ヨモギ 蓬
Flora of Mikawa
キク科 Asteraceae ヨモギ属
別 名 | カズザキヨモギ |
中国名 | 魁蒿 kui hao |
学 名 | Artemisia princeps Pampan. |
花 期 | 9~10月 |
高 さ | 50~120㎝ |
生活型 | 多年草 |
生育場所 | 山野 |
分 布 | 在来種 本州、四国、九州、沖縄、小笠原、朝鮮、中国 |
撮 影 | 蒲郡市 05.10.1 |
地下茎を伸ばし、群生する。茎は紫色を帯びることが多く、白い綿毛が密生する。茎の上部の葉は披針形、全縁又は数個の切れ込みがある。茎の中部以下の葉は羽状に深く分裂し、裂片には不規則な鋸歯がある。葉の基部にある托葉のような裂片は、仮托葉(pseudostipules)と呼ばれる。葉裏は白い綿毛が密生する。大きな花序に直径約1.5㎜、長さ約3㎜の小さな頭花を多数つける。小花は周囲に4個の雌性花、中心部に2個の両性花からなり、ともに結実する。両性花の花柱の先は切形、雌性花の花柱の先は2分岐し、雄しべの先の付属体が細く尖るのも属の特徴。果実は痩果、長さ1~1.5㎜、冠毛はない。2n=34。
オオヨモギは葉の裂片の先が尖り、仮托葉がない。
ヨモギ属
family Asteraceae - genus Artemisia1年草又は多年草、亜低木又は低木、普通、強い、不快な匂いがある。密毛は無いか又は底着、中着、腺が先にある又は粘る毛がある。葉は互生、羽状、まれに掌状に分裂又は全縁。合成花序は総状花序、ときに穂状花序、普通、円錐花序に分類される。頭花は普通、多数、しばしば偏側性につき、小さく、花序柄は短~無、異形配偶、円盤型頭花(disciform:中心小花は両性又は機能が雄性、周辺の筒状小花は雌性)。総苞は球形、卵形、又は楕円形、総苞片は3~4列につき、完全な薄膜質又は草質、薄膜質の縁は広~狭。花托は凸面又は平ら、パレアは無く、無毛又は短毛がある。周辺小花は1(又は2)列に、3~10個又はそれ以上つき、雌性、花冠は筒形、まれに管状、杯形、又は円錐方、先に2(~4)歯がある。花柱は突き出し、先は鋭形。中心小花は数個~多数、2又はそれ以上の列につき、雄性又は両性、花冠は筒形、先には5歯がある。葯は2個の鈍い付属体を基部にもち、先の付属体は鋭形、三角形。花柱は花冠の長さと同長又は長くて先が散開し、ときに、短くて先が散開せず、こん棒形又は漏斗形。痩果は当卵形、卵形、又は長円形、かすかに条腺がある。冠毛は無いか又は小さい。
世界に約380種があり、主に、北半球に分布し、アフリカ、オーストラリア、中央~南アメリカにも分布する。
ヨモギ属の主な種と園芸品種
1 Artemisia abrotanum L. オキナヨモギ 翁蓬ロシア、アルメニア、トルコ、ヨーロッパ東部(ウクライナ)、ヨーロッパ南部(アルバニア、ボスニアヘルツェゴビナ、クロアチア)原産。英名はlad's-love , old-man , slovenwood , southern wormwood , southernwood。荒地に生える。
多年草または亜低木、高さ50~130(~170)㎝(叢生しない )、芳香がある(根は太く、木質)。茎は比較的多数、直立し、褐色、分枝し、(木質、もろい)、無毛またはまばらに毛がある。葉は茎葉、暗緑色。葉身は広卵形、長さ(2~)3~6㎝×幅0.02~0.15㎝、2~3回羽状中裂(葉は線形または糸状)、面はまばらに毛があり(下面)または無毛(上面)。 頭花(成熟するとうなずく)は、開いた、広い枝につき、長さ10~30㎝×幅2~10㎝。総苞は卵形、長さ(1~)2~3.5㎜×幅(1~)2~2.5㎜。総苞片は長円状楕円形、まばらに毛がある。小花は雌性の小花が4~8(~15)個。両性の小花は14~16(~20)個。花冠は黄色、長さ0.5~1㎜、腺がある。痩果(薄茶色)は楕円形 (2~5角(かど)があり、扁平、溝があり)、長さ0.5~1㎜、無毛。2n=18。花期は晩夏~秋。
品種) 'Courson' , 'Tangerine'
2 Artemisia absinthium L. ニガヨモギ 苦蓬
中国、ロシア、インド、カザフスタン、キルギスタン、タジキスタン、トルクメニスタン、南西アジア、ヨーロッパ原産。中国名は中亚苦蒿 zhong ya ku hao 。英名はabsinthe , absinthe wormwood , absinthium , wormwood , absinth。別名はワームウッド。丘の中腹、大草原、林縁、低木林、局所的に湿った場所に生える。
多年草、高さ60~150cm、基部はやや木質、灰色の筋質または思春期。茎は1~3本。根生葉は葉柄が長さ6~12 cm。 葉身は卵形-楕円形または卵形、長さ8~12 ×幅7~9 cm、2~3回羽状全裂、裂片は4~5対で、羽状分裂し、小裂片は披針形~楕円形または線形、長さ8~15㎜×2~4(~7)㎜、先は鈍形。中部の茎葉は葉柄が2~6㎝、葉身は卵形または楕円状卵形、2回羽状全裂、小裂片は線状披針形、長さ(8~)10~25㎜×幅2~3(~5)㎜。最上部の茎葉は長さ4~6㎝×幅2~4㎝、羽状全裂または5裂片。葉状の苞は3裂片または全縁、裂片は披針形または線状披針形。合成花序は普通、広い円錐形の円錐花序であり、一次枝は真っすぐ、斜上または±斜めに広がり、長さ30㎝以下、二次枝は長さ12㎝以下。頭花は短い花序柄があり、うなずく。総苞は球形またはほぼ球形、直径2.5~3.5(~4)㎜。花托は半球形、密に毛がある。雌性の周辺小花は15~25個、花冠は黄色、斜めの2歯がある。中心小花は30~70(~90)個、両性、花冠は黄色。痩果は長円形、長さ0.8~1㎜、先の冠状突起(corona:王冠)は有または無。花期と果期は8~9月。2n=18。
品種) 'Argentea' , 'Candial' (PBR) , 'Corinne Tremaine' (v) , 'Creeping Silver' , 'Huntington' , 'Lambrook Giant' , 'Lambrook Mist' , 'Lambrook Silver' , 'Persian Lace' , 'Poland's Variety' , 'Silver Ghost'
3 Artemisia adamsii Besser アダムスヨモギ
中国、モンゴル、ロシア原産。中国名は东北丝裂蒿 dong bei si lie hao 。低標高の塩水草原、牧草地、川岸、丘に生える。
多年草または亜低木、長さ15~40㎝、先で分枝し、くも毛があるかまたは無毛になる。下部の茎葉は±無柄、葉身は(2~)3回羽状全裂。中部の茎葉は葉身が卵形、長さ1.5~2.5(~3)㎝×幅1.5~2.5(~3)㎝、1~2回羽状全裂、裂片は3~4対、小裂片は糸状、長さ2~3㎜×幅0.5~1mm、先は鋭形。葉状の苞は亜掌状全裂する。合成花序は狭い円錐花序。総苞はほぼ球形、直径2~3㎜。周辺の雌小花は9~12個。中心小花は35~45個、両性。痩果は楕円状卵形。花期と果期は7~10月。
4 Artemisia alba Turra アルテミシア・アルバ
ヨーロッパ原産。英名はwhite mugwort, white wormwood, white artemisia, camphor southernwood。乾燥した牧草地に生える。
高さ20~40㎝、茎は斜上、木質、上部に軟毛があり、強い樟脳の香りがある。葉は2~3回羽状全裂、裂片は線形、綿毛があり、腺点があり、灰緑色。花序は線形の円錐花序、直立した枝を持つ。頭花は長さ2~3㎜の半球形。小花はすべて筒状で羊毛状の鱗片がある。痩果は長さ約1.5mm、冠毛は無い。花期は8~10月。 品種) 'Canescens'
5 Artemisia anethifolia Weber ex Stechm. ステップヨモギ
中国、モンゴル、ロシア原産。中国名は碱蒿 jian hao 。斜面、乾燥した峡谷、塩水土壌、塩水草原、荒れ地、安定した砂丘、サジー(ヒッポファエ属)の茂みに生える。
1年草または2年草、高さ20~55㎝、茎はときに非常に細く、全体に軟毛があり、しばしば無毛になる。根生葉は外形が楕円形または卵状楕円形、長さ3~4.5㎝×幅1.5~2.5(~3)㎝、2~3回羽状全裂、裂片は3~4対、上部の側裂片は小葉状、小裂片は糸状、長さ6~12㎜×幅0.5~1.5㎜。 最上部の葉と葉状の苞は3~5裂片または全縁。合成花序は広い円錐花序、最上部の節からの開花シュートをもつ。頭花は密~間隔が広く、花序柄があり、しばしば小苞がある。総苞は半球形または広卵形、長さより幅が広く、直径2~3(~4)㎜。総苞片は±密に微軟毛があり、ときに±無毛になる。花托は凸形、白色の軟毛がある。 周辺の雌小花は3~6個。中心小花は18~28個、両性、花冠の拡大部は黄色または赤色。痩果は楕円形または倒卵形。花期と果期は8~10月。
6 Artemisia anethoides Mattf. オカニンジン
中国、モンゴル、ロシア原産。中国名は莳萝蒿 shi luo hao 。丘、斜面、塩水土壌、川と湖の砂のほとり、道端、荒れ地、草原、半砂漠の草原、砂漠の森に生える。
1年草または2年草、高さ30~60(~90)㎝、灰色の毛がある。根生葉および最下部の茎葉は葉身が卵形~楕円状卵形、長さ3~4(~5)㎝×幅2~4㎝、3(または4)回羽状全裂し、小裂片は糸状~線状披針形。中間の茎葉は葉身が卵形または広卵形、長さ2~4㎝×幅1~3㎝、2~3回羽状全裂し、裂片は(1~)2~3対、小裂片は糸状、長さ2~5㎜×幅0.3~0.5㎜。最上部の茎葉と葉状の苞は3裂または全縁。合成花序は狭い円錐花序、長さ15㎝×幅3㎝・以下、ほとんどの節に総状花序または開花枝をつけ、広い複合円錐花序を形成する。頭花は多数、花序柄があり、小苞があり、うなずく。総苞はほぼ球形、直径1.5~2(~2.5)mm。総苞片と花托は密に毛がある。雌性の周辺小花は3~6個。中心小花は8~16個、両性。痩果は倒卵形。花期および果期は7~10月。
7 Artemisia angustissima Nakai イトヨモギ 糸蓬
synonym Artemisia japonica Thunb. var. angustissima (Nakai) Kitam.
synonym Artemisia japonica Thunberg subf. angustissima (Nakai) Pampanini
日本(宮崎県、鹿児島県)、韓国、中国(甘粛省、河北省、黒竜江省、河南省、江蘇省、吉林省、遼寧省、陝西省、山東省、山西省)原産。中国名は狭叶牡蒿 xia ye mu hao。標高500mまでの低地の斜面、道端に生える。多年草、高さ20~60㎝、茎は少数、細くて直立し、上部の節から枝分かれし、まばらにくも毛状直軟毛があり、±無毛になる。下部および中部の茎葉は±無柄、葉身の外形は卵形またはほぼ円形、長さ1.5~2.2㎝×幅1.5~2.2㎝、(1~)2回羽状全裂し、裂片は 2(~3)対、長さ5~10㎜×幅3~5㎜、深裂または少数の鋸歯状になる。中間の茎葉は羽状全裂し、裂片は線形または狭い線状披針形、長さ5~8(~10)㎜×幅0.8~3㎜、全縁または少数の鋸歯がある。最上部の茎葉と葉状の苞は3全裂または全縁。合成花序は狭い円錐花序である。頭花は短い花序柄があるかまたは無柄、うなずく。総苞は卵形またはほぼ球形、直径1~1.5㎜。 周辺小花は雌性、2~3個。中心小花は2~5個、雄性。痩果は倒卵形。花期および果期は8~10月。
8 Artemisia annua L. クソニンジン 糞人参
ヨーロッパ、中央アジア、西アジア、コーカサス原産。英名はannual mugwort , annual wormwood , sweet Annie , sweet sagewort , sweet wormwood。中国名は黄花蒿 huang hua hao。丘陵、道端、荒れ地、森林の外縁、草原、森林草原、乾燥した氾濫地、台地、半砂漠の草原、岩の多い斜面、道端、塩分土壌に生える。
1年草、高さ70~160(~200)㎝、多数分枝し、まばらに微軟毛があり、すぐに無毛になり、強い芳香がある。 葉には腺点がある。最下部の茎葉は葉身が卵形または三角状卵形、長さ3~7㎝×幅2~6㎝、3(または4)回羽状深列、裂片は5~8(~10)対。中部の茎葉は葉柄が長さ1~2cm、葉身は2(~3)回羽状全裂または櫛状全裂、小裂片は深く、鋸歯~櫛歯状になり、歯は三角形、長さ1~2㎜×幅約0.5㎜、羽軸には狭い翼があり、まばらに鋸歯があるかまたは無く、中脈は上面で明瞭。最上部の茎葉と葉状の苞は1(または2)回羽状深裂する。合成花序は円錐花序、長さ15㎝×幅8㎝・以下、ほとんどの節から生じ、幅の広い円錐形の複合円錐花序を形成する。頭花は多数あり、短い花序柄があり、小苞の輪が密接して基部を抱き、うなずく。総苞は球形、直径1.5~2.5㎜。総苞片は幅広い薄膜質、± 無毛。周辺の雌小花は10~ 18個。中心小花は10~30個、両性。 花冠は暗黄色または黄色。痩果は楕円状卵形。花期と果期は8~10月。2n=18。
品種) 'Cramer's Yardstick'
9 Artemisia anomala S.Moore リトウザンヨモギ
中国、台湾、ベトナム原産。中国名は奇蒿 qi hao 。標高200~1200m、林縁、道端、渓谷、川岸、低木林地帯、斜面に生える。
草本、多年草、高さ80~150㎝、思春期または無光沢。 下部と中央の茎の葉は厚く紙のようです。葉柄は長さ2~5㎜、葉身は卵形~卵状楕円形、卵状披針形~楕円状披針形~披針形、長さ9~22㎝×幅2.5~4(~5.5)㎝、下面は灰色の綿毛があるかまたは無毛、上面は乾くと暗色、無毛になり、全縁まれに不規則に浅い裂片があるかまたは先で3裂する。最上部の茎葉と葉状の苞は無柄、楕円形または楕円状披針形。合成花序は±狭い円錐花序で、ときに上部の節に追加の円錐花序をもち、幅広い円錐形の複合円錐花序を形成する。枝は長さ4cm以下、通常はそれ以下。 頭花は通常、非常に密につき、無柄。総苞は長円形または倒卵形、直径2~2.5㎜。総苞片は無毛。周辺の雌小花は4~6個。中心小花は6~8個、両性。痩果は倒卵形または倒卵状長円形。花期および果期は6~11月。2n=18。
10 Artemisia arborescens L.
ヨーロッパ、北アフリカ原産。英名はtree wormwood , large wormwood , silver wormwood。オーストラリアで野生化している。
低木、高さ1.5m以下。 茎は直立または斜上し、密に分枝し、帯灰色の毛があり、下部は木質。葉は葉柄があり、葉身は1~2回羽状全裂し、裂片は平らで、線形~狭倒披針形、先は鈍形、長さ5~30㎜×幅1~2㎜、銀色の綿毛があり、両面に伏毛がある。花序は大きく緩い直立した円錐花序。頭花は通常うなずき、直径 5~7㎜、鈍い黄色。総苞は長さ3~4㎜。苞は卵形、綿毛があり、縁は広い薄膜質。両性花の花冠は円筒形、短く5裂し、無毛、腺がある。痩身はすべて似ており、扁平な卵形、帯灰色。花期は10~1月(オーストラリア)。
品種) 'Brass Band' , 'Faith Raven' , 'Little Mice' , 'Porquerolles' , 'Powis Castle'
11 Artemisia arctica Less. サマニヨモギ ⇒Artemisia norvegica
synonym Artemisia norvegica Fr. subsp. saxatilis (Besser) H. M. Hall & Clem. [GRIN, FNA]
synonym Artemisia norvegica auct. non Frロシア、北アメリカ原産。英名はboreal sagewort , mountain sagewort
11-1 Artemisia arctica Less. subsp. arctica キョクチヨモギ (temp.)
11-2 Artemisia arctica Less. subsp. sachalinensis (F.Schmidt) Hulten サマニヨモギ
synonym Artemisia sachalinensis Tilesius ex Besser11-2-1 Artemisia arctica Less. subsp. sachalinensis (F.Schmidt) Hulten f. villosa (Koidz.) Kitam. シロサマニヨモギ
synonym Artemisia arctica Less. var. villosa (Koidz.) Tatew12 Artemisia argyi H.Lev. et Vaniot チョウセンヨモギ 朝鮮蓬
朝鮮、中国、モンゴル原産。中国名は艾 ai 。英名はChinese mugwort。標高1500mまでの低地、荒地、道端、斜面、丘、草原、森林草原に生える。
多年草または亜低木、高さ80~150(~250)㎝、多くの側根があり、先で短く分枝し、灰色のくも毛があり、強い芳香がある。中間の茎葉は葉柄が長さ2~3㎜、葉身は卵形~三角状卵形、または亜菱形、長さ5~8㎝×幅4~7㎝、下面に密に灰色のくも毛~綿毛があり、上面は灰白色の毛があり、白色の腺点があり、1(~2)回羽状深裂または裂開がある。裂片は2~3対、通常は鋸歯があり、基部は漸尖し、下面の脈が目立つ。最上部の葉と葉状の苞は羽状深裂~3深裂し、または全縁。苞は楕円形、楕円状披針形、または披針形。合成花序は狭い円錐花序で、長さ10㎝以下で斜上する枝を持ち、下部の枝は葉状の苞が基部につく。頭花は偏側生、触れず、ほぼ無柄。総苞は楕円形、直径2.5~3(~3.5)㎜。総苞片はクモ毛があるか、または無毛になる。周辺小花は雌性、6~10個。中心小花は8~12個、両性。 痩果は卵状長円形または長円形。花期と果期は7~10月。2n=36。
13 Artemisia atrovirens Hand.-Mazz. ヒロハネバリヨモギ
中国、タイ原産。中国名は暗绿蒿 an lu hao 。標高1200m以下の低地、斜面、草地、道端に生える。
多年草、高さ60~100(~150)㎝、明らかに根茎、腺性思春期および落葉性思春期。 最下部の葉は短く葉柄があります。 葉身は卵形または広卵形、長さ5~10㎝×幅4~10㎝、1~2回羽状深裂し、裂片は2~3対、上部の裂片は側裂片より長い。中間の茎葉は葉柄が長さ1~2㎝、葉身は卵形~卵状楕円形、長さ(5~)5~8㎝×幅(3~)4~7㎝、下面に密に灰白色の綿毛があり、脈にまばらな太い多細胞の毛があり、上面は暗緑色、絹毛状の微軟毛があり、ときに無毛になり、腺点があり、羽状深裂する。裂片は2~3対、楕円形または倒卵状楕円形、長さ15~25㎜×幅(5~)10~15㎜、縁には 1~2個の歯があり、先は鋭形~微顆粒状。最上部の葉と葉状の苞は羽状深裂~3裂、または全縁。合成花序は円錐形の円錐花序。下部の枝は±円筒形、最終枝は偏側生。苞は線形で総苞より短い。頭花は±近接し、ほぼ無柄、直立する。 総苞は長円形または卵形、直径1.5~2(~2.5) mm。総苞片は中肋が緑色、まばらにくも毛がある。周辺雌小花は3~6個。中心小花は5~8個、両性。痩果は倒卵形。花期と果期は8~10月。
14 Artemisia aurata Kom. キンヨモギ 金蓬
朝鮮、中国(黒竜江省、吉林省、遼寧省)、ロシア原産。中国名は黄金蒿 huang jin hao 。岩の多い丘陵地帯、中高地または低地に生える。
1年草、高さ20~50(~80)㎝、よく分枝する。葉が薄い。中間の茎葉は葉柄が長さ2~5㎝、葉身は三角状卵形または三角状楕円状卵形、長さ4~6(~11)㎝×幅2~3㎝、2~3回羽状全裂し、裂片は4~5対、小裂片は狭い線形、披針形または糸状、長さ3~6×幅0.5~1mm。合成花序は広円錐花序。頭花は通常、2~5個の集団になる。総苞はほぼ球形、直径2~3㎜。周辺雌小花は10~14個。中心小花は14~25個、両性。痩果は卵状楕円形。花期と果期は8~11月。2n=18。
15 Artemisia biennis Willd. ホザキカワラニンジン
北アメリカ(USA、カナダ)原産。英名はbiennial wormwood , slender mugwort , biennial wormwood。標高600~2000m、荒れた土地、池の縁、砂漠地帯、通常は粘土質またはシルト質の土壌に生える。
1年草または2年草、高さ(10~)30~80(~150)㎝、芳香なし。 茎は1本、直立し、しばしば赤みを帯び、単純(細かい条線)、無毛。 葉は茎葉、緑色または黄緑色(無柄)、葉身は広披針形~卵形、長さ4~10(~13)㎝×幅1.5~4㎝、1~2回羽状浅裂(最終裂片には粗い歯がある)、表面は無毛。頭花(直立、無柄)は(葉のある)円錐花序~穂状花序につき、長さ12~35(~40)㎝×幅2~4㎝(側枝は比較的短い)。総苞は球形、長さ2~4㎜×幅(1.5~)2~4㎜。総苞片(緑色)は広楕円形~倒卵形、無毛。周辺小花は雌性、6~25個。 中心小花は、両性、15~40個。花冠は淡黄色、長さ約2㎜、無毛。痩果は楕円形(4~5脈があり)、長さ0.2~0.9㎜、無毛。2n=18。花期は真夏~晩秋。
16 Artemisia borealis Pall. アライトヨモギ 荒糸蓬
synonym Artemisia insularis Kitam.
