セイヨウシャクナゲ 西洋石楠花

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Flora of Mikawa

ツツジ科 Ericaceae ツツジ属

中国名 常绿杜鹃亚属 chang lu du juan ya s
英 名 Rhododendron Species
学 名 Rhododendron subgenus Hymenanthes
Rhododendron hybridum
セイヨウシャクナゲの花序
セイヨウシャクナゲの花
セイヨウシャクナゲの花柄
セイヨウシャクナゲ花飾り
セイヨウシャクナゲフリスコーン
セイヨウシャクナゲの幹
セイヨウシャクナゲ
セイヨウシャクナゲ2
セイヨウシャクナゲ葉
花 期 4月末~5月上旬
高 さ 0.5~5m
生活型 常緑低木~中高木
生育場所 公園、庭園
分 布 園芸種
撮 影 豊川市  17.4.30
一般的にいわれるシャクナゲは園芸で使われる分類であり、植物学的な分類ではない。植物学的な分類ではツツジ属(genus Rhododendron)のうち、シャクナゲ亜属[無鱗片シャクナゲ] (subgenus Hymenanthes)を指す。シャクナゲ亜属の原種及びその系統のハイブリッドなどの園芸品種のうち、花が枝先に房状に多数集まって咲くものを日本では一般的にシャクナゲと呼んでいる。葉は常緑、大きい。欧米ではRhododendronは植物学的な分類では広義には属名を指し、狭義がヒカゲツツジ亜属(有鱗片シャクナゲ亜属)がsubgenus Rhododendronである。しかし、一般的な狭義のRhododendronはアザレア以外のツツジ属の園芸種を指し、雄しべ10以上、常緑のものであり、シャクナゲ亜属とヒカゲツツジ亜属を含むため、日本のシャクナゲとは完全には一致していない。アザレアは落葉性のアザレアAzareaと常緑性のアザレアに分けられ、日本のツツジやサツキは常緑性のアザレアに含まれる。
 日本産の原種を元にした園芸種をニホンシャクナゲ、欧米で育成された園芸種をセイヨウシャクナゲと大別している。セイヨウシャクナゲはもともと中国や日本などアジア産のものが元になったものであり、日本産のシャクナゲが交配親として使われているものもある。また、ヒカゲツツジ亜属(有鱗片シャクナゲ亜属)subgenus Rhododendronのビレア節の種もシャクナゲに入れることもあり、イソツツジ節にもシャクナゲによく似たものもある。
 さらに、アザレオデンドロン(Azaleodendron)と呼ばれる落葉のレンゲツツジ亜属 subgenus Pentantheraと常緑のシャクナゲ亜属(無鱗片シャクナゲnonscaly rhododendron) subgenus Hymenanthesのハイブリッドもある。
 現在のシャクナゲはハイブリッドがほとんどであり、鮮やかな様々な色の華やかなものが多く、Rhododendron hybridumという。

ツツジ属

   family Ericaceae - genus Rhododendron

 低木又は高、地上生又は着生、様々な毛又は盾状鱗片があり、又は無毛、密毛があり、ときに、 脱落性(毛がもつれ、層状に取れる)。葉は常緑又は半落葉、互生し、ときに、枝先に束生し、全縁、極まれに小鈍鋸歯状、下面はときに密毛に覆われ、薄皮(表面の薄い皮膚のような層)がある。花序は総状花序又は散房花序、ほとんど頂生、ときに側生、花が少数~多数つき、ときに、単生する。萼は宿存性5~8裂、ときにリム状に退化する。裂片は小さく、三角形~大きく、目立つ。花冠は漏斗形、鐘形、筒形、車形(rotate)又は高杯形(hypocrateriform)、放射相称(regular)又はわずかに左右相称、5(~8)裂。裂片は蕾のとき覆瓦状。雄しべは5~10(~27)個、花冠の基部につき、普通、下向きに湾曲する。花糸は線形~糸状、無毛又は基部側に軟毛がある。葯は付属体が無く、末端又は斜めの孔から裂開する。花盤は普通、5~10(~14)裂する。子房は5(~18)室、毛や鱗片があり、まれに無毛。花柱は直線又は下向きに湾曲~反曲。柱頭は頭状円盤形、円鋸歯状~浅裂。蒴果は円柱形~楔形~卵形、ときに、曲がり、頂部から胞間裂開し、バルブは厚いか又は薄く、真っすぐ又は捻じれる。種子は極多数、小さく、紡錘形、常に、翼があるか又は両端に付属体又は糸状の尾がある。
 約1000種がアジア、ヨーロッパ、北アメリカ、オーストラリアに自生する。

