。高山帯~亜高山帯に広く生える。
 常緑低木、高さ1~3(4)m。冬の花芽は卵状長楕円形、長さ約1.5㎝、芽鱗は黄緑色、縁に細毛がある。葉芽は長楕円形、小さい。葉は互生、枝先に集まってつく。葉柄は長さ5~20㎜、横しわがある。葉身は長楕円形~狭長楕円形、長さ6~18㎝×幅2.5~6㎝、基部は円形~浅い心形、先は鈍形~円形、質が革質、厚く、縁は外側に巻き、冬には筒状に丸くなる。葉の上面は無毛、光沢があり、下面は淡褐色の綿毛が密生する。枝先に花が5~15(20)個、密集してつく。花冠はピンク色~白色~クリーム色、漏斗形、花冠は直径3~4(~6)㎝、5中裂し、上側の3裂片に緑色の斑点がある。雄しべは10本、花糸の下部に白色の軟毛がある。花柱は無毛。子房は有毛。蒴果は歪んだ円柱形、長さ1.5から2.5㎝、暗褐色の毛がある。種子は長楕円形、長さ1.5~2㎜、翼があり、基部に糸状の付属体がある。花期は6~7月。果期は8~10月。
9-1 Rhododendron brachycarpum D.Don ex G.Don f. fauriei (Franch.) Murata  ケナシハクサンシャクナゲ
  synonym Rhododendron fauriei Franch.
  synonym Rhododendron brachycarpum D.Don ex G.Don subsp. fauriei (Franch.) D.F.Chamb.
  synonym Rhododendron brachycarpum D.Don ex G.Don var. nemotoanum Makino f. normale (H.Hara) Kitam.
 葉の下面が無毛、淡緑色。
9-2 Rhododendron brachycarpum D.Don ex G.Don f. nemotoanum (Makino) Murata  ネモトシャクナゲ
  synonym Rhododendron fauriei Franch. var. nemotoanum (Makino) H.Hara 
  synonym Rhododendron brachycarpum D.Don ex G.Don var. nemotoanum Makino
 八重花品種。
9-3 Rhododendron brachycarpum D.Don ex G.Don var. tigerstedtii (Nitz.) Davidian  カラハクサンシャクナゲ (temp.
9-4 Rhododendron brachycarpum D.Don ex G.Don f. brachycarpum  ウラゲハクサンシャクナゲ 狭義 (シロバナシャクナゲ、エゾシャクナゲ)
  synonym Rhododendron brachycarpum D.Don ex G.Don var. roseum Koidz. 
  synonym Rhododendron fauriei Franch. f. rufescens (Nakai) H.Hara
  synonym Rhododendron fauriei Franch. var. roseum (Koidz.) Nakai
 葉の下面が有毛。

10 Rhododendron breviperulatum Hayata  ナンオウツツジ 南澳躑躅
 台湾原産。中国名は短鳞芽杜鹃 duan lin ya du juan 。

11 Rhododendron chilanshanense Kurashige  タイワンゴヨウツツジ  台湾五葉躑躅
 台湾原産。中国名は棲兰山杜鹃 qi lan shan du juan

12 Rhododendron dauricum L.  エゾムラサキツツジ 蝦夷紫躑躅
 日本(北海道)、朝鮮、中国、モンゴル、ロシア原産。中国名は兴安杜鹃 xing an du juan
 半落葉低木、高さ0.5~2m。多数、分枝する。樹皮は灰黒色。若枝は細く、曲がり、赤褐色の腺状鱗片と短毛が密にある。冬芽は長卵形、長さ約1㎝。葉は互生、枝先に集まってつく。葉柄は長さ2~6㎜、有毛。葉身は±革質、楕円形~長円形、長さ1~5㎝×幅1~1.5㎝、基部は鈍形、ときに広楔,、縁は全縁又は細鋸歯縁、先は鈍形、下面は淡緑色、密に鱗片があり、上面は濃緑色、まばらに鱗片がある。花序は4個、類頂生、葉の展開前に開花する。芽鱗は早落性又は宿存性。花柄は長さ2~8㎜。咢は5裂、1㎜より短く、密に鱗片がある。花冠は漏斗形、ピンク色又は紫赤色、長さ1.3~2.3㎝、外面はしばしば、有毛。雄しべは10本、花冠より短い。花糸は下部に毛がある。葯は紫赤色。子房は5室、密に鱗片がある。花柱は赤紫色、花冠より長く、無毛。蒴果は円筒形、長さ10~15㎜×幅約5㎜。花期は5~6月。果期は7月。

12-1 Rhododendron dauricum L. var. albiflorum Turcz.  シロバナエゾムラサキツツジ
  synonym Rhododendron dauricum L. f. albiflorum S.Watan.

13 Rhododendron degronianum Carriere  アズマシャクナゲ  東石楠花
  synonym Rhododendron japonicum (Blume) C.K.Schneid. var. pentamerum (Maxim.) Hutch.
  synonym Rhododendron metternichii Siebold et Zucc. subsp. pentamerum (Maxim.) Sugim.
  synonym Rhododendron metternichii Siebold et Zucc. var. pentamerum Maxim.
 日本(本州の東北地方、関東地方、中部地方南部)に分布。別名シャクナゲ
 常緑低木、高さ2~4(6)m。 葉は互生し、枝先に集まってつく。葉柄は長さ1~2.5㎝。葉身は倒披針形~長楕円形、長さ5~15㎝×幅1.5~3.5㎝、先は鈍形、基部は広楔形~楔形、葉柄にやや沿下し、革質、上表は無毛、光沢があり、下面は淡褐色の綿毛がスポンジ状に密生する。総状花序は頂生し、花が(3)5~12個つく。花柄は長さ1.5~3㎝、縮れた毛がある。花冠は漏斗状鐘形、直径4~6㎝、紅紫色~淡紅紫色、、蕾のうちは色が濃いが、開花するにつれ薄くなり、先が5裂する。雄しべは10個。 蒴果は円柱形、長さ1~2.5㎝。花期は5~6月。
13-1 Rhododendron degronianum Carriere f. leucanthum (Makino) H.Hara  シロバナアズマシャクナゲ 白花東石楠花
13-2 Rhododendron degronianum Carriere f. nakaii (Komatsu) H.Hara  フチベニシャクナゲ
13-3 Rhododendron degronianum Carriere f. variegatum Nakai  フイリシャクナゲ
13-4 Rhododendron degronianum Carriere var. amagianum (T.Yamaz.) T.Yamaz.  アマギシャクナゲ 天城石楠花
  synonym Rhododendron degronianum Carriere subsp. heptamerum (Maxim.) H.Hara var. kyomaruense (T.Yamaz.) H.Hara f. amagianum (T.Yamaz.) H.Hara
 伊豆半島に分布。高さ6~7mになる。葉はやや大きく、長楕円形、長さ10~15㎝×幅2.54㎝、上面は若い歯に白色の綿毛があり、下面は淡灰褐色の軟毛が薄くある。花冠は普通、5裂し、6~7裂が混じる。

14 Rhododendron dilatatum Miq. ミツバツツジ    [広義]
14-1 Rhododendron dilatatum Miq. var. dilatatum  ミツバツツジ 三葉躑躅
 日本固有種(本州の関東~近畿東部の太平洋岸)
 落葉低木、高さ1~3m。幹は灰黒色。葉は長さ3~7㎝、幅2.5~5㎝の菱状広卵形、中央のやや基部寄りで最も幅が広く、枝先に3個輪生する。初め、両面に微細な腺毛があり粘り、後に落ちる。葉柄は長さ5~12㎜、短い腺毛とまばらに白毛がある。他のツツジより花期が早く、葉が展開する前に開花する。花は直径3~4㎝、紅紫色、雄しべは5個。花糸は無毛。子房に短い鱗片状の腺点が密生する。花柱は無毛。小花柄は長さ6~10㎜、短い腺毛がある。田原市内で見られるものは雄しべが5~7個のものがあり、開花が10日ほど遅く、花色が濃い。子房の先に長毛が少しあるだけで混在しない。長毛の量は変化があり、ほとんどないものもある。花期は4~5月。
14-1-1 Rhododendron dilatatum Miq. var. dilatatum f. hypopilosum Sa.Kurata  ウラゲミツバツツジ
14-1-2 Rhododendron dilatatum Miq. var. dilatatum f. leucanthum Sugim.  シロバナミツバツツジ

14-1-3 Rhododendron dilatatum Miq. var. dilatatum f. lasiocarpum (Koidz. ex H.Hara) Hatus.  ケミツバツツジ

14-2 Rhododendron dilatatum Miq. var. boreale Sugim.  ヒダカミツバツツジ
  synonym Rhododendron hidakanum H.Hara 
14-3 Rhododendron dilatatum Miq. var. decandrum Makino  トサノミツバツツジ 土佐の三葉躑躅 
  synonym Rhododendron decandrum (Makino) Makino 
  synonym Rhododendron dilatatum Miq. var. pilosum H.Hara
 本州(岐阜県、滋賀県、紀伊半島)、四国(徳島県、高知県)に分布。
 葉は長さ 4~8㎝、幅 3~6㎝。葉柄は長さ約6㎜、初め、長毛と短い腺毛があり、葉の両面にも腺毛がまばらに混じる。花は葉が展開する前に開花する。雄しべはコバノミツバツツジと同じ10個。子房は全体に短い鱗片状の腺点が密生する。花柱は無毛。花糸は基部に粒状の突起が散生する。小花柄には短い腺毛がある。果実は長さ約1.5㎝の卵状円柱形、腺点がある。

14-3-1 Rhododendron dilatatum Miq. var. decandrum Makino f. albiflorum (Honda) Hatus.  シロバナトサノミツバツツジ
  synonym Rhododendron decandrum (Makino) Makino var. albiflorum Honda
14-4 Rhododendron dilatatum Miq. var. lasiocarpum Koidz. ex H.Hara  アワノミツバツツジ
  synonym Rhododendron inobeanum Honda
  synonym Rhododendron decandrum (Makino) Makino f. lasiocarpum H.Hara 
  synonym Rhododendron dilatatum Miq. var. decandrum Makino f. lasiocarpum (H.Hara) H.Hara ex Hatus., nom. inval.
  synonym Rhododendron dilatatum Miq. var. lasiocarpum (H.Hara) T.Yamaz., nom. illeg.
14-5 Rhododendron dilatatum Miq. var. satsumense T.Yamaz.  ハヤトミツバツツジ 隼人三葉躑躅
 九州に分布し、トサノミツバツツジに似て、雄しべ10個。開花が早く、花糸や花柱が無毛、葉表に光沢がある。
14-6 Rhododendron dilatatum Miq. var. decandrum Makino x R. weyrichii Maxim.  コバオンツツジ

15 Rhododendron diversipilosum (Nakai) Harmaja  カラフトイソツツジ 樺太磯躑躅
    (カバフトイソツツジ) 
  synonym Ledum palustre L. subsp. diversipilosum (Nakai) H.Hara var. diversipilosum Nakai
 日本、朝鮮、ロシア原産。
 常緑低木、高さ約1m。葉は長さ3~6㎝×幅5~12㎜。花は白色、長さ約1㎝。花期は6~7月。2n=52。
品種) 'Milky Way'

16 Rhododendron eriocarpum (Hayata) Nakai  マルバサツキ 丸葉皐月
  synonym Rhododendron simsii Planch. var. tamurae (Makino) Kaneh. et Hatus.
  synonym Rhododendron tamurae (Makino) Masam. 
 日本固有種、雄しべ10本。 鹿児島南部、屋久島、沖縄に自生する。 初めはサツキの変種とされたが、後に別種とされた枝は広がり、よく分枝する。葉柄には伏した剛毛がある。葉は楕円形~倒卵形、長さ1~4㎝、幅0.5~2.5㎝、質はやや硬い。葉裏は中脈に伏した剛毛がある。花は枝先に1~2個つく。花冠は漏斗形、直径径4~5㎝、赤色~帯朱赤色、濃淡の変化があり、5裂し、内側に濃い斑点と白色の短毛がある。裂片は剣弁、丸弁など変化が多い。
16-1 Rhododendron eriocarpum (Hayata) Nakai var. tawadae Ohwi  センカクツツジ
  synonym Rhododendron tawadae (Ohwi) Ohwi
  synonym Rhododendron simsii Planch. var. tawadae (Ohwi) Hatus.
  synonym Rhododendron nakaharae auct. non Hayata 
16-2 Rhododendron indicum f. otakumi オタクミサツキ(オタクミサツキ)
 屋久島の小田汲川沿いにだけ自生する日本固有種。 花は赤色、花弁が細長い采咲き。葉も細長い。
17 Rhododendron farrerae Tate ex Sweet  ホンコンミツバツツジ 香港三葉躑躅
 中国原産。中国名は丁香杜鹃 ding xiang du juan 。
18 Rhododendron ferrugineum L.  アルペンローゼ
 ヨーロッパ原産。英名はalpenrose , alpine-rose
19 Rhododendron formosanum Hemsl.  タイワンシャクナゲ 台湾石楠花
 台湾固有種。中国名は台湾杜鹃 tai wan du juan
20 Rhododendron goyozanense (M.Kikuchi) Craven  ゴヨウザンヨウラク 五葉山瓔珞
  synonym Menziesia goyozanensis M.Kikuchi
 岩手県五葉山固有種。
 ゴヨウザンヨウラクは九州のヨウラクツツジと同じように花が4数性を示すが、葉の表面に2列の毛があること、花が左右相称形であること、花冠の色が2色で背面が淡紅色で腹面が淡黄色であることなどが異なる。
21 Rhododendron hypoleucum (Kom.) Harmaja  イソツツジ 磯躑躅
  synonym Ledum palustre L. subsp. diversipilosum (Nakai) H.Hara var. nipponicum Nakai
  synonym Ledum hypoleucum Kom.
 日本(北海道南部、本州の東北地方)原産。亜高山帯、高山帯の岩礫地や湿った草地に生える。
 低木、高さ30~70㎝。茎はよく分枝し、若枝に赤褐色の毛が密生する。葉は互生、短柄がある。葉身は革質、長楕円形~狭長楕円形、長さ1.5~6㎝×幅0.4~1.5㎝、縁は全縁、後ろ巻きになり、先は短い鋭形、先端に腺状突起がある。下面は全体に白軟毛が密生し、主脈には褐色の長毛が密生する。 散房花序は頂生し、多数、花をつける。花冠は5裂、花弁は5個、離生、白色、長さ約5㎜。雄しべは10個。蒴果は長さ約3㎜。花期は6~7月。
22 Rhododendron hyugaense (T.Yamaz.) T.Yamaz.  ヒュウガミツバツツジ 日向三葉躑躅
  synonym Rhododendron viscistylum Nakai var. hyugaense T.Yamaz. 
 宮崎県、熊本県東部、鹿児島県北部に分布する。標高400~600 mの山地に生える。それ以南のタカグマミツバツツジとは分布域を異にする。
 タカクマミツバツツジに似るが、葉は広卵形~卵状長楕円形、幅は中部のやや下部で最も広い傾向がある。若い時は葉の全体に長毛があるが、早落し、果期には葉柄も葉の両面も殆んど無毛となる。 果実は丸味の強い短円筒形、長さ5~9㎜×幅4~5㎜。

23 Rhododendron indicum (L.) Sweet  サツキ 皐月
  synonym Azalea indica L
 日本固有種(本州の神奈川県以西、九州)
 半常緑低木、高さ1~2m、分枝は多い。若いシュ-トは赤褐色の剛毛を密生し、後に無毛。春葉と夏葉は異なり、春葉の方が幅が広い。葉柄は長さ2~4㎜、粗く、赤褐色の剛毛がある。葉身は紙質、狭披針形~倒皮披針形、長さ1.7~3.2(4.5)㎝、幅約 0.6㎝。葉の基部は狭楔形、葉縁はまばらに、細かい円鋸歯状の鋸歯があり、葉先は鈍く尖る。葉裏はまばらに赤褐色の剛毛があり、葉表は光沢があり、剛毛がある。花序は枝先につき、1~3個の花をつける。花柄は長さ0.6~1.2㎝、粗く、白色の剛毛がある。萼片は楕円状卵形~類円形、淡緑色、長さ2~3㎜、幅1.5~2㎜、柔らかい白毛がある。花冠は広漏斗形、先が5中裂し、鮮赤色~紫紅色(栽培種では変化が多い)、長さ3~4㎝、幅3.7~6㎝。花冠の筒部は長さ約13㎜。花冠裂片は広楕円形、長さ1.7~2㎝、幅約1.6㎝。雄しべは5個、不等長、長さ1.6~2.2㎝、花冠より短い。花糸は基部に微軟毛がある。子房は長さ約3㎜、光沢のある褐色の剛毛が密生する。花柱は長さ2.3~4.5㎝、雄しべより長く、無毛。蒴果は楕円状卵形、長さ6~8㎜、赤褐色の剛毛が密生する。花期は5~6月。
品種)  'Hakatajiro'  ハカタジロ
23-1 Rhododendron indicum (L.) Sweet f. otakumi T.Yamaz.  オタクミツツジ(オタクミサツキ)
 屋久島の小田汲川沿いにだけ自生する日本固有種。 花は赤色、花弁が細長い采咲き。葉も細長い。

