キリシマツツジ 霧島躑躅
[別名] クルメツツジ 久留米躑躅
[中国名] 钝叶杜鹃 dun ye du juan
[学名] Rhododendron obtusum (Lindley) Planchon
ツツジ科  Ericaceae  ツツジ属
三河の植物観察
キリシマツツジ (クルメツツジ)の花
キリシマツツジ (クルメツツジ)の花横
キリシマツツジ (クルメツツジ)の花の正面
キリシマツツジ (クルメツツジ)の花糸と柱頭
キリシマツツジ (クルメツツジ)の枝先の偽輪生の小さな葉
キリシマツツジ (クルメツツジ)春葉2
キリシマツツジ (クルメツツジ)
キリシマツツジ (クルメツツジ)春葉
 キリシマツツジの学名はRhododendron obtusumであり、広く栽培されている栽培種であり、中国の公園にもよく植えられている。学名は久留米ツツジも同様であり、キリシマツツジとクルメツツジを区別しない。変種として区別する見解もあるが、形態的には区別は難しい。区別する場合はキリシマツツジを var. obtusum とし、クルメツツジを var. sakamotoi とする。園芸品種では系統として区別されている。ヤマツツジなど在来の自生種がこの変種に分類されてされていたこともある。写真はクルメツツジの品種とされるもの。
 元禄つつじブームのときに人気があったのがキリシマツツジであり、江戸時代に日本中で栽培され、現在、最も多く残っているのが能登半島であり、能登霧島と呼ばれる。
 キリシマツツジは九州南部の霧島山中に自生するヤマツツジ Rhododendron kaempferi とミヤマキリシマ Rhododendron kiusianum の交雑種を起源とし、江戸で改良された栽培種である。鮮やかな深紅色の花が特徴である。江戸霧島系の品種は本霧島、蓑霧島、二順霧島、八重霧島、紫霧島、紅霧島、四季咲霧島があり、けら性一重・けら性二重などの違いもある。
 クルメツツジ(久留米躑躅)は江戸時代末期にキリシマツツジ(又はサタツツジともいわれる)から作出したのが始まりとされ、久留米を産地とする品種でキリシマツツジ、サタツツジ、ミヤマキリシマを起源とすると考えられている。ツツジ類の中で最も品種が多く、最近ではモチツツジ Rhododendron macrosepalumや キシツツジ Rhododendron ripense の形態的特徴が一部の品種に認められている。
 低木、高さ1~3(4)m、小枝は細く、葉は互生し、しばしば偽輪生し、鉄さび色の硬い剛毛が密生する。葉はすべて似ている(春葉と夏葉は夏葉の方が大きいとする解説のものもある)。葉柄は長さ約2㎜、粗く、灰白色の剛毛がある。葉身は膜質、楕円形~楕円状卵形、又は長楕円状倒披針形~倒卵形、長さ2~3㎝、程度、基部は広楔形、縁は縁毛があり、先は鈍形で、先端が尖るか又は円形、ときに 微突形、両面ともまばらに粗い剛毛があり、中脈では目立つ。花序は普通、2~3個の花がつく。花柄は長さ0.4~0.8㎝、粗い鉄さび色の剛毛が密生し、毛は扁平。萼片は卵形、長さ4㎜以下、粗い毛がある。花冠は漏斗状鐘形、基本は赤色~ピンク色又は帯赤色、園芸種は色が多彩。裂片は1つに暗色の斑点があり、長さ約1.5㎝、直径2~2.5㎝(3~4㎝のものもある)。裂片は長楕円形、長さ約1㎝、幅約0.5㎝、先は鈍形。雄しべは5個、ほぼ花冠と同長、下部に微毛があり(キリシマツツジ)、無毛のものもある。蒴果は円錐形~広楕円状卵形、長さ約6㎜、粗い鉄さび色の剛毛が密生する。
[花期] 4~5月
[樹高] 1~3m
[生活型] 半常緑低木
[生育場所] 庭園、公園、街路
[分布] 園芸種
[撮影] 豊橋市  15.4.21
【ツツジの栽培の歴史と園芸品種】
 ツツジはツツジ属のうちシャクナゲ亜属を除いたツツジ亜属のものを指し、狭義にはサツキ、マルバサツキを除いたものであり、野生種や栽培種の総称である。語源はツヅキサギキ(続き咲き木)、ツヅリシゲル(綴り茂る)、ツツシベ(筒花の雄しべ)、タルルチチ(垂乳)の転化などいくつかの説があるが、はっきりしない。『本草綱目』(著者:李時珍)は中国で16世紀末に編纂された全52巻にもなる薬学書である。日本でも和刻本が長く使われ、日本の草本の分類の基にもなっている。この中に羊踯躅があり、「羊がその葉を食べれば躑躅して死ぬところから名づけたものだ。」と解説されている。中国で躑躅の字が使われているのはトウレンゲツツジRhododendron molle 中国名は羊踯躅 (yang zhi zhu) だけである。中国語の躑躅は歩き回るという意味であり、日本の漢字辞書ではテキチョクと読む。この踯躅を日本のツツジの漢字にあてたものである。