ヨーロッパ、ロシア、北アメリカ原産。英名はboreal sagebrush , boreal-sage
多年草、高さ(6~)8~20(~40)㎝ (叢生し)、穏やかな芳香があり、直根をもち、てい幹は枝分かれする。茎は(1~)2~5本、灰緑色、綿毛がある。葉は宿存し、根生葉はロゼットになり、灰緑色~白色。葉身は卵形、長さ2~4㎝×幅0.5~1㎝、2~3回羽状または三出分裂し、裂片は線形~狭楕円形、先は鋭形、表面は中程度~密に絹毛がある。頭花(下部では無柄、上部は有柄)は葉のある穂状花序につき、花序は長さ4~9(~12)㎝×幅(0.5~)1~5㎝。総苞は半球形、長さ3~4㎜×幅3.5~4㎜。総苞片(不明瞭な薄膜質)は綿毛状の絨毛が密にある。小花は雌性、8~10個。 機能的に雄性の小花は15~30個。花冠(または裂片)は黄橙色または濃赤色、長さ2.2~3.5㎜。痩果は長円状披針形、やや扁平、長さ0.4~1㎜、かすかな脈があり、無毛。
16-1 Artemisia borealis subsp. borealis
カナダ(アルバータ州、ブリティッシュコロンビア州、ノースウエスト準州、ヌナブト準州、サスク州、ユーコン準州)、USA(アラスカ州、カリフォルニア州、コロラド州、アイダホ州、モンタナ州、ユタ州、ワシントン州、ワイオミング州)、ユーラシアに分布。英名はBoreal sage。標高0~3500mの開けた牧草地、通常は水はけの良い土壌に生える。
高さ10~20(~40)㎝、絨毛状綿毛がありまたはほぼ無毛~無毛。花冠(少なくとも裂片)は通常、黄橙色(赤みを帯びることもある)、長さ2.2~3㎜。2n=18, 36。花期は夏中旬~下旬。
16-2 Artemisia borealis subsp. richardsoniana (Besser) Korobkov
カナダ北部、アラスカに分布。英名はRichardson’s sagewort。標高0~600mの河岸段丘、ツンドラに生える。
高さ(6–)8–15(–20)㎝、全体に白っぽい。花冠(少なくとも裂片)は濃赤色、長さ3~3.5㎜。花期は夏中旬~下旬。
17 Artemisia brachyloba Franch. マリヨモギ
中国(甘粛省、河北省、遼寧省、内モンゴル自治区、寧夏回族自治区、陝西省、山西省)、モンゴル原産。中国名は山蒿 shan hao 。中高地または低地の日当たりのよいまたは岩の多い斜面または草原、ゴビ砂漠、半砂漠の草原に生える。
亜低木または小低木、高さ30~60㎝、強い木質の根茎があり、多数、分枝し、毛がある。茎は無毛になる。下部と中部の茎葉は無柄、葉身は広卵形~卵形、長さ2~4×幅1.5~2cm、2(~3)回羽状全裂し、裂片は3~4対、小裂片は狭線形または線状披針形、長さ3~6(~8)㎜×幅0.3~1mm。 最上部の葉と葉状の苞は羽状中裂または三裂、または全縁。苞は線形。合成花序は狭い円錐花序。 総苞は卵形または卵状鐘形。総苞片は白色の綿毛が密にある。周辺小花は雌性、10~15個。中心小花は20~25個、両性。 痩身は卵形。花期と果期は7~10月。
18 Artemisia brachyphylla Kitam. タカネヒトツバヨモギ
synonym Artemisia pronutans Kitag.
synonym Artemisia koidzumii Nakai var. manchurica Pampanini
朝鮮、中国(吉林省東部)、モンゴル原産。中国名は高岭蒿 gao ling hao。別名はビロボウヨモギ。基準標本は北朝鮮から採取された。海抜1,100m以上の亜高山草原、森林草原、砂利斜面や林縁、森林、道端、低木などに生える。
多年草、高さ30~70㎝。 根は細く、主根は明瞭ではなく、根茎は細く、短く、直径3~6㎜、しばしば、栄養枝を伴う。茎は単生、まれに小数 、細い縦のうねがあり、わずかに明瞭、枝の上部で、斜め上向きに枝分かれ、長さ3~6㎝、茎と枝は灰白色のくも毛状直軟毛で密に覆われる。葉は紙質または薄紙質で、上面は緑色、わずかにくも毛があり、下面は灰白色の綿毛が密にある。茎の下部の葉は卵状楕円形~卵状長円形で、2回羽状深裂し、開花期には枯れる。中部の茎葉は楕円形~長円形、長さ4.5~6.5㎝×幅3.5~4.5㎝、1(~2)回羽状深裂し、両側に(2~)3~4個の裂片があり、裂片は楕円形、長さ1~1.5㎜×幅3~5㎜、先は鋭形、通常、縁に 1~2個の浅裂した歯があり、反り返らず、葉の基部は楔形で、柄に向かって漸尖し、基部に1対の小さな仮托葉がある。上部の葉と苞葉は5または3深裂し、または分裂せず、楕円状披針形または披針形、全縁。頭花はほぼ球形または広卵形、直径2.5~4㎜、短柄があるかまたは無柄、片側に斜めにつき、枝の上の密~緩い穂状花序につき、茎の頂部に狭い円錐花序を形成する。総苞は3~4列。内側と外側の総苞片の長さがほぼ等しいか、外側の総苞片がわずかに短い。外側と中間の総苞片は楕円形~卵状楕円形、先は尖り、背面はクモ毛状の薄い軟毛で覆われ、縁は膜質、緑色の中肋がある。内側総苞片は楕円形、半膜質、先は鈍形。花托は小さく、ほぼ半球形、雌花は4~6個、花冠は狭線形、花柱は花冠から突き出し、先は2岐、先端は尖る。両性花は6~10個、花冠は筒状、葯は線形、頂部の付属体は尖り、長三角形、基部は先端が短く尖り、花柱は花冠とほぼ等しく、先は2岐、先端は切形でまつげが付く。痩果は倒卵形~長円状倒卵形。花期および果期は8~10月。
19 Artemisia californica Less. オオヤマヨモギ 大山蓬
北アメリカ西部(カリフォルニア州、メキシコ)原産。英名はCalifornia sagebrush。標高0~800mの海岸の低木地帯、乾燥した丘陵地帯に生える。別名はカリフォルニア・セージブラッシュ
低木、高さ(20~)150~250㎝(丸みを帯び)、刺激的な芳香がある。 茎は比較的多く、アーチ形になり、緑色または褐色、分枝し(長く、杖状で、基部は脆く)、密に灰白軟毛があるか~ほぼ無毛。茎葉は薄緑色~灰色、葉身は糸状~ヘラ形~倒卵形、長さ3~5(~9)㎝×幅0.5~2㎝、ときに羽状に裂け(裂片は糸状、幅0.5~1mm)、表面は疎~密に毛がある。頭花(成熟するとうなずき、花序柄がある)は長さ6~20㎝×幅1~3㎝の円錐花序状に配列する(枝は直立~広く開出する)。総苞は球形、長さ2~3(~4)㎜×幅2~4(~5)㎜。総苞片は広卵形、まばらに灰白軟毛がある。雌性の小花は6~10個。両性の小花は18~25個、花冠は淡黄色、長さ0.8~1.2㎜、無毛。痩果は楕円形、長さ0.5~1.5㎜、樹脂質(冠毛は王冠形)。 2n=18。花期は初夏~晩夏。
品種) 'Canyon Gray' , 'Montara'
20 Artemisia cana Pursh
北アメリカ(USA、カナダ)原産。英名はsilver sagebrush , silver sagebrush。
低木、高さ50~150㎝(幹がはっきりしていて、基部から自由に枝分かれし、枝が直立する)、心地よい香りがする。ひこばえがある(root-sprouting)。 茎は薄褐色~灰緑色(木質で、ややしなやかで、葉がつき)、宿存する灰白色の毛がある~無毛になる。葉は落葉性、白灰色~緑色~暗灰緑色、葉身は狭楕円形~披針形、長さ1.5~8㎝×幅0.2~1㎝、通常は全縁で、ときに不規則に裂け、疎~密に毛がある。頭花は長さ10~20㎝×幅0.2~7㎝の(密な、葉のある)円錐花序につく。総苞(緑色の葉状の苞が基部につく)は狭~広鐘形、長さ3~4㎜×幅2~5㎜。総苞片は卵形~披針形(薄膜質の縁はほとんど見えず)、密に灰白軟毛がある。小花は4~20個、花冠は長さ2~3㎜、樹脂質(花柱は楕円形、長さ2.3㎜以下、突き出し、腺点がある)。痩果は薄褐色、長さ1~2.3㎜、樹脂質。
品種) 'Nana'
20-1 Artemisia cana subsp. cana
カナダ(アルバータ州、ブリティッシュ・コロンビア州、マニトバ州、サスカチュワン州)、USA(コロラド州、モンタナ州、ネブラスカ州、ノースダコタ州、サウスダコタ州、ワイオミング州)に分布。英名はSilver wormwood。標高000~1500mの砂質ローム土壌、しばしば小川沿に生える。
低木、高さ100~150㎝。 茎は白色~明るい灰色~褐色。葉は白灰色、葉身は狭楕円形~披針形、長さ2~8㎝×幅0.3~1㎝、通常は全縁、ときに不規則に分裂し、密に銀色がかった灰白軟毛がある。頭花は長さ10~20㎝×幅5~7㎝の(葉がある)花序につく。総苞は広鐘形、長さ3~4㎜×幅3~5㎜。総苞片は広卵形(ほとんど先が鈍形)で、密に毛がある。小花は10~20個。痩果は長さ1~1.2㎜。2n=54。花期は夏半ば~晩夏。
20-2 Artemisia cana subsp. bolanderi (A. Gray) G. H. Ward
カリフォルニア州、ネバダ州、オレゴン州に分布。英名はBolander sagebrush。標高1600~3300mの砂利土壌、山の牧草地、川岸 低木、高さ50~60(~80)㎝。 茎は白色(若いうちはフェルト状の綿毛がある)。葉はときに明るい緑色で、葉身は線形~狭披針形、長さ(1.5~)3~4㎝×幅0.2~0.6㎝、通常は全縁で、ときに不規則な裂片がある。頭花(1枝あたり2~3個)が(まばらに葉がある)長さ12~18㎝×幅1~2㎝の花序につく。総苞は広鐘形、長さ3~4㎜×幅4~5㎜。総苞片は狭卵状披針形、鋭形(外側の総苞片)または鈍形で、密に毛がある。小花は8~16個。痩果は長さ1~1.5㎜。2n=18, 36。花期は夏半ば~晩夏。
20-3 Artemisia cana subsp. viscidula (Osterhout) Beetle
アリゾナ州、コロラド州、アイダホ州、モント州、ネバダ州、ニューメキシコ州、ユタ州、ワイオミング州に分布。英名は Sticky sagebrush。 低木、高さ50~70(~90)㎝。 茎は白色(まばらに綿毛があり)または褐色(無毛)。葉は明るい緑色~鈍い緑色、葉身は線形~狭披針形、長さ(1.5~)2~3㎝×幅0.2~0.4㎝、しばしば不規則な裂片を持ち、まばらに毛があるか、または無毛になり粘性がある。頭花(枝ごとに2~3個つき、直立し、無柄)が(まばらに葉があり)長さ12~20㎝×幅1~2㎝の花序につく。総苞は狭鐘形、長さ3~4㎜×幅2~3(~4)㎜。総苞片は狭披針形、鋭形(外側の総苞片)または鈍形で、まばらに毛がある。小花は4~8個。痩果は長さ1~2.3㎜。2n=18, 36, 72。花期は夏半ば~晩夏。
21 Artemisia capillaris Thunb. カワラヨモギ 河原蓬
synonym Artemisia capillaris var. acaulis Pamp.
synonym Artemisia hallaisanensis Nakai
synonym Artemisia sachalinensis Tilesius ex Besser
日本(本州、四国、九州)、朝鮮、中国、台湾、ロシア、ネパール、パキスタン、カンボジア、インドネシア、マレーシア、フィリピン、ベトナム原産。中国名は茵陈蒿 yin chen hao 。英名はcapillary artemisia , yin-chen wormwood。潮風が当たる海岸の砂浜などで見られる。
多年草(半低木)。高さ30~100㎝。春の葉はロゼット状につき、短い葉柄があり、裂片が細く、灰白色の絹毛が密生し、全体に銀緑色に見える。茎は高くなり、茎葉は無柄、2回羽状に全裂し、裂片は長さ8~12㎜、幅0.3~0.5㎜の糸状。頭花は大型の円錐状に多数つくが、直径約2㎜と小形で目立たない。総苞は長さ1.75~2.25㎜、幅1~1.5㎜。総苞片は密に、3~4列。周辺の雌性小花は3~5個つき、長さ約0.75㎜の筒状、2歯がある。中心小花は5~7個つき、長さ約1.25㎜の狭い円錐形、5歯。痩果は長さ約0.8㎜、楕円状卵形、褐色。花期は9~10月。
22 Artemisia caruifolia Buch.-Ham. ex Roxb. カワラニンジン 河原人参 広義
synonym Artemisia carvifolia Bessersynonym Artemisia caruifolia Roxb [Kewscience] [Flora of China]
synonym Artemisia apiacea Hance
synonym Artemisia carvifolia Buch.-Ham. var. apiacea (Hance) Pamp.
日本、朝鮮、中国、インド、ネパール、ミャンマー、ベトナム原産。中国名は青蒿 qing hao。低い標高から高い標高まで、川岸、氾濫地、道端、森林の外縁、渓谷、海岸のビーチに生える。
1年草または隔年草、高さ30~150㎝、多数、分枝し、無毛。 通常、根生葉と最下部の茎葉は開花前に枯れる。中間の茎葉は葉柄が長さ5~10㎜、葉身は長円形、長円状卵形、または楕円形、長さ5~15㎝×幅2~5.5㎝、下面は緑色、2~3回羽状全裂し、裂片は4~6対、櫛状または披針形。小裂片は櫛状で、鋭形または尖鋭形の鋸歯があり、羽軸に鋸歯がある。最上部の葉と葉状の苞は1(~2)回羽状全裂して櫛状に全裂する。合成花序は中程度に広い円錐花序。頭花は多数つく。花序柄は細く、長さ2~6㎜、うなずく。総苞は半球形、直径3.5~7㎜。総苞片は長円形で、放射状に広がるかまたは広がらず、縁は薄膜質で黄色。周辺小花は雌性、10~20個、花冠は長さ約1.5㎜。中心小花は30~40個、両性、花冠は帯黄色、長さ約1.8㎜。痩果は長円形または楕円形、長さ約1㎜。花期および果期は6~9月
22-1 Artemisia caruifolia var. caruifolia カワラニンジン 河原人参
synonym Artemisia carvifolia Besser
synonym Artemisia apiacea Hance
synonym Artemisia caruifolia var. apiacea (Hance) Pampanini
synonym Artemisia thunbergiana Maximowicz.
日本(本州、四国、九州)、朝鮮、中国、インド、ミャンマー、ネパール、 ベトナムに分布。中国名は青蒿 qing hao。低い標高の湿った川岸、氾濫地、道端、森林の外縁、渓谷、海岸の海岸に生える。
中間の茎葉は裂片の先が尖鋭形の鋸歯になる。総苞は直径3.5~4.5㎜。総苞片は花後に放射状にならない。
22-2 Artemisia caruifolia var. schochii (Mattfeld) Pampanini
synonym Artemisia schochii Mattfeld
synonym Artemisia apiacea var. schochii (Mattfeld) Handel-Mazzetti
中国(広東省、広西省、貴州省、湖北省、湖南省、江蘇省、江西省、雲南省)に分布する。中国名は大头青蒿 da tou qing hao。
中間の茎葉は裂片が鋭い鋸歯になる。総苞は直径4.5~7㎜。総苞片は花後に放射状に広がり、小花が脱落する。
23 Artemisia chinensis L. モクビャッコウ⇒Crossostephium chinense (L.) Makino
synonym Crossostephium chinensis (L.) Makino [Kewscience , Flora of China]
日本、中国、台湾原産。中国名は芙蓉菊 fu rong ju24 Artemisia chingii Pamp. シンヨモギ
中国、台湾原産。中国名は南毛蒿 nan mao hao 。低地から中高地の法面、草地、道端に生える。
多年草、高さ80~100(~140)㎝、茎はまばらに腺があり、密に粘性があり、毛がある。下部の茎葉は葉柄が長さ5~15㎜、葉身は卵形~広卵形、長さ5~6㎝×幅4~5㎝、1(~2)回羽状深裂~ほぼ全裂まで、裂片は 2~3個、楕円形、裂片は幅3~6(~8)㎜、縁は外巻きし、ときに2~3個の鋸歯がある。中間の茎葉は±無柄、葉身は卵形、卵状楕円形、または広卵形、長さ3.5~5㎝×幅2~4㎝、下面に密なくも毛状の綿毛があり、無柄の腺の下層と脈上の粗い鈍毛があり、上面に乳頭状の軟毛があり、ときに無毛になり、腺毛があり、羽状深裂し、裂片は2~3対で、楕円形または楕円状披針形、長さ10~20㎜×幅3~6(~8)㎜。 最上部の葉と葉状の苞は3~5深裂し、または全縁で、裂片は±線形。合成花序は狭い円錐形の円錐花序である。総苞は卵形または長円形、直径1.5~2㎜。総苞片は緑色の中肋を持ち、密なクモ毛~無毛になる。周辺小花は雌性、3~5個。中心小花は8~12個、両性。 痩果は倒卵形または卵形。花期および果期は8~10月。
25 Artemisia cina O.Berg et C.F.Schmidt シナヨモギ 志那蓬
synonym Artemisia cina Berg, A. cina (Berg) Willkomm.
synonym Artemisia mogoltavica Poljak
synonym Seriphidium cinum (O.Berg) Poljakov [Flora of China]
イラン、カザフスタン、ウズベキスタン原産。中国(北甘粛省、北陝西省、新疆)で駆虫薬用に栽培される。英名はsantonica levant wormseed , levant wormseed , levant wormwood , santonica wormwood , wormseed , semen cina。中国名は蛔蒿 hui hao。別名はセメンシナ。多年草、高さ20~40(~70)㎝、灰色のクモ毛があるかまたは無毛になる。最下部の葉は卵形~卵状長円形、長さ3~6㎝×幅1.5~4.5㎝、2(~3)回羽状全裂し、裂片は3~4対、小裂片は狭線状披針形、長さ2~5㎜×幅0.3~0.8㎜、頂端に微突がある。中間の茎葉と最上部の茎葉は羽状全裂する。葉状の苞は狭線形。合成花序は狭い円錐花序である。頭花は±密につく。総苞は楕円状卵形または卵状長円形、直径約2mm。総苞片は無毛になる。小花は3~5個。痩果は卵形。花期および果期は8~10月。
26 Artemisia umbrosa (Besser) Turcz. ex Verl. ケショウヨモギ 化粧蓬
synonym Artemisia codonocephala Diels
synonym Artemisia lavandulifolia DC. [Flora of China]
synonym Artemisia umbrosa (Besser) Turcz. ex Pamp.
synonym Artemisia dubia auct. non Wall. ex Besser
synonym Artemisia vulgaris var. umbrosa Besser
日本(九州)、朝鮮、中国、モンゴル、ロシア、ウクライナ、エストニア、ラトビア、リトアニア、インド、東ヒマラヤ、北西ヨーロッパ原産。中国名は野艾蒿 ye ai hao 。標高400~3000m、道端、林縁、斜面、草原、峡谷、川岸または湖畔、低木地帯に生える。
多年草または低木、高さ50~120(~200)㎝。茎は丈夫で直立し、灰色のクモ毛があるかまたは無毛、または花序の下で無毛に近い。根生葉と最下部の茎葉は開花前に枯れ、長い葉柄があり、葉身は卵形~ほぼ円形、長さ8~13㎝×幅7~8㎝、2回羽状全裂する。中間の茎葉は葉柄が長さ1~2(~3)㎝、基部には1~2裂の仮托葉(pseudostipules)があり、葉身は卵形、卵状楕円形、またはほぼ円形、長さ6~8㎝×幅5~7㎝、下面に密に綿毛があり、上面に白色の腺点とまばらにクモ毛があり、(1~)2回羽状全裂し、裂片は2~3対、長さ30~50(~70)㎜×幅5~7(~9)㎜、小裂片は2~3対、披針形または線状披針形、鋸歯がある。最上部の茎葉と葉状の苞は羽状全裂または3裂、または全縁である。裂片または苞全体が線状披針形または披針形。合成花序は狭く、葉がつき、円錐形の円錐花序である。頭花は多数、花序柄があり、または±無柄。総苞は楕円形または長円形、長さ3.5~4.5㎜×直径2~2.5(~3)㎜。総苞片には密にクモ毛状の綿毛がある。周辺小花は雌性、4~9個、花冠は長さ約1.5㎜、無毛。中心小花は10~20個、両性花、花冠は紫色、長さ2~2.8㎜。痩果は長円形または倒卵形、長さ約1mm、無毛。花期および果期は7~10月。
27 Artemisia congesta Kitam. オニオトコヨモギ 鬼男蓬
日本固有種(北海道、青森県)。海岸の岩場に生える。
多年草、高さ40~65cm。上部で多数、分枝する。花をつけない枝は長く地を這い、先にロゼットをつける。根生葉は長柄があり、柄を含めて長さ14~17cm、葉身は卵形~広卵形、長さ5.5~8㎝、2回羽状全裂または中裂し、裂片も羽状に中~浅裂する。下部の茎葉は葉柄が長く、上部の茎葉は短く、茎葉は柄を含めて長さ5~7㎝、2回羽状全裂する。花茎を直立し、穂状花序を頂生し、頭花が多数、密につく。総苞片は4列。花期は7~9月。
28 Artemisia douglasiana Besser
USA(カリフォルニア州、ネバダ州、オレゴン州、ワシントン州)原産。英名はDouglas sagewort , northwest mugwort , western mugwort。標高100~2200mの牧草地、日陰の場所、排水路沿いに生える。
多年草、高さ50~180(~250)㎝、芳香があり、根茎がある。茎は1~20本、直立し、褐色から灰緑色、単純、毛があるか、または無毛になる。葉は茎葉、二色(白色と緑色~明るい灰緑色)。葉身は狭楕円形~広倒披針形、長さ(1~)3~11(~15)㎝×幅0.5~2(~6)㎝(下部に3~5個の側裂片があり、上部はほぼ全縁)、下面にはまばらに綿毛があり、上面にはまばらに毛がある。頭花は通常うなずき、長さ10~30㎝×幅3~9㎝の(葉のある)円錐花序につき、花序の枝は広く広がり、斜上し、太い。 総苞は狭いこま形~鐘形、長さ2~3㎜×幅2~4㎜。総苞片は緑色~灰色、卵形、綿毛~軟毛がある。雌性の小花は6~10個。両性の小花は6~25個、花冠は淡黄色、長さ1~1.5㎜、無毛、ときに腺がある。痩果は楕円形、長さ0.5~1mm、無毛。 2n=54。花期は春中旬~晩秋。 品種) 'Valerie Finnis'