24 Rhododendron japonoheptamerum Kitam. ツクシシャクナゲ 広義
24-1 Rhododendron japonoheptamerum Kitam. var. japonoheptamerum  ツクシシャクナゲ 筑紫石楠花
  synonym Rhododendron japonicum (Blume) C.K.Schneid.
  synonym Rhododendron degronianum Carriere subsp. heptamerum (Maxim.) H.Hara 
  synonym Rhododendron metternichii Siebold et Zucc.
 日本(中部以西~四国、九州)原産。山地に生える。
 常緑低木、高さ4m以下。幹は直立又は下部が曲がり、多数、分枝する。葉はやや輪生状に互生し、革質、太い葉柄がある。葉身は長さ15㎝以下、長楕円形~倒披針形、全縁、上面は無毛、濃緑色、下面には赤褐色のビロード状の毛が密生し、層となってスポンジ状に密着し、部分的に剥がれ落ちて縞模様となる。頂生の総状花序に多数の華やかな花をつける。花冠は淡紅紫色、まれに白色、漏斗状鐘形、直径4~6㎝、7深裂する。雄しべは14本で、花冠から突き出ず、花糸の毛は少ない。子房は7室、毛が密生する。花期は5~6月。
24-1-1 Rhododendron japonoheptamerum Kitam.Rhododendron japonoheptamerum Kitam. var. japonoheptamerum f. albiflorum (Takeda) T.Yamaz.  シロバナツクシシャクナゲ
24-1-2 Rhododendron japonoheptamerum Kitam.Rhododendron japonoheptamerum Kitam. var. hondoense (Nakai) Kitam.  ホンシャクナゲ 本石楠花
  synonym Rhododendron metternichii Siebold et Zucc. var. hondoense Nakai 
  synonym Rhododendron degronianum Carriere subsp. heptamerum (Maxim.) H.Hara var. hondoense (Nakai) H.Hara
 葉の下面に綿毛が密生し銀白~灰褐色だが、毛が強く密着しているので肉眼では毛があるように見えない。
24-1-3 Rhododendron japonoheptamerum Kitam. var. hondoense (Nakai) Kitam. f. leucanthum (Nakai) T.Yamaz.  シロバナホンシャクナゲ
  synonym Rhododendron metternichii Siebold et Zucc. var. hondoense Nakai f. leucanthum Nakai
24-2Rhododendron japonoheptamerum Kitam. var. kyomaruense (T.Yamaz.) Kitam.  キョウマルシャクナゲ 京丸石楠花
  synonym Rhododendron degronianum Carriere subsp. heptamerum (Maxim.) H.Hara var. kyomaruense (T.Yamaz.) H.Hara 
  synonym Rhododendron metternichii Siebold et Zucc. var. kyomaruense T.Yamaz.
 静岡県西部に分布。花はアズマシャクナゲと同じ5数性(6数性も少し混ざる)であるが、枝振りにしまりがないこと、葉が大きく葉の下面に毛がほとんどないことなど、ホンシャクナゲの特徴を持つ。
24-3Rhododendron japonoheptamerum Kitam. var. okiense T.Yamaz.  オキシャクナゲ 隠岐石楠花
  synonym Rhododendron degronianum Carriere subsp. heptamerum (Maxim.) H.Hara var. okiense T.Yamaz., nom. nud. 
 隠岐島固有種。ホンシャクナゲに比較して葉が小さく、丸みがある。花はピンク色又は白色、花弁は7枚。

25 Rhododendron kaempferi Planch. ヤマツツジ   [広義]
25-1 Rhododendron kaempferi Planch. var. kaempferi  ヤマツツジ 山躑躅
  synonym Rhododendron obtusum (Lindl.) Planch. var. kaempferi (Planch.) E.H.Wilson
  synonym Rhododendron obtusum (Lindl.) Planch. var. kaempferi (Planch.) E.H.Wilson f. purpuriflorum T.Yamaz., nom.nud.
  synonym Rhododendron kaempferi Planch. var. lucidusculum (Nakai) Sugim.
  synonym Rhododendron scabrum G.Don var. kaempferi (Planch.) Nakai
  synonym Rhododendron kaempferi Planch. f. latisepalum (Nakai) H.Hara 
 日本固有種(北海道、本州、四国、九州)。日本で最も普通のツツジである。英名はtorch azalea ,Kaempfer azalea。
 半常緑低木、高さ1~3m。幹は灰黒色~黒褐色、樹皮に縦の割れ目が入る。葉は互生し、長さ2~4㎝の惰円形~卵状惰円形、両面に褐色の伏毛が生え、裏面の脈上に扁平な毛が密生する。春に出て秋落葉する春葉と、夏から秋に出て冬を越す夏葉がある。夏葉の方が小形。春葉の先は尖るが、夏葉の先は尖らない。花柄は長さ0.5~1㎝、長毛がある。花は直径3~5㎝、鮮やかな朱赤色、花冠の上側に濃色の斑点がある。。雄しべは5個。花糸の下部に粒状(刺状)の短毛がある。子房には白色の長毛が密生する。萼や花柄に扁平な長い白毛がある。萼片は長さ1.5~3㎜三角状楕円形。花柄は長さ5~20㎜。蒴果は長さ8~13㎜の卵形。花期は4~6月。
25-1-1 Rhododendron kaempferi Planch. var. kaempferi f. album Nakai  シロヤマツツジ
  synonym Rhododendron obtusum (Lindl.) Planch. var. kaempferi (Planch.) E.H.Wilson f. albiflorum E.H.Wilson
 白花品種。花冠の斑点は緑色。
25-2 Rhododendron kaempferi Planch. f. komatsui (Nakai) H.Hara  ヤエザキヤマツツジ
  synonym Rhododendron obtusum (Lindl.) Planch. var. kaempferi (Planch.) E.H.Wilson f. komatsui (Nakai) E.H.Wilson 
 八重花品種。
25-3 Rhododendron kaempferi Planch. f. semperflorens H.Hara  シキザキヤマツツジ

25-4 Rhododendron kaempferi Planch. var. macrogemma Nakai  オオシマツツジ 大島躑躅
  synonym Rhododendron obtusum (Lindl.) Planch. var. macrogemma (Nakai) Kitam.
  synonym Rhododendron macrogemma (Nakai) Nakai
 伊豆半島、伊豆諸島に分布。夏葉は光沢があり、革質、冬に残る。花はやや肉質。
25-5 Rhododendron kaempferi Planch. var. mikawanum (Makino) Makino  ミカワツツジ 三河躑躅
  synonym Rhododendron obtusum (Lindl.) Planch. var. mikawanum (Makino) T.Yamaz.
  synonym Rhododendron obtusum (Lindl.) Planch. var. kaempferi (Planch.) E.H.Wilson f. mikawanum (Makino) E.H.Wilson
  synonym Rhododendron kaempferi Planch. f. mikawanum (Makino) H.Hara
 愛知県三河地方に分布。葉や花が小型、花の色に変化が多い。
25-6 Rhododendron kaempferi Planch. var. saikaiense (T.Yamaz.) T.Yamaz.  サイカイツツジ
  synonym Rhododendron obtusum (Lindl.) Planch. var. saikaiense T.Yamaz.
 長崎県の五島列島、鹿児島県の甑島に分布。葉や花が小型。
25-6-1 Rhododendron parvifolium Adams f. albiflorum (Herder ex Maxim.) H.Hara  シロバナサカイツツジ 異分類
25-7 Rhododendron kaempferi Planch. var. tubiflorum Komatsu  ヒメヤマツツジ 姫山躑躅
  synonym Rhododendron kaempferi Planch. f. tubiflorum (Komatsu) H.Hara 
  synonym Rhododendron obtusum (Lindl.) Planch. var. tubiflorum (Komatsu) T.Yamaz.
 広島県、山口県に分布。葉や花が小型、花筒が長い。
25-8 Rhododendron kaempferi Planch. x R. scabrum G.Don  ケラマヤマツツジ
 ヤマツツジとケラマツツジの交雑種。

26 Rhododendron kanehirae E.H.Wilson  ウライツツジ
 台湾原産。中国名は台北杜鹃 tai bei du juan 。

27 Rhododendron katsumatae (M.Tash. et H.Hatta) Craven  ホザキツリガネツツジ 穂咲釣鐘躑躅
  synonym Menziesia katsumatae M.Tash. & H.Hatta
 本州中部地方(岐阜県、福井県、石川県、富山県)固有種。
 落葉低木、高さ約1m。葉は互生又は枝先に束生。葉柄は長さ(0)1~5㎜。葉身は長さ2~ 5㎝×幅1~2㎝、楕円形~倒卵形、先はやや尖り、微突形、基部は楔形~広楔形、全縁、縁毛があることもあり、上面は緑色、無毛、粉白色を帯び、中脈にまばらに剛毛がある。花序は総状花序、花序軸は長さ25~65 (~75)㎜ 、まれに分枝し、花は8~12個つく。苞は15~20個つき、宿存し、縁に短い腺毛がある。花柄は長さ22~32㎜、短い腺毛が縁にあり、2個の小苞がある。小苞は糸状又は線状漸尖形、長さ8~12㎜×幅約1㎜。咢は直径2.2~6.5㎜、5裂し、裂片は半円形又は鈍い三角形、腺のある距がある。花冠は鐘形、外側は淡ピンク色、平滑、内側は赤色を帯び、粗く、長さ12.5~13.5㎜、先は5裂、裂片は円形、長さ約3㎜。雄しべは10本、類等長、わずかに曲がり、長さ12.5~13.0㎜、白色の粗毛がある。花柱は平滑、長さ8~9.5㎜、無毛。蒴果は球形、平滑、5室をもち、直径4~4.5㎜。花期は5~6月。果期は10月。
27-1 Menziesia katsumatae M.Tash. et H.Hatta f. duplex (Satomi et M.Hashim.) Satomi  フタエツリガネツツジ 異分類

28 Rhododendron kawakamii Hayata  シマシャクナゲ
  synonym Rhododendron taiwanianum S.S.Ying 
 台湾原産。中国名は着生杜鹃 zhuo sheng du juan

29 Rhododendron keiskei Miq.  ヒカゲツツジ 日陰躑躅
  synonym Rhododendron keiskei Miq. var. cordifolium Masam.
日本固有種(本州の関東地方以西、四国、九州)
 常緑低木、高さ1~2m。幹は灰褐色~灰白色。葉は互生し、枝先に集まってつき、長さ3~8㎝の楕円形~長楕円形、先が尖り、先端に腺状突起がある。葉質は薄い革質、両面に円形の鱗状毛がある。葉柄は長さ2~4㎜。若枝や葉柄にも鱗状毛があり、長毛も混じる。花は枝先に2~4個集まってつく。花冠は5裂し、直径4~5㎝、淡黄色、外面に鱗状毛がある。雄しべ10個。花糸の下部に白色の軟毛が散生する。花柄は長さ1~1.5㎜。黄色のツツジは少なく、シャクナゲに近い形態をしていて、ヒカゲツツジ亜種と分類されている。蒴果は長さ8~13㎜の円柱形。花期は4~5月。
29-1 Rhododendron keiskei Miq. var. hypoglaucum Suto et T.Suzuki  ウラジロヒカゲツツジ
29-2 Rhododendron keiskei Miq. var. ozawae T.Yamaz.  ハイヒカゲツツジ

30 Rhododendron kiusianum Makino  ミヤマキリシマ 深山霧島
  synonym Rhododendron obtusum (Lindl.) Planch. var. japonicum (Maxim.) Kitam.
 九州固有種。火山の雲仙岳、阿蘇、霧島山、開聞岳の標高約1000メートル以上の山地に生える。
 半落葉低木。高さ0.3~1m。よく分枝し、枝が横に延びる。葉は楕円形、長さ1~1.5㎝、革質、上面に褐色の剛毛がある。枝先に花を2~6個つける。花冠は紅紫色~紫色、漏斗形、直径2~2.5㎝、先が5裂する。花冠裂片に斑点はほとんどもたない。雄しべは5本。蒴果は卵形、褐色の毛がある。花期は5~6月。ヤマツツジは花が朱赤色~赤色、直径4~4.5㎝、花冠に明瞭な斑点があり、容易に交雑する。ミヤマキリシマは花弁における5-メチルフラボノール含有率がきわめ て高く、ヤマツツジはそれをほとんど含まないことが研究報告されている。 ミヤマキリシマはツツジ園芸種の重要な親とされている。
30-1 Rhododendron kiusianum Makino f. albiflorum Honda et Maeda  シロバナミヤマキリシマ
30-2 Rhododendron kiusianum Makino f. maedae Honda  ヤエミヤマキリシマ

31 Rhododendron kiyosumense (Makino) Makino  キヨスミミツバツツジ 清澄三葉躑躅
  synonym Rhododendron dilatatum Miq. var. kiyosumense (Makino) Hatus.
 日本固有種(本州の関東地方南部~紀伊半島南部) 
 落葉低木、高さ1~5m。 若枝は無毛。葉は枝先に3輪生する。葉柄は長さ2~5㎜、無毛。葉身は卵円形~広楔形、長さ2~5㎝×幅1.5~3㎝、先は尖鋭形、基部は楔形、葉幅は基部近くが最も広く、縁には微小な鋸歯があり、上面は初め長毛があるが後に無毛、下面は細脈が目立ち、基部付近の主脈の両側に軟毛が密生する。花は葉の展開前か又はほぼ同時に開花する。花は枝先に単生する。花柄は長さ7~10㎜、下部に粗い毛が散生するか又は無毛。花冠は紅紫色、漏斗形、直径3~4㎝、先は5深裂し、内面の上部に濃色の斑点がある。雄しべは10本、不等長、花糸は無毛。子房には長毛及び白色の軟毛が密生する。花柱は無毛。蒴果は歪んだ円柱形、長さ8~12㎜×幅3~4㎜、褐色の長毛が密生する。

32 Rhododendron komiyamae Makino  アシタカツツジ 愛鷹躑躅
 静岡県(愛鷹山)固有種。
 半常緑低木、高さは2~3(~5)m。茎は基部は分枝せず、直立し、若枝や葉柄には淡褐色の扁平な毛が密生する。葉は5輪生状に互生し、葉柄は長さ1~2㎜。春葉と夏葉の2形がある。春葉は長楕円形~広披針形、長さ1.5~5㎝×幅4~5㎜、先は鋭形、基部は楔形、質はやや薄く、両面と縁に褐色の長毛が散生し、特に下面の脈上に多い。夏葉は狭長楕円形~倒披針形、長さ1~1.5㎝×幅2~3㎜。花は枝先に2~4個つく。萼と花柄には白色の長毛が密生する。 花冠は淡紅紫色、漏斗形、直径2~3.5㎝、5裂し、内面の上部に濃色の斑点がある。雄しべは普通、7~10本、ときに少なくなる。花糸の下部には短毛がある、子房には長毛が密にある。蒴果は長卵形、長さ8~10㎜。花期は5月。

33 Rhododendron kroniae Craven  ヨウラクツツジ 瓔珞躑躅 
  synonym Menziesia purpurea Maxim
 九州(熊本県、大分県、宮崎県)固有種。別名をツクシツリガネツツジ、ヤシオツツジ
 落葉低木、高さ2.4m以下。無毛で細いシュートを3~4段に生じる。葉は楕円形~倒卵形、基部は狭まり、先は円形で微突形、長さ2.5~3.8㎝×幅1.3~2.1㎝、上面に剛毛が散生し、下面の脈上に剛毛がある。花序柄は長さ7.5~40㎝又はそれ以下。花柄は長さ1.3~1.8㎝、ごく細く、腺のある剛毛がある。花は下向き、前年の小枝の先に散形花序状に束生して、4~8個つく。花冠は赤色、鐘形、長さ約1.3㎝×幅約6㎜、裂片は4個、浅く、微細な縁毛がある。雄しべは8本、毛がある。花冠裂片の2倍の数がある。咢は4又は5裂、裂片は卵状長円形、長さ約4㎜、縁に腺毛がある。子房に腺の無い毛がある。花期は5~6月。

34 Rhododendron lagopus Nakai var. lagopus  ダイセンミツバツツジ 大山三葉躑躅
  synonym Rhododendron reticulatum D.Don x G.Don var. lagopus (Nakai) Hatus.
  synonym Rhododendron nudipes Nakai subsp. niphophilum T.Yamaz. var. lagopus (Nakai) T.Yamaz.
 日本固有種(鳥取県、岡山県、広島県、山口県、香川県小豆島、長野県、愛知県)。地の林内や林縁、岩場などに生える。
 落葉低木 高さ1~4m、樹皮は灰黒褐色。 冬芽は花芽が長さ約1.2㎝の長楕円形。芽鱗は赤褐色、、一部淡緑色を帯び、縁には微細な毛がある。葉痕は逆三角形、維管束痕は1個。枝は横に広がり、若枝は黄褐色~赤褐色、無毛。葉は枝先に3個輪生する。葉柄は長さ3~6㎜、淡褐色の毛が密にある。葉身は菱状広卵形、長さ5~8㎝×幅幅3~6㎝、葉幅は中央部が最も広く、先は短い鋭形、基部は広楔形、縁は微細な波状の鋸歯縁、上面は始め褐色の長毛があるが、後に無毛になり、脈上に微細な腺点がある。下面は全面に淡褐色の伏毛があり、とくに主脈や側脈の基部付近に淡褐色の毛が密生する。花は葉の展開前又は展開と同時に開花する。枝先に花を単生する。萼や花柄に白色の長毛がある。花冠は鮮やかな紅紫色、漏斗形、直径3.5~5㎝、先は5深裂し、上側の裂片3個に、濃色の斑点がある。雄しべ10個、花糸は紅紫色、無毛。花柱は無毛。子房には白色の長毛が密生する。蒴果は長さ1~1.5㎝、曲がった円柱形、褐色の毛が密にある。花期は4~5月。果期は7~9月。
34-2 Rhododendron lagopus Nakai var. niphophilum (T.Yamaz.) T.Yamaz.  ユキグニミツバツツジ 
  synonym Rhododendron nudipes Nakai subsp. niphophilum T.Yama 
 秋田県南部~鳥取県東部の日本海側、近畿地方に分布。
 葉柄は毛が無い。葉幅は中間部より下で最も広い。冬芽が大きく、長楕円状卵形、長さ約1.5㎝。芽鱗は褐色、背面の上部と縁に毛が密生する。葉痕は半円形~ハート形。咢や花柄の長毛が淡褐色。
34-2-1 Rhododendron lagopus Nakai var. niphophilum (T.Yamaz.) T.Yamaz. f. albiflorum (Satomi et Fukushima) T.Yamaz.  シロバナユキグニミツバツツジ (temp.)