ツツジ属 genus Rhododendron の分類 亜属、節、亜節

 多説あり、何度も改定されている。
 (1) セイシカ亜属 (トキワバイカツツジ亜属) subgenus Azaleastrum 常緑アゼリア
   植物に盾状鱗片(peltate scale)がない。
   新しい葉のシュートは最頂部の頂芽と葉腋から出る。常緑。
   蒴果は円錐状卵形~円柱形。
  (1)-1 セイシカ節(トキワバイカツツジ節) section Azaleastrum
    トキワツツジ(R. uwaense )
  (1)-2 ツツジ節 section Tsutsusi※(4)ツツジ亜属と分ける見解もある  
  (1)-3 オバーツ亜属 subgenus Choniastrum(※節を亜属として分離Goetsch3005) 
 (3)レンゲツツジ亜属 subgenus Pentanthera※(5)シャクナゲ亜属の節とする見解もある 
   植物に盾状鱗片(peltate scale)がない。
   花は頂芽から。新しいシュートは側芽から。落葉、雄しべ5(中国産)
   1 レンゲツツジ節 sectionPentanthera
      レンゲツツジ節 Section Pentanthera (2 subsections)  落葉アゼリア(deciduous azalea)
      亜節R. subsect.Pentanthera (G. Don) Pojarkova (15 species)
      亜節R. subsect.Sinensia  (1 species: トウレンゲツツジ R. molle)
           レンゲツツジ R. molle subsp. japonicum
   2 シロヤシオ節 section Sciadorhodion ・・・落葉アザレア6種がこれに属す
     ※(1)に含める見解もある
   3 ロドラ節 Rhodora
   4 オオバツツジ節 section Viscidula
     ※(1)に含められるよう提案されている。  
 (4)ツツジ亜属 subgenus Tsutsusi ※(1)の節とする見解もある・・・・常緑アゼリア
   植物に盾状鱗片(peltate scale)がない。
   花や新しいシュートは同じ頂芽から出る。葉は常緑~落葉。毛はしばしば剛毛状
   1 ツツジ(ヤマツツジ)節 section Tsutsusi
      サツキ Satsuki はツツジ節に含まれる。
      ツツジの日本の園芸種はクルメツツジ Kurume Hybrids が最も多い。
     ハコネコメツツジ節(ツツジ節に含まれる)
     サクラツツジ節(ミツバツツジ節に含まれる)
   2 ミツバツツジ節 section Brachycalyx
 (5)シャクナゲ亜属(無鱗片シャクナゲnonscaly rhododendron) subgenus Hymenanthes  
   植物に盾状鱗片(peltate scale)がない。
   花は頂芽から。新しいシュートは側芽から。常緑、雄しべ10(~20)
   (5)-1 シャクナゲ(無鱗片)節 section Pontica
    24亜節
   ※(5)-2 レンゲツツジ節 section Pentanthera 亜属とする見解もある。
 (6) ヒカゲツツジ亜属(有鱗片シャクナゲ亜属)subgenus Rhododendron 
    植物に盾状鱗片(peltate scale)があり、普通、無毛。
    葉は常緑、極まれに半落葉、落葉。花は葉の展開後。花柱は普通、直線状。
   1 有鱗片シャクナゲ節 section Rhododendron 北半球約170種
      亜節 25 subsection
        Afghanica , Baileya , Boothia , Camelliiflora ,Campylogyna , Cinnabarina , Edgeworthia ,
         Fragariiflora , Genestieriana , Glauca , Heliolepida ,Lapponica , Ledum , Lepidota ,
         Maddenia , Micrantha , Monantha , [Heliolepida] , Moupinensia , Rhododendron ,
        Rhodorastra(カラムラサキツツジ var. mucronulatum、ゲンカイツツジ var. ciliatum) ,
         Saluenensia , Scabrifolia , Tephropepla ,Triflora (ヒカゲツツジ R. keiskei),
        Uniflora , Virgata
   2 イソツツジ節 section Pogonanthum 22種(Flora of China)、ヒマラヤ山脈周辺国
      花冠の基部が筒状のものが多いがシャクナゲのように見える物もある
   3 ビレア節 section Vireya 2subsection 約150種
      亜節Euvireya
      亜節Malayovireya
   4 section Discovireya(Craven 2008 )Vieraから分離 48種、マレーシア
   5 section Pseudovireya(Craven (2008 )Vieraから分離 10種、アジア
   ※6 section Schistanthe(American Rhododendron Society掲載)
      subsection Pseudovireya 5種 euonymifolium , kawakamii , rushforthii , santapauii ,
                          vacciniodes
  ※subgenus Pseudorhodorastrum(Flora of Chinaで分けられている亜属) 
     植物に盾状鱗片(peltate scale)があり、蒴果は短い円柱形
  ※subgenus Pseudazalea(Flora of Chinaで分けられている亜属)
     植物に盾状鱗片(peltate scale)があり、普通、有毛。葉は落葉~半落葉、極まれに常緑
     花は葉の展開後。花柱は普通、短く、反曲。
 (7)バイカツツジ亜属 subgenus Mumeazalea バイカツツジ1種のみ
     ※(1)に含められるよう提案されている。
 (8)エゾツツジ亜属 subgenus Therorhodion 2種のみ
   植物に盾状鱗片(peltate scale)がない。
   花冠は基部近くから分裂、花序柄に葉状の苞葉がある。花柱が曲がる。
 (9)カンディダストルム亜属 Candidastrum※(1)に含められるよう提案されている。

シャクナゲとは

 シャクナゲは園芸で使われる分類であり、植物学的な分類ではない。ツツジ属(genus Rhododendron)のうち、シャクナゲ亜属[無鱗片シャクナゲ] (subgenus Hymenanthes)の原種及びその系統のハイブリッドなどの園芸品種のうち、花が枝先に房状に多数集まって咲くものを日本ではシャクナゲと呼んでいる。葉は常緑、大きい。欧米では アザレアAzarea 以外のものをRhododendron ともいうが、Rhododendronは雄しべ10以上、常緑のものを指し、有鱗片シャクナゲ節を含むため、日本のシャクナゲとは完全には一致していない。また、植物学的な分類ではヒカゲツツジ亜属(有鱗片シャクナゲ亜属)がsubgenus Rhododendronである。 
 日本産の原種を元にした園芸種をニホンシャクナゲ、欧米で育成された園芸種をセイヨウシャクナゲと大別している。セイヨウシャクナゲはもともと中国や日本などアジア産のものが元になったものであり、日本産のシャクナゲが交配親として使われているものもある。
 また、ヒカゲツツジ亜属(有鱗片シャクナゲ亜属)subgenus Rhododendronのビレア節の種もシャクナゲに入れることもあり、イソツツジ節にもシャクナゲによく似たものもある。
 さらに、アザレオデンドロン(Azaleodendron)と呼ばれる落葉のレンゲツツジ亜属 subgenus Pentantheraと常緑のシャクナゲ亜属(無鱗片シャクナゲnonscaly rhododendron) subgenus Hymenanthesのハイブリッドもある。

  常緑低木~中高木、高さ0.5~5m。葉は大きく、革質、表面は光沢があり、裏面は有毛、腺毛があることもある。花は普通、ほぼ球形の花序に多数花がつく。花期は普通、4月下旬~5月中旬。

