カヤツリグサ  蚊帳吊草
[別名] キガヤツリ
[中国名] 具芒碎米莎草 ju mang sui mi suo cao
[英名] Asian flatsedge
[学名] Cyperus microiria Steud.
カヤツリグサ科 Cyperaceae  カヤツリグサ属
三河の植物観察
カヤツリグサの穂
カヤツリグサ小穂のつく軸
カヤツリグサ鞘
カヤツリグサ茎
カヤツリグサ
カヤツリグサ小穂
カヤツリグサ小穂2
カヤツリグサ鱗片と果実
 コゴメガヤツリと同じようにどこでも見られる普通の雑草。カヤツリグサ属は果実が鱗片に挟まれ、2列について小穂を形成する。果実が裸出し、スゲ属のような袋状の果胞やヒンジガヤツリ属のような薄膜はない。果実の断面は3稜形(カヤツリグサ亜属など)やレンズ形(イガガヤツリ亜属、シロガヤツリ亜属など)。柱頭の分岐は果実の稜と同じ数。
 茎は叢生し、葉は根元に付き、幅2~3㎜。苞は葉と同じ形で長く、3~4個つき、その上に5~7個の花序がつく。花序は枝分かれする。小穂のつく軸には狭い翼がある。小穂は長さ7~12㎜の扁平な線形。鱗片は、別名のキガヤツリのとおり、黄色~黄褐色。鱗片の中肋は緑色で、先が突き出る。果実は長さ約1.2㎜の倒披針形、断面は3稜形。
[果期] 7~10月
[草丈] 30~50㎝
[生活型] 1年草
[生育場所] 荒地、道端、水田、畑地
[分布] 在来種  本州、四国、九州、朝鮮、中国、インド、タイ、ベトナム
[撮影] 蒲郡市形原町   07.8.27

 カヤツリグサ属

  family Cyperaceae - genus Cyperus

 1年草又は多年草、根茎又は匍匐茎をもつ。稈は叢生又は単生、直立し、普通、3角(かど)又は鋭い三角形(断面)、ときに扁平な三角形、丈夫又は細く、下部や基部に葉がつく。葉は根生、3列につき、まれに葉身が無い。葉舌は無い。総苞片(involucral bracts)=苞葉は葉状、普通、2~10(~20以上)個、花序の基部につく。花序は頂生、単純又は複合のイグサ形花序(anthela)、数個~多数の花序枝(ray)と2次の花序枝(raylet)をもつ。花序枝と2次の花序枝(小花序枝)は不等長又はまれに、等長又は頭状花序になる。穂状花序は小穂が少数~多数、掌状に束生(digitate cluster)又は花序枝の先で頭花になる。小軸(rachilla)は基部に関節がなく、宿存し、普通、狭い翼がある。苞頴(glume)は2列生、まれに螺旋状に覆瓦状につく。基部の1個又は2個の苞頴は花が無い。残りの各苞頴は両性花を1個もつ。花被は剛毛又は鱗片が無い。雄しべは(1~)3.個。花柱は基部が膨れず、柱頭は(2 又は)3個、熟すと脱落する。小堅果は3面があり、平滑~細点があり~いぼ状、又はまれに網状の条線がある。
 世界に約600種あり、世界中の温帯、亜熱帯、熱帯に分布する。
 ヒメクグ属(Kyllinga)、 カワラスガナ属(Pycreus、ヒンジガヤツリ属(Lipocarpha)を別属に分ける見解もある。


 カヤツリグサ属の主な種と園芸品種

 1  Cyperus aggregatus (Willd.) Endl.  アレチクグ
 北アメリカ、南アメリカ原産。英名はinflated-scale flat sedge
 2  Cyperus albescens (Steud.) Larridon et Govaerts  オオヒンジガヤツリ
   synonym Cyperus lipocarpha T.Koyama [GRIN]
   synonym  Lipocarpha chinensis (Osbeck) J. Kern [Flora of China]
 日本、朝鮮、中国、熱帯アジア、アフリカ、オーストラリア原産。英名はgoosetongue sedge 。中国名は华湖瓜草 hua hu gua cao 。

 3  Cyperus alopecuroides Rottb.  オキナワオオガヤツリ
 熱帯アジア、西アジア、アフリカ、南アメリカ、オーストラリア原産。英名はfoxtail flat sedge , mat sedge。

 4  Cyperus alternifolius L. シュロガヤツリ 棕櫚蚊帳釣 [広義]
 マダガスカル原産。中国名は野生风车草 ye sheng feng che cao 。英名は umbrella papyrus, umbrella sedge, umbrella palm 。栽培品が逸出したものが見られる。
 多年草。高さ50~200㎝。根茎は短く横に這い、節ごとに3稜形の茎を出す。茎下部の葉は鞘があるだけで葉身がほとんどない。茎頂に長さ10~15㎝、幅2~10㎜の大きな苞葉が多数、輪生状につき、傘を広げたように見える。花序枝は長さ5~7㎝で、多数、複生する。花序枝の基部に膜状の鞘がある。小穂は変化が多く、長さ3~8㎜、幅1~2㎜の長楕円形~披針形、白緑色~わら色。鱗片は長さ1.5~1.8㎜の披針形、中肋が緑色。果実は長さ0.8~0.9㎜、やや白色を帯びた褐色。柱頭は3岐。2n=32。花期は7~9月。
4-1 Cyperus alternifolius L. subsp. alternifolius
4-2 Cyperus alternifolius L. subsp. flabelliformis Kuk.  シュロガヤツリ
   synonym Cyperus involucratus Rottb.
   synonym Cyperus alternifolius L. var. obtusangulus (Boeck.) T.Koyama 
品種) 'Albovariegatus'  フイリシュロガヤツリ

 5  Cyperus amuricus Maxim. チャガヤツリ 茶蚊帳吊
   synonym Cyperus amuricus Maxim. var. japonicus Miq.
   synonym Cyperus x amuricocompressus T.Koyama
 日本(本州、四国、九州)、朝鮮、中国、台湾、ロシア原産。中国名は阿穆尔莎草 a mu er suo cao。英名はAsian flatsedge。和名はカヤツリグサに似て、鱗片が褐色であることに由来する。
 1年草。高さ30~40㎝。葉は根元に少数つき、苞は葉と同じ形で長い。長短、不揃い花序枝の先に固まって小穂を開出してつけ、下部の小穂はやや下向きになる。小穂は長さ0.7~1.2㎝の扁平な線形。鱗片は褐色。鱗片の中肋は緑色で、先が芒状に長く突き出て、やや反り返る。果実は長さ約0.8㎜の倒卵形、断面は3稜形。カヤツリグサよりやや乾燥した場所を好む。果期は7~10月。

 6  Cyperus aromaticus (Ridl.) Mattf. et Kuk.  クルマバヒメクグ
   synonym Kyllinga polyphylla Willd. ex Kunth  【ヒメクグ属】
   synonym Kyllinga aromatica Ridl.
 アフリカ原産。英名はNavua sedge

 7  Cyperus articulatus L.  フトイガヤツリ
   synonym Cyperus corymbosus Rottb.
   synonym Cyperus tegetiformis Roxb. ex Arn.
 熱帯アジア、西アジア、アフリカ、オーストラリア、北アメリカ、南アメリカ原産。英名はchintul , guinea-rush , jointed flat sedge

 8  Cyperus brevifolius (Rottb.) Hassk. var. brevifolius  アイダクグ
   synonym Kyllinga brevifolia Rottb [Flora of China , Tha plant List] 【ヒメクグ属】
   synonym Kyllinga brevifolia Rottb var. brevifolia
   synonym Kyllinga brevifolia var. longifolia Boeckeler
 英名はshortleaf spikesedge , green kyllinga , perennial greenhead sedge , kyllinga weed
 日本、朝鮮、中国、台湾、インド、ネパール、ブータン、パキスタン、スリランカ、ラオス、ミャンマー、タイ、ベトナム、フィリピン、インドネシア、マーレーシア、パプアニューギニア、アフガニスタン、バングラデシュ、アフリカ、大西洋諸島、オーストラリア、南北・中央アメリカ、インド洋諸島、マdファガスカル、太平洋諸島 に分布。中国名は短叶水蜈蚣(duan ye shui wu gong)。英名はshortleaf spikesedge。別名はタイワンヒメクグ。畦、湿地、湿った道端などに生える。
 多年草、高さ2~55㎝。稈は高さ5~30㎝。根茎は赤色を帯び、横に伸びて匍枝状になり、太く、鱗片葉を含めると直径1㎜以上になる。花茎に長さ5~8(4~7)㎜の球形~やや惰円形の頭状花序が1(1~3)個つく。苞葉は2~3個付き、最長のものは最長23㎝に達するものも見られる。苞葉は水平からやや下向きにつく場合も多いが、場所によっては最下の苞葉がすべて直立しているときもある。小穂は長さ3~3.5(2.2~3.2)㎜の惰円形(長楕円形~披針形)。苞頴(鱗片)は4個つき、下の2個は小さい。小さい2個は薄い膜質。大きい2個の鱗片は長さ約3㎜及び約2.5㎜。鱗片の竜骨は緑色で、透明な三角形の膜質でない上向きの小刺がある。果実は長さ約1(1~1.3㎜)㎜の倒卵形(惰円形)、柄がわずかにある。柱頭は2分岐。花期と果期は(5)7~10月。2n = 18。

