ナス 茄子

Flora of Mikawa
ナス科 Solanaceae ナス属
中国名 | 茄 qie |
英 名 | aubergine , brinjal eggplant , eggplant |
学 名 | Solanum melongena L. |








花 期 | 6~9月 |
高 さ | 60~100㎝ |
生活型 | 多年草(1年草として栽培) |
生育場所 | 栽培種 |
分 布 | 帰化種 原産地不明 |
撮 影 | 蒲郡市形原町 18.7.31 |
草本又は亜低木、高さ60~100㎝、控えめに刺があり、有毛、星状毛がある。茎や枝に微細な綿毛があり、ときに丈夫な下向きに曲がった刺がある。葉柄は長さ2~4.5㎝。葉身は卵形~長楕円状卵形、長さ6~18㎝×幅5~11㎝、星状の綿毛があり、又はときに両面に少数の細かい刺があり、下面に密にある。葉の基部は斜め、葉縁は波状に分裂し、葉先は鈍形。花序はほとんどが単生花、まれに縮小した総状花序。花序柄はほとんど無い。花は雄花両性花同株。花柄は長さ1~1.8㎝。咢には星状の綿毛があり、しばしば、外面に長さ約3㎜の刺をもつ。咢片は披針形。花冠は帯紫色又はバイオレット色、車形、長さ3~5㎝。花冠裂片は三角形、長さ約1㎝。花糸は長さ約2.5㎜。葯は長さ約7.5㎜。花柱は長さ4~7㎜。液果は黒色~紫色、紫色、ピンク色~褐色~黄色、完全に熟して帯黄色、形や大きさは非常に変化が多いが、ほとんど直径6㎝以上ある。果実は厚い、スポンジ状の白色を帯びた果皮や中隔部;をもつ。種子はレンズ形、帯黄色、長さ2.8~3.9㎜×幅2.5~3.5㎜。n = 12, 18, 24 。花期は6~9月。
ナスは原産地が不明であるが、中国から伝来したと考えられている。奈良時代には記録があり、奈良時代以前に渡来したと推定されている。日本での栽培の歴史も長く、日本の各地で古くから作り出された日本品種が多数あり、180種を越えるといわれている。世界では1000種以上の品種があるといわれている。
日本の品種系統) 千両茄子 , 長茄子 , 大長茄子 , 小茄子 , 細長茄子 , 中長茄子 , 水茄子 , 小丸茄子 , 丸茄子 , 大丸茄子 , 白茄子 , 緑茄子
ナス属
family Solanaceae - genus Solanum草本、低木、攀縁(はんえん)又は小高木、ときに刺があり、毛は単純毛~分岐毛~星状毛、ときに腺毛。葉は互生又は対生、単葉または羽状複葉、ほとんどに葉柄がある。葉には全縁~歯状~浅裂~全裂。花序は腋生~腋生外(extra-axillary)~葉に対生、主に総状花序~円錐花序~散房花序~束生~単生。苞は無く、花序柄は分枝が有又は無、ときに無い。花は両性又は雄花両性花同株(andromonoecious)、主に放射相称、しばしば5数性。萼は主に中裂し、湾曲してさらに裂ける。花冠は主に車形又は星形、雄しべは花冠筒部の高い位置につく。葯はしばしば花柱の周りに収束又は合着し、先の孔から裂開し、しばしば後に縦に分かれる。子房は2~5室、大きな胎座をもつ。胚珠は中軸生、多数。柱頭は小さい。果時に萼は宿存し、ときに大きくなって液果を包む。液果はほとんどが多汁。種子は円盤形又はレンズ形、胚は強く曲がる。
世界に約1200種があり、主に熱帯、亜熱帯地域に分布し、特にアメリカに多い。
ナス属の主な種
1 Solanum aethiopicum L. カザリナス 飾り茄子synonym Solanum melongena L. var. incanum (L.) Kuntze
synonym Solanum integrifolium Poir.アフリカ原産。英名はChinese scarlet egg plant。中国名は红茄 hong qie。別名はハナナス(花茄子)、アカナス(赤茄子)、ヒラナス(平茄子)。中国では河南省(宋県)と雲南省(昆明市と西双版納)で栽培されている。果実は一部の国で薬用および食用として利用されている。
1年草、高さ約70cm、有毛で、有柄または無柄の5~9放射状枝毛条の星状毛がある。茎と枝は棘があり、棘は長さ2~5mm、基部の幅は1~2mm、真っ直ぐかわずかに湾曲する。上部の葉はしばしば不等の対で、葉柄は長さ2~7cm、葉身は卵形~長円形、長さ10~20cm×幅6~14cm、裏面には単毛と多数の放射状毛の星状毛が混在し、葉脈に沿って星状綿毛があり、しばしば長さ3~7mmの棘があり、縁は不規則に波状に浅裂し、先は尖鋭形または鈍形。花序は腋外生、花数は少なく、総状花序状。花序柄は長さ1~1.5cm。花は5数性(栽培では6~9数性)。小花柄は長さ5~12mm、長さ0.2~2mmの棘がある。萼は鐘形。萼片はわずかに不等長、卵形~卵状披針形、長さ5~7mm×幅3~4mm。花冠は白色またはわずかに紫色を帯び、星形または星状車形、直径1.5~2.5cm、拡大部は長さ約 6.5mm。花糸は長さ0.5~1mm、無毛。葯は披針形~楕円形、長さ4~5mm×幅0.7~1mm、先端と基部は凹形。子房は4~8室。花柱は長さ5.7~7.5mm。果実は橙色または赤色、直径1.5~3(~5)cm、しばしば、縦の4~6溝がある。種子は腎形、直径2~3.5mm。 品種) 'Black Stem' , 'Burkina Faso' , 'Gilo Black Stem' , 'Jaxatu Soxna' , 'Jilo Tingua Verde Claro' , 'Keur M'Bir N'dao' , 'Melanzane Rosso di Rotonda' , 'N'Drowa' , 'N'galam' , 'N'Goyo' , 'Ruffled Red' , 'Turkish Orange'
2 Solanum americanum Mill. テリミノイヌホオズキ照実の犬酸漿
synonym Solanum nigrum Linnaeus var. americanum (Miller) O. E. Schulz
synonym Solanum nigrum var. nodiflorum (Jacquin) A. Gray
synonym Solanum pachystylum Polgarsynonym Solanum americanum var. nodiflorum (Jacq.) Edmonds
synonym Solanum nodiflorum Jacq.synonym Solanum photeinocarpum Nakam. et Odash.
synonym Solanum americanum Mill. var. nodiflorum (Jacq.) A.Gray
synonym Solanum alatum auct. non Moenchsynonym Solanum ptychanthum Dunal [Solanum emulansの異名は誤り]
synonym Solanum dillenii Schult. カンザシイヌホオズキ
synonym Solanum merrillianum Liou 光枝木龙葵 guang zhi mu long kui
アメリカ、メラネシア(Melanesia)、ニューギニア、オーストラリア原産。原産地は不確かで世界中の熱帯、亜熱帯に帰化している。英名はAmerican black nightshade, American nightshade, American black, common nightshade, West Indian nightshade, small-flowered nightshade, small-flowered white nightshade, glossy nightshade, black nightshade, garden nightshade, nightshade。中国名は少花龙葵 shao hua long kui 。別名はニセイヌホオズキ、ナンゴクイヌホオズキ、 カンザシイヌホオズキ。標高0~1000(~2000)mの雑草が生い茂る草地、二次林、撹乱地域に生える。カンザシイヌホオズキ(S. dillenii)は果時に小花柄が真っすぐであり、分類されていたが、Solanum americanumのsynonymとされている。草本から亜低木、一年生~多年生、直立、無棘、高さ1.5mまで、無毛~中程度に軟毛があり、毛は白っぽく、分岐せず、長さ1mmまで、腺はない。葉は葉柄があり、葉柄は長さ1~4cm、葉身は単葉、卵形~卵状楕円形、長さ2~10.5cm×幅1~4.5cm、縁は全縁または浅く波状の歯があり、基部は沿下する。花序は腋外生または葉に対生し、分岐せず、通常は散形花序状、花が3~10個つき、長さ0.5~3cm。小花柄は直立または広がり、花時に長さ0.3~1cm、果時には長さ1.5cmまでになる。花は放射相称。萼はやや増大し、無棘、長さ1~3mm、萼片は三角形、果時には強く後屈する。花冠は白色、ときに中央に帯黄色の星形があり、星形で、直径0.4~0.8cm、花弁間組織はない。雄しべは等長。葯は楕円形、長さ0.7~1.5mm、先端の孔が縦方向に開いて裂開する。子房は無毛。液果は光沢のある紫黒色、球形、直径0.5~1cm、無毛、球状顆粒(sclerotic granules:硬質顆粒)は(0~)2~4(~6)個あり、通常2~4個は大きく、2個は小さい。種子は淡黄色~褐色、長さ1~1.5mm×幅0.5~1.5mm、微細な穴がある。2n=24。花期は5~11月(フロリダ州では通年)。アラバマ州、アリゾナ州、カリフォルニア州、フロリダ州、ジョージア州、ルイジアナ州、ミシシッピ州、ミズーリ州、オレゴン州、サウスカロライナ州、テキサス州、ユタ州、ワシントン州、メキシコ、西インド諸島、中央アメリカ、南アメリカ、ヨーロッパ、アジア、アフリカ、太平洋諸島、オーストラリアに導入された。
Solanum americanum は、形態的に多様で世界中に分布する雑草種である。S. emulans、S. nigrescens、S. nigrum、S. pseudogracile などのブラックナイトシェードグループの他の種と混同されることが多く、S. nodiflorum と呼ばれることがよくある。非常に短い葯と、強く反り返った萼片を持つ光沢のある黒色の成熟果実、および通常果実あたり2~4個(まれに0個または6個)の球状顆粒によって区別される。葉の形や毛は分布域全体でかなり変化し、S. nigrescens や S. pseudogracile などの他の種との遺伝子移入が疑われる例もある。S. nigrumという名前はS. americanum に誤って適用されてきた (例えば、A. E. Radford et al. 1968)[Flora of North America]
【Jepson eFloraの解説】
1年生~亜低木、高さ150cm以下、毛は分岐せず、±0または短く、±伏せまたは湾曲し、腺はない(腺あり)。葉は長さ2~15cm、卵形、全縁~粗い波状の歯がある、花序は葉と対生または節間から生じ、分岐せず、散形花序または総状花序状、花は3~10個つく。小花柄は長さ0.3~1.5mm。萼は長さ1~3mm、果時の裂片は 長さ約1mm、果時には強く反り返る。花冠は直径3~6mm、基部から1/2~2/3まで分裂し、白色、喉部と裂片の中脈の基部は緑がかった黄色。葯は長さ0.7~1.5mm、花柱に密着し、先端は鈍形。花柱は長さ2.5~4mm。果実は直径5~10mm、球形、黒色、光沢あり、球状顆粒が2~4(6)個ある。種子は1果に30~50 個、長さ1~1.5mm2n=24。花期は4~11月。標高100m未満の開けた、よくかき乱される場所に生える。耕作地の雑草であり、世界中に帰化している。
Solanum nigrum によく似ているが、果実で強く反り返った萼片と光沢のある黒色の果実で最も簡単に区別できる。
【参考20;Sandra Knapp etc.(2019)の解説】
高さ1.5mまでになる1年生から短命の多年生草本で、基部は亜木質。茎は円柱形またはやや角(かど)がありうねがあり、古い茎はしばしば刺状になり、顕著に中空ではない。新芽には毛があり、毛は長さ0.2~0.8mmの単純で開出する単列の2~8細胞の腺のない毛がしばしば茎の角に沿って密にある。古い茎は無毛になり、毛の基部のみが疑似刺として残存する。仮軸枝は2葉があり(difoliate)、葉は双生(geminate)ではない[仮軸性sympodial growthの成長により茎がジグザグになり、葉が対生する:Morelloid Cladeの特徴 ]。葉は単純で、長さ3.5~10.5cm、幅1.0~4.5cm、卵形~楕円形、上面には茎と同じように単純で単列の毛がまばらに生え、葉身と葉脈に沿って均等に広がり、下面も似ているがより密に毛があり、主脈は3~6対、基部は漸尖し、葉柄に沿下し、縁は全縁またはまれに波状の歯があり、先は鋭形。葉柄は長さ0.3~2.0~3.8(~4.0)cmで、茎と同様の単純な単列の毛がまばらに生える。花序は長さ0.6~2.5cm、側生で節間につき、分岐しないかまれに2股に分岐し、花が(3~)4~6(8)個(非常にまれに、通常ではない多分岐の花序に多数の花が付く)、先端近くに密集し(散形花序からほぼ散形花序)、茎と同様の単純な単列の毛がまばらに生える。花序柄は長さ(0.5~)1.0~1.8cmで繊細。小花柄は長さ3~9mm、基部の直径0.2~0.3mm、先端部は直径0.4~0.5mmで、太く真っ直ぐ広がり、基部に関節がある。小花柄の痕跡は0~0.5mm間隔で、花序の先端に密集する。蕾は広楕円形で、花冠は開花前に萼片の先端より1/3突出する。花は5数性で、全て完全花である。萼筒は長さ0.8~1.3mm、萼片は長さ0.3~0.5mm、幅0.5~0.6mm、広三角形、先は鈍形、茎と同様に単列の毛がまばらに生える。花冠は直径3~6mm、星形、白色で基部近くの中央部は黄緑色、基部まで1/2~2/3の長さの裂片があり、裂片は長さ2.0~3.2mm、幅1.0~2.5mm、開花時に強く後屈し、後に広がり、外側は密にパピラがあり、1~4細胞の単純な単列毛があり、先端と縁には毛が密にある。雄しべは等長、花糸の筒部は微細、花糸の自由部分は長さ0.5~0.8mm、外側は軟毛があり、絡み合った単列毛がある。葯は長さ0.7~1.5mm、幅0.5~0.6mm、楕円形~ほぼ球形で非常にふっくらとして見え、黄色、先端には孔があり、孔は老化と乾燥によりスリット状に長くなる。子房は球形、無毛。花柱は長さ2.2~2.6mm、密に毛があり、葯錘に含まれる基部から 2/3 のところに 2~3細胞の単列毛があり、葯錘からほぼ0.5(~1.0)mm 突き出る。柱頭はわずかに頭状で、表面にはわずかにパピラがあり、生きた植物では緑色。果実は球形、液果、直径4~9(~12)mm、成熟すると紫黒色で不透明になり、果皮の表面は著しく光沢がある。果時の小花柄は長さ13~18mm、基部の直径は約0.7~1.0mm、先端の直径は0.8~1.0mmで、丈夫で真っ直ぐ広がり、間隔は約1(~3)mm離れまたはしっかり密集し、果実と一緒に落ちず、植物体に残り、古い花序に宿存する。果時に萼は増大せず、萼筒は長さ1mm未満、萼片は長さ1(~2)mm、果実が成熟すると強く後屈する。種子は1果あたり30~50個、長さ1.0~1.5mm、幅0.8~1.3mm、扁平、涙滴形、頂端近くにへそがあり、淡黄色、表面に微細な穴があり、種皮細胞の輪郭は五角形。球状顆粒(stone cells)はほとんど存在しないが(オーストラリア、南太平洋、南アメリカ)、存在する場合は(北アメリカ、メキシコ、カリブ海、ユーラシア、アフリカ)、1果あたり2~4(6)個あり、直径0.5mmを超える大きなものが2~4個、0.5mm未満の小さなものが2個ある。2n=2×=24 (see Särkinen et al. 2018 for vouchers)。 【参考12の解説】
1年生から短命の直立性または弱く広がる多年草、高さ1.5mになり、亜木質で基部で分枝する。茎は広がり、円柱形またはやや角(かど)があり、緑色~やや紫色を帯び、古い茎はしばしば刺状になり、顕著な中空ではない。新しい茎には軟毛があり、毛は単純で開出し、単列で半透明で腺のない毛があり、これらは2~8細胞で、長さ0.2~0.8mm、しばしば茎の角に沿って束生する。古い茎は無毛になり、毛の基部のみが疑似刺として残存する。仮軸枝は2葉があり(difoliate)、葉は双生(geminate)ではない[仮軸性sympodial growthの成長により茎がジグザグになり、葉が対生する:Morelloid Cladeの特徴 ]。葉は単葉で、長さ3.5~10.5cm、幅1.0~4.5cm、卵形~楕円形、膜質、表裏同色、臭(odour)は無い。上面は茎と同様に単純で単列の毛状突起がまばらに生え、葉身と葉脈に沿って均一に広がる。下面は同様だがより密に毛が生える。主葉脈は3~6対。葉の基部は漸尖し、葉柄に沿下し、縁は全縁またはまれに波状の歯があり、先は鋭形。葉柄は長さ(0.3~)2.0~3.8(~4.0)cm、茎と同様に単純で単列の毛状突起がまばらに生える。花序は長さ0.6~2.5cm、節間があり、単純またはごく稀に分岐し、散形花序~ほぼ散形花序、花は(3~)4~6(~8)個つき(ごく稀に分岐した花序にさらに花がつく)、茎の毛と同様に単純で単列の毛状突起がまばらに生える。花序柄は長さ(0.5~)1.0~1.8cm、真っ直ぐ、丈夫。小花柄は長さ3~9mm、基部の直径は0.2~0.3mm、先端部では直径0.4~0.5mm、頑丈で真っ直ぐ、広がり、基部に関節がある。小花柄の痕跡は0~0.5mm間隔で、花序の先端に密につく。花芽は広楕円形、花冠は開花前に萼裂片の先端から1/3突出する。花は5数性、すべて完全花である。萼筒は長さ0.8~1.3mm、円錐形。萼片は長さ0.3~0.5mm、幅0.5~0.6mm、広三角形、先は鈍形、茎と同様に単列の毛がまばらに生える。花冠は直径3~6mm、白色、基部近くの中央部は黄緑色になり、星形、基部の1/2~2/3までの長さの裂片が付き、花冠裂片は長さ2.0~3.2mm、幅1.0~2.5mm、開花時に強く後屈し、後に広がり、外側には密にパピラがあり、1~4細胞の毛が単列にあり、先端と縁では毛が密になる。雄しべは等長、花糸の筒部は微細、花糸の自由部分は長さ0.5~0.8mm、外側は軟毛があり、絡み合った単列毛がある。葯は長さ0.8~1.5mm、幅0.5~0.6mm、楕円形~ほぼ球形、黄色、先端には孔があり、孔は老化と乾燥によりスリット状に長くなる。子房は球形、無毛。花柱は長さ2.2~2.6mm、密に毛があり、葯錘(anther cone)に含まれる下側 2/3 に 2~3細胞の単列の毛があり、葯錘から0.5(~1.0)mm ほど突き出るかまたはほとんど含まれる。柱頭はわずかに頭状、表面にはわずかにパピラがあり、生きた植物では緑色。果実は球形の液果、直径4~9(~12)mm、成熟すると紫黒色になり、果皮は薄く著しく光沢がある。果柄は長さ13~18mm、基部の直径0.7~1.0mm、先端の直径は0.8~1.0mmで、丈夫、真っ直ぐで広がり、間隔0~0.5mm、果実と一緒に落ちず、植物に残り、古い花序に宿存する。果時の萼は増大せず、萼筒は長さ1mm未満、萼片は長さ1(~2)mm、果実が成熟すると強く反り返る。種子は1果に30~50個、長さ1.0~1.5mm、幅0.8~1.3mm、扁平、涙滴形、頂端近くにへそを持ち、淡黄色、表面に微細な穴があり、種皮細胞の輪郭は五角形。石細胞はほとんど存在しないが(オーストラリア、南太平洋、南アメリカ)、存在する場合は(北アメリカ、メキシコ、ユーラシア、アフリカ)、1果に2~4(6)個あり、直径0.5mmを超える大きいものが2~4個、0.5mm未満の小さいものが2個ある。染色体数: 2n=2x=24(Tokunaga 1933 [as S. dillenii]; Nakamura 1937 [as S. photeinocarpum]; Stebbins and Paddock 1949 [as S. nodiflorum]; Heiser 1955 under S. nodiflorum; Baylis 1958 as S. nodiflorum; Soria and Heiser 1961 [as S. nodiflorum]; Heiser et al. 1965 [as S. nodiflorum]; Edmonds 1972, 1977, 1982, 1983, 1984a; Venkateswarlu and Rao 1972 [vouchers labelled as S. nigrum S14, S30, S31]; D’Arcy 1974a; Henderson 1974; Tandon 1974; Bhiravamurty 1975 [as S. nodiflorum]; Randell and Symon 1976; Symon 1981; Ganapathi and Rao 1986a; Symon 1985; Schilling and Andersen 1990; Bukenya 1996; Jacoby and Labuschagne 2006; Moyetta et al. 2013; Olet et al. 2015)。
【Solanum nodiflorum;JSTOR Flora Somalia, Vol 3, (2006)】
寿命の短い草本植物で、平伏~直立し、高さ0.3~1.5m、無毛~中程度の細柔毛(pilose)があり、伏した腺の無い毛がある。葉は互生~対生、葉柄は長さ0.8~3cm、葉身は卵状披針形~披針形、葉柄へ沿下し、長さ(2~)3~6.2(~12.5)cm×幅1.1~4(~6.6)cm、無毛になる~密に細柔毛があり、基部は楔形、縁は全縁~波状、ときに深く鈍い裂片があり、先は鋭形~尖鋭形。花序は単純で散形花序状、花が3~6(~10)個つき、しばしば腋外生(extra-axillary)。花序柄は長さ0.5~1.1cm、果時には長さ1.5~2.8cmまで伸びる。果時に小花柄は長さ14mmまでになり、通常は直立するが、フローラ地域では反り返ってうなだれていることも多い。萼は長さ1.1~1.8(~2.4)mm。萼片は広卵形、長さ0.4~1mm×基部で幅0.6~1mm、果時には長さ0.8~1.5mm×幅1~2.5mmに大きくなり、通常は反り返るが、フローラ地域では果実に密着することもある。花冠は白色、たまに紫色を帯び、基部の星形は半透明~黄緑色である。花弁は長さ2~4mmで、広がる。葯は黄色、長さ0.7~1.5(~2)mm。花柱は長さ1.2~3.5(~4.5)mmで、葯より最大2.5mm突出する。果実は黒色、まれに濃緑色で、熟すと萼片から落下し、直径4~7(~8)mm。種子は長さ0.8~1.3(~1.5)mm。
※Solanum merrillianum T. N. Liouは中国種であるが、S. americanum と S. nigrescens の中間的な存在で、最近の雑種集団である可能性があるともいわれた。(S. Knapp 他 2019)。POWOではSolanum americanumのsynonymである。
【 CANOTIA Vol. 5 (1) 2009の解説】
1年草または短命の多年草。年を重ねるにつれて木質化することもある。通常高さ1m以上、塊茎や匍匐茎を持たず、無柄。草本は無毛から軟毛、または様々な剛毛がある。茎は円柱形~角張り、ときに角に前屈した小さな歯がある。葉は互生またはほぼ対生、単葉、卵形~披針状楕円形、長さ2~9cm、幅1~5cm、縁は全縁~粗い歯があり、基部はほぼ切形~漸尖形、先は広い鋭形~尖鋭形。葉柄は長さ(1~)2~6(~8)cm。花序は散形花序状の総状花序で、側生、節間またはときに葉に対生し節につく。花は(1~)3~8(~12)個つく。花序柄は長さ8~30mm。花は放射相称。小花柄は長さ2~12mm。萼は長さ0.5~2mm、萼片は広披針形~円形、萼筒とほぼ等長または半長。花冠は車状星形~反り返り、白色または紫白色、直径2~6mm。花柱は葯から突き出ないか葯より1mm突き出し、長さ約半分に軟毛がある。雄しべは±等長、長さ(0.5~)1~1.5(~2)mm。葯は輻合し、花糸は葯の長さの1/2以下で、長さ1mm 以下。果実はほぼ球形、幅4~8mm、成熟すると緑色、橙褐色または帯黒色、萼に包まれない。球状顆粒は0~5個。種子は円形、微細な穴があり、幅は1~1.3mm。花期は1年中。標高50~1800mの農業地域、荒地、河岸地域に生える。米国南部および西部、メキシコに分布。 おそらくユーラシア原産。
Solanum americanum、S. douglasii、および S. physalifolium は、新世界の熱帯地方に多様性の中心がある約30種からなる世界的なグループである「Solanum nigrum」複合体 (「black nightshades」としても知られる) に属す。人間はこれらを薬用、食用、飼料用、染料として利用しており、その使用に関する報告は歴史上最も古い記録にまで遡る(Edmonds 1985、Edmonds & Chweya 1997、Dehmer 2001、PBI Solanum Project 2009)。ナス科植物に関連する種は、農業上の厄介な雑草でもあり、破壊的な動物や作物の病気の宿主となることがよくある。これらには、気候、季節、土壌の種類によって変化する毒性レベルのアルカロイドが含まれていることが知られている(Ogg et al. 1981、Schilling & Andersen 1990)。黒いナス科植物は、倍数性、自殖性、交雑能力、表現型の可塑性、広範囲にわたる分布など、さまざまな生物学的、環境的、歴史的要因により、分類学上難しい植物である(Stebbins & Paddock 1949、Schilling & Heiser 1979、Edmonds & Chweya 1997)。命名上の問題も混乱を招いている。S. nigrum に関連する種は何度も再分類されており、300を超える名前が公表され、広範な同義語がある(Ogg et al. 1981、Dehmer 2001、Knapp 2001)。この複合体には、一貫した診断的形態学的特徴もほとんどない。ほぼすべての著者は、乾燥標本に種名を付ける難しさ、および特定のレベルで分類群を区別するために多数の特徴が必要であるという不便さを認めている(例: Soria & Heiser 1961、Heiser 他 1979)。ここで使用される命名法は、分類学が複雑でこの扱いの範囲を超えているため暫定的なものである。アリゾナの分類群には、私たちが認識しているよりも多くの種や異なる種が含まれている可能性がある(例: Schilling 1981、Manoko 他 2007)。このグループ内の可変的で密接に関連する形態は「形成中の種」を表している可能性があり、分類学上の区分は時間の経過とともに確実に変化する。この扱いにおける私たちのアプローチは、アリゾナの標本からの植物標本資料に基づいて個別の実体を認識できるかどうかを判断することであり、3種あるようである。 S. physalifolium の栄養形質は、他の 2 つと簡単に区別できる。ただし、「S. americanum」と「S. douglasii」の違いはより微妙である。過去の著者は、Solanum nigrum 複合体の識別キーにさまざまな分類学的形質を使用してきた(例: 習性、外観、花序、花冠の長さ、花柱の張力、果実の萼、果実の表面、種子の大きさ、果実の硬粒数、花粉粒の直径、気孔の開口長、染色体数)。私たちは、野外で観察可能なほぼすべての形質と重複していること、および他の多くの形質は、それらの間の信頼できる違いを整理するのに実用的ではないことを発見しました。しかし、葯の長さと、それほどではないが花冠の大きさは、限られた形質ではあるものの、「S. americanum」と「S. douglasii」を区別するのに有効な一貫した形質であることがわ買った。葯が小さい「S. americanum」と葯が大きい「S. douglasii」の間には時折中間種が存在するが、境界が曖昧すぎて第3の分類群を定めることはできなかった。
【Weed of Australiaの解説】添付写真がカンザシイヌホオズキ形
1年生または短命の多年生 の草本植物または小低木、高さ1.3m以上に成長し、通常は直立するが、年とともに広がる。若い茎は帯緑色、無毛またはわずかに軟毛があり、ときに、紫色を帯びる、一般的にはザラつき、ときに、わずかに角(かど)がある。葉は互生し、葉柄は長さ1~5cm、葉身は長さ2~14cm×幅1~8cm、 、楕円形~長円形~卵形、または披針形、先は鋭形~尖鋭形、全縁または円鋸歯状または浅く波状になり、特に若い植物ではなりやすい。上部の葉腋に花が4~12個、散形花序状につく。花序柄は長さ10~25mm。小花柄は長さ5~8mm、果時には長くなり、長さ4cm以下になる。花は小さな星形、直径8~9mm。ます)。萼片は5個、長さ1~2mm、果時には大きくなり、反り返る。花弁は5個、白色、ときに紫色を帯び、長さ8~9mm、基部で融合し、花の中心は黄緑色である。雄しべは5本、葯は黄色、長さ1~1.6mm。花柱は子房の上にあり、長さ2.5~4mm。果実は肉質、球形、直径6~9mm、成熟するにつれて緑色~黒色または紫黒色に変わり、通常、熟しても非常に強い光沢があり、比較的直立した状態で実る。種子は多数、扁平、長さ1~1.5mm。花期は1年中、主に秋~春。
3 Solanum aviculare G.Forst. ソラナム・アヴィクラレ
synonym Solanum aviculare var. latifolium G.T.S.Baylis
synonym Solanum laciniatum Ait.