 ツツジの観賞や栽培の歴史は長く、万葉集などにも詠まれ、寺院や公園などに古くから植えられている。館林市の県立つつじが岡公園には樹齢800年を超えるとされるヤマツツジの古木が残っている。ツツジの栽培は寛文~元禄時代(1661~1704年)を中心に大ブームとなり、元禄つつじと呼ばれ、多数の品種が作り出された。延宝9年(1681年)に日本最初の園芸書といわれる『花壇綱目(かだんこうもく)』(著者:水野元勝)が刊行され、ツツジの147品種(異名)が記載されているが、この頃にはツツジとサツキが区別されていなかった。元禄5年(1692年)には『錦繍枕(きんしゅうまくら)』が出版された。これは世界初のツツジ専門の解説書といわれ、著者の伊藤伊兵衛は江戸染井(現在の東京都豊島区)の植木商三代目である。この頃からつつじとさつきを区別するようになり、つつじ(旧暦の4月までに開花するもの)173品種、さつき(現在のサツキに限らず旧暦の5月以降に開花するもの)163品種が載せられている。 その後の1695年には伊藤伊兵衛は『花壇地錦抄』を出した。これはは6 巻5 冊からなる幅広い種類の花卉、草木を取り扱った総合園芸書であり、ボタン481 品種、シャクヤク104品種、ツバキ206 品種、ツツジ196 品種、サツキ163 品種、キク231 品種、ウメ48 品種、サクラ46 品種、カエデ23 品種が載せられている。江戸時代にはこのほか70を超える園芸書が書かれている。
 現在ではツツジとサツキの園芸種は分けられて扱われている。ツツジの現存品種は約1000品種、サツキは約2000品種といわれている。ツツジの園芸品種の分類には定説はないが、江戸初期からの霧島ツツジ系、江戸中期頃からの琉球ツツジ系、平戸ツツジ系、江戸末期以降の久留米ツツジ系、その他原種の明確な品種系、外国系などに分けられる。
●霧島ツツジ系 Rhododendron obtusum
 キリシマツツジの学名はRhododendron obtusumであり、広く栽培されている栽培種であり、ヤマツツジなど在来の自生種はこの変種に分類されてされていたこともある。学名は久留米ツツジも同様であり、キリシマツツジとクルメツツジを区別しない。変種として区別する見解もあるが、形態的には区別は難しい。区別する場合はキリシマツツジを var. obtusum とし、クルメツツジをvar. sakamotoiとする。園芸品種では系統として区別されている。
 元禄つつじブームのときに人気があったのがキリシマツツジであり、江戸時代に日本中で栽培され、現在、最も多く残っているのが能登半島であり、能登霧島と呼ばれる。
 キリシマツツジは九州南部の霧島山中に自生するヤマツツジ Rhododendron kaempferi とミヤマキリシマ Rhododendron kiusianum の交雑種を起源とし、江戸で改良された栽培種である。鮮やかな深紅色の花が特徴である。江戸霧島系の品種は本霧島、蓑霧島、二順霧島、八重霧島、紫霧島、紅霧島、四季咲霧島があり、けら性一重・けら性二重などの違いもある。
 樹高は1~2m。花は直径2~4㎝。花が密につき、一斉に開花する。開花期は4月中旬~5月中旬。
 品種例) 吾妻潟、桔梗咲き、大胚、羽根乙女、日の出(ひので)、紅小町

 ※サタツツジ(ヒメマルバサツキ) Rhododendron sataense はキリシマツツジの野生品ともされるが、ヤマツツジとミヤマキリシマの雑種起源のものであるかについてはなお検討を要するとされている。GRINではRhododendron obtusumと同種としている。
 鹿児島県(大隅半島、薩摩半島)に自生する(野生化したものともいわれる)。名は大隅半島の佐田岬に由来する。樹高は2m以下。春葉は長さ15~35㎜、幅5~15㎜、倒卵状楕円形、両面に伏毛がある。 夏葉がやや小さく、長さ10~20㎜、褐色の扁平な毛が密生し、小型で丸みを帯び、表面に強い光沢がある。花は中輪、一重。多花性、一枝に花序が4~5個つき、花序に花が2~3個つく。花冠裂片は先が丸く、平開する。 花は淡紫紅色、白色、桃色、ピンク色、濃紅紫色、紅色など変化する。 花期は4~6月。
 ※中国の钝叶杜鹃(dun ye du juan) Rhododendron obtusum
 白花杜鹃(bai hua du juan)は中国の東部~南東部の公園などに広く植えられているハイブリッド栽培種であり、最初の形は上海のものが基になっている。これは日本のミヤマキリシマRhododendron kiusianum のハイブリッドに由来すると考えられている。(Flora of China)
 低木、高さ1(4)m、小枝は細く、しばしば偽輪生し、鉄さび色の硬い剛毛が密生する。葉はすべて似ている。葉柄は長さ約2㎜、粗く、灰白色の剛毛がある。葉身は膜質、楕円形~楕円状卵形、又は長楕円状倒披針形~倒卵形、長さ1~2.5㎝、幅0.4~1.2㎝、基部は広楔形、縁は縁毛があり、先は鈍形で、先端が尖るか又は円形、ときに 微突形、両面ともまばらに粗い剛毛があり、中脈では目立つ。花序は普通、2~3個の花がつく。花柄は長さ0.4~0.8㎝、粗い鉄さび色の剛毛が密生し、毛は扁平。萼片は卵形、長さ4㎜以下、粗い毛がある。花冠は漏斗状鐘形、赤色~ピンク色、又は帯赤色。裂片は1つに暗色の斑点があり、長さ約1.5㎝、幅約2.5㎝。裂片は長楕円形、長さ約1㎝、幅約0.5㎝、先は鈍形。雄しべは5個、ほぼ花冠と同長、無毛。蒴果は円錐形~広楕円状卵形、長さ約6㎜、粗い鉄さび色の剛毛が密生する。