35 Rhododendron lapponicum (L.) Wahlenb.  サカイツツジ 広義
  synonym Rhododendron parvifolium Adams 
  synonym Rhododendron lapponicum (L.) Wahlenb. var. parvifolium (Adams) Herder
 日本、朝鮮、中国、モンゴル、ロシア、ヨーロッパ北部、北アメリカ原産。中国名は高山杜鹃 gao shan du juan 。英名はlapland rosebay。
35-1 Rhododendron lapponicum (L.) Wahlenb. subsp. alpinum (Glehn) A.P.Khokhr.  モウセンツツジ
  synonym Rhododendron confertissimum Nakai
  synonym Rhododendron parvifolium Adams var. alpinum Glehn
  synonym Rhododendron lapponicum (L.) Wahlenb. var. alpinum (Glehn) T.Yamaz. 
35-2 Rhododendron lapponicum (L.) Wahlenb. subsp. parvifolium (Adams) T.Yamaz.  サカイツツジ
 北海道根室市の落石岬湿原に自生。
 矮小半常緑低木、高さ0.5~1m、幹は直立し、まれに散開し、円形の腺状鱗片を密につける。よく分枝し、若枝は赤褐色、古くなると灰色になる。葉は互生、枝先に集まってやや輪生状につく。葉柄は長さ1~3㎜。葉身は革質、楕円形~長楕円形、長さ7~20㎜×幅3~8㎜、先は鈍形~円形、基部は鋭形、両面に赤褐色の腺鱗片がある。花柄は長さ2~5㎜、果時に長くなる。花は枝先に散形状に2~6個つく。咢片は5個、広卵形、長さ1~1.5㎜。花冠は紅紫色、漏斗状鐘形、直径14~17㎜、5中裂、裂片は広楕円形。雄しべは10本。花糸の下部に白色の軟毛が密生する。子房は卵形、円形の鱗状毛が密生する。花柱は長さ約1.5㎜、無毛。蒴果は卵形、長さ5~6㎜、赤褐色の円形の鱗状毛が密生する。

36 Rhododendron latoucheae Franch.  セイシカ 聖紫花
  synonym Rhododendron leiopodum Hayata
  synonym Rhododendron ellipticum Maxim.
 日本(石垣島、西表島)、中国、台湾原産。中国名は西施花 xi shi hua
36-1 Rhododendron latoucheae Franch. var. amamiense (Ohwi) T.Yamaz.  アマミセイシカ
  synonym Rhododendron ellipticum Maxim. var. amamiense (Ohwi) Masam.
  synonym Rhododendron amamiense Ohwi 
  synonym Rhododendron leiopodum Hayata var. amamiense (Ohwi) Ohwi 
 奄美大島に分布。

37 Rhododendron macrosepalum Maxim.  モチツツジ 餅躑躅
 日本固有種(本州の静岡県、山梨県~岡山県、四国)
 半常緑低木、高さ1~2m。葉は互生し、春葉は長さ4~8㎝、幅1~4㎝の楕円形~卵形。両面に毛が生え、腺毛がある。花柄は長さ1.5~2㎝、長い腺毛が密生して粘る。花は直径3.5~6㎝の淡紅紫色~稀に紅紫色、上側の裂片に赤色の斑点がある。雄しべは普通、5個、稀に6~10個。花糸には短毛がある。子房は腺毛が密生する。萼は緑色、5深裂し、萼片は長さ2~4㎝の披針形、長い腺毛が密生する。花期は4~6月。
品種) 'Hanaguruma'  ハナグルマ , 'Linearifolium'  セイガイツツジ , 'Sideguruma'  シデグルマ , 'Yukiguruma'  ユキグルマ
37-1 Rhododendron macrosepalum Maxim. f. albiflorum (Honda) H.Hara  シロバナモチツツジ
37-2 Rhododendron macrosepalum Maxim. f. subrotatum Sugim.  ヒラザキモチツツジ
37-3 Rhododendron macrosepalum Maxim. x R. pulchrum Sweet  タキノクチツツジ

38 Rhododendron makinoi Tagg ex Nakai  ホソバシャクナゲ 細葉石楠花
  synonym Rhododendron yakushimanum Nakai subsp. makinoi (Tagg ex Nakai) D.F.Chamb.
 日本固有種(本州の静岡県西部~愛知県東部)。別名はエンシュウシャクナゲ 遠州石楠花
 常緑低木、高さ1~2m。幹はよく分枝し、枝を広げる。葉は互生し、枝先に集まってつく。葉柄は長さ1~2.5㎝、褐色の毛が密生する。葉身は革質、長さ7~18㎝×幅1~2㎝の細長い楕円形~線状披針形、全縁。上表は光沢があり無毛、下面は淡褐色~赤褐色の綿毛が厚く密集する。花は枝先の総状花序に5~10個、密集してつく。花柄は褐色の毛が密生する。花冠は直径4~5㎝の漏斗形、紅紫色、5中裂し、上側の裂片に斑点がある。雄しべは10本。蒴果は長さ10~15㎜の長楕円形、褐色の毛が密生する。花期は4月末~5月上旬。果期は9~10月。
38-1 Rhododendron makinoi Tagg ex Nakai f. leucanthum (Makino) Sugim.  シロバナホソバシャクナゲ
38-2Rhododendron makinoi Tagg ex Nakai f. muranoanum (Makino) H.Hara  クルマザキホソバシャクナゲ
38-3Rhododendron makinoi Tagg ex Nakai f. plenum Sugim.  ヤエホソバシャクナゲ

39 Rhododendron mariesii Hemsl. et E.H.Wilson  シュジョウツツジ
  synonym Rhododendron shujoense Hayata 
 中国、台湾原産。中国名は满山红 man shan hong 。

40 Rhododendron mayebarae Nakai et H.Hara  ナンゴクミツバツツジ 南国三葉躑躅
  synonym Rhododendron dilatatum Miq. var. viscistylum (Nakai) Hatus. subvar. mayebarae (Nakai et H.Hara) Hatus
  synonym Rhododendron nudipes Nakai var. mayebarae (Nakai et H.Hara) Kitam.
 日本(九州南部)原産。キヨスミミツバツツジの類縁種であり、キヨスミミツバツツジに似て、花糸と花柱が無毛で子房に長毛があるが、花柄や咢に毛が少ないことで区別される。
 落葉低木、高さ2~3(~5)m。枝は無毛。枝先に葉を3輪生する。葉柄は無毛。葉身は菱状卵形~卵形、長さ2~4㎝×幅1.3~2.5㎝、初めは長毛があるが、7月頃には下面の主脈の褐色の綿毛を除いて無毛となる。花は葉の展開前に開花する。枝先に花を1個ずつつける。花柄や咢に毛が少ない。花冠は紅紫色、漏斗形、直径3~4㎝、5深裂。花糸と花柱は無毛で、子房には長い白毛が密生する。蒴果は歪んだ円柱形、長さ約1㎝、褐色の長毛が密生する。花期は3~5月
40-1 Rhododendron mayebarae Nakai et H.Hara f. leucanthum (Hatus.) T.Yamaz.  シロバナナンゴクミツバツツジ 白花南国三葉躑躅
  synonym Rhododendron dilatatum Miq. var. viscistylum (Nakai) Hatus. subvar. mayebarae (Nakai et H.Hara) Hatus. f. leucanthum Hatus.
40-2 Rhododendron mayebarae Nakai et H.Hara var. ohsumiense T.Yamaz.  オオスミミツバツツジ
 甫与志岳から稲尾岳に至る大隅半島の標高700~900mの山地に分布する。
 葉が小さく、葉の下面全体に長毛があり、宿存する。
40-3 Rhododendron mayebarae Nakai et H.Hara x R. osuzuyamense T.Yamaz.  ナンゴクウラジロミツバツツジ

41 Rhododendron micranthum Turcz.  ホザキツツジ 穂咲躑躅
 朝鮮、中国原産。中国名は照山白 zhao shan bai

42 Rhododendron molle (Blume) G.Don  トウレンゲツツジ 唐蓮華躑躅
 日本、中国原産。中国名は羊踯躅 yang zhi zhu
 花が黄色~黄金色、蒴果の剛毛がまばら。
42-1 Rhododendron molle (Blume) G.Don subsp. japonicum (A.Gray) K.Kron  レンゲツツジ 蓮華躑躅
  synonym Rhododendron japonicum (A.Gray) Suringar
  synonym Rhododendron molle (Blume) G.Don var. glabrius Miq.
 日本固有種(本州、四国、九州)。別名はオニツツジ。和名はつぼみの形が蓮華似ていることに由来する。
 落葉低木、高さ1~2m。幹は灰褐色。葉は互生、枝先に多数集まってつき、葉柄は長さ3~7㎜。葉身は長さ5~10㎝×幅1.5~3㎝の倒披針形、質が薄くて柔らかく、縁は全縁、波打ち、毛があり、基部は漸尖し、葉脈が深く目立つ。葉の両面の脈上に毛がまばらにある。葉は秋には紅葉する。花は枝先に2~8個、集まってつき、葉と同時に開く。花柄は長さ1.5~3㎝、まばらに毛がある。咢は5裂し、縁に長毛がある。花冠は直径5~8㎝、朱橙色で大きく、5中裂し、上側の裂片に橙黄色の斑点がある。雄しべは5本。花糸の下半部に短い開出毛が密生する。花柱の下半部に短毛があり、子房に長毛が密生する。萼は5裂し、縁に長毛がある。蒴果は長さ2~2.5㎝の円柱形、褐色の剛毛が密生する。種子は長さ約2㎜、翼があり、基部の付属片には鋸歯がある。花期は5~6月。
42-1-1 Rhododendron molle G.Don subsp. japonicum (A.Gray) K.Kron f. canescens (Sugim.) Yonek.  ビロードレンゲツツジ
  synonym Rhododendron japonicum (A.Gray) Suringer f. canescens Sugim.
42-1-2 Rhododendron molle G.Don subsp. japonicum (A.Gray) K.Kron f. flavum (Miyoshi) Yonek.  キレンゲツツジ
  synonym Rhododendron japonicum (A.Gray) Suringer f. flavum (Miyoshi) Nakai 
 花が黄色~橙黄色。
42-1-3 Rhododendron molle G.Don subsp. japonicum (A.Gray) K.Kron f. glaucophyllum (Nakai) Yonek.  ウラジロレンゲツツジ
  synonym Rhododendron japonicum (A.Gray) Suringer f. glaucophyllum (Nakai) H.Hara
 葉の下面が粉白色のもの。
42-1-4 Rhododendron molle G.Don subsp. japonicum (A.Gray) K.Kron f. multifidum (Nakai) Yonek.  レンゲボタン
  synonym Rhododendron japonicum (A.Gray) Suringer f. multifidum Nakai

43 Rhododendron mucronulatum Turcz. カラムラサキツツジ 唐紫躑躅 [広義]
 日本、朝鮮、中国、モンゴル、ロシア原産。
43-1 Rhododendron mucronulatum Turcz. var. mucronulatum  カラムラサキツツジ 唐紫躑躅
 朝鮮、中国、モンゴル、ロシアに分布。中国名は迎红杜鹃( ying hong du juan)。
 落葉低木。多数、分枝する。高さ1~2m。若枝は細くて長く、まばらに鱗片がある。葉柄は長さ3~5㎜。葉身は薄く、楕円形~楕円状披針形、長さ3~7㎝、幅1~3.5㎝、基部は楔形~鈍形、縁は全縁又は鋸歯縁、先は鋭形、尖鋭形、又は鈍形。葉裏面は褐色、鱗片状、表面はまばらに鱗片状。花序は花が1~3個、類頂生、偽散形花序、花は葉の展開前に開花し、芽鱗は宿存性。花柄は長さ0.5~1㎝、まばらに鱗片がある。萼は5裂、長さ0.5~1㎜、鱗片状~無毛~まばらに剛毛がある。花冠は漏斗形、淡赤紫色、長さ2.3~2.8㎝、幅3~4㎝、外面に短毛がある。osibeは10個、不等長、わずかに花冠筒部より短い。花糸は下部に短毛がある。子房は5室、密に鱗片があり、花柱は花冠より長く、無毛。蒴果は円柱形、長さ10~15㎜、幅4~5㎜。花期は3~4月。果期は5~7月。
43-1-1 Rhododendron mucronulatum Turcz. var. mucronulatum f. albiflorum (Nakai) Okuyama  シロバナカラムラサキツツジ
43-2 Rhododendron mucronulatum Turcz. var. chejuense Davidian  タンナゲンカイ
43-3 Rhododendron mucronulatum Turcz. var. ciliatum Nakai  ゲンカイツツジ 玄海躑躅
  synonym Rhododendron mucronulatum Turcz. var. lucidum Nakai 
  synonym Rhododendron mucronulatum Turcz. f. ciliatum (Nakai) Kitag
 本州(西部)、四国(愛媛県)、九州(北部)、朝鮮に分布。凝灰岩や花崗岩などの岩地、岩上などに生え、石灰岩地帯には生えない。
 落葉低木。高さ1~2m。よく分枝し、若枝には赤褐色、 円形の鱗状毛が多く、白色の長毛が散生する。葉は互生し、楕円形、 長さ2.5~6.5㎝、幅1.5~3㎝。葉の両面に円形の鱗状毛と毛があり、葉縁には縁毛がある。花は葉の展開前に開花する。花冠は淡紅紫色(桃紫色)、 広漏斗形、直径3~4㎝、深裂する。雄しべは10個。蒴果は円柱形、長さ約15㎜、幅4~5㎜、円形の鱗状毛が密生する。花期は3~4月。
43-3-1 Rhododendron mucronulatum Turcz. var. ciliatum Nakai f. leucanthum T.Yamaz.  シロバナゲンカイツツジ
 ゲンカイツツジの白花品種。

44 Rhododendron multiflorum (Maxim.) Craven  ウラジロヨウラク 裏白瓔珞
    basynonym Menziesia multiflora Maxim.
  synonym Menziesia multiflora Maxim. var. longicalyx Kitam. ガクウラジロヨウラク 萼裏白瓔珞
  synonym Menziesia ciliicalyx (Miq.) Maxim. var. multiflora (Maxim.) Makino
 日本(北海道、本州中部地方以北、四国)固有種。日本海側の多雪地に多く、山地~高山帯の林縁や岩場などに生える。低木、高さ0.5~2m。葉は互生し、倒卵形~楕円形、枝先に集まってつく。葉の下面は粉白色を帯びる。枝先に花が5~10個、下向き~斜め下向きにつき、花は狭鐘形、淡紅色、花冠は長さ約15㎜、先は5裂する。花柄は長く、腺毛が密生する。萼片が短い。蒴果は球形、上向きに熟し、長い花柱が宿存する。花期5~6(7)月。
44-1 Rhododendron multiflorum (Maxim.) Craven f. brevicalyx (Hiyama) Craven  アズマツリガネツツジ
44-2 Rhododendron multiflorum var. purpureum (Makino) Craven ムラサキツリガネツツジ 紫釣鐘躑躅
  synonym Menziesia lasiophylla Nakai
  synonym Menziesia ciliicalyx var. purpurea Makino
  synonym Menziesia multiflora var. purpurea (Makino) Ohwi
 日本(山梨県、神奈川県、静岡県の富士山周辺)固有種。葉の上面には長毛のみがあり、短腺毛を欠く。
 落葉低木、高さ0.5~1m。、葉は枝先に輪生状につく。葉身は長さ2~4㎝、倒卵形~広楕円形、表面や縁に粗毛がある。 花は枝先の散形花序に2~6個、下向きに束生する。花冠はやや大きく、長さ1.4~1.8㎝、筒形~長いつぼ形、紅紫色、先が浅く5裂する。花柄や萼の周りに長い白毛がある。花期は5~6月。
44-3 Rhododendron multiflorum forma bicolor (Makino) Craven ハコネツリガネツツジ 箱根釣鐘躑躅
  synonym Menziesia lasiophylla Nakai f. bicolor (Makino) Hiyama 
  synonym Menziesia multiflora f. bicolor (Makino) T. Yamaz.
  synonym Menziesia ciliicalyx var. bicolor Makino
 花冠の色が淡紅紫色、花柄や萼の縁に長毛のみがあり、 腺毛を欠く。
44-4 Menziesia lasiophylla Nakai var. glabrescens Nakai  フジツリガネツツジ 異分類
  synonym Menziesia multiflora Maxim. var. purpurea (Makino) Ohwi f. glabrescens (Nakai) Ohwi 
  synonym Menziesia ciliicalyx (Miq.) Maxim. var. purpurea Makino f. glabrescens (Nakai) Ohwi 
 の上面に長毛が少なく、 短腺毛が多い。

45 Rhododendron nakaharae Hayata  ナカハラツツジ 中原躑躅
  synonym Rhododendron longiperulatum Hayata 
 台湾原産。中国名は那克哈杜鹃 na ke ha du juan
46 Rhododendron nipponicum Matsum.  オオバツツジ 大葉躑躅
 日本(本州の秋田県~福井県の日本海側)原産。
 落葉低木。高さ1~2m。若枝には開出する腺毛がある。葉は互生し、枝先に密集し、ほぼ無柄。葉身は長さ5~10㎝×幅3~8㎝、倒卵形~広倒卵形、先は円形又は凹形、先端に腺状突起があり、基部は楔形。葉面、葉縁、下面の葉脈に腺毛がある。花は葉の展開とともに、咲く。枝先に5~10個の花を、やや散形状につける。花柄は長さ8~15㎜、長い腺毛が密に開出する。花冠は黄白色、長さ1~1.5㎝×幅0.8~1㎝、筒状鐘形、先が浅く5裂し、花冠筒部の先は赤色を帯び、花冠筒部の内側に短い軟毛がある。雄しべは10個、突き出ない。花糸は下半分に短毛が生える。子房には腺毛が密にある。蒴果は長さ10~12㎜の長楕円形、長い腺毛がやや密に開出する。 花期は6月~8月。
47 Rhododendron noriakianum Suzuki  イサオツツジ
  synonym Rhododendron sikayotaizanense Masam.
 台湾原産。中国名は细叶杜鹃 xi ye du juan 。

48 Rhododendron nudipes Nakai  サイゴクミツバツツジ 広義
  synonym Rhododendron reticulatum D.Don ex G.Don var. nudipes (Nakai) Hatus.
48-1 Rhododendron nudipes Nakai var. nudipes サイゴクミツバツツジ 西国三葉躑躅
 日本( 本州の新潟県・長野県、九州の宮崎県・熊本県 )原産。
 落葉低木、高さ1.5~2m。樹皮は灰黒色。冬の花芽は紡錘形、長さ約1.8㎝。枝はやや細く、無毛。葉柄は長さ3~5㎜、無毛。葉は枝先に3輪生する。葉身は菱状楕円形、長さ5~10㎝×幅3~5㎝、先は急に細くなり、尖り、基部は広楔形。上面は初め白色の長毛があり、後に無毛になり、脈上に微細な腺点がある。下面は白緑色、淡褐色の毛が散在し、中脈の基部付近に密生する。開花は葉の展開と同時又はやや早い。枝先に花を1個ずつつける。花柄は有毛。花冠は直径3.5~4㎝、漏斗形、紅紫色、5中裂、上側の裂片に濃色の斑点がある。雄しべは10個、花糸は無毛。花柱は無毛。子房は白色の長毛が密生する。蒴果は細長い円筒形、長さ1~1.5㎝、湾曲し、有毛。花期は4~5月。
48-2 Rhododendron nudipes Nakai var. kirishimense T.Yamaz.  キリシマミツバツツジ 霧島三葉躑躅
 霧島山と鹿児島県高隅山に分布する。果実は細長い円筒形であるが、サイゴク ミツパツツジより湾曲の度合が低い。若枝は始めは軟毛があるが、後に、無毛になる。葉柄から葉身の下面の主脈下部にかけて長毛があり、果期にはかなり落ちるが、まばらに残る。葉先は鈍形。花柄には斜上する長毛が密生する。
48-3 Rhododendron nudipes Nakai var. nagasakianum (Nakai) T.Yamaz.  ヒメミツバツツジ
  synonym Rhododendron nudipes Nakai var. gracilescens (Nakai) H.Hara 
  synonym Rhododendron gracilescens (Nakai) F.Maek. 
 若枝はほぼ無毛であるが、葉柄から葉身裏面の主脈下部にかけて軟毛がある。ただし、葉柄の毛は早落し、果期には無毛になる。