8-1 Cyperus brevifolius (Rottb.) Hassk. var. leiolepis (Franch. et Sav.) T.Koyama  ヒメクグ 姫莎草
   synonym Kyllinga brevifolia Rottb. var. leiolepis (Franch. et Sav.) H.Hara 【ヒメクグ属】
   synonym Cyperus brevifolius (Rottb.) Hassk. subsp. leiolepis (Franch. et Sav.) T.Koyama
 日本全土、朝鮮、中国、ネパール、ロシア原産。中国名は无刺鳞水蜈蚣 wu ci lin shui wu gong。日当たりのよい湿った場所に生える。
 多年草。高さ10~20㎝。赤紫色の根茎を延ばして増える。葉は幅2~4㎜の線形で、苞葉は普通、水平からやや下向きに3個つく。周囲の草丈が高いときなど、場所によっては最下の苞葉が直立するときもある。花序は1個で、小花1個だけの小穂が密に固まってつき、直径0.6~1㎝の球形になる。ヒメクグ属は4個の苞頴(鱗片)をもち、2個は大きく、2個は小さい。大きい鱗片には緑色の竜骨があり、竜骨は平滑で、刺がない。果実は広倒卵形。花期は7~10月。

8-1-1 Cyperus brevifolius (Rottb.) Hassk. var. leiolepis (Franch. et Sav.) T.Koyama f. macrolepis H.Hara ex T.Koyama  オニヒメクグ
8-1-2 Cyperus brevifolius (Rottb.) Hassk. var. leiolepis (Franch. et Sav.) T.Koyama f. connatus T.Koyama   

 9  Cyperus castaneus Willd.  ナガミイッスンガヤツリ
 中国、インド、ブータン、ネパール、スリランカ、ミャンマー、タイ、ベトナム、インドネシア、マレーシア、アフリカ南部、オーストラリア原産。中国名は长板栗莎草 chang ban li suo cao。

 10  Cyperus compactus Retz.  ビトウクグ
 中国、台湾、インド、パキスタン、スリランカ、カンボジア、ラオス、ミャンマー、タイ、ベトナム、インドネシア、マレーシア、フィリピン、パプアニューギニア、オーストラリア、西インド諸島、マダガスカル原産。中国名は密穗砖子苗 mi sui zhuan zi miao 。

 11  Cyperus compressus L.  クグガヤツリ 莎草蚊帳吊
 日本(本州、四国、九州、沖縄)、世界の暖帯~熱帯に分布。中国名は扁穗莎草 bian sui suo cao 。英名はpoorland flatsedge, flat sedge。道端、荒地など乾いた場所に生える。
 1年草、高さ15~30㎝。茎は硬く、叢生し、葉は茎より短い。苞葉は2~3個つき、花序より長い。花序は茎の頂部に小穂が粗に固まってつく。小穂は長さ1~2.5㎝、幅約3㎜で扁平な線形。色は淡緑~黄褐色。苞頴(鱗片)は芒があり、やや外に反る。果実は褐色、長さ1~1.2㎜の倒卵形で、明瞭な3稜があり、表面は濃淡が目立つ。柱頭は3岐。小穂の枝の伸びが悪いとイガガヤツリに似て見える場合もある。2n=98,112,114,128。花期は8~10月。

 12  Cyperus congestus Vahl  ユメノシマガヤツリ
 アフリカ原産。英名はdense flat-sedge , clustered flat-sedge
 13  Cyperus cuspidatus Kunth  イッスンガヤツリ
 中国、台湾、インド、カシミール、ブータン、ネパール、スリランカ、バングラデシュ、パキスタン、カンボジア、ラオス、タイ、ベトナム、インドネシア、マレーシア、フィリピン、アフリカ、オーストラリア、アメリカ、西インド諸島、マダガスカル原産。中国名は长尖莎草 chang jian suo cao 。

 14  Cyperus cyperinus (Vahl) J.V.Suringar  シマクグ
   synonym Kyllinga cyperina Retz ヒメクグ属ではない。
 日本(沖縄)、中国、台湾、インド、カシミール、ブータン、ネパール、スリランカ、バングラデシュ、パキスタン、ミャンマー、ラオス、タイ、ベトナム、インドネシア、マレーシア、フィリピン、パプアニューギニア、アジア南西部、オーストラリア、西インド諸島、太平洋諸島原産。中国名は莎状砖子苗 suo zhuang zhuan zi miao 。

 15  Cyperus cyperoides (L.) Kuntze  イヌクグ 犬莎草
 日本(本州関東地方以西、四国、九州、沖縄)、東南アジア、オーストラリア、アフリカ、大西洋諸島、インド洋諸島、太平洋諸島原産。中国名は砖子苗 zhuan zi miao 。英名はPacific island flatsedge。別名はクグ。
 1年草。高さ30~80㎝。地下に卵形の根茎がある。葉は幅3~6㎜で、花茎より短く、根元に固まってつく。葉鞘は基部がやや膨れ、赤褐色を帯びる。茎頂に葉と同形の苞を3~5個出し、ブラシのような花序を固まってつける。花序枝は長さが一定せず、ほとんどなくて頭状になることも多い。小穂は長さ4~5㎜の線形、小花が1~2個、1個だけの場合も多い。果実は長さ約2㎜の線状惰円形。花柱は長さ0.5~0.7㎜。柱頭は長さ約1㎜、3岐。雄しべ3個。2n=82,88,134,220,224.。花期は8~10月。
15-1 Cyperus cyperoides (L.) Kuntze var. boninensis (Ohwi) T.Koyama  ムニンクグ

 16  Cyperus diaphanus Schrad. ex Roem. et Schult.  タチガヤツリ
   synonym Pycreus diaphanus (Schrader ex Schultes) S. S. Hooper & T. Koyama
        [Flora of China]カワラスガナ属
   synonym Cyperus latespicatus Boeck. var. setiformis (Korsh.) T.Koyama
   synonym Cyperus diaphanus Schrad. ex Roem. et Schult. var. setiformis (Korsh.) J.Kern 
   synonym Cyperus setiformis Korsh.
   synonym Cyperus latespicatus Boeck.
 日本、朝鮮、中国、ロシア、インド、ブータン、ネパール、カシミール、バングラデシュ、カンボジア、タイ、ベトナム、インドネシア、フィリピン原産。中国名は宽穗扁莎 kuan sui bian suo

 17  Cyperus difformis L.  タマガヤツリ 珠蚊帳吊
 日本全土、アジア、アフリカ、ヨ^ロッパ、オーストラリアに分布。中国名は异型莎草 yi xing suo cao 。英名はsmallflower umbrella sedge。田の畔、溝などに生える。
 1年草。高さ15~40㎝。茎は柔らかくて太く、鋭い3稜形で、叢生する。葉は茎より短く、幅3~5㎜。茎の先端に葉と同形の苞葉を2~3個つけ、最下の苞葉は特に長い。茎頂に小穂の集まった球形の花序を多数つけ、花序枝の先につくものもある。花序枝は長さが0~5㎝と長さが異なり、花序は直径5~10㎜。小穂は10~30個の小花がつき、長さ3~10㎜の扁平な惰円形、先が丸く、次第に暗紫褐色を帯びる。苞頴(鱗片)はほぼ円形で長さ0.5~0.7㎜、中肋は緑色。痩果は長さ0.5~0.6㎜狭倒卵形で3稜がある。雄しべは2個。痩果は小穂の基部から熟し、鱗片とともに落ち、熟してくると小穂の基部に鱗片がないものが多い。2n = 18, 28, 32, 34, 36。花期は7~9月。

 18  Cyperus diffusus Vahl  オオノシスゲ
 中国、台湾、インド、ブータン、ネパール、スリランカ、カンボジア、ラオス、ミャンマー、タイ、ベトナム、インドネシア、マレーシア、フィリピン、オーストラリア、太平洋諸島、西インド諸島原産。中国名は多脉莎草 duo mai suo cao 。

 19  Cyperus digitatus Roxb.  オオホウキガヤツリ
 中国、台湾、インド、ネパール、スリランカ、パキスタン、ラオス、ミャンマー、タイ、ベトナム、インドネシア、マレーシア、フィリピン、パプアニューギニア、太平洋諸島、アフリカ、オーストラリア、熱帯アメリカ、北アメリカ原産。中国名は长小穗莎草 chang xiao sui suo cao

 20  Cyperus distans L.f.  ホウキガヤツリ
   synonym Cyperus distans L.f. var. pseudonutans Kuk.
 日本(沖縄)、中国、台湾、インド、ブータン、ネパール、カシミール、スリランカ、カンボジア、ラオス、ミャンマー、タイ、ベトナム、インドネシア、フィリピン、パプアニューギニア、太平洋諸島、熱帯アフリカ、オーストラリア、中央アメリカ、南北アメリカ、西インド諸島原産。中国名は疏穗莎草 shu sui suo cao 。