●琉球ツツジ系
 リュウキュウツツジ(シロリュウキュウ) Rhododendron mucronatum を主に作出された園芸種群。江戸時代中期の正徳2年(1712年)に出された『和漢三才図会(わかんさんさいずえ)』(著者:漢方医 寺島良安)の下の巻738/921に平戸躑躅(琉球躑躅)が単弁、白花として解説されている。この平戸躑躅が、琉球躑躅を異名とし、現在のリュウキュウツツジを指しているといわれ、このため、ヒラドツツジといわれることもある。江戸時代に盛んに栽培され、300年前のものも日本に残っている。リュウキュウツツジはモチツツジ Rhododendron macrosepalum とキシツツの交雑種という説もある。中国の白花杜鹃(bai hua du juan)もリュウキュウツツジと同一と考えられ、キシツツジの白花品とされている(Flora of China)。モチツツジと同様に萼に腺毛があって粘り、花は白色、一重、直径5~6㎝と大きい、雄しべは10個。
 品種例)
 薄葉、尾曳絞、京鹿の子、桜衣、白雪、白琉球、関寺、南京紫、藤万葉(ふじまんよう)
 
 ※中国の白花杜鹃(bai hua du juan) Rhododendron mucronatum
 中国の白花杜鹃(bai hua du juan)は四川省の東部及び南部に多く、福建省、広東省など多くの省の公園にもある。この種は栽培種であり、白色のものはキシツツジ Rhododendron mucronatum var. ripense の白花品とされている。白花品種の白琉球杜鵑又は平戶杜鵑ともいわれ、リュウキュウツツジと同一である。
 低木、半常緑、高さ1~2(3)m。若い枝条は広がり、多数、分枝し、密に灰褐色の長軟毛があり、少ない腺毛がある。夏と冬の葉は異なる。葉柄は長さ2~4㎜、密に長い剛毛があり、毛は扁平、短い腺毛がある。葉身は紙質、披針形~卵状披針形、長さ2~6㎝、幅0.5~1.8㎝、基部は楔形、先は鈍形~円形。花序は花が1~3個。花柄は長さ1.5㎝以下、密に黄褐色の長軟毛があり、また、腺毛がある。萼片は5個、披針形、長さ約12㎜、密に腺毛がある。花冠は広漏斗形、5深列し、白色、ときに淡赤色、紫色の斑点はなく、長さ3~4.5㎝。花冠裂片は楕円状卵形、筒部と同長、無毛。雄しべは10個、不等長、花糸は下部に微軟毛がある。子房は卵形、長さ約4㎜、幅約2㎜、5室、密に粗い伏した腺毛がある。花柱は長く突き出て、無毛。蒴果は円錐状卵形、長さ約10㎜。花期は4~5月。

 ※キシツツジ(イソツツジ) Rhododendron ripense =Rhododendron mucronatum var. ripense本州( 岡山県、島根県以西)、四国、九州に分布する。モチツツジに近縁であり、よく似ているが、雄しべが10個ある。モチツツジとほぼ隔離分布する。小河川~渓流の岩上に生育し、モチツツジより葉が細く、若枝の毛が斜上するが、葉では判別は難しい。

ヒラドツツジ(平戸躑躅) 系
 ヒラドツツジRhododendron x pulchrumは古くから平戸城下の武家屋敷などで栽培されており、江戸時代中期の正徳2年(1712年)に出された『和漢三才図会(わかんさんさいずえ)』の平戸躑躅(琉球躑躅)は単弁、白花であり、現在のリュウキュウツツジを指すものである。長崎県の旧平戸藩で、早くから栽培されていたものの中から戦後の1951年以降に約300種が選抜された。亀岡公園の一角にある「ヒラドツツジ原木園には約300種が保存されている。ヒラドツツジはケラマツツジ、リュウキュウツツジ、モチツツジ、キシツツジ、ヤマツツジなどが自然交雑して誕生したものと考えられている。形質は母種となった沖縄のケラマツツジに近く、大形である。今では品種も400種を超え、代表品種は大輪・白花の白妙、同じ大輪・紫色の大紫、ピンク色の曙などである。
 品種例)
 曙(あけぼの)、大紫(おおむらさき)、オランダ紅、企救姫(きくひめ)、銀の采(ぎんのさい)、古賀錦、寿(ことぶき)、五月雨、春雪(しゅんせつ)、白孔雀(しろくじゃく)、白妙(しろたえ)、白牡丹、須磨(すま)、千重大紫(せんえおおむらさき)、大鳳(たいほう)、高根絞り、谷間の雪、花車、緋扇、紅石献花(べにしゃくなん)、紫牡丹、紅葉狩(もみじがり)、桃山、雪童子(ゆきどうじ)、琉球絞(りゅうきゅうしぼり)