ニュージーランド(ニュージーランド北島・南島、チャタム諸島、ケルマデク諸島)、オーストラリア(ビクトリア州、ノーフォーク諸島)、ニューギニア原産。。英名は kangaroo apple, pam plum , New Zealand nightshadekangaroo apple , New Zealand nightshade , Bullibul , Bullibulli , Pōpopo; Poroporo , Poroporotanguru。別名はシホウカ(紫宝華)、シホウゲ。オーストラリア南部、アメリカ西海岸、ハワイ、コーカサスに帰化しているとされているが、Solanum aviculareではなく、Solanum laciniatumが分布域も広く普通に見られるものであり、Solanum laciniatumの誤認とされるものが多いともいわれている。2n=46。
Solanum aviculareは2倍体で、花冠裂片の先が尖り、紫色がやや薄く、果実が橙色~赤色。Solanum laciniatumは4倍体で花冠裂片の先が凹み、紫色が濃く、果実が黄色。2倍体、4倍体の違いであり、Solanum aviculareにまとめるという見解もある。POWOでは別種としている。
【Flora of Victoriaの解説】 低木又は小高木、直立し、高さ4m以下、暗緑色、若いときと花に小さな単純毛と腺毛がある以外は普通、無毛、刺は無い。葉は分裂又は全縁、先は鋭形~尖鋭形、基部は漸尖し、表裏同色、無毛。分裂する葉は広楕円形~倒卵形、長さ15~30㎝、裂片は長さ1~10㎝×幅0.5~2㎝、葉柄は4㎝以下。全縁の葉は披針状楕円形、長さ8~25㎝×幅1~3.5㎝、、葉柄は長さ1~2㎝。花序は単純又は基部で又状に分枝し、花は10個以下つく。1次の花序柄は長さ0~3.5㎝。花は花柄があり花柄は長さ1.5~2㎝。萼は長さ5~6mm、萼片は三角形、長さ1.5~3㎜。花冠は車状の星形、直径25~40㎜、青紫色(blue-violet)、花冠裂片は鋭形。葯は長さ3.5~4.5mm。液果は卵形~楕円形、直径10~15㎜、橙赤色~ 朱色。種子は長さ1~1.5㎜、薄褐色~赤褐色。石細胞(stone-cell=)は顆粒、ほとんどが長さ1~1.5㎜。花期はほとんど春~夏。
【Flora of New Zealandの解説】
無毛、刺のない、柔らかい木質の低木、高さ3m以下。茎は角(かど)があり、緑色又は帯紫色。葉は葉柄がり、長さ7~35㎝、同じ株で全縁又は羽状全裂 ( 1~4対の裂片をもち、中肋から約10㎜まで広がる)。全縁の葉身は幅2~7~(10)㎝(羽状全裂の葉の裂片は普通、幅0.5~3㎝、披針形~線状披針形、ときに楕円状披針形)、基部は葉柄に沿下し、先はほぼ鋭形~尖鋭形。集散花序は花が2~12個。果序柄は花時に長さ12㎝以下で細い。果時に花柄は垂れ下がる。萼は長さ4~7mm、果時に大きくなる。萼片は広三角形、小さく、微突形。花冠は直径2.5~3.5㎝、普通、藤色(mauve)、縁が淡色になり、たまに白色、ほとんど無毛。花冠裂片は広卵形、鋭形、花冠筒部よりわずかに短い~わずかに長い。葯は長さ3~4mm。液果は長さ1.5~2.5㎝、広卵形~楕円形、橙色、垂れ下がる。石細胞(stone cells)は普通、不明瞭で種子より小さい。種子は直径2mm未満、±倒卵形でやや非対称。
4 Solanum betaceum Cav. コダチトマト 木立トマト
南アメリカ原産。英名はtamarill。別名はタマリロ。アフリカ、インド、オーストラリアなど各地に帰化している。
小高木、高さ2~7m。茎には密に微軟毛があり、分枝しない腺毛と毛がある。仮軸性の枝には葉が(3~)4枚つく。葉は単葉で、葉身は長さ7~40cm×幅6~35cm、長さは幅の約1~1.5倍あり、褐色、卵形、上面には中程度の微軟毛があり、分枝しない毛があり、脈上にはより密にあり、下面には密に微軟毛があり、基部は心形~耳形、基部の裂片は長さ1.5~6cm、縁は全縁、先は尖鋭形。葉柄は長さ3~25cm、密に微軟毛がある。花序は長さ2.5~15cm、分枝せずまたは分枝し、花は10~50個つき、花はすべて放射相称、花序軸には中程度~密に微軟毛がある。花序柄は長さ1.5~9cm、花序軸は長さ2~8cm。小花柄は長さ10~20mm、果時には15~50mmになり、間隔は3~10mm、基部の上に関節があり、長さ1~3mmの小花柄の残部が残る。花芽は楕円形~卵形、先端は鈍形~尖鋭形。萼は半径3~5mm、萼片は長さ1~2mm×幅2~3mm、三角形、先は鈍形~切形で先端に小突起があり、肉質、疎~密に軟毛が生える。花冠は直径2~2.5cm、半径10~15mm、星形で、ほぼ革質~肉質、ピンク白色、花冠筒部は長さ2~3mm、花冠裂片は長さ7~12mm×基部で幅2.5~4mm、狭三角形、先は鋭形、外面および内面ともに無毛、縁に綿毛がある。葯は半葯が長さ5~6mm×幅2~2.5mm、披針形、輻合し、淡黄色、孔は内側および上部に向く。葯隔は長さ4.5~5mm×幅1~2mm、狭三角形、外側では先端の半葯よりわずかに短く、基部では半葯と等しいかわずかに短く、内側には無く、明るいレモン黄色。子房は無毛。花柱は長さ5~6mm×幅0.5~1mm、雄しべより1~2.5mm突き出ており、円筒形で無毛。柱頭は切形。果実は長さ4~10mm×幅3~5 cm、楕円形または卵形、先は鈍形または鋭形、黄色~橙色、赤色、または紫色、しばしば暗色の縦縞があり、無毛。球状顆粒=石細胞集合体がある。種子は長さ3~4mm×幅3.5~4mm、扁平、密に毛がある。[Solanaceae].
品種) 'Goldmine' (F)
5 Solanum capsicoides All. キンギンナスビ 金銀茄子
synonym Solanum surattense auct. non Burm.f.
synonym Solanum ciliatum Lam.
synonym Solanum xanthocarpum auct. non Schrad. et Wendl.
synonym Solanum aculeatissimum auct. non Jacq.
熱帯アメリカ原産。中国名は牛茄子 niu qie zi。英名はcockroach berry , devil's apple , soda apple。標高200~1500mの荒れ地、道端、開けた森林、茂みに生える。世界中で観賞用に栽培され、現在は温暖な地域で広く見られる雑草。
草本または亜低木、直立または乱雑に広がり、高さ30~60(~100)cm、淡黄色の針状の棘が多数生え、粗い多細胞の単純な軟毛がある。茎は目立つ白色の皮目があり、無毛になる~細柔毛(pilose)がある。棘は真っ直ぐからわずかに反曲し、長さ0.5~1.8cm。葉は対生し、葉柄は丈夫で、長さ2~7cm、葉身は広卵形、長さ5~13cm×幅4~12cm、上面には多細胞の単毛があり、下面は無毛かまたは脈に沿ってのみ毛があり、両面の脈に沿って棘があり、基部は心形、縁は5~7裂から半分まで、先は鋭形または尖鋭形。花序は腋外生(extra-axillary)の総状花序、花が1~4個つく。花序柄は分岐しない。小花柄は長さ5~12mm。萼はカップ形、約・長さ5mm×幅8mm。萼片は卵形、茎と同様な毛がある。花冠は白色、基部は帯緑色、花冠裂片は披針形、約・長さ12mm×幅4mm。花糸は長さ2.5mm。葯は披針形、長さ約6mm。子房は微細な有柄の腺がある。花柱は長さ7~8mm。果時の小花柄は長さ2~2.5cm。果時の萼は多数の棘があり、やや大きくなり、果実を覆わない。果実は橙赤色、ほぼ球形、直径3.5~6cm、中果皮は白色、海綿状。種子は帯黄色の円盤形、直径4~6mm、薄い円形の翼がある。花期は6~8月。果期は8~10月
6 Solanum carolinense L. ワルナスビ 悪茄
USA原産。Carolina horse-nettle,poisonous potato, ball nightshade 。アメリカ、カナダ、オーストラリアなど世界中に帰化している強雑草である。根茎の断片からも繁殖する。
多年草。高さ20~90㎝。根茎を横に広げ群生する。全体に細かい毛を密生し、茎や葉脈に長くて鋭い刺が生える。葉は長さ5~15㎝、縁に波状の切れ込みがあり、葉裏の中央脈に鋭い刺が並ぶ。花は円錐花序的につく。萼は長さ5~6㎜で、5深裂する。花冠は幅2~3㎝、淡紫色~白色、星形に5裂する。葯は長さ7~9㎜。果実は直径10~15㎜の球形、黄色。種子は長さ約2.5㎜。2倍体2n=24。花期は6~10月。
6-1 Solanum carolinense L. f. albiflorum (Kuntze) Benke シロバナワルナスビ
7 Solanum chenopodioides Lam. ソラナム・ケノポディオイデス
synonym Solanum gracile Moric. ex Dunal
synonym Solanum gracilius Herter
synonym Solanum sublobatum Willd. ex Roem. & Schult.
synonym Solanum americanum Miller var. baylisii D’Arcy
アルゼンチン、ブラジル、パラグアイ、ウルグアイ原産。英名はtall nightshade , whitetip nightshade , velvety nightshade。日本(栃木、京都)、ヨーロッパ、北アメリカ、アフリカ、オーストラリア、ニュージーランド、太平洋諸島に帰化している。標高0~2000mの砂質土壌、乱れた地域、主に中湿地帯の乱れた場所(川岸、冬季に湿る溝など)に生える。葉は野菜として、果実はジャムとして食べられる。草本または低木、一年生から短命の多年生植物、直立またはやや広がり、無柄、高さ1mまで、無毛から密に軟毛があり、毛は分岐せず、長さ1mmまで、腺毛はない。葉は葉柄があり、葉柄は1~3cm、葉身は単葉、狭卵形から楕円形、長さ1.5~5(~7)×幅0.5~3.5cm、縁は全縁または波状、基部は楔形から沿下する。花序は腋外生または葉に対生し、分岐せず、まれに二股分岐し、散形花序状、花数は3~7(~10)個、長さ1~3(~4)cm、果時の花序柄は基部から鋭く反り返る。小花柄は花時と果時に長さ0.5~1cm、果時には下向きに反り返る。花は放射相称。萼は花後に増大せず、無棘、長さ2~3.5mm、まばらに毛があり、萼片は三角形、果実に密着する。花冠は白色または帯紫色、中央に帯緑色~帯黄色または褐色の星があり、直径0.8~1.5cmで、花弁間組織はまばらである。雄しべは等長。葯は楕円形、長さ2~3mm で、先端の孔が縦方向に開いて裂開する。子房は無毛。果実は鈍い紫黒色、球形、長さ5~10mm、無毛で、球状顆粒(硬質顆粒)はない。種子は淡黄色で、扁平で、長さ1~1.5mm×幅1~1.5mm、微細な穴があく。2n=24。花期は5~10月(フロリダでは通年)。
北米では散発的に導入されており、時折外来種となり、カリフォルニア州、フロリダ州、ジョージア州、メリーランド州、ミズーリ州、ノースカロライナ州、ウィスコンシン州に帰化している。果実のついた花柄が強く下向きに反り返っているのが特徴だが、それ以外は同種である可能性のある S. pseudogracile と区別するのが難しい。Solanum gracile Dunal という不法で余分な名前が S. chenopodioides によく使われている(たとえば、J. K. Small 1913、A. E. Radford 他 1968)。 W. G. D’Arcy (1974) は S. gracile (およびその代替名 S. ottonis) を S. nigrescens の同義語に含めたが、この分類群は別物である。[Flora of North America]
【参考12の解説】
1年草から短命の多年草、直立またはやや広がり、高さ1.0mまでの亜木質で基部で分枝する。茎は広がるか傾伏し、円柱形、緑灰色~麦わら色で、古い茎には刺のような突起がなく、目立って中空ではない。新芽には軟毛があり、単純で伏した単列の腺の無い毛があり、これらは1~6細胞で長さ0.1~0.6mmである。古い茎にはまばらに軟毛があり、無毛である。仮軸枝は2葉があり(difoliate)、葉は双生(geminate)ではない。葉は単葉で、長さ1.5~5.5(~7.0)cm、幅0.5~3.0(~3.5)cm、披針形~狭卵形、まれに卵形、無色である。上面は緑色で、まばらに毛が生え、茎の毛に似た1~4細胞の半透明で単純な単列の毛状突起が伏し、葉脈に沿って密になる。下面は淡灰色、より密に毛が生え、上面の毛状突起が葉身と葉脈に均等にある。主要葉脈は3~6対あるが、下面では明瞭ではなく、基部は漸尖し、葉柄に沿下し、縁は全縁または波状、先は鋭形~鈍形。葉柄は長さ(0.5~)1.0~1.5(~3.5)cmで、まばらに毛が生え、茎や葉の毛に似た単純な単列の毛状突起が生える。花序は長さ1.0~2.5(~4.0)cm、一般に節間に生じるが若い枝では葉に対生し、単純またはまれに分岐し、ほぼ散形花序形で、3~7(~10)個の花をつけ、まばらに軟毛があり、伏した1~2細胞の単列の毛がある。花序柄は長さ1.0~2.3(~4.0)cm、真っ直ぐだが果実では下向きに強く反り返る。小花柄は長さ0.5~1cm、基部の直径約0.5mm、先端の直径1mm、真っ直ぐ、広がり、基部に関節がある。小花柄の傷跡は約0~1mm間隔で並ぶ。花芽は細長い長円形、花冠は開花前に萼筒からわずかに突出する。花は5数性、全て完全花。萼筒は長さ0.5~1.0mm、円錐形。萼片は長さ0.6~1.2mm、幅1mm未満、広三角形~三角形、先は鋭形~鈍形、まばらに軟毛があり、茎の毛に似ているが茎より短い1~4細胞の伏毛がある。花冠は直径6~12mm、白色、基部近くの中央部分は黒色または黄緑色、黒色は通常黄緑色より上部で、深い星形、基部の4/5までの裂片があり、裂片は長さ3.5~4.0mm、幅1.5~1.9mm、開花時に強く反り返り、後に広がり、外側に密に微軟毛状のパピラがあり、1~4細胞の単列の単純な毛状突起があり、毛状突起は先端と縁でより密にある。雄しべは等長、花糸の筒部は微細。花糸の自由部分は長さ0.6~1.0mm、内側に毛があり、絡み合った単列の4~6細胞の単純毛がある。葯は長さ(2.0~)2.3~2.8mm、幅0.5~0.8mm、狭楕円形、黄色、先端は孔があり、孔は老化と乾燥とともにスリット状に長くなる。乾燥した植物では葯隔は年齢とともに暗褐色になる。子房は球形、無毛。花柱は長さ3.7~4.5mm、葯錘(anther cone)に含まれる下半分に密に2~3細胞の単列の単純毛があり、葯錘から1.5mmまで突き出る。柱頭は頭状で微細なパピラがあり、新鮮な生植物では緑色。果実は球形の液果、直径4~9 mm、熟すと鈍い紫黒色になり、果皮は薄く不透明で、艶消しでやや灰白色を帯びる。果時の小花柄は長さ6~13mm、基部と先端の直径は1.2~1.4mmで、反り返ってわずかに湾曲し、成熟した果実とともに落下し、宿存しない。果時に萼は増大せず、萼筒は長さ1mm未満、萼片は長さ1~1.5mmで、液果に密着する。種子は液果1個あたり(13~)20~35(~50)個、長さ1.2~1.4mm、幅1.0~1.2mm、扁平、涙滴形、亜先端にへそを持ち、淡黄色で、表面に微細な穴があり、種皮細胞の輪郭は五角形である。球状顆粒(石細胞)はないか、またはまれに1~2個の小型の石細胞が先に存在する。2n=2x=24(Baylis 1958; Soria and Heiser 1961 [as S. gracile]; Heiser et al. 1965 [as S. gracile]; Venkateswarlu and Rao 1972; Henderson 1974 [as S. gracilius]; Randell and Symon 1976; Edmonds 1972, 1977, 1982, 1983; 1984a [as S. sublobatum]; Moscone 1992; Jacoby and Labuschagne 2006; Moyetta et al. 2013)。
8 Solanum citrullifolium A.Braun ムラサキハリナス 紫針茄子
北アメリカ(テキサス州)、メキシコ原産。英名はwatermelon nightshade, melon-leaf nightshade フロリダ州、ドイツに帰化している。
1年草、広がり、疎~中程度の棘があり、高さ0.3~0.8m、棘は帯黄色、真っ直ぐ、針状、長さ3~7mm、疎~密に毛が生え、毛は短く、分枝せず、腺毛があり、ときにより長い分枝しない腺のない毛が少数ある。葉の裏側にも普通、無柄~短柄の放射状枝毛が少数の星状毛があり、中央の放射状の毛は側線の毛と等しいかそれより長い。葉は葉柄があり、葉柄は長さ2~7cm、葉身は単葉から複葉、広卵形、長さ4~10(~15)cm×長さ3~8cm、縁は2回羽状に浅裂すか分かれ、片側に3~4枚個の主な小葉があり、これらの裂片は鈍形または円形で、基部は切形。花序は腋外生、分枝せず、花が4~10個つき、長さ3~11cm。小花柄は花時には長さ1~2cm、果時には長さ1~2cm、直立する。花は左右相称。萼は増大し果実をしっかりと覆い、密に棘があり、長さ2.5~3.8mm、密に腺毛があり、萼片は線状披針形。花冠は紫色または青色、五角星形、直径2.5~3.5cm、花冠裂片の縁と基部に花弁間組織がある。雄しべは不等長、最下部の雄しべははるかに長く湾曲している。葯は狭く先細りで、先端の孔で裂開する。短い葯は黄色で長さ6~10mm、長い葯は帯紫色、長さ11~16mm。子房は無毛。果実は褐色、球形、直径0.8~1.2cm、無毛で乾燥しており、球状顆粒=硬質顆粒(sclerotic granules)はない。種子は暗褐色、扁平、長さ2.3~3mm×幅2~2.5mm、網目状のしわがあり、隆起し、または波状になる。2n=24。
2変種がある。
8-1 Solanum citrullifolium var. citrullifolium
北アメリカ(テキサス州)、メキシコ原産。標高(100~)1300~1900mの水はけがよく、火成岩、岩または砂質の土壌、植物のまばらな山腹、乾燥した草原、乱れた場所に生える。
茎には長さ3~7mmの開出する棘があり、しばしば基部の直径1mmまで。棘は茎1cmあたり20本未満、密に毛があり、短い柄のある腺があり、しばしば分枝せず、開出する毛は長さ1mm。萼片は長さ2.5~3.8mm。種子は網状にしわが寄るか、または単に波打つ。花期は4~10月。
変種 citrullifolium は、テキサス州中部および西部からメキシコ南部まで見られる。テキサス州中部の植物は、西テキサス州やメキシコの植物と異なり、葉の先端の裂片がより丸みを帯び、葉の裏面には星状毛がほとんどなく、果実をつける花序が長い。フロリダ州では、var. citrullifolium が栽培から逃れて帰化している。マサチューセッツ州の記録 (F. C. Seymour 1982) は定着しなかった外来種として歴史的 (1885、1913、1949)である。
8-2 Solanum citrullifolium A. Braun var. setigerum Bartlett
北アメリカ(テキサス州)、メキシコ(チワワ州、コアウイラ州)原産。標高1100~1400mの石灰岩、溶岩、砂、沖積堆積物、石灰質、石膏質、塩性平地、湿った窪地周辺に生える。茎は密生し、広がったまたはわずかに下降する長さ4~8mmの刺があり、基部では長さ0.5mm未満の刺がほとんどで、茎1cmあたり刺が25本以上あり、まばらに毛があり、短い柄のある腺がある。萼片は長さ3.3~3.5mm。種子は低く放射状に隆起する。花期は7~10月。
9 Solanum diphyllum L. ナガハスズメナスビ 長葉雀茄
メキシコ、ベリーズ、コスタリカ、ホンジュラス、エルサルバドル、グアテマラ、ニカラグア原産。中国名は黄果龙葵 huang guo long kui。英名はTwoleaf nightshade。標高0~300mの乾燥した低地、小丘、撹乱された場所に生える。ヨーロッパ(フランス、イタリア)、アジア、太平洋諸島(ジャワ、フィリピン)に帰化している。鮮やかな色の果実のために観賞用に栽培されることが多く、熱帯および亜熱帯地域では栽培から逸出して帰化する。
低木、直立し、無棘、高さ1~2m、無毛または稀に微細な微軟毛が生え、毛は白色、分枝せず、腺がない。葉は葉柄があり、葉柄は長さ0.2~0.5cm。葉身は単葉、楕円形、長さ0.9~6.8cm×幅0.6~2.2cm、縁は全縁、基部は鋭形~漸尖形または沿下する。花序は葉に対生し、分枝せず、5~20個の花が付き、長さ0.3~1.2cm。小花柄は花時に長さ約0.5cm、果時に長さ約1.2cmで直立する。花は放射相称、萼はやや花後に大きくなり、無棘、長さ1.5~2mm、無毛、萼片は三角形。花冠は白色、しばしばラベンダー色を帯び、星形、直径0.7~1cm、花弁間組織はない。雄しべは等長。葯は長円形、長さ1.5~2mm、先端の孔が縦方向に開いて裂開する。子房は無毛。液果は黄色~橙色、球形、直径0.7~1.2cm、無毛で、球状顆粒=硬質顆粒(sclerotic granules)はない。種子は淡黄色または黄褐色(tan)、扁平、約・長さ3mm×幅2.5mm、微細な穴がある。2n=24。花期は1年中。
10 Solanum douglasii Dunal ダグラスイヌホオズキ(仮称)
synonym Solanum nigrum var. douglasii (Dunal) A.Gray
synonym Solanum arizonicum Parish
synonym Solanum extusviolascens Bitter
synonym Solanum profundeincisum Bitter
USA(アリゾナ州、カリフォルニア州、ニューメキシコ州、、テキサス州)、メキシコ、中央アメリカ(中央アメリカ太平洋諸島、エルサルバドル、グアテマラ、ホンジュラス、ニカラグア)、太平洋諸島原産。英名はDouglas' nightshade , greenspot nightshade。標高0~2500mの乾燥した低木林地、森林、岩の多い斜面、川岸、渓谷に生える。
草本または低木、多年生、直立、無柄、高さ1.5(~3)mまで、まばらから中程度の毛があり、毛は白色で湾曲し、分岐せず、長さ0.5~1mm、腺がない。葉は葉柄があり、葉柄は長さ0.5~3(~7)cm、葉身は単葉、卵形、長さ1~5(~9)cm×幅0.5~3(~6)cm、縁は全縁~粗い不規則な歯があり、基部は切形~鋭形で沿下する。花序は腋外生(extra-axillary)または葉に対生し、分岐せず、総状花序状、長さ2~4cm、2~7(~14)個の花がつく。小花柄は花時と果時に長さ0.5~1cmで、果時にうなずくかまたは下向きに反曲する。花は放射相称。萼は花後に増大せず、無棘で、長さ2~3mm、まばらに毛があり、萼片は三角形。花冠は白色で、中央に黄緑色~帯褐色の星形があり、直径1~2cm、花弁間組織はない。雄しべは等長。葯は楕円形、先端に向かってわずかに先細り、長さ(2.5~)3~4.5mm、先端の孔が縦方向に開いて裂開する。子房は無毛。果実は鈍い紫黒色、球形、直径0.5~1cm、無毛、果実あたり(2~)6~8個の球状顆粒(sclerotic granules:硬粒)がある。種子は淡黄色~黄褐色、扁平、長さ1.5~2mm×幅1~1.5mm、細かい網目がある。2n=24。花期は3~11月(カリフォルニアではほぼ1年中)。
Solanum douglasii は、ロッキー山脈の西側で最もよく見られる。S. nigrescens との区別は難しいが、葯が長く、わずかに先細りで、花糸が非常に短い(葯の長さに比べて)ため、開花中の植物としての優れた特徴となる。S. douglasii の蕾は、S. nigrescens の蕾よりも尖っている。[FNA]
【Jepson e-Floraの解説】
Solanum douglasiiとされているがS. nigrescensと区別していないデータと思われる。
高さ200+cm未満、多年草~亜低木、よく分枝し、毛は分枝せず、腺がなく、長さ1mm未満、±湾曲し、基部が広がることもあり、白色。葉は長さ1~5(9)cm、卵形、全縁~粗く不規則な歯がある。花序は節間から、または葉と対生し、花序軸は分枝しないか、ときに2股になり、一般に散形花序または短い総状花序状。花は2~7(14)個つく。小花柄は長さ5~10mm、成熟しても直立したまま。萼片は長さ2~3mm。花冠は直径13~15(20)mm、深裂し、白色、ラベンダー色、またはラベンダー色を帯び、喉部は特に裂片の基部で緑色~褐色または黄色。花糸の筒部の長さ0.3~1mm。花糸の自由部分は長さ0.1~0.5(1)mm。葯は通常3~4.5mm、花柱に密着する。花柱は長さ4~5mm。果実は直径5~10mm、球形、鈍い黒色、熟すとほぼ植物に残る。球状顆粒(clusters of stone cells)塊は通常6~8個、直径0.5~0.7mm。種子は通常50個以上、長さ1.5~2mm。2n=24。花期は1年中。
【SEINet:CANOTIA 5 (1):2009】
1年生または短命の多年生草本で、ときに古くなると木質化することもあり、通常高さ1m以下で、塊茎や匍匐茎を持たず、無棘である。草本は無毛~軟毛があり、または様々な剛毛がある。茎は円柱形~角(かど)があり、ときに、角に小さな前屈した歯がある。葉は互生またはほぼ対生し、単葉、長さ2~9cm×幅1~5cm、卵形~披針状楕円形、縁は全縁または粗い歯があり、基部は切形~漸尖形、先は広い鋭形~尖鋭形。葉柄は長さ(1~)2~6(~8)cm。花序は散形花序状の総状花序で、側生し、葉の節間またはときに葉に対生し節につき、花は(1~)3~8(~12)個つく。花序柄は長さ8~30mm。花は放射相称。小花柄は長さ2~12mm。萼は長さ1.5~2.5mm、萼片は披針形~円形、萼筒の長さの約1/4まで。花冠は車状星形~反り返り、白色または白色で紫色を帯び、ときに腺点があり、基部に帯褐色の星があり、直径8~25mm。花柱は雄しべと同長または最大3mmまで長く、長さの約半分に軟毛がある。雄しべはほぼ等長、長さ(2.5~)3~4(~4.5)mm。葯は輻合し、花糸は葯の1/5以下で、通常は長さ1mmよりはるかに短い。果実はほぼ球形、幅6~12mm、成熟すると緑色、橙褐色または帯黒色、萼に包まれない。球状顆粒は0~5個。種子は球形で微細な穴があり、幅1~1.6mm。花期は1年中。標高50~2500mの農業用雑草で、荒れ地や河畔地域にも生息。(Chiang, F. and L.R. Landrum. Vascular Plants of Arizona: Solanaceae Part Three: Lycium. CANOTIA 5 (1): 17-26, 2009)[SEINet]
【参考20;Sandra Knapp etc.(2019)の解説】
多年生の亜木質の草本または低木で、直立または斜上し、高さ2m以下になる。茎は円柱形、緑色または帯紫色、中程度~密に毛が生え、毛は長さ0.5~1mmの単純で単列の4~10細胞の広がる無腺毛がある。新芽にはより密に毛が生える。仮軸枝は2葉があり(difoliate)、葉は双生(geminate)ではない。葉は単純で、長さ3~10(~17)cm、幅1.3~5(~7.5)cm、(広)卵形~披針形、緑色または紫色の斑点があり、上面は緑色、下面はより薄い灰緑色であり、上面には中程度~密に毛が生え、茎にあるような単純で単列の毛が、葉身と葉脈に沿って均等に広がり、主脈は4~6対、下面で明瞭であり、基部は急に狭まり~漸尖し、ときに非対称で、葉柄に沿下し、縁は波状の歯~歯があり、稀に全縁、先は鋭形。葉柄は長さ1~4(~7)cm、茎と同様に単純単列の毛が中程度~密にある。花序は長さ1.5~4.5cm、側生し、節間につき、不分枝~ときに2股に分枝し、花序軸に沿って(3~)6~14個の花が間隔をあけてつき、茎のものと同様に単純単列の毛が中程度~密にある。花序柄は長さ1.5~4cm。小花柄は長さ10~41mm、基部の直径0.3~0.4mm、先端の直径0.4~0.6mmで、真っ直ぐ広がり、基部に関節があり、花冠間の距離は約0.5~1mm。花芽は卵形、先が細くなり、花冠は萼筒から長さの1/5突き出る。花は5数性、すべて完全花。萼筒は長さ1~2mm、萼片は長さ(1~)1.5~2.9mm、幅0.7~1.5mm、披針形~広三角形、先は鈍形~鋭形、中程度~密に毛があり、茎と同様な単純で単列の毛がある。花冠は直径13~15(~20)mm、星形、白色~ライラック色、中央の目は黄緑色、基部は黒色、基部の1/3までの裂片があり、裂片は長さ4.5~7mm、幅2~4mm、花時に強く反り返り、外側にまばらに毛があり、茎や葉の毛に似ているが短い1~4細胞の単純な単列毛がある。雄しべは等長、花糸の筒部は長さ0.3~1mm、花糸の自由部分は長さ0.1~0.5(1)mm、外側にまばらに毛があり、単列の4~6細胞の単純な毛が開出する。葯は長さ(2.5~)3~4.5mm、幅0.9~1.2mm、楕円形で先に向かってわずかに先細り、黄色、先端に孔があり、孔は老化とともに長くなって裂け目になる。子房は球形、無毛。花柱は長さ6.5~7.5mm、葯の円錐より 1.7~2.3mm 突出し、基部から1/2~2/3 まで 2~3細胞の単列毛が密生する。柱頭は頭状、微細なパピラがあり、生きた植物では緑色。果実は球形の液果、直径6~14mm、成熟すると黒色で不透明、果皮の表面は艶消しになる。果時の小花柄は長さ8~11mm、基部の直径0.4~0.5mm、先端の直径0.5~0.6mm、間隔1~3mm、広がって反り返り、成熟果実とともに落ち、ごくまれに花序軸に残る。果時の萼は増大せず、萼筒は長さ1mm未満、萼片は長さ1.2~3mm、果皮に密着する。種子は通常1果当たり50個以上、長さ1.5~1.9mm、幅1.2~1.5mm、扁平で涙滴形、ほぼ先にへそ持ち、褐色、表面に微細な穴があいており、種皮細胞の輪郭は五角形。球状顆粒(stone cells)は1果当たり(2~)6~8個、やや大きく、直径0.5~0.7mm。2n=2×=24 (Henderson 1974; Heiser et al. 1965 (S. amethystinum として); Edmonds 1982, 1983; Stebbins and Paddock 1949; Heiser 1955 (S. amethystinum として); Soria and Heiser 1961 (S. amethystinum および S. douglasii として)。Solanum amethystinumは現在ではSolanum nigrescensno]synonym。
11 Solanum dulcamara L. セイヨウヤマホロシ 西洋山白英
synonym Solanum kitagawae Schonb.-Tem. ヒロハノホロシ
synonym Solanum borealisinense C. Y. Wu & S. C. Huang
中国(河南省、四川省、新疆ウイグル自治区、西蔵、雲南省)、モンゴル、ロシア、トルクメニスタン、コーカサス、西アジア、ヨーロッパ、北アフリカ原産。英名はbitter nightshade , bittersweet , bittersweet nightshade , climbing nightshade , dulcamara , woody nightshade , climbing nightshade。中国名は欧白英 ou bai ying。標高500~3500mの森林の端の斜面に生える。果実に含まれるソラニンは、リウマチ、関節炎、皮膚病の治療に使用でき、殺虫剤としても使用される。
つる性、多年草(亜低木)。刺は無く、無毛又はまばらに軟毛がある。葉は不等長の対になり、ときに、複葉で、1~2対の小葉をもつ。葉柄は長さ1~2㎝。葉身は楕円形~卵状矛形、長さ4~11(12)㎝×幅2~8㎝、まばらに軟毛があり、基部は矛形又は1~まれに2裂し、縁は全縁、先は尖鋭形。花序は腋外生、緩く、開き、多数の花がつく、円錐花序(散房花序)。花序柄は長さ1~3㎝、花序は分枝する。小花柄は長さ5~12㎜、まばらに軟毛がある。萼は長さ1.5~2(4)㎜×幅2~3㎜、萼片はデルタ形、まばらに軟毛がある。花冠は青色~紫色、普通、黄色の目があり、長さ5~8(~12)㎜。花冠裂片は楕円状披針形、長さ約5㎜。花糸は長さ約0.5㎜。葯は合着し、長さ2~3.5㎜。花柱は細く、長さ約5.5㎜。液果は球形~卵形、直径6~8(~12)㎜、赤色。種子は円盤形、直径1.5~2(~3)㎜。花期は6~9月。果期は秋。n=12.