 21  Cyperus echinatus (L.) Alph.Wood  ミクリガヤツリ
   synonym Cyperus ovularis (Michx.) Torr.
   synonym Kyllinga ovularis Michx.
   synonym Scirpus echinatus L.
 北アメリカ原産。英名はteasel sedge

 22  Cyperus engelmannii Steud.  ホソミキンガヤツリ 細実金蚊帳吊
   synonym Cyperus odoratus L ムツオレガヤツリ(別名キンガヤツリ) [GRIN , FOC]
 北アメリカ原産。英名はEngelmann's umbrella sedge, false rusty nut sedge。水辺、湿地、水田の畦などに生える。Cyperus odoratusに含める見解では日本、朝鮮、中国、台湾、熱帯アジア、熱帯アフリカ、アメリカ、オーストラリア、太平洋諸島に分布する。中国名は断节莎 duan jie suo。
1年草。高さ50~70㎝。大型で、稜がなく、茎の断面が丸みのある三角形、叢生し、基部は赤色を帯び膨れる。葉は幅5~8㎜、花序より長くなるものもある。苞葉は葉状、3~8個つき、数個が花序より長くなる。花序枝は7~15個つき、複生し、小穂が軸にやや斜めに開出してつき、黄金色に色づく。小穂は長さ10~20㎜、幅約1㎜の線形、小花を8~10個もつ。小穂の小軸はややコルク質で翼状になり、果実を包み、果実が熟すと苞頴(鱗片)の基部で折れ曲がりやすくなり、完熟すると鱗片の基部にある関節がはずれてバラバラになって落ちる。鱗片は長さ3~3.5㎜(写真の実測2.5~2.6㎜)、質が革質、7脈があり、中肋は2折し、背が丸く、先が少し尖る。鱗片は上下の間が離れて小穂につく。果実は長さ1.5~1.8(約1.8)㎜の狭倒卵形~長楕円形(3稜のある円筒形)。花柱は長さ0.2~0.4㎜。柱頭は3岐、長さ1.2~1.5㎜。花期は8~10月。

 23  Cyperus eragrostis Lam.  メリケンガヤツリ メリケン蚊帳吊
 北アメリカ、南アメリカ原産。ヨーロッパ、アジア、アフリカ、オーストラリアなどに広く帰化している。中国名は密穗莎草 mi sui suo cao 。英名は tall umbrellaplant, drain flat sedge, pale galingale ,tall flat sedge 。別名はオオタマガヤツリ。川原、湿地、草地、道端などに生える。
 多年草。高さ (25)40~60(90) ㎝ 。茎は太く、角の丸い3稜形で無毛、基部は赤色を帯びる。葉は平らかV字形、長くなると茎とほぼ同じ長さで、幅5~8(12) ㎜、縁はざらつく。苞葉は葉状で、4~7個つき、花序より長くなるものが多く、最下のものが最も長い。花序は小穂が多数集まり球形となる。花序枝は長さ1~10㎝で、7~10個つく。小穂は黄緑色~緑色でやや白色を帯びることもあり、長さ5~20㎜の長楕円形、小花は(12)20~30(50) 個つく。小穂の下側から熟し、順次、落ちていく。苞頴(鱗片)は淡黄緑色、長さ約2㎜、中肋は緑色。果実は長さ1.2~1.4㎜の倒卵形、明瞭な3稜があり、柱頭は3岐、雄しべは1個。2n=42。花期は7~9月。

 24  Cyperus esculentus L.  ショクヨウガヤツリ 食用蚊帳吊
   synonym Cyperus esculentus L. var. sativus Boeck.
 温帯~熱帯に広く分布、アジアではインド、ネパール、パキスタン、インドネシア、ベトナム、イエメン、アフガニスタン、イラン、イラク、トルコなどが原産。英名はyellow nutsedge。別名はキハマスゲ、チョウセンラッカセイ。
 多年草、高さ40~80㎝。地中に根茎を伸ばし、先端に長さ5~10㎜の球形の塊根をつくる。種子でも増えるが、塊根でも増え、除去しにくい害草である。稲刈りの後に水田一面がショクヨウガヤツリで黄色くなっていることを目にするほどである。茎は単生し、基部は赤色を帯びる。葉は幅約5㎜、花序の高さ以下。花序は複生し、花序軸には刺がある。小穂は長さ5~20㎜、幅約1㎜の倒披針形~線状惰円形、黄褐色で、熟すと次第にわら色に変わる。苞頴(鱗片)は長さ約2㎜。果実は長さ1~1.5㎜の倒卵形。花柱は長さ0.5~1㎜、柱頭は長さ1~2㎜。雄しべ3個。花期は7~9月。

 25  Cyperus exaltatus Retz.  カンエンガヤツリ 広義
 日本、朝鮮、中国、インド、ネパール、スリランカ、カシミール、バングラデシュ、パキスタン、ミャンマー、タイ、ベトナム、インドネシア、マレーシア、パプアニューギニア、熱帯アフリカ、オーストラリア、西インド諸島。中国名は高秆莎草 gao gan suo cao 。
25-1 Cyperus exaltatus Retz. var. iwasakii (Makino) T.Koyama  カンエンガヤツリ
   synonym Cyperus iwasakii Makino
   synonym Cyperus exaltatus Retz. subsp. iwasakii (Makino) T.Koyama 

 26  Cyperus filiculmis Vahl  アレチハマスゲ 荒地浜菅
   synonym Cyperus tenuiculmis auct. non Boeck.
   synonym Cyperus martindalei Brittton
 北アメリカ原産。英名はwiry flatsedge

 27  Cyperus flaccidus R.Br.  ヒナガヤツリ 雛蚊帳吊
   synonym Cyperus hakonensis Franch. et Sav.
 日本(本州、四国、九州)、朝鮮、アジア、オーストラリア原産。英名はlax flat-sedge。田の畔、川の縁などに生える。
 1年草、高さ5~20㎝。全体に小型で、柔らかく、叢生する。花序は5~7個に分枝し、枝先に数個の小穂を掌状につける。苞葉は最下のものが長い。小穂は黄緑色、扁平、長さ3~10㎜の線状惰円形。苞頴(鱗片)の先端は芒状になり、反曲する。果実は鱗片の半長以下、鱗片に包まれ、長さ約0.5㎜の倒卵形、淡褐色、頭部は丸く、3稜があり、表面に微細な斑紋がある。果実は小穂の基部の方から熟し、離れていく。2n=36。花期は7~9月。

 28  Cyperus flavidus Retz.  アゼガヤツリ  畔蚊帳吊
   synonym Cyperus globosus All. var. nilagiricus (Hochst. ex Steud.) C.B. Clarke 
   synonym Cyperus nilagiricus Hochst. ex Steud.
   synonym Cyperus globosus All. 
   synonym Cyperus globosus All. f. fuscoater (Meinsh.) Kuk. 
 日本(本州、四国、九州、沖縄)、アジア、アフリカ、ヨーロッパ、オーストラリア原産。中国名は球穗扁莎 qiu sui bian suo 。英名はyellow flat-sedge。田の畔、湿地に生える。
 1年草、高さ20~40㎝。茎は細くて硬く、多数叢生する。葉は茎より短く、幅1~1.5㎜。茎の先に散房状の花序をつけ、花序枝は6~7個。苞は4~6個つき、下部の苞は花序より長い。小穂は赤褐色で、花序にややまばらに付き、長さ10~25㎜、幅1.5~2.5㎜の扁平な線状披針形。小花は10~40個。苞頴(鱗片)は紫褐色、長さ約2㎜、幅1㎜の長楕円形、円頭、中肋は緑色。果実は淡黄褐色~淡赤褐色、長さ約8㎜の倒卵形、表面に光沢があり、細かい粒状突起がある。花柱は短く長さ0.2~0.3㎜。柱頭は2岐、長さ0.7~1㎜と長い。雄しべは3個。花期は8~10月。

 29  Cyperus fuscus L.  クロガヤツリ 黒蚊帳吊
 中国、モンゴル、ロシア、インド、アフガニスタン、カシミール、カザフスタン、タジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタン、ラオス、タイ、ベトナム、南西アジア、北アフリカ、ヨーロッパ、大西洋諸島原産。北アメリカに帰化。中国名は褐穗莎草 he sui suo cao 。英名はBrown galingale