 ※ケラマツツジRhododendron scabrum琉球(奄美大島-沖縄諸島) 原産、海岸付近の林縁に生える、高さ1-2mの常緑低木。若枝や花柄に粘毛を持つ。葉は対生し、厚く大型で、長さ5-8cmの長楕円形-倒卵状楕円形。枝先の花芽から2-4個の朱赤色の花を咲かす。花冠はろうと形で、上部の内側に濃い色の斑点がある。葉と同様に厚く、径4.5-6cmと大型である。元禄時代に江戸に持ち込まれ、観賞用に栽培された。寒さには弱いが、西南日本の暖地では栽培が可能である。 

●久留米ツツジ系 Rhododendron obtusum
 クルメツツジは江戸時代末期の天保年間(1830~1843年)に久留米有馬藩(現在の福岡県久留米市)の藩士・坂本元蔵が江戸霧島のコケまき法の実生から100種以上の品種を作出したのが始まりとされ、初期には「小霧島」「霧島」などと呼ばれていた。久留米市では明治から大正にかけて300品種以上の品種がつくられ、明治時代から久留米市で作られた品種を総称してクルメツツジと呼ばれるようになった。現在は約750種を超える品種が記録されている。クルメツツジはキリシマツツジが母体になり、品種改良されたものである。キリシマツツジ、サタツツジ、ミヤマキリシマを起源とすると考えられているが、最近ではモチツツジ Rhododendron macrosepalumや キシツツジ Rhododendron ripense の形態的特徴が一部の品種に認められている。
 品種の例)
 総角(あげまき)、朝霞(あさがすみ)、旭鶴(あさひづる)、旭の錦(あさひのにしき)、東鏡(あずまかがみ)、綾羽(あやはね)、一天(いってん)、今猩々(いましょうじょう)、今様錦(いまようにしき)、以呂波山(いろはやま)、薄雲(うすぐも)、薄緑(うすみどり)、移り香(うつりが)、雲中(うんちゅう)、蝦夷錦(えぞにしき)、老の目覚(おいのめざめ)、大内獅子(おおうちじし)、大御代(おおみよ)、大八州、思の空、神楽(かぐら)、鹿毛織(かげおり)、春日(かすが)、鎌倉(かまくら)、歓喜(かんき)、麒麟(きりん)、錦孔雀(きんくじゃく)、錦鳳(きんほう)、位の紐(くらいのひも)、暮の雪(くれのゆき)、軍旗(ぐんき)、九重(ここのえ)、胡蝶の舞、此花(このはな)、小町、早乙女、桜重(さくらがさね)、桜小町(さくらこまち)、左近(さこん)、時雨の滝(しぐれのたき)、静の舞(しずのまい)、東雲(しののめ)、白玉錦(しろたまにしき)、酒中花(しゅちゅうか)、燭光錦(しょっこうにしき)、不知火(しらぬい)、新鴇の羽重(しんときのはがさね)、翠羽(すいう)、酔陽妃(すいようひ)、末摘花(すえつむばな)、裾濃糸(すそのごいと)、世界一、大麒麟、勲位(だいくんい)、大典、太陽、妙音(たえね)、高砂、誰が袖(たがそで)、高蒔絵(たかまきえ)、田子の浦、田子の藤、玉桜、珠田の縁り(たまたのゆかり)、玉手箱、玉の台(たまのうてな)、玉の輿、玉の宝、玉紅、玉縁り(たまゆかり)、丹頂、筑紫紅(ちくしべに)、稚児の舞、千代鶴(ちよづる)、艶紫(つやむらさき)、照姫(てるひめ)、常夏(とこなつ)、常春(とこはる)、錦の司(にしきのつかさ)、鳴海重(なるみがさね)、梅王(ばいおう)、花遊び、春の曙、春の里、常陸山(ひたちやま)、雛鶴(ひなづる)、火の国、緋の衣(ひのころも)、緋の司(ひのつかさ)、日の出、日の出の雲、百花撰(ひゃっかせん)、福寿(ふくじゅ)、福彦(ふくひこ)、富士霞(ふじがすみ)、藤戸(ふじと)、富士の旭(ふじのあさひ)、藤の里、富士の裾野、弁財天、鳳凰、発心桜(ほっしんざくら)、窓の月、、摩耶夫人、満山(まんざん)、見返車(みかえりぐるま)、三櫛絞(みくししぼり)、御旗錦(みはたにしき)、都絞(みやこしぼり)、都の誉(みやこのほまれ)、御代の春(みよのはる)、八雲、八つ橋、宮城野、大和桜、雪の波、陽明錦、夜桜、吉野山、吉見岳(よしみだけ)、乱曲(らんきょく)、流星(りゅうせい)、若蛭子(わかえびす)、若楓(わかかえで)、和歌の浦

●その他の原種を基とする品種
(1)オオヤマツツジ Rhododendron transiens 系
 オオヤマツツジは本州(関東地方、静岡県、岡山県、山口県)に分布し、樹高は1~3m。葉は卵形~被針形、両面や縁に長毛が散生する。花は紅紫色、直径5~6㎝。雄しべは7~10個。最近の遺伝子統計解析によりオオヤマツツジとその栽培種はキシツツジ又はリュウキュウツツジに関係が深いことが推定されている(2013年M. Miyano, A. Nakayama, T. Handa, Y. Kurashige)。
 品種例) 飛鳥川(あすかがわ)、飛鳥川絞(あすかがわしぼり)、江戸花火、紫采、紫鳳殿、白滝、白花大山、朝暾(ちょうとん)、錦の司、白鳳殿、初霜、山姥、若紫
(2)モチツツジ Rhododendron macrosepalum 系
 品種例) 銀采(ぎんさい)、胡蝶揃(こちょうぞろい)、西行、四手車、駿河万葉、星車、花車
※ モチツツジ は本州(静岡県・山梨県~岡山県)、四国に分布する。萼や花柄に腺毛があり、粘る。花は直径3.5~6㎝。雄しべは普通、5個、稀に6~10個。