品種) 'Lucia' (v) , 'Variegatum' (v)
(1) Solanum kitagawae Schonb.-Tem. ヒロハノホロシ
synonym Solanum borealisinense C. Y. Wu & S. C. Huang
日本、中国、モンゴル、ロシア、南西アジア原産。中国名は光白英 guang bai ying
Flora of Chinaではセイヨウヤマホロシと似て疑わしい種と解説されている。
12 Solanum elaeagnifolium Cav. ラシャナス 羅紗茄子
synonym Solanum elaeagnifolium Cav. f. albiflorum Cockerell シロバナラシャナス
USA(アリゾナ州、カリフォルニア州、コロラド州、カンザス州、ネバダ州、ニューメキシコ州、オクラホマ州、テキサス州、ユタ州)、メキシコ、南アメリカ(アルゼンチン、チリ、パラグアイ、ウルグアイ)原産。英名はbull-nettle , prairie-berry , silverleaf bitter-apple , silverleaf nightshade , silverleaf-nettle , tomato-weed , white horse-nettle。多年草。高さ1m以下。根茎をもち、コロニーをつくる。通常、刺があり(ワルナスビより少ない)、白色の星状毛がラシャ(毛織物の羅紗)のように密にあり、鱗片状のレイが基部に融着する。葉は長さ2~15㎝、全縁~分裂し、白色の星状毛が密生する。茎や葉は白みがかって見える。花序は総状花序状。萼は長さ5~8㎜。萼片は萼筒とほぼ同長。花冠は幅20~30㎜、紫色~青色。葯は長さ8~10㎜、黄色。液果は長さ8~15㎜、橙色、しばしば宿存する。種子は長さ2.5~3㎜。n=12。花期は5~9月。
13 Solanum emulans Raf. アメリカイヌホオズキアメリカイヌホオズキ 亜米利加犬酸漿
synonym Solanum adventitium Polg.synonym Solanum dillenianum Polgar
synonym Solanum heterogonum Dunal
synonym Solanum nigrum var. virginicum L.
synonym Solanum americanum auct. non Mill.
カナダ、USA原産。英名はEastern nightshade , eastern black nightshade , West Indian nightshade。標高0~700(~1700)mの湿った開けた森林、川岸、野原、道端、乱れた地域に生える。果実は毒があるともいわれ、deadly nightshade と呼ばれるが、これは違うものを指している。嗜好性についての多くの情報が得られるまで実を食べない方が賢明である。(全草にソラニンを含んでいるが、よく熟した果実には毒がないともいわれている。)
草本または低木、一年生または多年生、直立し、無柄、高さ1mまで、無毛またはまばらにまたはまれに密に毛が生え、毛は分岐せず、長さ1mmまで、腺がない。葉は葉柄があり、葉柄は長さ1~5cm、葉身は単葉、卵形~楕円形、長さ4.5~10.5cm×幅2~6cm、縁は全縁~波状の歯があり、基部は漸尖形~円形。花序は腋外生(extra-axillary:葉腋でなく、茎の側面から突き出す)、分岐せず、散形花序状、花が(2~)3~6個つき、長さ1~2.5cm。小花柄は花時には真っ直ぐで広がり、果時には反曲~後屈し、長さ0.5~1cm、果実とともに落ちる。花は放射相称。萼は増大せず、無棘、長さ2~3mm、無毛~まばらに毛があり、萼片は果時に密着し、三角形。花冠は白色、ときに中央に黄色い星形があり、まれに紫色を帯び、星形で、直径0.5~1cm、花弁間組織はない。雄しべは等長。葯は楕円形、長さ1~1.5mm、先端の孔が裂けて縦方向に裂開する。子房は無毛。果実は鈍いまたはわずかに光沢のある紫黒色、球形、長さ0.5~1cm、無毛、果実1個につき6~9個の球状顆粒(sclerotic granules:硬粒)がある。種子は帯黄色、扁平、長さ1.5~2mm×幅1~1.5mm、細かい網目模様がある。2n=24(x=12)。花期は5~10月。
Solanum emulans は、S. ptychanthum Dunal (ptycanthum という綴りのバリエーション)と呼ばれることが多いが、この名前はテリミノイヌホオズキ(S. americanum)の同義語であり、誤り。Solanum emulans は、北アメリカ北東部のブラックナイトシェードグループで最も一般的な種である。この植物は、分岐しない花序、短い葯、密着した果実の萼片、および果実内の多数の球状顆粒によって、他の北米のナス科植物グループと区別できる。
【参考20;Sandra Knapp etc.(2019)の解説】=【GBIF: Database of Vascular Plants of Canada (VASCAN)の解説】
高さ1.0mまでの一年生草本~亜木質の多年生低木、基部で分枝する。茎は円柱形~うねがあり、緑色、軟毛があり、毛は単純で伏した単列の腺のない1~5細胞、長さは約0.2mm、新芽にはより密に軟毛がある。仮軸枝は2葉があり(difoliate)、葉は双生(geminate)ではない。葉は単純で、長さ4.5~10.5(~17.5)cm、幅2.0~6.3(~8.3)cm、卵形で薄い膜質、上下面がわずかに色が異なり、上面は緑色、下面は帯紫色、特に若い成長部ではその傾向が強く、上面は無毛~まばらに軟毛があり、茎の毛と同様の半透明で単純な単列の毛が伏せ、主に葉脈に沿って散在し、下面は無毛~まばらに毛があり、葉身と葉脈の両方に上面のものと同様の毛があり、主脈は4~6対。基部は漸尖形~鋭形、縁は波状の歯があり、まれに全縁、先は鋭形~尖鋭形。葉柄は長さ1.0~5.0cm、茎のものと同様の単純な単列の毛がある。花序は長さ1.0~2.5cm、側生し、節間につき、分岐せず、まれに2股に分岐し、先端近くに花が(2)3~6個、密につき(ほぼ散形)、まばらに毛があり、茎の毛と同様に単純な単列の毛が密にある。花序柄は長さ1.0~1.7cm、真っすぐ。小花柄は長さ8~10mm、基部の直径0.4~0.5mm、先端の直径0.5~0.6mm、真っ直ぐ広がり、基部に関節がある。小花柄の傷跡は約0~0.5mm間隔で存在する。蕾はほぼ球形、花冠は萼から、長さの1/3まで突出する。花は5数性、すべて完全花である。萼筒は長さ0.7~0.9mm、萼片は長さ0.8~2.2mm、幅0.7~1.3mm、卵形~細長く、先は鈍形であり、まばらに軟毛があり、茎に似た伏毛があるが、茎の毛より短い。花冠は直径8~10mm、星形、白色で基部近くの中央部は黄緑色、基部の1/3までで裂け、裂片は長さ3.0~4.0mm、幅1.0~1.2mm、花時に強く反り返り、後に広がり、縁と先端に沿って外面に密に毛があり、茎や葉のものと似た単列の単純な毛状突起があるが、より短い。雄しべは等長、花糸の筒部は小さく、毛があり、外面に開出する単列の単純な毛状突起がある。花糸の自由部分は長さ0.6~1.0mmで、筒と同様に毛がある。葯は長さ(1~)1.5~1.7mm、幅0.4~0.5mm、楕円形、黄色、先端には孔があり、孔は老化とともにスリット状に長くなる。子房は球形、無毛。花柱は長さ3.5~4.5mm、葯を超えず、密に毛があり、基部から1/3~1/2に、2~3細胞の単列の単純な毛状突起がある。柱頭は頭状、微細なパピラがあり、生きた植物では緑色である。果実は球形の液果、直径6~8mm、成熟すると鈍い紫黒色で不透明、果皮の表面は艶消しからわずかに光沢がある。果時の小花柄は長さ8~10mm、基部の直径は0.4~0.6mm、先端の直径は0.7~1.0mmで、反曲~後屈し、小花柄の間隔は0.5~2.5mmで、果実が成熟すると落ちる。果時に萼はやや増大し、萼筒は長さ1mm未満、萼片は長さ1.0~2.2mm、果実の表面に密着するか、成熟した果実ではわずかに広がる。種子は1果に20~50(~60)個、長さ1.6~1.8mm、幅1.0~1.2mmで、扁平、涙滴形、頂端近くにへそを持ち、褐色、表面に微細な穴があいており、種皮細胞は輪郭が五角形。球状顆粒(stone cells)は1果に6~9(10)個、直径約0.3mm。2n=2×=24 (Stebbins and Paddock 1949、S. americanum として; Mulligan 1961、S. americanum として; Soria and Heiser 1961、S. americanum として; Heiser et al. 1965、S. americanum として; Edmonds 1983、S. americanum として; Crompton and Bassett 1976、S. americanum として)。
特徴と標本
Solanum emulans は、長さ1.0~1.5mmの小さな葯、S. americanum に比べて比較的長い0.6~1.0mmの花糸、S. americanum よりも長い萼片が S. americanum のように強く反り返るのではなく果実に密着していること、果実の先端で小花柄が太くなること(S. americanum と異なる)、成熟した果実とともに小花柄が落ちること(S. americanum では花序に花柄が残る)により、北米の他のモレロイド植物(Morelloid cladeの植物:black nightshades または Maurella(Morella))と区別できる。Solanum emulans の果実には常に4~9(10)個の球状顆粒(stone cells:石細胞)があるが、S. americanum には石細胞がないか、最大でも4個である。 Solanum emulans は、葯が短いこと、萼片が通常より短いこと、花序が通常分岐しないことで、S. interius および S. nigrescens と区別できる。ときに移入される S. nigrum と同所的である場合、葯の長さと果実内の球状顆粒の数に基づいて S. emulans を簡単に区別できるが、S. emulans の葉は一般に薄く、裏面は紫がかっていることが多い。グレートプレーンズ(Great Plains:北米の Rocky 山脈東方から Mississippi 川に至る大平原地帯)では、形態的に類似する S. interius の方が S. emulans よりも一般的である一方、アメリカ合衆国の南東部およびメキシコ湾岸では S. americanum の方が一般的である。Solanum emulans はカリブ海では知られていない。S. emulans は18世紀からヨーロッパの植物園で栽培されていたようだが、最初に移入された場所を超えて逃げ出して帰化はしていない。ヨーロッパの標本は石油工場や衣料工場の近くの地域で見つかったものが少なく、どうやら存続していないようである(Polgar 1926)。Constantine Rafinesque は、新しい分類群に関する多数の記述の中で特定の標本を挙げておらず、彼が北米に保管していた植物標本は彼の死後広く散逸し、破壊されたと考えられている(Pennell 1944; Warren 2004)。ウィーン植物標本館(W acc. # 0009388)の標本は S. emulans の記述に該当し、「Solanum Virginicum / Amer. Bor. Rafinesque」というラベルと1828年の日付が記されており、この名前の元となった資料である可能性がある。ここではこれを新基準標本として選択した。これは、この標本(または他の標本)が Rafinesque によって S. emulans の記述に使用されたという証拠が序文にないためである。S. ptychanthum いう名前は北米でこの種に使われてきたが(例えば、Schilling 1981、Voss et al. 1993、Jones 2005)、その名前のタイプはS. americanumの植物に対応している(S. americanum の説明を参照)。Solanum emulans は長い間無視されてきたが、序文でRafinesqueは明らかに「ニューイングランドとケンタッキー」の分類群を指しており、人々はこれを「S. virginicum」と呼んでいた。おそらくリンネの S. nigrum var. virginicum であり、S. virginicum L. (インド産のとげのあるナス科植物 S. virginianum L. の非合法な名前で綴り方が違うもの、Jarvis 2007 を参照) はない。そして彼の説明は、北米東部に広く分布するこの小花のモレロイド植物と一致している。序文には「北東州産で、通常 S. Virg. [virginianum] と間違われるが、表面は平滑でより小さく、花は白く小さく、液果は豆状」とある。この分類群に対応する標本は、オックスフォード大学の Dillenian 植物標本室に多名式(Solanum nigrum vulgari simile、caulibus exasperatis Dill. elth. 368、t. 275、f. 256) で収蔵されており、Solanum nigrum var. virginicum (Linnaeus 1753) について引用された唯一の要素である図版に対応している。D'Arcy (1974 a) は Solanum adventitium のタイプとして「ハンガリー、Polgar s. n. (MPU)」を挙げているが、産地や番号は明記していない。これは、単一の明確な標本を引用するほど具体的ではないと考えており、原典と矛盾する可能性が高いため、ここでは S. adventitium を選別標本とする。S. adventitium の原典で、Polgar (1926) は、1915年から1919年の間に「Meller'schen Oelfabrik」と「Gueterbahnhof」(どちらもハンガリー、ジェーエル) で収集した自身のコレクションをいくつか引用しているが、数も植物標本集も引用していない。彼は、植物が 1919年10月までに両方の産地から姿を消したと述べているが、やはり植物標本集は引用していない。彼の植物標本はBPに保管されており、私たちは、1916年から1919 年の間にジェールの貨物倉庫で収集された植物標本の中の S. adventitium とラベル付けされた彼の多数のコレクションの1つを、レクトタイプ(BP-352743)として選定した。[GBIF: Database of Vascular Plants of Canada (VASCAN)]
【SEInet;Solanum ptychanthum Dunal】
Eastern Black Nightshade, nightshade, West Indian nightshade, West Indian nightshade。米国北東部および隣接するカナダの維管束植物
枝分かれする1年生、15~60cm、無毛またはやや剛毛または特に上部に内曲した微軟毛がある。葉は葉柄があり、葉身は卵形~三角形、不規則に鈍い歯があるか、またはほぼ全縁、長さ2~8cm×幅1~5.5cm。花序柄は多数あり、斜上し、長さ3cmまで。小花柄は密に束生し(散形花序を形成し)、少なくとも果時に大部分が後屈し、成熟すると萼は長さ2~3mm、萼片はしばしば不等長であり、ときに後屈する。花冠は白色またはわずかに青みがかり、幅5~10mm。果実は球形で黒色、直径8mm、少なくとも若いうちは有毒。種子は多数、しばしば種子の半分の長さのほぼ球形の球状顆粒(concretions)が1~10個ある。倍数体系列は x=12 に基づく。生息地が乱れた世界各地に生息する雑草で、非常に多様化しているが、多くの試みにもかかわらず、まだ満足のいくほど個別の分類群に分けられていない。ここで説明されている北米原産の植物は、これまでのところすべて二倍体である。種レベルでのこれらの最も古い名前は、S. ptychanthum Dunal (S. americanum Mill.、おそらく誤用) である可能性がある。変種レベルでは、名前は S. nigrum var. virginicum L となる。典型的なヨーロッパの S. nigrum は、主に大西洋岸の港湾周辺でのみ見られる。これは六倍体で、より毛が多く、(毛は短く、±広がり、やや粘性がある)で、より総状花序状(それでもコンパクト)に近い花序がある。
【ontarioweeds.com および Go Botany:S. ptychanthumの解説】
北アメリカ原産。英名はeastern black nightshade , West Indian nightshade。帰化し、荒地、草地に生える。
1年草、高さ5~100(30~60)㎝。茎は直立し、普通、上部で多数、分枝し、ほとんど毛がない。(広く分枝するともいわれる。)葉は互生し、卵形又は菱形(diamond-shaped)、薄い緑色で、柔らかく、厚さが薄く半透明に近い。小さな花が小さな散形花序(小花柄は1点につく)に普通、1~4(2~5)個集まってつく。花柄は短く、葉腋でなく、茎の側面から突き出す。5裂し、萼片が5個ある萼は果実が大きくなっても大きくならない。花冠は白色又は淡紫色。5個の細い裂片がトマトの花のような星形をなし、直径おおよそ9~15㎜。葯は短く長さ1.3~2㎜。花の中心部は黄色の円柱状になる。果実は漿果(berry)、初め緑色から暗褐色~黒色に変わる。成果の直径5~9㎜。いくつかの扁平な種子と4~8個の小さな石のようなかけら(球状顆粒)を含む。種子は長さ1.4~1.8㎜。花期は6~11月。
14 Solanum erianthum D.Don ヤンバルナスビ
synonym Solanum verbascifolium auct. non L.
メキシコ、西インド諸島、中央アメリカ原産。日本、中国、台湾、熱帯アジア、オセアニアに広く帰化。中国名は假烟叶树 jia yan ye shu。
低木又は小高木、高さ1.5~10m、刺は無い。星状の綿毛が全体にある。葉柄は丈夫、長さ1.5~5.5㎝。葉身は卵状長円形~楕円形、長さ10~29㎝×幅4~12㎝、基部は楔形~鈍形、縁は全縁~波状縁、先は短い尖鋭形。花序は直立、頂生し、頭が平ら又は丸い円錐花序。花序柄は長さ3~10㎝。花柄は長さ3~5㎜。萼は鐘形、直径約1㎝。萼片は卵形、長さ約3㎜。花冠は白色、花冠裂片は長円形、長さ6~7㎜×幅3~4㎜。花糸は長さ約1mm。葯は長さ約2mm。花柱は無毛、長さ4~6㎜。液果は黄褐色、球形、直径約1.2㎝。種子は扁平、直径1~2㎜。花期と果期は通年に近い。
15 Solanum furcatum Dunal ソラナム・フルケイタム
synonym Solanum andinum Reiche
synonym Solanum coxii Phil.
synonym Solanum rancaguinum Phil.
アルゼンチン南部、チリ中部、チリ北部、チリ南部、フアンフェルナンデス島。 英名はbroad nightshade , forked nightshade。北アメリカ(カリフォルニア州、オレゴン州)、オーストラリア、ニュージーランドに帰化。
1年生または多年生で、直立または横に広がる草本または小低木、高さ1.0mまになり、亜木質で基部で分枝する。茎は広がるまたは傾伏し、円柱形またはうねがあり、緑色~帯紫色、古い茎は淡黄褐色、目立った中空はない。新枝にはまばらに毛があり、毛は単純で開出する単列の腺の無い毛で、1~5細胞、長さ0.1~0.5mmである。古い茎にはまばらに毛があるか無毛である。仮軸枝は2葉がつき(difoliate)、双生(geminate)ではない。葉は単葉で、長さ(1.5~)4.0~8.0(~12.0)cm、幅(0.6~)2.2~4.6(~6.5)cm、卵形~菱形、膜質、下面がわずかに淡く、無臭、上面には茎にあるものと同様の単純な単列の毛状突起がまばらに生え、葉身と葉脈に沿って均等に広がり、下面にはより密に毛が生え、主葉脈は4~6対。葉の基部は楔形~鋭形で、わずかに斜めで、葉柄に沿って沿下する。葉縁は波状の歯があるかまたは全縁、先は鋭形。葉柄は長さ1.0~3.5cm、茎にあるものと同様の単純で単列の毛状突起がまばらに生える。花序は長さ(1.0~)1.5~3.0(~4.0)cm、節間があり(internodal)、2股分岐するか(furcate)、まれに分岐せず、ほぼ散形花序または花が花序軸に沿って均等に並び、花は6~14個つく。花序柄は長さ (1.0~)1.5~2.0cm、真っ直ぐ。小花柄は長さ4.0~7.5mm、基部の直径0.2~0.3mm、先端部の直形0.3~0.4mm、真っ直ぐ、広がり、基部に関節がある。小花柄の痕跡は約0.2~2.5mm間隔で存在する。蕾はほぼ球形、花冠は開花前に萼筒から1/3~1/2突出する。花は5数性で、すべて完全花である。萼筒は長さ0.5~1.5mmで円錐形、萼片は長さ0.8~1.5mm、幅0.6~1.0mm、長方形~狭倒卵形、先は鈍形~短い鋭形、茎の毛と同じような単純な単列の毛があるが、より短い。花冠は直径12~20mm、白色~ライラック色で、基部近くの中央部分は緑色または黄緑色、ときに裂片の中脈近くは紫色を帯び、星形、基部の1/3~1/2まで分裂し、花冠裂片は長さ5.5~7.0mm、幅2.8~5.5mm、花時に強く後屈し、後に広がり、外側に密に毛があり、特に縁と先端に沿って1~4細胞の単列の単純な毛があり、これは茎や葉の毛よりも短い。雄しべは等長。花糸の筒部はごく短い。花糸の自由部分は長さ0.9~1.6(~2)mm、外側に毛があり、絡み合った単列の4~6細胞の単純な毛がある。葯は長さ2.3~3.3(~3.6)mm、幅0.8~1.0mm、楕円形、黄色、先端には孔があり(poricidal)、孔は老化とともに裂け目状に長くなる。子房は球形、無毛。花柱は長さ6.0~6.5mm、密に軟毛があり、葯の円錐(anther cone)に含まれる下部1/2~2/3に2~3細胞の単列毛があり、葯円錐から2~3mm突出し、やや湾曲する。柱頭は頭状で微細なパピラがあり、生きた植物では黄色または緑色。果実は球形の液果で、直径6~9mm、成熟すると鈍い緑色~紫色になり、果皮は薄く不透明である。果柄は長さ7~12mm、基部の直径は0.2~0.4mm、先端の直径は0.5~1.0mm、強く後屈し、成熟した果実とともに脱落し、宿存しない。果時の萼は増大せず、萼筒は長さ約1mm、萼片は長さ1.5~2.5mm、果皮に密着する。種子は1果あたり30~40個、長さ1.8~2.0mm、幅1.4~1.5mm、扁平で涙滴形、先端付近にへそがあり、黄褐色、表面に微細な穴があり、種皮細胞の輪郭は五角形。球状顆粒(石細胞)は1果あたり2~13個、最大径0.8~1.0mmだが大きさは様々。2n=6x=72 (Stebbins and Paddock 1949; Edmonds 1982, 1983)、ただし2n=2x=24 (Randell and Symon 1976; possible voucher identification issue)。
【Jepson eFloraの解説】
南アメリカ原産。標高200m以下の開けた、よくかき乱される場所に生える。
1年生または多年生草本、高さ50~120cm、一般に±- 横たわり、毛は分岐せず、まばら、±-湾曲する。葉は長さ3~10cm、卵形、±-全縁または不規則に少数の歯がある。花序は節間から生じ、花序軸は一般に2股分岐する。花房(clusters)は2個、散形花序または短い総状花序状。花序柄は成熟すると反曲する。花は6~14個つく。小花柄は長さ5~10mm。花: 萼片は長さ3~4.5mm。花冠は直径12~20mm、基部から1/3~1/2まで分裂し、白色~淡紫色、喉部と花冠裂片の基部の中脈は緑黄色。花糸の筒部は小さく、花糸の自由部分は長さ0.9~1.6mm。葯は長さ2~3.5mm、花柱に密着する。花柱は長さ6~6.5mm、葯よりかなり長い。果実は直径6~9mm、球形、緑色~暗紫色、熟すとすぐに脱落する。球状顆粒(clusters of stone cells:石細胞の塊)は6~14個、直径0.8~1.0mm。種子は30~40個、長さ1.5~2mm。染色体: 2n=72。花期は5~10月。
16 Solanum glaucophyllum Desf. ルリヤナギ 瑠璃柳
synonym Solanum malacoxylon Sendt
南アメリカ(ブラジル、アルゼンチン、ボリビア、パラグアイ、ウルグアイ)原産。英名はwaxyleaf nightshade。別名はスズカケヤナギ、リュウキュウヤナギ、チョウジカ。
常緑小低木。高さ(0.5)1~2(4)m。根茎は地下に広がり、株元からシュートを出し、緩く、分枝する。幹は無毛又はまれに毛があり、淡色で平滑、皮目がある。葉は互生し、短柄又は長さ1.5㎝以下、しばしばわずかに翼がある。葉身は柳の葉に似て狭楕円形~披針形、長さ6~18㎝×幅0.6~3.5(5)㎝、基部は楔形、先はやや鋭形、両面とも無毛(まれに有毛)、粉白色を帯び、青緑色、多肉質又は肉質。花序は茎上部の葉腋~腋生外(extra-axillary)~葉に対生し、ときに多数分枝して花を普通、20~50個又はそれ以上、散房花序状に下向きにつけ、花序柄は長さ1~3.5㎝。花序軸は2~7㎝。花柄は1~15㎜離れてつき、花時に長さ12~15㎜、果時に長さ15~20㎜、基部に関節がある。萼は縁を除いて無毛、広鐘形、先が5中裂し、直径2~3㎜、萼歯は長さ0.5~1.5㎜×幅1.5~2.5㎜、三角形、先が尖る。花冠は膜質、帯白色~ピンク色~紫色(薄紫色)で、しばしば中央が星形になり、直径10~30㎜(普通25㎜程度)、5裂する。花冠筒部は長さ5~8㎜。花冠裂片は広三角形、長さ4~10㎜、基部の幅5~10㎜。花冠の外側は毛があり、特に花冠裂片に多く、花冠の内側は花冠裂片の先以外は無毛。葯は普通、内側に曲がり、卵形、黄色~黄橙色、外側は平滑~粗い。子房は無毛。花柱は無毛、円筒形、長さ5~7㎜×幅0.25~0.5㎜。果実は球形、直径0.75~2㎝、無毛、熟すと暗紫色~青黒色、石細胞は無い。種子は約長さ4~6㎜×幅3.5~4㎜、角(かど)がある。2n=24。花期は7~9月
17 Solanum hirtulum Steud. ex A.Rich. ソラナム・ヒルトゥラム
synonym Solanum monactinanthum Dammer
synonym Solanum obtusifrons Bitter ex Pittier
エチオピア原産。標高2200~3500メートルの開けた草地、耕作地、川岸、森林、道路沿いに生える。
1年生から短命で、ほとんどが匍匐性の多年生草本、高さは5~20(~150)cm、枝は木質の直根から斜上する。茎は傾伏~斜上し、円柱形または沿下する葉の基部からごくわずかに翼ができ、緑色または麦わら色で、古い茎には刺がなく、黄褐色、目立った中空はない。新枝には中程度の軟毛があり、毛は単純で、前向き、単列で、腺が無く、5~7細胞で、長さ0.5~0.8mm、白色である。仮軸枝は2葉がつき(difoliate)、双生(geminate)ではない。葉は単葉で、長さ1.5~5.0(~6.0)cm、幅0.7~1.8cm、狭楕円形~披針形、基部に向かって次第に狭くなり、表裏同色で、無臭である。上面には茎の毛と同様、単純で単列の毛がまばらに均一にあり、下面にも、上面と同様に、少数の毛が均一に散在し、主葉脈は5~7対、基部は長く漸尖し、葉柄に沿下し、縁は全縁から波状、先は鋭形~尖鋭形、先端はわずかに丸みを帯びる。葉柄はなく、葉身組織は葉と茎の接合部まで伸びる。花序は長さ0.5~2.2cm、葉に対生し、単純でほぼ散形花序~短い総状花序、先端部に1~5個の花が密につき、茎の毛と同様、腹側に単純で単列の毛がまばらに生える。花序柄は長さ0.4~1.8cm、真っ直ぐ。小花柄は長さ0.7~1.6cm、基部と先端の直径は約0.5mm、太く、広がり、基部は明瞭である。小花柄の傷跡は花序軸の先端に密集して重なり合い、たまに基部の傷跡は1~2.5mm離れる。花芽は楕円形で、花冠は開花前に萼筒から半分突出する。花は5数性、すべて完全である。萼筒は長さ2.0~3.0mm、円錐形、萼片は長さ0.8~1.2mm、幅0.8~1.2mm、線状長円形、先端は丸く、茎や小花柄と同様に毛状突起が密にある。花冠は直径12~18(~20)mm、濃紫色~淡紫色、星形、基部の3/4まで裂け、花冠裂片は長さ4.5~8mm、幅2~3mm、広がるか後屈し、外側は密にパピラがあり、パピラ部分は縁と先端に沿うほど密になる。雄しべは等長、花糸の筒部は長さ約0.5mm、花糸の自由部分は長さ約0.5~1.0mm、外側には密に毛があり、絡み合った単純な単列の毛状突起がある。葯は長さ2.3~2.8mm、幅0.6~0.9mm、楕円形、黄色、先端には孔があり、孔は老化と乾燥により長い裂け目になる。子房は円形、無毛。花柱は長さ4.5~5.5mm、密に毛があり、基部の1/3に単純な毛があり、葯の円錐より約1mm突出する。柱頭は大きい頭状で、表面は微細なパピラがある。果実は球形の液果、直径5~6mm(未熟?)、成熟した液果の色は不明、果皮は薄く艶消しまたはいくらか光沢がある。果時の小花柄は長さ0.7~1.6cm、基部の直径0.5cm、先端部で直径1.0~1.2mm、太く基部がわずかに湾曲し、後屈し、成熟した果実とともに落下し、宿存しない。果時の萼は増大せず、筒部は長さ約1mm、萼片は長さ1~1.5mm、液果に密着する。種子は液果1個あたり(10~)20~35個、長さ1.8~2.0mm、幅約1.5mm、著しく扁平ではなく、涙滴形でほぼ先端にへそがあり、淡黄色、表面に微細な穴があり、種皮細胞の輪郭は五角形~長方形。球状花柱(石細胞)は1果あたり2個、直径約0.6mm。染色体数:不明。
18 Solanum interius Rydb. ソラナム・インテリウス
USA中部(コロラド州、アイダホ州、アイオワ州、カンザス州、モンタナ州、ネブラスカ州、ネバダ州、ニューメキシコ州、ノースダコタ州、オクラホマ州、サウスダコタ州、テキサス州、ユタ州、ワイオミング州)原産。英名はPlains black, deadly nightshade。標高(100~)500~2500mの牧草地、開けた森林地帯、渓流の谷、茂み、乱れた地域、砂質土壌に生える。
草本または低木、1年生から短命の多年生植物、直立、無柄、高さ1mまで、疎~密に軟毛が生え、毛は分岐せず、通常長さ1mmまで、腺がない。葉は葉柄があり、葉柄は長さ0.5~3.5cm、葉身は単葉、卵形~卵状披針形、長さ4.5~11cm×幅2.5~7cm、縁は全縁から波状の歯があり、基部は楔形~円形またはわずかに沿下する。花序は腋外生(extra-axillary)、分岐せず、花が(2~)3~8個つき、長さ2.5~3.5cm。花序柄は花時に広がり、果時には反り返る。萼片は花後に増大せず、無棘で、不等長、最も長い萼片は長さ2~5mm、まばらに毛があり、萼片は披針形、ときに果時に反り返る。花冠は白色、ときに紫色を帯び、中央に帯黄色の星があり、星形で、直径0.5~1cm、花弁間組織はない。雄しべは等長。葯は楕円形、長さ1.8~2.5mm、先端の孔が裂けて縦方向に裂開する。子房は無毛。液果は光沢のある紫黒色、球形、長さ1~1.5 cm、無毛で、2~4個の球状顆粒(sclerotic granules)がある。種子は黄褐色、扁平、長さ1.8~2mm×幅1.5~1.6mm、細かい網目模様がある。2n=24(n=12)。花期は6~10月。
Solanum interius は北米固有種で、グレートプレーンズとロッキー山脈東部で最もよく見られる。特徴的なのは、基部の花の小花柄の関節が基部のかなり上にあり、種子が非常に大きい(長さ1.8~2mm)ことである。テキサス州では、S. interius と S. nigrescens の区別が非常に難しい場合があるが、S. interius の萼片は通常より長い(長さ2~5mm)。サスカチュワン州で記録されている S. interius は、実際には S. emulans である。
19 Solanum laciniatum Aiton ソラナム・ラキニアツム
synonym Solanum aviculare var. laciniatum (Aiton) Domin
synonym Solanum laciniatum f. novozelandicum Herasim.