29 Artemisia dracunculus L.
中国、モンゴル、ロシア、カザフスタン、キルギスタン、タジキスタン、アフガニスタ、インド、パキスタン、ヨーロッパ、南西~中部アジア、北アメリカ原産。中国名は龙蒿 long hao 。英名はFrench tarragon , Russian tarragon , silky wormwood , tarragon , wild tarragon。標高500~3800メートルの乾燥した斜面、草原、半砂漠の草原、森林草原、林縁、荒地、道端、段丘、亜高山牧草地、草原、乾いた川の谷、岩の多い斜面、塩性アルカリ性土壌に生える。
亜低木、高さ(20~)40~150(~200)㎝、枝分かれした木質の根茎を持つ。 すべての部分に密~疎に微軟毛または綿毛があり、古くなるとともにまばらになり、ときに無毛になる。葉は無柄またはほぼ無柄。根生葉は葉身が全縁または先端が2~3裂している。中間の茎葉は、線状披針形、楕円状披針形、または線形、長さ(1.5~)3~7(~10)㎝×幅(0.1~)0.2~0.6(~1)㎝、全縁または頂部が3深裂するかまたは裂け、 または1個(または2個)の小さな側裂片を持つ。最上部の葉と葉状の苞は線形または披針形、長さ5~30㎜×幅1~2㎜。合成花序は幅広~総状花序のような葉のある円錐花序である。枝は斜上~直立し、ときに伏せ、長さ10㎝以下。頭花は離れ、ほぼうなずく。花序柄は湾曲しており、長さ5㎜以下。総苞はほぼ球形、卵形、または半球形、直径2~5㎜。総苞片は無毛になり、薄膜質の縁は広く、外側の総苞片は長円形または披針形で、内側の総苞片は円状長円形。周辺の雌小花は6~10[~15]個、花冠は長さ0.5~1㎜、腺があり、2裂する。中心小花は4~14個、雄性。 花冠は鐘形、長さ2~2.5㎜、5裂する。痩果は倒卵形または倒卵状楕円形。花期と果期は7~10月。2n=18, 36, 54, 72, 90。
品種) 'Inodora' , 'Sativa' , 'Thuringen'
29-1 Artemisia dracunculus var. dracunculus
中国(甘粛省、黒竜江省、吉林省、遼寧省、内モンゴル自治区、寧夏回族自治区、青海省、陝西省、山西省、新疆ウイグル自治区)、モンゴル、ロシア、アフガニスタン、パキスタン、インド、中央および南西アジア、ヨーロッパ、北アメリカに分布する。標高500~3800mの乾燥した斜面、草原、半砂漠の草原、森林草原、森林縁辺、荒地、道端、段丘、亜高山牧草地、塩性アルカリ性土壌に生える。
植物は無毛になる。葉身は線状披針形~線形、幅1~2(~3) mm、全縁または1(~2)個の小さな側裂片がある。合成花序は±広い円錐花序。頭花は無柄。総苞は球形またはほぼ球形、直径2~2.5(~3)mm。
29-2 Artemisia dracunculus var. changaica (Krascheninnikov) Y. R. Ling
中国(甘粛省、寧夏回族自治区、青海省、新疆ウイグル自治区)、モンゴル原産。中国名は杭爱龙蒿 hang ai long hao。葉身は線状披針形~線形、全縁または通常1(~2)個の小さな線形の側裂片を持つ。合成花序は総状花序。頭花は±無柄。総苞は直径3~4㎜。
29-3 Artemisia dracunculus var. qinghaiensis Y. R. Ling
中国(青海)原産。中国名は青海龙蒿 qing hai long hao。標高2500~3500mの荒れ地、道端に生える。
葉身は線状披針形~線形。合成花序は緩い円錐花序。頭花は長さ2~5㎜の花序柄があり、うなずく。総苞は直径2~5㎜。
29-4 Artemisia dracunculus var. pamirica (C. Winkler) Y. R. Ling & Humphries
中国(青海省、新疆、西蔵[チベット])、アフガニスタン、タジキスタン、パキスタン原産。中国名は帕米尔蒿 pa mi er hao。標高3000~3400mの岩だらけの斜面、草原の草原に生える。稔性のシュートが多数つき、高さ20~30(~40)cm。 茎、枝、葉は密に綿毛があり、後にまばらになる。葉は狭い間隔でつき、葉身は披針形、全縁。合成花序は密な狭い円錐花序。頭花は短い側枝に沿って密につく。
29-5 Artemisia dracunculus var. turkestanica Krascheninnikov
中国(新疆)、カザフスタン原産。中国名は宽裂龙蒿 kuan lie long hao。標高800~2500mの乾いた川の谷、段丘、草原、道端、荒れ地に生える。葉身は楕円状披針形~披針形、幅は3~6㎜m、先は通常3深裂~3中裂する。頭花は±無柄または短い花序柄がある。総苞は直径3~4㎜。
30 Artemisia desertorum Spreng. サバクオトコヨモギ 砂漠男蓬
日本、朝鮮、中国(甘粛省、貴州省、河北省、黒竜江省、吉林省、遼寧省、内モンゴル、寧夏、青海省、陝西省、山西省、四川省、新疆ウイグル自治区、チベット、雲南省)、モンゴル、ロシア、インド、ネパール、パキスタン原産。中国名は沙蒿 sha hao 。標高4600mまでの低地の草原、牧草地、森林草原、高山および亜高山草原、荒地、岩だらけの斜面、乾いた谷、川岸、森林縁、道端、草地、低木林に生える。KewscienceやFlora of Chinaでは日本も自生区域に含められているが、外来として扱われている。
多年草、高さ10~70(~90)㎝、太い木質の±斜めの根茎があり、上部で分枝し、微軟毛があるかまたは無毛。 根元葉と下部の茎葉は葉柄が長さ1~3㎝、葉身は卵形、楕円形、長楕円形、または長楕円形、長さ2~5(~10)㎝×幅1.5~4.5㎝、2(~3)回羽状全裂または羽状深裂し、裂片は2~3対、楕円形または長円形、長さ10~15(~20)㎜×幅3 ~6㎜、小裂片は3~5対、線形、線状披針形、または楕円形、長さ5~15(~20)㎜×幅1~1.5(~2)㎜、先は鋭形。中間の茎葉は葉柄が長さ1~3㎝、基部に耳があり、葉身は長円形または卵形、1~2回羽状深裂。最上部の茎葉は3~5回羽状深裂。葉状の苞は3裂または全縁。合成花序は総状花序状の円錐花序、長さ15~20㎝×幅5~6㎝。1次枝は長さ6~10㎝、±直立し、2次枝は長さ1~1.5㎝、斜上する。頭花は多数つき、うなずく。総苞は卵形またはほぼ球形、直径1.5~3㎜、短い花序柄があるかまたは無柄。総苞片は無毛、外側の総苞片は卵形、縁は狭い透明な膜質。花托は凸形、無毛。小花は12~16(~20)個。周辺小花は雌性、4~8個。中心小花は5~10(~12)個。痩果は暗褐色、倒卵形または長円形、長さ約1mm、細かい条線がある。花期および果期は8~10月。2n=36。
30-1 Artemisia desertorum var. desertorum
日本、韓国、中国(甘粛省、貴州省、河北省、黒竜江省、吉林省、遼寧省、内モンゴル、寧夏、青海省、陝西省、山西省、四川省、新疆ウイグル自治区、チベット、雲南省)、モンゴル、ロシア、パキスタン、インドに分布。標高4000mまでの低地、草原、牧草地、森林草原、高山草原、荒地、岩だらけの斜面、乾いた谷、川岸、森林限界、道端に生える。
高さ50~70(~90)㎝。根生葉は卵形、長さ2~3㎝、2回羽状深裂。小裂片は楕円形または卵状楕円形。総苞は直径2.5~3㎜。
30-2 Artemisia desertorum var. tongolensis Pampanini
中国(甘粛省、四川省、チベット)に分布。中国名は东俄洛沙蒿 dong e luo sha hao。標高3500~4600mの高山または亜高山の草原、牧草地、岩の多い斜面に生える。
茎は高さ10~15㎝。根出葉は楕円形、長さ3㎝またはそれ以上、2回羽状全裂。小裂片は線形または線状披針形。総苞は直径1.5~2㎜。
30-3 Artemisia desertorum var. foetida (Jacquemont ex Candolle) Y. Ling & Y. R. Ling
中国(青海省、四川省、チベット)に分布。中国名は矮沙蒿 ai sha hao。標高3500~4200mの高山の牧草地、草地、砂利の多い斜面、低木林の中に生える。茎は密集し、高さ20㎝未満で、短く分岐するかまたはせず、大部分は灰色または帯黄色の軟毛がある。中部の茎葉は1(~2)回羽状全裂または深裂し、裂片は線形。合成花序は総状花序状の円錐花序。総苞は直径(2~)2.5~3㎜。総苞片は褐色で、非常に薄い。
31 Artemisia dracunculus L. タラゴン
中国、モンゴル、ロシア、カザフスタン、キルギスタン、タジキスタン、アフガニスタン、パキスタン、インド、中央~南西アジア、ヨーロッパ、北アメリカ(カナダ、USA、メキシコ)原産。中国名は龙蒿 ong hao 。英名はFrench tarragon , Russian tarragon , silky wormwood , tarragon , wild tarragon。標高500~3800mの乾燥した斜面、草原、半砂漠の草原、森林草原、森林縁辺、荒地、道端、段丘、亜高山牧草地、草原草原、乾いた川の谷、岩だらけの斜面、塩性アルカリ性土壌に生える。
亜低木、高さ(20~)40~150(~200)㎝、枝分かれし、木質の根茎を持ち、すべての部分が密~疎にベ軟毛または綿毛があり、年とともにまばらになり、ときに無毛になる。葉は無柄またはほぼ無柄。根生葉は葉身が全縁、または先端が2~3裂する。中部の茎葉は、線状披針形、楕円状披針形、または線形、長さ(1.5~)3~7(~10)㎝×幅(0.1~)0.2~0.6(~1)㎝、全縁または先が3深裂または裂け、 または1~(~2)個の小さな側裂片を持つ。最上部の茎葉と葉状の苞は線形または披針形、長さ5~30㎜×幅1~2㎜。合成花序は幅広から総状花序状の葉のある円錐花序であり、枝は斜上~直立し、ときに伏せ、長さ10㎝以下。頭花は離れ~接近し、うなずく。花序柄は湾曲しており、長さ5㎜以下。総苞はほぼ球形、卵形、または半球形、直径2~5㎜。総苞片は無毛になり、薄膜質の縁は広く、外側の総苞片は長円形または披針形。内側の総苞片は円状長円形。周辺小花は雌性 6~10[~15]個、花冠は長さ0.5~1㎜、腺があり、2裂する。中心小花は4~14個、雄性、花冠は鐘形、長さ2~2.5㎜、5裂する。痩果は倒卵形または倒卵状楕円形。花期および果期は7~10月。2n=18, 36, 54, 72, 90。
31-1 Artemisia dracunculus var. pamirica (C. Winkler) Y. R. Ling & Humphries
中国(青海省、新疆、西蔵)、アフガニスタン、パキスタン、タジキスタンに分布。中国名は帕米尔蒿 pa mi er hao。3000~3400mの岩だらけの斜面、草原に生える。
稔性のシュートが多数あり、高さ20~30(~40)㎝。 茎、枝、葉は密に綿毛があり、後にまばらになる。葉は狭い間隔でつき、葉身は披針形、全縁。合成花序は密な狭い円錐花序。頭花は短い側枝に沿って密につく。
31-2 Artemisia dracunculus var. turkestanica Krascheninnikov
中国(新疆)、カザフスタンに分布。中国名は宽裂龙蒿 kuan lie long hao。標高800~2500mの乾いた川の谷、段丘、草原、道端、荒れ地に生える。
葉身は楕円状披針形~披針形、幅は3~6㎜、先は通常3深裂~3中裂。頭花は±無柄または短い花序柄がある。総苞は直径3~4㎜。
31-3 Artemisia dracunculus var. qinghaiensis Y. R. Ling,
中国(青海省)に分布。中国名は青海龙蒿 qing hai long hao。標高2500~3500mの荒れ地、道端に生える。
葉身は線状披針形~線形。合成花序は緩い円錐花序。頭花は花序柄が長さ2~5㎜、うなずく。総苞は直径2~5㎜。
31-4 Artemisia dracunculus var. dracunculus
中国(甘粛省、黒竜江省、吉林省、遼寧省、内モンゴル自治区、寧夏回族自治区、青海省、陝西省、山西省、新疆ウイグル自治区)、モンゴル、ロシア、アフガニスタン、パキスタン、インド、中央~南西アジア、ヨーロッパ、北アメリカに分布。中国名は龙蒿 long hao。標高500~3800mの乾燥した斜面、草原、半砂漠の草原、森林草原、森林縁辺、荒地、道端、段丘、亜高山牧草地、塩性アルカリ性土壌に生える。
植物は無毛になる。葉身は線状披針形~線形、幅1~2(~3)㎜、全縁または1(~2)の小さな側裂がある。合成花序は±広い円錐花序。頭花は無柄。総苞は球形またはほぼ球形、直径2~2.5(~3)mm。
31-5 Artemisia dracunculus var. changaica (Krascheninnikov) Y. R. Ling
中国(甘粛省、寧夏回族自治区、青海省、新疆ウイグル自治区)、モンゴルに分布。中国名は杭爱龙蒿 hang ai long hao。
葉身は線状披針形~線形、全縁、または通常1(~2)個の小さな線形の側裂片を持つ。合成花序は総状花序状。頭花は±無柄。総苞は直径3~4㎜。
32 Artemisia dubia Wall. ex Besser
日本、中国、インド、ブータン、ネパール、タイ原産。中国名は牛尾蒿 niu wei hao。標高3500mまでの低地の斜面、草原、川岸、道端、谷、渓谷、林縁に生える。ケショウヨモギ(Artemisia umbrosa)とされることもあった。
亜低木、高さ80~120(~180)㎝、よく分枝する。 枝は長さ15~35㎝またはそれ以上、通常は曲がりくねり、軟毛があるかまたは無毛になる。葉は短い葉柄があるかほぼ無柄、下面に灰緑色のクモ毛があるかほぼ無毛、上面は緑色で白点があり、まばらにT字形の毛があるかまたは無い。最下部の葉は卵形または長円形で、5深裂する。中部の茎葉は卵形、長さ5~12㎝×幅3~7(~9)㎝、5深裂し、裂片は楕円形、長円状槍状、または披針形、長さ30~80㎜×幅5~12㎜、基部が漸尖する。最上部の葉は三出複葉、3深裂する。葉状の苞は全縁、楕円状披針形または披針形。合成花序は狭い~広い円錐花序、長さ15~30㎝×幅10~20㎝。1次枝は±斜上~開出(上部)、長さ25㎝×幅2~3㎝・以下。頭花は多数、ほとんど無柄。総苞は広卵形または球形、直径1.5~2㎜。外側の総苞片はまばらにクモ毛があり、緑色、先は鋭形。小花は8~20個、帯紫色。周辺小花は6~8個、花冠は基部が広がり、2歯がある。中心小花は2~12個、雄性、花冠筒部には腺があり、先にはごくまばらに毛がある。痩果は褐色、長円形または倒卵形、長さ1.25~1.5㎜。花期および果期は8~10月。2n=34, 54。
32-1 Artemisia dubia var. dubia
日本、中国(甘粛省、内モンゴル、四川省、西蔵、雲南省)、ブータン、インド、ネパール、タイに分布。中国名は牛尾蒿 niu wei hao。標高3500mまでの低地の乾燥した斜面、草原、林縁、道端に生える。
葉身は下面に宿存する密な毛がある。
32-2 Artemisia dubia Wall. ex Besser var. subdigitata (Mattf.) Y.R.Ling アオヨモギ 青蓬
synonym Artemisia subdigitata Mattf.中国(甘粛省、広西チワン族自治区、貴州省、河北省、河南省、湖北省、内モンゴル、寧夏、青海省、陝西省、山東省、山西省、四川省、雲南省)、インド、ブータン、ネパール原産。中国名は无毛牛尾蒿 wu mao niu wei hao。カワラヨモギ(Artemisia capillaris)の別名とされることもあるが、別種。標高3000mまでの低地の斜面、川岸、道端、谷、渓谷、林縁に生える。
葉身は下面が無毛になる。
33 Artemisia eriopoda Bunge ナンマンオトコヨモギ
日本、朝鮮、中国、モンゴル原産。中国名は南牡蒿 nan mu hao。標高2100m付近までの林縁、道端、草原、低木地帯、峡谷、森林草原、草原、海岸砂丘、荒地、斜面、山地に生える。YListでは日本を分布域に含めていない。
多年草、高さ(30~)40~80㎝、よく分枝し、短く太い円柱形の根茎を持つ。根生葉および下部の茎葉は葉柄が長さ1.5~3㎝、葉身はほぼ円形、広卵形、または倒卵形、長さ4~6(~8)㎝×幅2.5~6㎝、1~2回羽状全裂~ほぼ全縁、裂片は2~3(~4)対、倒卵形~ほぼへら形、縁または葉全体に裂け目または鋸歯があり、または少数の鋸歯があり、基部は漸尖形。中間の茎葉はは身がほぼ円形または広卵形、長さ2~4㎝×幅2~4㎝、1~2回羽状全裂または深裂、裂片は2~3対、楕円形またはへら形、3深裂または裂け、鋸歯があるかまたは先が全縁。最上部の茎葉は羽状全裂し、裂片は楕円形、または小裂片が狭線形、または狭披針形。葉状の苞は3裂または全縁。合成花序は広い円錐花序で、主枝は多数、短い側枝がつく。頭花は多数、花序柄がある。総苞は広卵形またはほぼ球形、直径1.5~2.5mm。周辺小花は雌性、4~8個。中心小花は6~10個、雄性。痩果は長円形。花期および果期は6~11月。
33-1 Artemisia eriopoda var. eriopoda
日本、韓国、中国(安徽省、河北省、河南省、湖北省、湖南省、江蘇省、遼寧省、内モンゴル語、陝西省、山東省、山西省、四川省、雲南省)、モンゴルに分布・中国名南牡蒿 nan mu hao。標高1500mまでの低地の林縁、道端、草原、低木地帯、渓谷、森林草原、草原に生える。
茎は高さ(40~)50㎝以上ある。葉は紙質、根生葉は広卵形~倒卵形、1~2回羽状全裂、上部の裂片は側裂片より大きく、裂片には鋸歯がある。合成花序は幅広く、多数分岐した円錐花序。
33-2 Artemisia eriopoda var. gansuensis Y.Ling & Y.R.Ling
中国(甘粛省)に分布。中国名は甘肃南牡蒿 gan su nan mu hao。標高2100mまでの低地の路傍、荒れ地、法面に生える。茎は高さ30~40㎝。葉は紙質。根生葉と中部の茎葉は羽状全裂し、上部の裂片は他の裂片より大きく無い。根生葉の裂片は不規則な鋸歯があるかまたは全縁。中部の葉は2~3裂。合成花序はやや幅広の円錐花序。
33-3 Artemisia eriopoda var. maritima Y.Ling & Y.R.Ling
中国(山東省)に分布。中国名は渤海滨南牡蒿 bo hai bin nan mu hao。海抜に近い海岸の砂丘に生える。茎は高さ30~40㎝。葉はほぼ多肉質。下部の葉は羽状全裂し、上部の裂片は他の裂片より大きくなく、裂片は先で規則的に3裂する。合成花序はやや幅広の円錐花序。
33-4 Artemisia eriopoda var. rotundifolia (Debeaux) Y.R.Ling マルバナンマンオトコヨモギ
synonym Artemisia japonica var. rotundifolia Debeauxsynonym Artemisia japonica subf. elata Pampanini
synonym Artemisia japonica f. rotundifolia (Debeaux) Franchet
synonym Artemisia rotundifolia (Debeaux) Krascheninnikov.
中国(河北省、江蘇省、山東省)に分布。中国名は圆叶南牡蒿 yuan ye nan mu hao。荒地、道端、法面に生える。
茎は高さ50~80㎝。葉は紙質、根生葉はほぼ円形または倒卵状漸尖形、全縁、裂け、または先が深裂する。合成花序は幅広く、多数分岐した円錐花序。
33-5 Artemisia eriopoda var. shanxiensis Y.R.Ling
中国(山西省)に分布。中国名は山西南牡蒿 shan xi nan mu hao。山地に生える。
茎は高さ30~40cm。葉は紙質。下部の葉は羽状全裂、不規則に裂け、鋸歯があるか、または全縁。中間の茎葉は1~2回羽状全裂、上部の裂片は他の裂片より大きくなく、小裂片は線形または狭い線状披針形、長さ15~30㎜×幅1~1.5㎜。合成花序は狭い円錐花序。
34 Artemisia fauriei Nakai イヌフクド
synonym Artemisia haichowensis C.C.Chang
日本、朝鮮、中国(河北省、江蘇省、山東省)原産。中国名は海州蒿 hai zhou hao。海面の高さに近い海岸のビーチ、海と川の河口の砂浜に生える。
多年草、高さ20~40㎝、根は1本、大部分は灰色でくも毛状綿毛があり、無毛になる。根出葉はロゼットになり、すぐに枯れ、葉柄は長さ5~13㎝、葉身は卵形または広卵形、長さ11~18㎝×幅8~16㎝、3~4回羽状全裂し、小裂片は糸状、長さ(10~)15~30㎜×幅0.5~1.5㎜。中間および上部の茎葉は葉身が広卵形、長さ3~5㎝×幅3~5㎝、2~3回羽状全裂し、裂片は3~4対、小裂片は糸状、長さ5~15mm×幅0.5~1.5mm。最上部の茎葉と葉状の苞は3~5回羽状全裂または全縁、全縁の裂片は長さ1~3㎝。合成花序は円錐花序であり、斜上する主枝と多数の短い側総状花序をもつ。頭花は花序柄があり、うなずく。 総苞は卵形または倒卵形、直径2~3(~4)㎜。花托は毛がある。周辺小花は雌性、2~5個。中心小花は8~15個、両性。痩果は倒卵形、わずかに扁平。花期および果期は8月~10月。 Artemisia fauriei の元の概念には、現在ではヒメフクド(A. nakaii)のタイプである Faurie 361 も含まれていた。ヒメフクドは2年草であり、根生葉の糸状の小裂片が長さ6~15㎜であり、イヌフクドより短い点が異なる(Flora of China)。北村(Comp. Jap. 2: 435, 1940)は本種をフクド(A. fukudo Makino)とヒメフクド(A. nakaii Pamp.)の雑種とみなしている(Ylist)。Ylistでは日本を分布域に含めていない。
35 Artemisia finita Kitag. セメンシナモドキ
synonym Seriphidium finitum (Kitagawa) Y. Ling & Y. R. Ling [Flora of China]
中国(内モンゴル)原産。中国名は东北蛔蒿 dong bei hui hao。岩の多い斜面、半砂漠の草原、川岸、湖畔、牧草地に生える。亜低木、高さ50~60㎝、密な灰色のくも膜状の思春期。 下部の茎葉は葉柄が長さ2~5㎝、葉身は長円形または卵状長円形、長さ2~3(~5)㎝×幅1.2~2㎝、帯灰色のくも毛があり、2~3回羽状全裂し、裂片は(3~)4~5対、小裂片は2~3対、狭披針形、長さ3~13㎜×幅1~1.5㎜、先が鈍形。中部の茎葉は±無柄、葉身は卵形または卵状長円形、(1~)2回羽状全裂し、小裂片は狭線形または狭線状披針形。上部の茎葉と葉状の苞は3裂するかまたは全縁。合成花序は狭いまたはやや広い円錐花序。総苞は長円状倒卵形または長円形、直径2~2.5㎜。総苞片は灰色の毛がある。小花は3~9(~13)個。痩果は倒卵形。花期および果期は8~10月。
36 Artemisia freyniana (Pamp.) Krasch. ヒメイワヨモギ 姫岩蓬
synonym Artemisia messerschmidtiana Besser var. freyniana (Pamp.) Vorosch
中国(甘粛省、黒竜江省、吉林省、内モンゴル、寧夏)、モンゴル、ロシア原産。中国名は绿栉齿叶蒿 lu zhi chi ye hao。低地から中高地の草原、斜面、乾いた川の谷、川岸、森林の外縁に生える。亜低木、高さ18~35(~45)㎝、太い木質の根茎があり、短い不稔のシュートをもち、樹皮は剝れ、灰褐色、細くて直立した花のつくシュートをもち、枝は短いか無く、下部は無毛になり、上部はより宿存する微軟毛がある。中部の茎葉は葉柄が長さ3~5㎜、羽状中裂して基部に耳があり、または仮托葉(pseudostipules)を持ち、葉身は楕円状卵形または楕円形、長さ2~3㎝×幅0.7~1.5㎝、2回羽状全裂し、下面に微軟毛があり、上面は暗緑色、無毛、裂片は4~5対、楕円形、長さ5~15㎜×幅3~4㎜、櫛状に分かれ、小裂片は披針形、全縁または小鋸歯がある。最上部の茎葉と葉状の苞は分割されているかまたは全縁。苞は線形または線状披針形。頭花は密な穂状花序状の円錐花序または総状花序状の円錐花序につき、球形、直径2~3㎜。周辺小花は雌性、6~8個。中心小花は16~20 個、両性。痩果は倒卵形または楕円。花期および果期は8~10月。
37 Artemisia frigida Willd. マンシュウアサギリソウ 満州朝霧草
中国(甘粛省、河北省、黒竜江省、湖北省、吉林省、遼寧省、内モンゴル、寧夏、青海省、陝西省、新疆、西蔵)、モンゴル、ロシア、キルギスタン、タジキスタン、南西アジア、ヨーロッパ東部原産。中国名は冷蒿 leng hao 。標高1000~4000mの草原、亜高山草原、乾燥した丘陵地帯、安定した砂丘、乾燥した荒地に生える。
多年草、またはときに亜低木、高さ(10~)30~60(~70)㎝、密に帯黄色~淡黄色の絹毛があり、ときに茎の基部が無毛になる。茎は数本、基部は木質で、短く分枝または分枝しない。下部の茎葉は葉柄が長さ5~20㎜、葉身は長円形または倒卵状長円形、長さ0.8~1.5㎝×幅0.8~1.5㎝、2(~3)回羽状全裂、裂片は(2~)4対、小裂片は線状披針形または披針形。中部の茎葉は葉身が長円形または倒卵状長円形、長さ5~7㎜×幅5~7㎜、1~2回羽状全裂、小裂片は披針形~線状披針形、長さ2~3㎜×幅0.5~1.5㎜。最上部の茎葉と苞は羽状複葉または3~5裂する。合成花序は穂状花序または総状花序、ときに分岐して円錐花序を形成する。頭花はうなずく。総苞は半球形、球形、または卵形、直径(2~)2.5~4.5㎜。花托は密に白色の毛がある。周辺小花は雌性、8~13個、花冠の拡大部は黄色または紫色。中心小花は20~30個、両性。痩果は長円形または楕円状倒卵形、頂端に微細な王冠(冠毛)がある。花期および果期は6~10月。2n=18, 36; (n = 9+3b, 18, 18+2b, 36)。
38 Artemisia fukudo Makino フクド
日本(本州の愛知県以西)、四国、九州)、朝鮮、中国、台湾原産。中国名は滨艾 bin ai 。別名はハマヨモギ。河口の塩湿地に生える。
2年草。高さ30~90㎝。全体に白い短毛が生え白緑色で、全草からメロンに似たかなり強い香りがする。根生葉は断面が半円形の柄につき、2~3回掌状に深裂する。裂片の先は幅約2㎜のほぼ扁平、表面の中央がややくぼむ。茎葉は互生。側枝が多数輪になって、上に伸び、円錐花序に多数の頭花をつける。頭花の長さは約5㎜。頭花の周囲に雌性花、中心部に両性花がつく。総苞は長さ3~5㎜。総苞片は3~4列、縁が乾膜質。痩果は長さ1.2~2㎜。花期には根生葉は残らないが、近くに葉だけの新しい株が見られる。2n=16。花期は9~11月。
39 Artemisia furcata M.Bieb. エゾハハコヨモギ 蝦夷母子蓬
synonym Artemisia trifurcata Stephan ex Spreng.