(3)ヤマツツジ Rhododendron kaempferi 系
 品種例)篝火(かがりび)、小松春三、白山つつじ、不老山
(4)ミツバツツジRhododendron dilatatum系
 品種例) 富士絞、元の助、四季咲きミツバツツジ、絞り咲きミツバツツジ、早咲きミツバツツジ
(5)飯能ツツジRhododendron x hannoense系 
 ハンノウツツジ(ナガバヤマツツジ)は本州(埼玉県、長野県)に自生する。和名は飯能市の天覧山付近で発見されたため。高さ1m内外。 葉は被針形、平滑。花は枝先に2~3個つき、朱紅色、直径4~5㎝。雄しべは5個、葯は紫色。 ヤマツツジとサツキの自然交雑種。ヤマツツジより花期が遅く、サツキと違い、冬に落葉する。Tropics ではサツキに含めている。
 品種例) 乙女桂(おとめかつら)、乙女錦(おとめにしき)、小町牡丹(こまちぼたん)、紫玉の桂、関守(せきもり)、関守采(せきもりざい)、蓑紫

●外国系
(1)ベルギー・アザレア(アザレア、ベルジアン・アザレア) Belgian Azalea:タイワンヤマツツジRhododendron simsii を中心に複雑な交配を経て、ベルギーで作られ、世界に輸出されたもの。日本には明治時代に輸入され、洋種躑躅、西洋躑躅と呼ばれた。学名はRhododendron simsii の園芸品種とする。日本で作られたものも多く、現在日本では約120品種が流通している。

(2)エクスバリー・アザレア Exbury azalea (匂いツツジ) :1920年にイギリスのライオネル・ド・ロスチャイルドがExburyにおいて、日本産のレンゲツツジ、アメリカ産のレンゲツツジのRhododendron viscosum、中国産の落葉性のツツジ類などを複雑に交配して最初の1種を作出したものである。花色は多彩で、原色系の鮮やかなものが多い。芳香のあるものは匂いツツジといわれる。
 匂いツツジの例
 トスカTosca= R. 'Exbury Naomi' X Rhododendron wardii var. wardii
 シャネルChanel=R. viscosum x R.superbum x R. zoelleri
 ソリッドパリス'Soir deParis'=R. viscosum xRhododendron 'Koster's Brilliant Red'

(3)グレンデールアザレアGlen Dale azalea:ロサンゼルス州のGlen DaleでBenjamin Y. Morrisonが25年以上かけて耐寒性のある花の大きな hybrid 品種を作出した。Azalea Society of Americaに454品種すべてがが掲載されている。

【農林水産植物種類別審査基準】 つつじ属 Rhododendron / Azalea(Rhododendron L.)
  (2014年5月) TG/42/6 1995-10-20に準拠
 ※( )内は標準品種(Ex.Var.)
特性表 (Table of Characteristics) ※( )は標準品種(Ex.Var.)
(1)葉の持続性Plant: persistence of leaves= 冬季の葉の付着状態(落葉性)
 1落葉deciduous、2半常緑(半落葉)semi evergreen(deciduous)、3常緑evergreen
(2)樹姿Plant: growth habit=開花期の株立ちの仕方
 1狭叢生narrow bushy、2叢生medium bushy、3広叢生broad bushy
(3)つぼみの形Terminal inflorescence bud=冬季(静止期)の頂花芽の形
 3狭楕円形narrow elliptic、5楕円形elliptic、7広楕円形broad elliptic
(4)新葉のろう質粉の多少Young leaf: bloom on upper side
   =当年枝の新葉が最大に展開した直後の表面のろう質粉の程度
 1無又は極少absent or very weak、3少weak、5中medium、7多strong
(5)新葉の色Young leaf: color on upper side=新葉の表面の色
 1黄緑yellow green、2淡緑light green、3緑medium green、4濃緑dark green、
  5赤緑red green、6青緑blue green
(6)新葉のアントシアニン着色の強弱Young leaf: anthocyanin coloration on upper side
   =新葉表面のアントシアニン着色の程度
 1無又は極弱absent or very weak、3弱weak、5中medium、7強strong
(7) 成葉の表面の色 Mature leaf: color on upper side= 成葉の表面の葉色