 30  Cyperus glomeratus L.  ヌマガヤツリ 沼蚊帳吊
 日本(本州の関東以西)、朝鮮、中国、ロシア、カシミール、カザフスタン、タジキスタン、ウズベキスタン、南西アジア、ヨーロッパ原産。中国名は头状穗莎草 tou zhuang sui suo cao 。愛知県の準絶滅危惧種。
 1 年草。根はひげ根。茎は太く、丈夫、単生または少数束生し、高さ30~60(~90)㎝、不明瞭な3稜があり、平滑、下部は濃褐色(赤褐色)の葉鞘に包まれる。葉は少数、稈より短いか又はわずかに長い。葉身は線形、幅3~7(8)㎜である。総苞は3~4 個で葉状、花序よりも長い。花序は複合のイグサ形花序(anthela)。花序枝(ray)は3~8個、長さ3~10(~12)㎝、長さが異なり、小型の個体では出ないこともある(Flora of Chinaではrayletsは欠くとしている)。小穂は密集して長卵形(類球形~楕円形~長円形)、長さ3~4㎝(Flora of CVhina 長さ1~3㎝×幅0.6~1.7㎝)、の花序枝の無い花序(花穂)をつくり、その花穂が花序枝の先端に3~5 個つく。小穂は線形、長さ5~10㎜×幅1.5~2㎜、茶褐色、わずかに扁平、10~20(8~16) 個の花からなり、小軸(rachilla)の翼は白色、狭く、透明。包頴((glumes)は赤褐色、緩く、類長円形~長円状披針形、長さ約2㎜、わずかに開出し、脈は不明瞭、竜骨は無く、縁は内巻、先は鈍形。雄しべは3個、葯は短い長円形、葯隔は葯よりはっきり長い。花柱はわずかに長い。柱頭は3個、±短い。小堅果は暗灰色、狭長円形、基部につく包頴の長さの約1/2、3面があり、著しい網状の条線がある。花期と果期は(6)9~10月。(レッドデータブック愛知 , Flora of China)

 31  Cyperus haspan L.コアゼガヤツリ  広義
 熱帯~温帯アジアに広く分布。中国名は畦畔莎草 qi pan suo cao。
31-1 Cyperus haspan L. var. tuberiferus T.Koyama  コアゼガヤツリ小畔蚊帳吊
 日本(本州、四国、九州、沖縄)、熱帯~温帯アジアに広く分布。別名はオオミズハナビ 大水花火。
 多年草、高さ20~60㎝。全体に柔らかい。匍匐根茎があり、節から茎を単生して広がる。茎は基部が赤色を帯び、3稜が薄く、太さの割りに弱い。葉は幅2~4㎜、茎より短いのが普通。苞葉は2~3個つき、1個だけが花序より長くなる。花序は複生することが多く、花序枝は長さがまちまちで、5~20個つく。小穂は長さ5~12㎜、幅約2㎜の扁平な線状惰円形で、赤褐色を帯びる。苞頴(鱗片)は長さ約1.8㎜の狭長楕円形で、先が尖る。果実は3稜形、長さ0.7~0.8㎜、幅0.3~0.5㎜。花柱は0.2~0.3㎜、柱頭は長さ約1㎜。雄しべ3個。2n=26。花期は8~11月。  日陰に生えると草丈が高く、花序枝が長く、日当たりがよいと花序枝が短い。花序枝も場所によってはほぼ水平につくものがあり、同種のものとは思えないほど外観が異なる。(写真のもの:①小穂の長さ4~13㎜、鱗片は長さ1.76㎜、果実は長さ0.56㎜、幅0.36㎜。花柱は0.23㎜、柱頭は長さ0.93㎜。雄しべ3個 ②穂の長さ8.5~10.5㎜、鱗片は長さ1.6㎜、痩果は長さ0.75㎜、幅0.36㎜。花柱は0.25㎜、柱頭は長さ0.8㎜。雄しべ3個)
31-2 Cyperus haspan L. var. microhaspan Makino  ツルナシコアゼガヤツリ
 根茎がほとんどなく、ひげ根のみであり、果実が小さく、雄しべが少ない。鱗片が長さ約1.1㎜の長楕円形、中肋が微突し、短い芒状になる。果実は長さ0.5~0.6㎜、花柱は0.3~0.5㎜。柱頭は長さ約0.5㎜。雄しべは1個。

 32  Cyperus houghtonii Torr.  ミヤギノガヤツリ 宮城野蚊帳吊
 北アメリカ原産。英名はHoughton’s flatsedge 。 宮城野区の仙台港周辺で国内で初めて帰化が確認され、和名がつけられた。

 33  Cyperus imbricatus Retz.  オオガヤツリ 大蚊帳吊
 日本、中国、台湾、インド、ネパール、アフガニスタン、バングラデシュ、ミャンマー、ラオス、タイ、ベトナム、マレーシア、フィリピン、パプアニューギニア、南西アジア、熱帯アフリカ、熱帯アメリカ、西インド諸島、マダガスカル原産。中国名は迭穗莎草 die sui suo cao 。英名はshingle flatsedge
33-1 Cyperus imbricatus Retz. subsp. elongatus (Boeck.) T.Koyama  オオコゴメガヤツリ
   synonym Cyperus imbricatus Retz. var. multiflorus Kuk.
   synonym Cyperus imbricatus Retz. var. densespicatus (Hayata) Ohwi 
 Flora of Chinaでは亜種や変種を含める。

 34  Cyperus iria L.  コゴメガヤツリ 小米蚊帳吊
 日本(本州、四国、九州、沖縄)、朝鮮、中国、アジア、アフリカ、オーストラリア原産。世界に広く分布し、南北アメリカなどに帰化。中国名は碎米莎草 sui mi suo cao 。英名はricefield flatsedge, grasshopper's cyperus。畑、畦、道端、などやや湿った場所に生える。
 1年草、高さ20~60㎝。茎は3稜形、叢生し、直立する。葉は幅2~6㎜。葉状の苞葉は2~3個つき、その間から長さ約15㎝の花序を多数出す。小穂は長さ3~10㎜の線形、開出せず、軸に沿って斜上し、黄色がかって米粒のように見える。苞頴(鱗片)は膜質、緑色の中肋がわずかに突出する。果実は長さ約1㎜の3稜のある倒卵形。果実は褐色に熟すと、鱗片をつけて落ちる。2n=108,112,116,128。花期は7~10月。

 35  Cyperus javanicus Houtt.  オニクグ
 日本(沖縄)、中国、台湾、インド、スリランカ、ミャンマー、カンボジア、タイ、ベトナム、インドネシア、マレーシア、フィリピン、パプアニューギニア、オーストラリア、太平洋諸島、マダガスカル、西インド諸島原産。中国名は羽状穗砖子苗 yu zhuang sui zhuan zi miao 。

 36  Cyperus kamtschaticus (Meinsh.) Yonek.  タチヒメクグ
   synonym  Kyllinga kamtschatica Meinsh. 【ヒメクグ属】
   synonym Kyllinga brevifolia auct. non Rottb.  タチヒメクグ(マメクグ)
 日本(関東以北)、ロシアに分布する。
 短命な1年草、根茎は細く、ごく短く、節間もごく短い。高さ5~10(20)㎝以下。直立性(orthotropic)又は(ときに部分的に)シュートを広げる。茎(稈)は多数株立になり、ごく短いものもあり、高さ (3) 5~15 (20)㎝、平滑、基部に赤褐色の鞘をもつ。葉は茎より明らかに短く、まれに長く、幅1~1.5(2)㎜、平ら、ときに多少、沿って折りたたまれる。普通の花序は頭状、長さ4~7㎜、多数の小穂を密につける。苞葉は葉状、普通3個、最長の1個は直立し、花茎より長く、下部の2~3個の苞葉は長さ (1) 2~5 (8)㎝、星形、緑色。 小穂は長さ2.5~3.5㎜、小花は1個(ときに2つ目の雄花がある)。苞頴(鱗片)は果実の長さの2~3倍、淡色又は帯褐色、折り畳まれ、膨らまない、緑色の竜骨上に透明膜質、幅の狭い2等辺3角形状の小刺がある。雄しべは2個。葯は長さ約1㎜。果実は長さ1.1~1.2㎜、幅0.7~0.8㎜。花期は6~7月、果期は8~10月。
 37  Cyperus leptocarpus (F.Muell.) Bauters ヒンジガヤツリ 品字蚊帳吊
   synonym Lipocarpha microcephala (R.Br.) Kunth 【ヒンジガヤツリ属】 [Flora of China]
   synonym Rikliella australiensis J.Raynal
   synonym Cyperus zollingeriana (Boeck.) T.Koyama
 日本(本州、四国、九州、沖縄)、朝鮮、中国、台湾、インド、カンボジア、ラオス、ミャンマー、タイ、ベトナム、インドネシ。フィリピン、パプアニューギニア、オーストラリア原産。中国名は湖瓜草 hu gua cao。英名はsmallhead halfchaff sedge。水田、湿地に生える。
 多年疎。高さ5~25㎝。根茎はなく、茎は直径1㎜以下の円筒形、叢生して、直立し、基部は紫色を帯びる。葉は幅1~2㎜、茎の基部の葉鞘に続いてつき、長さは長短あり、長いものは先が丸まって細くなる。苞葉は長さ1~10㎝、2~3個が斜めに下がってつく。苞葉の長いものは、左右が上側に丸まり、葉と同じような糸状になる。やや縦長の球形の頭状花序が3~5(普通3)個、茎頂につき、3個の場合に品の字形になる。花序は直径3~5㎜。花序の下側の果実から稔り、熟すと果実が苞頴(鱗片)と一緒に落ち、軸が見えるようになる。鱗片は長さ1~2㎜の褐色、披針形、中肋は緑色で、先が突き出て芒状になる。雄しべ1~2個。葯は長さ約0.25㎜。果実は長さ0.7~1㎜、幅0.15~0.2㎜、断面が円形の披針形、2枚の透明な薄膜に包まれる。柱頭は2岐。2n=46。花期は8~10月。