synonym Artemisia trifurcata Stephan ex Spreng. var. pedunculosa (Koidz.) Kitam.
synonym Ajania furcata (M.Bieb.) Poljakovsynonym Artemisia furcata M.Bieb. var. pedunculosa (Koidz.) Toyok. エゾハハコヨモギ 狭義
synonym Artemisia glomerata var. pedunculosa Koidz.ロシア、北アメリカ(カナダ、USA)原産。英名はforked wormwood。別名はナガエハハコヨモギ。標高500~2700mの崖錐(がいすい)またはツンドラに生える。
多年草、高さ7~35㎝(叢生せず)、ほのかに芳香がある(根茎ではなく、主根は太く、尾部は単純または分枝しており、枝は持続的な葉の基部で覆われている)。 茎(花)1 ~ 5、直立、薄茶色、単純、ストリギロースまたは有鱗。 根生葉(ロゼット状)と茎葉、灰緑色。 葉身は楕円形、長さ2~10(~12)cm(根生葉)または長さ1~1.5㎝×幅0.4~0.6㎝(茎葉)、1~3掌状葉、面はまばらから密な縞模様。 頭部(直立または広がり、多少うなずき、花柄は長さ0~30㎜)は長さ1~6㎝×幅1~2㎝の総状花序または穂状花序につく。総苞は広鐘形、長さ3~6㎜×幅4.5~8㎜。総苞片(帯緑色、しばしば色は細かい毛により不明瞭)は卵形または披針形(縁は暗褐色)で、疎~密に綿毛がある。周辺小花は雌性、6~7個。両性小花は15~26個。花冠は大部分が黄色、ときに赤みを帯び、長さ1~2㎜、無毛または無毛。痩果は長円形(うねがあり)、長さ1~1.5 mm、無毛。2n=18, 36, 72, 90。花期は夏の終わり。
39-1 Artemisia furcata subsp. flavida Vorosch. & Nechaev
ロシア(ハバロフスク)に分布。
39-2 Artemisia furcata subsp. furcata
ロシア、北アメリカに分布。
39-3 Artemisia furcata subsp. insulana (Krasch.) Vorosch.
カムチャッカ半島に分布。
40 Artemisia gilvescens Miq. ワタヨモギ 綿蓬
日本(徳島県、沖縄県)、中国(安徽省、湖北省、湖南省、江西省、陝西省、四川省)原産。中国名は湘赣艾 xiang gan ai。薬用に使用される。低い標高の道端、低木林、林縁に生える。
多年草。 茎は直立し、高さ(30~)80~150㎝、密に羊毛状毛があり、上部の節から短く分枝し、枝はときにうなずく。中部の茎葉は無柄、紙質、葉身は長さ6~7㎝×幅2.8~4.5(~6)㎝、下面に密にクモ毛状綿毛があり、上面は緑色、密に白点があり、まばらなクモ毛状綿毛があるかまたは無毛になり、3~5裂し、基部は楔形または不明瞭な葉柄に漸尖し、頂裂片は長円形で鋭形、全縁または1~2個の離れた鋸歯があり、側裂片は小さく、長円状披針形、尖鋭形。上部の茎葉は次第に小さくなり、無柄、葉身は長円形、基部は楔形、縁は全縁、わずかに反り返り、先は鋭形。合成花序は狭い円錐花序で、上部の葉腋から側枝にも生じて大きな円錐花序を形成し、下部枝は長さ2.5㎝以下であるが、しばしば、下につく苞よりもはるかに短い。頭花は短い花序柄がある。総苞は円筒形、長さ約4㎜×幅(2~)2.5~3㎜。総苞片は3列、密にクモ毛があり、外側の総苞片は卵形、先が鈍形、やや短く、中部の総苞片と内側の総苞片は長円形、先は円形。周辺小花は雌性、5~8個、花冠は長さ約1.5㎜。中心小花は7~13個、両性、花冠は長さ約2.2㎜、筒部は長さ約1㎜。痩果は楕円形または倒卵形、長さ約0.8㎜。花期と果期は7~10月。
41 Artemisia glomerata Ledeb. ハハコヨモギ 母子蓬
synonym Artemisia leontopodioides Fisch. ex Besser
synonym Artemisia glomerata Ledeb. var. leontopodioides (Fisch. ex Besser) Kitam. チシマハハコヨモギ
日本(本州の中央アルプス、南アルプス)、千島、ロシア、北アメリカ(アラスカ、カナダ)原産。英名はcongested sagewort。標高0~1000mの北極地および高山のツンドラと砂地、砂礫地、岩場の斜面に生える。多年草、高さ30~50(~100)㎝(密に叢生し)、穏やかな芳香がある(根茎がなく、てい幹がほぼ地下にあり、枝は宿存する葉の基部で覆われる)。 茎は比較的多数、斜上し、褐色、単純、毛がある。葉はほとんど根生し(茎葉はほとんど 2~4個で、小さい)、帯白色。葉身(根生葉)は 扇形、長さ0.5~1(~2)㎝×幅0.5~0.8(~1.5)㎝、比較的深裂し(裂片は5~9個、線形)、面には小剛毛がある。頭花(3~10個、直立またはうなずき、花序柄は長さ0~15㎜)はほぼ頭状花序状~散房花序状につき、花序は長さ1~5㎝×幅2~4㎝。総苞は広鐘形、長さ3~4㎜×幅3.5~5㎜。総苞片は披針形(縁は帯褐色)で、密に直軟毛がある。周辺小花は雌性、4~5個。両性小花は10~15個。花冠は黄色(3~5歯)、長さ2~2.5㎜、無毛またはまばらに直軟毛がある。痩果は楕円形(扁平で、縁にうねがあり)、長さ1~1.5㎜、無毛。2n=18, 27, 36, 54。花期は7~8月。
42 Artemisia gmelinii Weber ex Stechm. イワヨモギ 岩蓬 広義
synonym Artemisia sacrorum Ledeb. subsp. laxiflora (Nakai) Kitag. var. laciniiformis Nakai f. platyphylla Pamp.
synonym Artemisia sacrorum Ledeb. subsp. laxiflora (Nakai) Kitag.synonym Artemisia iwayomogi Kitam.
synonym Artemisia iwayomogi Kitam. f. laciniiformis (Nakai) Kitam.
synonym Artemisia sacrorum Ledeb. [YList]
日本(北海道)、朝鮮、中国、モンゴル、ロシア、カザフスタン、キルギスタン、タジキスタン、ウズベキスタン、インド、ネパール、パキスタン原産。中国名は细裂叶莲蒿 xi lie ye lian hao 。英名はRussian wormwood。北海道の在来種であるが、日本全土に帰化している。
亜低木、叢生し、高さ50~100(~150)㎝、木質の根茎があり、密に軟毛があり又は無毛になる。茎は上部で分枝する。葉には腺点がある。中間の茎葉は葉柄が長さ1~5㎝、三角形又は楕円状卵形、長さ2~10㎝×幅2~8㎝、2~3回羽状全裂、羽片は3~5対、小裂片,は鋸歯状又は櫛状、葉軸は鋸歯がある。最上部の葉と葉状の苞は1~2回羽状全裂又は全縁、裂片は線形又は線状披針形。合成花序は広円錐花序。頭花は下を向く。総苞は球形、直径2~3.5(~5)㎜。総苞片は微軟毛があり、ときに無毛になる。周辺の雌小花は10~12個つく。花冠は狭い筒形、長さ約1.3㎜、密に腺点がある。中心小花は20~40個、両性、花冠は長さ約1.8㎜。痩果は楕円状卵形又は楕円状円錐形。花期と果期は8~10月。2n=18, 36。(Flora of China)
42-1 Artemisia gmelinii var. gmelinii イワヨモギ 岩蓬
synonym Artemisia iwayomogi Kitamura;
synonym Artemisia sacrorum Ledebour
synonym Artemisia sacrorum f. intermedia (Ledebour) Pampanini
synonym Artemisia sacrorum var. latiloba Ledebour
synonym Artemisia sacrorum subf. laxiflora (Nakai) Pampanini
日本(北海道)、朝鮮、中国、モンゴル、ロシア、アフガニスタン、カザフスタン、キルギスタン、タジキスタン、インド、ネパール、パキスタン原産。中国名は白莲蒿 bai lian hao 。英名はRussian wormwood, Gmelin's wormwood。
葉は2~3回羽状全裂、両面に灰色の軟毛があり、後に無毛になる。
42-2 Artemisia gmelinii var. incana (Besser) H. C. Fu . ウラジロヒメイワヨモギ
synonym Artemisia sacrorum f. discolor Komarovsynonym Artemisia sacrorum f. incana (Besser) Pampanini
synonym Artemisia sacrorum var. incana (Besser) Y. R. Ling
synonym Artemisia sacrorum subsp. manshurica Kitamura
synonym Artemisia sacrorum f. vestita Komarov
synonym Artemisia sacrorum subf. vestita (Komarov) Pampanini
synonym Artemisia vestita var. discolor (Komarov) Kitagawa.
日本、朝鮮、中国、モンゴル原産。中国名は灰莲蒿 hui lian hao 。
葉は2~3回羽状全裂、下面に灰色の軟毛~白色の綿毛があり、上面はまばらに灰色の軟毛がある。
42-3 Artemisia gmelinii var. messerschmidiana (Besser) Poljakov ヒメイワヨモギ
synonym Artemisia messerschmidiana Besser日本、朝鮮、中国、モンゴル、ロシア、アフガニスタン原産。中国名は密毛白莲蒿 mi mao bai lian hao
葉は2~3回羽状全裂、両面に灰色又は帯黄色の軟毛があり、下面は密に軟毛があり、上面にはまばらにある。
43 Artemisia halodendron Turcz. ex Besser サバクヨモギ 砂漠蓬
中国(甘粛省、河北省、黒龍江省、吉林省、遼寧省、内モンゴル、寧夏、陝西省、山西省、新疆)、モンゴル、ロシア原産。中国名は盐蒿 yan hao。砂漠地帯の砂丘、砂漠の草原、草原、森林草原、岩の多い斜面に生える。防風と砂の安定化に使用されている。
低木、高さ50~80 ので、多数の長枝と小枝があり、無毛になり、紫色。 葉は微軟毛があるかまたは無毛になる。下部および中部の茎葉は葉柄が長さ1~4㎝、葉身は広卵形またはほぼ円形で、1~2回羽状全裂し、裂片は(2~)3~4対、基部の裂片は他の裂片より長く、小裂片は1~2対、線形、長さ10~15(~20)㎜×幅0.5~1㎜m、先は小微突形。最上部の茎葉と葉状の苞は3~5全裂または全縁。合成花序は幅広く、多数分岐した円錐花序。頭花は多数つき、短い花序柄があるかまたは無柄で、直立する。総苞は卵形、直径(2.5~)3~4㎜。周辺小花は雌性、4~8個。中心小花は8~15個、雄性。 痩果は卵状長円形または倒卵状楕円形。花期および果期は7~10月。
44 Artemisia igniaria Maxim. ホクチヨモギ 火口蓬
中国(河北省、黒竜江省、河南省、吉林省、遼寧省、内モンゴル、寧夏、陝西省、山東省、山西省)原産。中国名は歧茎蒿 qi jing hao。標高100m以下の斜面、林縁、草原、低木地帯、道端に生える。
亜低木、高さ60~120(~150)㎝、灰色の綿毛があるか、またはその後まばらな綿毛になる。中間の茎葉は葉柄が長さ5~15㎜、葉身は卵形または広卵形、長さ6~12㎝×幅4~10㎝、下面に密に綿毛があり、上面は灰色の綿毛があるかまたは無毛になり、1~2回羽状深裂し、裂片は2~3対、楕円形または長円形、長さ3~5(~6)㎝×幅2~3㎝、小裂片は(2~)3(~4)対、先は小微突形。最上部の茎葉は3深裂または全縁。葉状の苞は楕円形、全縁。合成花序は±広い円錐花序。総苞は楕円形または卵形、直径2.5~3.5㎜。総苞片は灰色のクモ毛状綿毛がある。周辺小花は雌性、5~8個。中心小花は7~14個、両性。痩果は長円形。花期および果期は8~11月。
45 Artemisia indica Willd. ニシヨモギ 西蓬
synonym Artemisia dubia auct. non Wall. ex Besser
synonym Artemisia indica Willd. var. orientalis (Pamp.) H.Hara
synonym Artemisia dubia Wall. ex Besser f. asiatica Pamp
synonym Artemisia princeps Pamp. var. orientalis (Pamp.) H.Hara
synonym Artemisia asiatica (Pamp.) Nakai ex Kitam.
synonym Artemisia vulgaris L. var. indica (Willd.) Maxim.
日本(本州の関東地方以西、九州、沖縄)、中国、台湾、インド、ブータン、ミャンマー、タイ原産。中国名は五月艾 wu yue ai。別名はフーチバー。標高2000mまでの低地の道端、林縁、斜面、低木林に生える。
多年草または亜低木、高さ80~150㎝、よく分枝し、まばらに微軟毛があるかまたは無毛になる。葉は短い葉柄があるか、または±無柄、葉身は下面に密に灰色のくも毛状綿毛があり、上面に灰色または帯黄色の綿毛があるか、または無毛になる。最下部の葉は卵形~長円状卵形、長さ6~12㎝×幅3~8㎝、(1~)2回羽状深裂し、上部の裂片は大きく、裂片は3~4対、中脈に翼がある。中部の茎葉は卵形、長円状卵形、または楕円形、長さ5~8㎝×3~5㎝、(1~)2回羽状深裂し、裂片は3(~4)対、上部の裂片が大きく、裂片は楕円状披針形~線状披針形、または線形、長さ10~20㎜×幅3~5㎜、小裂片は深い鋸歯があり、先は鋭形または尖鋭形。最上部の葉は羽状深裂。葉状の苞は3裂または全縁。頭花は無柄または目立たない花序柄があり、±直立し、広円錐形に離れてつき、ほとんど葉のつかない円錐花序が斜めに広がり、枝は長さ18㎝以下。総苞は卵形~長円状卵形、または広卵形、長さ3~4㎜×幅約2㎜[頭花の幅2.5~3.0㎜]。総苞片は微軟毛があるか無毛になる。小花は 15~20個、帯黄色、すべて稔性。周辺小花は雌性、4~10個、花冠は筒状、±腺があり、2歯がある。中心小花は8~12個、両性、基部に腺がある。痩果は褐色、長円形~倒卵形、長さ約1.25mm。花期および果期は8~10月。
45-1 Artemisia indica var. indica
日本、韓国、中国、インド、インドネシア、ミャンマー、フィリピン、タイ、ベトナム、北アメリカ~中アメリカ、オセアニアに分布。中国名は五月艾 wu yue ai。低地から中高地の道端、林縁、斜面、低木林に生える。
枝は長さ10~15(~20)㎝。葉は下面に密にクモ毛状綿毛がある。小裂片は先が鋭形、中脈に狭い翼がある。頭花は幅広またはやや幅広の円錐花序につく。
45-2 Artemisia indica var. elegantissima (Pampanini) Y. R. Ling & Humphries
中国(チベット)、インドに分布。中国名は雅致艾 ya zhi ai。中高地の斜面に生える。枝は長さ15~25㎝。葉は下面にまばらに綿毛があるかまたは無毛になる。小裂片は先が尖鋭形、中脈に翼がある。頭花は広い円錐花序につく。
45-3 Artemisia indica var. momiyamae (Kitam.) H.Hara
日本(本州)[J. Jap. Bot. 59: 236 (1984)]。
46 Artemisia integrifolia L. マンシュウヒトツバヨモギ 満州一葉蓬
朝鮮、中国(河北省、黒竜江省、吉林省、遼寧省、内モンゴル)、モンゴル、ロシア原産。中国名は柳叶蒿 liu ye hao。低地から中高地、林縁、道端、川岸、草原、牧草地、森林草原、低木地帯に生える。
多年草、高さ50~120㎝、くも毛状微軟毛がある。葉は下面に密に綿毛があり、上面は灰白軟毛(incanous)状の微軟毛があるかまたは無毛になり、無柄。 最下の葉は卵形または楕円形、まれに広卵形、縁にはわずかな鋸歯がある。中部の茎葉は楕円形、楕円状披針形、または線状披針形、長さ4~7㎝×幅1.5~2.5(~3)㎝、基部は漸尖し、縁には1~3個の鋸歯があり、先は尖鋭形。最上部の茎葉は楕円形または披針形で、全縁、まれに少数の鋸歯がある。合成花序は狭い円錐花序。総苞は楕円形または長円形、直径(2.5~)3~4㎜。総苞片にはまばらに微軟毛がある。周辺小花は雌性、10~15個。中心小花は20~30個、両性。痩果は倒卵形または長円形。花期および果期は8~10月。2n=18, 36。
47 Artemisia japonica Thunb. オトコヨモギ 男蓬
日本全土、朝鮮、中国、ロシア、アフガニスタン、パキスタン、インド、ブータン、ネパール、ラオス、ミャンマー、フィリピン、タイ、ベトナム原産。中国名は牡蒿 mu hao 。標高3300mまでの低地の林縁、荒地、低木林、丘、斜面、道端に生える。
多年草、高さ50~130㎝。根茎は太さ1.5~2.5㎝、上部に微軟毛があり、又は無毛になり、強い匂いがある。不稔の茎は長さ5~30㎝、葉が先に束生する。葉身はへら形、長さ3.5~8㎝×幅1~3㎝、羽状に分裂し、歯があり、先は円形。根生葉と下部の茎葉はほぼ無柄。葉身は長円状倒卵形~広へら形~扇形、長さ (3~)4~6(~8)㎝×幅(1~)2~2.5(~3)㎝、微軟毛があるか又は無毛になり、斜めに羽状深裂又は先から中央まで切れ込み、先に少数の鋸歯がある。中間の茎葉は葉身がへら形で楔形、又は狭いへら形、長さ2.5~3.5(~4.5)㎝×幅0.5~1(~2)㎝、斜めに深裂又は切れ込み、先に少数の鋸歯又は線形の裂片になる。最上部の葉は3裂又は全縁。葉状の苞は楕円形披針形、又は線状披針形。合成花序は±狭い円錐花序、長さ 15~20㎝×幅3~15(~20)㎝。枝はほとんど水平又は斜めに開出し、長さ3~20㎝。頭花は多数つき、下を向き、花序柄は短~長。総苞は卵形又は類球形、直径1.5~2.5㎜。総苞片は無毛、最も外側の総苞片は卵形、縁がごく狭い白色の薄膜質になり、先は鋭形。小花は12~15(~20)個、黄色。周辺の雌性の小花は3~8(~11)個、花冠は狭く、2歯がある。中心小花は5~10個、雄性。痩果は暗褐色、長さ0.8~1㎜、倒卵形。花期および果期は7~11月。2n=18, 36, 37。
47-1 Artemisia japonica var. japonica オトコヨモギ
日本、朝鮮、中国、ロシア、インド、ネパール、ブータン、アフガニスタン、ラオス、ミャンマー、タイ、ベトナム、フィリピン原産。中国名は牡蒿 mu hao 。標高3300mまでの低地の林縁、荒地、低木林、丘、斜面、道端に生える。
中間の茎葉はへら形、全縁、鈍形又は切形、先に少数の鋸歯があるか又は先から中間まで斜めに切れ込み、裂片は長円形又は楕円形、狭い線形ではない。
47-2 Artemisia japonica var. hainanensis Y. R. Ling
中国(広西チワン族自治区、海南省)に分布。中国名は海南牡蒿 hai nan mu hao。
中部の茎葉は狭いへら形、斜めに3~5深裂~全裂し、裂片は線形、まれに3鋸歯状になる。
48 Artemisia kawakamii Hayata カワカミヨモギ 川上蓬
台湾原産。中国名は山艾 shan ai 。標高2700~3900mの荒れ地、岩の多い斜面に生える。
亜低木、高さ8~25(~30)㎝、絹毛状綿毛があるかまたは無毛になる。根出葉はロゼットを形成し、長い葉柄がある。下部と中部の茎葉は葉柄が長さ5~20㎜またはそれ以上、葉身は長円形~楕円形、長さ2~4㎝×幅1~2㎝、下面に密な白色の綿毛があり、上面にまばらな絹毛状綿毛があり、(~)2回羽状全裂し、裂片は 3(~4)対、ほとんどがに小裂片があり、小裂片は線形または線状披針形、長さ5~20(~30)㎜×幅0.5~1(~2)㎜。最上部の茎葉は3裂する。葉状の苞は、線状披針形または線形。合成花序は緩い総状花序状の円錐花序。頭花は少数。花序柄は長さ2~20㎜。総苞は半球形または広卵形、直径4~4.5mm。総苞片はまばらに綿毛がある。周辺小花は雌性、8~12個。中心小花は18~25個、両性。痩果は倒卵形。花期および果期は7~11月。2n=18。
49 Artemisia keiskeana Miq. イヌヨモギ 犬蓬
日本(北海道、本州、四国、九州)、朝鮮、中国、ロシア原産。中国名は无齿蒌蒿 wu chi lou hao。和名の由来はヨモギに似ていても役に立たない意味から。やや乾いた丘陵に生える。
多年草。高さ30~80㎝。茎は株立ちとなり、下部は木質化する。無花茎があり、無花茎は下部が這い、ロゼット状の葉をつける。根生葉は長さ3~10㎝、幅1.5~4㎝の基部が楔形の広いさじ形、縁に大きい鋸歯があり、葉柄がある。茎葉は長さ3~9㎝の倒卵形~さじ形、無柄、縁には鋸歯がまばらにつき、上部の葉は鋸歯が浅い。葉表は緑色、葉裏には白毛が密生し、白色を帯びる。総状花序に筒状花のみからなる頭花を多数つける。総苞は直径3~3.5㎜の球形。総苞片は3~4列、無毛、縁が透明な膜質になる。雌花は6~10個つき、花冠は長さ1.2~1.5㎜、花柱は先が2裂し黄色。両性花は13~18個つき、長さ約2㎜、花柱の先が尖る。痩果は長さ約2㎜。2n=18 ,27。花期は8~10月。