オーストラリア(ニューサウスウェールズ州、南オーストラリア州、タスマニア州、ビクトリア州、西オーストラリア州)、ニュージーランド(北島、チャタム島)原産。英名はlarge kangaroo apple , bullibul , bullibulli , pōpopo , poroporo , poroporotanguru。中国名は澳洲茄 ao zhou qie。観賞・薬用の栽培種であり、ヨーロッパ、東アジア(中国、ロシア、ベトナム)に帰化し、日本でも栽培されている。栽培名はシホウカ 紫宝華。
Solanum laciniatumとSolanum aviculareを比較すると海外で最も普通に見られるのはSolanum laciniatumであり、しばしば、誤ってSolanum aviculareと呼ばれている。日本でシホウカという名で流通しているのはSolanum laciniatumであり、カリフォルニアで野生化しているのもSolanum aviculareでなく、Solanum laciniatumである。Solanum aviculareは2倍体であり、Solanum laciniatumはその4倍体としてSolanum aviculareにまとめる見解もあるが、最近では別種として扱う見解が主流である。両者の違いは次のとおり。
Solanum laciniatumは染色体数が2n=92、花がかなり大きく直径(3)4~5㎝(暗紫色~青紫色)、花冠裂片が幅広で、フレアー(フリル)があり、先が円形~凹形、種子が大きく長さ2~2.5mm。ニュージーランド、オーストラリアに広く分布し、普通に見られる。Solanum aviculareは染色体数が2n=46、花が小さく直径2.5~3.5(4)㎝(普通、淡青色、ときに暗紫色、白色又は青色と白色の縞)、花冠裂片が鋭形、種子が小さく長さ1~1.5(2)mm。ニュージーランド(ケルマデク諸島, ノーフォーク諸島, northern South Island andチャタム諸島)に自生する。
【Flora of Victoriaの解説】
低木、高さ3m以下、緑色、茎はしばしば紫色を帯び、若いときに小さな腺毛がある以外は無毛、刺は無い。葉は分裂又は全縁、先は尖鋭形、基部は漸尖し、表裏同色、普通、無毛。分裂する葉は広卵形、長さ9~38㎝、裂片は深く、長さ2~13㎝×幅0.3~2㎝、葉柄は長さ1~4㎝。全縁の葉は披針形、長さ5~20㎝×幅1~4㎝、葉柄は長さ0.5~1㎝。花序は単純又は基部で又状に分枝し、花は10個以下、1次の花序柄は長さ0~4㎝、花柄は長さ1.5~3㎝。萼は長さ4~6mm、萼片は三角形、長さ2~3mm、果時にわずかに大きくなる。花冠は車形、直径30~50mm、濃紫青色、裂片にノッチがある。葯は長さ3~4mm。液果は卵形~楕円形、直径15~20mm、黄色~橙黄色。種子は長さ2~2.5㎜、赤褐色、石細胞(stone-cell)は顆粒、はとんどが長さ2~2.5㎜。花期は春~夏。(Flora of Victoria)
【Flora of New Zealandの解説】
無毛、刺は無く、柔らかい木質の低木、高さ3m以下。茎はしばしば紫色~緑紫色。葉は葉柄があり、同じ株で全縁又は羽状全裂(1~4対裂片をもち、時に中肋近くに届く)、長さ10~40㎝。全縁の葉は幅5㎝以下(羽状全裂の葉の裂片は幅2㎝以下、披針形~線状披針形、ときに、±楕円形)、基部は葉柄に沿下し、先は鈍形~尖鋭形。集散花序は花が2~10個、花序柄は花時に長さ18㎝以下、細い。花柄は果時に垂れ下がる。萼は長さ5~8mm、果時に大きくなる。萼片は広卵状三角形、微突形、萼筒よりかなり短い。花冠は普通、直径4~5㎝、青紫色(violet)ほとんど無毛。裂片は非常に幅が広く、かなり浅く、±凹形。葯は長さ3~4mm。液果は長さ23~30mm、卵形~楕円形、垂れ下がり、普通、黄色又は淡橙色。石細胞(stone cells)は明瞭で、種子と同じ大きさが又は大きい。種子は直径2.2~2.5 ㎜、±倒卵形だが、やや非対称。
【The Jepson Herbariumの解説】
高さ 2~4 m の低木、常緑、一般に無毛。葉は長さ10~40cm、披針形~楕円形または卵形、全縁または深裂し、披針形の裂片が1~3(4)対ある。花序は葉と対生し、または分枝した枝につき、総状花序状で一般に枝分かれしない。花は1~10個。小花柄は長さ15~30mm。萼は長さ4~6mm、果時に大きくなり、果実に密着する。花冠は直径30~50mm、青紫色、非常に浅く分裂し、縁は波打ち、花冠裂片の先端は切れ込みがある。葯は長さ3~4mm、花糸とほぼ等長、花柱に密着しない。花柱は長さ7~10mm。果実は直径15~20mm、±卵形、黄色~±橙色。球状顆粒(clusters of stone cells)が豊富。種子は多数、長さ2~2.5mm。2n=92。花期は6~10月。特に海岸や都市部に近い開けた、一般的に乱れた場所などの標高400m未満に侵入している。Bohs (FNANM 14:435) によると、S. aviculare はカリフォルニアに生息しているが、標本は確認されていない。S. aviculare は、広がった波状の縁のない、先端が尖った完全な花冠裂片を持ち、果実は明るい橙色~赤色、2n=46。
20 Solanum lasiocarpum Dunal オニハリナスビ 鬼針茄子
synonym Solanum ferox auct. non L.
中国(広東省、広西チワン族自治区、雲南省)、台湾、インド、バングラデシュ、スリランカ、カンボジア、ラオス、ミャンマー、タイ、ベトナム、インドネシア、マレーシア、フィリピン、パプアニューギニア、オーストラリア、アンダマン諸島、ビスマルク諸島、ソロモン諸島原産。中国名は毛茄 mao qie 。英名はIndian nightshade。標高200~1000mの渓谷や谷間の湿地、茂み、開けた森林、道路の近く、湿気の多い場所、密林に生える。
草本または亜低木、直立または広がり、高さ1~1.5m、刺があり、全体に密に毛が生え、淡黄色の多細胞の星状毛がある。茎と枝は太く、平ら、直立またはわずかに反り返った長さ1~8mmの刺がある。葉柄は長さ3~8cm、しばしば柄のある星状毛と直立した刺がある。葉身は卵形、長さ10~20cm×幅8~18cm、茎と同様な毛があり、下面はより密で、両面の脈に沿って刺があり、基部は切形またはほぼ矛形、縁は5~11の波状の裂片があり、先は鋭形。花序は外腋生(extra-axillary)、数輪咲き、サソリ形総状花序、長さ1.2~2cm。花序柄は長さ約3mm。花は雄性同株(andromonoecious:同一株に両性花と雄花が混在)。小花柄は長さ約1cm。萼片は卵形で、長さ8~10mm。花冠は白色、ほぼ車形、長さ1~1.2cm×幅2cm。花糸は非常に短い。葯は披針形、尖鋭形で、長さ7~8mm。花柱は長さ約9mm、無毛。果時の小花柄は直立し、長さ1~1.5cm。果時の萼片はやや大きく、反り返る。果実は橙色、球形で、直径約2cm、密に星状の粗毛があり、綿毛は宿存する。種子は褐で、直径約2mm。花期は6~10月。果期は11~12月。
21 Solanum linnaeanum Hepper et P.M.Jaeger キダチハリナスビ 木立針茄子
南アフリカ、モザンビーク、ジンバブエ原産。英名はapple-of-Sodom , black-spine nightshade , poison-apple , Sodom-apple。砂質土壌に群生する。低木、高さ1m、星状毛と単純な腺毛が生え、ほとんどの部分に帯黄色の棘が散在する。葉は楕円形、約・長さ4~8cm×幅3~6cm、深裂し、±表裏同色で緑色、上面はまばらに毛が生え、下面はより密に毛が生える。葉柄は長さ1~2cm。花序は花が3~6個つく。花序柄はないかまたは短い。小花柄は長さ10~15mm。萼は長さ7~8mm、萼片は長さ2~4mm。花冠は星状車形~五角形、直径15~20mm、淡紫青色。果実は直径20~30mm、黄色、最終的には褐色または黒色になる。花期は1年中(NEW SOUTH WALES FLORA ONLINE)。
22 Solanum lyratum Thunb. ヒヨドリジョウゴ 鵯上戸
synonym Solanum lyratum Thunb. var. maruyamanum Honda
synonym Solanum lyratum Thunb. f. leucanthum (Nakai) Sugim.
synonym Solanum kayamae T.Yamaz. オキナワヒヨドリジョウゴ
synonym Solanum lyratum var. filamentaceum Hayashi イトホロシ
synonym Solanum lyratum Thunb. f. purpuratum Konta et Katsuy. ムラサキヒヨドリジョウゴ
synonym Solanum lyratum Thunb. f. xanthocarpum (Makino) H.Hara キミノヒヨドリジョウゴ
日本(北海道、本州、四国、九州、沖縄)、朝鮮、中国、カンボジア、ラオス、タイ、ベトナム原産。中国名は白英 bai ying多年草。蔓性(長さ0.5~3m)で全体に腺毛が生える。葉は互生し、長さ3~10㎝の卵形で、基部は心形。下部の葉は深く朝顔形に1~2裂する。花は集散花序につき、白色、稀に淡紫色(濃い紫色:オキナワヒヨドリジョウゴ)、直径約10㎜。花冠は5裂し、裂片は長さ約4㎜、反り返り、基部に緑色の班点がある。場所により切れ込みの浅いものもある。雄しべ5個。葯は長さ2.8~3.2㎜、黄色~褐色。花糸は長さ0.8~1㎜。花柱は長さ6~8㎜、雄しべの間から長く突き出る。液果は直径7.5~9.5㎜、11月頃、真っ赤に熟す。種子は長さ1.5~2.5㎜、扁平、淡褐色、周囲に翼がある。花期は8~9月。
23 Solanum lycopersicum L. トマト
synonym Lycopersicon esculentum Miller
synonym Solanum lycopersicum L. var. cerasiforme (Dunal) Fosberg マメトマト
ペルー原産。英名は garden tomato , tomato。中国名は蕃茄 fan qie。1年草、不規則に広がり、高さ0.6~2m、粘性のある軟毛があり、匂いがある。葉柄は長さ2~5㎝。葉身はほとんどが羽状複葉又は分裂し、ときに全縁、長さ10~40㎝、基部は斜めの楔形、先は鈍形。小葉はほとんどが5~9個、小葉柄は無又は有、不等長、卵形~長円形、長さ5~7園地、全縁又は不規則な歯状、まばらに腺直軟毛がある。花序柄は長さ2~5㎝、分枝はほとんど無又は無、しばしば、花が3~7個つく。花柄は長さ1~1.5㎝。萼は車状鐘形。萼片は披針形。花冠は直径2~2.5㎝。花冠裂片は狭長円形、長さ8~10㎜、しばしば後屈する。花糸は長さ約1㎜。葯は長さ6~10㎜。花柱は長さ約1.2㎝。液果は赤色又は橙黄色、ほぼ球形、肉質、多汁、光沢がある。種子はわら色、長さ2~4㎜、長軟毛がある。花期は5~9月。果期は9~11月。
品種) '1402' , '7718 VF' , 'Abbie' , 'Abraham Lincoln' , 'Acclaim' , 'Ace 55' , 'Ace' , 'Action' , 'Advance' , 'Advantage' , 'Affirm' , 'Alberto' , 'All Star' , 'Allegro' , 'Alondra' , 'Alpine' , 'Alta Royal' , 'Alta' , 'Amana Orange' , 'Americana' , 'Amex VFN' , 'Amigo' , 'Amur' , 'Anahu' , 'Andino' , 'Andre' , 'AP 529' , 'AP 533' , 'AP 539' , 'Apex 1000' , 'Apex 2000' , 'APT 127' , 'APT 266' , 'APT 403' , 'APT 410' , 'APT 5923' , 'AR King' , 'Atila' , 'Atkinson' , 'Atlantic City' , 'Atomic' , 'Attention' , 'Aunt Ruby's German Green' , 'AV 5131 Ranch' , 'AV 5715 EVA' , 'Avalanche' , 'Aza Fran' , 'Azoychka' , 'Aztec' , 'Baccarat' , 'Baja' , 'Bald Mountain' , 'Baqueano' , 'Barbarian' , 'Baron' , 'Basket King' , 'Basket Pak' , 'Beebe's Early Prolific' , 'Beef King' , 'Beefeater' , 'Beefsteak VFN' , 'Bellstar' , 'Benchmark 402' , 'Benewah' , 'Best Boy' , 'Better Brandywine' , 'Better Girl' , 'BHN 189' , 'BHN 444' , 'Bicentennial' , 'Big Beef' , 'Big Mama' , 'Big Pick' , 'Big Red' , 'Big Set' , 'Bingo' , 'BJs Classic Pink' , 'Black Plum' , 'Blackhawk' , 'Blazer' , 'Boa' , 'Bonita' , 'Bonnyvee' , 'BOS 20/20' , 'BOS 3203' , 'BOS 707' , 'BOS 8033' , 'BOS 8066' , 'BOS 8095' , 'BOS 8132' , 'BOS 8147' , 'Bouncer' , 'Bounty' , 'Bradley' , 'Brandy Boy' , 'Brandywine, Black' , 'Brandywine, Pink' , 'Bravo' , 'Breeders' , 'Brehms Solid Red' , 'Brian' , 'Brigade' , 'Burgess Hybrid No.1' , 'Burgess Hybrid No.2' , 'Burgess Hybrid No.3' , 'Burgis' , 'Burpeeana Early Hybrid' , 'Burpee's Big Early' , 'Burpee's Big Girl' , 'Burpee's Bucks County' , 'Burpee's Bunch' , 'Burpee's Burger' , 'Burpee's Calcross' , 'Burpee's Globemaster' , 'Burpee's My Baby' , 'Burpee's Pixie' , 'Burpee's Sweetmeat' , 'Burpee's Table Talk' , 'Burton' , 'Bush Big Boy' , 'Butte' , 'Cabernet' , 'Cambria' , 'Cannery Row' , 'Capitan' , 'Captiva' , 'Caravelle' , 'Carleton' , 'Carmelita' , 'Carnival' , 'Caro Rich' , 'Caro' , 'Carolina Gold' , 'Casadvance' , 'Cascade' , 'Casino Royale' , 'Caspian Pink' , 'Castle 499' , 'Castle Crown' , 'Castle King' , 'Castle Red' , 'Castlehy 1017' , 'Castlehy 1204 Improved' , 'Castlejay' , 'Castlelong UG' , 'Castlemor Improved' , 'Castlepeel II' , 'Castlerock' , 'Castleroyal' , 'Castlette' , 'Cavalier' , 'Celebrity' , 'Celtics' , 'Centennial Rocket' , 'Centennial' , 'Centurion' , 'Challenger' , 'Cherokee Purple' , 'Cherry King' , 'Cherry Royale' , 'Cherry Supreme' , 'Cherry Sweet' , 'Chesapeake' , 'Chico Grande' , 'Chunky' , 'Cisco' , 'Classy Lady' , 'Climbing Trip' , 'Cobia' , 'Cobra' , 'Cold Set' , 'Colonial' , 'Columbian' , 'Colusa' , 'Condor' , 'Conquest' , 'Conquistador' , 'Consul' , 'Contessa' , 'Corona' , 'Coronado' , 'Coronet' , 'Cortez' , 'Cougar' , 'Count Fleet' , 'Count' , 'Crackproof Pink' , 'Creole' , 'Crimson Fancy' , 'Crimsonvee' , 'Cronos' , 'CRT Hybrid' , 'Culiacan Superior' , 'Cyriuss' , 'Danson 112' , 'Danson 145' , 'Danson 149' , 'Danson 152' , 'Dawn' , 'Daybreak' , 'Del Oro' , 'Delaila 404' , 'Delicia' , 'Delsher' , 'DeVille' , 'Diamond State' , 'Diego' , 'Diva' , 'Dixville' , 'Dona' , 'Doublerich' , 'Dr. Carolyn Pink' , 'Drava' , 'Droplet' , 'Duchess' , 'Duke' , 'Duven' , 'Dwarf Bush no. 506' , 'Dwarf Italian' , 'Dynamo' , 'E.S. 24' , 'Eagle' , 'Earlibright' , 'Earlimech' , 'Earlinorth' , 'Earlirouge' , 'Early Boy Hybrid' , 'Early Cascade' , 'Early Chatham' , 'Early Delicious' , 'Early Eastern Hybrid' , 'Early Fireball' , 'Early Giant' , 'Early Hycross' , 'Early Jersey' , 'Early Lethbridge' , 'Early Market S.C.' , 'Early Pak No.7' , 'Early Pak' , 'Early Pear 336' , 'Early Pick VF' , 'Early Scarlet' , 'Early Set' , 'Early Summer Sunrise' , 'Early Sunblest Hybrid' , 'Early Wonder' , 'Earlypak 707' , 'Eastern States' , 'EF 110' , 'EF 163' , 'EF 49' , 'EF 50' , 'EF 51' , 'EF 52' , 'EF 99' , 'El Cano' , 'Emperador' , 'Empire' , 'Enchantment' , 'Endura' , 'Epoch' , 'Equinox' , 'Essary' , 'Eva' , 'Everbearing' , 'Exito 401' , 'Explorer' , 'F2M 428 V.F.' , 'Falcon' , 'Fame' , 'Fantastic' , 'Faribo Golden Heart' , 'Faribo Hybrid E' , 'Faribo Hybrid M' , 'Faribo Hybrid SE' , 'Faribo Jumbo Red' , 'Federle' , 'Felix' , 'Fire Bird VF' , 'Fireball VR' , 'Fireball' , 'Firechief' , 'Firenze' , 'First Lady' , 'First Prize' , 'Flash' , 'Flavor Boy' , 'Flavor King' , 'Flavorific' , 'Flavormore 210' , 'Flavormore 212' , 'Flavormore 215' , 'Flora Terrific' , 'Flora' , 'Florabred' , 'Floragold Basket' , 'Floralina' , 'Florasette' , 'Florida 47' , 'Florida 91' , 'Florida Basket' , 'Florida Lanai' , 'Florida MH' , 'Florida Petite' , 'Florimerica' , 'Foremost E21' , 'Fortune' , 'Fourth of July' , 'Freedom' , 'French Rose' , 'Freshmarket 9' , 'FTE 30' , 'Full House' , 'Galaxy' , 'Garden State' , 'Gardener' , 'Gardeners Choice' , 'Gator' , 'Gem Pear' , 'Gem State' , 'Gemini' , 'Gempride' , 'Gemstar' , 'Genoa [NVH 4759' , 'German' , 'Giant King' , 'Giant Valentine' , 'Gibraltar' , 'Glacier' , 'Glamour' , 'Gloria' , 'Gold Dust' , 'Gold Nugget' , 'Golden Boy' , 'Golden Girl' , 'Golden Marglobe' , 'Golden Sphere' , 'Goldie' , 'Grand Pak' , 'Grand Prix VF' , 'Grandstand 98' , 'Granny Smith' , 'Granola' , 'Green Grape' , 'Grothens Globe' , 'Gurney Girl' , 'H2710' , 'H300' , 'H3044' , 'H3302' , 'H7155' , 'H8704' , 'H8773' , 'H8892' , 'H8893' , 'H9035' , 'H9144' , 'H9175' , 'H9230' , 'H9280' , 'H9382' , 'H9478' , 'Halley 3155' , 'Harbon' , 'Harkness' , 'Harrow' , 'Harvester' , 'Harvestvee' , 'Hawaii' , 'Hawk' , 'Hayslip' , 'Heatmaster' , 'Heatwave' , 'Heinz 102' , 'Heinz 1350' , 'Heinz 1370' , 'Heinz 1439' , 'Heinz 14451' , 'Heinz 14456' , 'Heinz 1548' , 'Heinz 15489' , 'Heinz 1630' , 'Heinz 1706' , 'Heinz 1939' , 'Heinz 2134' , 'Heritage' , 'Hermitage' , 'Highlander' , 'Hilds De Plum' , 'HM 2824' , 'HM 2867' , 'HM 4700' , 'HM 4878' , 'Hoffman's Rentita' , 'Homestead 24' , 'Homestead Elite' , 'Homestead No.2' , 'Homestead' , 'Horizon' , 'Humaya' , 'Hungarian Giant' , 'Hunter' , 'Husky Gold' , 'Husky Pink' , 'Husky Red' , 'Hy 337' , 'Hy 882' , 'Hy' , 'Hybrid 5040' , 'Hybrid 724' , 'Hybrid 896' , 'Hybrid 898' , 'Hybrid 922' , 'Hybrid 980' , 'Hybrid EE' , 'Hychimo' , 'Hypack 2409' , 'Hypeel 219' , 'Hypeel 287' , 'Hypeel 562' , 'Hypeel 696' , 'Ida Red' , 'Improved Bay State' , 'Improved Colossal Crimson' , 'Improved Colossal Orange' , 'Improved Colossal Red' , 'Improved Colossal Yellow' , 'Improved Garden State' , 'Improved Solid Red' , 'Incas' , 'Indark' , 'Independence' , 'Irene' , 'Isola' , 'J. Moran' , 'Jack' , 'Jackpot' , 'Jaune Flammee' , 'Jet Star' , 'Jetsetter' , 'Johnny Jumpup' , 'Juliet' , 'Jumbo Hybrid' , 'Kabob' , 'Kamuka' , 'Kauai' , 'Kellogg's Breakfast' , 'Kenearly' , 'Keno' , 'Keystate Hybrid' , 'Keystone 40' , 'Kings' , 'Kolea' , 'Kopiah' , 'Kyndia' , 'L1626' , 'L2624A' , 'L2624C' , 'L2624H' , 'L300OR' , 'La Bonita' , 'La Rossa' , 'Lanai' , 'Large German Cherry' , 'Largess' , 'Largo Hybrid' , 'Lassan' , 'Leading Lady' , 'Legend' , 'Lemon Boy' , 'Lenor' , 'Liberator' , 'Liberty' , 'Liri' , 'Little Dandy' , 'Little Girl' , 'Little King' , 'Lollipop' , 'Loran Blood' , 'Loteria' , 'Louisiana Dixie' , 'Louisiana Gulf State' , 'Lucky Cross' , 'Lucky Draw' , 'Lucky Lady' , 'Lumina' , 'Luscious' , 'Mac Pink' , 'Macero II' , 'Macero' , 'Madona' , 'Mainpak' , 'Majesty' , 'Manahill' , 'Manalee' , 'Manasota' , 'Mandarin Joy' , 'Manhattan' , 'Manitoba' , 'Maranda' , 'Margarith' , 'Marianna's Peace' , 'Marina' , 'Marion' , 'Marizol Gold' , 'Marmande' , 'Maui' , 'Maxim PS' , 'Maya' , 'Mechanical Harvester 1205VF' , 'Mecheast 22' , 'Medford' , 'Merced' , 'Meteor' , 'MHVF 6203' , 'MHVF 9209' , 'MHVF Hybrid 596' , 'MHVF Hybrid 785' , 'MHVF Hybrid 789' , 'Milagro' , 'Mingo' , 'Mingold' , 'Mini Red Cherry' , 'Mini Red Currant' , 'Mini Red Pear' , 'Mini Red Plum' , 'Mini' , 'Miracle Sweet' , 'Miramar' , 'Missouri S' , 'Missouri' , 'Mistic' , 'MoCross Supreme Hybrid' , 'Mogambo' , 'Moira' , 'Molokai' , 'Monaco' , 'Monarch Hybrid' , 'Monica' , 'Monroe' , 'Monte Carlo' , 'Monte Verde PVP' , 'Montello' , 'Moran 3053' , 'Moran Perfected' , 'Morden BB3' , 'Morden' , 'Moreton Hybrid' , 'Mosage' , 'Moto' , 'Mountain Belle' , 'Mountain Delight' , 'Mountain Fresh' , 'Mountain Gold' , 'Mountain Pride' , 'Mountain Spring' , 'Mountain Supreme' , 'Mozark' , 'Murrieta' , 'Mustang Hybrid' , 'Mystro' , 'Nahomi' , 'Nautico' , 'NCX 315 VF' , 'NCX 317 VF' , 'Nema 1200' , 'Nema 1201' , 'Nema 1400' , 'Nema 1401' , 'Nemared' , 'Neptune' , 'New Hampshire Victor' , 'New Ida' , 'New Jersey 300' , 'New Yorker' , 'Niagara VF 316' , 'Niagara VF 318' , 'Niihau' , 'Nodak' , 'Norcal' , 'Northern Delight' , 'Nova' , 'Oahu' , 'Octavio' , 'Odessa' , 'Ohio 2070' , 'Ohio 2170' , 'Ohio 2470' , 'Ohio 736' , 'Ohio 7663' , 'Ohio 7681' , 'Ohio 7814' , 'Ohio 7870' , 'Ohio 7983' , 'Ohio 8243' , 'Ohio 8245' , 'Ohio 832' , 'Ohio 8556' , 'Ohio Crack Resistant Red' , 'Ohio OX38' , 'Ohio Wilt Resistant Globe' , 'Ohio WR Brookston' , 'Ohio WR Jubilee' , 'Ohio WR Seven' , 'Omar's Lebanese' , 'Ontario Pink 774' , 'Ontario Red 775' , 'Ontario' , 'Opalka' , 'Orange Banana' , 'Orange Chatham' , 'Orange King' , 'Oregon Cherry' , 'Oregon Pride' , 'Oregon Spring' , 'Oregon Star' , 'Organic Enterprise' , 'Orion' , 'Oroma' , 'Ottawa 39' , 'Ottawa 78' , 'Ottawa' , 'Owyhee' , 'Ozark Pink' , 'Pacesetter 490' , 'Pacesetter 510' , 'Pacesetter 600' , 'Pacesetter 694' , 'Pacesetter 882' , 'Pacific' , 'Pampas' , 'Pan America' , 'Parker' , 'Parks Early Challenge' , 'Park's Whopper' , 'Parma' , 'Passion' , 'Patio Prize' , 'Patio' , 'Patriot' , 'Payette' , 'Pearl Harbor' , 'Pearmech' , 'Pearpack' , 'Pearson Improved' , 'Peelbrite 1648' , 'Peelmech' , 