日本でシャクナゲに含める原種

1 シャクナゲ亜属(無鱗片シャクナゲ) subgenus Hymenanthes 
     中国名:常绿杜鹃亚属 chang lu du juan ya s
 低木又は高木、まれに小さく、這う低木もある。常緑。新しい葉のシュートは側芽から、前年の葉腋から出る。腺毛があり又は無毛、鱗片は無い。葉は大きく、革質、狭楕円形~広披針形~類円形、葉の下面は無毛又は有毛、まれに腺毛があり、上面は光沢があり、鱗片は無い。花序は頂生し、散形状総状花序、花が多数、つき、まれに、1~2個。萼は小さく、緑色又は赤色、リム状、まれに杯状に大きくなり、5(~8)裂する。花冠は鐘形又は漏斗形、まれにほぼ円筒形、裂片は5~8個、ピンク赤色、白色、赤色、紫赤色、まれに黄色、ときに基部に暗色の蜜腺の袋がある。雄しべは10(~20)個、普通、花冠裂片の数の2倍つき、不等長。子房は5~18室、無毛又は有毛又は腺毛がある、花柱は細長く、無毛又は有毛又は先に腺がある。蒴果は円柱形、真っすぐ~曲がり、無毛又は有毛、熟すと、裂開する。種子にはしばしば薄い膜質の翼がある。
 約270種が世界にあり、主にアジア、ヨーロッパ、北アメリカ原産。中でも特に中国、ネパールに集中し、低地~高山の様々な場所に生育し、夏涼しい高山に最も多くの種類がみられる。園芸品種には耐寒性のものや耐暑性のものが作られている。低木もあるが、高さ20m以上になる高木もある。

1 R. sect. Pentanthera
1-1 R. subsect. Pentanthera(15)
 alabamense , arborescens , atlanticum , austrinum , calendulaceum , canadense , canescens , cumberlandense , flammeum , luteum , occidentale , periclymenoides , prinophyllum , prunifoliu , viscosum
1-2 R. subsect. Sinensia(1)
 molle
2 R. sect. Pontica 無鱗片シャクナゲ節Section Ponticum(24亜節 subsections)
2-1 R. subsect. Arborea (6種)
 arboreum(高さ10~15m以上) , delavayi , lanigerum , niveum , werei , zeylanicum
2-2 R. subsect. Argyrophylla (21種)
 adenopodum , argyrophyllum , brevipetiolatum , coryanum , denudatum , ebianense , eriobotryoides , fangchengense , farinosum , floribundum , formosanum(タイワンシャクナゲ) , haofui , hunnewellianum , insigne , longipes , oblancifolium , pingianum , ririei , shimenense , simiarum , thayerianum
2-3 R. subsect. Auriculata (2種)
 auriculatum , chihsinianum
2-4 R. subsect. Barbata (5種)
  argipeplum , barbatum , erosum , exasperatum , succothii
2-5 R. subsect. Campanulata (4種)
 campanulatum , gannanense , gannanense , [wardii Litiense Group]
2-6 R. subsect. Campylocarpa (5種)
 callimorphum , campylocarpum , henanense , souliei , wardii
2-7 R. subsect. Falconera (12種)
 arizelum , basilicum , coriaceum , falconeri(高さ10~15m以上) ,galactinum , heatheriae , hodgsonii , preptum , rex , rothschildii , semnoides , sinofalconeri
2-8 R. subsect. Fortunea (32種)
 asterochnoum , calophytum , davidii , decorum , faithiae , fortunei , geraldii , glanduliferum , gonggashanense , griffithianum , guihainianum , hemsleyanum , huanum , huianum , jinchangense , jingangshanicum , jiulongshanense , maoerense , miyiense , nymphaeoides , orbiculare , oreodoxa ,platypodum , praevernum , qiaojiaense , serotinum , sutchuenense , vernicosum , verruciferum , wologense , xiaoxidongense , yuefengense
2-9 R. subsect. Fulgensia (1又は2)
  fulgens
2-10 R. subsect. Fulva (2種)
 fulvum , uvariifolium
2-11 R. subsect. Glischra (9種)
  adenosum , crinigerum , diphrocalyx , glischroides , glischrum , habrotrichum , recurvoides , spilotum , vesiculiferum
2-12 R. subsect. Grandia (14種)
 balangense , grande , kesangiae , macabeanum , magnificum , montroseanum , praestans , protistum , pudurosum , sidereum , sinogrande , suoilenhense , watsonii , wattii
2-13 R. subsect. Griersoniana (1種)
 griersonianum
2-14 R. subsect. Irrorata (24種)
 aberconwayi , agastum , annae , anthosphaerum , araiophyllum , brevinerve , dimitrum , gongshanense , guizhouense , irroratum , jinboense , kendrickii , korthalsii, langbianense , laojunshanense , lukiangense , mengtszense , ningyuenense , ombrochares , papillatum , ramsdenianum , spanotrichum , tanastylum , wrayi
2-15 R. subsect. Lanata (7種)
  circinnatum , flinckii , lanatoides , lanatum , luciferum , poluninii , tsariense
2-16 R. subsect. Maculifera (14種)
 anwheiense , longesquamatum , maculiferum , monosematum , morii , ochraceum , oligocarpum , pachysanthum , pachytrichum , pseudochrysanthum(ニイタカシャクナゲ) , sikangense , strigillosum , subroseum , ziyuanense
2-17 R. subsect. Neriiflora (29種)
 albertsenianum , aperantum , beanianum , bijiangense , catacosmum , chamaethomsonii , chionanthum , citriniflorum , coelicum , dichroanthum , erastum , euchroum , eudoxum , floccigerum , forrestii ,haematodes , horaeum , mallotum , microgynum , microgynum , neriiflorum , parmulatum , piercei , pocophorum , sanguineum , sperabile , sperabiloides , temenium , trilectorum
2-18 R. subsect. Parishia (8種)
 facetum , flavoflorum , huidongense , kyawii , parishii , schistocalyx , urophyllum , venator
2-19 R. subsect. Pontica (12種) シャクナゲ(無鱗片)節
 aureum(キバナシャクナゲ) , brachycarpum(ハクサンシャクナゲ) , catawbiense , caucasicum , degronianum(アズマシャクナゲ) , hyperythrum ,[japonoheptamerumツクシシャクナゲ() ] , [kawakamii(シマシャクナゲ)] , macrophyllum , makinoi(ホソバシャクナゲ) , maximum , ponticum , smirnowii , ungernii
2-20 R. subsect. Selensia (8種)
 bainbridgeanum , dasycladoides , erythrocalyx , esetulosum , hirtipes , martinianum , selense , xizangense
2-21 R. subsect. Taliensia (58種)
 adenogynum , aganniphum , alutaceum , balfourianum , barkamense , bathyphyllum , beesianum , bhutanense , bureavii , bureavioides , clementinae , codonanthum , coeloneuron , comisteum , dachengense , danbaense , detonsum , dignabile , dumicola , elegantulum , faberi , heizhugouense , inopium , lacteum , lulangense , mimetes , montiganum , nakotiltum , nhatrangense , nicroglandulosum , paradoxum , phaeochrysum , pomense , potaninii , prattii , principis , pronum , proteoides , przewalskii , pubicostatum , pudiense , pugeense , punctifolium , purdomii , roxieanum , roxieoides , rufum , shanii ,sinosimulans , sphaeroblastum , taliense , torquescens , traillianum , trichogynum , wasonii , wightii , wiltonii , zhongdianense
2-22 R. subsect. Thomsonia (15種)
 bonvalotii , cerasinum , cyanocarpum , eclecteum , eurysiphon , hookeri , hylaeum , meddianum , ramipilosum , sherriffii , sikkimense , stewartianum ,subansiriense , thomsonii , viscidifolium
2-23 R. subsect. Venatora(1種)
  venator
2-24 R. subsect. Williamsiana (2種)
 leishanicum , williamsianum