 38  Cyperus longus L.  セイタカハマスゲ 背高浜菅
   synonym Cyperus fenzelianus Steud.
 インド、ネパール、パキスタン、アジア西部~中部、ヨーロッパ、アフリカ原産。英名はgalingale , sweet cyperus , sweet galingale

 39  Cyperus malaccensis Lam.  オオシチトウ 広義
 日本、中国、台湾、インド、ネパール、スリランカ、パキスタン、ミャンマー、タイ、ベトナム、インドネシア、マレーシア、フィリピン、パプアニューギニア、南西アジア、オーストラリア北部原産。中国名は茳芏 jiang du。英名はshichito matgrass 。
 多年草。根茎は長く、木質、まれに、細い匍匐茎をもつ。稈は高さ0.5~1.5m、太さ4~6㎜、鋭い3稜形、平滑、基部は褐色、葉身の無い鞘をもち、上部の1~2個の鞘は葉身をもつ。葉身は欠くか又は長さ3㎝×幅4~8㎜、平ら。苞葉(Involucral bracts )は3~4個、葉状、長さ20㎝以下、花序より長いか又は短い。花序は単純又は複合のイグサ状花序、花序枝は6~10本、ほとんどが長さ9㎝以下。穂状花序は広卵形、小穂を5~10個もつ。花序軸はぴんと張り、無毛。小穂は緩くつき、線形、長さ0.8~2.5(~3)㎝×幅約1.5㎜、わずかに膨れ、広がり、花が10~42個つく。小軸は翼が白色、狭く、透明。苞頴(鱗片)は赤褐色、縁は帯黄色~わら色、緩く、長円形~楕円形、長さ2~2.5㎜、紙質、不明瞭な7~9脈があり、熟すと縁が内巻、先は鈍形~円形。雄しべは3個。葯は線形、葯隔は葯を明瞭に越える。花柱は短い。柱頭は3個、細い。小堅果は熟すと黒褐色、狭長円形、長さ1.7~2㎜、ほとんど基部の苞頴と同長、3面があり、微細な細点がある。花期と果期は6~11月。
39-1 Cyperus malaccensis subsp. malaccensis  オオシチトウ 大七島
 日本、中国、台湾、インド、ネパール、スリランカ、パキスタン、ミャンマー、タイ、ベトナム、インドネシア、マレーシア、フィリピン、パプアニューギニア、南西アジア、オーストラリア北部原産。中国名は茳芏 jiang du。英名はshichito matgrass 。
 最も先の葉は葉身が長い。基部の苞葉は花序より長く、開出する。苞頴はわずかに内側に曲がる。花期と果期は6~10月。
39-1 Cyperus malaccensis Lam. subsp. monophyllus (Vahl) T.Koyama  シチトウイ  七島藺
   synonym Cyperus malaccensis Lam. subsp. brevifolius (Boeck.) T. Koyama 
   synonym Cyperus malaccensis Lam. var. brevifolius Boeck.
   synonym Cyperus monophyllus Vahl
 日本、中国、台湾、ベトナム、インドネシア原産。中国名は短叶茳芏 duan ye jiang du 別名をリュウキュウイ(琉球藺)。
 葉は葉身が短いか又はごく短く、ときに、最下の鞘は葉身が無い。苞葉は花序より短い。苞頴は内側に曲がらない。花期と果期は6~11月。

 40  Cyperus michelianus (L.) Link  コシロガヤツリ 小白蚊帳吊
 日本、朝鮮、中国、ロシア、カザフスタン、インド、ネパール、カシミール、パキスタン、ラオス、タイ、ベトナム、フィリピン、パプアニューギニア、南西アジア、ヨーロッパ、アフリカ、オーストラリア原産。中国名は旋鳞莎草 xuan lin suo cao 。英名はMichel's Flat Sedge

 41  Cyperus microiria Steud.  カヤツリグサ 蚊帳吊草
 日本(本州、四国、九州)、朝鮮、中国、インド、タイ、ベトナム原産。中国名は具芒碎米莎草 u mang sui mi suo cao。英名はAsian flatsedge。別名はキガヤツリ
 1年草。高さ30~50㎝。茎は叢生し、葉は根元に付き、幅2~3㎜。苞は葉と同じ形で長く、3~4個つき、その上に5~7個の花序がつく。花序は枝分かれする。小穂のつく軸には狭い翼がある。小穂は長さ7~12㎜の扁平な線形。鱗片は、別名のキガヤツリのとおり、黄色~黄褐色。鱗片の中肋は緑色で、先が突き出る。果実は長さ約1.2㎜の倒披針形、断面は3稜形。花期は7~10月。

 42  Cyperus mindorensis (Steud.) Huygh.  オオヒメクグ
   synonym  Kyllinga nemoralis (J.R. et G.Forst.) Dandy ex Hutch. et Dalziel   【ヒメクグ属】
   synonym Kyllinga monocephala Rottb
   synonym Cyperus kyllingia Endl. 
  中国、台湾、インド、ブータン、ネパール、パキスタン、スリランカ、ミャンマー、タイ、ベトナム、インドネシア、マレーシア、フィリピン、パプアニューギニア、ソロモン諸島、アフリカ、オーストラリア、太平洋諸島分布。南アメリカに帰化。英名はwhite kyllinga , white water sedge 。中国名は单穗水蜈蚣 (dan sui shui wu gong)。
 多年草、根茎は長く這う。稈は離れ又は疎に群生し、高さ10~40㎝、細く、つぶれた3稜形、基部は膨れない。葉は普通、稈より短い。葉鞘は褐色又は紫褐色の班があり、短く、最も基部のものは葉身が無い。葉身は幅2.5~4.5㎜、平ら、ふにゃふにゃし、縁は疎な歯状。苞葉(総苞片)は3~4個、葉状、花序より長い。穂状花序は1(~3)個つき、卵形~球形、長さ5~9㎜、幅5~7㎜、多数の小穂をもつ。小穂は類倒卵形~狭卵状長楕円形長さ2.5~3.5㎜、幅約1.5㎜、扁平、1小花。苞頴(鱗片)は淡色~わら色、さび褐色の斑紋があり、舟形、長さ2.5~3.5㎜、竜骨の翼は基部で狭く、中間~先では広く、竜骨の両サイドに3又は4脈があり、縁は小刺状、先はわずかに曲がり、微突形。雄しべは3個。花柱は長い。柱頭は2個。小堅果は褐色、長楕円形~倒卵状長楕円形、長さは基部につく鱗片の長さの約1/2、扁平な平凸形、密に細点があり、先は短い微突形。花期と果期は4~8月。2n=18.

 43  Cyperus niigatensis Ohwi  ニイガタガヤツリ 
   synonym Cyperus nipponicus Franch. et Sav. var. niigatensis (Ohwi) T.Koyama 
   synonym Cyperus nipponicus Franch. et Sav. subsp. niigatensis (Ohwi) T.Koyama
 日本固有種(本州宮城県以西、四国)
 アオガヤツリに似ている。苞頴(鱗片)は2列につき、薄膜質、卵円形、長さ1.5~1.7㎜、鈍頭、中肋は突出しない。果実は長楕円形、、長さ約0.8㎜、縁の2稜は膨れた狭い翼状。

 44  Cyperus nipponicus Franch. et Sav. アオガヤツリ 青蚊帳吊
   synonym Cyperus michelianus (L.) Link subsp. pygmaeus (Rottb.) Asch. et Graebn. var. nipponicus (Franch. et Sav.) Kuk.
 日本(本州、四国、九州)、沖縄、朝鮮、中国、ロシア原産。中国名は白鳞莎草 bai lin suo cao 。別名はオオタマガヤツリ
 1年草、高さ10~25㎝。茎は叢生し、放射状に広がる。葉は幅1~2.5㎜の線形。花茎の先に、茎より長い葉状の苞が3~4個つき、短くて細い苞が数個つく。花序は苞の上に接してつき、淡緑色、直径0.5~2.5㎝の球形であり、花序枝の先につくこともある。小穂は長さ3~8㎜、幅1.5~2㎜のやや扁平な披針形で、先が尖り、小花10~30個。苞頴(鱗片)は密に小穂につき、膜質、長さ1.7~2.2㎜、背側が丸く、中肋が緑色で、先が少し突き出し尖る。果実は長さ0.8~1.1㎜、幅0.5~0.6㎜の倒卵形~卵形、普通、腹面が平ら(わずかに凹む程度)で、背面が丸く、扁平な2稜形であり、3稜形になることもある。果実の稜には膜質の狭い翼がわずかにある。柱頭は普通、2分岐。雄しべは1個。果期は8~10月。
44-1 Cyperus nipponicus Franch. et Sav. var. spiralis Ohwi  オオシロガヤツリ
   synonym Cyperus nipponicus Franch. et Sav. subsp. spiralis (Ohwi) T.Koyama
 小穂は密生し、長さ3~7㎜、筒状披針形、扁平とはならない。苞頴(鱗片)は卵形、長さ約1.7㎜、薄膜質、鋭頭。果実は3稜形、倒卵形、長さ約0.8㎜。柱頭は3分岐。