'Pegasus' , 'Pennheart' , 'Pera Mia' , 'Perfect Peel' , 'Peto Early Canner Hybrid' , 'Peto Pride No. 2' , 'Peto Pride' , 'Peto' , 'Petogro' , 'Petomech II' , 'Pic' , 'Pickmaster VF' , 'PickRipe 504LSL' , 'Pickrite VF' , 'Piedmont' , 'Pik Ripe 193' , 'Pik Ripe 193LSL' , 'Pik Ripe 747LSL' , 'Pik Ripe 748LSL' , 'Pikred' , 'Pink Prize' , 'Pink Vogue' , 'Pinklady' , 'Pinkwrap' , 'Pioneer' , 'Plainsman' , 'Plum Dandy' , 'Pole King' , 'Polish Linguisa' , 'Porterhouse' , 'Prairie Dawn' , 'Prairie Pastemaker' , 'Prairie Schooner' , 'Presto' , 'Prime Beefsteak' , 'Processor 278' , 'Processor 40' , 'Propak' , 'Pruden's Purple' , 'PS 150046' , 'PS 150440' , 'PS 57990' , 'Purdue 1361' , 'Quali T 21' , 'Quali T 23' , 'Queens Knight Hybrid' , 'Queens' , 'Quick Pick' , 'Quinte' , 'Radosa' , 'Rafter' , 'Ranch' , 'Rapids' , 'Rebel Red' , 'Red Agate' , 'Red Beauty' , 'Red Century' , 'Red Cloud' , 'Red Cushion' , 'Red Express 238' , 'Red Global' , 'Red Lode' , 'Red Magic' , 'Red Pickler' , 'Red Satin' , 'Red Sun' , 'Redbush' , 'Redpak' , 'Regency GH 403' , 'Reliant' , 'Reno' , 'Reverend Morrow’s Long Keeper' , 'Revolution' , 'Rhode Island Early' , 'Rideau' , 'Riesentraube' , 'Rio Doral' , 'Riverside' , 'Road Runner' , 'Rock Star' , 'Rockingham' , 'Roma VF' , 'Roma' , 'Rose Beauty' , 'Rose de Berne' , 'Roulette' , 'Royal Ace VF' , 'Royal Chico' , 'Royal Delight' , 'Royal Flush' , 'Royal Mountie' , 'Royal Star' , 'Roza' , 'Rubyvee' , 'Rushmore' , 'Rutgers 8828' , 'Saladmaster' , 'Salvador' , 'San Marino' , 'San Marzano Large Fruited' , 'San Quinton' , 'Sandra' , 'Sanibel' , 'Santa Clara' , 'Santa Fe' , 'Santiago' , 'Santiam' , 'Saturn' , 'Saucy' , 'Scala' , 'Scotia' , 'Season Opener' , 'September Dawn' , 'Shady Lady' , 'Sheyenne' , 'Short Red Cherry' , 'Show Girl' , 'Sierra Madre' , 'Sierra Sweet' , 'Siletz' , 'Silverado' , 'Simba' , 'Simi' , 'Single Beefsteak VFN' , 'Sioux' , 'Siouxann' , 'Sivestre' , 'Small Wonder' , 'Smithbright' , 'Smoothie' , 'Snake' , 'Solar Set' , 'Solid Red Strain A' , 'Solid Red Strain B' , 'Solido' , 'Solimar' , 'Sonar' , 'Sonnet' , 'Sorrento' , 'Southland' , 'Spartan Hybrid' , 'Spartan Red 8' , 'Spectrum 151' , 'Spectrum 385' , 'Spectrum 579' , 'Spitfire' , 'Springfield' , 'Springtime' , 'Stair' , 'Stallion' , 'Stanislaus 55' , 'Starfire' , 'State Fair' , 'Steakhouse Cherry' , 'Stella' , 'Stemless Pennred' , 'Stokescross No.1' , 'Stokescross No.5' , 'Stokesdale' , 'Stripper' , 'Sugar Daddy' , 'Sum' , 'Summer Prolific' , 'Summer Salad' , 'Summer Sunrise' , 'Summerset' , 'Summit' , 'SUN 0289' , 'SUN 7705' , 'Sun Chaser' , 'Sun Leaper' , 'Sunbeam' , 'Sunbolt' , 'Sunbrite' , 'Sunburst' , 'Sunchief' , 'Suncoast' , 'Sundance' , 'Sundrop' , 'Sungem' , 'Sunglobe' , 'Sungold' , 'Sunguard' , 'Sunjay' , 'Sunmaster' , 'Sunny' , 'Sunoma' , 'Sunpak' , 'Sunpride' , 'Sunray' , 'Sunrise' , 'Sunset' , 'Sunshine' , 'Sunstart' , 'Sunstation' , 'Super 528' , 'Super Bush' , 'Super Chief' , 'Super Gold Hybrid' , 'Super K' , 'Super Red' , 'Super Star' , 'Superb Hybrid' , 'Superior' , 'Superman' , 'Supermarket' , 'Supersonic' , 'Surecrop' , 'SureFire' , 'Sweepstakes' , 'Sweet Baby Girl' , 'Sweet Cluster' , 'Sweet Quartz' , 'Sweet Tangerine' , 'Sweetie' , 'SXT 0289' , 'SXT 6245' , 'SXT 6252' , 'SXT 6615' , 'SXT 6624' , 'SXT 7705' , 'T&T Monster' , 'Tamiami' , 'Tango' , 'Tara' , 'Taxi' , 'Taylor' , 'Tayrona' , 'Tecumseh' , 'Tempo' , 'Temprano' , 'Tendear' , 'Tenna' , 'Texas Wild' , 'Texto 2' , 'Texto No.1' , 'The Beef' , 'Tierra' , 'Tiny Tiger' , 'Tiny Tim' , 'Tip Top Trellis' , 'Tivoli' , 'Tom Tom' , 'Tomboy' , 'Topaz' , 'Toro' , 'Toyboy' , 'Trellis 22' , 'Trent' , 'Tres Rios' , 'Trimson' , 'Trinity Pride' , 'Triumph' , 'Trojan' , 'Tropic' , 'Tuckcross 756P' , 'Tuckcross K' , 'Tuckcross M' , 'Tuckcross O' , 'Tuckcross V' , 'Tuckcross W' , 'Tuckers Forcing' , 'Tuppecanoe' , 'Turrialba No.2' , 'Turrialba' , 'Ultimate Giant' , 'Uniset' , 'Ural' , 'Urbana' , 'V 121' , 'V 548' , 'V Marzano M' , 'V Marzano P' , 'Vagabond' , 'Valiant' , 'Valley Girl' , 'Valley Pride' , 'Valnorth' , 'Valor' , 'Vantage' , 'Vaughans Early Hybrid' , 'Veebrite' , 'Veecrop' , 'Veegan' , 'Veeking' , 'Veemore' , 'Veepick' , 'Veepro' , 'Veeroma' , 'Vega' , 'Vegas' , 'Vendor' , 'Ventura' , 'Venus' , 'Veronica' , 'Vetomold' , 'VF 10' , 'VF 109' , 'VF 14' , 'VF 145 B' , 'VF 145 B1' , 'VF 145 F5' , 'VF 145' , 'VF 198' , 'VF 270' , 'VF 36' , 'VF 365' , 'VF Earlypak 909' , 'VF Earlypak' , 'VF Napoli' , 'Viceroy' , 'Victor' , 'Victoria Supreme' , 'Vinequeen' , 'Vinered' , 'Viscount' , 'Vision' , 'Vista' , 'Vita' , 'Viva Italia' , 'Vivid' , 'VR Moscow' , 'Vulcan' , 'Wabash' , 'Walter' , 'Waltham Mold' , 'Waltham Scarlet' , 'Washington State Forcing' , 'Weshaven' , 'Westernred' , 'Westover' , 'Willamette' , 'Wiltmaster' , 'Window Box Roma' , 'Window Box' , 'Winner' , 'Winners Circle' , 'Wisconsin 55' , 'Wisconsin Chief' , 'Wolfpack 1' , 'Wolfpack 2' , 'Wonder Boy VFN' , 'Wonder Boy' , 'Wondervee' , 'Xena' , 'Yaqui' , 'Yellow Currant' , 'Yellow Pear' , 'Yellow Plum' , 'Yuba' , 'Zorba' , 'Zuley'
日本で栽培されている主な品種) CF桃太郎ファイト , アイコ , アニモ , アメーラ , イエローピコ , イエローキャロル , 越のルビー , 黄寿 , キャロル7 , ごくとま , こくみラウンド , ココ , サンマルツァーノ , シシリアンルージュ , チカ , ・デリシャス金光トマト , にたきこま , ハイピール , ピッコラルージュ , ファーストトマト , ブラック , ポモロッソ , ボンジョルノ , マウンテンゴールド , みそら64 , 桃太郎 , 桃太郎ギフト , 桃太郎グランデ , 桃太郎はるか , 桃太郎ファイト , 桃太郎ピース , 桃太郎ホープ , 桃太郎ヨーク , りんか409 , ルネッサンス , 麗旬 , 麗容 , レモントマト , ローマ
24 Solanum macaonense Dunal ヤイマナスビ
synonym Solanum lasiostylum (Y.C.Liu et C.H.Ou) Tawada
synonym Solanum torvum Swartz var. lasiostylum Y. C. Liu & C. H. Ou.
中国、台湾、フィリピン原産。中国名は山茄 shan qie 。別名はセイバンナスビ低木、高さ1~1.5m、ほとんど刺がある。全体に軟毛があり、有柄の星状毛がある。茎は暗色又は帯黄色、丈夫、刺があり、刺は基部が広く、反曲又は後屈し、長さ2.5~10㎜×幅2~10㎜。葉は単生又はやや不等長の対でつく。葉柄は長さ2~4㎝。葉身は卵状楕円形、長さ10~18㎝×幅3~12㎝、乾くと色が変わり、下面は無毛になるか又はまばらに柄の無い星状毛があり、上面は密に柔らかい綿毛ががあり、密に帯白色の短柄の毛をもち、基部は鈍形、円形、又は楔形、縁はほぼ全縁又は波状の6~7浅裂し、先は鋭形。花序は腋外生(extra-axillary)、多数の花がつく集散花序。花序柄はほとんど1~3分枝し、長さ1~2.3㎝、星状軟毛があり、柄のある毛をもつ。葉柄は長さ4~8㎜、綿毛がある。萼は長さ3~5㎜、軟毛がある。萼片は卵状披針形、長さ6~7㎜×幅2~3㎜、外面に軟毛があり、広がり、ときに後屈する。花糸は長さ約0.5㎜。葯は長さ5~5.5㎜。花柱は長さ7~8㎜、基部に微軟毛があり、星状毛と単純毛をもつ。果時の花柄は直立し、長さ1~1.3㎝、星状軟毛がある。果時に萼は大きくならない。液果は赤色、直径5~8㎜。種子は円盤形、直径約1.5㎜。花期と果期は通年。
25 Solanum macrotonum Bitter ソラナム・マクロトナム
synonym Solanum diodontum Bitter
synonym Solanum frutescens A.Braun & C.D.Bouché
synonym Solanum leonii Heiser
synonym Solanum megalophyllum Bitter
synonym Solanum paredesii Heiser
中央アメリカ(グアテマラ、エルサルバドル、コスタリカ、パナマ)、西インド諸島(ドミニカ共和国、ジャマイカ、)、南アメリカ(エクアドル、コロンビア、ベネズエラ)原産。
多年生草本、基部は木質、高さ0.7~2m、おそらくたまに1年生または数年しか存続しない。茎は円柱形または角張り、棘状の突起があり、「蔓状」と表現されることが多く、アーチ状になり、他の植物に絡みつき、しばしば乾くと黒灰色になる。若い茎には密に毛があり、長さ0.5~1mmの単列で単純な腺の無い毛があり、毛は乾くと白色になり、すぐに無毛になる。新しく生える部分には若い茎のように密に白色の毛があり、無毛になる。古い茎の樹皮は緑色~緑褐色。仮軸枝は2葉(difoliate)または1葉で、双生(geminate)ではない。葉は単葉で、たまに基部近くに少数の歯状の歯があり、長さ(2)4~10(12)cm、幅(0.8)1.8~4.5(5.5)cm、楕円形~狭倒卵形、ときに厚い(多肉質と表現される)が、膜質である場合が多く、上面にはまばらに毛があり、毛は単純な3~4細胞の単列の毛でありまたはほぼ無毛で、毛状突起は葉脈と中脈上により密であり、下面は上面と同様にまばらに毛があるかまたは無毛、毛状突起は葉脈に沿ってより密であり、主葉脈は5~7対、乾くと、下面は乾くとより淡色になり、基部は葉柄へ急に漸尖し、縁は全縁~基部近くにまばらに歯があり、先は鋭形~狭鋭形。葉柄は長さ0.5~2.5cm、茎や葉と同じように、前向きの単列の毛がまばらに生える。花序は節間に生じるか、ごくまれに葉と対生し、長さ0.7~4cm、分岐せず、花が2~3(7)個、花序軸の上部に密集(ほぼ散形花序)し、茎や葉と同じように、単列の毛がまばらに生える。花序柄は長さ0.5~4cm。小花柄は長さ1~1.3cm、基部の直径は約0.5mm、先端の直径は約1mmで、徐々に細くなり、比較的頑丈に見え、赤紫色または紫色と表現されることが多く、開花時に広がり、まばらに毛があるかまたは無毛で、基部は関節状になる。花序の先端部に小花柄の傷跡が密集し、その間隔は0.5mm未満、たまに最下部の傷跡の間隔は2mmまでになる。花芽は広楕円形~ほぼ球形、花冠は開花前に萼筒から長く突出する。花は5数性、完全である。萼筒は長さ1~1.5mmの円錐形で、萼片は長さ0.5~0.8(1)mm、幅0.5~1mm、広三角形、先は鋭形、まばらに毛があり、小花柄の毛のような単純な単列の毛状突起があるか、ほとんど無毛である。花冠は直径10~20mm、白色~ライラック色またはライラック色を帯び、中央部分は黄緑色、星形、基部まで1/2~2/3の長さで裂け、裂片は長さ4~6mm、幅1.5~3mm、三角形で後屈するか、開花時に広がる。雄しべは等長。花糸の筒は小さくほとんど見えず、花糸の自由部分は長さ1~2mm、内側には絡み合った単純な単列の毛がある。葯は長さ(2.7)3~4mm、幅1~1.5mm、楕円形、明るい黄色、表面は平滑、先端には孔があり、孔は老化とともにスリット状に長くなる。子房は無毛。花柱は長さ5~6mm、密に毛があり、葯錘に含まれる基部半分に、葯錘から突出した、絡み合った単純な単列の毛がある。柱頭は頭状または微小頭状で、明るい緑色、表面は密にパピラがある。果実は球形の液果で、直径0.8~1cm、緑色で熟すと黒色になるか、熟しても緑色のままのことがあり (Nee & Whalen 16839)、不透明で、果皮は薄く、多少光沢があるが、それほど鮮やかではない。果時の小花柄は長さ15~17mm、基部の直径0.7~1mmから先端の直径1.5~2mm(cmとなっているが誤り)まで細くなり、やや木質で、強く曲がる(標本標本ではごくまれに広がって見える)。果実が成熟すると落ちるが、たまに花序に残ることもある。果時の萼は増大せず、萼筒は長さ1~1.5(2)cm、果実に密着、萼片は長さ0.5~1mm、密着または先端が広がる。種子は1果実あたり(10)30~50個、長さ1.2~1.5mm、幅0.8~1mm、涙滴形、黄褐色~赤褐色、表面に微細な穴があいており、種皮細胞は五角形で、へそ近くではより細長く長方形。球状顆粒は1果実あたり(2)4~5(6)個、直径0.5~0.7mm。2n=2x=24 (Heiser 1955、S. leonii として)、2n=6x=72 (Heiser 1963、S. paredesii として)。[Sandra Knapp etc.(2019)]
Solanum macrotonum は分布域全体で S. nigrescens と広く同所的に分布し、メキシコおよび中央アメリカ北部では S. douglasii と同所的に分布する。1果あたり通常4~5個の球状顆粒を持ち、果実は黒色で光沢の程度は異なる点でこれらに類似している。S. nigrescens とは葯が長い(2.5mmではなく4mm)であることと、より頑丈で長い果時の小花柄が強く後屈することで区別できる。S. douglasii とは、より長い花糸に厳密に楕円形の葯 (S. douglasii の葯はわずかに先細りであることと、同様に果時の小花柄が強く後屈することで異なる。植物標本集の注釈の多くは標高に基づいている (Bohs 2015 のコメントを参照) ため、こうした判定には注意が必要である。葯の測定は、明確に同定を行うための最良の方法である。一般的に、S. macrotonum は S. nigrescens よりもわずかに高い標高を占め、雲霧林に限定されているように見えるが、S. nigrescens は標高の範囲が広く、生態学的耐性がある。[Sandra Knapp etc.(2019)]
26 Solanum mammosum L. ツノナス 角茄子
メキソコ、ブラジル、ニカラグア、コスタリカ、グアテマラ、ホンジュラス、パナマ、ボリビア、コロンビア、エクアドル、ペルー、ベネズエラ、ガイアナ、スリナム、西インド諸島原産。英名はmacawbush , nipplefruit , pig's-ears 。中国名は乳茄 ru qie 。
多年草又は低木(日本の栽培では1年草)、高さ約1m。おびただしい刺があり、絨毛があり、星状毛と単純毛が混じり、一部に腺毛が混じる。茎には長軟毛があり、腺毛が混じり、針状でときにわずかに曲がった帯黄色の刺があり、刺は長さ4~12㎜×幅3~5㎜。葉はほとんどが対につく。葉柄は長さ2.5~8㎝。葉身は広卵形~ほぼ円形、長さ5~12㎝×幅5~10㎝、(3~)5(~7)裂し、絨毛があり、長さ0.8~2㎝の針状の刺が主脈上にあり、基部は心形、先は鋭形~鈍形。花序は腋外生(extra-axillary)、サソリ形の総状花序、花が3~4個つく。花序柄は痕跡。花柄は長さ5~10㎜。咢は茎と同じように軟毛があり、ときに刺がある。咢片は卵状披針形、長さ5~6㎜。花冠は紫色、緒系2.5~3.2㎝。花冠裂片は長円状披針形、長さ2~2.2㎝×幅0.4㎝、外側の絨毛がある。雄しべはほぼ等長、花糸は長さ約1㎜。葯は狭く、披針形、長さ1~1.2㎝。花柱は長さ約3㎜。液果は黄色、古くなると暗色になり、ナシ形、長さ4.5~7㎝×幅3~4㎝、パピラのある1~5個のこぶを基部にもつ。中果皮は白色、スポンジ状。種子は暗褐色、やや扁平、直径3~4㎜。花期は夏。果期は秋(9~11月)。
27 Solanum mauritianum Scop. ダイオウナスビ 大王茄
南アメリカ(アルゼンチン、ブラジル、ウルグアイ)原産。英名は bugtree , ear-leaf nightshade , tobacco-wood , wild tobacco , wild tobacco-bush , wild tobacco-tree。アフリカ、オーストラリアなどに帰化している。
低木または小高木で、高さは最大4m。茎は白いフェルト状、刺はない。葉は葉柄があり、葉身は楕円形~狭倒卵形、長さ250mmx幅100mm・以下、先は鋭形~尖鋭形、基部は円形、縁は全縁、灰緑色、上面はビロード状、下面は白いフェルト状。花は頂生、束生し、丈夫で、花数が多い。花冠は紫色、直径約10mm。果実は鈍い黄色の液果で、直径約10~15mm。
大型低木または小高木、高さ4.5(5)mまで、常緑で、悪臭を放ち、棘がない。毛は星状毛で無柄または長い柄があり、ときに中央に長い放射状毛と少数の単純な多細胞の毛が生え、新しいシュートでは緩く、綿毛状になり、小さな腺毛もある。枝は白色のフェルト状の毛で厚く覆われ、古くなるとほぼ無毛になる。葉は単生。葉柄は長さ1~5.5cm、通常基部に1~2個の無柄で、斜めの卵状鎌形で先が丸い、耳のような葉があり、変色した偽托葉は長さ1.3~4cmx基部で幅0.9~2.5cm。葉身は膜質または紙質、長さ4.5~29.5cmx幅1.5~13cm、楕円形~卵状披針形、ときに±長円形、基部は丸みを帯びた楔形、不等に葉柄に沿下し、先はやや鈍形、通常長い尖鋭形、全縁またはほぼ波状、上面はビロード状の毛があり、下面は明らかに色が淡色、密な綿毛があり帯白色のフェルト状。集散花序は頂生で側生し、太く、2股分枝し、散房花序形または±円錐花序形、幅6.5~12cm、±凝縮し、多数の花がつく。花序柄は長さ8~18cm、太く、密にフェルト状の毛がある。小花柄は長さ2~5 mm。萼は長さ5~7mm、わずかに増大し、深く分裂し、密にフェルト状の毛があるか、または綿毛状の綿毛(floccose-tomentose)がある。萼筒は鐘形。萼片は長さ2~4.5mm×幅2~3mm、卵状三角形~卵状披針形または長円形で、鋭形または鈍形。果時には長さ6mm×幅4mmに拡大する。花冠は青色~紫色または藤色で、基部に淡い「星」があり、星形または受け皿形で、幅12~18mm、外側は綿毛があるが、萼片より密ではない。花冠裂片は長さ4~6mm×幅3~5.5mm、卵形~三角形または披針形、±鋭形。雄しべの花糸は長さ0.5~1mm。葯は長さ2.5~3mm、狭い楕円形、両端が窪む。子房は直径約1mm、ほぼ球形、綿毛がある。花柱は長さ5~6mmで雄しべを超え、±真っ直ぐ、下半分~3分の2に星状毛がある。果実は熟すと鈍黄色になり、わずかに光沢があり、直径9~12mm、±球形、密に星状毛または綿毛があり、古くなると無毛になり、有毒で、ほぼ先端に2個の不規則に扁平な硬質顆粒(sclerotic granules)がある。種子は淡黄色~黄金色、長さ2~2.2mm×幅1.5~1.8mm、腎形、レンズ形または卵形の輪郭で微細な網目模様がある。
白っぽいフェルト状の小木で高さ5mまでになる。葉は卵形~楕円形、色は変色し、長さ25cmまでになる。花は頂生の散房花序に密集し、紫色、直径10mmまでになる。液果は黄色、直径10mm、ビロード状。
低木、小高木、高さ5mまでになる。栄養部と萼片は密に帯白色のフェルト状の毛がある。茎は後に無毛となり、条線がある。葉は卵形~楕円形、最大・長さ250mm×幅100mm、不均等な基部が葉柄に沿下し、上面は緑色のビロード状の星状毛が生える。葉柄は長さ約40mmまで。托葉は卵形、長さ20mm×幅15mm、無色。花序は密、花序柄は長さ100mm以下。萼は長さ7mm、萼片は±三角形。花冠は±皿形で、長さ10mm、直径15mm、紫色、外側に非常に毛が多い。果実は球形の液果、黄色に変わり、直径10mm、密に毛があり、萼は宿存する。種子はレンズ形、直径2mm、細かい穴があり、黄金褐色。花期は1年中。
高さ5mまでの小木または低木で、棘はない。葉は全縁で、下面は密に星状綿毛があり、上面はビロード状の星状毛がある。花序は頂生。花冠は直径12mm。果実は帯黄色。花はすみれ色または紫色。 [e-Flora of South Africa]
28 Solanum maximowiczii Koidz. マルバノホロシ 円葉白英
日本固有種(本州の関東以西、四国、九州、沖縄)
多年草。つる性、全体に無毛。葉は葉柄があり、長さ5~10㎝、幅1.5~4㎝の狭楕円形~狭卵形、先はやや尾状に細くなり、基部は楔形~円形。若葉には点状の突起毛がまばらにある。直径約1㎝の白色~淡紫色の花を集散花序につける。花冠は5深裂し、基部が緑色を帯び、裂片が反り返る。液果は直径7~10㎜の球形、赤く熟す。種子は形がややいびつ、長さ2.5~3㎜、扁平、淡褐色、周囲に翼がある。花期は8~9月。
29 Solanum megacarpum Koidz. オオマルバノホロシ 大円葉白英
日本(北海道、本州の広島県以東)、サハリン原産。
多年草。地下に匍匐する根茎がある。茎は柔らかく、褐色、少し毛があるか又は無毛、円柱形、まばらに分枝し、枝はややつる性となる。葉は互生し、葉柄は長さ1.5~2.5㎝、短毛がある。葉身は卵形~狭卵形、長さ4~9㎝×幅2~4㎝、葉先は短い鋭形、全縁、基部は円形、ほとんど無毛だが、葉縁、葉脈上に短毛が生ある。集散花序は葉より長く、花を数個~10個つける。萼は皿形で、先は5裂する。花冠は直径1~1.5㎝、青紫色、のど部が黄色くなり、5深裂する。花冠裂片は先が尖り、基部から後屈する。雄しべは5個、花の中心部に集まって直立し、葯は長さ約5㎜、黄色、細長い槍形、先端が小さく裂開する。子房は2室。花柱は糸状。液果は楕円形、長さ12~15㎜、先がやや尖り、赤色に熟す。花期は8~9月。
30 Solanum melongena L. ナス 茄子
世界中で食用に栽培される栽培種。中国名は茄 qie。英名はaubergine , brinjal eggplant , eggplant。
草本又は亜低木、高さ60~100㎝、控えめに刺があり、有毛、星状毛がある。茎や枝に微細な綿毛があり、ときに丈夫な下向きに曲がった刺がある。葉柄は長さ2~4.5㎝。葉身は卵形~長楕円状卵形、長さ6~18㎝×幅5~11㎝、星状の綿毛があり、又はときに両面に少数の細かい刺があり、下面に密にある。葉の基部は斜め、葉縁は波状に分裂し、葉先は鈍形。花序はほとんどが単生花、まれに縮小した総状花序。花序柄はほとんど無い。花は雄花両性花同株。花柄は長さ1~1.8㎝。咢には星状の綿毛があり、しばしば、外面に長さ約3㎜の刺をもつ。咢片は披針形。花冠は帯紫色又はバイオレット色、車形、長さ3~5㎝。花冠裂片は三角形、長さ約1㎝。花糸は長さ約2.5㎜。葯は長さ約7.5㎜。花柱は長さ4~7㎜。液果は黒色~紫色、紫色、ピンク色~褐色~黄色、完全に熟して帯黄色、形や大きさは非常に変化が多いが、ほとんど直径6㎝以上ある。果実は厚い、スポンジ状の白色を帯びた果皮や中隔部;をもつ。種子はレンズ形、帯黄色、長さ2.8~3.9㎜×幅2.5~3.5㎜。n = 12, 18, 24 。花期は6~9月。世界中で栽培され1000種以上の品種があるといわれている。
品種) 'Ab5018 Rz' (PBR) , 'Ab5044 Rz' , 'Ab5103 Rz' , 'Ab5135 Rz' , Ab5195 Rz' , 'Ab5401 Rz' , 'Ab5480 Rz' , 'Ab5902 Rz' , 'Adele' (PBR) , 'Adona' , 'Amalia' (PBR) , 'Baby Rosanna' , 'Balsas' , 'Banka' , 'Bejo 3121' , 'Belg Egg Fries' (PBR) , 'Belg Isaura' (PBR) , 'Bingo' , 'Black Beauty' , 'Black Gem'(PBR) , 'Black Pearl' , 'Black Prince' , 'Bonica' , Br-12 , Br-23 , Br-38 , 'Dobar' , 'Dusky , 'Eep237042'(PBR) , 'Eep237079' , 'Egpl 206' , 'Egpl 208' (PBR) , 'Eop237046' , 'Eop237074' , 'Erp237045' , 'Esmeralda' , 'Estelle' (PBR) , 'Fabiola' , 'Fairy Tale' , 'Falcon' , 'Flemish Egg' (PBR) , 'Galine' , 'Giotto' , 'Jackpot' , 'Jessy' (PBR) , 'Jet Black Round' , 'Jewel Amethyst' , 'Jewel Ivory' , 'Jewel Jade' , 'Jewel Jet' , 'Kaberi' , 'Kylie' (PBR) , 'Large Violette' , 'Leticia'(PBR) , 'Listada de Gandia' , 'Listade de Gandia' , 'Long Green' , 'Lydia' (PBR) , 'Machiaw' , 'Melonga' , 'Meronda' , 'Monarca' (PBR) , 'Moneymaker' , 'Nerea' (PBR) , 'Onita' , 'Ova' , 'Pandea' , 'Pingtung Long' , 'Pink & White Round' , 'Pinstripe' , 'Pot Black' , 'Riado' , 'Rihanna' , 'Rima' , 'Ritmo' , 'Rosheen'(PBR) , 'Sabelle'(PBR) , 'Scorpio' , 'Shirley' (PBR) , 'Skoutari' , 'Slice Rite' , 'Snowy' , 'Taurus' (PBR) , 'Tinto' , 'Tuna' , 'Vernal' , 'Violetta Lunga' , 'Violetta Lunga 2' [by RHS]
【日本での栽培】
ナスは原産地が不明であるが、中国から伝来したと考えられている。奈良時代には記録があり、奈良時代以前に渡来したと推定されている。日本での栽培の歴史も長く、日本の各地で古くから作り出された日本品種が多数あり、180種を越えるといわれている。
日本の品種系統) 千両茄子 , 長茄子 , 大長茄子 , 小茄子 , 細長茄子 , 中長茄子 , 水茄子 , 小丸茄子 , 丸茄子 , 大丸茄子 , 白茄子 , 緑茄子
30-1 Solanum melongena subsp. melongena ナス 狭義
30-2 Solanum melongena subsp. cumingii (Dunal) J.Samuel モンパナスビ
synonym Solanum undatum Lam. モンパナスビ
synonym Solanum cumingii Dunal
synonym Solanum undatum Lam.
synonym Solanum incanum auct. non L.