3 R. sect. Rhodora(1種)
 canadense

2 ヒカゲツツジ亜属(有鱗片シャクナゲ亜属)subgenus Rhododendron
【ヒカゲツツジ亜属の解説】
 中国名は杜鹃亚属 du juan ya shu 。
 低木まれに高木。普通、常緑、めったに落葉は無くときに着生する。若いシュートは、鱗片が密生し、しばしば無毛、ときに、短毛、剛毛又は羊毛状の毛がある。葉身は通常、革質、下面は密に鱗片があり、しばしば上面、葉柄、萼、花冠、子房、花柱にあり、普通、無毛、まれに単軟毛がある。花序は頂生又は腋生、散形花序状の総状花序又は短い総状花序、花が1~多数つき、葉の展開後に開花する。萼は普通、小さく又はよく発達せず、5裂する。花冠は小~大、漏斗形~鐘形~筒状鐘形~盆形、放射相称、白色~赤色~黄色~紫色、斑点状。雄しべは (5~)10(~27)個。子房は 5~6(~12)室。花柱は下向きに湾曲~反曲。蒴果は長楕円形又は楕円形、鱗片が密生し、バルブは類木質、割れて反曲する。種子は多数、ときに両端に付属体がある。
 約500種がアジア、ヨーロッパ、北アメリカ、オーストラリアに自生する。
1 R. sect. Pogonanthum (20種) イソツツジ節  (シャクナゲに普通、含めない。)
 花冠の基部が筒状のものが多いがシャクナゲのように見える物もある。
 anthopogon , anthopogonoides , atropunicum , bellissimum , cephalanthum , heteroclitum , hoi , hypenanthum , kongboense , laudandum , luhuoense , mainlingense , nyingchiense , platyphyllum , primuliflorum , radendum , rufescens , sargentianum , trichostomu , tubulosum
2 R. sect. Rhododendron 有鱗片シャクナゲ節
2-1 R. subsect. Afghanica (1種) afghanicum
2-2 R. subsect. Baileya (1種) baileyi
2-3 R. subsect. Boothia (7種) 
  boothii , chrysodoron , dekatanum , leptocarpum , leucaspis , megeratum , sulfureum
2-4 R. subsect. Camelliiflora (1種)  camelliiflorum
2-5 R. subsect. Campylogyna (1種)  campylogynum
2-6 R. subsect. Cinnabarina (7種) 
 cinnabarinum , concatenans , igneum , keysii , lateriflorum , tenuifolium , xanthocodon
2-7 R. subsect. Edgworthia (3種) edgeworthii , pendulum , seinghkuense
2-8 R. subsect. Fragariflora (1種)  fragariiflorum
2-9 R. subsect. Genestieriana (1種) genestierianum
2-10 R. subsect. Glauca (7種) 
  brachyanthum , charitopes , glaucophyllum , luteiflorum , pruniflorum , shweliense , tubiforme
2-11 R. subsect. Heliolepida (5種)
 bracteatum , heliolepis , hirsutipetiolatum , invictum , rubiginosum
2-12 R. subsect. Lapponica (42種)
 amundsenianum , bamaense , bulu , burjaticum , capitatum , complexum , cuneatum , dasypetalum , dawuense , declivatum , edgarianum , fastigiatum , flavidum , gologense , hippophaeoides , impeditum , intricatum , joniense , labolengense , lapponicum , lungchiense , maowenense , minyaense , nitidulum , nivale , orthocladum , polycladum , qinghaiense , rupicola , russatum , setosum , taibaiense , tapetiforme , telmateium , thymifolium , tsaii , websterianum , xiguense , yungningense , yushuense , zekoense , zheguense
2-13 R. subsect. Ledum (9種)
columbianum , diversipilosum , groenlandicum , hypoleucum , subarcticum , subulatum , tolmachevii , tomentosum
2-14 R. subsect. Lepidota (1種)  lepidotum
2-15 R. subsect. Maddenia (54種)
 amandum , bijiangense , burmanicum , carneum , changii , chapanensis , chunienii , ciliatum , ciliicalyx , ciliipes , coxianum , cubittii , cuffeanum , dalhousiae , dendricola , eheinense , excellens , fletcherianum , fleuryi , formosum , goreri , grothhausii , hododendron , horlickianum , johnstoneanum , kiangsiense , leptocladon , levinei , liliflorum , lindleyi , linearilobum , ludwigianum , lyi , maddenii , megacalyx , mianningense , nemorosum , nuttallii , pachypodum , pseudociliipes , rhombifolium , roseatum , rufosquamosum , scopulorum , surasianum , taggianum , taronense , valentinianum , veitchianum , walongense , wumingense , yaogangxianense , yizhangense , yungchangense
2-16 R. subsect. Micrantha (3種) brevicaudatum , liaoxigense , micranthum
2-17 R. subsect. Monantha (4種) concinnoides , flavantherum , kasoense , monanthum
2-18 R. subsect. Moupinensia (3種) dendrocharis , moupinense , petrocharis
2-19 R. subsect. Rhododendron (3種) ferrugineum , hirsutum , kotschyi
2-20 R. subsect. Rhodorastra (4種) dauricum , ledebouri , mucronulatum , sichotense
2-21 R. subsect. Saluenensia (3種) calostrotum , keleticum , riparioides , saluenense
2-23 R. subsect. Scabrifolium (8種) 
 fuyuanense , hemitrichotum , mollicomum , pubescens , racemosum , scabrifolium , spiciferum , spinuliferum
2-24 R. subsect. Tephropeplae (6種)
 auritum , hanceanum , longistylum , tephropeplum , sinlingense , xanthostephanum
2-25 R. subsect. Trichocladum (6種)
 caesium , lepidostylum , mekongense , nanjianense , trichocladum , viridescens
2-26 R. subsect. Triflora (29種)
 ambiguum , amesiae , augustinii , bivelatum , brachypodum , chengshienianum , concinnum , davidsonianum , gemmiferum , guangnanense , keiskei , kuromiensis , lutescens , oreotrephes , pleistanthum , polylepis , rigidum , searsiae , seguini , shaanxiense , shimianense , siderophyllum , tatsiense , trichanthum , triflorum , wongii , xichangense , yunnanense , zaleucum
2-27 R. subsect. Uniflora (4種) ludlowii , pumilum , pemakoense , uniflorum
2-28 R. subsect. Virgatum (1種)  virgatum