 45  Cyperus nutans Vahl
 日本(沖縄)、中国、台湾、インド、ブータン、ネパール、スリランカ、ラオス、タイ、ベトナム、インドネシア、マレーシア、パプアニューギニア、オーストラリア、アフリカ原産。中国名は垂穗莎草 chui sui suo cao 。
45-1 Cyperus nutans Vahl var. subprolixus (Kuk.) T.Koyama  ヒメホウキガヤツリ
   synonym Cyperus eleusinoides Kunth var. subprolixus Kuk. 
   synonym Cyperus nutans Vahl subsp. subprolixus (Kuk.) T.Koyama 
 日本(沖縄)、中国、台湾、インド、インドネシア、レーシア、オーストラリア、アフリカ原産。

 46  Cyperus odoratus L.  キンガヤツリ
   synonym Cyperus ferax Rich.
   synonym Cyperus ferruginescens Boeck.  ヒメムツオレガヤツリ
   synonym Cyperus engelmannii Steud.
   synonym Torulinium odoratum (L.) S. S. Hooper
 日本、朝鮮、台湾、イラン、イラク、アゼルバイジャン、ミャンマー、タイ、ベトナム、インドネシア、マレーシア、フィリピン、パプアニューギニア、太平洋諸島、アフリカ、オーストラリア、北メリカ、南アメリカ原産。英名はcalingale , fragrant flat sedge , rusty flat sedge

 47  Cyperus ohwii Kuk.  ツクシオオガヤツリ 筑紫大蚊帳吊
   synonym Cyperus elatus var. macronux Clarke
 日本、バングラデシュ、タイ、ベトナム、ジャワ島、オーストラリア(クイーンズランド州) 原産。日本では九州の福岡県、大分県、本州の千葉県、茨城県に分布する。(1909年の福岡市で発見された)。低地の湿地に生える。
 多年草、根茎は短く、太い。稈は高く(1~1.5m)、3稜形、しばしば先で凹面、先で太さ5~8㎜。葉は幅約15㎜、、中肋と2面の脈が明瞭。花序は合成~複合成、長さ30㎝以下。苞葉=総苞片は約5個、葉状、最下の苞葉は花序をかなり越え、長さ68㎝以下、幅約1.5㎝、縁はざらつく。Cladoprophyll (部分的な花序の軸の基部につく、筒状の前出葉(prophyl))が明瞭、長さ5.8㎝以下、ほとんどが平滑な竜骨を持つ。1次の花序枝は約5本、不等長、最も長いものは長さ22㎝以下。2次の花序枝は細く、長さ5㎝以下。穂状花序は掌状、円筒形、長さ3~5.5㎝×幅8~11㎜。小穂は多数、穂状花序的につき、斜めに開出、長さ5~7㎜×幅0.8~1.2㎜、花が12~14個つく。小軸は翼があり、翼は披針形、長さ約0.7㎜、早落性。苞頴(鱗片)は覆瓦状、膜質、」楕円形~卵形、約長さ1.5㎜×幅1㎜、3本の脈の竜骨と側脈はない。雄しべは3個。葯は線形、長さ約0.4㎜、明瞭に細かい剛毛で覆われた葯隔の付属体がある。花柱は長さ0.8~1㎜。柱頭は3個。堅果は3稜形、腹側の表面がやや凹面、長円状楕円形、約長さ1.2㎜×幅0.5㎜、淡い灰色、表面に細かい網目がある。花期と果期は9~10月。
C. ohwiiは C. elatusから次の相違により分離された。稈がより丈夫(先が太さ5~8㎜)、葉の幅が広い(幅約15㎜)、穂状花序が太さ8~11㎜、小穂が幅0.8~1.2㎜、Cladoprophyll はほとんど平滑な竜骨をもち、堅果はより大きい(約長さ1.2㎜×幅0.5㎜)。

 48  Cyperus orthostachyus Franch. et Sav.  ウシクグ 牛莎草
   synonym Cyperus truncatus Turcz. ex Ledeb.
   synonym Cyperus orthostachyus Franch. et Sav. var. robustus (Nakai) H.Hara
 日本(北海道、本州、四国、九州)、朝鮮、中国、ロシア、ベトナム原産。中国名は三轮草 san lun cao 。田の畔、湿った荒地 に生える。茎や葉をもむとレモンのような香りがする。
 1年草。高さ20~70㎝。茎は叢生する。葉は茎より長く、幅2~8㎜、カヤツリグサよりやや幅が広い。葉と同形の3~5個の苞の間から、5~7個の枝を出し、ブラシ形の花序をつける。花序の枝は不揃いで、長いものは20㎝にもなるのが特徴である。小穂は扁平、長さ4~25㎜、幅1.5~2㎜、褐紫色、小花は10~46個。苞頴(鱗片)は紫褐色で、中肋は緑色、鈍頭。果実は倒卵形で、断面は3稜形。花期は8~10月。

 49  Cyperus oxylepis Nees ex Steud.  オオタガヤツリ
 メキシコ、南アメリカ原産。北アメリカに帰化。英名はsharpscale flatsedge。

 50  Cyperus pacificus (Ohwi) Ohwi  シロガヤツリ 白蚊帳吊
   synonym Cyperus michelianus (L.) Link var. pacificus Ohwi 
   synonym Cyperus michelianus (L.) Link subsp. pacificus (Ohwi) T.Koyama 
 日本(北海道、本州)、朝鮮原産。湿地、休耕田、池沼の縁などに生える。
 1年草、高さ5~20㎝。 全体に柔らかく、叢生する。葉は稈より短く、淡緑色、幅1~2㎜。葉鞘は白緑色、赤紫色を帯びる。苞葉は3~6個、葉状、長さ5~10㎝、花序より長い。花序は頭状、花序枝はない。 小穂は狭卵形、長さ3~5㎜×幅約1.5㎜、白緑色、やや扁平。苞頴(鱗片)は2列につき、卵形、長さ約2㎜、鋭頭、薄膜質、3~5脈あり、ほとんど竜骨状にならない。果実は長楕円形、レンズ形、長さ約1㎜、鱗片の長さの1/2、2稜は鋭く、狭い翼状となる。花柱は長さ約1㎜。 柱頭は普通、2岐、まれに、3岐。

 51  Cyperus pannonicus Jacq.  シオガヤツリ
 中国、モンゴル、ロシア、カザフスタン、キルギスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタン、南西アジアヨーロッパ原産。中国名は花穗水莎草 hua sui shui suo cao 。

 52  Cyperus papyrus L.  カミガヤツリ
 アフリカ原産。英名はEgyptian paperplant , papyrus。

 53  Cyperus pedunculatus (R.Br.) J.Kern  コウシュンスゲ
   synonym Remirea maritima Aubl.
 日本(本州、九州、沖縄)、熱帯アジア、アフリカ、熱帯アメリカ、オーストラリア原産。日本では絶滅危惧ⅠA類に指定されている。
 根茎は長く、多数、分枝、砂に埋まる。稈は長さ12㎝×幅2㎜以下、平滑。葉鞘は先が切形。葉身は中肋が竜骨になり、線状披針形、長さ3~8㎝×幅2~6㎜、革質、縁は細かいざらつきがある。苞葉は1~6個、葉状。穂状花序は1~6個、密につき、卵形。小穂は卵形~楕円形、小軸は落葉性、基部に関節があり、節間は2個、長さ2~6㎜×幅1㎜、コルク質、翼は宿存し、痩果を抱く(包む)。苞は卵形、長さ2~2.5㎜、前出葉(prophyll)は卵状披針形、長さ1.5㎜。苞頴(鱗片floral scales)は2~3個、汚白色(off-white)~赤褐色、5~9脈があり、卵形、長さ3.3~3.6(~4)㎜×幅1.3~1.7㎜。雄しべの花糸は長さ2~3.2㎜。葯は線形長さ 0.9~1.2(~1.6)㎜。葯隔は先が帯赤色、長さ0.1~0.4㎜、無毛。花柱は長さ0.5~1㎜。柱頭は長さ2㎜、無毛。痩果は褐色、やや柄があり、長円形~楕円形、長さ1.8~2㎜×幅0.5~0.6㎜、先は鋭形、パピラがある。果期は初夏。