49 Rhododendron oldhamii Maxim.  キンモウツツジ 金毛躑躅
 台湾原産。中国名は砖红杜鹃 zhuan hong du juan
50 Rhododendron osuzuyamense T.Yamaz.  ウラジロミツバツツジ  裏白三葉躑躅
  synonym Rhododendron dilatatum Miq. var. glaucum Hatus.
  synonym Rhododendron viscistylum Nakai var. glaucum (Hatus.) Sugim.
 宮崎県の尾鈴山からその西方の山地に分布。一見タカグマミツバツツジに似ているが、ミ ツバツツジに近縁である。ミツパツツジ類は1個の花芽に2~4個、まれに1個の花がつき、普通、花が3個つく。ウラジロミツバツツジ は1個の花芽に1個の花がつく。
 落葉低木、高さ1~2m。 花芽は被針状長楕円形で赤味を帯び、無毛に近く、1個の花芽に1個の花がつく。葉は3個輪生状につく。葉身は長さ2~4㎝、菱状卵形~菱状楕円形、葉は小さくて質が薄く、果期にも葉の下面の主脈から葉柄 にかけて長毛が残り、また下面全体に短毛が散生L、白色のろう物質がある。花は葉の展開前に開花する。花冠は紅紫色、漏斗形、5深裂。果実は弧状に曲った長めの円筒形である。花期は3~4月。

51 Rhododendron ovatum (Lindl.) Planch.  ランダイヒカゲツツジ 広義
  synonym Rhododendron lamprophyllum Hayata
 中国、台湾原産。中国名は马银花 ma yin hua
51-1 Rhododendron ovatum (Lindl.) Planch. var. lamprophyllum (Hayata) Y.C.Liu, F.Y.Lu et C.H.Ou  ランダイヒカゲツツジ

52 Rhododendron pentandrum (Maxim.) Craven  コヨウラクツツジ 小瓔珞躑躅
  synonym Menziesia pentandra Maxim.
 北海道、本州(近畿地方以北)、四国、南千島、サハリン原産。山地~亜高山帯の林内や林縁に生える。
 落葉低木、高さ1~3。若枝には粗毛がある。葉は互生又は枝先に輪生状に束生し、葉柄は長さ2~4㎜。葉身は倒披針形~長楕円形、長さ1.5~6㎝×幅1~2.5㎝、先は鋭形、葉の上面と縁に粗毛がある。 花は下垂し、花柄は長さ1~2㎝、腺毛が散生する。花冠は長さ5~6㎜×幅約7㎜、黄緑色~赤褐色で、先が狭くなった歪んだつぼ形、先端が小さく5裂して外側へ反り返る。花期は5~6月。

53 Rhododendron pentaphyllum Maxim.
53-1 Rhododendron pentaphyllum Maxim. var. pentaphyllum  ツクシアケボノツツジ 筑紫曙躑躅
  synonym Rhododendron pentaphyllum Maxim. var. villosum Koidz.
 日本(九州)固有種。
 落葉低木~高木、高さ3~8(10)m。若枝は茶褐色で、次第に色が薄くなる。葉は枝先に5個輪生し、葉柄に赤色の粗毛がある。葉身は広楕円形、長さ約4㎝、先は鋭形、上面の主脈上にに白毛があり、縁には長い開出毛があり、下面はやや光沢があり、主脈基部に白色の軟毛が多い。花は葉の展開より前に開花する。花は普通、枝先に1個だけが横向き~下向きにつく。花柄は長さ約1㎝、開出する白色の長毛とまばらに腺毛がある。花冠は杯形、直径6~10㎝、淡紅色、花冠裂片の下部に濃紅色の斑点がある。花冠裂片は倒卵形、先は普通、凹む。咢は5裂してごく小さい。雄しべは長短10本、花糸の基部がすべて無毛である。蒴果は長さ約2.5㎝、円柱形、無毛、熟すと裂開する。花期は4~5月。果期は9~10月。
53-2 Rhododendron pentaphyllum Maxim. var. nikoense Komatsu  アカヤシオ 赤八汐
  synonym Rhododendron nikoense (Komatsu) Nakai 
  synonym Rhododendron pentaphyllum auct. non Maxim.
 日本(本州の福島県いわき地方部~紀伊半島、四国、九州)に分布。山地の岩場に生える。
 落葉低木、高さ2~6m。枝はよく分枝し、無毛。冬の花芽は紡錘形、長さ1.4㎝。芽鱗は長さ5~6㎜、葉痕はハート形。維管束痕は1個。葉は枝先に5個輪生する。葉柄は長さ3~5㎜、長毛と短い腺毛がある。葉身は質がやや硬く、広楕円形、長さ2~5㎝幅1.5~3㎝、先が短く尖り、先端に線状突起があり、縁は全縁、長毛がある。葉の上面は中脈上にまばらに短毛があり、下面は中脈の基部に短毛が散生し、軟毛が密生する。花は葉の展開前に開花する。枝先に花が1~2個、下向きにつく。花柄は長さ1~1.5㎝、長い腺毛がある。花冠は濃ピンク色、広く開いた漏斗形、直径5~6㎝、花冠は5深裂し、裂片の先が浅く2裂する。雄しべは10本、花糸は淡紅紫色、基部に開出毛があり、上側の5花糸は短い。 花柱は無毛。蒴果は太い円柱形、長さ1.5~2.5㎝、無毛。花期は4~5月。果期は7~9月。

53-2-1 Rhododendron pentaphyllum Maxim. var. nikoense Komatsu f. albiflorum Asai et E.Torii  ユキヤシオ
53-3 Rhododendron pentaphyllum Maxim. var. shikokianum T.Yamaz.  アケボノツツジ 曙躑躅
  synonym Rhododendron pentaphyllum auct. non Maxim.
 日本(近畿地方以西~紀伊半島、四国、九州)に分布。別名はベニヤシオ。
 葉柄が無毛。雄しべの基部の開出毛が長い5本には無い。

54 Rhododendron pseudochrysanthum Hayata  ニイタカシャクナゲ
 台湾原産。中国名は阿里山杜鹃 a li shan du juan
54-1 Rhododendron pseudochrysanthim Hayata subsp. morii (Hayata) T.Yamaz. var. taitunense T.Yamaz.  アカボシシャクナゲ 赤星石楠花
  synonym Rhododendron hyperythrum auct. non Hayata 
  synonym Rhododendron rubropunctatum Hayata
 花は白色~淡紅色、上側の裂片に赤色の細かい斑点がつく。
54-2 Rhododendron pseudochrysanthum Hayata subsp. morii (Hayata) T.Yamaz.  モリシャクナゲ
  synonym Rhododendron morii Hayata
 葉の下面に小さな腺点が散在する。
54-2-1 Rhododendron pseudochrysanthum Hayata subsp. morii (Hayata) T.Yamaz. var. nankotaisanense (Hayata) T.Yamaz.  ナンコシャクナゲ
  synonym Rhododendron hyperythrum auct. non Hayata 
  synonym Rhododendron pachysanthum auct. non Hayata 

55 Rhododendron quinquefolium Bisset et S.Moore  シロヤシオ 白八汐
 日本(本州の岩手県以西の太平洋側、四国)固有種。別名ゴヨウツツジ、マツハダ
 落葉低木又は小高木、高さ4~7m。樹皮は灰黒褐色、古くなると亀甲状にはがれる(別名のマツハダ)。幹は根元から数本、直立し、上部で分枝する。枝は細く、無毛で、若枝は赤褐色。花芽は長さ1~1.3㎝、長卵形。芽鱗は赤褐色、細かい縁毛がある。ときに、基部につく数個の芽鱗が刺状になる。葉は枝先に5個輪生する(別名のゴヨウツツジ)。葉身は長さ2~5㎝×幅1.5~3㎝、菱状卵形で全緑、先は鈍形、基部は楔形、幅は中央部より上側で最も広く、多くは縁が赤色を帯び、細かい縁毛がある。葉上面の主脈には短毛があり、下面の主脈の下半部に白色の軟毛がある。花は葉の展開とほぼ同時に開花する。枝先に花が1~3個つく。花柄はまばらに軟毛がある。咢は無毛又は有毛。花冠は白色、広漏斗形、5中裂し、上側の裂片に緑色の斑点がある。雄しべは10本、花糸の基部に細毛がある。蒴果は歪んだ円柱形、長さ1~1.5㎝、細かい隆起点(突起)がある。
55-1 Rhododendron quinquefolium Bisset et S.Moore f. speciosum N.Yonez.  カノコゴヨウツツジ

56 Rhododendron reticulatum D.Don ex G.Don  コバノミツバツツジ 小葉の三葉躑躅
 日本固有種(本州の静岡県以西、四国、九州北部)
 落葉低木、高さ1.5~4m。樹皮は灰黒色。冬の花芽は楕円形、長さ約1㎝、褐色の伏毛が密生する。葉芽は紡錘形、小さい。葉痕は三角形~ハート形。維管束痕は1個。葉は枝先に3個輪生し、葉柄は長さ3~7㎜、褐色の長毛が密生するが、葉の展開時期の毛はほとんど白色である。葉身は長さ2.5~7㎝×幅1.5~5㎝の広卵形~菱状広卵形、先は尖り、基部は楔形、葉幅は中央部よりやや基部寄りが最も広い。若葉の両面には毛が密生する。次第に毛が取れ、葉裏の脈が目立つようになる。他のツツジより花期が早く、葉の展開前又は同時に開花する。枝先に花が1~2個つく。花柄には白毛と黄褐色の長毛がある。萼には白毛がある。花冠は紅紫色~淡紅紫色、漏斗形、直径3~4.5㎝、やや深く、5裂する。雄しべは10個、5個の雄しべは短く、花糸も細い。花糸及び花柱は無毛。子房には白毛が密生する。蒴果は円柱形、長さ8~14㎜、褐色の粗毛がある。花期は3~4月。果期は8~9月。
56-1 Rhododendron reticulatum D.Don ex G.Don f. albiflorum (Makino) Makino  シロバナコバノミツバツツジ
 白花品種。
56-2 Rhododendron reticulatum D.Don ex G.Don f. bifolium (T.Yamaz.) T.Yamaz.  ムギコバノミツバツツジ
  synonym Rhododendron reticulatum D.Don ex G.Don var. bifolium T.Yamaz.
 徳島県牟岐町の大島と出羽島に自生。葉身は小さく、卵形~広卵形、幅が中部より少し下で
最も広く、 3個輪生する葉のl個はごく小さいのが普通で、 2個の葉が対生する様に見える。
56-3 Rhododendron reticulatum D.Don ex G.Don f. ciliatum (Nakai) Sugim.  アラゲミツバツツジ
  synonym Rhododendron reticulatum D.Don ex G.Don var. ciliatum Nakai 
 枝葉の毛がやや長く残るもの。
56-4 Rhododendron reticulatum D.Don ex G.Don f. glabrescens (Nakai et H.Hara) T.Yamaz.  ツクシコバノミツバツツジ 筑紫小葉の三葉躑躅
 葉身は普通、菱状円形、葉幅は葉の下部が最も広く、下部の両側にくびれが出る傾向が強く、裏面の毛がごく少ない。
56-5 Rhododendron reticulatum D.Don ex G.Don f. parvifolium (T.Yamaz.) T.Yamaz.  ニシキコバノミツバツツジ 錦小葉の三葉躑躅
  synonym Rhododendron reticulatum D.Don ex G.Don var. parvifolium T.Yamaz.
 高知県高岡郡日高町錦山に自生する。蛇紋岩地域変性。葉が著しく小さく、やや黄色味を帯びる。
56-6 Rhododendron reticulatum D.Don ex G.Don f. versicolor (Nakai) H.Hara  ゲンペイコバノミツバツツジ
 赤花と白花が咲き分ける品種。

57 Rhododendron ripense Makino  キシツツジ 岸躑躅
  synonym Rhododendron mucronatum (Blume) D.Don var. ripense (Makino) E.H.Wilson
 日本固有種(本州の中国地方、四国、九州北部)。川岸に生える渓岸植物。
 半常緑低木、高さ1~1.5m。樹皮は灰黒色、縦に薄く、剥がれる。枝には斜上する長毛と腺毛がある。葉は互生、枝先に集まってつく。春葉と夏葉の2形がある。春葉は披針形~倒披針形、長さ3~5㎝×幅8~15㎜、両端は漸尖し、両面や縁に淡褐色の毛がある。葉柄は長さ1~3㎜、斜上又は開出する毛があり、腺毛が混じる。夏葉は倒披針形、小さく、質が厚く、冬を越す。花は葉の展開と同時。枝先に1~3個つく。花柄は長さ約1㎝、毛と腺毛がある。咢片は長さ1~2㎝、披針形、腺毛があり、粘る。花冠は淡紅紫色~紅紫色、漏斗形、直径4~6㎝、やや深く、5裂し、上側の裂片に濃色の斑点がある。雄しべは10本。花糸の下半部に粒状の突起がある。蒴果は長卵形、長さ約1㎝。花期は4~5月。果期は8~10月。
57-1 Rhododendron ripense Makino f. leucanthum Sugim.  シロバナキシツツジ
 白花品種。

58 Rhododendron rubropilosum Hayata  アカゲツツジ
  synonym Rhododendron lasiostylum Hayata 
  synonym Rhododendron caryophyllum Hayata.
 台湾原産。中国名は台红毛杜鹃 tai hong mao du juan

59 Rhododendron saisiuense Nakai  カンラツツジ(サイシュウツツジ)
 韓国(済州島)原産。

60 Rhododendron sanctum Nakai  ジングウツツジ 神宮躑躅
  synonym Rhododendron weyrichii Maxim. var. sanctum (Nakai) Hatus.
 ジングウツツジは狭義には三重県固有種。シブカワツツジvar. lasiogynumはジングウツツジの変種として分類され、花柱が有毛であるタイプである。また、枝は上に伸びる傾向が強く、ほうき状の樹形になる。葉はやや大きく、中部より下で最も幅広く、辺縁があまり強く巻かないものともされる。母種のジングウツツジは三重県固有種とされ、愛知県と静岡県のものはシブカワツツジとされていた。しかし、愛知県には花柱に毛のないものが多く、毛のあるものも混じるため、分類するのは困難であり、シブカワツツジとジングウツツジを同一とする見解がある。
 落葉低木、高さ2~4m。樹皮は黒褐色、細かく剥がれ落ち、落ちたあとは赤褐色。上部で枝別れして、枝はやや水平に伸びる。葉は枝先に3個輪生する。葉身は長さ4~8(9)㎝、幅3~6(8.5)㎝の卵円形~卵状菱形、中央部で最も幅が広く、先は急に短く尖る。葉柄は長さ5~10㎜、毛が密生する。葉表は光沢があり、主脈に褐色の長い毛がある。葉裏は主脈に毛が密生する。枝先に花を2~4個つける。葉が展開後に開花する。花冠は濃紅色~紅紫色、直径3~4(5)㎝、深く5裂する。雄しべ10個。花糸は無毛。花柱は無毛又はまばらに毛がある。子房には白毛が密生する。萼は小さな皿形。花柄は長さ5~8㎜。萼や花柄に白毛が密生する。蒴果は長さ1~1.5㎝のゆがんだ円柱形、褐色の毛が密生する。花期は5~6月。

60-1 Rhododendron sanctum Nakai var. lasiogynum Nakai ex H.Hara  シブカワツツジ 渋川躑躅
 愛知県、静岡県に分布。
 落葉低木、高さ2~4m。樹皮は灰黒色~灰褐色、縦に薄く剥がれ、剥がれたあとは帯褐色。枝は横に広がらず、上に伸びる。葉は枝先に3個輪生する。葉身は長さ4~7㎝、幅3.5~6㎝の卵状菱形、中央部より少し下で最も幅が広く、先は短く尖る。葉柄には褐色の毛が密生する。葉表は光沢があり、主脈に褐色の長い毛がある。葉裏は主脈に褐色の毛が密生する。枝先に花を2~4個つける。葉が展開後に開花する。花冠は紅紫色、直径3~4㎝、5裂し、上側の裂片に斑点がある。雄しべ10個。花糸は無毛。花柱は細い軟毛があるか又はほとんど無毛。子房には白毛が密生する。萼は小さな皿形。萼や花柄に毛が密生する。蒴果は長さ1~1.5㎝の円柱形、褐色の毛が密生する。花期は5~6月。
60-1-1 Rhododendron sanctum Nakai var. lasiogynum Nakai ex H.Hara f. albiflorum Sugim.  シロバナシブカワツツジ

61 Rhododendron sataense Nakai  サタツツジ 佐多躑躅
  synonym Rhododendron kiusianum Makino var. sataense (Nakai) D.F.Chamb. et Rae
  synonym Rhododendron kaempferi Planch. var. sataense (Nakai) Hatus. 
  synonym Rhododendron austrokiusianum Hatus.
 日本固有種(九州の大隅半島、薩摩半島)。別名はヒメマルバサツキ。園芸種のクルメツツジやキリシマツツジの原種ともいわれる。
 半常緑低木、高さ1~2.5m。葉は互生。春葉は倒卵状楕円形、長さ1.5~3.5㎝×幅5~15㎜、両面に伏毛がある。夏葉は小さく、長さ1~2㎝、褐色の扁平な毛が密生する。花は枝先に2~3個つく。花柄には伏毛がある。花冠は淡紅紫色、紅紫色、紅色又は白色、漏斗形、直径3~4㎝、5裂する。雄しべは5本。花糸に短毛がある。花柱は無毛。子房には白色の毛が密生する。花期は4~6月。

62 Rhododendron scabrum G.Don  ケラマツツジ 慶良間躑躅
  synonym Rhododendron scabrum G.Don f. coccineum E.H.Wilson
 日本固有種(九州の奄美大島以南、沖縄)。慶良間諸島に因んで名づけられた。江戸時代から栽培されており、古くはカザンジマ(火山島)、トウツツジ(唐躑躅)と呼ばれた。
 常緑低木、高さ1~2m。葉は互生。葉柄には淡褐色の伏毛がある。葉身は長さ3~8㎝、幅1~2㎝、楕円形~狭楕円形、質は厚く、表上面に光沢がある。葉縁や葉下面は中脈上に淡褐色の伏毛がある。花は枝先に2~4個、束生する。咢片は広楕円形、先は円形、縁に長毛がある。花冠は朱赤色、直径6~8㎝、漏斗形、5深裂する。雄しべは10個、花糸の下半部に短毛がある。花柱は無毛。子房には長毛がある。花期は2~4月。浜松市内の栽培ではオンツツジより遅く、5月に開花する。
62-1 Rhododendron scabrum G.Don f. albiflorum Hatus.  シロケラマ
62-2 Rhododendron scabrum G.Don f. roseum Hatus. et Kudaka  モモケラマ