3 R. sect. Schistanthe (American Rhododendron Society掲載)
 [異分類 ビレア節 sect. Vireya  2subsect.(Euvireya , Malayovireya)]
3-1 R. subsect. Discovireya (25種) Craven 2008 )Vieraから分離
 adinophyllum , borneense , buxoides , ciliilobum , cuneifolium , cyrtophyllum , detznerianum , ericoides , erosipetalum , gaultheriifolium , hameliiflorum , lindaueanum , meliphagidum , monodii , nanophyton , nummatum , oreites , perakens , pulleanum , quadrasianum , retusum , scortechinii , seimundii , spathulatum , taxoides
3-2 R. subsect. Euvireya(381種)
 abietifolium、acrophilum、aequabile、agathodaemonis、album、alternans、alticola、amabile、anagalliflorum、angulatum、 apiense、archboldianum、arenicola、arfakianum、armitii、asperrimum、asperum、atropurpureum、aurigeranum、baconii、 baenitzianum、bagobonum、banghamiorum、beccarii、beyerinckianum、blackii、bloembergenii、bogobonum、brachygynum、brachypodarium、 brassii、brevipes、brookeanum、bryophilum、bullifolium、burttii、buruense、buxifolium、caespitosum、caliginis、 calosanthes、capellae、carrii、carstensense、celebicum、cernuum、chevalieri、christi、christianae、cinchoniflorum、 cinerascens、citrinum、coelorum、commonae、comparabile、comptum、coriifolium、cornu-bovis、correoides、crassifolium、 cruttwellii、culminicola、curviflorum、 cuspidellum、delicatulum、dianthosmum、dielsianum、 disterigmoides、dutartrei、edanoi 、 englerianum、evelyneae、extrorsum、exuberans、eymae、flavoviride、frey-wysslingii、gardenia、gideonii、giulianettii、glabrifilum、glabriflorum、goodenoughii、gracilentum、habbemae、haematophthalmum、hartleyi、hatamense、hellwigii、helodes、herzogii、heterolepis、hirtolepidotum、hooglandii、hyacinthosmum、impositum、impressopunctatum、incommodum、inconspicuum、intranervatum、inundatum、jasminiflorum、、javanicum、 jiewhoei、 kawir、kemulense、kerowagiense、kochii kogo、konori、laetum、lagunculicarpum、lambianum、lamii、lampongum、 lanceolatum、leptanthum、leptobrachion、leptomorphum、leucogigas、leytense、liewianum、loboense、lochiae、loerzingii、lompohense、longiflorum、loranthiflorum、lowii、luraluense、macgregoriae、macrosiphon、madulidii、majus、maxwellii、meijeri、melantherum、mendumiae、microphyllum、milleri、mindanaense、mogeanum、mollianum、monkoboense、multicolor、multinervium、muscicola、myrsinites、natalicium、neobritannicum、neriifolium、nervulosum、nieuwenhuisii、niveoflorum、nubicola、oliganthum、opulentum、orbiculatum、oreadum、oxycoccoides、pachycarpon、pachystigma、papuanum、parvulum、pauciflorum、perplexum、phaeochitum、phaeochristum、phaeops、planecostatum、pleianthum、polyanthemum、poromense、porphyranthes、praetervisum、prainianum、proliferum、protandrum、psammogenes、pseudobuxifolium、pseudotricanthum、psilanthum、pubigermen、pudorinum、purpureiflorum、pusillum、pyrrhophorum、radians、rappardii、rarilepidotum、、rarum、renschianum、retivenium、retrorsipilum、revolutum、reynosoi、rhodochroum、rhodoleucum、rhodopus、rhodosalpinx、rhodostomum、ripleyi、robinsonii、roseiflorum、rosendahlii、rousei、rubellum、rubineiflorum、rubrobracteum、rugosum 、ruttenii、salicifolium、saxifragoides、sayeri、scabridibracteum、scarlatinum、schizostigma、schlechteri、searleanum、seranicum、sessilifolium、simulans、solitarium、spondylophyllum、stapfianum、stelligerum、stenophyllum 、stevensianum、stolleanum、 stresemannii、suaveolens、subcrenulatum、subuliferum、subulosum、sugaui、sumatranum、 superbum、syringoideum、takeuchii、taxifolium、thaumasianthum、tintinnabellum、toxopei、 triumphans、truncicola、tuba、tuberculiferum、tuhanensis、ultimum、vanvuurenii、variolosum、versteegii、verticillatum、verticillatum、vidalii、villosulum、vinkii、viriosum、vitis-idaea、wentianum、whiteheadii、wilklei、williamsii、womersleyi、wrightianum、xanthopetalum、xenium、yelliotii、yongii、zoelleri、zollingeri
3-3 R. subsect. Malayovireya (13種):(Craven 2008)
 acuminatum , apoanum , durionifolium , fallacinum , fortunans , himantodes , lamrialianum , lineare , malayanum , micromalayanum , nortoniae , obscurum , vinicolor
3-4 R. subsect. Pseudovireya (12種) (Craven (2008 )Vieraから分離
 asperulum , datiandingense , densifolium , emarginatum , insculptum , kawakamii , rupivalleculatum , rushforthii , santapaui , sororium , trancongii , vaccinioides