 54  Cyperus pilosus Vahl  オニガヤツリ 鬼蚊帳吊
 日本(本州の東海地方以西、四国、九州、沖縄)、中国、台湾、インド、ブータン、ネパール、スリランカ、東南アジア、オーストラリア、パプアニューギニア原産。中国名は毛轴莎草 mao zhou suo cao
多年草。高さ30~100㎝。 長い匐枝がある。茎は鋭い3稜形、基部の鞘は黄褐色。葉は幅4~10㎜、茎より短く、根元につく。花序は複生する。苞は3~4個つき、花序より長い苞が2~3個ある。花序軸には剛毛(刺毛)が密生する。小穂は長さ(5)7~15㎜、幅1.5~2㎜。鱗片は長さ約2㎜の広惰円形、わら色~赤褐色、縁が狭く膜質になり、中肋が緑色、先が短い芒端。果実は長さ約1.2㎜(実測は1~1.1㎜)、3綾形、褐色。柱頭は3分岐。2n=36,68  大型でよく似たカンエンガヤツリは花序より長い苞が3~5個あり、最下の苞が特に長い。果実が長さ約0.7㎜、白色。花期は7~10月。

 55  Cyperus platystylis R.Br.  ウキガヤツリ
 中国、台湾、インド、ネパール、スリランカ、バングラデシュ、ミャンマー、タイ、ベトナム、インドネシア、マレーシア、パプアニューギニア、オーストラリア原産。中国名は宽柱莎草 kuan zhu suo cao

 56  Cyperus polystachyos Rottb.  イガガヤツリ 毬蚊帳吊
 日本(本州関東地方以西、四国、九州、沖縄)、アジア、アフリカ、ヨーロッパ、南北アメリカ、オーストラリア原産。中国名は多枝扁莎 duo zhi bian suo 。英名はmanyspike flatsedge, bunchy flat sedge。
 多年草、高さ10~40㎝。茎は硬くやや根が横に這い、叢生する。葉は幅2~3㎜、長さは花茎の2/3長以下。茎は硬く、苞葉は4~6個。花序は赤褐色の小穂が密集して「栗のイガ」のように球形になる。やや長い花序枝があるものも多い。小穂は長さ1~2.5㎝、幅約1.5㎜の扁平な線状披針形で、先が尖り、小花が2列に15~40個並ぶ。鱗片は長さ約2㎜の倒卵形、光沢があり、黄褐色~赤褐色で、中肋が緑色、2折れする。果実はやや厚いレンズ形、長さ約1㎜の長倒卵形で、表面に細かい格子紋がある。熟すと褐色~黒褐色になる。柱頭は2岐。雄しべは2個。2n=106。花期は8~10月。

 57  Cyperus procerus Rottb.  ホクトガヤツリ
 中国、台湾、インド、ネパール、スリランカ、バングラデシュ、ラオス、カンボジア、タイ、ベトナム、インドネシア、マレーシア、フィリピン、アフリカ、オーストラリア、マダガスカル原産。中国名は拟毛轴莎草 ni mao zhou suo cao 。

 58  Cyperus prolifer Lam.  カラカサガヤツリ
   synonym Cyperus isocladus Kunth
 アフリカ原産。英名はdwarf papyrus , miniature papyrus

 59  Cyperus pumilus L.  シロヒナガヤツリ
 中国、台湾、インド、ブータン、ネパール、カシミール、スリランカ、パキスタン、バングラデシュ、ミャンマー、タイ、ベトナム、インドネシア、マレーシア、フィリピン、パプアニューギニア、アフリカ、オーストラリア、西インド諸島、マダガスカル原産。中国名は矮扁莎 ai bian suo 。

 60  Cyperus pygmaeus Rottb.  ヒメアオガヤツリ
   synonym Cyperus extremiorientalis Ohwi
   synonym Cyperus michelianus (L.) Link subsp. pygmaeus (Rottb.) Asch. et Graebn.
 日本、朝鮮、中国、台湾、インド、スリランカ、カシミール、ミャンマー、パキスタン、アフガニスタン、ラオス、タイ、ベトナム、インドネシア、フィリピン、パプアニューギニア、南西アジア、アフリカ、ヨーロッパ南部、オーストラリア、西インド諸島、マダガスカルに分布。中国名は矮莎草 ai suo cao 。

 61  Cyperus radians Nees et Meyen ex Kunth  シンチククグ
   synonym Cyperus shimadae Ohwi
 中国、台湾、スリランカ、ミャンマー、タイ、ベトナム、インドネシア、マレーシア原産中国名は辐射穗砖子苗 fu she sui zhuan zi miao 。

 62  Cyperus retrorsus Chapm.  ヒメミクリガヤツリ
 北アメリカ原産。英名はpinebarren flat sedge

 63  Cyperus rotundus L.  ハマスゲ 浜菅
 日本(本州、四国、九州、沖縄)、朝鮮、中国、台湾、アジア、アフリカ、ヨーロッパ原産。中国名は香附子 xiang fu zi 。英名は nut grass, nutsedge, coco-grass, ground-almond 。海岸に多く、街路でもよく見かけられる。世界に広く分布し、オーストラリア、南北アメリカなどに帰化している。
 多年草、高さ15~40㎝。地中に匐枝を伸ばし、先端にアーモンド形の塊根をつくる。大きな群落になることも多い。茎は細くて硬く、基部は褐色の繊維に覆われる。葉は幅2~5㎜、やや厚く、光沢があり、花茎より短い。苞は花序とほぼ同長。茎頂に1~5本の花序枝を出し、複生するものもある。枝先に小穂を3~8個、穂状につける。小穂は長さ1~4㎝、赤褐色、線形、小花は10~40個。鱗片は長さ3~3.5㎜、赤褐色、鈍頭、中肋が緑色。果実は長さ1~1.5㎜の惰円形。花柱は長さ1~1.5㎜、柱頭は3分岐して長さ約2.5㎜。雄しべ3個。2n = 80, 84, 96, 100, 104, 108, 110, 112, 116, 124, 132, 138, 160, ca. 200。花期は7~10月。
63-1 Cyperus rotundus L. var. yoshinagae (Ohwi) Ohwi  トサノハマスゲ
 小穂が短く、長さ10㎜以下、ハマスゲの1/2以下で4~9㎜程度。

 64  Cyperus sanguinolentus Vahl  カワラスガナ 河原菅菜
   synonym Cyperus sanguinolentus Vahl var. nipponicus Ohwi 
   synonym Pycreus korshinskyi (Meinsh.) V.I.Krecz.
   synonym Cyperus sanguinolentus Vahl f. nipponicus (Ohwi) T.Koyama 
 日本全土、朝鮮、中国、ロシア、アジア、アフリカ、オーストラリア原産。アジア、アフリカ、オーストラリアに広く分布し、アメリカ、ハワイなどに帰化している。中国名は红鳞扁莎 hong lin bian suo 。英名は purple-glume flat sedge 。田の畔、川原などに生える。
 1年草。高さ20~40㎝。茎は明瞭な三角形、叢生する。葉は茎より短く、幅2~3㎜、線形。茎の先に葉より長い苞が2~3個つき、その間に淡緑色~赤褐色を帯びた頭状に小穂が集まった花序がつく。花序枝を伸ばし、枝先に花序をつけることもある。花序枝は断面が円形で、基部が膨れる。小穂は長さ1~2㎝の長楕円形~披針形、扁平、小花は15~30個つく。鱗片は長さが2~2.5㎜、色は変化が多く、中肋は緑色で、やや先がとがる。痩果は長さ約1.3㎜の倒卵形、表面がしわ状に凸凹し、熟すと黒褐色となる。花柱は長さ約1㎜。柱頭は2分岐、長さ約1.5㎜。雄しべは3個。2n=48,50。果期は8~9月。

64-1 Cyperus sanguinolentus Vahl f. spectabilis (Makino) Ohwi  シデガヤツリ
   synonym Cyperus sanguinolentus Vahl var. spectabilis Makino
 小穂が卵状楕円形で長さ約3㎝×幅4㎜以上。

 65  Cyperus serotinus Rottb.  ミズガヤツリ 水蚊帳吊
 日本全土、朝鮮、中国、台湾、インド、パキスタン、ロシア、ベトナム、西アジア、ヨーロッパ原産。中国名は水莎草 shui suo cao 。英名はTidalmarsh flatsedge 。別名はオオガヤツリ。 湿地、水田、休耕田 などに生える。
多年草。高さ50~80㎝。根茎を広げ、大きな群落を作る。匐枝を夏の終り頃伸ばし、先端に塊茎をつける。葉は長さ50~60㎝、幅5~8㎜、苞は葉状で2~3個が葉より長く、幅も広い。花序は複生し、7~8本程度の枝を伸ばす。花序軸には剛毛(刺毛)がある。小穂は長さ10~15㎜、幅2~2.5㎜の長楕円形~線状長楕円形、淡褐色~赤褐色、白い糸状の柱頭が鱗片の外に長く出る。多数出たときには、白い毛が生えたように見える。小花は約20個が2列にならんでつく。鱗片は卵形、中肋は緑色で鈍頭。痩果は長さ約1.5㎜、幅約0.8㎜の卵円形、断面はレンズ形、表面はやや光沢があり、熟すと赤褐色になり、鱗片とともに落ちる。雄しべ3個。花柱は長さ1~1.5㎜。柱頭は長さ約1.5㎜で2岐。花期は8~10月。