50 Artemisia kitadakensis H.Hara et Kitam. キタダケヨモギ 北岳蓬
日本固有種(本州)。高山帯の礫地に生える。
甲斐北岳に産するアサギリソウに似た新種である。茎は高さ20~30㎝にて叢生し分岐しない。葉は多数あって 細裂し、全株厚く絹毛に包まれて灰白色である。アサギリソウに似ているが、枝をあまり打たぬのと頭花大きくて幅8㎜程あることのにより区別できる。
根茎は太く木質、繊維質。茎は叢生、直立し、高さ20~30㎝、単純な絹毛状軟毛があり、多少、裸になり、花序に密に葉が茂る。下部の葉は鱗片状で長さ4~6mm、先は長く鈍形または3裂し、密に絹毛状の絨毛がある。中間の茎葉は長さ22~26㎜×幅20mm、葉柄は長さ約10㎜、葉身は2~3深裂し、 裂片は線形、両面に絹毛がある。頭花は束生し、うなずき、乾くと幅約8㎜。花序柄は長さ6~13㎜。総苞は半球形、絹状絨毛があり、長さ5㎜×幅8㎜。総苞片は4列、ほぼ等長、外側の総苞片は卵形で先は鋭形、内側の総苞片は楕円形、先は不規則に裂け、丸くなり、縁が褐色の膜質。花托には密に剛毛がある。周辺小花は雌性、花冠は長さ2.5㎜×幅0.5㎜、絨毛がある。両性小花は多数、花冠は長さ2.5㎜×幅1㎜、絨毛がある。花期は7~8月。
品種) 'Guizhou'
51 Artemisia koidzumii Nakai ヒロハウラジロヨモギ 広葉裏白蓬
日本(北海道)、千島、ロシア原産。別名はオオワタヨモギ。海岸に近い草原や岩場に生える。
多年草、高さ35~100cm。地下茎は長く伸びて広がる。茎は叢生し、灰白色の毛が密にある。中部の茎葉は質が厚く、倒卵形、長さ4.5~18cm×幅3.5~11cm、羽状中裂し、裂片は2~3対、裂片の先は鈍形、上面は初めクモ毛があるが後に無毛になり、下面は灰白色の毛が密にある。合成花序は円錐花序、頭花が多数つく。総苞は鐘球形、直径約4㎜、密にくも毛がある。花期は8~10月。
51-1 Artemisia koidzumii Nakai var. megaphylla Kitam. オオバヨモギ
北海道、本州青森県(下北半島大間町弁天島)に分布。高さ2mにもなる。52 Artemisia kurramensis Quazilb. クラムヨモギ
synonym Seriphidium kurramense (Qazilb.) Y.R.Ling [The Plant List , Flora of Pakistan]
アフガニスタン、パキスタン原産。50年に西パキスタンから輸入され、日本各地で栽培されている。低木、高さ60(~80)㎝以下。茎は直立し、密に帯白色の毛があり、最終的には無毛になり、通常は下部の淡褐色の茎から分枝し、直立し先が分枝し、根茎は直立する。葉は密に白色の綿毛があるものから無毛になるものまである。下部および不稔のシュートの葉は葉柄があり、±等しく、葉身は卵形、長さ(10~)20~50㎜x幅10~40㎜、2(~3)回羽状全裂し、裂片は狭い線形、長さ1~8(~15)㎜x幅0.3~0.6㎜、やや離れ、最終裂片は±鋭い。中部の茎葉は無柄で、通常は開花時に枯れ、短く、裂け目が少なく、狭い線形の裂片がある。花の領域の最上部の茎葉は頭花より長いかまたは短く、単純、線状長円形、長さ3~5㎜。頭花は無柄、同性花(homogamous)、長円形、長さ2.5~3.5㎜、直立、接近し(approximate)、幅広の長円形の長さ10~25㎝x幅8~12㎝に多数つき、密な円錐花序が斜めに直立~斜上し、長さ10~15㎝の枝を持つ。総苞は5~6列で、総苞片はコンパクトに覆瓦状になり、外側にはまばらに微軟毛と腺点がある。最も外側の2列の総苞片は肥厚し、楕円形、長さ1~1.5mm、緑色、縁が±膜質、鈍形。 最も内側の総苞片は倒披針形、ヘラ形、長さ約2.5mm、広い透明な薄膜質、鈍形。花托はほぼ球形、無毛。小花は4~5個、両性、黄色、長さ約2㎜、円錐状筒形、腺があり、花冠に5歯がある。痩果は褐色、倒披針形、約・長さ1.25㎜x幅0.75㎜、側面に花冠状の瘢痕がある。
53 Artemisia laciniata Willd. シコタンヨモギ 色丹蓬
北海道(礼文島と根室半島)、千島、樺太、ロシア、アジア北部~ヨーロッパ中部~北部、北アメリカに分布する。
多年草、高さ5~15㎝(叢生しない)、ときに穏やかな芳香がある。茎は1~3本、直立し、赤褐色、単純、小剛毛~開出毛があるか、または無毛。 葉は根生葉(ロゼットをつくり、葉柄は長さ12㎝以下)と茎葉、帯緑色。根生葉の葉身は2~3回羽状、比較的深く裂け(茎葉は無柄、1~2回羽状浅裂~全縁)、面にはまばらに毛がある。頭花は10~70個、開出~うなずき、花序柄は長さ0~10㎜、穂状花序につき、穂状花序は長さ2~5㎝×幅0.5~1㎝または長さ8~18㎝×幅1~4㎝。総苞は球形、長さ3~5㎜×幅4~8㎜。総苞片(帯緑色または帯黄色)は楕円形(縁は透明、帯褐色)、無毛またはまばらに毛がある。周辺雌小花は6~8個。中心小花は両性、20~50個。花冠は帯黄色、黄色または赤みを帯びた黄色、長さ1~2㎜、毛がある(毛が絡み合う)。痩果は長円形、長さ0.5~1㎜、無毛。2亜種ある。
53-1 Artemisia laciniata subsp. laciniata
カナダ(ユーコン準州)、USA(アラスカ州)、ユーラシア原産。標高100~1500mの乾燥した砂利の多い川岸、草が茂った平地、森林地帯、乾燥した丘の中腹に生える。
茎は高さ20~50㎝、毛がある。葉はほとんどが茎葉、葉身は長さ5~20㎝×幅1~2㎝で、まばらに毛がある。頭花は長さ8~18㎝×幅1~4㎝の花序につく。総苞は長さ3~5㎜×幅4~8㎜。花冠は帯黄色、長さ1~1.5mm。痩果は長さ0.5~1 mm。2n=18。花期は夏の半ば~晩夏。
53-2 Artemisia laciniata subsp. parryi (A. Gray) W. A. Weber
USA(コロラド州、アイダホ州、ニューメキシコ州、ユタ州)原産。英名はParry sagewort。標高2700~3900mの亜高山および高山の牧草地、岩の多い土壌に生える。茎は高さ10~40㎝、無毛。 葉はほとんど根生葉、面には絹毛がある。最下部の葉は長さ4~8㎝×幅0.5~1㎝。茎葉は長さ1.5~0.8㎝×幅0.2㎝。頭花は長さ2~5㎝×幅0.5~1㎝の花序につく。総苞は長さ3~4㎜×幅4~5㎜。花冠は黄色または赤みを帯び、長さ1.5~2㎜。花期は夏の終わり~秋。
54 Artemisia lactiflora Wall. ex DC. ヨモギナ 蓬菜
中国、台湾、インド、タイ、インドネシア原産。中国名は白苞蒿 bai bao hao 。英名はwhite mugwort 。標高3000mまでの低地、森林縁、低木地、峡谷、斜面、道端、川岸、藪に生える。
多年草、高さ50~150(~200)㎝、すべての部分が無毛。下部と中部の茎葉は葉柄が長さ2~5㎝またはそれ以上、葉身は卵形~卵状楕円形、長さ5.5~12.5(~31)㎝×幅4.5~8.5(~15)㎝、1~2(~3)羽状全裂まれに深裂し、裂片は3~4(~5)対、非常に多様で、卵形~卵状楕円形~倒卵形、または楕円形。基部と側裂片は上部の裂片より大きく、長さ2~8㎝×幅1~3㎝、縁は不規則な鋸歯があり、先は円形~尖鋭形。最上部の葉と葉状の苞は 1~2回羽状深裂または全裂で、縁には鋸歯がある。合成花序は±狭い円錐形の円錐花序で、しばしば、上部の節からの追加の円錐花序があり、幅広い円錐形の複合の円錐花序を形成する。枝は斜めに斜上する。最終的な枝は長さ4㎝以下。苞はほとんど無い。頭花は密につき、無柄。 総苞は長円形、直径1.5~2.5(~3)㎜。周辺小花は雌性、4~10個。中心小花は4~10個、両性。痩果は倒卵形または倒卵状長円形。花期および果期は8~10月。2n=16, 18。
品種) (Guizhou Group) 'Dark Delight' , 'Elfenbein' , Guizhou Group , 'Jim Russell' , 'Laigong' , 'Stonyford' , 'Variegata' , 'Weisse Dame' , 'Weisses Wunder'
55 Artemisia lagocephala (Fisch. ex Besser) Fisch. ex DC. イワキヌヨモギ 岩絹蓬
中国(黒竜江省、吉林省、内モンゴル、四川省)、ロシア原産。中国名は白山蒿 bai shan hao 。別名はタカネキヌヨモギ。標高2600m以下の丘、岩の多い斜面、尾根、森林の外縁、道端、森林草原に生える。亜低木または多年草、叢生し、高さ40~80㎝、木質の根茎があり、短く分枝し、密に灰色または帯褐色の毛がある。最下部および中間の茎葉は無柄、へら形、楕円状倒披針形、または披針形、長さ3~6㎝×幅0.3~1㎝、3~5個の円鋸歯状の裂け目または先が全縁、基部は楔形、縁は不規則に裂けて鋸歯がある。上部の茎葉と葉状の苞は、披針形または線状披針形、先は鈍形または鋭形。合成花序は総状花序状の円錐花序。頭花は花序柄がある。総苞は半球形またはほぼ球形、直径4~6㎜。花托は半球形、毛がある。周辺小花は雌性、7~10個、花冠には3(~4)歯がある。中心小花は30~80個、両性、花冠の拡大部には微軟毛がある。痩果は楕円形または倒卵形。花期および果期は8~10月。2n=18。
56 Artemisia lancea Vaniot ヒメヨモギ 姫蓬
synonym Artemisia minutiflora Nakai
synonym Artemisia feddei H.Lev. et Vaniot
日本(本州、四国、九州)、朝鮮、中国、台湾、ロシア、インド原産。中国名は矮蒿 ai hao 。山地性のものと、塩湿地性のものがあり、前者は道端などでも見られる。後者の愛知県内の自生地は三河地域に限られ、絶滅危惧種ⅠA類に指定されている。全国ではリスト外。
多年草、高さ80~150㎝。根茎があり、まばらにクモ毛があり、ときに無毛になる。根生葉と最も下部の茎葉は花期前に枯れ、葉柄は短い。葉身は卵形、長さ 3~5(~7)㎝×幅2.5~4(~6.5)㎝、2回羽状全裂、羽片は3~4対。小裂片は線状披針形又は線形、長さ3~6㎜×幅2~3㎜。中間の茎葉はほぼ無柄。葉身は卵状楕円形~卵状円形~類円形、長さ1.5~2.5㎜×幅0.1~0.2㎜、下面は密に灰色又は帯黄色のクモ毛があり、上面には腺点とまばらに細クモ毛があるか又は無毛になり、縁は外巻き、先は鋭形。最も上の葉と葉状の苞は3~5裂又は全縁。裂片又は全縁の苞は披針形又は線状披針形。合成花序は密な、広~狭の円錐花序。頭花は多数。総苞は卵形又は楕円状卵形、直径1~1.5㎜。総苞片はまばらにクモ毛があり、無毛になる。周辺の雌性の小花は1~3個、花冠は長さ約0.8㎜。中心小花は2~5個、両性、花冠は帯紫色、長さ約1.5㎜。痩果は長円形。花期および果期は8~10月。
57 Artemisia latifolia Ledeb. ヒロハキクヨモギ 広葉菊蓬
朝鮮、中国(甘粛省、黒竜江省、吉林省、遼寧省、内モンゴル)、モンゴル、ロシア、カザフスタン、キルギスタン、ウズベキスタン、南西アジア、ヨーロッパ原産。中国名は宽叶蒿 kuan ye hao 。低地から中高地の草原、森林草原、森林外縁、荒地、低木地、牧草地、塩性土壌に生える。
多年草、高さ20~70㎝、頭花で短く分枝するか頂端で分枝せず、微軟毛があり、すぐに無毛になる。葉には腺点がある。根生葉および中間の茎葉は葉柄が長さ3~6㎝、根生葉の葉身は長円形または卵形、(1~)2回羽状全裂する。下部および中間の茎葉は葉身が楕円状長円形または楕円状卵形、長さ4~14(~18)㎝×幅2~7(~9)㎝、1~2回羽状全裂、裂片は5~7個。 裂片は披針形または卵状披針形で、櫛状で深い鋸歯があり、 歯は長さ(3~)5~13㎜×幅(1~)2~3㎜。 最上部の葉は櫛状羽状全裂する。葉状の苞は線形、全縁。 合成花序は狭い円錐花序。総苞は球形または半球形、直径3~4㎜。総苞片の縁は褐色で不規則に裂ける。周辺小花は雌生、5~9個。中心小花は18~25 個、両性。痩果は倒卵形。花期および果期は7~10月。2n=36。
58 Artemisia leucophylla Turcz. ex C.B.Clarke シラゲヨモギ 白毛蓬
朝鮮、中国(甘粛省、貴州省、河北省、黒竜江省、吉林省、遼寧省、内モンゴル、寧夏、青海省、陝西省、山西省、四川省、新疆ウイグル自治区、西蔵省、雲南省)、モンゴル、ロシア原産。中国名は白叶蒿 bai ye hao。標高4000mまでの低地、斜面、道端、林縁、草原、川岸、湖畔に生える。
多年草、高さ35~70㎝、くも毛がある。根茎は這い、上部から短い枝が出る。葉は下面に密に灰色のくも毛状の綿毛があり、上面にまばらにくも毛があり、腺点がある。下部および中間の茎葉は葉柄が長さ1~2㎝。最下部の葉の葉身は外形が楕円形または卵状楕円形、長さ5~8㎝×幅4~7cm、1~2回羽状深裂または羽状全裂し、裂片は3(~4)対、様々な菱形、楕円形、長円形、小裂片は微細で、長さ5~10㎜×幅4~5㎜。中間および上部の茎葉は小さく、分裂が少なく、葉は羽状全裂し、裂片は2~3(~4)対、裂片は線状披針形、線形、楕円状披針形、または披針形、長さ10~15㎜×幅2~3㎜。葉状の苞は3~5全裂または全縁。合成花序は±密な狭円錐形の円錐花序。総苞は長円形または卵形、直径(2~)2.5~3.5(~4)㎜。総苞片は帯緑色または紫色で、くも毛がある。周辺小花は雌性、5~8個。 中心小花は6~13個、両性。痩果は倒卵形。花期および果期は7月~10月。2n=18。
59 Artemisia limosa H.Koidz. ex Sugaw., nom. nud. マグンタンヨモギ
ロシア原産。
60 Artemisia littoricola Kitam. ハマオトコヨモギ 浜男蓬
synonym Artemisia japonica Thunb. subsp. littoricola (Kitam.) Kitam.
synonym Artemisia japonica Thunb. var. macrocephala Pamp.synonym Artemisia japonica f. sachalinensis Pampanini
日本、韓国、中国(黒竜江省、内モンゴル)、千島列島、サハリン、ロシア原産。中国名は滨海牡蒿 bin hai mu hao。川岸、塩性アルカリ性土壌、湿地の草の中に生える。Kewscienceでは韓国を分布域から除外。
多年草、高さ30~100㎝、灰色の毛があるかまたは無毛になる。根出葉はロゼットを形成し、不稔のシュートの根生葉は倒卵形、長さ5~10㎝×幅3~5㎝、掌状~羽状分裂する。最も下部の茎葉±無柄、葉身は広卵形、ほぼ円形、または倒卵形、長さ3~5㎝×幅3~5㎝、灰色のクモ毛があり、後に無毛になり、掌状に深裂するか、または1(~2)回羽状葉状から節まで。 セグメントは 2(~3)対、線形、幅1.5~4㎜、基部が漸尖する。中部の茎葉は長円状漸尖形または楕円状へら形、長さ5.5~8㎝×幅4~6㎝、1~2回羽状深裂またはほぼ掌状深裂、または3深裂し、裂片は1~2対、鋸歯があるかまたは裂け、基部は漸尖する。最上部の茎葉と葉状の苞は楕円状披針形または線状披針形。合成花序は幅広の円錐花序である。頭花は短い花序柄がある。総苞はほぼ球形または広卵形、直径2~2.5(~3)㎜。周辺小花は雌性、4~8(~12)個、花冠は長さ1~1.5㎜。中心小花は両性5~7個、花冠は長さ2~2.5㎜、無毛。痩果は楕円状卵形。花期および果期は8~10月。2n=36。
61 Artemisia ludoviciana Nutt. セイヨウヨモギ 西洋蓬
synonym Artemisia vulgaris L. var. ludoviciana (Nuttall) Kuntze
北アメリカ(USA、カナダ)原産。英名はcudweed , Louisiana sagewort , Louisiana wormwood , Louisiana-sage , prairie-sage , silver wormwood , western mugwort , western-sage , white-sage , prairie sage , silver sage。
多年草、高さ20~80cm(砂漠地帯ではまれに120cm)、芳香があり(根茎がある)。茎は比較的少数~比較的多数、直立し、灰緑色、単純または広く分枝し、毛がある。葉は茎葉、均一に灰緑色~緑色~白色、または二色(白色と緑色)。葉身は線形~広楕円形、長さ1.5~11×幅0.5~4 cm、縁は全縁または浅裂~比較的深く羽状中裂し、表面には毛がある。頭花(直立~うなずき、花序柄は無いかまたは長さ2~5㎜)は密集~開いて(広く分岐して)つく。総苞は鐘形またはこま形、長さ(1~)2~4(~5)㎜×幅2~5(~8)㎜。総苞片は(灰緑色)、披針形~卵形~倒卵形(縁は狭く透明)、密に綿毛がある。周辺小花は雌性、5~12個。中心小花は両性、6~45個。花冠は黄色、ときに赤みを帯び、長さ1.5~2.8㎜、無毛。痩果は楕円計、長さ約0.5㎜(脈は不明瞭)、無毛。2n=18, 36, 54。6亜種ある。花期は初夏~秋(subsp. albula)、真夏~晩夏(subsp. redolens)、真夏~晩秋(subsp. ludoviciana 、subsp. incompta)、晩夏~晩秋(subsp. mexicana)。
品種) 'Candicans' , 'Silver Frost' , 'Silver King' , 'Silver Queen' , 'Valerie' , 'Valerie Finnis'
61-1 Artemisia ludoviciana subsp. candicans (Rydb.) D.D.Keck
synonym Artemisia latiloba Rydb.標高1800~3000mの山、通常ローム質土壌に生える。
茎は高さ30~50(~80)cm、ほとんどが単純で、まばらに綿毛がある。葉は±白色。葉身は広倒卵形~長円形、長さ4~10cm×幅1.5~4cm、比較的深く分裂し、(裂片は披針形、葉身の長さの1/3+、鋭形)、表面は綿毛があり(通常、上面の密度が低い)。頭花は長さ4~7cm×幅2~4cmの総状花序につく。総苞(広鐘形)は長さ4~5㎜×幅4~8㎜。周辺小花は雌性、8~10個。中心小花は両性、20~30個。花冠は長さ1.5~2㎜。花期は夏の半ば~夏の終わり。
品種) 'Valerie Finnis'
62 Artemisia macilenta (Maxim.) Krasch. ケナシカワラヨモギ
中国(内モンゴル、河北省、山西省)、ロシア原産。中国名は细杆沙蒿 xi gan sha hao。中低地の乾燥した山腹、乾いた川の渓谷や堤防、道端、森林縁、草地、森林草原などに生える。
多年草または亜低木状。直根は木質、垂直、根茎は短く、わずかに太く、半木質で、多くの栄養枝があり、枝先に栄養葉が密にある。茎は単生、細く、まれで、高さ40~70㎝、薄褐色または下部は暗褐色、細い肋があり、分枝しないか、上部に短い枝があり、茎と枝は最初わずかに毛があり、その後徐々に脱落して無毛になる。葉は両面とも無毛。茎の下部と栄養枝の葉は広卵形または卵形で、長さと幅が2~4㎝、2回羽状全裂し、両側に2~3裂片があり、各裂片は再び3~5裂し、小裂片は狭い線形、長さ7~12(~15)㎜×幅0.3~0.5(~1)㎜、先端は尖り、両面とも無毛、葉柄は長さ1~3㎝。中部と上部の茎葉は羽状全裂し、両側に2裂片があり、無柄またはほぼ無柄。苞葉は小さく、分裂せず、狭い線形。 頭花は広卵形またはほぼ球形、直径1~1.5(~2)㎜、短い柄と線形の小苞を持ち、斜めまたは垂れ下がり、枝に緩い総状花序につき、茎に狭い円錐花序を形成する。総苞は3列、外総苞片は披針形、背面は無毛、中間と内側の総苞片は長い卵形、縁は広い膜質または膜質に近い。雌花は3~6個、花冠は小さく、狭い筒状または狭い円錐形で、花柱は花冠から突き出し、先端は二股に分かれ、フォークの先端は鈍形。両性花は4~8個、不稔、花冠は筒状、葯は線形、上部付属体は尖り、長い三角形、基部は鈍形。花柱は短く、先端は棍棒形、2裂し、二股に分かれない。痩果は倒卵形。花期および果期は8~10月。
63 Artemisia maritima L. ミブヨモギ 壬生蓬
synonym Artemisia seriphium Wallr.
ヨーロッパ西北部、イギリス原産。英名はsea wormwood , wormseed。塩性湿地や塩性湿地の堤防沿いの高い場所の砂地に生える。回虫駆除薬として使用され、日本でも栽培された。別名はミブモグサ。
高さ30~60㎝。葉には白色のフェルト状の毛が密生する。外側の花は筒状鐘形で両性、柱頭の枝は囲まれ、白色のフェルト状の毛のある葉に包まれる。花は黄色。花期は8~10月。
品種) 'Coca-Cola' , 'Discolour' (v)
64 Artemisia mauiensis (A. Gray) Skottsb.
ハワイ(マウイ島のハレアカラ山)固有種。英名はMaui wormwood , hinahina。標高約1900~2300mの乾燥した高地の斜面に生える。
常緑低木または亜低木。木質で無いものは高さ60㎝以下、成熟すると高さ180㎝、幅は120~150㎝になる。葉は白色綿毛があり銀灰色、長さ2.5~5㎝、細かく羽状に分裂する。葉はかすかにセージやアニスのような芳香があり、味は非常に苦い。頭花はクリーム色。
品種) Makana™ Silver
65 Artemisia manshurica (Kom.) Kom. マンシュウオトコヨモギ 満州男蓬
synonym Artemisia japonica Thunb. var. manshurica Kom.
synonym Artemisia japonica f. manshurica Kom.