 1 黄緑yellow green、 2淡緑light green、3 緑 medium green、4 濃緑dark green、
 5 青緑blue green、 6赤緑 reddish green
(8) 成葉の裏面の色 Mature leaf: color on lower side=成葉の裏面の葉色
 1白緑whitish green、 2淡緑light green、3 緑medium green、4 濃緑dark green、
 5青緑blue green、6淡褐light brown、7赤褐 reddish brown、8濃褐 dark brown
(9)成葉の斑の有無 Mature leaf: variegation
 1無absent、9 有 present
(10)成葉の斑の模様 Mature leaf: type of variegation
 1散斑mottled、2 中斑 centered、 3覆輪斑 margined
(11)成葉の斑の色 Mature leaf: color of variegation
 RHSカラーチャート色票番号による RHS Colour Chart (indicate reference number)
(12) 成葉の長さ Mature leaf: length (including petiole) =葉柄を含む。
 3短short、 5中medium 7長 long
(13) 成葉の幅 Mature leaf: width =成葉の最大幅 ㎝
 3 狭narrow、5 中medium、7 広 broad
(14)成葉の形 Mature leaf: shape of blade= 成葉の葉身の形
 1線形liner、2長楕円形oblong、3 披針形lanceolate、 4卵形ovate、 5楕円形elliptic、
 6倒卵形obovate、7倒披針形oblanceolate、8円形 circular
(15)成葉の表面の毛じの着生粗密 Mature leaf: hairiness of upper side
 1無又は粗absent or sparse 、3中medium、5 密 dense
(16) 成葉の横断面の形 Mature leaf: shape of cross section of blade= 成葉中央部の横断面の形
 1強く凹strongly concave、 3凹concave、 5平 straight、7凸convex、9強く凸 strongly convex
(17)成葉の表面の光沢の強弱 Mature leaf: glossiness of upper side
 1無又は極弱absent or very weak、3 弱 weak、5中medium、7強
(18) 一花序当たりの着花数 Inflorescence: number of flowers
 3少few、 5中medium、7多many
(19) 花序の形(一花序当たりの着花数が6以上の品種に限る。)= 側面から見た花序の形
   Varieties with more than 6 flowers per inflorescence only: Inflorescence: shape
 1扁平flat、 2半球dome、 3球ball、 4円錐 conical
(20)小花柄の長さ Pedicel: length ㎝
 3短short 5中medium 7 長long
(21)小花柄の色 Pedicel: color on sunny side=小花柄の陽光面の色
 1黄緑yellow green、2淡緑light green、3濃緑dark green、4赤緑red green、
  5銅色bronze 6赤red、7紫 purple
(22) がくの有無 Calyx: presence
 1無absent、9有 present
(23)がく片の長さ Calyx lobes: length=最長がく片の長さ 測定 ㎜
 3短short 、5中medium、7長 long
(24)花の形 Flower: shape =側面から見た花の形
 1広い漏斗形wide funnel-shaped、2開いた漏斗形open funnel-shaped、3漏斗形funnel-shaped、
 4突き出た漏斗形ventricose-funnel-shaped、5筒状漏斗形tubular funnel-shaped、
 6開いた漏斗鐘形open funnel-campanulate、7広い漏斗鐘形wide funnel-campanulate、
 8開いた鐘形openly campanulate、9鐘形campanulate、10斜鐘型oblique campanulate、
 11突き出た鐘型 ventricose-campanulate、12 筒状鐘形 tubular campanulate、