日本のシャクナゲ栽培

 『拾遺和歌集(しゅういわかしゅう)』(1007年)の如覚(にょかく)法師の 歌の題、「さくなむさ」がシャクナゲではないかといわれている。江戸時代の「花壇地錦抄(かだんちきんしょう)」(元禄8年、1695年発行)昭和8年p160の「しゃくなんげ」がシャクナゲといわれている。どちらも国立国会図書館デジタルコレクション で閲覧できる。また、岩崎灌園の主著『本草図譜』(1828年)にはしゃくなげが記載されている。江戸時代以前の記録はアズマシャクナゲなどの野生のシャクナゲの記載であり、江戸時代にはシャクナゲの栽培は進んでいなかった。
 シャクナゲの栽培はヨーロッパでは17世紀半ばから始まり、19世紀半ばにイギリス人によってヒマラヤから28種の自生種が 持ち帰られて以来、ヨーロッパでシャクナゲの品種開発が盛んになり、セイヨウシャクナゲといわれる園芸品種が作られた。このセイヨウシャクナゲは明治39(1906)年、三菱財閥二代目、岩崎彌之助・総帥がイギリスから日本へ輸入したのが最初とされている。これ以降、日本でも栽培されるようになり、現在、西洋シャクナゲの生産量が日本1位の新潟では大正13年頃、長尾草生園(秋葉区)で最初にセイヨウシャクナゲの生産が始められた。 当初は、実生や挿し木によってシャクナゲを増殖し、開花まで数年を要していた。昭和5年(1930年)、日本で初めて長尾草生園の交配による西洋シャクナゲの「流星」と「越路の雪」が発売された。昭和9年(1934)には静岡県沼津市の和田弘一郎氏がヤクシマシャクナゲ2株をイギリスに贈り、これにより、日本シャクナゲが西洋シャクナゲに大きな影響を与えた。昭和20年代にアカボシシャクナゲを台木とする接木の増殖が開発され、以後、鉢花としての大量生産が可能となった。昭和47年(1972)には新潟市の木口一二三氏がそれまで不可能と言われていたシャクナゲとヒカゲツツジの交配に成功した。昭和55(1980)年頃に、施肥や栽培の工夫により、直径15㎝の小さな鉢で花をつける技術が開発され、さらに60年頃から、ホルモン剤(わい化剤)の使用により、20㎝程度のコンパクトな樹形でたくさんの蕾をつけた鉢物の形が完成した。この頃から西洋シャクナゲの生産量が増加して、新潟県が日本で第1位の生産量となり、世界的にも有数の生産量となっている。新潟県五泉市の樋口昭男氏は昭和50年代から平成にかけて、現在でも人気の高い30以上の品種を開発し、現在でも新潟県内で生産されているシャクナゲの主要品種となっている。
 日本で改良された品種も多い。‘貴婦人 ’、‘黄山クレスト ’、‘越の炎 ’、‘吉野 ’、‘春一番 ’など

  参考)新潟経済社会リサーチセンター月報(2011)西洋シャクナゲ 新潟県立植物園 倉重 祐二

セイヨウシャクナゲの園芸種

 シャクナゲはアザレアとともに中国、ネパール、ブータン、日本などの種を主にもとに、19世紀中期からヨーロッパやアメリカで品種改良された。アザレアAzarea-groupは小形の花であるのに対し、シャクナゲRhododendron-groupは花の美しい庭木として使われている。ツツジ属は原種が多く、約1000種あり、シャクヤクの原種だけでも約270種ある。ハイブリッドができやすく、非常に多くのハイブリッドが作られ、シャクヤクとアザレアのハイブリッドも作られている。現在ではシャクナゲの品種は5000種を超えるといわれている。色が鮮やかで、豪華な品種が多い。
【シャクナゲの園芸種】
 Rhododendron Species Hirsutum.infoのデータベースではツツジ属の園芸品種が2万種を超える。シャクナゲを分類するのは難しく、品種の詳細を見ないとよくわからない。
 シャクナゲを中に含める園芸種のタイプ
(1)Rhododendron species(約1200)のうち次のもの
  subgenus Hymenanthes シャクナゲ亜属、
  subgenus Rhododendron section Pogonanthum イソツツジ節
  subgenus Rhododendron section Vireya ビレア節
(2)Rhododendron Hybrids (約14000)のうち、シャクナゲ亜属(無鱗片シャクナゲ)系統のもの
    Type: elepidote 無鱗片型・・・・・シャクナゲが中心
    Type: lepidote 有鱗片型・・・・・・シャクナゲ以外
(3)アザレオデンドロン(Azaleodendron)(約7000):レンゲツツジ亜属とシャクナゲ亜属のハイブリッド
(4)ビレアハイブリッドVireya Hybrids(約900):ヒカゲツツジ亜属ビレア節のハイブリッド