中国(河北省、黒竜江省、吉林省、遼寧省、内モンゴル)、モンゴル、ロシア原産。中国名は东北牡蒿 dong bei mu hao。低い標高の斜面、林縁、草原、森林草原、低木林、道端、渓谷に生える。
多年草、高さ40~80(~100)㎝、微軟毛があるかまたは無毛になる。 不稔の枝の葉はヘラ形または漸尖形、長さ3~7㎝×幅0.5~1.5㎝、先は鈍形、少数裂け、または鋸歯がある。稔性の茎の下部の葉は無柄、葉身は倒卵形または倒卵状へら形、5深裂し、または鋸歯がある。中部の茎葉は無柄、葉身は倒卵形または倒卵状楕円形、長さ2.5~3.5㎝×幅2~3㎝、毛があるかまたは無毛になり、1(~2)回羽状全裂またはほぼ掌状全裂、または深裂、裂片は1~2対、狭いへら形または倒披針形、長さ10~20㎜×幅2~3㎜、3裂または3裂しない。最上部の茎葉は広漸尖形または楕円状倒卵形。葉状の苞は披針形または楕円状披針形。 合成花序は狭い円錐花序。頭花は短い花序柄がある。総苞はほぼ球形または広卵形、直径1.5~2㎜。周辺小花は雌性、4~8個。中心小花は6~10個、雄性。痩果は倒卵形または卵形。花期および果期は8~10月。2n=36。
66 Artemisia momiyamae Kitam. ユキヨモギ 雪蓬
synonym Artemisia indica Willd. var. momiyamae (Kitam.) H.Hara J. Jap. Bot. 59: 236 (1984)
日本固有種(神奈川県、伊豆半島、伊豆七島)。海岸の岩場や草地に生える。全体にクモ毛や綿毛があり、緑白色。多年草、茎は叢生し、下部からよく分枝し、円柱形、高さ1m以下、直立し、基部は直径1㎝、木質になる。根生葉は開花期に枯れ、下部の茎葉は仮托葉(pseudo-stipulate)があり、長円形、長さ12㎝×幅6㎝・以下、幅が広く、上面はクモ毛状綿毛があり、下面は厚く雪状の綿毛があり、2回羽状全裂し、裂片はさらに中裂する。中部の茎葉はやや小さく、羽状全裂し、長さ7~9㎝×幅4.5~5㎝、裂片は線状披針形、全縁、上面には密にくも毛があり、下面には灰白色の綿毛が密にある。花序は円錐状、長さ40㎝×幅30㎝、幅が広く、頭花を多数つけ、枝の先はしばしば垂れ下がる。頭花は密に筒状花が詰まり、長さ約4㎜×幅1.5~2㎜、雪色の綿毛に密に覆われ、花序柄は短い。総苞片は3列に重なり、外側の総苞片は広卵形、先は鋭形または鈍形。内側の総苞片は細長い長円形、先が切形の膜質。小花は少なく、雌花冠は長さ1.5㎜。両性花冠は長さ2.5㎜、筒状で先は5裂し、筒の細い部分は長さ0.5㎜、不明瞭な腺点があり、頂点にまばらに毛がある。 痩果は狭長円形、長さ約1.5㎜、無毛。花期は10~11月
ユキヨモギとヨモギの交雑種が多くみられ、イナムラヨモギという。葉は緑~灰白色で、裂片の幅が両者の中間になる。
67 Artemisia mongolica (Besser) Fisch. ex Nakai ホソバヨモギ 細葉蓬
朝鮮、中国、台湾、ロシア、カザフスタン、キルギスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタン原産。中国名は蒙古蒿 meng gu hao 。別名はモウコホソバヨモギ。標高2000mまでの低地の斜面、低木地、川岸、湖畔、道端、草原、森林草原、乾いた谷に生える。多年草、高さ40~120 cm、まばらにくも膜状の思春期。 中間の茎の葉: 葉柄が長さ5~20 mm、葉身は卵形、ほぼ円形、または楕円状卵形、上面にまばらに灰色のクモ毛があり、下面に密にクモ毛状綿毛があり、2回羽状全裂し、裂片2~3対、小裂片は披針形、線形、または線状披針形、先は鋭形。最上部の茎葉と葉状の苞は卵形または楕円状卵形、羽状全裂、または 3~5全裂する。頭花は±狭い円錐花序、楕円形、直径1.5~2㎜。総苞片は灰色のくも毛がある。周辺小花は雌性、5~10個。中心小花は8~15個、両性。痩果は倒卵形~長楕円形。花期および果期は8~10月。2n=16, 18。
68 Artemisia monophylla Kitam. ヒトツバヨモギ 一葉蓬
synonym Artemisia viridissima (Kom.) Pamp. var. japonica Pamp日本固有種(本州の日本海側)。別名はヤナギヨモギ 柳蓬。亜高山の草地に生える。
和名の由来は葉が裂けず、単葉であることから。ヨモギ臭がある。
多年草。高さ70~100㎝。茎はほとんど枝分かれしない。葉は互生し、長さ6.5~14㎝、幅2~4㎝の長楕円状披針形、先が尖り、鋭い鋸歯がある。葉裏は綿毛が密生し白色。葉腋につく円錐花序に頭花が多数つく。頭花は筒状花のみ、長さ3~4㎜の鐘形。総苞にくも毛がある。痩果は長さ約2㎜。花期は8~10月。
69 Artemisia montana (Nakai) Pamp. オオヨモギ大蓬
synonym Artemisia gigantea Kitam.
日本(北海道、本州近畿地方以北)、朝鮮、中国、ロシア原産。中国名は山地蒿 shan di hao 。別名はヤマヨモギ、エゾヨモギ。草地、林地、路傍に生える。
多年草。大形、高さ150~200㎝。茎は太く、直立して基部は直径8㎜になる。芳香があり。茎・花序の枝の毛は通常無しまたは少しクモ毛がある。葉は洋紙質、羽状に中~深裂し、裂片が尖り、上面は無毛または少しクモ毛があり、緑色、下面に白綿毛があるが、脈上は無毛。茎中部の葉身は長さ13~19㎝、幅4~12㎝、葉柄は長さ2.5~3㎝。ヨモギと違い、葉柄に仮托葉(付け根にある小さな葉)がない。花は円錐花序につく。頭花は球鐘形。総苞は直径2.5~3㎜の惰円形。周辺の雌性花は4~6個。両性の中心花は8~14個。痩果は長さ1.5~2㎜、倒卵形。2n=51~54,52(北海道)。花期は8月20日頃~10月。
69-1 Artemisia montana (Nakai) Pamp. var. shiretokoensis Koji Ito エゾノユキヨモギ
海岸草原、海岸付近に生える。小形、茎は高さ40~100㎝、基部は斜上し、直径3~5.5㎜。芳香ははとんど無い。茎・花序の枝には雪白色のコモ毛状綿毛が密生する。葉は厚質(厚さは基準種約1.5~2倍あり)、上面にはクモ毛状白綿毛がやや密に生じ、白色になるが、果時に至って漸次脱落する。下面は雪白色の綿毛が密生し、脈上まである。花期は基準種より10日ほど早い。
70 Artemisia morrisonensis Hayata ニイタカヨモギ 新高蓬
synonym Artemisia liukiuensis Kitam.
synonym Artemisia campestris auct. non L.
台湾原産。中国名は细叶山艾 xi ye shan ai。標高300~2500mの林縁、道端、法面に生える。
亜低木、高さ50~60㎝、微軟毛があり、無毛になる。 茎下部の葉身はほぼ円形~卵状三角形、長さ3~4㎝×幅約4㎝、2(~3)回羽状全裂する。 中間の茎葉は葉柄が長さ1~2㎝、葉身は長さ3~3.5㎝×幅3~4㎝、1(~2)回羽状全裂し、裂片は2(~3)対、3小裂片があり、小裂片は長さ(10~)20~30㎜×幅1~2㎜。 最上部の茎葉と葉状の苞は3~5裂する。合成花序は狭い総状花序。 頭花は短い花序柄があるかまたは無柄。総苞は亜球形、直径1.5~2㎜。周辺小花は雌性、11~15個。中心小花は4~16個、雄性。痩果は楕円形。花期および果期は6~11月。2n=34。
71 Artemisia nakaii Pamp. ヒメフクド
朝鮮、中国( 河北省、遼寧省、南東部内モンゴル)原産。中国名は矮滨蒿 ai bin hao。低い標高の川沿いの砂州、草原に生える。
2年草、高さ30~60㎝、長い枝があり、クモ毛が密にあり、絹毛または無毛になる。根生葉は±ロゼットになり、葉柄は長さ4~10㎝。 葉身はほぼ円形または卵形、長さ8~15㎝×幅8~15㎝、3回羽状全裂し、小裂片は糸状、長さ6~15㎜。下部および中間の茎葉は葉身が円形または卵形、長さ1.5~8㎝×幅0.8~1.5㎝、1~2回羽状全裂し、裂片は2~3対、小裂片は線形~糸状、長さ4~15㎜×幅約0.5㎜。 最上部の葉と葉状の苞は1(~2)回羽状全裂する。合成花序は狭~広円錐花序。頭花はうなずく。総苞は楕円形~倒円錐形、直径(2~)3(~4)㎜。総苞片はわずかに綿毛があり、±無毛になる。花托は白色の毛がある。周辺小花は雌性、2~5個。中心小花は8~16個、両性。痩果は倒卵状楕円形。花期および果期は8~10月。
72 Artemisia niitakayamensis Hayata ゴトウヨモギ
台湾原産。中国名は玉山艾 yu shan ai。標高3000~3800mの高山に生える。
多年草、高さ10~20㎝、±木質の台木と枝を持ち、大部分が思春期で、光沢がある。 根元葉と中間茎葉:葉柄5~10㎜。 葉身は卵形または倒卵形、長さ1~2.5㎝×幅0.7~1.6㎝、2回羽状全裂し、裂片は(3~)4(~5)対、鋸歯縁または小裂片状。小裂片は2~4対、櫛状、長さ2~8㎜×幅0.6~1㎜。最上部の茎葉と葉状の苞は、1~2回羽状全裂~深裂または全縁で、裂片または全縁の全体が披針形。合成花序は総状花序状。頭花は少数、先に密集する。花序柄は長さ5~20㎜。総苞は半球形、直径7~10㎜。総苞片は無毛になり、薄膜質の縁は褐色で、不規則に引き裂かれる。花托は凸形、毛がある。周辺小花は雌性、10~18個、(2~)3~4 歯がある。中心小花は40~60個、両性。痩果は長円形または倒卵状長円形。花期は8~9月。
73 Artemisia norvegica Fr.
日本、ロシア、ヨーロッパ、北アメリカ原産。英名はalpine sagewort, boreal sagewort, mountain sagewort, Norwegian mugwort, arctic wormwood, spruce wormwood。
多年生、亜低木、高さ20~60㎝。てい幹と直根から茎が出て、直立する。ほとんどの葉は茎の下部につき、長さ2~20㎝。花序はうなずく。頭花は周辺小花と中心小花をもつ。周辺小花は雌性であり、機能する雄性部分はない。中心小花は両性。痩果により繁殖し、種子は風に乗って散布される。匍匐茎を出して栄養的にも増殖する。
73-1 Artemisia norvegica subsp. norvegica
synonym Artemisia rupestris O.F.Müll.
東ヨーロッパロシア、イギリス、北欧ロシア、ノルウェー、西シベリア原産。
総苞が直径10㎜以下。
73-2 Artemisia norvegica subsp. saxatilis (Besser) H.M.Hall & Clem. サマニヨモギ
synonym Artemisia chamissoniana Besser var. saxatilis Bessersynonym Artemisia arctica Less.
synonym Artemisia arctica subsp. saxicola (Rydb.) Hultén
synonym Artemisia arctica var. villosa Hultén
カナダ(ユーコン準州、ブリティッシュコロンビア州アルタ)、USA(アラスカ州、カリフォルニア州、コロラド州、モンテナ州、ユタ州、ワシントン州、ワイオミング州)、アジア東部(ロシア極東)。標高0~3800m、海岸、北極、亜高山~高山までに生息し、北方林や湿った土壌に生える。
多年草、25~40(~60)㎝(叢生せず)、穏やかな芳香があり、根はしばしば水平で、木質。茎は1~3本、直立~斜上し、緑色または帯赤色、単純、無毛、またはまばらに綿毛がある。葉は大部分が根生し、ロゼット状になり、葉柄がありで、明るい緑色。根生葉の葉身は広披針形、長さ5~8(~10)㎝×幅2~3(~4)㎝、1~3回羽状浅裂し、頂裂片は長さ1~7㎜×幅1.5~3㎜。茎の中部の葉は無柄、羽状分裂する。花茎の葉は無柄、線形、全縁、表面は無毛または毛がある。頭花はうなずき、花序柄の最も下部から50㎜上までの総状花序につき、花序は長さ10~17㎝×幅1~2㎝。総苞は球形、長さ(4~)5~8㎜×幅4~10㎜。総苞片は卵状披針形~楕円形、縁は暗褐色~黒色になり、まばらに毛~絨毛がある。周辺小花は雌性、6~20個。中心小花は両性、(30~)50~70個。花冠は黄色または帯赤色、長さ1.5~2.5(~3.5)㎜、長毛がある。痩果は卵状長円形(角張り)、長さ約2.5㎜、無毛または絨毛がある。2n=18, 36。花期は夏中旬~夏下旬。
74 Artemisia oligocarpa Hayata ニトベヨモギ
台湾原産。中国名は高山艾 gao shan ai。標高2500~3800mの草原、高い山の頂上に生える。
亜低木、高さ15~35㎝、重篤な思春期または無光沢。 葉は重篤な思春期または無光沢です。 下部および中間の茎葉は葉柄が長さ0.5~1㎝、葉身は広卵形、長さ2.5~4.5㎝×幅2.5~4.5㎝、2(~3)回羽状全裂し、裂片は2~3(~4)対、小裂片は3~5個、線形または糸状、長さ4~10㎜×幅0.5~1㎜。 最上部の茎葉と葉状の苞は3裂または5裂する。合成花序は総状花序。総苞は半球形、直径3(~4)㎜。周辺小花は雌性、10~15個。中心小花は11~18個、雄性、花冠の縁は紫色。 痩果は倒卵形。花期および果期は7~11月。2n=18。
75 Artemisia oxycephala Kitag. スナジヨモギ 砂地蓬
中国(河北省、黒龍江省、吉林省、遼寧省、内モンゴル、山西省)原産。中国名は光沙蒿 guang sha hao。低い標高の草原、乾いた丘、砂丘、塩性アルカリ性土壌、湖畔、森林草原に生える。
亜低木、高さ50~80㎝、根茎が太い。最下の葉は長い葉柄がある。中部の茎葉は±無柄、葉身は広卵形またはほぼ円形、長さ2~5㎝×幅2~3㎝、微軟毛があるかまたは無毛になり、2回羽状全裂し、裂片は2~3対、側裂片は3全裂し、小裂片は線形、長さ15~20㎜×幅1.5~2㎜。 最上部の茎葉と葉状の苞は3~5全裂または全縁。合成花序は緩く、±幅広い円錐花序。総苞は長円形、直径1.5~2.5(~3.5)㎜。周辺小花は雌性、8~14個。中心小花は3~10個、雄性。痩果は長円形。 花期および果期は8月~10月。
76 Artemisia palustris L. ノジヨモギ 野路蓬
朝鮮、中国(河北省、黒龍江省、吉林省、遼寧省、内モンゴル)、モンゴル、ロシア原産。中国名は黑蒿 hei hao。中高地または低地の草原、森林草原、川岸、氾濫地に生える。
1年草、高さ10~40㎝、よく分枝する。下部および中間の茎葉は薄く、卵形または楕円状卵形、長さ2~5㎝×幅1.5~3 cm、(1~)2回羽状全裂し、裂片は(2~)3~4対、小裂片は狭い線形、長さ15~35㎜×幅0.5~1㎜。合成花序は狭い円錐花序。頭花は枝に沿って2~10個の集団につく。総苞はほぼ球形、直径2~3㎜。周辺小花は雌性10~13個。中心小花は20~26 個、両性。総苞は楕円形。花期および果期は8~11月。2n=18。
77 Artemisia pectinata Pall. ニオイヨモギ⇒Neopallasia pectinata (Pall.) Poljakov
synonym .Neopallasia pectinata (Pall.) Poljakov [Kewscience][Flora of China]
中国、モンゴル、ロシア、カザフスタン原産。中国名は栉叶蒿 zhi ye hao。標高1300~3400mの砂漠、川の谷の砂利だらけの場所、荒地に生える。多年草、高さ12~40㎝。 茎は直立し、枝分かれしていないか基部から分枝し、帯紫色、±密に白色の絹毛がある。下部と中間の茎葉は無柄、葉身は長円状楕円形、長さ1.5~3㎝×幅0.5~1㎝、両面とも緑色、無毛、ときに無柄の腺があり、櫛状に羽状全裂し、裂片は線状錐形で、やや硬い。上部の茎葉から下部の花序までは似ているが、より小さい。短い腋生の穂状花序からなる合成花序は 細く、葉のつく円錐花序に集まる。頭花は多数、かなり小さく、無柄。総苞は卵形または広卵形、直径2.5~3㎜。総苞片は3列または4列で、外面は無毛、薄膜質の縁は広く、外側の総苞片はやや短く、内側の総苞片はかなり狭い。周辺雌小花は3 ~4個、稔性、狭い筒状で、先に歯は無い。中心小花は筒状、5裂、2種類あり、外側は両性、内側は完全な雄性で、退化した子房をもつ。痩果は褐色、楕円形、長さ1.2~1.5㎜、やや扁平。
78 Artemisia pedunculosa Miq. ミヤマオトコヨモギ 深山男蓬
日本固有種(本州の中部地方の高山帯)。亜高山~高山の礫地に生える。多年草。高さ10~30っ㎝。地下茎を長く伸ばし、叢生する。茎は直立し、茎葉はさじ形で、先が切れ込む。根生葉は広いさじ形、欠刻状鋸歯がある。頭花は直径8~10㎜、葉脇から長柄を伸ばし、下向きにつく。2n=18。花期は7~8月。
79 Artemisia princeps Pamp ヨモギ 蓬
synonym Artemisia indica Willd. var. maximowiczii (Nakai) H.Hara
日本(本州、四国、九州、沖縄、小笠原)、朝鮮、中国原産。中国名は魁蒿 kui hao 。英名はJapanese mugwort 。別名はカズザキヨモギ多年草。高さ50~120㎝。地下茎を伸ばし、群生する。茎は紫色を帯びることが多く、白い綿毛が密生する。茎の上部の葉は披針形、全縁又は数個の切れ込みがある。茎の中部以下の葉は羽状に深く分裂し、裂片には不規則な鋸歯がある。葉の基部にある托葉のような裂片は、仮托葉と呼ばれる。葉裏は白い綿毛が密生する。大きな花序に直径約1.5㎜、長さ約3㎜の小さな頭花を多数つける。小花は周囲に4個の雌性花、中心部に2個の両性花からなり、ともに結実する。両性花の花柱の先は切形、雌性花の花柱の先は2分岐し、雄しべの先の付属体が細く尖るのも属の特徴。果実は痩果、長さ1~1.5㎜、冠毛はない。2n=34。花期は9~10月。
80 Artemisia pubescens Ledeb. タチスナジヨモギ 立砂地蓬
中国(甘粛省、黒竜江省、吉林省、遼寧省、内モンゴル自治区、青海省、陝西省、山西省、四川省、新疆ウイグル自治区)、モンゴル、ロシア原産。中国名は柔毛蒿 rou mao hao。低地から中高地の草原、森林草原、牧草地、森林周縁、丘陵、荒地、岩だらけの斜面、道端、砂漠周縁の安定した砂丘に生える。
多年草または亜低木、高さ25~60(~70)㎝、太い根茎があり、下部は黄褐色の綿毛があり、上部は灰色の毛があり、無毛になる。根生葉と下部の茎葉は長い葉柄があり、葉身は4~8(~12)㎝×幅1.5~2㎝、2回羽状全裂する。中間の茎葉は葉柄が長さ(0~)2~5㎝、葉身は卵形、かなり密に毛がある~無毛で、(1~)2(~3)回羽状全裂し、裂片は(2~)3~4対、基部と中間の裂片は小葉状(lobulate)。小葉は線形または線状披針形、長さ10~30㎜×幅0.5~1.5(~2)㎜。最上部の茎葉は羽状全裂する。葉状の苞は3全裂または全縁。合成花序は狭~広円錐花序。頭花は多数、直立、斜め、またはうなずく。総苞はほぼ球形または卵形、直径1.5~ 3㎜m。周辺小花は雌性、8~15個。中心小花は10~15個、雄性。痩果は長楕形または長円状卵形。花期および果期は8~10月。
80-1 Artemisia pubescens var. pubescens
中国(甘粛省、黒竜江省、吉林省、遼寧省、内モンゴル、青海省、陝西省、山西省、四川省、新疆ウイグル自治区)に分布。中国名は柔毛蒿 rou mao hao。低地から中高地の草原、森林草原、牧草地、森林縁、丘陵、荒地、岩の多い斜面、道端に生える。
多年草。葉は毛が宿存する。合成花序は中程度に広い円錐花序。頭花は斜めまたはうなずく。総苞はほぼ球形または卵形、直径1.5~2㎜。
80-2 Artemisia pubescens var. gebleriana (Besser) Y. R. Ling
中国(黒竜江省、吉林省、遼寧省、内モンゴル)、モンゴル、ロシアに分布。中国名は大头柔毛蒿 da tou rou mao hao。多年草。 葉は無毛になる。合成花序は狭い円錐花序。頭花は直立または斜め。総苞は広卵形、直径2.5~3㎜。
80-3 Artemisia pubescens var. coracina (W. Wang) Y. Ling & Y. R. Ling
中国(吉林省)に分布。中国名は黑柔毛蒿 hei rou mao hao。砂漠の縁の安定した砂丘に生える。亜低木。葉は無毛になる。合成花序は広い円錐花序。頭花は斜めまたはうなずき、総苞はほぼ球形または卵形、直径1.5~2㎜。
81 Artemisia pycnocephala DC.
北アメリカ(カリフォルニア州)原産。英名はcoastal sagewort , beach wormwood。標高0~200mの海岸の岩場または砂地に生える。
多年草、高さ30~70(~100)㎝、ほのかに芳香がある。茎は通常10本以上(根生葉を越えて立ち上がり、倒伏する)、白灰色(直径約5㎜、密に葉が茂る)、密に毛がある。葉は宿存し、灰緑色、葉身は広披針形、表面は羊毛で覆われる。最も下部の葉身は長さ3~8㎝×幅2~6㎝、2~3回羽状中裂し、裂片は線形(幅2㎜まで)。茎葉はやや縮小し、長さ2~3㎝×幅0.8~1.2㎝、先は鋭形、表面には毛がある。頭花(無柄、団散花序に束生する)は(葉が密につき)円錐花序状~穂状花序状に配列し、合成花序は長さ10~20(~30)㎝×幅1~4㎝。総苞は球形、長さ3~4.5㎜×幅3~4.5㎜。総苞片は披針形、縁は細かい毛(indument)によって覆われ不明瞭、毛は真っすぐ。雌性の小花は5~20個。機能的な雄小花は12~25個。花冠は淡黄色(広筒状)、長さ約2㎜、無毛。痩果は楕円形(わずかに脈があり)、長さ1~1.5 ㎜、無毛。花期は晩春~真夏。
品種) 'David's Choice'
82 Artemisia rubripes Nakai ヤブヨモギ 藪蓬
synonym Artemisia rubripes Nakai f. luxurians (Pamp.) Kitag.
