アイダクグ  

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Flora of Mikawa

カヤツリグサ科 Cyperaceae カヤツリグサ属

別 名 タイワンヒメクグ
中国名

短叶水蜈蚣 duan ye shui wu gong

英 名 shortleaf spikesedge , green kyllinga , perennial greenhead sedge , kyllinga weed
学 名 Cyperus brevifolius (Rottb.) Hassk. var. brevifolius
 synonym  Cyperus brevifolius (Rottb.) Hassk. 広義
 synonym Kyllinga brevifolia Rottb
 synonym Kyllinga brevifolia Rottb var. brevifolia
アイダクグ の惰円形の花序上
アイダクグ の惰円形の花序
アイダクグ の球形の花序
アイダクグ 楕円形の花序、小付き
アイダクグ の果実
アイダクグ
アイダクグ小穂
アイダクグ鱗片竜骨の刺
果 期 7~10月
高 さ 2~55㎝
生活型 多年草
生育場所 畦、湿地、湿った道端
分 布 在来種 日本(本州の関東地方以西、四国、九州)、朝鮮、中国、台湾、インド、ネパール、ブータン、パキスタン、スリランカ、ラオス、ミャンマー、タイ、ベトナム、フィリピン、インドネシア、マーレーシア、パプアニューギニア、アフガニスタン、バングラデシュ、アフリカ、大西洋諸島、オーストラリア、南北・中央アメリカ、インド洋諸島、マダガスカル、太平洋諸島
撮 影 三ヶ根山麓  07.7.23
アイダクグ Cyperus brevifolius (Rottb.) Hassk. var. brevifolius は全世界の熱帯~暖温帯に広く分布する。ヒメクグと似ており気づきにくい。撹乱の多い場所ではヒメクグではなく、アイダクグの方が多いと思われる。条件がよいとヒメクグよりかなり草丈が高くなり、花序はやや楕円形が多いが、球形のものも混じる。ヒメクグとの判別には苞頴(鱗片)の刺の確認が必要である。
 多年草、高さ2~55㎝。稈は高さ5~30㎝。根茎は赤色を帯び、横に伸びて匍枝状になり、太く、鱗片葉を含めると直径1㎜以上になる。花茎に長さ5~8(4~7)㎜の球形~やや惰円形の頭状花序が1(1~3)個つく。苞葉は2~3個付き、最長のものは最長23㎝に達するものも見られる。苞葉は水平からやや下向きにつく場合も多いが、場所によっては最下の苞葉がすべて直立しているときもある。小穂は長さ3~3.5(2.2~3.2)㎜の惰円形(長楕円形~披針形)。苞頴(鱗片)は4個つき、下の2個は小さい。小さい2個は薄い膜質。大きい2個の鱗片は長さ約3㎜及び約2.5㎜。鱗片の竜骨は緑色で、透明な三角形の膜質でない上向きの小刺がある。果実は長さ約1(1~1.3㎜)㎜の倒卵形(惰円形)、柄がわずかにある。柱頭は2分岐。花期および果期は(5)7~10月。2n=18。
 1枚目の写真は頭状花序の横に小さな花序がついており、このような形も多いようである。2枚目の写真は最下の苞葉がすべて直立し、頭状花序が球形のものもあり、タチヒメクグと誤認した草形である。

Cyperus brevifolius (Rottb.) Hassk. 広義のアイダクグ


 多年草、叢生または叢生せず、長い匍匐性の根茎をもつ。 ときに、稈は3㎝までの間隔を開け、高さ(5~)12~25(~55)㎝、平滑。 葉は平らで、長さ2~21cm×幅1.5~3.5mm。花序は穂状花序が1~3個、長さ4~7㎜×幅4㎜。苞は3~4個、最長の苞は±直立し、その他は斜上~水平、平坦、長さ1.5~18㎝×幅1~3.3㎜。 小穂は(20~)40~60(~100)個、淡帯緑色または赤褐色、卵形、長さ(2.2~)2.5~2.8(~3.2)㎜×幅(0.6~)0.7~0.8(~1.2)㎜。苞頴は横方向に2~3脈があり、楕円形~卵形、長さ1.8~3㎜×幅(0.8~)1.1~1.6㎜、中脈に翼はなく、先は微突形。雄しべは(1~)2個。葯は長さ0.8~1.1㎜。花柱は長さ0.6~1.2㎜。柱頭は長さ0.5~1.5㎜。痩果は褐色、ほぼ柄があるかまたは柄があり、楕円形~長円状楕円形、長さ1~1.2(~1.3)㎜×幅0.6~0.8㎜、柄がある。もしある場合は長さ0.1~0.2㎜、先は鈍形~ほぼ切形、短突起があり、パピラがある。果期は夏。(Flora of North America)

(1) Cyperus brevifolius (Rottb.) Hassk. var. brevifolius アイダクグ

  synonym Kyllinga brevifolia Rottb [Flora of China , Tha plant List] 【ヒメクグ属】

(2) Cyperus brevifolius f. babiensis (Wad.Khan & Lakshmin.) V.P.Prasad

 インドに分布する。藪の間の日陰の場所に生える。
 開けた場所に生える典型的な C. brevifolius では稈の高さは5~40cm。 しかし、f. babiensisは高さ100~150cm程度ある。
 大型形態の品種。根茎は細くて長く這い、長さ3.5cm以下×節間の太さ1mm。稈は高さ100~150cm程度、稈は離れてつき、細く、太さ1㎜以下。葉の幅は大2㎜以下。花序は苞葉(総苞片)が3~4個。小穂は長さ2.2~2.5㎜。苞頴は長さ約2.2㎜。雄しべは1個。痩果は約・長さ1.1㎜×幅0.7mm。

(3) Cyperus brevifolius var. stellulatus (Valck.Sur.) Kük.

  synonym Kyllinga brevifolia var. stellulata (Valck.Sur.) S.S.Hooper ex Karthik.

 中国、東ヒマラヤ、インド、アンダマン諸島、ニコバル諸島、フィリピン、インドネシア(ジャワ、小スンダ諸島)、ニューギニア原産。
 矮性種。花序は小さく、小穂はより少なく約20個、幅4~5(~7)㎜、最終的には暗灰色(fuscous)になる。 雄しべは3本または2本。

 ヒメクグは普通、苞葉が横から下向きにつく。しかし、場所により最下の苞葉がすべて直立するときもある。花序が球形。鱗片の竜骨は平滑で、刺がない。
 タチヒメクグは高さ5㎝ほどの小型のものが多く、最下の苞葉がすべて上向きに直立し、長いものは花茎より長くなる。鱗片竜骨の刺が膜質である。また、根茎は短いか又は不明瞭で、節間が短い。