中国(広東省、広西チワン族自治区、貴州省、海南省、雲南省)、インド、パキスタン、アッサム、スリランカ、ブータン、ミャンマー、バングラデシュ、ラオス、マレーシア、タイ、ベトナム、フィリピン、インドネシア(ボルネオ、ジャワ、小スンダ列島、スラウェシ、)、モーリシャス、レユニオン、マダガスカル原産。中国名は野茄 ye qie。英名はdevil's apple , apple of Sodom。標高200~1100mの茂み、斜面に生える。
草本または亜低木、直立、高さ0.5(~2)m、星状毛があり、通常、棘がある。茎と枝には毛深い綿毛があり、柄のある多放射枝毛の星状毛があり、無毛になり、まばらにほとんどが真っ直ぐな針状の棘がある。葉は不等の対生、葉柄は長さ1~4cm、葉身は卵形または楕円形で5~12(~14.5)×4~7cm、綿毛があり、柄のある無柄多条毛があり、葉脈に短く頑丈な棘がある。基部は鈍形または切形で斜、縁は5(~7)波状裂片、先は鋭形または鈍形。花序は腋外生、数個の花がつくサソリ形総状花序、長さ約2.5cm。花序柄は非常に短い。花は雄花両性花同株(andromonoecious)。小花柄は長さ0.5~2cm。萼は鐘形、長さ6~9mm×幅1~1.5cm。萼片は三角状披針形、約・長さ5mm×幅2mm、密に星状毛がある。花冠は青紫色または白色、星状車形、長さ1.5~2cm×幅1.5~3cm。花冠裂片は広三角形または卵形、約・長さ10mm×幅5mm、外側に星状毛がある。花糸は長さ1.5~1.8mm、無毛。葯は楕円形、長さ5~8mm。花柱は長さ5~6mm、無毛。果時の小花柄は長さ2.5~5cm、屈曲し、まばらに星状毛があり、棘がある。果時の萼は宿存し、わずかに大きくなり、毛があり、棘がある。果実は黄色、球形、直径2~3cm、無毛。種子はレンズ形、直径2~3mm。花期は3~7月。果期は5~12月。
31 Solanum memphiticum Mart. ソラナム・メンフィティカム
synonym Solanum grossedentatum A.Rich.
synonym Solanum hirsutum (Vahl) Dunal
synonym Solanum hirsutum var. abyssinicum Dunal
アフリカ(ブルンジ、エリトリア、エチオピア、ケニア、ルワンダ、ソマリア、スーダン、タンザニア、ウガンダ、イエメン、ザイール)、アジア南西部(パレスチナ、サウジアラビア、シナイ半島)原産。標高800~3000(~3500)mの森林や乾燥地帯の開けた場所や小川沿いに生育し、東アフリカでも栽培され、葉は野菜として食べられ、果実も食べられる。日本でムラサキイヌホオズキ(紫犬酸漿)の学名とされていることもあるが、茎は紫色を帯びず、全体に粘性のある腺毛が多く、葉を潰すと悪臭があり、別種である。
一年生または短命で、生育が遅く、高さ1.5mまでの多年生草本植物で、木質化し、基部で分枝する。茎は広がるか傾伏し、円柱形またはときにわずかに角張り、緑色で、古い茎は緑色または麦わら色で、目立った中空でない。新枝には密に粘性の軟毛があり、単純で開出し、単列で、腺毛と無腺毛が混在し、これらは3~10細胞で、長さ0.5~2mm、腺毛がある場合は先端に単細胞の腺がある。古い茎は無毛。仮軸枝は2葉がつき(difoliate)、双生(geminate)ではない。葉は単葉で、長さ(1.5~)2~9cm、幅(0.8~)1.2~5.5cm、楕円形~卵形、基部の3分の1で最も幅が広く、膜質、表裏同色、潰すと悪臭があり、上面は中程度に粘性毛があり、茎と同様に長さ0.5~2mmの腺毛と腺のない毛が混在し、葉脈に沿って密にあり、下面は密に粘性毛があり、同様の腺毛と無腺毛が混在し、葉脈と葉身に均等に分布し、基部は鋭形、その後漸尖し、葉柄に向かって沿下し、縁は全縁またはしばしば不規則な歯があり、歯は長さ2~4mmで鋭形、先は鋭形~尖鋭形で、先端はしばしば鈍く、通常はいくらか丸みを帯びる。葉柄は長さ0.5~1.5cm、下降する葉の基部から翼状になる。花序は長さ1~2.5(~3)cm、節間があり、単純、散形花序~ほぼ散形花序、先端に(2~)3~5(~8)個の花が密につき、茎と同様に腺毛と無腺毛が混在する単純毛の単列を持つ。花序柄は長さ0.9~2(~2.3)cm、真っすぐ。小花柄は長さ7~9mm、基部の直径は約0.5mm、先端の直径は0.5~0.8mm、広がり、花序軸と同様に密から中程度の粘性毛を持ち、基部に関節がある。小花柄の傷跡は花序の先端に密集し、基部の花の傷跡は残りの傷跡から1~2mm離れる。花芽は球形~卵形、花冠は開花前に萼筒から半分以上突出する。花は5数性、すべて完全花。萼筒は長さ1~2.5mm、深い円錐形で、萼片は長さ1~1.5(~2)mm、幅0.5~0.8mm、長三角形、先は円形、密に粘性の毛があり、長さ約0.5mmの腺毛と腺のない毛が混在する単列の単純毛がある。花冠は直径(8~)10~12mm、白色、車状星形~星形で、基部の約2/3までの裂片があり、裂片は長さ4~5mm、幅3~4mmで、開花時に広がるか後屈し、外側に微細な毛状のパピラがあり、単純な腺のない長さ約0.2mmの毛があり、乾燥すると白色になる。雄しべは等長、花糸の筒部は微細、花糸の自由部分は長さ0.5~1mm、無毛、またはたまに、内側に少数の絡み合った単列の単純な毛状突起がある。葯は長さ(2~)2.5~3mm、幅0.75~1mm、楕円形、黄色、先端には孔があり、孔は老化と乾燥により裂け目状に長くなる。子房は球形、無毛、花柱は長さ4~6mm、下部1/4に微細な微軟毛があり、無毛の花糸を持つ植物では単にパピラがあり、葯の長さの約半分まで突出する。柱頭は頭状球形、生きた植物では明るい緑色、表面は微細なパピラがある。果実は球形の液果で、直径7~10mm、熟すと黒色になり、果皮は薄く、艶消しでやや半透明。果時の小花柄は長さ0.8~0.9cm、基部の直径は約0.75mm、先端の直径は約2mmで、やや木質、曲がって広がる(車輪のスポークのように見えることが多い)、成熟した果実とともに落ち、宿存しない。果時の萼はやや増大し、萼筒は長さ2.5~3mm、萼片は長さ2.5~4mm、幅約1.5mm、ややへら形、密着して広がり、果実の約半分を覆う。種子は1果あたり10~30個、長さ1.5~2.5mm、幅1.5~2mm、扁平で涙滴形、頂端にへそがあり、淡褐色、表面に微細な穴があり、種皮細胞はほぼ五角形で縁は波状。球状顆粒(石細胞)は1果あたり2個、直径0.3~0.7mm、通常は果実の基部近くにつく。染色体数:2n=6x=72(Bhiravamurty and Rethy 1983; Olet et al. 2015), 2n=4x=48。
1年草又は多年草、高さ1m以下、直立、斜上、又は傾伏し、密に枝があり、しばしば、木質の基部又は塊根から生じる。茎はしばしば、薄緑色、密に粘り、淡色の長い開出する腺毛と短い腺の無い毛が混じり、しばしば、土がついて帯褐色に見える。葉は普通、薄緑色、卵形、菱形又は披針形、長さ2.5~6(~10.5㎝×幅1.5~3.6(~7)㎝、基部は切形で茎に沿下し、縁は波状歯~欠刻状、多数の小さな、鈍形~鋭形の裂片をもつが、上部の葉はときに、全縁~波状、先は鋭形~鈍形、表面は絨毛があり、毛は茎と同じ。葉柄は長さ(1~)2~3.5(~5)㎝。花序は腋外生(extra-axillary)、単純、花時に散形花序、ときに果時に緩い直立の集散花序になり、花は3~5(~6)個。花序柄は花時に直立、長さ0.7~1.9㎝、果時に長さ1.1~2.2(~3.5)㎝。花序柄は花時に後屈し、長さ5~9㎜、果時に長さ9~13㎜、軸に密に絨毛がある。萼は鐘形、長さ2~3.5(~4)㎜、外側に密に絨毛があり、特に萼片の縁に多い。萼片はへら形~倒卵形、長さ0.8~2㎜×幅0.3~0.9㎜、果時に大きく、三角形で長さ2.2~4(~5.5)㎜×幅1.5~3㎜になり、果実の基部から後屈してつく。花冠は白色、基部が半透明の黄色又は黄緑色の星形があり、ときに脈~裂片が紫色になり、星形、直径8~15㎜。花冠筒部は長さ1~1.3㎜。花冠裂片は卵形~三角形、長さ2.5~4(~5)㎜×幅1.2~2.8(~3.5)㎜、外面に絨毛があり、花後に開出する。花糸は薄緑色、長さ0.5~1(~1.5)㎜、無毛。葯は黄色、長さ1~2(~2.5)㎜×幅0.5~0.8㎜。子房は緑色、長さ0.8~1.5㎜×幅0.8~1.4㎜、2室。花柱は膝状関節のあり(geniculate)、真っすぐになり、緑色、長さ(2~)2.5~4.5㎜。下半部に直軟毛又は絨毛があり、1㎜以下突き出る。柱頭は緑色、頭状、直径、0.1~0.4㎜。果実は液果、紫色~黒色、又は表皮(cuticles)が半透明のときに黄緑色、球形~広卵形、直径5~9㎜、基部には先の尖った三角形の咢片がつく。やがて果柄と一緒に落ち、しばしば裂けて開き、一方では残ったままである。種子は果実に63個以下、黄色~黄褐色、倒卵形、長さ1.4~2㎜×幅1.1~1.6㎜。球状顆粒がしばしば1~5個あり、直径0.5~0.7㎜。(Flora of Tropical East Africa. 2012[FTEA])
※南アメリカ原産又は南アフリカ原産ともいわれる。葉がやや大きいが、従来からムラサキイヌホオズキと思われるものを確認した。学名はSolanum memphiticumといわれているが、上記のとおり参考12に詳しい解説があり、紫色を帯びず、腺毛が多く全くの別物である。
ムラサキイヌホオズキと思われるものを確認した。確認したものは茎が紫色を帯び、よく基部で分枝し、斜上し、あまり高くならない。全体の外観はイヌホオズキやアメリカイヌホオズキに似ている。葉の質はアメリカイヌホオズキより厚い。日当たりのよい場所に多い小型の株の葉は葉身の長さ3~5.5㎝、幅1.5~3.5㎝、葉柄長さ1~3㎝と小さい。湿気が多い場所や、畑の中では全体に大きく、大きい葉は長さ9㎝、幅5.5㎝、葉柄の長さが5㎝あった。上部の葉まで幅が広く、葉の切れ込みがイヌホオズキやアメリカイヌホオズキの波状の切れ込みよりやや深いものから、アメリカイヌホオズキに近いものまである。花は小さく淡紫色を帯びたものがほとんどのため、アメリカイヌホオズキに似ている。しかし、花の大きさは株によって全く違い、大きい花ばかりの株もあった。葉が大きい株は花も大きい。果実はあまり熟したものがなく、アメリカイヌホオズキに熟し方も似ている。しかし、果実は明らかに大きく、フケ状班紋がやや多く、光沢がある。果実中の種子数は100個を超えることがなく、アメリカイヌホオズキより少なく、種子がやや大きい。球状顆粒は2~6個あり、5、6個のものが多いが、少ないものもある。同じ花序の果実は球状顆粒の数も似ているため、少しの果実を調べただけではテリミノイヌホオズキかアメリカイヌホオズキのどちらかの球状顆粒数になる可能性が高く、見つけにくいものだと思われる。花序につく花数は4~5個が多く、アメリカイヌホオズキに近いが、1個のものは見つからなかった。球状顆粒数と花序につく花数がアメリカイヌホオズキにはあてはまらない。テリミノイヌホオズキは球状顆粒数が2~4(6)であり、ほぼ一致する。テリミノイヌホオズキの1形と思われる。
32 Solanum miyakojimense T.Yamaz. et Takushi イラブナスビ 伊良部茄子
synonym Solanum indicum auct. non L.
synonym SSolanum procumbens Lour.
日本固有種(宮古諸島)。海岸沿いの岩場に生える。
亜低木、茎は広がり、高さ約30cm、枝は緩く分かれ、枝は分かれ、斜上し、平滑、直径2~3mm、初めは密で次にまばらに白色の星状毛があり、まばらに刺があり、刺は長さ2~4mm、ほぼ円柱形、無毛。葉は互生し、葉柄は長さ 2~10mm、密に白色の星状細柔毛があり、葉身は厚い紙質で、わずかに肉質、広卵形、長さ 1.5~4cm×幅1~2.5cm、先は鈍形、基部は鈍形または円形、縁には2~3個の粗い歯があり、歯は三角で広く鈍くなり、両面に白色の星状細柔毛が密生し、1肋が下面で隆起し、側脈は2~3本のうねで真っすぐ。花は上部の節間の腋に1~2個つく。花序柄は非常に短く、花時に長さ0.3mm、果時に長さ1~2mm。小花柄は長さ10~15mm、密に白色の星状細柔毛がある。花時の萼は鐘形で、長さ約3mm×幅約2.5mm、白色の星状細柔毛が密にあり、先端には5歯があり、歯は広三角形で鋭形、果時に皿形で5裂し、裂片は三角状卵形、鈍形、長さと幅は約2mm。花冠は白色、5深裂し、花弁は淡紅色、披針形、鈍形、長さ約4mm×幅約1mm、外側は白色の星状細柔毛が密にある。雄しべは突き出ず、葯は黄色、線形、長さ約3mm。花柱は長さ約3mm、無毛。果実は球形、直径約1cm、橙色。種子は扁球形、黄色、直径約2mm。
この植物は、これまで中国南部(台湾を含む)、インドシナ半島、マレーシア、インドに広く分布するS. anguivii Lam.(S. indicum auct. non L.)またはS. trilobatum L.と同種とされてきた。この植物はS. anguivii Lam.に近縁であるが、棘が下部にあること、葉が小さく厚いこと、萼片が短いこと、花冠が白色で小さいことなどで区別される。[J. Jap. Bot. 66: 46 (1991)]
33 Solanum muricatum W.T.Aiton ペピーノ
南アメリカ(コロンビア、エクアドル、ペルー)原産。英名はpepino melon , melon pear. Another , tree melon , pepino dulce , pepino , Pipino, Pipo fruit。ニュージーランドで栽培されている。
短命の常緑多年草~亜低木。直立し、高さ1m以下、刺がなく、全体に細かい毛がある。小枝は角(かど)があり、成熟した茎は無毛。葉は単葉~3小葉、小葉は楕円形~長円形、中央の小葉は側小葉より大きく、長さ10㎝×幅5㎝以下、全縁、先は鋭形、基部は不等。葉柄は長さ5㎝以下。花序はサソリ形花序(scorpioid cyme)、腋生、花が約5個つく。花序柄は長さ3㎝以下、円柱形、細かい毛がある。花柄は長さ1.5㎝以下、基部に関節がある。萼は5裂。萼片は長さ1㎝×幅0.5㎝、基部は三角形、先端は線形、鈍形~鋭形、密に毛がある。花冠は白紫色又はバイオレット・パープル色、5裂し、直径2~4㎝、車状5角形。葯は5個、高さが不等、長さ4~6mm、黄色。花糸は短く、花冠の口部につく。果実は垂れ下がり、白色又は淡緑色、紫色の斑紋がある。果肉は硬く、長さ10㎝×幅6㎝以下、卵形~楕円形、ジューシーで芳香があり、メロンに似ている。種子は多数、中央の高い胎座の上にある。花期と果期は通年。日本でも栽培されているが、寒さに弱いので4~5月頃から夏に開花して結実することが多い。
品種) 'Appulinmimi'アップリンミミー , 'Becky' , 'Cascade Gold' , 'Colossal' , 'El Camino' , 'Fily'フィリー , 'Gold Boy’ゴールドボーイ, 'Golden Globe' , 'Golden Spendour' , 'Gold No.1’, 'Gold Q' ゴールド Q , 'Hannah' , Incredible Blush ™='Hortquador' PVR , Incredible Edibles® , Incredible Ruby ™='Hortquador' PVR , 'Kawi' , 'Lima' (F) , ‘Miski’, 'Miski Prolific' , 'Monrou Dance'モンローダンス , 'Nitza' , 'Otavalo' (F) , 'Pepino Gold' (F) , 'Pepo' , 'Puzol' , 'Quito' (F) , 'Rosy' , 'Royal' , 'Royal Custard'ロイヤルカスタード , 'Ryburn' , 'Sunma' , 'Sweet round' , 'Sweet Long' , 'Tally' , 'Toma' , 'Turia' , 'Valencia'
34 Solanum nigrescens M.Martens et Galeotti オオイヌホオズキ 大犬酸漿
synonym Solanum nigrum var. nigrescens (M.Martens & Galeotti) Kuntze
北アメリカ南部(アラバマ州、フロリダ州、ルイジアナ州、ミシシッピ州、ノースメキシコ州、ノースカロライナ州、テキサス州)、メキシコ、中央アメリカ(ベリーズ、ホンジュラス、グアテマラ、エルサルバドル、ニカラグア、コスタリカ、パナマ)、西インド諸島(ケイマン諸島、バハマ、キューバ、ドミニカ共和国、ジャマイカ、プエルトリコ、ハイチ、リーワード島、ウィンドワード諸島)、南アメリカ北部(エクアドル、コロンビア、ベネズエラ、仏領ギアナ、ガイアナ、トリニダード・トバゴ)原産。英名はdivine nightshade。標高0~1500mの落葉樹林、針葉樹林、野原、湿地に生える。神奈川県植物誌に掲載され、日本には広く帰化しているようである。花期は7~10月、田の畔、草地、湿った場所に生える。1年草又は多年草、高さ30~80㎝。茎はときにやや暗紫色を帯び、稜があり、曲がった小さな刺がある。茎の基部は這い、先が立ち上がる。あまり立ち上がらず、長く這っていることも多い。葉は深く切れ込まず、浅い波状の鋸歯があることが多い。葉縁や葉裏には屈毛があり、脈上に屈毛が多い。花は短い総状花序につき、花数が少ないと花がほぼ散状につき、多いと離れてつき総状になることが多い。ただし例外が多い。小花柄は果実とともに落ちる。花はやや大きく、白色~淡紫色、淡紫色になることも多い。花冠の切れ込みの深さは変化するが浅いことが多く、裂片は細く、やや縮れぎみなものもよく見られる。花柱や葯が他のイヌホオズキ類より長い。果実は熟す直前まで緑色のままで、やや光沢があり、フケ状班紋は少なく、完熟すると黒色になるが光沢はやや弱いときがあり、光沢がほとんどないものも見られる。果実中の種子はやや小さく、淡褐色。球状顆粒を4個以上もつ。n=12(2n=2×=24)。
【Flora of North Americaの解説】
多年草、直立またはやや乱雑に広がって伸び、無棘、長さ3mまで、ほぼ無毛から中程度の毛があり、毛は分岐せず、長さ1mmまで、腺は無い。葉は葉柄があり、葉柄は長さ0.5~2cm。葉身は単葉、卵形~卵状楕円形、長さ4~10.5cm×幅2~5cm、縁は全縁または浅い波状の歯があり、基部は沿下する。花序は腋外生または葉に対生し、分岐せず、散形花序状~総状花序状、長さ1~3.5cm、花が(2~)5~10個つく。花序柄は広がり、花時に長さ0.5~1cm、果時には長さ1~1.5cm。花は放射相称、萼は花後に増大せず、無棘、長さ1~2mm、まばらに毛があり、萼片は三角形。花冠は白色、稀に紫色を帯び、しばしば中央が緑色または帯紫色の星形になり、星形で、直径1~1.5cm、花弁間組織はまばら。雄しべは等長。葯は楕円形、長さ2~3mm、先端の孔が縦方向に開いて裂開する。子房は無毛。液果は鈍緑色または帯紫色、球形、直径0.5~0.8cm、無毛で、(4~)5~6(~13)個の球状顆粒(sclerotic granules:硬質顆粒)がある。種子は黄褐色、扁平、長さ1.2~1.5mm×幅1~1.1mm、細かい穴がある。2n=24。花期は1年中。
Solanum nigrescens は、中央アメリカと北部南アメリカ、カリブ海に広く分布し、メキシコ湾岸に沿って米国南東部まで北上し、やや内陸まで広がっている。S. americanum と同所性がある場合、葯が長く、果実が鈍い緑色または帯紫色で、広がった萼片に付着していることにより区別できる。ルイジアナ州の稲作畑とサトウキビ畑で雑草として採取され、暫定的に中国種 S. merrillianum T. N. Liou と特定された植物は、S. americanum と S. nigrescens の中間的な存在で、最近の雑種集団である可能性がある(S. Knapp 他 2019)。 Solanum nigrescens はS. douglasiiとは葯が短く、葯の長さに比べて花糸が長い点で区別できる。さらに、S. douglasii は通常ロッキー山脈の西側に見られるのに対し、S. nigrescens は米国南東部に生息する。S. nigrescens と S. interius の分布は重なっている(たとえば、テキサス州)。Solanum nigrescens は、通常鋭い萼片、より小さな種子、および果実のより多数の球状顆粒によって S. interius と区別できる。Solanum nigrescens は、より細い花序柄と小花柄、より小さな種子、および果実の球状顆粒によって S. nigrum と異なる。[Flora of North America]
【SEInet】
1年生、非在来種。亜低木または果実をつける1年草または多年草、高さ60~200cm。茎は鋭い角(かど)~狭い翼があり、よく枝分かれし、疎~密に灰色の毛に覆われ、毛は密に伏せまたはほぼ伏せ、無毛で、塊茎や匍匐茎はない。葉は互生し、卵形~披針形、長さ1~9cm、基部は楔形~ほぼ切形、縁は粗い波状の歯~ほぼ全縁、葉柄は長さ10~25mm。花は白色、ラベンダー色またはラベンダー色を帯び、中央に緑の斑紋があり、花冠は車形、直径7~20mm、5深裂し、先端は多少、尖る、萼は車状鐘形、長さ2~3mm、5歯がある、雄しべは5本、花冠筒部に付き、花糸は短い。葯は黄色、長楕円形、直立し、長さ3~4mm、花柱の周囲に収束するが結合しない(輻合する)。花糸は非常に短い。花柱は長さ4~5mm、下部に微軟毛がある、花は散形花序状の集散花序に数個つき、花序柄は長さ1~3cm。小花柄は細く、長さ5~12mm。果実は液果、帯白色~帯緑色、成熟すると黒色、直径6~9mm、平滑、無毛、萼に覆われず、またはゆるく覆われ、宿存する。種子は淡黄色で、長さ1~1.5mm、多数。生態: 標高 1,500~6,000 フィート (457~1,829 m) の岩の多い斜面や峡谷、低木地帯に生息。開花は3~10月。分布: ニューメキシコ、アリゾナ、カリフォルニア、オレゴン、メキシコ。注記: この種については、古いテキストではS. douglasiiを参照。編集者: LCrumbacher 2012 語源: Solanum はラテン語で「静める」という意味で、一部の種の麻薬性に関連しているが、nigrescens の意味は不明。
【参考20;Sandra Knapp etc.(2019)の解説】
高さ3mになる多年生草本で、ときに着生する。茎は円柱形または通常は角張った稜があり、緑色またはときに紫がかった緑色を帯び、通常は緩くやや絡み合い、無毛になるか~まばらに毛があり、前向きの長さ1mmまでの単純な腺の無い単列の毛があり、乾くと白色になり、通常はやや湾曲し、たまに古い茎では毛の基部が拡大して棘状突起を形成する。新芽にはより密に毛がある。仮軸枝は2葉がつき(difoliate)、双生(geminate)または双生ではなく、対になっている場合は大きさと形が同じである。葉は単葉で、長さ(1.5)4~10.5(15)cm、幅(0.5)2~5(7.5)cm、楕円形~楕円状卵形、膜質、上面には長さ1 mmまでの単純な腺の無い単列毛がまばら~中程度にあり、これらは葉脈上と下面により密にあり、主な葉脈は5~6対、基部は急に細くなり、通常は葉柄に沿下し、縁は全縁~波状または歯状で、歯は不規則で間隔が不均一、しばしば葉身の基部半分で大きくなり、先は鋭形またはときに尖鋭形。葉柄は長さ0.5~2cm、茎や葉と同様にまばらに毛がある。花序は長さ1~3.5cm、側生および節間に生じ、分岐しないまたはときに2股分岐し、(2)5~10個の花が先に密にあるか(ほぼ散形)、または花序の齢によって花序軸に間隔をあけてつき、茎と同様に前向きの腺のない単純毛がまばらにある。花序軸は長さ0.3~1cm。花序柄は長さ1~2.5cm、細く、広がる。小花柄は長さ0.4~0.7cm、細く、糸状、花時に広がり、基部は直径約1mm、先は直径約0.5mm、花序軸と同様にまばらに毛がある。花芽は楕円形、先端は鈍形。花冠は開花よりかなり前に萼筒から強く突出する。花は5数性、全て完全である。萼筒は長さ1~1.2mmの円錐形、萼片は長さ0.5~0.8(1)mm、幅0.5~1mm、広三角形~三角形、先端は鋭形またはたまにやや丸みを帯びる。花冠は直径8~10mm、白色または稀に淡紫色で、裂片の基部近くの中央部分は緑色または黄緑色(非常にまれに暗紫色)で、星形、基部まで約3/4の長さで裂片が分かれ、裂片は長さ3~4mm、幅1.5~2mm、狭三角形、後屈または開出し、外側に密にパピラがあり、パピラは長さ約0.1mm、先端と縁にはより密にある。雄しべは等長、花糸の筒部は微細、花糸の自由部分は長さ0.5~2mm、内側に密に毛があり、絡み合った単純な毛状突起がある。葯は長さ2~2.8(3)mm、幅1~1.1mm、黄色、楕円形または狭楕円形、基部は矢じり形、先端に孔があり、孔は老化とともに長くなって裂け目になる。子房は球形、無毛。花柱は長さ3.5~5mm、通常やや湾曲し、しばしば開花前に蕾から突出し、基部の2/3(葯円錐の内側の部分)に密に毛があり、葯円錐から突出する。柱頭はわずかに頭状、表面にはパピラがあり。果実は球形の液果、直径6~8mm、成熟すると鈍い緑色~紫黒色になり、不透明で、果皮は薄く、通常つや消しだがわずかに光沢があることもある。果時の小花柄は先端で直径約1mm、著しく木質化せず、広がり、成熟果実とともに落ちるか、またはたまに花序軸に残る。果時の萼は増大せず、萼筒は長さ約1mm、萼片は長さ0.5~1.1mm、広がって果皮に密着し、ごくたまにいくらか反り返る。種子は1果あたり(5)10~50個、長さ1.2~1.5mm、幅1~1.1mm、涙滴形、淡褐色~黄色、表面に微細な穴があり、種皮細胞は正方形または五角形で、ほぼ頂点近くのへそは細長い長方形になる。球状顆粒(stone cells)は4~13個、ほとんどの場合5個または6個、やや大きく、直径約0.5mm。2n=2×=24 (Heiser 1955 では S. costaricense、Heiser et al. 1965 では S. amethystinum)。
【Flora de Nicaraguaの解説】
高さ1mまでの棘のない草本植物。茎は円柱形またはやや角(かど)があり、無毛または微軟毛があり、単純で反り返った腺の無い毛がある。葉は単生または対生、卵形~披針形、長さ2~8cm、先は尖り、基部は鈍形または狭まり、縁はほぼ全縁または波状の歯があり、ほぼ無毛または微軟毛がある。葉柄は長さ3cmまで、微軟毛があり、無毛になり、先に翼がある。花序は散形花序状で、側生し、軟毛があり、花序柄は長さ1~3cm、分岐しない。小花柄は長さ4~10mm。萼は長さ約1mm、萼片は長さの1/2までで、ほぼ切形~三角形。花冠は直径6~15mm、白色、しばしば目立つ目があり、長さの半分以上まで分裂し、裂片は披針形または長円形で、微軟毛がある。葯は長さ1.7~4mm。液果は球形、直径4~8mm、無毛、熟すと緑色または部分的に黒色になり、果時の小花柄はわずかに長く、細いが、先端部はやや太くなり、曲がる。種子は直径1.2~1.5mm、レンズ形。花期は1年中。果期は7月~2月。標高800~1500mの撹乱地域に生える。
この種は S. americanum によく似ているが、花が大きく、葯も大きく、果実が直立せず、反り返っている点が異なる。花序の部分がより毛深い傾向がある。同じように使用され、毒性があると疑われている。どちらの種も二倍体である。ここで S. nigrescens とされている植物の中には、実際には S. macrotonum Bitter と呼ばれるべき倍数体であるものもあるかもしれない。
【神奈川県植物誌 2001】
1年草または多年草、暖地では冬になってもよく開花し、ときに越冬して大きな株になっている。茎はやや軟らかく、 はじめ直立するが、大きく成長した株では基部が倒伏して、長さ2~3mに達する。枝は角ばり、しばしば稜上に刺状の突起が出ることがある。花序は5~8花、花数が多くなると基部の小花柄1~2個は離れてつき、花序はやや総状となる。花冠は径8~12mmあり、基部近くまで切れ込み、裂片の幅は狭い。葯は長さ2~3mm,花柱は長さ4~6mmある。果実はほぼ球形で径7~10mm、 黒色で光沢がやや鈍く、よく熟すまでは果肉は緑色。1つの果実中に種子は60~120個、 球状顆粒は4~10個を含む。種子は淡黄褐色で長さ1~1.3mm。県内ではもっとも普通にみられるイヌホオズキ類で、市街地だけでなく、河川敷、畑地、やや山よりの林縁などいたるところにみられる。国内の分布は明らかでないが、本州以南の各地に広く帰化していると思われる。花序がやや総状となるためにイヌホオズキと誤同定されるケースが多い。勝山(2000 FK (49): 570-571)では北アメリカ西海岸のS. douglasii Dunalである可能性を示したが、その後、南アメリカ原産でフロリダ(D'Aacy 1974) やハワイ (Wagner et al. 1990)に帰化しているS. nigrescens Mart. & Gal.の記載に最もよく合うことがわかった。花冠が小さくなり、花序の花数が少なくなるとアメリカイヌホオズキS. ptycanthumに近くなる。果実や種子の性質はアメリカイヌホオズキS. ptycanthumとほとんど区別がない。あるいはS. ptycanthumの変異の範囲として扱った方が良いのかもしれない。晩秋から初冬にかけて花が紫色になる。
35 Solanum nigrum L. イヌホオズキ 犬酸漿
synonym Solanum humile Salisb.