日本(北海道、九州の大分県、熊本県)、朝鮮、中国、モンゴル、ロシア、ウクライナ原産。中国名は红足蒿 hong zu hao。別名はブンゴヨモギ。標高1200mまでの低地の荒地、草が茂った斜面、森林草原、低木地、道端、川岸、牧草地、森林に生える。
多年草、高さ75~180㎝、微軟毛があるかまたは無毛になる。最下部および中間の茎葉は葉柄が長さ5~10㎜またはそれ以上、葉身は下面に密な灰色のクモ毛状綿毛があり、上面は±無毛。 最下部の葉はほぼ円形、2回羽状全裂する。中部の茎葉は卵形、楕円状卵形、または広卵形、長さ7~13㎝×幅4~10㎝、(1~)2回 羽状全裂し、裂片は3~4対、披針形、線状披針形、または線形、長さ20~40㎝×幅2~6(~10)㎝、小裂片は2~3対、鋸歯がある。最上部の茎葉は羽状全裂する。葉状の苞は3~5全裂。頭花は枝に沿って密に±広い円錐花序につき、楕円状卵形または長円状卵形、直径1~1.5(~2)㎜。総苞片はクモ毛状微軟毛があるかまたは±無毛になる。周辺小花は雌性、9~10個。中心小花は12~14個、両性。痩果は狭卵形。花期および果期は8~10月。
83 Artemisia saitoana Kitam. シラゲイヌヨモギ
ロシア原産。2n=18。
84 Artemisia schmidtiana Maxim. アサギリソウ 朝霧草
日本、ロシア原産。英名はangel's-hair , silvermound artemisia
多年草又は小低木。高さ15~30(60)㎝。茎は基部で分枝せず、むき出しになり、上部で多数分枝する。葉は有柄、長さ4~5㎝、羽状複葉、上部の葉の裂片は腺形、長さ1.5㎝。葉には密に銀白色の絹糸状の毛がある。頭花は穂状につき、柄があり、半球形。花は黄白色。総苞も銀白色の絹糸状の毛が密生する。花期は7~10月。
品種) 'Ever Goldy' , 'Nana' , 'Nana Attraction' , 'Silver Mound'
85 Artemisia scoparia Waldst. et Kit. ハマヨモギ 浜蓬
日本(北海道、宮崎県、大分県、兵庫県)、朝鮮、中国、ロシア、パキスタン、アフガニスタン、タイ、南西アジア、ヨーロッパ原産。中国名は猪毛蒿 zhu mao hao 。英名はyin-chen wormwood。標高3200mまでの低地の斜面、林縁、道端、草原、段丘、砂漠の縁、河川敷に生える。Flora of China , Kewscienceでは日本を分布域に含めている。
多年草、2年草、または1年草、高さ40~90(~130)㎝、茎の下部から多数分枝する。枝と葉は灰色または帯黄色の絹毛があり、後に無毛になり、強い芳香がある。下部の茎葉は葉柄が長さ2~4㎝、葉身は卵状長円形または楕円形、長さ1.5~3.5㎝×幅1~3㎝、2~3回羽状全裂し、裂片は3~4対、小裂片は1~2対、長さ3~5㎜×幅0.2~1mm。中部の茎葉は無柄、葉身は長円形または卵状長円形、長さ1~2㎝×幅0.5~1.5㎝、1~2回羽状全裂し、裂片は2~3対、小裂片は糸状、通常は湾曲し、長さ4~8㎜×幅0.2~0.3(~0.5)㎜。最上部の茎葉と葉状の苞は3~5全裂。合成花序は広い円錐花序。頭花は多数、短い花序柄があるかまたは無柄。 総苞はほぼ球形、まれに卵形、直径1~1.5(~2)mm。周辺小花は雌性、5~7個。中心小花は4~10個、雄性。痩果は楕円形または長円形。花期および果期は7~10月。2n=16, 18, 36。
86 Artemisia selengensis Turcz. ex Besser タカヨモギ
朝鮮、中国、モンゴル、ロシア原産。中国名は蒌蒿 lou hao。標高2500mまでの低地の川岸、湖岸、湿気の多い場所、牧草地、斜面、道端に生える。
多年草、高さ60~150㎝、強い芳香がある。 根茎は細長く、太さ7~8㎜。茎はしばしば分枝しない。下部の茎葉は通常枯れ、全体で長さ8~12㎝、葉柄は長さ0.5~2(~5)㎝、葉身は広卵形または卵形、下面に密な灰色のクモ毛状綿毛があり、掌状または三出状に3~5全裂または深裂または混合で7全裂しまたは全縁、裂片は線形または線状披針形、長さ5~7(~8)㎝×幅0.3~0.5㎝、鋸歯が有または無。中部の茎葉は±無柄、葉身は掌状または3出状に3~5裂または全縁、裂片は楕円形、楕円状披針形、または線状披針形、長さ30~50㎜×幅2~4㎜、基部は漸尖し、縁は全縁または離れた狭い歯があり、先は尖鋭形。最上部の茎葉と葉状の苞は3出状に2~3裂するか、または全縁。合成花序は長く、狭い円錐花序、枝は短く、直立またはただ狭く広がるだけ。頭花は無柄またはほぼ無柄。総苞は長円形または広卵形、直径2~2.5㎜。総苞片はまばらに灰色のクモ毛があり、無毛になる。周辺小花は雌性、8~12個。中心小花は10~15個、両性。痩果は卵形、長さ約1.2㎜、褐色。花期および果期は7~10月。2n=16, 36。
86-1 Artemisia selengensis var. selengensis
朝鮮、中国(安徽省、甘粛省、広東省、貴州省、河北省、黒竜江省、河南省、湖北省、湖南省、江蘇省、江西省、吉林省、遼寧、内モンゴル、山西省、山東省、山西省、四川省、雲南省)、モンゴル、ロシアに分布。中国名は蒌蒿 lou hao。低い標高の川岸、湖岸、湿気の多い地域、牧草地、ときに耕作地に生える。
葉縁には細鋸歯がある。
86-2 Artemisia selengensis var. shansiensis Y.R.Ling
中国(河北省、河南省、湖北省、湖南省、山西翔)に分布。中国名は山西蒌蒿 shan xi lou hao。低い標高の斜面、路傍に生える。
葉や裂片は細鋸歯 がなく、まれに少数の細鋸歯が混在する。
87 Artemisia sibirica (L.) Maxim. キバナイトヨモギ⇒Filifolium sibiricum (L.) Kitam.
synonym Filifolium sibiricum (L.) Kitam. [Flora of China , GRIN]
朝鮮、中国、ロシア原産。中国名は线叶菊 xian ye ju。標高1500~2600の山の斜面の草原に生える。多年草、高さ20~60㎝、根は丈夫で木質。茎の基部は古い繊維質の葉鞘で密に覆われる。茎は単独または少数で密に束生し、上部で散房状に分枝し、条線があり、無毛。根生葉は長い葉柄があり、葉身は外形が倒卵形または楕円形、長さ約20㎝×幅5~6㎝、2(~3)回羽状全裂し、両面とも緑色、無毛、一次側裂片は多く対になり、最終の小裂片は糸状で、互生する。合成花序は頂部が平らな集散花序、頭花が1~10(~15)個。 総苞は半球形、直径4~5㎜。総苞片は3列、卵形から広卵形、縁は薄膜質、先は丸い。小花は黄色。周辺小花は雌性、6個、花冠は水差し形(ascidiform)で、上部が先細り、細かい2~4小歯があり、外側に無柄の腺がある。中心小花は多数、筒状、長さ約2㎜、5裂する。痩果は暗色、倒卵形または楕円形、わずかに扁平、無毛、内側に2条線がある。花期および果期は6~9月。2n=16, 18。
88 Artemisia sieversiana Willd. ハイイロヨモギ 灰色蓬
(日本、朝鮮、)中国、モンゴル、ロシア、アフガニスタン、カザフスタン、キルギスタン、タジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタン、インド、ネパール、パキスタン、ヨーロッパ東部原産。英名はsieversian wormwood 。中国名は大籽蒿 da zi hao 。海抜4200mまでの道端、荒れ地、草原、丘の中腹、林縁に生える。精油が抗炎症薬や止血剤に使われる。日本に帰化。KewscienceやFlora of Chinaでは日本を分布域に含めている。
1年草または2年草、高さ50~150㎝、灰色の思春期または無光沢。 根生葉および中間の茎葉は葉柄が長さ(1~)2~4㎝、葉身は広卵形~卵状円形、長さ4~8(~13)㎝×幅(2~)3~6(~15)㎝、2~3回羽状全裂または深裂し、裂片は2~3対、小裂片は線形~線状披針形、長さ2~10㎜×幅1~1.5(~2)㎜、まれに不規則に切れ込み、先は鋭形または鈍形。最上部の茎葉と苞は無柄、羽状全裂または全縁で、葉または裂片は楕円状披針形または披針形。合成花序は長さ10~30㎝×幅5~10㎝・以下の狭い円錐花序であり、枝は±直立し、長さ5~10㎝、離れている。頭花は多数、離れ、花序柄があるかまたは無柄で、線形の小苞が基部につく。総苞は半球形またはほぼ球形、直径(3~)4~6㎜。花托は半球形で、密に白色の毛がある。周辺小花は雌生、(1~)2列に20~30個つき、花冠は円錐形、(2~)4歯がある。中心小花は80~120個、両性。痩果は長円形。花期および果期は6~10月。2n=18。
89 Artemisia simulans Pamp. ネバリホソバヨモギ
中国(安徽省、福建省、広東省、広西チワン族自治区、貴州省、湖北省、湖南省、江西省、四川省、雲南省、浙江省)原産。中国名は中南蒿 zhong nan hao。標高2900mまでの低地の斜面、荒れ地に生える。
多年草、高さ80~120㎝、まばらに腺毛と微軟毛がある。下部および中間の茎葉は葉柄が長さ3~5㎜、葉身は卵形または卵状楕円形、長さ4~8㎝×幅3~7㎝、下面にクモ毛状の綿毛があり、上面にまばらに腺毛があり、1(~2)回羽状全裂し、裂片は2~4個、線形、長さ10~15(~30)㎜×幅3~6㎜。最上部の茎葉と葉状の苞は3~5裂または全縁。合成花序は幅広の多数分枝した円錐花序である。総苞は楕円形、直径1.5~2㎜。総苞片はまばらにクモ毛状の綿毛がある。周辺小花は雌性、3~5個。中心小花は8~15個、両性。痩果は倒卵形。花期および果期は8~11月。
90 Artemisia sinanensis Y.Yabe タカネヨモギ 高峰蓬
日本固有種(本州の中部地方の高山帯)。高山の草地、礫地に生える。
多年草。高さ20~50㎝。茎は斜上し、ほとんど分枝しない。葉は長さ10~15㎝、3回羽状に全裂し、細かく切れ込み、裂片は幅が細く、コスモスの葉のようになる。葉柄は長さ3.5~7㎝、茎上部の葉柄は短い。茎頂の総状花序と葉腋から伸ばした枝に、花を横~下向きに多数つける。頭花は幅8~12㎜、総苞は半球形、総苞片は3列。痩果は無毛。花期は7~8月。
91 Artemisia somae Hayata ソウマヨモギ 広義
台湾原産。中国名は台湾狭叶艾 tai wan xia ye ai。標高1500~2400mの岩の多い斜面、山頂、乾いた尾根の石灰岩の裂け目に生える。
多年草、高さ60~120㎝、密に灰白色の絹毛状微軟毛があり、後に無毛になる。下部および中間の茎葉は葉柄が長さ1.5~2.5㎝、葉身は長円状倒卵形または楕円状倒卵形、長さ10~12㎝×幅3.5~4㎝、下面は灰白色、宿存する絹毛状微軟毛があり、上面は乾くと帯黒色、まばらに絹毛状微軟毛があり、無毛になり、2回羽状全裂し、裂片は(3~)4~5対、側裂片の上部の裂片または頂部の裂片は小裂片が(2~)3(~4)個、小裂片は披針形または線状披針形、長さ5~8㎜×幅(2~)3~4㎜、先が尖鋭形。最上部の茎葉と葉状の苞は羽状全裂~3全裂、または全縁になる。合成花序は亜頂生、長さ±16㎝以下の狭い円錐形の円錐花序、枝は少数、斜上し、長さ4㎝以下。苞は小さい。頭花は直立または広がり、花序柄は長さ5㎜以下、小さな小苞がある。総苞は広卵形または半球形、直径 3.5~4㎜。総苞片は白色の毛がある。周辺小花は雌性、8~15個。中心小花は18~25個、両性、花冠の下部にひげがあるかまたは無い。痩果は長円状卵形。花期および果期は11月~2月。
91-1 Artemisia somae Hayata var. somae ソウマヨモギ
台湾原産。中国名は台湾狭叶艾 tai wan xia ye ai。標高1500~2000mの岩の多い斜面に生える。
花冠の下部にはひげが無い。
91-2 Artemisia somae Hayata var. batakensis (Hayata) Kitam. バタカンヨモギ
台湾原産。中国名は太鲁阁艾 tai lu ge ai。標高500~2300mのカルスト地域の山頂、乾燥した尾根の石灰岩の裂け目に生える。花冠の下部にひげがある。
92 Artemisia stechmanniana Besser ウラジロヒメイワヨモギ 裏白姫岩蓬
synonym Artemisia gmelinii auct. non Weber ex Stechm.
synonym Artemisia freyniana (Pamp.) Krasch. f. discolor (Kom.) Kitag.
synonym Artemisia sacrorum Ledeb. subsp. manshurica Kitam.朝鮮、中国(甘粛省、湖北省、モンゴル、寧夏回族自治区、青海省、陝西省、四川省、新疆ウイグル自治区、チベット)、モンゴル、ロシア、カザフスタン、キルギスタン、タジキスタン、ウズベキスタン、ヨーロッパ東部原産。中国名は白莲蒿 bai lian hao。標高1500~4900mの丘陵、草原、半砂漠の草原、牧草地、岩の多い斜面、低木地、乾燥した氾濫地、荒地に生える。
亜低木、高さ(7~)10~40(~80)㎝、叢生し、木質の基部と枝を持ち、多くの分枝があり、密に毛があり、葉以外は無毛になる。中間の茎葉は葉柄が長さ8~13 mm。 下部と中間の茎葉は葉身が卵形または三角状卵形、長さ2~4㎝×幅1~2㎝、腺点があり、灰色または帯黄色のクモ毛があり、2~4回羽状全裂し、裂片は4~5対、小裂片は櫛状線形または線状披針形、通常小鋸歯があり、歯は長さ1~2㎜×幅0.2~0.5㎜。最上部の茎葉は1~2回羽状全裂する。葉状の苞は分割または全縁。苞は披針形~線状披針形。合成花序は葉がつき、狭い円錐形の円錐花序であり、長さ20~40㎝×幅5~12㎝。主枝は斜上し、長さ5~10㎝。頭花は多数、短い花序柄がありまたは無柄で、うなずき、離れまたは枝の頂部に接近する。 総苞は球形、直径 3~5(~6)㎜。外総苞片は線状長円形、緑色、縁は薄膜質でなく、クモ毛がまばらにある。周辺小花は雌性10~12個、花冠は細く、腺があり、2歯がある。中心小花は40~60個、無毛。痩果は 褐色、長円形、長さ約1㎜。花期および果期は8~10月。2n=18, 54。
93 Artemisia stelleriana Besser シロヨモギ 白蓬
日本(北海道、本州の新潟県、茨城県以北)、朝鮮、ロシア、北アメリカ(カナダ、USA)原産。英名はbeach wormwood , dusty-miller , hoary mugwort , old-woman。標高0~200mの砂質土壌、沿岸部に生える。
多年草、高さ(15~)20~60(~70)㎝(マット状になり)、ときにかすかに芳香がある(根茎が這い、比較的細い)。茎は1~3本、直立または斜上し、白色、単純(丈夫)、密な綿毛~羽毛がある。葉は根生葉と茎葉(葉柄があり)、銀灰色、葉身は倒披針形、(最も下部では)長さ3~10㎝×幅1~5㎝、羽状中裂し(葉は比較的広く、丸い。上部の葉は花の咲く茎につき、小さい)、面には密な綿毛がある。頭花(直立または広がり、花序柄は長さ0~3㎜)は長さ8~20㎝×幅2~4㎝の密な円錐花序、総状花序、または穂状花序につく。総苞は広鐘形、長さ5~8㎜×幅6~7㎜。総苞片は広披針形、綿毛がある。雌性の小花は12~16個。両性の小花は25~30個、花冠は黄色(狭いまたは筒状)、長さ3.2~4㎜(異常に大きいこともある)、無毛またはまばらに毛がある(花柱の枝は目立ち、直立、鈍形)。痩果(暗褐色)は狭長円状線形 (わずかに扁平で平滑)、長さ3~4㎜、無毛。2n=18。花期は早春~秋。
品種) 'Boughton Silver' , 'Mori' , 'Nana' , 'Prostrata' , 'Quicksilver™' , 'Shemya' , 'Silver Bouquet' , 'Silver Brocade' , 'Silver Cascade'
94 Artemisia stolonifera (Maxim.) Kom. ヒロハヤマヨモギ 広葉山蓬
synonym Artemisia stolonifera (Maxim.) Kom. var. microcephala Kitam.
synonym Artemisia integrifolia L. var. stolonifera (Maxim.) Pamp.日本(本州の中国地方、九州)、朝鮮、中国(安徽省、河北省、黒竜江省、河南省、湖北省、江蘇省、江西省、吉林省、遼寧省、内モンゴル自治区、山東省、山西省、新疆ウイグル自治区、浙江省)、ロシア原産。中国名は宽叶山蒿 kuan ye shan hao。標高の低い林縁、道端、斜面、峡谷、森林草原に生える。
多年生、高さ50~120㎝、まばらに灰色のくも毛があるかまたは無毛になる。葉は無柄、下面に腺点がある。根生葉および最下部の茎葉は全縁、鋸歯がある。 中部の茎葉は無柄、葉身は倒卵状楕円形、卵状楕円形、または卵形、長さ6~12㎝×幅4~7㎝、2裂または3裂、または深裂~粗い歯があり、基部は楔形で1~2裂した偽托葉があり、先は鋭形。 最上部の茎葉と葉状の苞は卵形~線状披針形、鋸歯があるかまたは全縁。合成花序は長さ40㎝以下の狭い円錐花序で、枝は長さ8㎝以下、斜上し、細くて曲がりくねり、最下部には葉のような苞が基部につく。総苞は卵形または長円形、直径3~4 mm。総苞片はクモ毛があるかまたは無毛になる。周辺小花は雌性、10~12個。中心小花は12~15 個、両性。痩果は長円形または楕円形。花期および果期は7~11月。2n=36。
95 Artemisia subulata Nakai マキノハヨモギ 牧野葉蓬
synonym Artemisia integrifolia L. var. subulata (Nakai) Pamp.
synonym Artemisia integrifolia L. f. subulata (Nakai) Kitag.
朝鮮、中国(河北省、黒竜江省、吉林省、遼寧省、内モンゴル、山西省)、ロシア原産。中国名は线叶蒿 xian ye hao。標高の低い湿潤および半湿潤な斜面、林縁、川岸、牧草地に生える。
多年草、高さ45~80㎝、くも毛があるかまたは無毛になり、頭状枝(capitate branches)を持つ。 葉は無柄。 最下部の葉は倒披針形または倒披針状線形、長さ8~13㎝×幅0.5~0.8㎝、全縁または1~2鋸歯がある。中部の茎葉は葉身が線形、線状披針形、または鎌形、長さ5~10㎜×幅0.3~0.6㎜、板面に密にクモ毛状の綿毛があり、縁は全縁体またはときに1~2個の鋸歯があり、先は鈍形。最上部の茎葉と葉状の苞は線形。合成花序は狭い総状花序。総苞は長円形または卵状長円形、直径2~3㎜。周辺小花は雌性、10~11個。中心小花は10~15個、両性。 痩果は長円状卵形または楕円形。花期および果期は8~10月。
96 Artemisia sylvatica Maxim. モリヨモギ 森蓬
朝鮮、中国、モンゴル、ロシア原産。中国名は阴地蒿 yin di hao。標高100~1300mの林縁、低木地帯、湿潤地帯、斜面、道端に生える。日本に帰化している。
多年草、高さ80~130㎝、微軟毛があるかまたは無毛になる。下部および中間の茎葉は葉柄が長さ2~4(~5) cm、葉身は卵形、広卵形、または長円形、長さ8~12(~15) ×幅7~11 cm、下面にまばらな灰色のクモ毛状綿毛があるかまたは無毛になり、上面は無毛になり、1~2回羽状深列し、裂片は2~3対、楕円形または長円形、長さ6~7(~9) ×幅1~1.5(~2) cm、3~5深裂または裂け、まれに全縁になる。小裂片は楕円形、楕円状披針形、または卵状披針形、通常は鋸歯がある。最上部の茎葉は羽状深裂し、裂片は1~2個、披針形または楕円状披針形、上部の茎葉は長く、たまに1~2個の鋸歯がある。葉状の苞は3~5深裂または全縁。合成花序は広く拡散して多数分枝した円錐形の円錐花序であり、最終の枝は細くてしなやかな。頭花は短い花序柄があり、±偏側生、ほとんどの下を抱く苞は小さい。総苞はほぼ球形または卵形、直径1.5~2.5㎜。総苞片にはまばらにくも毛状の微軟毛があり、ときに無毛になり、明瞭な狭い中肋がある。周辺小花は雌性、4~7個。中心小花は8~14個、両性。痩果は狭卵形または狭倒卵形。花期および果期は8~10月。2n=16。
97 Artemisia tanacetifolia L. シコタンヨモギ 色丹蓬
synonym Artemisia laciniata Willd.
synonym Artemisia orthobotrys Kitag. ミヤマキクヨモギ
synonym Artemisia genipi Weber ex Stechm. [The Plant List]
synonym Artemisia spicata Jacq.