63 Rhododendron schlippenbachii Maxim.  クロフネツツジ 黒船躑躅
 朝鮮、中国、ロシア原産。中国名は大字杜鹃 da zi du juan 。別名はカラツツジ。日本には江戸時代初期に渡来した。
 落葉低木、高さ1~4.5m、若いシュートには密に腺毛がある。葉柄は長さ2~4㎜、剛毛又は腺毛がある。葉身は紙質、倒卵形~広倒卵形、長さ4.5~7.5㎝×幅2.5~4.5㎝、下面の中脈に腺のある剛毛があり、上面はまばらに腺毛と微軟毛がある。花序は頂生の散形花序、花が3~6個つき、花は葉の展開前又は同時に生じる。花柄は長さ約1.2㎝、密に腺毛がある。咢片は卵状楕円形、長さ1.5~7㎜、外面と縁に腺毛がある。花冠は車状漏斗形、白色~ピンク色~ローズ色、上側の3裂片に赤褐色の斑点をもち、長さ2.7~3.2㎝。筒部は長さ約9㎜、外面に微軟毛がある。裂片5個は広倒卵形。雄しべは10本、不等長、部分的に突き出す。花糸は扁平、下半部に微軟毛がある。子房は卵形、密に腺毛がある。花柱は雄しべより長く、下部に短い腺毛がある。蒴果は長卵形、暗褐色、長さ17㎜以下、密に腺毛がある。花期は5月。果期は6~9月。
63-1 Rhododendron schlippenbachii Maxim. f. albiflorum Y.N.Lee  シロバナクロフネツツジ

64 Rhododendron semibarbatum Maxim.  バイカツツジ 梅花躑躅
 日本固有種(北海道南部、本州、四国、九州)
 落葉低木、高さ1~2m。若枝には長い腺毛と短毛がある。葉は互生し、枝先に集まってつく。葉柄は長さ5~10㎜、腺毛が開出する。葉身は長さ3~7㎝×幅1.5~2.5㎝の楕円形~狭楕円形、縁は鈍鋸歯があり波打ち、上面は光沢があり、まばらに毛があり、下面は粉白色、脈上に腺毛がある。花は葉の展開後に開花する。前年枝の先部に花をつけ、葉の下に隠れるように咲くため、木が低いと花に気がつかないこともある。花は白い梅の花に似て、花冠は白色、皿形、直径約2㎝、5裂し、上側の裂片に紅紫色の斑点がある。雄しべは5個。蒴果は直径約5㎜の球形、腺毛がある。種子は長さ約1㎜の細い不定形、褐色、表面に盛り上がった網目状の模様がある。2n=26。花期は(5)6~7月初旬。果期は8~10月。

65 Rhododendron serpyllifolium (A.Gray) Miq.  ウンゼンツツジ[広義]
 日本固有種。
65-1 Rhododendron serpyllifolium (A.Gray) Miq. var. serpyllifolium  ウンゼンツツジ 雲仙躑躅
 本州(伊豆半島、紀伊半島)、四国南部、九州大隅半島に分布。
 半常緑低木、高さ0.1~1m。花芽は長卵形、長さ約1㎝。葉は互生し、枝先に集まってつく。葉身は倒披針形~倒卵形、長さ6~10㎜×幅2~6㎜、質はやや薄く、下面の脈上に褐色の扁平な伏毛がまばらにある。夏葉は小さく、冬を越す。枝先に花を1個ずつつける。花冠は淡紅紫色、漏斗形、直径1.3~1.5㎝、5中裂し、上側の裂片に紫色の斑点がある。雄しべは5本。花糸の下半部に粒状の毛がある。子房には長毛が密生する。蒴果は卵状長楕円形、長さ約5㎜。花期は4~5月。
65-1-1 Rhododendron serpyllifolium (A.Gray) Miq. var. serpyllifolium f. album T.Yamaz.  シロウンゼン
65-2 Rhododendron serpyllifolium (A.Gray) Miq. f. seigaiunzen T.Yamaz.  セイガイウンゼン
65-3 Rhododendron serpyllifolium (A.Gray) Miq. var. albiflorum Makino  シロバナウンゼンツツジ
  synonym Rhododendron serpyllifolium (A.Gray) Miq. f. albiflorum (Makino) H.Hara
 近畿地方西部、中国地方、四国北部に分布。狭義のウンゼンツツジとは分布域が異なる。別名はセトウチウンゼンツツジ
 半常緑低木、
65-3-1 Rhododendron serpyllifolium (A.Gray) Miq. var. albiflorum Makino f. usukiunzen T.Yamaz.  ウスキウンゼン

66 Rhododendron simsii Planch.  シナヤマツツジ 支那山躑躅
 日本(沖縄)、中国、台湾、ラオス、ミャンマー、タイ原産。中国名は杜鹃 du juan 。別名はトウサツキ、トウヤマツツジ、タイワンヤマツツジ
 半常緑低木、高さ1~2m。茎の毛は伏して開出しな。若枝には扁平な毛が密生する。葉は互生する。春葉は楕円形~狭楕円形、長さ2~5㎝×幅7~20㎜、両面と縁に褐色の毛があり、下面の脈上に多い。夏葉はやや革質、長楕円形~倒卵状楕円形、長さ1~3㎝。枝先に花を2~3個つける。咢や花柄に淡褐色の扁平な毛が密生する。花冠は紅色、漏斗形、直径3~4㎝、5中裂する。雄しべは10本。花糸の下半部に短毛がある。花柱は無毛。子房には白色の長毛が密生する。蒴果は狭卵形、長さ約1㎝、褐色の毛が密生する。花期は4~5月。果期は8~10月。

67 Rhododendron taiwanalpinum Ohwi  ヒメキンモウツツジ
  synonym Rhododendron rubropilosum Hayata var. taiwanalpinum (Ohwi) S.Y.Lu, Yuen P.Yang et Y.H.Tseng
 台湾原産。中国名は台湾高山杜鹃 tai wan gao shan du juan

68 Rhododendron tashiroi Maxim.  サクラツツジ 桜躑躅
 四国(高知県)、九州(佐賀県、鹿児島県)、沖縄、台湾原産。中国名は大武杜鹃 da wu du juan
 常緑低木、高さ2~3m。樹皮は赤褐色、灰色とのまだら模様になる。若枝は緑褐色、褐色の長毛がある。冬の花芽は長さ1.2~2㎝、卵形。芽鱗には褐色~黒褐色の毛が密生する。葉は枝先に3個輪生又は2個が対生する。葉柄は長さ5~10㎜、褐色の毛がある。葉身は楕円形~長楕円形、長さ3~8㎝×幅1.2~3㎝、両端とも漸尖、縁は全縁、波打ち、ときに、後ろ巻き、革質で光沢がある。若葉は両面に褐色の長毛があるが、後に、無毛になる。冬葉は小さく、長さ1~3㎝、楕円形。花は葉の展開後に開花する。枝先に花を2~3個つける。花柄は長さ7~15㎜、褐色の毛と腺毛がある。咢は小さく、淡褐色の長毛がある。花冠は淡桃色、広漏斗形、直径3.5~4㎝、5深裂し、上側の裂片に紫褐色の斑点がある。雄しべは10本。花糸と花柱は無毛。子房には褐色の毛が密生する。蒴果は歪んだ卵状長楕円形長さ7~15㎜、褐色の毛がある。種子は楕円形、長さ約1.5㎜。花期は2~5月。果期は7~8月。
68-1 Rhododendron tashiroi Maxim. f. leucanthum Masam.  シロバナサクラツツジ
68-2 Rhododendron tashiroi Maxim. var. lasiophyllum Hatus.  アラゲサクラツツジ
  synonym Rhododendron tashiroi Maxim. f. lasiophyllum (Hatus.) Masam.

69 Rhododendron tosaense Makino  フジツツジ 藤躑躅
  synonym Rhododendron obtusum (Lindl.) Planch. var. tosaense (Makino) Kitam.
 本州(紀伊半島)、四国、九州に分布。別名はメンツツジ(雌躑躅)、ヒュウガツツジ(日向躑躅)。
 半常緑落葉低木、高さ1~2m。枝は細く、著しく分枝し、褐色の扁平な伏した毛が密生する。葉は春葉と夏葉の2形。春葉は花後に出て、短柄がある。葉身は長さ1.5~3㎝、幅5~8㎜、披針形~長楕円形、基部は楔形、先は微突形、全縁、両面に淡褐色の伏毛があり、やや質が薄く、下面は淡緑色。夏葉は越冬し、長さ8~15㎜、幅2~4㎜、倒披針形~広線形、尖鋭頭。花は枝先に1~3個つく。 花冠は淡紅紫色(藤色)、直径2~3㎝、漏斗形、5裂し、上側の裂片に濃色の斑点がある。雄しべは5(~8)個、花糸は白色、突起状の短毛がある。花柱は無毛、赤色を帯びる。子房には長毛が密生する。蒴果は長さ5~7㎜、狭卵形、褐色の伏毛があり、熟すと裂開する。花期は3~5月。果期は8~9月。
品種)'Album' , 'Barbara' (EA) , 'Ralph Clarke' (EA)
69-1 Rhododendron tosaense Makino f. albiflorum T.Yamaz.  シロバナフジツツジ

7 Rhododendron transiens Nakai  オオヤマツツジ 大山躑躅
 関東地方、静岡県、岡山県、山口県に分布する。ヤマツツジより葉も花も大きく、咢も大きく、雄しべが(6~)10本ある。花は普通、紅紫色。
 半常緑低木、高さ1~3m。若枝には褐色の扁平な毛が密生する。葉は互生、枝先に集まってつく。葉柄は長さ1~3㎜、褐色の扁平な毛が密生する。春葉は卵状楕円形~狭楕円形、長さ2~5㎝×幅1~2.5㎜、基部は楔形、先は鋭形、両面や縁に毛があり、下面脈上に毛が多い。夏葉は楕円形~卵形。枝先に花を2~3個つける。花は葉の展開前又は同時にに開花する。花柄は長さ8~115㎜、淡褐色の伏毛が密生する。咢は5裂し、裂片は長さ4~10㎜、卵形~広卵形、外面や縁に毛がある。花冠は赤色~紅紫色、直径5~6㎝、漏斗形、5裂し、上側の裂片には濃色の斑点がある。雄しべは6~10個。花糸の下半部に微毛がある。花柱は無毛。子房は白色の長毛が密生する。蒴果は長楕円形、長さ約1㎝、褐色の毛が密生する。花期は4~5月。果期は8~10月。

71 Rhododendron tschonoskii Maxim.  コメツツジ 米躑躅
 日本(北海道、本州、九州)、朝鮮原産。
 半落葉低木、高さは1m程度で枝が多い。葉は互生し、枝先に密生し、無柄。
 葉は広楕円形~卵形、長さ10~30㎜×幅4.5~11.5㎜、両面とも伏せた褐色の長毛がある。側脈は通常、発達しないが、ときに顕著な個体は内側へ湾曲する。花柄は長さ(1)2~5(7)㎜。花は1~4個。花冠は筒状漏斗形、白色、裂片4~5個(関東以北は5数性、近畿以西、四国、九州、朝鮮は4数性)、長さ4~6㎜、筒部より長い。筒部は長さ6.5~13㎜。花糸は長さ6~11㎜、花冠から著しく突き出る。葯は長楕円形、長さ1.5~2.5㎜。花柱は長さ(2.5)3.5~7㎜、雄しべと同長又は長い。ときに少し短い。蒴果は長さ4~5㎜。花期は6~7月。
71-1 Rhododendron tschonoskii Maxim. f. roseum Sugim.  ベニバナコメツツジ
 
71-2 Rhododendron tschonoskii Maxim. subsp. trinerve (Franch. ex H.Boissieu) Kitam.  オオコメツツジ 大米躑躅
  synonym Rhododendron tschonoskii Maxim. var. trinerve (Franch. ex H.Boissieu) Makino 
  synonym Rhododendron trinerve Franch. ex H.Boissieu 
 葉は長楕円形~長楕円状披針形~ときに、倒卵状長楕円形、長さ13~50㎜×幅4~18㎜、両面とも伏せた褐色の長毛がある。側脈は通常、1(2)対が顕著で、縁辺とほぼ平行して走り、上部で内側に湾曲する。花柄は長さ4~10(15)㎜。花は3~8個。花冠は筒状漏斗形、白色、裂片4個、長さ4~6㎜、筒部より長い。筒部は長さ(1.5)2~4㎜。花糸は長さ5.5~9.5㎜、花冠から著しく突き出る。葯は長楕円形、長さ1.3~2.2㎜。花柱は長さ(2.5)3.5~7㎜、雄しべより短い。ときに同長又は少し長い。蒴果は長さ4~5.5㎜。

71-3 Rhododendron tschonoskii Maxim. var. tetramerum (Makino) Komatsu  チョウジコメツツジ 丁子米躑躅
  synonym Rhododendron tetramerum (Makino) Nakai
 本州中部地方に分布。標高800~2000mのブナ帯~シラビソ帯に生える。
 葉は倒卵状長楕円形楕円形~倒長卵形~長楕円形、長さ10~20㎜×幅4~8.5㎜、上面は伏せた褐色の短毛、仮面は疎らに扁平な褐色の伏毛があり、中肋上の毛は幅が広い。側脈は著しくない。花柄は長さ2~4.5(5.5)㎜。花は1~3個。花冠は筒状鐘形、白色、帯淡紅色、裂片は4個、筒部より短く長さ2~3㎜。筒部は長さ3.5~4.5㎜。花糸は長さ(3.5)4~5㎜、突き出ないか又はわずかに突き出る。葯は楕円形、長さ0.8~1㎜。花柱は長さ2.5~3.5㎜、雄しべより短い。蒴果の長さ3㎜。

72 Rhododendron tsurugisanense (T.Yamaz.) T.Yamaz.  ツルギミツバツツジ 剣三葉躑躅
  synonym Rhododendron lagopus Nakai var. tokushimense (T.Yamaz.) T.Yamaz.
  synonym Rhododendron lagopus Nakai var. tsurugisanense (T.Yamaz.) T.Yamaz.
  synonym Rhododendron nudipes Nakai var. tokushimense T.Yamaz.
  synonym Rhododendron nudipes Nakai subsp. niphophilum T.Yamaz. var. tsurugisanense T.Yamaz.
 徳島県(剣山、笠取山、大川嶺、美川峰周辺)固有種。
 落葉低木、高さ2~4m。若枝にはやや長い剛毛があり、茎は太い。葉は枝先に3個、輪生し、葉柄には茶褐色の毛が密生する。葉身は長さ5~8㎝×幅3~6㎝、厚く、やや長い剛毛がある。花は葉が展開前に開花する。枝先に花を2~3個つける。花冠はピンク色、漏斗形、直径3~4㎝、5深裂する。子房には白色~淡褐色の毛が密生する。果実は円柱形、長さ約1.5㎝、褐色の毛が密生する。花期は5~6月。果期は8~9月。

72-1 Rhododendron tsurugisanense (T.Yamaz.) T.Yamaz. var. nudipetiolatum T.Yamaz.  アカイシミツバツツジ

73 Rhododendron tsusiophyllum Sugim.  ハコネコメツツジ 箱根米躑躅
  synonym Rhododendron tanakae (Maxim.) Ohwi 
 富士山周辺、箱根に分布する。ダイセンミツバツツジから分けられた。全体が大きく、枝が太く、若枝から葉柄にかけ、軟毛が密生し、葉も厚い。
 常緑小低木、普通、岩壁に生え、高さ20~60(~100)㎝。幹は著しく密に分枝し、若枝には褐色の毛が密生する。葉は枝先に輪生状につき、楕円形、長さ7~10㎜×幅4~6㎜、、質が厚く、両面に褐色の剛毛がある。花は枝先に1~3個、散形状につく。花冠は白色、長さ7~10㎜、筒形、先が浅く(4~)5裂し、斜開する。雄しべは5本、突き出ない。花期は6~7月。

74 Rhododendron uwaense H.Hara et T.Yamanaka  トキワバイカツツジ 常磐梅花躑躅
 四国(愛媛県津島町)固有種。
 常緑低木。若枝は赤色を帯び、短毛が密生する。葉は長い葉柄があり、葉身は卵形~楕円形。花は淡紅紫色、上側の花冠の内側に紅紫色の斑紋がある。蒴果には腺毛がある。花期は4~5月。

75 Rhododendron viscistylum Nakai  タカクマミツバツツジ 高隈三葉躑躅
  synonym Rhododendron dilatatum Miq. var. viscistylum (Nakai) Hatus
 鹿児島県大隈半島の高隈山系に分布。
 花芽は灰白色の短毛が密生した卵状長楕円形。葉の形はかなり変異の幅があるが、主に菱形状広卵形~広卵形、幅は下部近くで最も広くなる傾向があり、果期にも裏の主脈の下部から葉柄にかけて長毛が残る。果実は短い円筒形、下ぶくれするが、あまり丸くなく、長さ5~7㎜×幅3~4㎜。