 13回転鐘形 rotate campanulate、14筒形tubular、15受け皿形 saucer shaped
(25) 花の直径 Flower: diameter= 花の最大径 測定 ㎝
 3狭narrow、5中medium、7 広 broad
(26)花の香りの強弱 Flower: fragrance
 1無又は極弱absent or very weak、3弱 weak(オオムラサキ)、5中medium、
 7強strong(R.Fortunei)、9極強 very strong(R.arborescans)
(27)花型 Flower: type =花の咲き型
 1一重single:萼片、雄ずい、雌ずいがいずれも花弁化していないもの
 2半八重semi-douuble:雄ずいの一部が完全に又は不完全に花弁化しているもの
 3八重double:すべての雄ずいが完全に花弁化しているものをいう。雌ずいが花弁化する場合もある。
 4シングルホース インホースsingle hose-in hose:
    萼片が花弁化し、花冠が二段になったように見えるもの
 5セミダブルホースイン ホースsemi-douuble hose-in hose:
    萼片が花弁化し、花冠が二段になったように見えるものであって、
    雄ずいの一部が完全に又は不完全に花弁化しているもの
 6ダブルホース インホース douuble hose-in hose:
    萼片と雄ずいがすべて花弁化しているもの
(28)花冠裂片の数(八重品種に限る。)
  =八重咲き品種の花弁の枚数(花弁化した雄ずい又は雌ずいを含む。)
  Varieties with double corolla only: Flower: number of petals
 3少few、 5中medium、7 多 many
(29) 花冠裂片の周縁部の波打ちの強弱 Corolla lobes: undulation of margin
 1無又は極弱 absent or very weak、3 弱weak、5中medium、7 強 strong
(30) 花冠裂片の表面の色数 =花冠裂片の表面の色数(花喉部の斑点の色を除く。)
  Corolla lobe: number of colors on upper side(excluding markings of the throat)
 1one、 2two
(31) 花冠裂片の表面の主な色 Corolla lobe: main color on upper side
  RHSカラーチャート色票番号による RHS Colour Chart (indicate reference number)
(32) 花冠裂片の表面の二次色(花喉部の斑点の色を除く。)
   Corolla lobe: secondary color on upper side
   RHSカラーチャート色票番号による RHS Colour Chart (indicate reference number)
(33)花冠裂片の裏面の主な色 Corolla lobe: main color on lower side
  RHSカラーチャート色票番号による RHS Colour Chart (indicate reference number)
(34)花冠裂片の表面の二次色の分布(花喉部の斑点の色を除く。)
   Corolla lobe: distribution of secondary color on upper side
 1基部at base 、2先端部at apex、3縁部at marginal、 4部分又は縞as segments or stripes、
  5斑点 as apeckles
(35) 花冠裂片の花喉部の斑点の明瞭度
   Corolla lobe: conspicuousness of markings of the throat
 1無又は極弱absent or very weak、3弱weak、5中medium、7強 strong
(36)花冠裂片の花喉部の斑点の型 Corolla lobe: type of markings
 1 独立したスポットspots not touching each other、
 2 スポットの集合spots touching each other、
 3 スポットで囲まれたブロッチblotches surrounded by spots、
 4 1ブロッチのみr one blotch only
    ブロッチblotche:大きなシミ
(37)花冠裂片の花喉部の斑点の色 Corolla lobe: color of markings
  RHSカラーチャート色票番号による RHS Colour Chart (indicate reference number)
(38) 花冠裂片の花喉部の色の濃淡