日本(北海道)、朝鮮、中国、モンゴル、ロシア、カザフスタン、ヨーロッパ、北アメリカ(アラスカ、カナダ)原産。中国名は裂叶蒿 lie ye hao。標高2400mまでの低地の森林草原、草原、牧草地、森林外縁、塩性土壌、丘陵、低木地帯に生える。家畜の餌用の草として使用される。
多年草、高さ50~70(~90)㎝、根茎は水平に這い斜めに立ち上がり、±木質、上部で短く分枝し、毛があり、無毛になる。根生葉には長い葉柄がある。下部および中間の茎葉は葉柄が長さ3~12㎜、葉身は楕円状長円形~楕円状卵形、長さ3~12㎝×幅1.5~5(~8)㎝、まばらに腺点があり、下面に密に毛が生え、上面は無毛またはまばらに毛が生え、2~3回羽状全裂し、裂片は6~8対、小裂片は櫛状になり、楕円状披針形、ときにまばらに小鋸歯があり、羽軸には狭い翼がある。最上部の葉と葉状の苞は1~2回羽状全裂、または全縁。 苞は線形または線状披針形。合成花序は少数~多数の枝分かれした円錐花序であり、長さ10~15㎝×幅4~8㎝。頭花は多数つき、短い花序柄があり、下向きになるが、類似または類似ではない。総苞は球形~半球形、直径2~3(~3.5)㎜。総苞片は無毛かほぼ無毛、最も外側の総苞片は長円状楕円形、帯緑色、薄膜質の縁は狭く、褐色で縁が無色。小花は黄色、48~52個。周辺小花は雌性、8~15個、花冠は狭い筒状、腺がある。中心小花は30~40 個、両性、花冠の拡大部に微軟毛がある。痩果は楕円状倒卵形、細かい縦の条線がある。花期および果期は7~10月。
98 Artemisia tridentata Nutt. コモンセージブラッシュ
北アメリカ原産。英名はbig sagebrush , Great Basin sagebrush。別名はセージブラッシュ。
低木、高さ40~200(~300)㎝、灰色の毛があり、芳香があり、ひこばえなく(not root-sprouting)、幹が比較的太い。茎は灰褐色、ほぼ無毛、樹皮は灰色、帯状に剥離する。葉は宿存し、灰緑色、葉身は通常楔形で、長さ(0.4~)0.5~3.5㎝×幅0.1~0.7㎝、3裂し、裂片は葉身の長さの1/3以下、幅1.5+㎜、先は円形、表面は密に毛がある。頭花(通常は直立し、花序柄は細い)は長さ5~30㎝×幅1~6㎝の円錐花序につく。総苞は披針形、長さ(1~)1.5~4㎜×幅1~3㎜。総苞片は倒披針形~広倒卵形、密に綿毛がある。小花は3~8個、花冠は長さ1.5~2.5㎜、無毛。痩果は長さ1~2㎜、毛があるかまたは無毛、腺がある。花期は真夏~晩秋。
4亜種がある。
98-1 Artemisia tridentata subsp. tridentata
USA西部、カナダ西南部に分布。英名はGreat Basin sagebrush , big sage。標高1300~2200mの谷底、山地の斜面下部、排水路沿いの深くて水はけの良い(通常は砂質の)土壌に生える。
低木、高さ100~200(~300)㎝。 栄養枝は開花枝とほぼ同長。葉は楔形または披針形、長さ0.5~1.2(~2.5)㎝×幅0.2~0.3(~0.6)㎝、3裂(裂片は葉身の長さの1/3の長さまで、先は丸い)。頭花は円錐花序につき、花序は長さ5~15(~20)㎝×幅(1.5~)5~6㎝。総苞は長さ1.5~2.5㎜×幅1~2㎜。小花は4~6個。痩果は無毛。2n=18, 36。花期は真夏~晩秋。
98-2 Artemisia tridentata subsp. parishii(A. Gray) H. M. Hall & Clements
USA(アリゾナ州、カリフォルニア州、ネバダ州、ユタ州)、メキシコ (バハ カリフォルニア)に分布。英名はMojave sagebrush。標高300~1800mの谷や丘陵地帯の緩い砂質土壌に生える。低木、高さ100~200(~300)㎝(樹冠は丸い)。 花茎の間に栄養枝が点在する。葉は楔形または披針形 長さ(1~)1.5~2(~2.5)㎝×幅0.1~0.3㎝、通常は3裂し、ときに全縁になる。頭花は長さ15~30㎝×幅2~6㎝の円錐花序につく(枝が広く広がるか垂れ下がる)。総苞は長さ2~4㎜×幅1~2㎜。小花は3~7個。痩果は毛があるかまたは無毛。2n=36。花期は真夏~晩秋。
98-3 Artemisia tridentata subsp. vaseyana (Rydberg) Beetle
USA(カリフォルニア州、コロラド州、アイダホ州、モンタナ州、ネバダ州、ノースダダコタ州、オレゴン州、サウスダコタ州、ユタ州、ワシントン州、ワイオミング州)、メキシコ (バハ カリフォルニア)に分布。英名はmountain big sagebrush。標高2000~2800mの山地の牧草地、通常は岩の多い土壌、ときに森林地帯に生える。低木、高さ60~80(~150)㎝(植物には強い芳香があり、樹冠は頂部が平ら)。栄養枝はほぼ等長。葉(栄養枝の葉)は広楔形、長さ1.2~3.5㎝×幅0.3~0.7㎝、規則的に3裂~不規則な鋸歯がある。頭花は長さ10~15㎝×幅2~4㎝の円錐花序につく。総苞は長さ2~3㎜×幅1.5~3㎜。小花は3~9個。痩果は無毛。2n=18, 36。花期は真夏~晩秋。
品種) 'Hobble Creek'
98-4 Artemisia tridentata subsp. wyomingensis Beetle & A. M. Young
USA(アリゾナ州、カリフォルニア州、コロラド州、アイダホ州、モンタナ州、ネブラスカ州、ネバダ州、ノースダコタ州、オレゴン州、サウスダコタ州、ユタ州、ワシントン州、ワイオミング州)、メキシコに分布。英名はWyoming sagebrush。標高800~2200mの岩が多い土壌または細粒土壌、冷たい砂漠の盆地~高原、丘陵地帯に生える。 低木、高さ30~50(~150)㎝(樹冠は丸い)。栄養枝は花茎の間に点在する(しっかりと広がり、しばしば宿存し、成熟した植物に小枝のような外観を与える)。 葉は狭~広楔形で、長さ(0.4~)0.7~1.1(~2)㎝×幅(0.1~)0.2~0.3㎝、分裂する(裂片は丸い)。 頭花は長さ2~6(~8)㎝×幅1~3㎝の円錐花序につく(しばしば栄養枝に埋もれる)。総苞は長さ(1~)1.5~2㎜×幅1.5~2㎜。小花は4~8個。痩果は無毛。2n=36, 54。花期は真夏~晩秋。99 Artemisia tsugitakaensis (Kitam.) Y.Ling et Y.R.Ling ツギタカヨモギ
台湾原産。中国名は雪山艾 xue shan ai。標高約3900mの斜面に生える。多年草、高さ10~20㎝、頂端で少数短く分枝し、すべての部分が思春期です。 茎の下部と中央の葉は短く葉柄がつきます。 葉身は楕円形、卵形、または楕円倒卵形、長さ1~2.5㎝×幅0.7~1.4㎝、2回羽状全裂し、裂片は4(~5)対。小裂片は長さ2~8㎜×幅0.6~1㎜。葉状の苞は、披針形~線状披針形、羽状全裂または全縁。合成花序は総状花序状の円錐花序。頭花は花序柄が長さ5~15(~20)㎜。総苞は半球形またはほぼ球形、直径7~10㎜。総苞片は縁が薄膜質で不規則に裂ける。周辺小花は雌性、8~12個。中心小花は30~40 個、両性。花冠の拡大部には微軟毛がある。痩果は長円形または卵状長円形。花期および果期は8~11月。
100 Artemisia tsuneoi Tatew. et Kitam. マシュウヨモギ 摩周蓬
synonym Artemisia koidzumii Nakai var. tsuneoi (Tatew. et Kitam) Kitam
日本固有種(北海道釧路・摩周岳)
固体数が極めて限られ、湖岸植生のため観察が難しい。Plants of the World Online | Kew Scienceには載せられていない。
101 Artemisia tilesii Ledeb. チシマヨモギ 千島蓬
synonym Artemisia unalaskensis Rydb.
日本(北海道、本州中部の高山地帯)、ロシア、北アメリカ(カナダ、USA)原産。標高0~2000m。北極および高山のツンドラ、海岸線近くの砂地、岩の多い斜面に生える。
多年草、高さ20~60(~80)㎝、穏やかな芳香がある(根茎は粗い)。 茎は1~3本、直立し、白色、綿毛があり(上部の枝に伏毛がある)、またはほぼ無毛。根生葉と茎葉は二色(白色と緑色)。根生葉の葉身は線形~広披針形、長さ3~7(~10)㎝×幅2~5(~6)㎝、粗く羽状浅裂(茎葉は上部で線形になる)、表面は綿毛があり(下面)または無毛(上面)。頭花はコンパクトから幅広く分岐した円錐花序につき、長さ1~20㎝×幅2~6㎝。総苞は広鐘形、長さ4~5㎜×幅3.5~4㎜。総苞片(紫褐色)は楕円形(外側)~楕円形~披針形、まばらに綿毛がある。小花は周辺の雌小花が9個。両性の小花は25~60個、花冠は黄色、長さ1.5~3㎜、無毛(花柱の枝が含まれ、直立し、線形、比較的短く、短い縁毛がある)。痩果は長円状線形(稜があり)、長さ1.2~1.5㎜、無毛。2n=18, 36。花期は真夏~初秋。
102 Artemisia verbenacea (Kom.) Kitag. コバノヨモギ 小葉の蓬
中国(甘粛省、黒竜江省、吉林省、遼寧省、内モンゴル、寧夏、青海省、陝西省、山西省、四川省)原産。中国名は辽东蒿 liao dong hao。薬用に使用される。標高2200~3500mの坂道、道端、河川敷、湖畔に生える。
多年草、高さ30~70㎝、頭状の枝(capitate branches)をもち、灰色のクモ毛状の綿毛があり、後に緩い綿毛になるかまたは無毛になる。最下部および中間の茎葉は葉柄が長さ1~2㎝。 葉身は卵形、準円形、または広卵形。 最下部の葉の葉身は長さ(1.5~)2~4(~6)㎝×幅1.5~4㎝、1~2回羽状深裂まれに全裂し、裂片は2~3(~4)対。中間の葉の葉身は長さ2~5㎝×幅2~4㎝、2回羽状全裂し、裂片は3(~4)対、小裂片は楕円形~楕円状披針形、まれに線状披針形、長さ(3~)5~10㎜×幅1.5~2.5㎜、先は鈍形。 最上部の葉は羽状全裂し、裂片は2対。葉状の苞は3~5全裂する。頭花は初めは密で、後に枝に沿って緩くなり、±狭い円錐花序を形成し、長円形または長円状卵形、直径2~2.5(~3)㎜。周辺小花は雌性、5~8個。中心小花は8~20個、両性、花冠の拡大部は紫色。痩果は長円形または倒卵状楕円形。花期および果期は8~10月。
103 Artemisia viridisquama Kitam. ペキンヨモギ 北京蓬
中国(甘粛省、河北省、山西省、四川省)原産。中国名は绿苞蒿 lü bao hao。低い標高の坂道、路傍に生える。
多年草、高さ80~200㎝、毛がある。中間の茎葉と上部の茎葉は無柄、葉身は楕円状卵形~卵形、長さ6~12㎝×幅4~10㎝、下面は白色の綿毛があり、1(~2)回羽状深裂し、裂片は1~2対、3深裂または全縁し、小裂片または裂片は線状披針形、長さ45~80㎜×幅4~6㎜、先は尖鋭形。葉状の苞は線状披針形。合成花序は広い円錐花序である。頭花は短い花序柄がある。総苞は卵状鐘形、直径1.5~2㎜。総苞片にはまばらにクモ毛状綿毛がある。周辺小花は雌性、3~8個。中心状小花は8~15個、両性。痩果は楕円形。花期および果期は8~10月。
104 Artemisia viridissima (Kom.) Pamp. コウライヒトツバヨモギ 高麗一葉蓬
朝鮮、中国(吉林省、遼寧省)原産。中国名は林艾蒿 lin ai hao。標高1400~1700m付近の森林の縁や道端に生える。多年草。根は細く斜め下に伸び、根茎は短い。茎は単独または少数、高さ80~140㎝、細長い縦稜があり、不分枝または頭花のつく短い枝を持ち、茎と枝は無毛。葉は無柄または非常に短い柄があり、薄紙質または紙質、葉の上面は緑色、無毛、下面は明るい緑色、若いうちはまばらに毛があり、後に無毛になる。下部の茎葉と中間の茎葉は楕円状披針形~披針形、長さ8~13㎝×幅2~3㎝、不分裂、先は長く漸尖し、縁には細かく密な鋸歯があり、基部は漸尖し、偽托葉がある。上部の茎葉と苞葉は小さく、楕円状披針形または線状披針形。頭花は広卵形または卵状鐘形、直径2~3㎜、短柄と小苞をもち、垂れ下がり、茎の頂部または短い花序の枝の上に穂状花序状の総状花序をつけ、茎に狭い円錐花序を形成する。総苞は総苞片が3列、外総苞片はやや短く、外総苞片と中総苞片は卵形~長卵形、背面は無毛、淡黄緑色、中肋は緑色、縁は広い膜質。内総苞片は長卵形または長卵状倒披針形、半膜質。雌小花は3~5個、花冠は狭い筒状、拡大部は2裂、花柱は花冠から突き出し、先は2分岐、岐端は尖る。両性花は8~12個、花冠は筒状、葯は線形、頂部の付属体は尖り、長い三角形、基部は円形、花柱は花冠とほぼ同長、先は二股、二股の端は切形、まつ毛がある。痩果は小さく、倒卵形~卵形。花期および果期は7~10月。
105 Artemisia vulgaris L. ハタヨモギ 畑蓬
synonym Artemisia opulenta Pamp.
日本、中国、モンゴル、ロシア、カザフスタン、キルギスタン、タジキスタン、アゼルバイジャン、ジョージア、アフガニスタン、イラン、トルコ、ヨーロッパ、北アフリカ(アルジェリア、チュニジア)原産。英名はfelonherb , green-ginge , mugwort。中国名は北艾 bei ai 。別名はオウシュウヨモギ 欧州蓬、エゾオオヨモギ、コモンマグワート。標高1500~3800mの道端、斜面、渓谷、林縁、森林草原、亜高山の草原に生える。日本は外来ともされる。
多年草、高さ(45~)60~160 cm、まばらに毛がある。最下部の葉は短い葉柄があり、葉身は2回羽状全裂する。中間の茎葉は±無柄、葉身は楕円形~卵状楕円形~ほぼ円形、または卵状円形、長さ3~10(~15)㎝×幅1.5~6(~10) cm、下面に密な灰色のクモ毛状綿毛があり、上面にまばらなクモ毛状微軟毛があるか、または無毛になり、1~2回羽状全裂または羽状深裂し、裂片は(3~)4~5個、楕円状披針形~線状披針形、長さ3~5㎝×幅1~1.5㎝、羽軸には狭い翼があり、少数の鋸歯が有または無。最上部の葉は羽状深裂する。葉状の苞は3裂または全縁、裂片または全縁の苞は披針形。合成花序は不明瞭な円錐花序で、側枝はしばしば下につく葉よりも短い。総苞は長円形、長さ2.5~3(~3.5)㎜。総苞片には密にクモ毛がある。周辺小花は雌性、7~10個。中心小花は8~20個、両性。 痩果は倒卵形または卵形。花期および果期は8~10月。2n=16, 16 + 1b, 18, 24, 36, 40, 45, 54。
品種) 'Byrne's Variegated' (v) , 'Cragg-barber Eye' (v) , 'Crispa' , 'Obelisk' , Oriental Limelight , 'Peddar's Gold' (v) , 'Peddar's Way' , 'Variegata' (v) , 'Woolaston' (v)
105-1 Artemisia vulgaris var. vulgaris
日本、中国(甘粛省、青海省、陝西省、四川省、新疆ウイグル自治区)、モンゴル、ロシア、アフガニスタン、ミャンマー、パキスタン、タイ、ベトナム、アフリカ、南西アジア (イラン)、ヨーロッパ、北アメリカに分布。中国名は北艾 bei ai。標高1500~2100mの道端、斜面、渓谷、林縁、森林草原、亜高山の草原に生える。
高さは通常100~160㎝。中部の茎葉は楕円形または卵状楕円形、1~2回羽状深裂または羽状全裂。合成花序は密な狭い円錐花序である。
105-2 Artemisia vulgaris var. xizangensis Y. Ling & Y. R. Ling
チベットに分布。中国名は藏北艾 zang bei ai。標高3500~3800mに生える。高さは通常60~80㎝。中部の茎葉はほぼ円形または卵状円形。合成花序は広い円錐花序。
106 ハイブリッド
(1) Artemisia indica Willd. var. maximowiczii (Nakai) H.Hara x A. momiyamae Kitam. イナムラヨモギ
(2) その他品種) 'Elfenbein' , FanciFillers™ Sea Salt , 'Hausserman' , 'Huntington' , 'Janlim' , 'Little Mice' , Makana Silver = 'Tnartms' , 'Miss Marble' , 'Morris Strain' , 'Okra' , Oriental Limelight = 'Janlim' (v) , 'Parfum d'Ethiopia' , 'Powis Castle' , 'Rosenschieier' , 'Sea Foam' , 'Seafoam' , 'Tiny Green' , 'Tnartms' , 'Weisse Dame'
ヨモギ属の検索
参考7によるArtemisia L. ヨモギ属
1. 心花は不稔.........................................................................カワラヨモギ節
心花は稔性............................................................................2
2. 花盤には密に刺毛あり.....................................................アサギりソウ節
花盤は無毛............................................................................3
3. 頭花は雌花と両性花......................................................... ヨモギ節
頭花は両性花のみ............................................................ ミプヨモギ節
Sect. Abotanum Besser ヨモギ節
1. 一年草 .....................................................................................2
多年草 ....................................................................................4
2. 頭花は楕円形、長さ4.5㎜。先端つぼみ中部で2㎜。葉は櫛状羽状全裂、
裂片は針状にして堅し............................ニオイヨモギ(A. pectinata)
頭花は半球形長さ 2㎜、幅3㎜.............................................3
3. 頭花は穂状につく、無柄.、花盤は円錐形..........................4
頭花は散房形につき有柄......................................................5
4. 葉は2回羽状全裂、裂片は常に糸状、
幅0.2~0.4㎜、長し...............................ノジヨモギ(A. palustris)
葉は2回羽状全裂、裂片は線形、
幅0.5~2㎜、短かし ........................ キンヨモギ(A. aurata)
5. 頭花は直径1.5~2㎜。葉は3回羽状全裂、中肋に裂片なし
...............................................................クソニンジン(A. annua)
頭花は直径6㎜、葉は2回羽状全裂.、中肋に裂片あり
...............................................................カハラニンジン(A. caruifolia)
6. 花柱の先端は鋭尖形となる。頭花は球形、匍匐茎なし
........................................................................イヌヨモギ(A. keiskeana)
花柱の先端は切形(截形) .............................................7
7. 葉は箆(へら)形両面絹毛ありて銀色となる
........................................................................イワキヌヨモギ(A.lagocephala)
業は両面銀白色ならず
...................................................................................................8
8, 業は2回羽状深裂、中肋は櫛様に分裂す、匍匐茎なし
...................................................................................................9
葉の中肋は櫛様に分裂せず・
...................................................................................................12
9. 葉に絹毛あり、裏面は蒼白である
...................................................................................................10
葉に蜘蛛毛あり、裏面は灰白である
...................................................................................................11
10 葉は2回羽状深裂、.裂片は小
.....................................................シコタンヨモギ(A. tanacetifolia)
業は1回羽状深裂、裂片は大
....................................................ヒロハキクヨモギ(A. latifolia)
11 茎は40㎝内外草性、葉の裏面には常に綿毛あって灰白色、裂片は幅1㎜
...........................................ウラジロヒメイワヨモギ(A. stechmanniana)
茎は1mに達し、基都灌木となる。
業の裏面には初め少し綿毛があるが、後脱落し蒼白となる。
葉の裂片は幅2.5~4.5㎜
...................................................イワヨモギ(A. gmelinii)
12 葉の裂片は針形、匍匐茎なし
..................................................................................................13
葉の裂片はより幅広く、匍匐茎あり
..................................................................................................14
13 頭花は半球形長さ2.5㎜幅3㎜、葉は無柄、最下片は茎を抱く、
花冠短かし................................アダムスヨモギ(A. adamsii)
頭花は楕円形長さ4.5~5㎜、幅3~4㎜、葉は有柄、花冠長し
...................................................マリヨモギ(A. brachyloba)
14 頭花は幅1㎜、長さ2㎜
...................................................ヒメヨモギ(A. lancea)
頭花は幅1㎜以上
..................................................................................................15
15 葉の表面に白點(点)あり、全株綿毛多し
..................................................................................................16
葉の表面に白點(点)なし
..................................................................................................17
16 業は羽状中裂、裂片は接近し、通常羽状尖裂
...................................................チョウセンヨモギ(A. argyi)
葉:は2回羽状深裂、裂片は離在し、線状披針形全縁
...................................................ケショウヨモギ(A. lavandulifolia)
17 総苞片は覆瓦様でない、外片は長く、内片より少し長短
..................................................................................................18
総苞片は覆瓦様である。外片'は内片より短かい
..................................................................................................20
18 茎の中葉は線形、長さ18~20㎜、幅1~1.5㎜、
表面に白い絹毛あり、全株綿毛多し
....................................................カナシロヨモギ(中国山西省不明種)
茎の中葉は線形でない
..................................................................................................19
19 頭花は綿毛多し、長さ3.5㎜、幅3㎜、葉の裂片広く、
卵状長楕円形~長楕円状披針形
...................................................ホクチヨモギ(A. igniaria)
頭花は綿毛少なし、長さ3~3.5㎜、幅1.2~2㎜、葉の裂片は線状披針形
..................................................ペキンヨモギ(A. viridisquama)
20 茎の中部の葉及び下葉の裂片は線状披針形にして鋭頭、鋭き鋸歯あり
..................................................タカヨモギ(A. selengensis)
然らず
. ..................................................................................................21
21 業は長楕円状披針形、両端、鋭く尖る、鋭鋸歯縁、
業の裏面は蜘蛛毛薄く、蒼白
..................................................コウライヒトツバヨモギ(A. viridissima)
業の裏面は綿毛あって白色
..................................................................................................22
22 葉は狭長楕円形又は線形、大なる鋸歯鋭幽あるか又は全縁
. ..................................................................................................23
葉はより広く、長楕円形又は楕円形、羽状中全裂
..................................................................................................24
23 葉は線形、全縁
..................................................マキノハヨモギ(A. subulata)
葉は狭長楕円形、鋸歯あり
..................................................マンシュウヒトツバヨモギ(A. integrifolia)
24 頭花は幅5~6㎜、長さ5~6㎜
........................ジュズヨモギ( ヒロハウラジロヨモギ A. koidzumiiの変種)
頭花は幅3~4㎜
..................................................................................................25
頭花は幅1.5~2.5㎜
..................................................................................................26
25 葉は鋸歯縁又は羽状尖裂、裂片は近よる
..................................................ヒロハヤマヨモギ(A. stolonifera)
葉は羽状深裂、裂片は鋭鋸歯あり
..................................................タカネヒトツバヨモギ(A. brachyphylla)
26 頭花は離在し、長さ2.5㎜、幅2㎜。葉は羽状全裂、
裂片は長楕円形、基部楔形に狭まり、羽状中裂
..................................................モ リヨモギ(A. sylvatica)
頭花は密に接近する
..................................................................................................27
27 頭花は長さ2~2.5㎜、幅1.5㎜、蜘蛛毛少なし。葉は2回羽状全裂
..................................................ヤプヨモギ(A. sylvatica)
頭花は長さ3.5㎜、幅2㎜、密に綿毛あり羽状全裂
..................................................ホソパヨモギ(A. mongolica)
Flora of Chinaの節分類
(1)Artemisia. sect. Abrotanum
アダムスヨモギ(A. adamsii) , イワヨモギ(A. gmelinii) , ウラジロヒメイワヨモギ(A. stechmanniana) , カワラニンジン(A. caruifolia) , キンヨモギ(A. aurata) , クソニンジン(A. annua) , シコタンヨモギ(A. tanacetifolia) , ツギタカヨモギ(A. tsugitakaensis) , ノジヨモギ(A. palustris) , ヒメイワヨモギ(A. freyniana) , ヒロハキクヨモギ(A. latifolia) , フクド(A. fukudo) , マリヨモギ(A. brachyloba)
(2)Artemisia. sect. Absinthium
イヌフクド(A. fauriei) , イワキヌヨモギ(A.lagocephala) , オカニンジン(A. anethoides) , ゴトウヨモギ(A. anethoides) , ステップヨモギ(A. anethifolia) , ニガヨモギ(A. absinthium) , ハイイロヨモギ(A. absinthium) , ヒメフクド(A. nakaii) , マンシュウアサギリソウ(A. frigida)
(3)ArtemisiaA. sect. Albibractea
ヨモギナ(A. lactiflora) , リトウザンヨモギ(A. anomala)
(4)Artemisia. sect. Artemisia ヨモギ節
イヌヨモギ(A. keiskeana) , オオヨモギ(A. montana) , カワカミヨモギ(A. kawakamii) , ケショウヨモギ(A. lavandulifolia) , コウライヒトツバヨモギ(A. viridissima) , コバノヨモギ(A. verbenacea) , シラゲヨモギ(A. leucophylla) , ソウマヨモギ(A. somae) , タカネヒトツバヨモギ(A. somae) , タカヨモギ(A. selengensis) , チョウセンヨモギ(A. argyi) , ニシヨモギ(A. indica) , ハタヨモギ(A. vulgaris) , ヒメヨモギ(A. lancea) , ヒロハヤマヨモギ(A. stolonifera) , ペキンヨモギ(A. viridisquama) , ホクチヨモギ(A. igniaria) , ホソバヨモギ(A. mongolica) , マキノハヨモギ(A. subulata) , マンシュウヒトツバヨモギ(A. integrifolia) , モリヨモギ(A. sylvatica) , ヤブヨモギ(A. sylvatica) , ヨモギ(A. princeps) , ワタヨモギ(A. gilvescens)
(5)Artemisia sect. Dracunculus
カワラヨモギ(A. capillaris) , ケナシカワラヨモギ(A. macilenta) , サバクヨモギ(A. halodendron) , スナジヨモギ(A. halodendron) , タチスナジヨモギ(A. pubescens) , タラゴン(A. dracunculus) , ニイタカヨモギ(A. morrisonensis) , ニトベヨモギ(A. oligocarpa) , ハマヨモギ(A. scoparia)
(6)Artemisia. sect. Latilobus
オトコヨモギ(A. japonica) , サバクオトコヨモギ(A. desertorum) , ナンマンオトコヨモギ(A. eriopoda)
(7)Artemisia sect. Viscidipubes
シンヨモギ(A. chingii) , ネバリホソバヨモギ(A. chingii) , ヒロハネバリヨモギ(A. atrovirens)
参考
1) Flora of ChinaArtemisia
Artemisia
Artemisia
Artemisia Cina
Arctotheca populifolia
北村四郎 満蒙北支 菊科植物 Artemisia L.ヨモギ属
Artemisia alba Turra
エゾノユキヨモギについて
ヨモギ(Artemisia indica Willd. var.maximowiczii(Nakai)H.Hara)
~緑化植物の観点から~
Siro Kitamura:Compositae Novae Japonicae VII