synonym Solanum morella Desf.
synonym Solanum vulgatum Baumg.
synonym Solanum nigrum var. atriplicifolium G.Mey.
synonym Solanum nigrum var. schultesii (Opiz) Rouy
synonym Solanum nigrum subsp. schultesii (Opiz) Wessely
日本、朝鮮、中国、アジア南部~南西部、ヨーロッパ、北アフリカ原産。中国名は中国名は龙葵 long kui。英名はblack nightshade, blackberry nightshade。アジア北部からアジア東南部の諸島、オーストラリア、北アメリカなど世界中に帰化している。世界で確認されているものは様々であり、日本のものとは必ずしも一致しているものではない。Flora of Chinaのものはほぼ一致していると思われる。
1年草、高さ30~80㎝。茎はしばしば角張り、暗紫色を帯びることが多く、上向きの曲がった毛がある。葉は卵形~広卵形、長さ4~10cm×幅3~7cm、縁は全縁~浅波状の歯があり、葉の幅がやや広い。葉の両面に屈毛があり、葉裏にも屈毛がある。花序は腋外生の短い総状花序、花が(3~)4~10(12)個、集まってつく。花序柄は長さ2~4cm。小花柄は長さ0.8~1.2cm。萼は杯形、長さ2~3mm×幅2~3mm、萼片はほぼ三角形、長さ0.5~1mm×幅1~1.5mm、外側に毛があり、縁毛がある。花冠は星形に平開した幅10~12㎜、白色~淡紫色で、5裂するが、基部まで切れ込まず、裂片の幅が広い。葯は長さ2~3㎜。花柱は長さ4~6mm、あまり曲がらない。萼は長さ2~3㎜、5裂し、切れ込みが浅くて萼片が短く、若い果実を上から見ると5角形に近いようなものも見られる。果実は直径5~10㎜、未熟な緑色のときにも光沢がほとんどなく、熟して黒くなっても光沢はない。ただし、やや光沢のある果実が混じるときもある。果実の表面に見えるフケ状の班紋は少ない。イヌホオズキ類は果実の横幅がやや広くなるものが多いが、イヌホオズキはやや縦長になる。イヌホオズキ類は果実中に種子と一緒に含まれる球状の顆粒=石細胞(stone-cell=sclerotic granules=sclerids:硬化した顆粒)の数で同定するが、イヌホオズキにはこれがない。種子は淡褐色、1果実中に(15)20~60個程度含まる。他のイヌホオズキ類より種子が大きく長さ約2㎜。1果実中の種子数は果実の小さいものでは種子数が少ない。花期は6~11(12)月。n=36(2n=6×=72)。
【Flora of Chinaの解説】
日本、中国(福建省、広西チワン族自治区、貴州省、湖南省、江蘇省、四川省、西蔵、雲南省)、台湾、インド、南西アジア、ヨーロッパ原産。中国名は龙葵 long kui。標高600~3000mに生える。この名前は多くの異なる類似した種を含むものに一般的に使用されており、この名前扱われる資料には複数の分類群が含まれる場合がある。
1年草、直立し、高さ25~100cm、単毛があり、無棘である。茎はしばしば角張り、まばらに毛がある。葉柄は長さ2~5cm、葉身は卵形、長さ4~10cm×幅3~7cm、毛があるか無毛、基部は楔形、下行し、全縁または粗い鋸歯があり、先は鈍形。花序は腋外生の散形花序で、花序柄は長さ2~4cm。小花柄は長さ0.8~1.2cm。萼は杯形、長さ2~3mm×幅2~3mm、萼片はほぼ三角形、長さ0.5~1mm×幅1~1.5mm、外側に毛があり、縁毛がある。花冠は白色、長さ8~10mm。花冠裂片は卵状長円形、長さ4~5mm×幅3~3.5mm、外側に毛があり、縁毛があり、広がる。花糸は長さ1~1.5mm。葯は長円形、長さmm。花柱は5~6mm。果時の小花柄は強く反り返り、果時の萼は果実に付着する。果実は鈍い黒色、球形、直径8~10mm。種子は円盤形、直径約2mm。花期は5~8月。果期は7~11月。
【Flora of Pakistanの解説】
1年草、高さ15~60cm、基部は亜低木状。枝とシュートはほぼ無毛または有毛から腺のある絨毛があり、毛は伏せまたは開出する。葉は長さ2.5~10cmx幅2~5.5cm、縁は波状から不規則な歯状、無毛から微軟毛~軟毛があるか、または腺がある。葉身は±沿下する。葉柄は長さ8~40mmで、伏した毛があるかまたは腺がある。花序柄は長さ(8~)10~25mm、小花柄の長さより長いかまたは短い。萼片は長さ1~1.5(~2)mm、無毛~有毛。花冠は萼よりかなり長く、花冠裂片は三角状鋭形、長さ4~6mm。葯は黄色、、2つの先端の孔で裂開する。花糸は葯と同長または短く、細柔毛がある。花柱は±突き出ず、基部に軟毛がある。柱頭は頭状。子房は無毛。液果は球形~ほぼ卵形、幅5~8mm、黒色または橙赤色。種子は円盤形、微細な網状小窩がある。
【Flora of North Americaの解説】
1年草または多年草、直立または乱雑に広がり(sprawling)、無棘、高さ1mまで、無毛になる~中程度に軟毛があり、毛は分岐せず、長さ1mmまで、通常は腺毛がなく、またはたまに腺がある(var. schultesii)。葉は葉柄があり、葉柄は長さ0.5~3cm、葉身は単葉、卵形、長さ3.5~7cm×幅2.2~5cm、縁は全縁~粗い歯があり、片側に3~5裂をもち、基部は切形~楔形。花序は腋外生(extra-axillary)、分岐しないか、またはたまに2股分岐し、総状花序状になり、花が(3~)4~10個つき、長さ1~2cm。小花柄は長さ0.5~1cm、花時と果時に開出~たまに後屈する。花は放射相称、萼は増大せず、無棘で、長さ1.5~2mm、まばらに毛があり、萼片は三角形、果時には開出~後屈する。花冠は白色、中央に帯黄色の星があり、星形、直径1~1.5cm、花弁間組織はない。雄しべは等長。葯は楕円形、長さ(1.8~)2~2.5mm、先端の孔が縦方向に開いて裂開する。子房は無毛。液果は鈍いまたはわずかに光沢のある紫黒色または緑色~黄緑色、球形、直径0.5~1cm、無毛で、硬質顆粒はない。種子は黄色で、扁平で、長さ1.8~2mm×幅1.5~1.6mm、微細な穴がある。2n=72。花期は5~10月。標高0~2200mの撹乱地域、灌漑畑に生える。北アメリカ、太平洋諸島(ニュージーランド)、オーストラリアに導入導入された。
【Jepson eFloraの解説】
1年生(短命の多年生)、長さ10~100cm、毛は±広がるか湾曲し、腺のあるものとないものがある。葉は長さ4~7cm、卵形、全縁~粗く波状の歯がある。花序は節間につき、分岐しないかまたは1回分岐し、散形花序または総状花序状。花は3~10個つく。小花柄は長さ5~10mm。萼は長さ1~3mm、果時に萼片は広がるか弱く反り返る。花冠は直径10~15mm、基部の1/2~2/3までの深さに分裂し、白色、喉部と花冠裂片の中脈の基部は緑黄色。葯は長さ1.8~2.5mm、花柱に密着する。花柱は長さ2.5~3.5mm。果実は長さ6~10mm、黒色(黄色または緑色)、鈍いまたはわずかに光沢あり、球状顆粒は無い。種子は1果に20~40個、長さ1.8~2mm。2n=72。花期は3~10月。標高1600m以下の乱れた場所に生える。世界中で雑草となっている。Solanum americanum によく似ている。
【Northeastern Floraの解説】
分枝する1年草、長さ15~60cm、無毛またはやや剛毛または内曲した微軟毛があり、特にに上部にある。葉は葉柄がある。葉身は卵~三角形、不規則な鈍歯があり、またはほぼ全縁、長さ2~8cm×幅1~5.5cm。花序柄は多数あり、斜上し、長さ3cmまで。小花柄は密集して束生し(散形花序を形成)、少なくとも果時にほとんどが反曲し、成熟した萼は長さ2~3mm、萼片はしばしば不等長で、ときに後屈する。花冠は白色またはわずかに青みがかり、幅5~10mm。果実は球形、黒色、直径8mm、少なくとも若いうちは有毒、種子が多数あり、しばしば種子の半分の長さまでの1~10個のほぼ球形の球状顆粒=結石(concretions)をもつ。倍数体系列はx=12に基づく。生息地が乱れた世界各地に生息する雑草で、非常に多様化しているが、多くの試みにもかかわらず、まだ満足のいくほど個別の分類群に分けられていない。ここで説明されている北米原産の植物は、これまでのところすべて2倍体である。種レベルでのこれらの最も古い名前は、S. ptychanthum Dunal (S. americanum Mill.、おそらく誤用) である可能性がある。変種レベルでは、S. nigrum var. virginicum L となる。典型的なヨーロッパの S. nigrum は、主に大西洋岸の港湾周辺で、米国ではたまにしか見られない。これは6倍体で、より軟毛状 (毛は短く、± 広がり、やや粘性がある) で、よりラセミ状 (それでもコンパクト) に近い花序を持つ。
【e-Flora of South Africaの解説】
1年草、ほぼ無毛から絨毛があり、高さ70cmまでになり、腺のあるまたは腺のない単純な多細胞毛で覆われる。茎は傾伏~直立する。葉は卵形、卵状披針形、卵状菱形~披針形で、長さ2.5~7.0cm×幅2.0~4.5(6.0)cm、縁は全縁~波状の歯がある。花序は単純で緩く、しばしば広がった集散花序、花が(3)5~10個つく。花序柄は長さ(8)14~28mm、通常は果時に直立・開出する。小花柄はこれよりずっと短く、果時には反曲する。萼は長さ1.2~2.5mm、花後にわずかに大きくなり、反曲するか、成熟した液果の基部に付着し、萼片は通常卵形。花冠は星形、白色、半透明の基部の星があり、半径(4)5~7(9) mm、通常萼の1.5~3倍の長さ。葯は黄色、長さ1.5~2.5(2.8)mm。花柱は長さ2.8~3.5(4.5)mmで、葯より突き出ない。液果は通常広卵形、鈍い紫色~帯黒色または黄緑色、幅6~10mm、熟すと植物に残るか萼から落ちる。種子は長さ1.7~2.4mm、1液果あたり(15)26~60(96)個。球状顆粒=硬粒(sclerotic granules)はない。
1年草または2年草、高さ1m以下、棘はない。葉は波状の歯状またはまれに全葉で、軟毛があり、単毛がある。花は散形花序につく。花冠の直径は10~14mm。果実は黒色で、稀に赤色や黄色。花は白色。
1年草または2年草、高さ0.85m までになる。刺はない。葉は葉柄があり、葉身は±広楕円形~卵形、±長さ65mmx幅40mm、先は鋭形、基部は楔形、縁は波状の歯状または全縁、±単純もうの軟毛がある。花が少数の散形花序で、茎にランダムにつく。花冠は直径10~14mm、白色。花期は10~7月。果実は黒色、稀に赤色または黄色の液果、直径6~7mm。
変化に富む直立性の1年草または短命の多年草、枝が多く、高さ0.85mまで、無毛になる~絨毛があり、腺はない。茎はうねがあり、±歯状。葉は卵状楕円形または披針形、長さ80mmx幅40mm・以下、縁は全縁~鋸歯波状、無毛になる。葉柄は長さ30mm以下、±翼がある。花序は5~10個の花がつく集散花序。花序柄は直立・開出し、長さ±15mm。小花柄は長さ10mm以下、果時に反り返り、反曲する。萼は長さ1.5~2.0mm、萼片は三角形、長さ1mm以下。花冠は星形、直径8~18mm、花冠裂片は鋭形、白色。花期は主に10~4月。果実は卵形~球形、直径5~10mm、鈍い紫色~±黒色。球状顆粒=石粒(stone grains)は0~2個。種子は果実あたり25~35個、長さ1~2mm、黄褐色。
直立して枝分かれする1年草、高さ0.85mまで。葉は葉柄があり、葉身は披針形~楕円形で、長さは120mm以下、全縁~鋸歯状、無毛~有毛。花は少数、垂れ下がった散形花序につき、直径10~14mm、白色。萼片は反り返っているか、または熟した果実の基部に付着している。熟した果実は鈍い紫色~帯黒色、直径6~10mm 、広卵形、外に広がった花序柄から垂れ下がった房状に付き、食用 (ジャムとして) となる。
無毛~薄く毛のある1年草、高さ1mまで。葉は柔らかく、卵状披針形、しばしば鋸歯があり、長さ10cm まで。花は5~10個の房状につき、白色、直径は5mm以下。果実は黒色、直径は10mm以下。
【参考12;Särkinen etc.(2018)解説】=【参考20;Sandra Knapp etc.(2019)の解説】
1年生または短命の直立または横這いになる多年生草本で、高さ1.0mまでになり、亜木質で基部で分枝する。茎は広がるか傾伏し、円柱形~鋭い稜があり、緑色で、稜にはしばしば刺があるが、古い茎は刺のようには見えず、目立って中空ではない。新枝には軟毛があり、単純で開出する単列の腺ない毛または腺毛があり、これらは1~6細胞で、長さ0.5~0.6mmである。古い茎は無毛で、毛状突起の基部は偽刺として残る。仮軸枝は2葉がつき(difoliate)、双生(geminate)ではない。葉は単葉で、長さ3.8~7.2(~14.5)cm、幅2.5~5.0(~9.5)cm、広卵形、膜質、緑色、表裏同色、無臭またはやや悪臭がある。上面にはまばらに毛があり、茎と同じような開出する単純な単列の毛が葉脈と葉身に沿って均等に散在し、下面には葉脈に沿ってより密に毛が生え、葉身に沿ってまばらに、茎のものと同じような腺の無いおよび/または腺毛が生え、主葉脈は5~7対、基部は鈍形~切形、やや漸尖し、縁は特に下2/3に波状の歯があり、稀に全縁または深い歯があり、先は鋭形。葉柄は長さ0.5~3.0cm、茎のものと同じような単純な単列の腺毛および腺の無い毛が生える。花序は長さ0.8~2.0cm、節間があり、単純またはときに分岐し、花は花序に沿って間隔をあけてつき、花は(3~)4~10個、軟毛があり、茎と同様な開出する単純な単列の毛状突起がある。花序柄は長さ0.5~1.5cmで真っすぐ。小花柄は長さ3~5mm、基部の直径0.2~0.3mm、先端の直径0.2~0.3mmで広がり、基部に関節がある。小花柄の傷跡は0.3~0.7mm間隔で並ぶ。蕾はほぼ球形、花冠は開花前に萼からおよそ半分突出する。花は5数性ですべて完全花。萼筒は長さ0.8~1.0mm、円錐形。萼片は長さ0.5~0.8mm、幅0.6~0.8mm、三角形、先は鋭形またはやや丸みを帯び、軟毛があり、小花柄と同様に単列の腺の無い毛と腺毛が開出する。花冠は直径10~12mm、白色、基部近くの中央部は黄緑色、星状で、基部の1/2~2/3までの深さの裂片があり、裂片は長さ4.0~5.0mm、幅2.0~2.5mmで、開花時に強く反り返り、後に広がり、外側に密にパピラ状軟毛があり、単列の腺の無い毛が開出する。雄しべは等長、花糸の筒部は非常に短い~微細。花糸の自由部分は長さ0.5~0.7mm、内側に毛があり、開出する単列の単純な毛状突起がある。葯は長さ1.8~2.5mm、幅0.8~1.0mm、楕円形、基部がわずかに幅広く、黄色、先端には孔があり、孔は老化と乾燥により裂け目のように長くなる。子房は球形、無毛。花柱は長さ2.5~3.5mm、密に毛があり、葯錘(anther cone)に含まれる下半分にはもつれる2~3細胞の単純な単列の毛状突起があり、葯錘から0~1 mm突き出る。柱頭は頭状、微細なパピラがあり、生きた植物では緑色。果実は球形の液果で、直径6~10mm、成熟すると紫黒色または緑色~黄緑色になり、果皮は鈍いまたはわずかに光沢がある。果時の小花柄は長さ10~12mm、基部の直径は0.4~0.5mm、先端の直径は1.0~1.1mmで、一般に広がり、ときに反り返り、間隔は1.0~2.0mmで、果実が成熟すると落ち、宿存しないが、たまに花序に残る。果時の萼は増大せず、萼筒は長さ約1mm、萼片は長さ1.0~2.0mmで、果時に広がり反り返る。種子は1液果につき(15~)20~40個、長さ1.8~2.0mm、幅1.5~1.6mmで、扁平、涙滴形、先端付近にへそがあり、黄色、表面に微細な穴があり、種皮細胞の輪郭は五角形。球状顆粒(石細胞)は存在しないが(北米とヨーロッパ)、他の地域(アジア)では通常1液果に2(~8)個、直径0.5mm、褐色。2n=6x=72 (Jørgensen 1928; Tokunaga 1933; Ellison 1936; Nakamura 1937; Stebbins and Paddock 1949; Baylis 1958; Heiser et al. 1965; Saarisalo-Taubert 1967; Venkateswarlu and Rao 1972 [as S. nigrum S8, S11, S19]; Henderson 1974; Tandon 1974; Randell and Symon 1976; Edmonds 1977, 1981, 1982, 1983, 1984a; Ganapathi and Rao 1986a; Symon 1981; Bukenya 1996)。
36 Solanum nitidibaccatum Bitter ヒメケイヌホオズキ 姫毛犬酸漿
synonym Solanum physalifolium Rusby var. nitidibaccatum (Bitter) Edmonds
synonym Solanum stylesinum Dunalアルゼンチン、ボリビア、チリ、ペルー原産。英名はgreen nightshade。標高2400m以下の乱れた地域に生える。北アメリカ、ヨーロッパ、オーストラリア、ニュージーランドなどに広く帰化している。
1年草、高さ10~90cm、傾伏し、毛は開出し、腺がなく、粘着腺がある。葉は長さ2~6cm、卵形、全縁~不規則な歯があるかまたは浅裂する。花序は節間または葉に対生してつき、分枝せず、一般に総状花序状。花は4~8(10)個つく、小花柄は長さ5~10mm。萼は長さ2~2.5mm、果時には長さ4~6mm、果実の基部を包む。花冠は直径5~10mm、白色、花冠裂片は花冠筒部より長く、しばしば後屈し、基部に黄色と紫褐色~黒色の斑点がある。葯は長さ1~2mm、花柱に密着する。果実は長さ5~10mm、緑色~紫褐色、光沢がある。球状顆粒=石細胞の塊(clusters of stone cells)は(0)2~3個。種子は13~24個、長さ1.5~2.5mm、黄色~褐色。2n=24(n=12)。花期は5~10月。
37 Solanum opacum A.Braun & C.D.Bouché ソラナム・オパカム
synonym Solanum forsteri Seem.