76 Rhododendron wadanum Makino  トウゴクミツバツツジ 東国三葉躑躅
  synonym Rhododendron reticulatum D.Don ex G.Don var. wadanum (Makino) Hatus.
 日本固有種(本州の宮城、山形県東部以南~近畿地方の太平洋岸)。和名は関東地方に多いミツバツツジであることから。
 落葉低木、高さ2~4m。幹は多数、叢生し、上部で分枝する。樹皮は暗赤褐色~皮褐色~灰黒色。若枝は淡褐色~褐色、無毛、光沢がある。冬の花芽は卵形~紡錘形長さ約1㎝。芽鱗は灰褐色の毛が密生する。葉痕は半円形~倒三角形。維管束痕は1個。葉は枝先に3個、輪生する。葉柄はながさ2~6㎜。葉身は広卵状菱形、長さ3~7㎝×幅2~5㎝、葉幅は中央部より少し下が最も広く、葉先は尖り、基部は広楔形、縁には微細な鋸歯がある。。葉表は出始めには毛が生え、後になくなるが、葉裏には短毛が残る。花は葉の展開前又は同時に開花する。花は枝先に1~3個つく。花柄は長さ7~13㎜、淡褐色の毛がある。花冠は紅紫色、広漏斗形、直径4~5㎝。花冠はほとんど基部まで5裂する。雄しべは10個、花糸は紅紫色、無毛。花柱の下半部に縮れた腺毛が生える。子房には淡褐色の毛が密生し、白色の鱗片状の腺点が混じる。蒴果は歪んだ円柱形、長さ1~1.5㎝、毛が密生する。花期は4~6月。果期は10月。
76-1 Rhododendron wadanum Makino f. kaimontanum Okuyama  カイミツバツツジ
  synonym Rhododendron wadanum Makino var. kaiense Hiyama 
76-2 Rhododendron wadanum Makino f. leucanthum (Makino) H.Hara  シロバナトウゴクミツバツツジ
77 Rhododendron weyrichii Maxim.  オンツツジ 雄躑躅
 本州(近畿地方南部)、四国、九州、朝鮮(済州島)に分布。別名医はツクシアカツツジ 筑紫赤躑躅。
 落葉低木~小高木、高さ2~8m。樹皮は古くなると短冊状に剥がれ、淡灰渇と暗褐色のまだら状になる。若枝は帯紫色、赤褐色の毛があり、無毛になる。花芽は楕円形、長さ1.5~1.7㎝。芽鱗は花時に残り、軟毛と腺毛があり、縁毛がある。葉痕は心形。葉は枝先に3個、輪生する。葉身は紙質、長さ3.5~8㎝、幅2.5~7㎝、菱状円形~卵円形、基部は広楔形~円形、全縁、先は鋭形。葉表は黄緑色、光沢が無く、中脈に毛がある。葉裏は脈上に淡褐色の毛がある。葉の展開前又は展開と同時に開花する。花は枝先に1~3個、束生する。花柄は長さ6~13㎜、淡褐色の毛がある。花は朱赤色~濃朱赤色、直径4.5~6㎝、漏斗形、5深裂し、上側の裂片に濃紅色の斑点がある。雄しべ10本、花糸は無毛。花柱は無毛又は基部に微毛がある。子房は上向きの長毛が密につく。咢は極小さく、褐色の長毛がある。蒴果は円柱形、長さ約1㎝、基部は曲がり、褐色の伏毛があり、熟すと暗紫褐色になり、裂開する。花期は4~6月。果期は9~10月。
77-1 Rhododendron weyrichii Maxim. f. albiflorum T.Yamaz.  シロバナオンツツジ 白花雄躑躅
77-2 Rhododendron weyrichii Maxim. f. purpuriflorum T.Yamaz.  ムラサキオンツツジ
  synonym Rhododendron weyrichii Maxim. f. purpureum Hatus., nom. nud. 
  synonym Rhododendron satsumense Hatus.
77-3 Rhododendron weyrichii Maxim. var. psilostylum Nakai  タンナアカツツジ 耽羅赤躑躅
 韓国(済州島)に分布

78 Rhododendron yakuinsulare Masam.  ヤクシマヤマツツジ 屋久島山躑躅
  synonym Rhododendron scabrum G.Don var. yakuinsulare (Masam.) T.Yamaz.
  synonym Rhododendron simsii Planch. var. yakuinsulare (Masam.) T.Yamaz.
 屋久島固有種。ケラマツツジに似るが腺毛がない。
 常緑低木、高さ2m。若枝に斜上する剛毛がある。葉は狭楕円形、長さ2.5~8㎝×幅1.2~2.5㎝、質は硬く、上面は無毛、下面は伏毛が密にあるが、後に中脈を除いて疎らになる。枝先に花が1~3個つく。咢片は広楕円形、果時に長さ5~6㎜。花冠は紅色、漏斗形、直径約3㎝、5深裂する。雄しべは10本。

79 Rhododendron yakushimanum Nakai
79-1 Rhododendron yakushimanum Nakai var. yakushimanum  ヤクシマシャクナゲ 屋久島石楠花
  synonym Rhododendron degronianum Carriere var. yakushimanum (Nakai) Kitam.
  synonym Rhododendron metternichii Siebold et Zucc. var. yakushimanum (Nakai) Ohwi 
  synonym Rhododendron degronianum Carriere subsp. yakushimanum (Nakai) H.Hara 
  synonym Rhododendron metternichii Siebold et Zucc. subsp. yakushimanum (Nakai) Sugim.
 屋久島固有種。
 常緑低木、高さ0.5~2m。葉は互生、枝先に集まってつく。葉身は長楕円形~狭長楕円形、長さ4~10園地×幅1.5~2.5㎝、若葉には褐色の毛があり、後に上面は無毛、下面は褐色の綿毛が厚く密生する(低標高では毛が少ない)。枝先に花が7~18個集まってつく。花冠は蕾のとき淡紅色、開花すると、淡紅色~白色、初め濃く、次第に色が薄くなり、漏斗状鐘形、直径3~3.5㎝、5中裂する。雄しべは10本。蒴果は卵状円柱形、長さ2~2.5㎝。花期は5~6月。果期は7~10月。
79-2 Rhododendron yakushimanum Nakai var. intermedium (Sugim.) T.Yamaz.  オオヤクシマシャクナゲ
  synonym Rhododendron degronianum Carriere subsp. yakushimanum (Nakai) H.Hara var. intermedium (Sugim.) H.Hara

80 Rhododendron yakumontanum (T.Yamaz.) T.Yamaz.  ヤクシマミツバツツジ 屋久島三葉躑躅
 屋久島固有種。
 落葉低木、高さ1~1.5m。幹は株立になる。花芽は丸みのある卵形、褐色の軟短毛が密生する。葉は枝先に3個輪生する。葉は菱状卵形、長さ2.5~6㎝×幅約2.5㎝、先は急に細くなり、短く尖り、基部は楔形、葉幅は中間より下が最も広く、上面は初め長毛があり、後に無毛ななる。葉の下面は毛が散生し、中脈の基部に軟毛が密生する。花は葉の展開前に開花する。枝先に花が1(~2)個つく。花柄は長さ約1㎝、長軟毛が密生する。花冠は淡紅紫色、漏斗形、直径3.5~4㎝、5深裂し、上側の積片に濃色の斑点がある。雄しべは10本、不等長。花糸は無毛。花柱の基部に白色の毛がある。子房に白色の長毛が密生する。蒴果は歪んだ円柱形、やや湾曲し、長さ1.3~1.5㎝×幅約4㎜、長毛がやや密にある。

81 Rhododendron yakushimense (M.Tash. et H.Hatta) Craven  ヤクシマヨウラクツツジ
  synonym Menziesia yakusimensis Tashiro et Hatta
  屋久島固有種
 全体に小型。花が淡ピンク色、筒部は白色。花冠は4裂。雄しべは8本。花期は5~7月。

82 Rhododendron yedoense Maxim. ex Rege ヨドガワツツジ 広義
82-1 Rhododendron yedoense Maxim. ex Regel f. yedoense  ヨドガワツツジ
 チョウセンヤマツツジの園芸品種。
 花が淡い紫色の八重咲きであり、ボタンツツジとも呼ばれる。これは、チョウセンヤマツツジの八重咲きの不稔の栽培種。日本ではこれがよく植えられ、先に学名がつけられ、後にチョウセンヤマツツジが変種とされたといわれている。
82-2 Rhododendron yedoense Maxim. ex Regel f. leucanthum Nakai  シロバナチョウセンヤマツツジ
82-3 Rhododendron yedoense Maxim. ex Regel var. hallaisanense (H.Lev.) T.Yamaz.  タンナチョウセンヤマツツジ 耽羅朝鮮山躑躅
 日本(対馬)、朝鮮(済州島)に分布。
82-4 Rhododendron yedoense Maxim. ex Regel var. yedoense f. poukhanense (H.Lev.) Sugim. ex T.Yamaz.  チョウセンヤマツツジ 朝鮮山躑躅
  synonym Rhododendron poukhanense H.Lev
  synonym Rhododendron yedoense Maxim. ex Regel var. poukhanense (H.Lev.) Nakai 
 対馬列島、朝鮮半島、済州島に分布。英名はKorean azalea 
 常緑、半常緑低木(日本では落葉)、高さ1~2m。初めは枝や葉に淡褐色の毛があり、後にほぼ無毛。葉は日本国内では落葉性、春葉と夏葉の形が異なる2形性。春葉は葉表が濃緑色、葉裏が淡緑色、狭楕円形、長さ3~8㎝、幅1~2.5㎝、両面に伏した、光沢のある褐色~灰色の剛毛が散在する。夏葉は厚みがあり、葉表は成長するとほぼ無毛、幅が狭い。葉柄は伏した剛毛に覆われる。花序は頂生、枝先に2~4個の花が束生する。花は紅紫色~淡紅紫色(rose~ pale lilac-purple)、芳香があり、葉の展開前に開花する。花冠は広漏斗形、5裂し、直径3.8~6.3㎝、上側の裂片には濃色の斑点がある。雄しべは普通10個、突起状毛がある。花柱は無毛又は基部に長軟毛がある。子房には白毛がある。蒴果は卵形、密に剛毛で覆われ、萼片が宿存する。花期は4~5月。

83 ハイブリッド
(01) Rhododendron x ashitakayamense Sugim.  スルガツツジ 駿河躑躅
 アシタカツツジとヤマツツジの自然交雑種。
(02) Rhododendron x chukirishima T.Yamaz.  チュウキリシマ
(03) Rhododendron x enomotoi T.Yamaz.  ウレンツツジ 宇連躑躅 
 モチツツジ(R. macrosepalum Maxim).とサツキ( R. indicum L)の自然交雑種。.
 宇連川の川岸で採集。葉は小さく、若枝に褐毛が密生する。花柄は長さ1~1.5㎝、立毛がある。咢片は5個、長円状卵形、腺毛が密生し、長さ5~7㎜×幅約2.5㎜。花冠は鐘形、直径5~6㎝、赤紫色、斑点は暗紫色。雄しべは5本。葯は暗紫色。花柱は平滑、赤色。花期は遅く5月末~6月初め。
(04) Rhododendron x hannoense Nakai  ハンノウツツジ
 サツキとヤマツツジの交配種
(05) Rhododendron x hannoense Nakai 'Bungonishiki'  ブンゴニシキ
  synonym Rhododendron x bungonishiki Komatsu
(06) Rhododendron x hasegawae S.Watan.  ハコネミツバツツジ 箱根三葉躑躅
 トウゴクミツバツツジ(R. wadanum )とキヨスミミツバツツジ(R. kiyosumense)の自然交雑種
 葉縁は部分的に微小な鋸歯がある。.葉下面の主脈に沿って軟毛が密生し、 開出毛もある。.葉柄の基部はほとんど無毛、上部に褐色軟毛がある。花柄は全体に長毛がある。.雄しべは10本、花柱は下部に腺毛がある.。 子房と蒴果には長毛がある。
(07) Rhododendron x hidaense Makino  アオヤシャクナゲ
(08) Rhododendron x hortense Nakai  ムラサキリュウキュウ
 モチツツジとキシツツジの交配種
(09) Rhododendron x kamatae (Mochizuki) Craven  ウラジロコヨウラク 裏白小瓔珞
  synonym Menziesia x kamatae Mochizuki
(10) Rhododendron x kisoanum Okuhara  キソミツバツツジ
  ミツバツツジとコバノミツバツツジの交雑種 別名:アサゲミツバツツジ
(11) Rhododendron x komatsui T.Yamaz.  サンヨウツツジ
  synonym Rhododendron x tectum Koidz. var. purpureum (Nakai) H.Hara
 キシツツジとヤマツツジの交雑種
(12) Rhododendron x koudzumontanum Hid.Takah. et Katsuy.  コウヅシマヤマツツジ
  synonym Rhododendron kaempferi Planch. var. macrogemma Nakai f. kozushimense T.Yamaz.
(13) Rhododendron x kuratanum S.Watan. アワミツバツツジ( ワタナベミツバツツジ.)
 ミツバツツジ(R. dilatatum)とキヨスミミツバツツジ(R. kiyosumense)の交雑種
 葉縁に微小な鋸歯がある.。葉柄には短腺毛があって粘る.花柄には短腺毛があり、下部に粗毛が散生する。.雄しべは7~9本。.子房には腺点があり、粗毛が散生する。.花柱は無毛。蒴果には腺点があり、粗毛が散生する.。
(14) Rhododendron x kurohimense Arakawa  クロヒメシャクナゲ
 キバナシャクナゲとアズマシャクナゲの自然交雑種
(15) Rhododendron x mizumotoi S.Watan.  ソウウンミツバツツジ
  ミツバツツジ×キヨスミミツバツツジ×トウゴクミツバツツジ
 葉縁に微小な鋸歯がある。.葉柄はほとんど無毛。花柄は上部に短腺毛がある。.雄しべは9~10本。.子房には腺点があり、粗毛が密生する。.花柱は下部に腺毛が散生する。蒴果には腺点があり、粗毛 が密生する。(
(16) Rhododendron x mucronatum (Blume) G.Don  リュウキュウツツジ
 モチツツジとキシツツジ の交雑種。
品種)  'Kanoko' カノコ , 'Narcissiflorum' シロマンヨウ , 'Plenum' フジマンヨウ
(17) Rhododendron x nikomontanum (Komatsu) Nakai  ニッコウキバナシャクナゲ
 キバナシャクナゲとハクサンシャクナゲとの交雑種
(17)-1 Rhododendron x nikomontanum Nakai f. plenum K.Imai et T.Shimizu  ヤエザキニッコウキバナシャクナ
(18) Rhododendron x obtusum (Lindl.) Planch.  キリシマツツジ
 別名はキリシマ、ホンキリシマ、サタツツジ
品種)  'Azumanishiki' アズマニシキ , 'Beni-kirishima' ベニキリシマ , 'Sakamotoi' クルメツツジ
(18)-1 Rhododendron x obtusum (Lindl.) Planch. f. album (Rehder) C.K.Schneid.  シロキリシマ
(19) Rhododendron x pulchrum Sweet  ヒラドツツジ
 中国名は锦绣杜鹃
品種)  'Oomurasaki' =var. speciosum (=Rhododendron oomurasaki Makino)オオムラサキ

(20) Rhododendron x satsumense Hatus.  サクラオンツツジ(ムラサキオンツツジ)
 オンツツジ×アラゲサクラツツジ
(21) Rhododendron x takanashianum Sugim.  クセンブツツジ(クセンベツツジ)
 コバノミツバツツジ×サクラツツジ
(22) Rhododendron x tatuoi Nakai ex H.Hara  ムサシミツバツツジ
 ミツバツツジ×トウゴクミツバツツジ
(23) Rhododendron x tectum Koidz.  ミヤコツツジ
 モチツツジ×ヤマツツジ
(24) Rhododendron hyugaense × Rhododendron osuzuyamense ヒュウガウラジロミツバツツジ
(25) Rhododendron × yosino ヨシノツツジ 吉野躑躅
  synonym Rhododendron 'Yoshino'.
 シャクナゲとツツジ(ヤマツツジやアカヤシオ)の交配種。別名西洋シャクナゲ'吉野'
 高さは1~1.5m。若枝は赤味を帯びる。葉は革質、楕円形、先は尖る。枝先の散形花序に、花をシャクナゲのように密集してつける。花冠はピンク色、5深裂する。花期は3~4月
(26) 鳳来ツツジ モチツツジとヤマツツジ系(オオヤマツツジ)の自然交雑種(推定)
 宇連川で採取。全体はミヤコツツジによく似ているが、雄しべは5本でなく、常に7~8本である。
(27) Rhododendron × tebotan Komatsu  テボタン 手牡丹
  synonym Rhododendron tebotan Komatsu
  synonym Rhododendron 'Tebotan'
 モチツツジ系の雑種と推定されている。
 常緑低木。モチツツジの性質が最も強く出ている。高さは3~4m。葉は広楕円形で毛が多い。花冠は濃紅色、直径5~6㎝、八重咲き、バラに似る。花期は5月ころ。

類似属

イソツツジ属 Ledum

 DNAシークエンシングによりこの属は R. subsect. Ledum (Linnaeus) Kron & Juddとしてツツジ属に含められた。(Syst. Bot. 15: 67. 1990)。R. subsect. Micranthaと密接な関係がある。
 常緑低木、小型、多数分枝し、芳香のある樹脂をもつ。葉は短い葉柄がある。葉身は線形~線状披針形~狭い長円形、革質、下面は白色又は(及び)錆褐色軟毛又は羊毛状の密毛があり、全縁、反曲する。花序は頂生、総状花序、花が多数つく。苞は花序柄の基部にあり、膜質、早落性。小苞は無い。咢は小さく、5裂、宿存する。花冠は白色、基部から分かれ、裂片は蕾では覆瓦状。雄しべは(5~)8~10個、花冠から突き出る。花糸は線形。葯は小さく、外側で連結し、球形、付属体は無い。花盤は8~10裂。子房は球形、5室、鱗片で覆われる(lepidote)。花柱は線形。柱頭は鈍形、5裂。蒴果は楕円形又は円筒形、基部から裂開する。種子は小さい。
 世界に3又は4種あり 北半球の温帯、冷温帯に分布する。
1 Ledum palustre L. subsp. diversipilosum (Nakai) H.Hara var. nipponicum Nakai イソツツジ
  synonym Rhododendron hypoleucum (Kom.) Harmaja
2 Ledum palustre L. subsp. palustre var. decumbens Aiton ヒメイソツツジ
  synonym Rhododendron subarcticum Harmaja
  synonym Rhododendron tomentosum (Stokes) Harmaja subsp. subarcticum (Harmaja) G.D.Wallace 
3 Ledum palustre L. subsp. diversipilosum (Nakai) H.Hara var. maximum Nakai  オオイソツツジ
  synonym Rhododendron tolmachevii Harmaja
4 Ledum palustre L. subsp. diversipilosum (Nakai) H.Hara var. diversipilosum Nakai カラフトイソツツジ(カバフトイソツツジ)
  synonym Rhododendron diversipilosum (Nakai) Harmaja

ヨウラクツツジ属 Menziesia

 2011年に正式にRhododendron属に移動された(参考4)。
 低木。茎は直立、広がり又は不規則に伸び(straggling)、若い小枝は小さな軟毛がある(古い小枝はくぎのような突起は無い)。葉は落葉、互生(枝先に密集する)。葉柄は有る。葉身は膜質、縁は円鋸歯状細鋸歯(葉芽では下向きに巻き、ときに、芽以外では下面の1/3+が見える)。花序は頂生、散形花序又は散房花序、前年のシュートに束生し、花が2~10個つく。鱗片葉は±あり、薄膜質、小さな縁毛がある。花は両性、±両側が対称。咢片は4[~5]個、その長さの約3/4が合着する。花弁は4[~5]個、その長さの約2/3が合着し、花冠は脱落性、円筒状つぼ形、すぐに鐘形になる(無毛又は内面に細かい微軟毛がある)。雄しべは8 [5 又は 10]個、突き出ない。葯は芒が無く、2本の縦の頂部の隙間から内側が裂開する。子房は4[~5]室。花柱は突き出ない。柱頭は頭状。蒴果は卵形~卵状長円形~倒卵形、求基的に胞間裂開する。種子は約50~90個、線形又は狭卵形、±長くなり、先が微突頭又は長い付属体になり、翼は無く、種皮は平滑、膜質。x = 13。
 世界に7~10種あり、北アメリカ、アジア東部(日本)に分布する。