 =花冠裂片の表面の色に対する花喉部の色の濃淡(斑点の色を除く。)
   Flower throat: color compared to inner side of corolla lobe (excluding markings)
 1淡lighter、2同色same color、3 濃 darker
(39) やくの色 Anthers: color =開やく前のやくの主な色
 1白white、2黄yellow、3緑green、4赤red、5茶brown、6紫purple、7菫violet 、8黒 black
(40)雌ずいの長さ=雄ずいの長さに対する雌ずいの長さの長短
   Pistil: length in comparison with stamens
 3短shorter、 5同等equal、7長 longer
(41)柱頭の色 Pistil: color of stigma
 1白white、 2黄yellow、 3緑green、 4赤 red、 5紫purple、6茶 brown
(42) 開花始期 Time of beginning of flowering =開花を始める時期の早晩
   =供試個体数の半数以上の個体で、少なくとも1花が満開の状態になった時期
 1極早very early、3早early(ゲンカイツツジ)、5中medium(クルメツツジ)、
 7晩late(サツキ)、9 極晩 very late
(43) 成葉(秋葉)の表面の色(常緑品種に限る。)
   Evergreen varieties only: Mature leaf (autumn leaf): color of upper side
 1黄緑 yellow green、2淡緑light green、3緑medium green、4濃緑dark green、
  5青緑blue green、6赤緑 reddish green
(44) 成葉(秋葉)の裏面の色(常緑品種に限る。)
  Evergreen varieties only: Mature leaf (autumn leaf): color of lower side
 1白緑whitish green、2淡緑light green、3緑medium green、4濃緑dark green、
 5青緑blue green、 63淡褐ight brown、7赤褐reddish brown、8濃褐 l dark brown
(45) 成葉(秋葉)の長さ(常緑品種に限る。)= 成葉(秋葉)の長さ(葉柄を含む。)
  Evergreen varieties only: Mature leaf (autumn leaf): length(including petiole)
 3短short、5中medium、7長 long
(46) 成葉(秋葉)の幅(常緑品種に限る。)= 成葉(秋葉)の最大幅㎝
   Evergreen varieties only: Mature leaf (autumn leaf): width
 3狭narrow、5中medium、7広broad
(47)成葉(秋葉)の形(常緑品種に限る。)=成葉(秋葉)の葉身の全体の形
   Evergreen varieties only: Mature leaf (autumn leaf): shape of blade
 1線形liner、2長楕円形oblong、3披針形lanceolate、4卵形ovate、5楕円形elliptic、
 6倒卵形 obovate、7倒披針形oblanceolate、8円形 circular
(48) 成葉(秋葉)の表面の毛じの粗密(常緑品種に限る。)
  Evergreen varieties only: Mature leaf (autumn leaf): hairiness of upper side
 1無又は極粗absent or very sparse、3中medium、5 dense
(49) 成葉(秋葉)の横断面の形(常緑品種に限る。)=成葉(秋葉)の中央部の横断面の形
   Evergreen varieties only: Mature leaf (autumn leaf): shape of cross section of blade
 1強く凹strongly concave、3 凹concave、 5平straight、7凸convex、9 強く凸 strongly convex
(50)成葉(秋葉)の表面の光沢の強弱(常緑品種に限る。)
   Evergreen varieties only: Mature leaf(autumn leaf): glossiness of upper side
 1無又は極弱absent or very weak、3 弱weak、5中medium、7 強 strong

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