RhododendronとAzaleaの区別

 アザレアAzaleaはツツジ属Rhododendronに属し、アザレアと他の Rhododendronの基本的な差はアザレアの雄しべが5個であり、Rhododendronの雄しべが10個以上あることである。ただし、R. canadense、R. vaseyiなどは7~10個の雄しべを持つものもある。

1 Rhododendron-groupグループ
 雄しべが10個以上
 すべて常緑
 直立、小~中高木、 最高は28mほどになるものもある。ヤクシマシャクナゲ系統は低い。
2 アザレアグループ Azalea-group 
 雄しべが5個 例外あり
 落葉又は常緑
 小~中の低木、2.8m以下

 ※ 農林水産植物種類別審査基準ではシャクヤクとアザレアを区別せず、ツツジ属としている。

アザレア

 落葉アザレアと常緑アザレアに分けられる。日本の園芸種であるクルメツツジやサツキは常緑アザレアに分類されている。

1 落葉アザレアdeciduous Azaleaの原種
 ツツジ属Rhododendronのセイシカ(アザレア)亜属Azaleastrum、Sciadorhodion節に6種あり、北アメリカ、日本、朝鮮、ロシアに分布する。レンゲツツジ亜属 subgenus Pentanthera(シャクナゲ亜属Hymenanthesのレンゲツツジ節Pentanthera Sectionとされることもある)に18種あり、ほとんど北アメリカに分布し、アジアにR. luteum、日本、中国に レンゲツツジ(R. molle)がある。
2 常緑アザレアevergreen azalea
 常緑アザレアはすべてアジア原産で、ツツジ属Rhododendronのセイシカ(アザレア)亜属Azaleastrumとツツジ亜属 subgenus Tsutsusi(セイシカ亜属に含める説もある)に属す。ツツジ(Tsutsusi )は日本のものがほとんどで、中国、朝鮮、台湾、フィリピンの種もある。普通、常緑で葉が春葉と夏葉の2形となる。春葉は春に出て広がり、秋に落ちる。夏葉は初夏に出て、春葉より小さく、質が厚く、冬の休眠状態にも残り、春に落ちる。暖かい気候では数年夏葉が残り、寒冷な気候では春前に落ち、後者を半常緑(semievergreen or semipersistent)という。

アザレアの園芸種

 ハイブリッドが多数のグループに分類されている。70グループ以上あり、主なもの。
A 落葉アザレア グループ deciduous azaleas group
1 Ghent:(R. calundulaceum × R. prinophyllum)1820年代にベルギーで交配された古いハイブリッド
2 Knaphill (Knapp Hill Azaleas):Ghent×R. sinensis 作出者はAnthony Waterer。
  1870年代にサリー州のウォキングFCの近くのKnaphill Nursery で作られた。
  芳香のあるものもある。花期は5~6月中旬。
3 Exbury:1922年にMollisの播種により、得られた品種。
  エクスベリー・ガーデンでさらに開発された。華やかな大きな花のイギリスのハイブリッド。
4 Mollis:日本のレンゲツツジ(R. molle subsp. japonicum = R. japonicum)のハイブリッド
  1860年代にオランダで作られた。Knaphillハイブリッドより花期が早い。小型、暑さに強い。
5 Rustica:小型の重弁花、花がhose-in-hose。よい香りのあるものもある。:
6 その他:Occidentale、 Northern Lights seriesなど