1 Menziesia ciliicalyx (Miq.) Maxim. ツリガネツツジ(ウスギヨウラク) 釣鐘躑躅
   ⇒ Rhododendron benhallii Craven 
品種) 'Honshu Blue'
1-1 Menziesia ciliicalyx (Miq.) Maxim. var. akiensis Hiyama  アキツリガネツツジ 異分類
 広島県安佐郡可部町の南原峡に分布。
 サイリンヨウラク似るが、葉裏全面に明かに開出する短毛のあり、また、脈上にも扇平でくねり曲がる傾向のあるやや開出Lた長毛 がまばらに出る。小花柄や葉縁の腺毛の長い点はケナガウスギヨウラクに似ている。
1-2 Menziesia ciliicalyx (Miq.) Maxim. var. lasiostipes Ohwi  アラゲツリガネツツジ(ケナガウスギヨウラク) 異分類

2 Menziesia goyozanensis M.Kikuchi   ゴヨウザンヨウラク 五葉山瓔珞
   ⇒ Rhododendron goyozanense (M.Kikuchi) Craven
 岩手県五葉山固有種。
 ヨウラクツツジに似て花が4数性。ヨウラクツツジとの相違点は次のとおり。葉の表面に2列の毛がある。花が左右相称形、花冠の色が2色で、背面が淡紅色、腹面が淡黄色。

3 Menziesia katsumatae M.Tash. et H.Hatta   ホザキツリガネツツジ 穂咲釣鐘躑躅
   ⇒ Rhododendron katsumatae (M.Tash. et H.Hatta) Craven
 本州中部地方(岐阜県、福井県、石川県、富山県)固有種。
 落葉低木、高さ約1m。葉は互生又は枝先に束生。葉柄は長さ(0)1~5㎜。葉身は長さ2~ 5㎝×幅1~2㎝、楕円形~倒卵形、先はやや尖り、微突形、基部は楔形~広楔形、全縁、縁毛があることもあり、上面は緑色、無毛、粉白色を帯び、中脈にまばらに剛毛がある。花序は総状花序、花序軸は長さ25~65 (~75)㎜ 、まれに分枝し、花は8~12個つく。苞は15~20個つき、宿存し、縁に短い腺毛がある。花柄は長さ22~32㎜、短い腺毛が縁にあり、2個の小苞がある。小苞は糸状又は線状漸尖形、長さ8~12㎜×幅約1㎜。咢は直径2.2~6.5㎜、5裂し、裂片は半円形又は鈍い三角形、腺のある距がある。花冠は鐘形、外側は淡ピンク色、平滑、内側は赤色を帯び、粗く、長さ12.5~13.5㎜、先は5裂、裂片は円形、長さ約3㎜。雄しべは10本、類等長、わずかに曲がり、長さ12.5~13.0㎜、白色の粗毛がある。花柱は平滑、長さ8~9.5㎜、無毛。蒴果は球形、平滑、5室をもち、直径4~4.5㎜。花期は5~6月。果期は10月。
3-1 Menziesia katsumatae M.Tash. et H.Hatta f. duplex (Satomi et M.Hashim.) Satomi  フタエツリガネツツジ
4 Menziesia lasiophylla Naka   ムラサキツリガネツツジ 紫釣鐘躑躅
  synonym Menziesia multiflora Maxim. var. purpurea (Makino) Ohwi 
  synonym Menziesia ciliicalyx (Miq.) Maxim. β purpurea Makino 
   ⇒ Rhododendron multiflorum (Maxim.) Craven var. purpureum (Makino) Craven
 ウラジロヨウラク属の異分類とされていた。
 富士周辺固有種。ヨウラクツツジに似るが花が濃い赤紫色。 高さは約1m。葉は枝先に輪生状につき、長さ2~4㎝、倒卵形~広楕円形。葉の表面や葉柄に白毛の毛が密にある。花は枝先に2~6個、下向きに束生し、長さ1.4~1.8㎝の長いつぼ形、先が浅く5裂、全体が濃い赤紫色、又はときに筒部がやや淡くなる。萼片に白色の長毛がある。花期は4~5(6)月。
4-1 >Menziesia lasiophylla Nakai var. lasiophylla ムラサキツリガネツツジ 狭義
   ⇒ Rhododendron multiflorum (Maxim.) Craven var. purpureum (Makino) Craven
 葉の上面には長毛のみがあり、短腺毛を欠く。
4-2 Menziesia lasiophylla Nakai f. bicolor (Makino) Hiyama ハコネツリガネツツジ 箱根釣鐘躑躅
  synonym Menziesia multiflora Maxim. var. purpurea (Makino) Ohwi f. bicolor (Makino) T.Yamaz.
  synonym Menziesia multiflora Maxim. var. bicolor (Makino) Ohwi 
  synonym Menziesia ciliicalyx (Miq.) Maxim. var. bicolor Makino 
  synonym Rhododendron multiflorum (Maxim.) Craven var. purpureum (Makino) Craven f. bicolor (Makino) Craven
   ⇒ Rhododendron multiflorum forma bicolor (Makino) Craven
 花冠の色が淡紅紫色、花柄や萼の縁に長毛のみがあり、 腺毛を欠く。
4-3 Menziesia lasiophylla Nakai var. glabrescens Nakai  フジツリガネツツジ
  synonym Menziesia multiflora Maxim. var. purpurea (Makino) Ohwi f. glabrescens (Nakai) Ohwi 
  synonym Menziesia ciliicalyx (Miq.) Maxim. var. purpurea Makino f. glabrescens (Nakai) Ohwi 
 葉の上面に長毛が少なく、 短腺毛が多い。
5 Menziesia multiflora Maxim.  ウラジロヨウラク 裏白瓔珞
  synonym Menziesia multiflora Maxim. var. longicalyx Kitam.
  synonym Menziesia ciliicalyx (Miq.) Maxim. var. multiflora (Maxim.) Makino
   ⇒ Rhododendron multiflorum (Maxim.) Craven
5-1 Menziesia multiflora Maxim. f. brevicalyx Hiyama  アズマツリガネツツジ
   ⇒ Rhododendron multiflorum (Maxim.) Craven f. brevicalyx (Hiyama) Craven
5-2 Menziesia multiflora Maxim. var. tsuchiyae Hiyama  トネツリガネツツジ
 群馬県利根郡水上町地内の平ガ岳(標高2140mの頂上近くに分布。
 ツリガネツツジとの相違点は次のとおり。葉が小形で尖り、表面に比較的、粗毛の多いこと。花冠全体が紅紫色であること、特に子房の一部に微短毛があって、剛腺毛を欠くこと。
5-2 Menziesia multiflora Maxim. var. iwatensi イワテウラジロヨウラク
 岩手県の岩手山に分布。ツリガネツツジに似て 子房の上部に剛腺毛をやや多生し、更に下半分に微短毛をやや多生する。

6 Menziesia pentandra Maxim..  コヨウラクツツジ 小瓔珞躑躅
   ⇒ Rhododendron pentandrum (Maxim.) Craven
 北海道、本州(近畿地方以北)、四国、南千島、サハリン原産。山地~亜高山帯の林内や林縁に生える。
 落葉低木、高さ1~3。若枝には粗毛がある。葉は互生又は枝先に輪生状に束生し、葉柄は長さ2~4㎜。葉身は倒披針形~長楕円形、長さ1.5~6㎝×幅1~2.5㎝、先は鋭形、葉の上面と縁に粗毛がある。 花は下垂し、花柄は長さ1~2㎝、腺毛が散生する。花冠は長さ5~6㎜×幅約7㎜、黄緑色~赤褐色で、先が狭くなった歪んだつぼ形、先端が小さく5裂して外側へ反り返る。花期は5~6月。
7 Menziesia purpurea Maxim ヨウラクツツジ 瓔珞躑躅
   ⇒  Rhododendron kroniae Craven
 九州(熊本県、大分県、宮崎県)固有種。別名をツクシツリガネツツジ、ヤシオツツジ
 落葉低木、高さ2.4m以下。無毛で細いシュートを3~4段に生じる。葉は楕円形~倒卵形、基部は狭まり、先は円形で微突形、長さ2.5~3.8㎝×幅1.3~2.1㎝、上面に剛毛が散生し、下面の脈上に剛毛がある。花序柄は長さ7.5~40㎝又はそれ以下。花柄は長さ1.3~1.8㎝、ごく細く、腺のある剛毛がある。花は下向き、前年の小枝の先に散形花序状に束生して、4~8個つく。花冠は赤色、鐘形、長さ約1.3㎝×幅約6㎜、裂片は4個、浅く、微細な縁毛がある。雄しべは8本、毛がある。花冠裂片の2倍の数がある。咢は4又は5裂、裂片は卵状長円形、長さ約4㎜、縁に腺毛がある。子房に腺の無い毛がある。花期は5~6月。

8 Menziesia yakushimensis M.Tash. et H.Hatta   ヤクシマヨウラクツツジ
   ⇒ Rhododendron yakushimense (M.Tash. et H.Hatta) Craven
9 Menziesia x kamatae Mochizuki ウラジロコヨウラク 裏白小瓔珞
   ⇒ Rhododendron x kamatae (Mochizuki) Craven

エゾツツジ属 Therorhodion

 Therorhodion はしばしばRhododendronに含められる。分岐分類学(K. A. Kron and W. S. Judd 1990; Kron 1997)ではRhododendron cladeの外に置かれ、J. K. Small (1914)、H. F. Copeland (1943)、P. F. Stevens (1971)、Kron et al. (2002), and Stevens et al. (2004)により属とされた。
 低木(根茎をもつ)。茎は直立~乱雑に広がる~平伏し、小枝は粗く、単純な長い柄のある腺毛又は腺のない毛があり、単細胞の毛が有又は無(古い小枝にはくぎのような突起は無い)。葉は宿存または脱落性、互生する。葉柄は無く又はほとんど無い。葉身は膜質~紙質、縁は全縁又は不明瞭な細鋸歯縁、縁には腺はなく又は腺毛がある。(葉脈は環結脈(brochidodromous)、細網は明瞭)。花序は頂生、縮小した総状花序(各花は苞腋につく)。鱗片葉 は緑色、下部は葉状。花は両性、両側は対称。咢片は5個、わずかに合着する。花弁は5個、その長さの約1/3が合着し、花冠は脱落性、 ± 車状。雄しべは10個、突き出ない(不等長)。葯は芒が無く、頂部の孔から裂開する。子房は5室。花柱は子房の先がわずかに沈んだところにつく(まがり、長く、細い)。柱頭は頭状。果実は蒴果、卵形、求基的に胞間裂開する。種子は約50~100個、褐色、±楕円形、付属体は無い。種皮は平滑。x = 12。
 世界に3種、アラスカ、アジア北東部、日本、朝鮮、中国、ロシアに分布する。
1 Therorhodion camtschaticum (Pall.) Small エゾツツジ 蝦夷躑躅
  synonym Rhododendron camtschaticum Pall.
 日本、ロシア、アラスカ原産。英名はKamchatka rhododendron 。
1-1 Therorhodion camtschaticum (Pall.) Small f. albiflorum (Koidz.) Nakai  シロバナエゾツツジ

1-2 Therorhodion camtschaticum (Pall.) Small var. pumilum (E.A.Busch) T.Yamaz アラゲエゾツツジ
  synonym Rhododendron camtschaticum Pall. var. barbatum (Nakai) Tatew.
  synonym Rhododendron camtschaticum Pall. subsp. glandulosum (Standl.) Hulten
2 Therorhodion redowskianum (Maxim.) Hutch.  クモマツツジ 雲間躑躅
  synonym Rhododendron redowskianum Maxim. [Flora of China]
 中国、ロシア原産。中国名は叶状苞杜鹃ye zhuang bao du juan 。

ツツジの栽培の歴史と園芸品種

 ツツジはツツジ属のうちシャクナゲ亜属を除いたツツジ亜属のものを指し、狭義にはサツキ、マルバサツキを除いたものであり、野生種や栽培種の総称である。語源はツヅキサギキ(続き咲き木)、ツヅリシゲル(綴り茂る)、ツツシベ(筒花の雄しべ)、タルルチチ(垂乳)の転化などいくつかの説があるが、はっきりしない。『本草綱目』(著者:李時珍)は中国で16世紀末に編纂された全52巻にもなる薬学書である。日本でも和刻本が長く使われ、日本の草本の分類の基にもなっている。この中に羊踯躅があり、「羊がその葉を食べれば躑躅して死ぬところから名づけたものだ。」と解説されている。中国で躑躅の字が使われているのはトウレンゲツツジRhododendron molle 中国名は羊踯躅 (yang zhi zhu) だけである。中国語の躑躅は歩き回るという意味であり、日本の漢字辞書ではテキチョクと読む。この踯躅を日本のツツジの漢字にあてたものである。
 ツツジの観賞や栽培の歴史は長く、万葉集などにも詠まれ、寺院や公園などに古くから植えられている。館林市の県立つつじが岡公園には樹齢800年を超えるとされるヤマツツジの古木が残っている。ツツジの栽培は寛文~元禄時代(1661~1704年)を中心に大ブームとなり、元禄つつじと呼ばれ、多数の品種が作り出された。延宝9年(1681年)に日本最初の園芸書といわれる『花壇綱目(かだんこうもく)』(著者:水野元勝)が刊行され、ツツジの147品種(異名)が記載されているが、この頃にはツツジとサツキが区別されていなかった。元禄5年(1692年)には『錦繍枕(きんしゅうまくら)』が出版された。これは世界初のツツジ専門の解説書といわれ、著者の伊藤伊兵衛は江戸染井(現在の東京都豊島区)の植木商三代目である。この頃からつつじとさつきを区別するようになり、つつじ(旧暦の4月までに開花するもの)173品種、さつき(現在のサツキに限らず旧暦の5月以降に開花するもの)163品種が載せられている。 その後の1695年には伊藤伊兵衛は『花壇地錦抄』を出した。これはは6 巻5 冊からなる幅広い種類の花卉、草木を取り扱った総合園芸書であり、ボタン481 品種、シャクヤク104品種、ツバキ206 品種、ツツジ196 品種、サツキ163 品種、キク231 品種、ウメ48 品種、サクラ46 品種、カエデ23 品種が載せられている。江戸時代にはこのほか70を超える園芸書が書かれている。
 現在ではツツジとサツキの園芸種は分けられて扱われている。ツツジの現存品種は約1000品種、サツキは約2000品種といわれている。ツツジの園芸品種の分類には定説はないが、江戸初期からの霧島ツツジ系、江戸中期頃からの琉球ツツジ系、平戸ツツジ系、江戸末期以降の久留米ツツジ系、その他原種の明確な品種系、外国系などに分けられる。
1 霧島ツツジ系 Rhododendron x obtusum
 キリシマツツジの学名はRhododendron obtusumであり、広く栽培されている栽培種であり、ヤマツツジなど在来の自生種はこの変種に分類されてされていたこともある。学名は久留米ツツジも同様であり、キリシマツツジとクルメツツジを区別しない。変種として区別する見解もあるが、形態的には区別は難しい。区別する場合はキリシマツツジを var. obtusum とし、クルメツツジをvar. sakamotoiとする。園芸品種では系統として区別されている。
 元禄つつじブームのときに人気があったのがキリシマツツジであり、江戸時代に日本中で栽培され、現在、最も多く残っているのが能登半島であり、能登霧島と呼ばれる。
 キリシマツツジは九州南部の霧島山中に自生するヤマツツジ Rhododendron kaempferi とミヤマキリシマ Rhododendron kiusianum の交雑種を起源とし、江戸で改良された栽培種である。鮮やかな深紅色の花が特徴である。江戸霧島系の品種は本霧島、蓑霧島、二順霧島、八重霧島、紫霧島、紅霧島、四季咲霧島があり、けら性一重・けら性二重などの違いもある。
 樹高は1~2m。花は直径2~4㎝。花が密につき、一斉に開花する。開花期は4月中旬~5月中旬。
品種例) 吾妻潟、桔梗咲き、大胚、羽根乙女、日の出(ひので)、紅小町

 ※サタツツジ(ヒメマルバサツキ) Rhododendron sataense はキリシマツツジの野生品ともされるが、ヤマツツジとミヤマキリシマの雑種起源のものであるかについてはなお検討を要するとされている。GRINではRhododendron obtusumと同種としている。
 鹿児島県(大隅半島、薩摩半島)に自生する(野生化したものともいわれる)。名は大隅半島の佐田岬に由来する。樹高は2m以下。春葉は長さ15~35㎜、幅5~15㎜、倒卵状楕円形、両面に伏毛がある。 夏葉がやや小さく、長さ10~20㎜、褐色の扁平な毛が密生し、小型で丸みを帯び、表面に強い光沢がある。花は中輪、一重。多花性、一枝に花序が4~5個つき、花序に花が2~3個つく。花冠裂片は先が丸く、平開する。 花は淡紫紅色、白色、桃色、ピンク色、濃紅紫色、紅色など変化する。 花期は4~6月。
 ※中国の钝叶杜鹃(dun ye du juan) Rhododendron obtusum
 白花杜鹃(bai hua du juan)は中国の東部~南東部の公園などに広く植えられているハイブリッド栽培種であり、最初の形は上海のものが基になっている。これは日本のミヤマキリシマRhododendron kiusianum のハイブリッドに由来すると考えられている。(Flora of China)
 低木、高さ1(4)m、小枝は細く、しばしば偽輪生し、鉄さび色の硬い剛毛が密生する。葉はすべて似ている。葉柄は長さ約2㎜、粗く、灰白色の剛毛がある。葉身は膜質、楕円形~楕円状卵形、又は長楕円状倒披針形~倒卵形、長さ1~2.5㎝、幅0.4~1.2㎝、基部は広楔形、縁は縁毛があり、先は鈍形で、先端が尖るか又は円形、ときに 微突形、両面ともまばらに粗い剛毛があり、中脈では目立つ。花序は普通、2~3個の花がつく。花柄は長さ0.4~0.8㎝、粗い鉄さび色の剛毛が密生し、毛は扁平。萼片は卵形、長さ4㎜以下、粗い毛がある。花冠は漏斗状鐘形、赤色~ピンク色、又は帯赤色。裂片は1つに暗色の斑点があり、長さ約1.5㎝、幅約2.5㎝。裂片は長楕円形、長さ約1㎝、幅約0.5㎝、先は鈍形。雄しべは5個、ほぼ花冠と同長、無毛。蒴果は円錐形~広楕円状卵形、長さ約6㎜、粗い鉄さび色の剛毛が密生する。