 66  Cyperus sesquiflorus (Torr.) Mattf.
   synonym Kyllinga sesquiflora Torr.  【ヒメクグ属】
66-1 Cyperus sesquiflorus (Torr.) Mattf. et Kuk. subsp. cylindricus (Nees) T.Koyama  タイトウクグ
   synonym Kyllinga sesquiflora Torr. subsp. cylindrica (Nees) T.Koyama  【ヒメクグ属】
   synonym Cyperus kernianus Ohwi et T.Koyama
   synonym Cyperus sesquiflorus (Torr.) Mattf. et Kuk. var. cylindricus (Nees) Kuk.
   synonym Cyperus sesquiflorus (Torr.) Mattf. et Kuk. var. subtriceps (Nees) T.Koyama
 日本(沖縄)、中国、台湾、インド、ブータン、ネパール、スリランカ、タイ、ベトナム、インドネシア、フィリピン、パプアニューギニア、アフリカ、マダガスカルに分布。中国名は圆筒穗水蜈蚣 (yuan tong sui shui wu gong) 。
 多年草。根茎は短い。稈は束生し、高さ8~32㎝、わずかに細く、3角(かど)があり、平滑、基部に少数の葉がつく。葉は稈より短く、鞘は短い。葉身は幅2.5~4㎜、平ら、縁は細鋸歯。苞葉は3(又は4)個つき、ほぼ水平、ときに反曲する。穂状花序は(1~)3個集まってつき、多数の小穂が密につく。中央の穂状花序は長楕円状円柱形~卵形、長さ6~14㎜、幅4~6㎜。側穂状花序は長楕円形長さ約6㎜。小穂は卵状楕円形~卵形、長さ約2.2㎜、わずかに膨れ、1~2小花をもつ。鱗片は緑黄色~黄白色、広卵形、長さ約2㎜、凹面形、脈は数本、竜骨には小刺が無く、先は微突形。雄しべは2個。葯は広線形。花柱は中間の長さ。柱頭は2個。小堅果は初め黄色、熟すと暗褐色になり、楕円形~倒卵状楕円形、扁平な両凸形、細点のときがある。花期と果期は5~7月。

 67  Cyperus sphacelatus Rottb.  ゴマフガヤツリ 胡麻斑蚊帳吊
 アフリカ、南アメリカ原産。英名はroadside flat sedge 。アジア、北アメリカ、オーストラリアなどに帰化。
 68  Cyperus stoloniferus Retz.  スナハマスゲ 砂浜菅
 日本(沖縄)、中国、台湾、インド、パキスタン、スリランカ、カンボジア、ラオス、ミャンマー、タイ、ベトナム、インドネシア、マレーシア、フィリピン、パプアニューギニア、太平洋諸島、オーストラリア、西インド諸島、マダガスカル原産。中国名は粗根茎莎草 cu gen jing suo cao 。

 69  Cyperus strigosus L.  コガネガヤツリ
 北アメリカ、キューバ原産。英名はfalse nut sedge 。

 70  Cyperus sulcinux C.B.Clarke  ミゾミガヤツリ
   synonym Pycreus sulcinux (C. B. Clarke) C. B. Clarke in J. D. Hooker
         [Flora of China]カワラスガナ属
 中国、台湾、インド、ブータン、カンボジア、バングラデシュ、ミャンマー、タイ、ベトナム、インドネシア、マレーシア、フィリピン、パプアニューギニア、太平洋諸島、オーストラリア原産。中国名は槽果扁莎 cao guo bian suo 。

 71  Cyperus surinamensis Rottb.  スリナムガヤツリ
 北アメリカ、南アメリカ原産。英名はtropical flat sedge

 72  Cyperus tenuiculmis Boeck.  ゾリンゲルガヤツリ
   synonym Cyperus zollingeri auct. non Steud.
 日本、中国、台湾、インド、ブータン、ネパール、スリランカ、カンボジア、ラオス、ミャンマー、タイ、ベトナム、インドネシア、マレーシア、フィリピン、パプアニューギニア、熱帯アフリカ、太平洋諸島、オーストラリア原産。中国名は四稜穗莎草 si leng sui suo cao 。

 73  Cyperus tenuispica Steud.  ヒメガヤツリ
 日本、朝鮮、中国、台湾、インド、ブータン、カシミール、ネパール、スリランカ、パキスタン、タジキスタン、ウズベキスタン、ラオス、ミャンマー、タイ、ベトナム、インドネシア、マレーシア、フィリピン、熱帯アフリカ、オーストラリア西インド諸島原産。中国名は窄穗莎草(zhai sui suo cao)。
 鱗片は長さ約1㎜で、先が切形に近く、尖らない。痩果は長さ約0.4㎜、花柱はごく短い。柱頭は長さ約0.5㎜。雄しべは0~2個。2n=16 

 74  Cyperus textilis Thunb.  コシュロガヤツリ
 南アフリカ原産。英名はumbrella sedge 。

 75  Cyperus tuberosus Rottb.  タカオガヤツリ
 日本(沖縄)、中国、台湾、インド、スリランカ、マレーシア、南西アジア、アフリカ、西インド諸島原産。中国名は假香附子 jia xiang fu zi 。

 76  Cyperus unioloides R.Br.  ムギガラガヤツリ
   synonym Pycreus unioloides (R. Brown) Urban [Flora of China] カワラスガナ属
   synonym Pycreus chekiangensis Tang & F. T. Wang.
 日本、中国、台湾、インド、ブータン、ネパール、カンボジア、ミャンマー、タイ、ベトナム、インドネシア、フィリピン、パプアニューギニア、オーストラリア、アフリカ、アメリカ、マダガスカル原産。中国名は禾状扁莎 he zhuang bian suo 。

 77  交雑種
(1) Cyperus ×amurico-compressus チャイロクグガヤツリ
 チャガヤツリ×クグガヤツリ
(2) Cyperus × babae T.Koyama  オニチャガヤツリ
 カヤツリグサ×チャガヤツリ
(3) Cyperus × borealikiiensis T.Koyama  コウヤガヤツリ
 コゴメガヤツリ×ウシクグ
(4) Cyperus × condensatus T.Koyama  フサガヤツリ
   synonym Cyperus × amuricoides T.Koyama アイノコガヤツリ
 コゴメガヤツリ×チャガヤツリ
(5) Cyperus × kadzusensis T.Koyama  カズサガヤツリ
 アゼガヤツリ×カワラスガナ
(6) Cyperus × mihasii T.Koyama  ヒラボガヤツリ
 カヤツリグサ×コゴメガヤツリ
(7) Cyperus × ogawae T.Koyama  チャハマスゲ
 チャガヤツリ×ハマスゲ
(8) Cyperus × yamamotoi T.Koyama  コオニガヤツリ
 コゴメガヤツリ×オニガヤツリ
(9) Cyperus compressus L. × C. nipponicus Franch. et Sav.  クグアオガヤツリ
(10) Cyperus glomeratus L. × C. nipponicus Franch. et Sav.  ヌマアオガヤツリ


 参考

1) Flora of Cnina
 Cyperus
 http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=109010
2) GRIN
 Cyperus
 https://npgsweb.ars-grin.gov/gringlobal/taxonomygenus.aspx?id=3293
3)Flora of North America
 Cyperus
 http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=1&taxon_id=200007087
4) Nymphaea sulphurea in Global Plants on JSTOR
 Nymphaea sulphurea
 https://plants.jstor.org/compilation/Nymphaea.sulphurea
5) PlantNET - FloraOnline NEW SOUTH WALES FLORA ONLINE
 Nymphaea capensis Thunb.
 http://plantnet.rbgsyd.nsw.gov.au/cgi-bin/NSWfl.pl?page=nswfl&lvl=sp&name=Nymphaea~capensis
6) Bouteloua 28: 132-139 (V-2017). ISSN 1988-4257
 First record of Nymphaea × marliacea Lat.-Marl. 'Rosea’In the Iberian Peninsula
 https://pdfs.semanticscholar.org/5f7f/629b5d03b029b2a926b241457cbf698f4cb5.pdf
7)Viviparity in Hardy Waterlilies - Water Gardeners International
 Viviparity in the Hardy Waterlily
 http://www.watergardenersinternational.org/journal/4-1/pairat/page1.html
8 )Nymphaea micrantha Guill. & Perr. | Species | India Biodiversity Portal
 Nymphaea micrantha Guill. & Perr.
 https://indiabiodiversity.org/species/show/275986
9)NEW SOUTH WALES FLORA ONLINE- PlantNET - FloraOnline
 Nymphaea gigantea Hook.
 http://plantnet.rbgsyd.nsw.gov.au/cgi-bin/NSWfl.pl?page=nswfl&lvl=sp&name=Nymphaea~gigantea
10) Rheedea Vol. 24(2) 105-107 2014 ISSN: 0971 - 2313
 Notes on the distribution of Cyperus ohwii and lectotypification of C. elatus var. macronux
  (Cyperaceae)
 http://www.iaat.org.in/images/Rheedea_downloads/Rheedea_24_2/Rheedea_105-107.pdf
11)Cyperus pedunculatus in Global Plants on JSTOR
 Cyperus pedunculatus
 https://plants.jstor.org/compilation/Cyperus.pedunculatus
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