B 常緑アザレアグループ evergreen Azalea group
1 Indian(Belgian Indian Hybrids)(BI):1800年代初めにヨーロッパで作られた最初のハイブリッド。
        Indianはこのグループが初めはR. indicumとされたことによる。
 1-2 Rutherford hybrids:アメリカのBI品種。ニュージャージー州で1920年代始められた。温室用。
 1-3 Brooks hybrids:カリフォルニア州Modestoで開発。Southern Indianと Kurume のハイブリッド。
 1-4 Kerrigan Hybrids:カリフォルニア州で開発。BIとKurume形質のものがある。
 1-5 Mossholder-Bristow hybrids aka: Gold Cup Azaleas:BIとRutherford の4世代目の系統。
2 Southern Indian Hybrids(SI):1800年代の半ばにアメリカ南部でIndianから作出された。
3 Kurume Hybrids:日本のクルメツツジ。1919年に日本からボストンに50種が輸入された。
 3-2 Aichele hybrids:サウスカロライナ州で1万を超える播種が行われ、後に6品種が選び出された。
 3-3 Beltsville (Yerkes-Pryor) hybrids:1950年にメリーランド州でUSDAにより始められた。耐寒性。
 3-4 Beltsville Dwarfs:Beltsville の選抜種
 3-5 Chisolm-Merritt hybrids:1947年頃、メリーランド州に導入され、種子親はR.y.var.poukhanense
 3-6 Encore Azaleas:夏咲き、Kurume系統の新品種。
4 Kaempferi Azaleas:第1次世界大戦後にオランダでつくられた。R. kaempferi系統
 4-2 Gable hybrids:ペンシルベニア州のStewartstownで、Joseph B. Gableによって作られた。
            常緑アザレアの中で最も耐寒性がある。   
 4-3 Girard hybrids:1940年代後期にオハイオ州で作り始められた。コンパクトタイプ。
 4-4 Linwood Hardy hybrid:1950年代にニュージャージー州でAl Reid が作出した。
         耐寒性と温室種を結合させたハイブリッド。
 4-5 Shammerello hybrids:オハイオ州で作られた。Gable に似ている。
 4-6 Vuyk hybrids: 1921年にオランダで始められた。耐寒性、大輪。
5 Satsuki:日本のサツキであり、ハイブリッドの交配種として使われる。
       サツキR.indicum 、マルバサツキR. tamurae (R.eriocarpum)が原種。
       1900年代初めにに西欧に導入され、1930年代にアメリカに導入された。
       花期が遅く、普通、5月下旬~6月。花型は様々。
        Single:花弁が一重
        Semi-double:雄しべの一部が小さい花弁化
        Double flowers :雄しべのすべてが花弁化
        Single hose-in-hose types:花の中に花ができる形、下の花は色つきの萼片
        Semi-double hose-in-hose types:Semi-doubleとhose-in-hoseの組み合わせ。
        Double hose-in-hose types:Double flowersとhose-in-hoseの組み合わせ。
6 Inter-Group hybrids: 常緑アザレアの比較的新しいグループ。Glenn Dale hybrids系統
     過去30年間に導入された少なくとも75%がこのグループである。
 6-1 Glenn Dale hybrids:B.Y. Morrisonが1920年代後期(1935年)から始めたハイブリッド。
     カリフォルニア州にある米国農務省の Plant Introduction Station,Glenn Daleで行った。
     Satsuki、Kurume、Kaempferi を使い、25年間に454品種を作出した。     
 6-2 Aromi hybrids:アラバマ州モビールのサウスアラバマ大学の教授、Dr.Gene Aromi が作出。
 6-3 August Kehr hybrids:1960年代初めにノースカロライナ州で始められた。耐寒性、低く、重花弁。
 6-4 Back Acre hybrids:B.Y. Morrisonから1964年に、ミシシッピ州のPass Christianが引き継いだ。
      Back Acresと呼ばれる農場で作り出された品種。
 6-5 Carla hybrids aka: N.C.S.U. hybrids:1956年にノースカロライナ州立大学で始められた。
     ほとんどが二重弁、耐寒性、耐病性。
 6-6 Col. Huang hybrids:中国のMr. Huangが作出した。
 6-7 Greenwood hybrids:オレゴン州Canbyで1960年に始まった。コンパクト、一重花弁。
 6-8 Loblolly Bay hybrids:Glenn Dale Azaleasの播種の選抜。
 6-9 Harris hybrids:ジョージア州LawrencevilleのJames Harrisによって1960年に始まった。大輪。
 6-10 Holly Springs hybrids:バージニア州SpringfieldのCol. Ronald C. Vines (Ret.)が作出した。
 6-11 Klimavicz hybrids:バージニア州ヴィーナのJoe Klimaviczが作出した。
 6-12 Mcdonald hybrids:バージニア州で1970年代後期に開発された。
 6-13 North Tisbury hybrids:マサチューセッツ州のマーサズ・ヴィニヤードで1960年代に始まった。
                 日本から送られた品種、台湾産のナカハラツツジ R. nakaharai が元。
 6-14 Nuccio hybrids:カリフォルニア州のAltadenaで1930年代から始められた。NUCCIO'Sシリーズ
 6-15 Pennington hybrids:ジョージア州 CovingtonのRalph Penningtonが16種の栽培種から作出。
 6-16 Pericat hybrids:ペンシルベニア州CollingdaleのAlphonse Pericatによって作出された。
      温室用であるが、Kurumeと同程度の耐寒性がある。
 6-17 Robin Hill hybrids:ニュージャージー州で作られた、耐寒性の品種。
     アメリカ農務省の遺伝学者 Dr. Robert Gartrell が作った二重、半二重花弁の鮮やかな品種
 6-18 Sonoma hybrids:1960年代、1970年代にMr. Stewart Barberがサツキから改良した。
 6-19 Tsutsusi hybrids(ツツジ)
 6-20 Wada hybrids:横浜で開発されたハイブリッド。サツキに関係している。
7 Miscellaneous Inter-Group hybrids
8 Azaleodendrons(Hardijzer hybrids)
   オランダのBoskoop,で開発された。最初の登録は1958年。常緑。
   例) Hardijzer’S Beauty (R.racemosum x Kurume Hybrid)
      Maritime (Martine) (R.racemosum x Kurume Hybrid)
      Ria hardijzer (R.racemosum x Hinode Giri)
      Rcv. 'Norbitonense Aureum' - ((maximum x ponticum) x molle)
      Rcv. 'Norbitonense Broughtonianum' - ((maximum x ponticum) x molleトウレンゲツツジ)

シャクナゲ園

   大分県日田市や福岡県八女市内にはしゃくなげ園が多い。
 
 浅間高原しゃくなげ園 〒377-1524 群馬県吾妻郡嬬恋村鎌原
   シャクナゲは5月中旬~6月初旬。問い合わせ先:嬬恋村役場観光商工課 0279-96-0511
   アズマシャクナゲを中心に約15万本、レンゲつつじ、ヤナギラン、コマクサ(8月)など
 天城グリーンガーデン  静岡県伊豆市湯ケ島892-6 道の駅「天城越え」
                 電話番号 0558-85-1110
    西洋シャクナゲ、天城シャクナゲなど500種類、1万3000本
    花期 4月中旬~6月中旬
        4月29日~5月7日 「石楠花(しゃくなげ)まつり」
 大山しゃくなげ園 〒877-0201 大分県日田市大山町西大山1337. TEL:0973-52-2766
    西洋シャクナゲ、日本シャクナゲなど100種類、2万本
  しゃくなげの森(シャクナゲ観光植物園) 宮崎県北諸県郡三股町永田5268
     世界のシャクナゲ500種類、3万本、3 月下旬~、4月中旬~下旬がピーク
 俵山しゃくなげ園  〒759-4211 山口県長門市俵山大羽山  
      駐車場 〒759-4211 山口県長門市俵山5163付近
      5haの敷地に、日本シャクナゲ、西洋シャクナゲ、170種類、30,000本、4月中旬-下旬
 上津江しゃくなげ園  〒877-0311 大分県日田市上津江町川原1395 TEL:0973-55-2028
    日本一の筑紫シャクナゲ園、シャクナゲ2万本 、ミツバツツジなど3千本
 柳シャクナゲ園(ミヤシノシャクナゲ園)  〒834-0201 福岡県八女市星野村柳
    筑紫しゃくなげ、西洋しゃくなげが約10000本  4月下旬~5月中旬

参考

1) 2016 Sonoma Horticultural Nursery
2) Rhododendron & Azalea Pages - Home
  http://rhodyman.net/rhodyev.html#anchor1371006
3) Rhododendron Species Hirsutum.info Project started 03 June 2009
  園芸品種のデータベース
  http://www.hirsutum.info/index.html