2 琉球ツツジ系
 リュウキュウツツジ(シロリュウキュウ) Rhododendron mucronatum を主に作出された園芸種群。江戸時代中期の正徳2年(1712年)に出された『和漢三才図会(わかんさんさいずえ)』(著者:漢方医 寺島良安)の下の巻738/921に平戸躑躅(琉球躑躅)が単弁、白花として解説されている。この平戸躑躅が、琉球躑躅を異名とし、現在のリュウキュウツツジを指しているといわれ、このため、ヒラドツツジといわれることもある。江戸時代に盛んに栽培され、300年前のものも日本に残っている。リュウキュウツツジはモチツツジ Rhododendron macrosepalum とキシツツの交雑種という説もある。中国の白花杜鹃(bai hua du juan)もリュウキュウツツジと同一と考えられ、キシツツジの白花品とされている(Flora of China)。モチツツジと同様に萼に腺毛があって粘り、花は白色、一重、直径5~6㎝と大きい、雄しべは10個。
品種例)
 薄葉、尾曳絞、京鹿の子、桜衣、白雪、白琉球、関寺、南京紫、藤万葉(ふじまんよう)
 
 ※中国の白花杜鹃(bai hua du juan) Rhododendron mucronatum
 中国の白花杜鹃(bai hua du juan)は四川省の東部及び南部に多く、福建省、広東省など多くの省の公園にもある。この種は栽培種であり、白色のものはキシツツジ Rhododendron mucronatum var. ripense の白花品とされている。白花品種の白琉球杜鵑又は平戶杜鵑ともいわれ、リュウキュウツツジと同一である。
 低木、半常緑、高さ1~2(3)m。若い枝条は広がり、多数、分枝し、密に灰褐色の長軟毛があり、少ない腺毛がある。夏と冬の葉は異なる。葉柄は長さ2~4㎜、密に長い剛毛があり、毛は扁平、短い腺毛がある。葉身は紙質、披針形~卵状披針形、長さ2~6㎝、幅0.5~1.8㎝、基部は楔形、先は鈍形~円形。花序は花が1~3個。花柄は長さ1.5㎝以下、密に黄褐色の長軟毛があり、また、腺毛がある。萼片は5個、披針形、長さ約12㎜、密に腺毛がある。花冠は広漏斗形、5深列し、白色、ときに淡赤色、紫色の斑点はなく、長さ3~4.5㎝。花冠裂片は楕円状卵形、筒部と同長、無毛。雄しべは10個、不等長、花糸は下部に微軟毛がある。子房は卵形、長さ約4㎜、幅約2㎜、5室、密に粗い伏した腺毛がある。花柱は長く突き出て、無毛。蒴果は円錐状卵形、長さ約10㎜。花期は4~5月。

 ※キシツツジ(イソツツジ) Rhododendron ripense =Rhododendron mucronatum var. ripense本州( 岡山県、島根県以西)、四国、九州に分布する。モチツツジに近縁であり、よく似ているが、雄しべが10個ある。モチツツジとほぼ隔離分布する。小河川~渓流の岩上に生育し、モチツツジより葉が細く、若枝の毛が斜上するが、葉では判別は難しい。

3 ヒラドツツジ(平戸躑躅) 系
 ヒラドツツジRhododendron x pulchrumは古くから平戸城下の武家屋敷などで栽培されており、江戸時代中期の正徳2年(1712年)に出された『和漢三才図会(わかんさんさいずえ)』の平戸躑躅(琉球躑躅)は単弁、白花であり、現在のリュウキュウツツジを指すものである。長崎県の旧平戸藩で、早くから栽培されていたものの中から戦後の1951年以降に約300種が選抜された。亀岡公園の一角にある「ヒラドツツジ原木園には約300種が保存されている。ヒラドツツジはケラマツツジ、リュウキュウツツジ、モチツツジ、キシツツジ、ヤマツツジなどが自然交雑して誕生したものと考えられている。形質は母種となった沖縄のケラマツツジに近く、大形である。今では品種も400種を超え、代表品種は大輪・白花の白妙、同じ大輪・紫色の大紫、ピンク色の曙などである。
品種例)
 曙(あけぼの)、大紫(おおむらさき)、オランダ紅、企救姫(きくひめ)、銀の采(ぎんのさい)、古賀錦、寿(ことぶき)、五月雨、春雪(しゅんせつ)、白孔雀(しろくじゃく)、白妙(しろたえ)、白牡丹、須磨(すま)、千重大紫(せんえおおむらさき)、大鳳(たいほう)、高根絞り、谷間の雪、花車、緋扇、紅石献花(べにしゃくなん)、紫牡丹、紅葉狩(もみじがり)、桃山、雪童子(ゆきどうじ)、琉球絞(りゅうきゅうしぼり)

 ※ケラマツツジRhododendron scabrum琉球(奄美大島-沖縄諸島) 原産、海岸付近の林縁に生える、高さ1-2mの常緑低木。若枝や花柄に粘毛を持つ。葉は対生し、厚く大型で、長さ5-8cmの長楕円形-倒卵状楕円形。枝先の花芽から2-4個の朱赤色の花を咲かす。花冠はろうと形で、上部の内側に濃い色の斑点がある。葉と同様に厚く、径4.5-6cmと大型である。元禄時代に江戸に持ち込まれ、観賞用に栽培された。寒さには弱いが、西南日本の暖地では栽培が可能である。 

4 久留米ツツジ系 Rhododendron x obtusum (霧島ツツジ系の改良) 英名はKurume Hybrids
 クルメツツジは江戸時代末期の天保年間(1830~1843年)に久留米有馬藩(現在の福岡県久留米市)の藩士・坂本元蔵が江戸霧島のコケまき法の実生から100種以上の品種を作出したのが始まりとされ、初期には「小霧島」「霧島」などと呼ばれていた。久留米市では明治から大正にかけて300品種以上の品種がつくられ、明治時代から久留米市で作られた品種を総称してクルメツツジと呼ばれるようになった。現在は約750種を超える品種が記録されている。クルメツツジはキリシマツツジが母体になり、品種改良されたものである。キリシマツツジ、サタツツジ、ミヤマキリシマを起源とすると考えられているが、最近ではモチツツジ Rhododendron macrosepalumや キシツツジ Rhododendron ripense の形態的特徴が一部の品種に認められている。
品種の例)
 総角(あげまき)、朝霞(あさがすみ)、旭鶴(あさひづる)、旭の錦(あさひのにしき)、東鏡(あずまかがみ)、綾羽(あやはね)、一天(いってん)、今猩々(いましょうじょう)、今様錦(いまようにしき)、以呂波山(いろはやま)、薄雲(うすぐも)、薄緑(うすみどり)、移り香(うつりが)、雲中(うんちゅう)、蝦夷錦(えぞにしき)、老の目覚(おいのめざめ)、大内獅子(おおうちじし)、大御代(おおみよ)、大八州、思の空、神楽(かぐら)、鹿毛織(かげおり)、春日(かすが)、鎌倉(かまくら)、歓喜(かんき)、麒麟(きりん)、錦孔雀(きんくじゃく)、錦鳳(きんほう)、位の紐(くらいのひも)、暮の雪(くれのゆき)、軍旗(ぐんき)、九重(ここのえ)、胡蝶の舞、此花(このはな)、小町、早乙女、桜重(さくらがさね)、桜小町(さくらこまち)、左近(さこん)、時雨の滝(しぐれのたき)、静の舞(しずのまい)、東雲(しののめ)、白玉錦(しろたまにしき)、酒中花(しゅちゅうか)、燭光錦(しょっこうにしき)、不知火(しらぬい)、新鴇の羽重(しんときのはがさね)、翠羽(すいう)、酔陽妃(すいようひ)、末摘花(すえつむばな)、裾濃糸(すそのごいと)、世界一、大麒麟、勲位(だいくんい)、大典、太陽、妙音(たえね)、高砂、誰が袖(たがそで)、高蒔絵(たかまきえ)、田子の浦、田子の藤、玉桜、珠田の縁り(たまたのゆかり)、玉手箱、玉の台(たまのうてな)、玉の輿、玉の宝、玉紅、玉縁り(たまゆかり)、丹頂、筑紫紅(ちくしべに)、稚児の舞、千代鶴(ちよづる)、艶紫(つやむらさき)、照姫(てるひめ)、常夏(とこなつ)、常春(とこはる)、錦の司(にしきのつかさ)、鳴海重(なるみがさね)、梅王(ばいおう)、花遊び、春の曙、春の里、常陸山(ひたちやま)、雛鶴(ひなづる)、火の国、緋の衣(ひのころも)、緋の司(ひのつかさ)、日の出、日の出の雲、百花撰(ひゃっかせん)、福寿(ふくじゅ)、福彦(ふくひこ)、富士霞(ふじがすみ)、藤戸(ふじと)、富士の旭(ふじのあさひ)、藤の里、富士の裾野、弁財天、鳳凰、発心桜(ほっしんざくら)、窓の月、、摩耶夫人、満山(まんざん)、見返車(みかえりぐるま)、三櫛絞(みくししぼり)、御旗錦(みはたにしき)、都絞(みやこしぼり)、都の誉(みやこのほまれ)、御代の春(みよのはる)、八雲、八つ橋、宮城野、大和桜、雪の波、陽明錦、夜桜、吉野山、吉見岳(よしみだけ)、乱曲(らんきょく)、流星(りゅうせい)、若蛭子(わかえびす)、若楓(わかかえで)、和歌の浦
5 サツキ Rhododendron indicum 英名はSatsuki
 サツキはツツジ属ツツジ亜属、ツツジ節に属し、狭義にはRhododendron indicumを指し、広義にはマルバサツキRhododendron eriocarpum とそれらの交配種も含めたものの総称である。語源は旧暦の5月以降に開花することから、ツツジと区別されるようになり、皐月と呼ばれるようになった。漢字は5月を意味する杜鵑も使われる。サツキの園芸品種は約2000品種といわれている。他のツツジの現存する園芸品種は約1000品種であり、サツキは盆栽に好んで使われるため、ツツジより品種が多い。クルメツツジとサツキの交配種、サツキとキレンゲツツジの交配種などもあり、マルバサツキの影響で雄しべが6~10本ある品種や、アザレア(セイヨウツツジ)との交雑による巨大輪の品種も作出されている。
6 シャクナゲ Rhododendron subgenus Hymenanthes
 シャクナゲは園芸で使われる分類であり、植物学的な分類ではない。ツツジ属(genus Rhododendron)のうち、シャクナゲ亜属[無鱗片シャクナゲ] (subgenus Hymenanthes)の原種及びその系統のハイブリッドなどの園芸品種のうち、花が枝先に房状に多数集まって咲くものを日本ではシャクナゲと呼んでいる。葉は常緑、大きい。欧米では アザレアAzarea 以外のものをRhododendron ともいうが、Rhododendronは雄しべ10以上、常緑のものを指し、有鱗片シャクナゲ節を含むため、日本のシャクナゲとは完全には一致していない。また、植物学的な分類ではヒカゲツツジ亜属(有鱗片シャクナゲ亜属)がsubgenus Rhododendronである。 
6-1 日本シャクナゲ
 日本産の原種を元にした園芸種をニホンシャクナゲという。
6-2 西洋シャクナゲ
 欧米で育成された園芸種をセイヨウシャクナゲという。
 セイヨウシャクナゲはもともと中国や日本などアジア産のものが元になったものであり、日本産のシャクナゲが交配親として使われているものもある。また、ヒカゲツツジ亜属(有鱗片シャクナゲ亜属)subgenus Rhododendronのビレア節の種もシャクナゲに入れることもあり、イソツツジ節にもシャクナゲによく似たものもある。 さらに、アザレオデンドロン(Azaleodendron)と呼ばれる落葉のレンゲツツジ亜属 subgenus Pentantheraと常緑のシャクナゲ亜属(無鱗片シャクナゲnonscaly rhododendron) subgenus Hymenanthesのハイブリッドもある。

7 その他の原種を基とする品種
(1)オオヤマツツジ Rhododendron transiens 系
 オオヤマツツジは本州(関東地方、静岡県、岡山県、山口県)に分布し、樹高は1~3m。葉は卵形~被針形、両面や縁に長毛が散生する。花は紅紫色、直径5~6㎝。雄しべは7~10個。最近の遺伝子統計解析によりオオヤマツツジとその栽培種はキシツツジ又はリュウキュウツツジに関係が深いことが推定されている(2013年M. Miyano, A. Nakayama, T. Handa, Y. Kurashige)。
品種例) 飛鳥川(あすかがわ)、飛鳥川絞(あすかがわしぼり)、江戸花火、紫采、紫鳳殿、白滝、白花大山、朝暾(ちょうとん)、錦の司、白鳳殿、初霜、山姥、若紫
(2)モチツツジ Rhododendron macrosepalum 系
品種例) 金孔雀(きんくじゃく)、銀采(ぎんさい)、胡蝶揃(こちょうぞろい)淡黄緑色花、西行=天ガ下、四手車、駿河万葉、青海波(せいかいは)'Linearifolium'、星車、花車(はなぐるま)
※ モチツツジ は本州(静岡県・山梨県~岡山県)、四国に分布する。萼や花柄に腺毛があり、粘る。花は直径3.5~6㎝。雄しべは普通、5個、稀に6~10個。
(3)ヤマツツジ Rhododendron kaempferi 系
品種例)篝火(かがりび)、小松春三、白山つつじ、不老山
(4)ミツバツツジRhododendron dilatatum系
品種例) 富士絞、元の助、四季咲きミツバツツジ、絞り咲きミツバツツジ、早咲きミツバツツジ
(5)飯能ツツジRhododendron x hannoense系 
 ハンノウツツジ(ナガバヤマツツジ)は本州(埼玉県、長野県)に自生する。和名は飯能市の天覧山付近で発見されたため。高さ1m内外。 葉は被針形、平滑。花は枝先に2~3個つき、朱紅色、直径4~5㎝。雄しべは5個、葯は紫色。 ヤマツツジとサツキの自然交雑種。ヤマツツジより花期が遅く、サツキと違い、冬に落葉する。Tropics ではサツキに含めている。
品種例) 乙女桂(おとめかつら)、乙女錦(おとめにしき)、小町牡丹(こまちぼたん)、紫玉の桂、関守(せきもり)、関守采(せきもりざい)、蓑紫

8 外国系
(1)ベルギー・アザレア(アザレア、ベルジアン・アザレア) Belgian Azalea:タイワンヤマツツジRhododendron simsii を中心に複雑な交配を経て、ベルギーで作られ、世界に輸出されたもの。日本には明治時代に輸入され、洋種躑躅、西洋躑躅と呼ばれた。学名はRhododendron simsii の園芸品種とする。日本で作られたものも多く、現在日本では約120品種が流通している。

(2)エクスバリー・アザレア Exbury azalea (匂いツツジ) :1920年にイギリスのライオネル・ド・ロスチャイルドがExburyにおいて、日本産のレンゲツツジ、アメリカ産のレンゲツツジのRhododendron viscosum、中国産の落葉性のツツジ類などを複雑に交配して最初の1種を作出したものである。花色は多彩で、原色系の鮮やかなものが多い。芳香のあるものは匂いツツジといわれる。
 匂いツツジの例
 トスカTosca= R. 'Exbury Naomi' X Rhododendron wardii var. wardii
 シャネルChanel=R. viscosum x R.superbum x R. zoelleri
 ソリッドパリス'Soir deParis'=R. viscosum xRhododendron 'Koster's Brilliant Red'

(3)グレンデールアザレアGlen Dale azalea:ロサンゼルス州のGlen DaleでBenjamin Y. Morrisonが25年以上かけて耐寒性のある花の大きな hybrid 品種を作出した。Azalea Society of Americaに454品種すべてがが掲載されている。

参考

1)Flora of China
 Rhododendron  
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=128386
 Ledum  
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=117842
 Rhododendron subg. Therorhodion  
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=316362
2)Flora of North America
 Rhododendron  
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=1&taxon_id=128386
 Menziesia  
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=1&taxon_id=120254
3)GRIN
 Rhododendron  
https://npgsweb.ars-grin.gov/gringlobal/taxonomygenus.aspx?id=10404
4) [PDF]Diplarche and Menziesia transferred to Rhododendron (Ericaceae)
 Diplarche and Menziesia transferred to Rhododendron (Ericaceae)  
https://www.repository.naturalis.nl/document/566126
5)槍山庫三. 牧野標本館雑記 (11) , 199 , 184 , nov. - 植物研究雑誌
 植物研究雑誌 第39巻 第4号 昭和39年4月 p124
 槍山庫三 . 牧野標本館雑記(11)  
http://www.jjbotany.com/pdf/JJB_039_124_128.pdf
6) 岩手県五葉山のみに分布するゴヨウザンヨウラクの保全生物学的研究  
https://www.nacsj.or.jp/pn/houkoku/h11/h11-no07.html
7) 山崎敬. 九州・四国におけるミツバツツジ類の新種と新変種
 植物研究雑誌 第59巻 第7号 昭和59年7月 p204
 ヒュウガミツバツツジ、アマクサミツバツツジ、ウラジロミツバツツジ、
 オオスミミツバツツジ、ニシキコパノミツバツツ、
 キリシマミツバツツジ、ツルギミツバツツ  
http://www.jjbotany.com/pdf/JJB_059_204_210.pdf
8) [PDF] The Rhododendron Handbook 1998 - Rhododendron, Camellia and ...  
https://www.rhodogroup-rhs.org/docs/publications/The%20Rhododendron%20Handbook%201998%20FOR%20WEBSITE.pdf
9) A taxonomic revision of Rhododendron subg ... - Harvard University
 A TAXONOMIC REVISION OF RHODODENDRON
 SUBG. TSUTSUSI SECT. BRACHYCALYX (ERICACEAE)1 
http://flora.huh.harvard.edu/china/novon/mobt-97-02-163.pdf
10) Notes on Japanese Alpine Plants ( 4)本 On Rhododeγidγon tetrαmer um
 チョウジコメツツジについて  
http://nh.kanagawa-museum.jp/files/data/pdf/bulletin/8/bull8_107-118_takahashi.pdf
11)植物研究雑誌 第51巻 第10号 (1976)
 ツツジ類の自然交配種(山崎敬)  
http://www.jjbotany.com/pdf/JJB_051_29_32.pdf
12) 植物研究雑誌 J. Jpn. Bot. 80: 164-175(2005)
 本州中部太平洋側地域におけるミツバツツジ類3種とそれらの3新雑種  
http://www.jjbotany.com/pdf/JJB_080_164_175.pdf
13)山渓ハンディ図鑑5
  樹に咲く花