日本、台湾、フィリピン、インドネシア(ボルネオ、小スンダ列島、スラウェシ島)、オーストラリア(クイーンズランド、ニューサウスウェールズ、南オーストラリア、タスマニア、ビクトリア)、ニュージーランド、ニューギニア、ニュージーランド、チャタム島、クック島、ニューカレドニア、イースター島、フィジー、ハワイ、ケルマデック島、マルケサス諸島、マーシャル島、ニウエ、ノーフォーク島、ピトケアン島、サモア、ソシエテ島、ソロモン島、トケラウ・マニヒキ、トンガ、ツアモツ諸島、ツブアイ島原産。英名はgreen berry nightshade, morelle verte。海抜ゼロから標高2600mまでのさまざまな場所、乱れた地域、道路沿い、畑の端などに生える。POWOでは日本も分布域に入れられているが、不明。
1年生または短命の、直立または不規則に広がる多年生草本、高さ1mまでなり、亜木質で基部で分枝する。茎は広がる~傾伏し、円柱形またはときにわずかにうねがあり、緑色~黄緑色、古い茎は緑灰色で、中空でなく、ときにいくらか中空になる。新芽には密またはまばらに軟毛があり、毛は単純で、前向き、単列、半透明、腺は無くまたはときに腺毛があり、これらは4~6細胞、長さ0.5~1mmである。古い茎は無毛である。仮軸枝は2葉がつき(difoliate)、双生(geminate)ではない。葉は単純で、長さ1.5~8.0(~17)cm、幅1~4(~9)cm、楕円形~わずかに卵形、大きさは非常に変化に富み、膜質、緑色、表裏同色、無臭である。上面は無毛またはまばらに均一に毛が生え、毛は長さ約0.5mmの単列の約4細胞の毛状突起であり、下面は無毛またはまばらに毛が生え、葉脈に沿って単列の毛状突起があり、主葉脈は3~8対で目立たず、基部は楔形で、葉柄に沿下し、縁は全縁または浅い歯があり、歯がある場合は鋭形であり、先は鋭形~尖鋭形。葉柄は長さ0.5~3cm、まばらに毛が生え、茎と同様に前向きの単列の毛状突起がある。花序は長さ1~2cm、節間があり、分岐しないが稀に分岐し、散形花序~ほぼ散形花序状で、3~7個の花が花序軸の先近くに密につき、まばらに毛があり、茎と同様に前向きの単列の3~4細胞の毛がある。花序柄は長さ1~3cm、真っ直ぐで丈夫。小花柄は長さ0.4~0.8cm、基部の直径は0.3mm未満、先端の直径は約0.3mm、糸状でうなずき、花序柄と同様に毛があり、基部に関節がある。小花柄の痕跡は花冠の先端近くに密集し、しばしば最も低い花は他の花から約0.5mm離れる。蕾は楕円形、花冠は開花よりかなり前に萼筒から強く突出する。花は5数性、全て完全花。萼筒は長さ1~2mm、円錐形、萼片はしばしば不等長、側部の2個の最大の裂片は長さ1~1.2mm、幅0.5~0.6mm、最上部と最下部の裂片は長さ0.4~1.0mm、幅0.3~0.5mm、長三角形、しばしば先端は丸くなり、無毛またはまばらに毛があり、腹側に長さ約0.5mmの単列の毛がある。花冠は直径6~10mm、白色または紫白色、星形、基部の約半分までの裂片があり、裂片は長さ3.0~4.2mm、幅1.0~1.2mm、広がって反り返り、先端と縁に密にパピラがある。雄しべは等長。花糸の筒部は長さ0.1mm未満。花糸の自由部分は長さ0.5~1.0(~1.5)mm、無毛または内側に毛があり、絡み合った単列の毛状突起がある。葯は長さ1.2~1.6mm、幅0.7~1.0mm、楕円形、黄色、基部はやや矢じり形、先端には孔があり、孔は老化と乾燥により裂け目状に長くなる。子房は円形、無毛。花柱は長さ3~4mm、上部1/4が強く湾曲し、密に毛があり、長さ0.2~0.5mmの単列の毛状突起があり、これらは基部の長さの1/2~2/3で絡み合い、葯より突き出ず、葯錐(anther cone)の外側には柱頭のみが見える。柱頭は頭状で、表面は微細なパピラがある。果実は球形の液果、直径4~10mm、成熟すると緑色または青黒色になり、果皮は薄く艶消しである。果時の小花柄は長さ0.7~1.5cm、基部と先端の直径は約0.5mmで、直立または広がり、黄色になり、成熟した果実とともに落下し、宿存しない。果時に萼片は増大せず、萼筒は長さ1mm未満で、萼片は長さ1.2~1.7mmで、液果の基部4分の1に密着し、ときにいくらか広がるが、強く反り返ることはない。種子は1液果あたり50~100個、長さ1.2~2.2mm、幅0.7~1.8mm、扁平な腎形、淡い黄褐色、表面に微細な穴が開き、薄く、胚が明瞭に見え、種皮細胞の輪郭は長方形~五角形。球状顆粒(石細胞は)1粒あたり(0~)2(~4)個、直径0.5mm以上、褐色。2n=6x=72(Henderson 1974; Symon 1985)。
38 Solanum peikuoense S.S.Ying ハックナスビ
台湾原産。中国名は白狗大山茄。台湾中部の標高1000~1900mに生える。
棘のある低木または高木、高さ4mに達し、茎は無毛または星状毛があり、先にまばらに刺があり、棘は短く、しばしば帯黒色。葉は卵形~長円形、長さ10~18cm×幅4.5~6.5cm、先は鋭形または尖鋭形、基部は楔形~鈍形または円形、しばしば2分裂(dimidiate)し、ほぼ全縁または浅く裂け、褐色で、出芽時に両面に綿毛があり、無毛になり、乾くとほぼ同色、側脈は片側に3~6本ある。葉柄は長さ1~4cm、毛がある。花序はほぼ腋生、集散花序、花序柄は細く、毛があり、長さ2~3cm。小花柄は長さ1~2cm。花は萼を持ち、萼は長さ5~6mm、ほぼ無毛、萼片は尾状で、分裂する前は長さ1.5~4mm、その後3~4mmになる。花冠は白色、長さ 8~11 mm。花糸は無毛。葯は先細りで、長さ7~9mm。子房は無毛。液果は明るい赤色、球形、直径5~9mm。種子は薄帯褐色、扁球形、直径2.5~3mm、柔毛が散在する。花期と果期は1年中続く。この種はS. macaonenseに似るが、全体的に毛が少なく、葉の裂片が目立たず、萼片が長く、種子が大きいという点で異なる。この種は高地に生息するが、S. macaonense は低地にしか生息しない。[Flora of Taiwan]
39 Solanum physalifolium Rusby ソラナム・フィサリフォリウム
synonym Solanum nitidibaccatum var. robusticalyx Bitter
南アメリカ(アルゼンチン、ボリビア、ペルー)原産。英名はhoe nightshade, Argentine nightshade, green nightshade, hairy nightshade, ground-cherry nightshade。USA,スペイン、シベリアに帰化している。標高900~2100mの攪乱地域にまれに生える。
1年草、直根があり、高さ10~90cm。根生葉は無い。茎葉は卵形~三角形、長さ2~8cm×幅1.5~5cm、先は鋭形、基部は円形~楔形、わずかに翼のある短い葉柄があり、葉縁は変化に富み、鋸歯縁または全縁、ときに波打ち、密に縁毛がある。茎と葉の両方に軟毛があり、しばしばやや粘着性がある。花は葉に対生して少数(3~9個)束生する。花冠は白色~淡青色、幅5~10mm、5裂し、花冠裂片は星形に広がりまたは強く外巻きし、基部は紫緑色で、黄色の筋がある。萼は長さ6mm未満、萼片は5個、三角形、果実の周囲をカップ状に包み、果実が熟すと広がる。萼片、花茎、花冠裂片の外側は、粘着性のある腺毛で密に覆われる。葯は長さ1.5~2.3mm。果実は球形の液果、直径約6~7(8~10:Flora of New Zealand)mm、まだらな淡緑色~黄緑色と濃緑色、古くなると帯褐色、球状顆粒がある。種子は多数(40個以下)、直径1.5~2㎜、楕円形~倒卵形~円形、扁平。花期は6~9月。
【CANOTIA Vol. 5 (1) (2009)の解説】
高さ70cmまでの1年生または短命の多年生草本で、塊茎や匍匐茎はなく、無柄。草本は中程度~密に絨毛があり、腺毛があり、一部は多細胞。茎は円柱形~角張る。葉は互生またはほぼ対生し、単葉、披針状卵形~披針状楕円形、長さ2~6cm、幅1~3cm、縁は全縁~粗い歯があり、基部は切形~漸尖形、先は円形~尖鋭形。花序は散形花序状の総状花序、側生し、節間またはときに葉に対生して節につき、花は(2~)4~8(~12)個つく。花序柄は長さ5~30mm。花は放射相称。小花柄は長さ2~15mm。萼は長さ1~3mm、萼片は披針形~円形、萼筒の長さの約1/4~2/3に達する。花冠は放射相称、車形~弱い鐘形(これは乾燥した標本ではときに不明瞭)になり、白色または紫白色、基部に帯褐色の星形があり、直径3~6mm、花冠裂片は広三角形。花柱は雄しべと同長かまたは最大1mm長く、長さの±半分に毛がある。雄しべはほぼ同長で、長さ1.5~2(~2.5)mm。葯は輻合し、花糸は長さ1mm未満。果実は球形、幅6~9mm、暗緑色~紫色、または褐色がかった緑色で、成熟果実の少なくとも下半分は拡大した萼で覆われる。球状顆粒は0~5個。種子は幅1~2mm、球形、乾燥標本では橙褐色。花期は6~10月。[S. sarrachoides Sendtn. および S. villosum (L.) Mill. が誤用されている]。
40 Solanum pittosporifolium Hemsley ヤマホロシ 山白英
synonym Solanum dulcamara L. var. heterophyllum Makino
synonym Solanum hidetaroi Masam.
synonym Solanum japonense Nakai 日本産ヤマホロシ
synonym Solanum nipponense Makino
synonym Solanum takaoyamense Makino タカオホロシ
synonym Solanum japonense f. xanthocarpum H.Hara キミノヤマホロシ
日本(北海道、本州、四国、九州)、朝鮮、中国、台湾、ブータン、ミャンマー、ベトナム、インドネシア(スマトラ)原産。中国名は野海茄 ye hai qieまたは海桐叶白英 hai tong ye bai ying。別名は ホソバノホロシ、ヤマヒヨドリジョウゴ(海桐叶白英 hai tong ye bai ying)。【日本産ヤマホロシの解説】
多年草、つる性、長さ50~120㎝。全体に若葉を除いて、無毛。葉は互生し、長さ3~8㎝の先が尖った卵状披針形、基部は浅い心形~円形~切形、ときに下部の葉は基部で3裂する。花は3~6個の集散花序。花は直径約1㎝、淡紫色。花冠は5つに分裂し、裂片は長さ約4㎜、反り返り、基部が濃紫色、2個の白色~緑色の点(eye)がある。雄しべは5個、雌しべをとり囲んで直立する。葯は長さ2.5~3.5㎜。花糸は長さ約0.5㎜。花柱は長さ約5㎜、雄しべの間から突き出る。液果は直径6~7㎜、9~11月に真っ赤に熟す。種子は長さ約2㎜。花期は7~9月。
POWOではSolanum pittosporifoliumを認め、Solanum japonenseをそのsynonymとしている。Flora of Chinaでは下記のように別種としている。
【Flora of Chinaの解説】
(1) Solanum pittosporifolium Hemsley ヤマヒヨドリジョウゴ
中国(安徽省、広東省、広西チワン族自治区、貴州省、河北省、湖北省、湖南省、江西省、四川省、西蔵、雲南省、浙江省)台湾、ベトナム原産。標高500~2500mの開けた森林または密林に生える。低木、高さ2mまで、無毛またはまばらに毛があり、単毛があり、棘は無い。茎はときに角張り、ほとんど無毛。葉柄は長さ0.7~2cm、葉身は披針形~卵状披針形、長さ4~13cm×幅2~6.5cm、通常無毛、基部は円形または楔形ときに斜め、縁は全縁、先は尖鋭形。花序は腋生外(extra-axillary)、円錐花序。花序柄は長さ1~5.5cm。小花柄は長さ0.5~2cm。萼は直径約3mm、萼片は短三角形、約・長さ1mm×幅2mm、縁毛がある。花冠は通常白色、まれに紫色、喉部に帯緑色の斑点がある。花冠裂片は長円形、長さ4~5mm×幅1.5mm、縁毛があり、後屈する。花糸は長さ約1mm。葯は長円形、離生、長さ2.5~2.8mm。花柱は長さ約7mm。果実は赤色、球形、直径0.8~1.2cm。種子は円盤形、直径2~2.8mm。花期は6~8月。果期は9~12月。セイヨウヤマホロシ(Solanum dulcamara)との区別は疑わしい。
(2) Solanum japonense Nakai ヤマホロシ 山白英
日本、韓国、中国(安徽省、広東省、広西チワン族自治区、河北省、黒竜江省、河南省、湖北省、湖南省、江蘇省、青海省、陝西省、四川省、新疆、雲南省、浙江省)原産。中国名は野海茄 ye hai qie。標高300~2900mの荒れ地、谷間の斜面、道路の近く、水辺、開けた森林に生える。 蔓は高さ50~120cm、無毛。茎はまばらに毛がある。葉柄は長さ0.5~2.5cm。根生葉の葉身は三角形、広披針形または卵状披針形、しばしば基部に2つの裂片があり、長さ3~10cm×幅2~5cm、無毛またはまばらに毛があり、基部は円形または楔形、縁は全縁または3(~5)裂片があり、先は尖鋭形。上部の葉の葉身は卵状披針形、長さ2~4cm。花序は頂生または腋外生、開き、多数の花がつく円錐花序。花序柄は長さ2~3.5cm、無毛。小花柄は長さ6~10mm、無毛。萼は長さ1.5~2×幅2.5mm、萼片は三角形、長さ0.5mm。花冠は紫色、中心は緑色、長さ5~8mm×幅1cm。花冠裂片は披針形、長さ約4mm。花糸は長さ約0.5mm。葯は長円形、離生、長さ2.5~3.5mm。花柱は細長く、長さ約5mm。果実は赤色、ほぼ球形で、直径約1cm。種子は腎形~円盤形、直径約2mm。花期は6~9月。果期は9~11月。この分類群は、セイヨウヤマホロシ(Solanum dulcamara)との区別は疑わしい点がある。
41 Solanum pseudocapsicum L. タマサンゴ 玉珊瑚
synonym Solanum pseudocapsicum var. diflorum (Vell.) Bitter ヒメタマサンゴ
synonym Solanum pseudocapsicum subsp. diflorum (Vell.) Hassl.ブラジル原産。中国名は珊瑚樱 shan hu yin。英名はJerusalem cherry , winter cherry。別名はフユサンゴ、リュウノタマ。観賞用に栽培されているものが、野生化している。冬に果実をつけているため、別名をフユサンゴという。
常緑小低木、高さ30~50㎝。茎は直立し、よく枝分かれする。枝に星状毛が見られることがある。葉は互生し、濃緑色、卵形、先が尖り、全縁、縁が波打つ。花は葉と対生し、1~4個つく。花冠は直径12~15㎜の白色、5深裂し、裂片が平開する。雄しべは5個、花冠裂片と互生し、橙色の葯が花柱の周りに接してつく。果実は直径約15㎜のやや縦長の球形の液果、黄色~橙赤色に熟す。種子は長さ約3.5㎜、白色。2n=24。花期6~11月。
品種) 'Ballad' , 'Ballon' , 'Balloon' , 'Cherry Jubilee' , 'Damsolalbi' (PBR) , 'Joker' , 'Mandarin' , 'New Patterson' , 'Red Giant' , 'Thurino' , 'Tucana Light' , variegated (v)
42 Solanum pseudogracile Heiser ソラナム・プセウドグラシル
USA(アラバマ州、フロリダ州、ジョージア州、ルイジアナ州、ミシシッピ州、ノースカロライナ州、サウスカロライナ州、テキサス州)原産。英名はGlowing nightshade。 標高0~400mの海岸の砂丘、海岸林の縁、汽水湿地に生える。
草本または低木、一年生または多年生、直立し、棘は無く、高さ1mまで、疎~中程度の毛が生え、毛は分岐せず、長さ1mmまで、腺はない。葉は葉柄があり、葉柄は長さ0.5~3cm。葉身は単純、楕円形~披針形、長さ1.5~8cm×幅1~4cm、縁は全縁またはほぼ全縁、基部は楔形~漸尖形。花序は腋外生(extra-axillary)、分岐せず、まれに二股分岐し、散形花序状、長さ1~2cm、花が3~8個つく。小花柄は花時と果時に長さ0.5~1cm、果時には反曲~後屈する。花は放射対称、萼は花後に大きくならず、棘は無く、長さ1.5~3mm、まばらに毛が生える。萼片は三角形、果時には後屈する。花冠は白色、中央に帯黄色の星があり、星形で、直径1~1.5cm、花弁間組織はまばら。雄しべは等長。葯は楕円形、長さ2~3mm、先端の孔が縦方向に開いて裂開する。子房は無毛。液果は鈍い紫黒色、球形、直径 0.5~1.5cm、無毛、球状顆粒(sclerotic granules)はない(まれに2個ある)。種子は淡黄色、扁平、長さ1~1.3mm×幅0.8~0.9mm、微細な穴がある。2n=24(n=12)。花期は5~10月(フロリダでは1年中)。
Solanum pseudogracile は S. chenopodioides と非常によく似ていて、おそらく区別がつかない。生態学的に特徴的で、大西洋と東メキシコ湾沿岸平野の砂丘と塩性湿地、およびフロリダ州とジョージア州の一部の内陸部に生息する。
43 Solanum retrorsum Elmer ルソンナスビ 呂宋茄
synonym Solanum luzoniense Merr.
synonym Solanum luzoniense var. glabrum Merr. ルソンナスビ
synonym Solanum reflexispinosum Merr.台湾、フィリピン、インドネシア原産。中国名は吕宋茄 lu song qie。丘陵地に生える。
低木または亜低木、高さ50~100cm、密に星状の綿毛があり、長さ2~3.5mmの短く真っすぐな刺がある。茎と枝は円柱形、星状の綿毛があり、まばらに刺がある。葉柄は長さ1~3cm、茎と同様な毛がある。葉身は披針形~狭長円形、長さ4~15cm×幅1.5~5cm、上面はまばらに星状の綿毛があるかまたはほぼ無毛で、下面に綿毛があり、基部は楔形、縁は全縁または不明瞭に波状、先は鋭形。花序は腋外生(extra-axillary)または頂生で、長さ3cmまでの総状円錐花序をつける。花序柄は長さ1~1.8cm、星状の綿毛がある。小花柄は長さ約5mm。萼は鐘形、長さ約3mm。萼片は長円形、長さ約1.5mm、鋭形または鈍形、星状の綿毛がある。花冠は紫色、長さ6~8mm、5裂し、裂片は長円形または卵状披針形、長さ5~6mm、表側に萼と同様な毛がある。花糸は短く、葯は披針形、上部で狭まり、長さ約4mm。果時の小花柄は長さ1~2.5cm、星状の綿毛がある。果時の萼は星状毛がある。果実は赤色、球形、直径6~10mm、無毛。種子は腎形、円盤状、直径約3mm。花期は4~8月。果期は7~10月。
44 Solanum rostratum Dunal トマトダマシ
USA,メキシコ原産。英名はbeaked-sandbur , buffalo-berry , buffalo-bur , horned nightshade , horse-nettle , Kansas thistle , pincushion nightshade , prickly nightshade , spiny nightshade。土壌耐性が多様、標高0~2500mの乱れた場所、道端、牧草地に生える。
1年草、直立し、中程度~密に棘があり、高さ1mまで、棘は黄色で真っ直ぐ、長さ12mmまで、中程度~密に軟毛が生え、毛は無柄から長い柄があり、星状、6~10本の放射状枝毛があり、中央の放射状枝毛は側放射状枝毛と同長またはそれ以上に長い。葉は葉柄があり、葉柄は長さ2~10cm、葉身は単葉~2回複葉、卵形~楕円形、長さ(2~)4~16cm×幅3~12cm、縁は1~2回分裂し、片側に2~4個の主小葉があり、小葉は深く丸い裂片があり、基部は切形~ほぼ心形。花序は腋生、分枝せず、花が5~12個つき、長さ4~11cm。小花柄は花時に長さ0.5~1.5cm、直立し、果時には長さ0.5~1.5cm。花は左右相称。萼は増大し果実をしっかりと覆い、密に棘または剛毛があり、長さ7.5~12.5mm、密に星状毛があり、萼片は線形~披針形。花冠は黄色、車状五角形、直径1.5~3.5cm、花弁間組織が豊富である。雄しべは不等長、最下部の雄しべはかなり長く、湾曲する。葯は狭く先細りで、先端の孔で裂開し、短い葯は4個、黄色、長さ6~8mm、長い葯1個は帯赤色、または帯紫色、長さ10~14mm。子房は無毛。液果は褐色、球形、直径1~1.2cm、無毛、乾き、粒状顆粒(sclerotic granules)はない。種子は暗褐色、扁平、長さ2~3mm×幅1.8~2mm、微細な穴と不規則なうねがある。2n=24。花期は1年中、主に5~9月。
Solanum rostratum は、チワワ州やコアウイラ州からプエブラ州やオアハカ州に至るメキシコ中央高原に広く分布しており、その原産地はメキシコシティから北に米国大平原まで広がっていると考えられる。この推定原産地以外にも広く導入されている。Solanum rostratum は、いくつかの州で有害な雑草とみなされている。庭、牧草地、乱れた地域に侵入することがよくある。この植物は非常に棘が多く、果実や根を食べて豚が中毒になったという報告がある。この種は、米国西部および中部でジャガイモが広く栽培される前のコロラドハムシ (Leptinotarsa decemlineata) の元の宿主であると考えられている。その後、ハムシはジャガイモを主な宿主として採用し、急速に東に広がった。[FNA]
45 Solanum sarrachoides Sendtn. ケイヌホオズキ 毛犬酸漿
南アメリカ(アルゼンチン、ボリビア、ブラジル、パラグアイ、ウルグアイ)原産。英名はhairy nightshade。道端、空き地などに帰化している。
特徴は萼が花後に大きくなり果実と同長になり、果実は球形、淡緑色、1果実中の種子は(23)59~69(93)個、球状顆粒は4~6個。
軟毛のある1年草、芳香があり、高さ0.75mまでになり、毛は開出し、長さ2mmまでになり、粘性があり、腺毛。葉は卵形、長さ110mm×幅80mm・以下、基部は±不均等で、葉柄に向かって漸尖し、縁は波状の歯があり、葉柄は長さ35mm以下。花序は3~5個の散形花序、花序柄は果時に長さ25mmまでになる。小花柄は後屈し、長さ10mmまでになる。萼は鐘形、長さ6mm以下なり、萼片は±三角形、長さ5mmになり、果時に長さ8mmまでに大きくなり、後に後屈する。花冠は±五角形、直径10~15mm、花冠裂片は広三角形、主に白色である。花期は3月。果実は球形で、直径9mm以下、淡緑色で光沢があり、後に鈍く不透明になり、紙質の萼の内側につく。果実の球状顆粒=石粒(stone grains)は4~6個あり、幅は±1mm。種子は多数あり、扁平で淡黄色、長さ1.5mm以下。
植物は直立し、茂み状になり、高さ最大60cmまで、中程度~密に軟毛があり、長さの異なる開出する粘性の腺毛がある。茎は淡緑色、円柱形、歯は無くまたは目立たない歯状のうねがある。葉は卵状披針形~披針形、長さ(3.2)3.9~7.6(11.2)cm×幅(2.7)3.1~5.1(8.0)cm、縁は波状の歯があり、各側に前向きの鈍形~鋭形の歯が3~9個あり、基部は切形または心形。花序は単純な散形花序、花が3~4(5)個つく。花序柄は長さ4~16(28)mm、果時には通常は直立または斜上する。小花柄は長さ7~11mm、果時には後屈する。萼は鐘形、花時には長さ3~6mm。萼片は花時に長円形~披針形、果時に拡大し狭三角形となる。花冠は半星形~五角形、拡大部(弁部)は長さより幅広く、白色、星の基部は黄色/半透明、半径5.0~7.5mm。花冠裂片は広三角形。葯は黄色~橙色、長さ(1.5)~2.0mm。花柱は長さ3.0~3.5mm、花柱は通常、突き出ない。果実は球形、淡緑色、光沢があり、次第に鈍く不透明になり、直径6~9mm、熟すと小花柄が付いたまま落ちる。通常は、大きくなった萼に完全に包まれているが、完全に成熟すると乾燥して「紙状」になり、果実の下側が露出する。種子は長さ1.3~1.5mm、果実1個あたり(23)59~69(93)個入り、淡黄色、緑色の胎座に埋め込まれている。果実の球状顆粒=石粒(stone grains)は4~6個。[e-Flora of South Africa]n=12(2n=2×=24)。
46 Solanum scabrum Mill. ナンゴクイヌホオズキ 南国犬酸漿
synonym Solanum suffruticosum auct. non Schrousboe ex Willd.
synonym Solanum memphiticum Mart.synonym Solanum nigrum var. pterocaulon Schur
synonym Solanum pterocaulon Dunal
アフリカ原産。中国名は木龙葵 mu long kui 。英名はgarden-huckleberry。中国、台湾、ヨーロッパ、南北アメリカ、オーストラリアなどに帰化している。 S. scabrum の葉と若い芽は、伝統的な料理の付け合わせとしてほうれん草のように調理される。葉の抽出物は、下痢、特定の眼感染症、黄疸の治療に伝統医学で使用されている。東アフリカでは、果実を噛んで潰瘍や腹痛の治療に使われる。果実は染料やインクとしても使用される。
1年草または多年草、直立またはよじ登り、高さ1.5mまで。茎は棘はないか、または成長すると棘があり、単毛がある。茎は広がり、円筒形で(中空で乾いた標本では平らになる)、溝があるか翼があり、微軟毛があり、すぐに無毛になる。葉柄は長さ1~5(~8)cm、無毛またはまばらに毛がある。葉身は卵形~楕円形、長さ4~15(~20)cm、基部は急に鋭形~切形、先は円形~鋭形、縁は全縁または稀にわずかに波状、表裏同色、無毛またはまばらに毛がある。花序は側生、長さ1~4cm、単純または一部の栽培種では大きく枝分かれし、4~10(~30)個の両性花をつける。花序柄は長さ1~5(~8)cm、花序軸は無毛またはまばらに毛がある。花は5数性。小花柄は長さ0.4~1cm、軟毛がある。萼は筒部が長さ0.9~1.1mm、無毛またはまばらに毛があり、萼片は広三角形、長さ0.9~1.5mm、先は円形。花冠は星状、直径0.7~1.2cm、白色~暗紫色、中心が黄色、半分まで裂け、花冠裂片は広がって反り返り、三角形、長さ2.5~4mm×幅1.5~3mm、縁に密にパピラがある。雄しべは等長、花糸は無毛または有毛、葯は長さ2~3mm。子房は無毛。花柱は突出し、長さ2.5~5mm、下半分に密に毛がある。果実は球形、±扁平、直径1~2cm、熟すと紫黒色になり、(20~)100~150個の種子を含み、球状顆粒(sclerites)はない。種子は卵形、長さ2~2.8mm×幅1.5~1.8mm、黄褐色または紫色[Flore du Gabon]。36 (2n=6×=72)。
【Flora of Chinaの解説】
標高200~2700mの道路の近く、峡谷や谷の湿った場所に生える。福建省、広東省、広西チワン族自治区、貴州省、湖南省、江西省、四川省、台湾、西蔵、雲南省、浙江省で栽培されている。
1年草または短命の多年草、無毛またはわずかに毛がある。茎は直立し、しばしば角張る。小枝は毛があり、無毛になる。葉柄は長さ4~7mm。葉身は広卵形、菱形、または円形で、しばしば幅広く、長さ2~10(~12) × 長さ 2~6(~7) cm、無毛または毛があり、基部は楔形、下行し、縁は全縁、波状、またはわずかに歯状、先は鋭形。花序は腋窩外に生え、散形花序状。花序柄は分岐せず、長さ1~2.5cm。小花柄は長さ5~10mm、毛がある。萼は杯形、直径約2mm、外面に微軟毛がある。萼片は三角状卵形、長さ約0.5mm、縁毛がある。花冠は白色、長さ約10mm、直径1cm。花冠裂片は卵形、長さ2.5~5mm、外側に軟毛がある。花糸は短く、葯は長円形、長さ2~4mm。花柱は長さ約3mm、細柔毛がある。果時の小花柄は反り返っており、果時の萼は反り返る。果実は紫黒色、やや光沢があり、球形、直径5~10mm。種子は円盤形、直径0.8~1mm。花期と果期は1年中。
47 Solanum seaforthianum Andrews ルリイロツルナス 瑠璃色蔓茄子
synonym Solanum kerrii Bonati.
USA(フロリダ州)、メキシコ、中央メリカ(ベリーズ、グアテマラ、ニカラグア、ホンジュラス、パナマ)、西インド諸島(キューバ、ドミニカ共和国、ハイチ、ジャマイカ、リーワード島、プエルトリコ、アンティル諸島、ウィンドワード島、トリニダード・トバゴ)、南アメリカ(ブラジル北東部、コロンビア、ベネズエラ)原産。中国名は南青杞 nan qing qi。英名はblack nightshade , Brazilian nightshade , climbing nightshade , deadly nightshade , Italian-jasmine , potato-creeper , St. Vincent-lilac。多くの国で広く栽培され帰化している。標高600~1300mの道路の近く、庭で栽培される。
蔓は細く、木質、長さ1~5m、無毛。単純な毛がある。葉は単葉または羽状複葉。葉柄は長さ2~5cm。葉身は長さ4~10cm×幅4~7cm、葉脈に沿って毛がある。基部は鋭形、鈍形、切形、または心形で、通常、羽状に(5~)7(~9)裂する。裂片は卵形~長円形または披針形で、長さが不揃いで、長さ1.5~5cm×幅0.5~2.5cm、鋭形または尖鋭形。花序は対生または頂生のように見え、華やかで、多数の花がつく円錐花序。花序柄は長さ4cmまで、分岐する。小花柄は長さ5~10mm、基部近くで離脱する。萼はカップ形、長さ1~1.5mm×幅2~3mm、切形または小さな短い三角形の裂片を持ち、無毛。花冠は通常紫色、まれに白色、長さ0.9~1.3cm。裂片は卵状長円形、長さ5~8mm×幅2.5~4.5mm、無毛。花糸は長さ2~3mm、葯は離生、長さ3~4mm。花柱は長さ約1cm。果実(中国の植物には見られない)は赤色、多汁、球形、長さ1~2cm。種子は円盤形、直径2~3.5mm。
48 Solanum septemlobum Bunge フルカワナスビ 古川茄
synonym Solanum quercifolium L.
中国(安徽省、甘粛省、河北省、河南省、江蘇省、遼寧省、内モンゴル、陝西省、山東省、山西省、四川省、新疆ウイグル自治区、東チワン族自治区、浙江省)、モンゴル、ロシア原産。中国名は青杞 qing qi。標高300~2500mの日当たりの良い斜面に生える。
草本または低木で、直立し、無毛。軟毛は湾曲し、単純毛、しばしば腺毛がある。茎は角張っており、通常白色の軟毛があり、ときに無毛になる。葉柄は長さ1~2.5cm。葉身は卵形、長さ3~9cm×幅2~6cm、基部は楔形、通常3~7裂し、ときに上部の葉はほぼ全縁で、先は鈍形、裂片は卵状長円形~披針形、まばらに軟毛があり、縁は全縁または歯状。花序は腋外生または頂生で、開いた円錐花序。花序柄は長さ2~5cm、微軟毛があるかまたは無毛。小花柄は長さ5~10mm、通常基部に関節がある。萼は直径約2mmで、外面にまばらに軟毛がある。萼片は三角形、長さ0.5~1mm。花冠は緑がかった紫色、長さ8~10mm×幅8~10mm、5深裂し、裂片は長円形、長さ4~6 mm、軟毛があり、縁毛があり、反り返る。花糸は長さ約1mm。葯は長円形、長さ2.5~3.5mm。花柱は長さ約7mm。果実は赤色、ほぼ球形または卵形、直径約8mm。種子は円盤形、直径2~3mm。花期は6~10月。果期は10~12月。
49 Solanum sisymbriifolium Lam. ハリナスビ 針茄
南アメリカ原産。南アメリカに広く分布する。英名はdense-thorn bitter-apple , red buffalo-bur , sticky nightshade , viscid nightshade。江戸時末期に観賞植物として渡来し、道端、空地などで見られる。
1年草。高さ15~150㎝、粘り、刺は通常黄色、特に上部で黄色く、星状毛がある。葉は長さ4~15㎝、深く羽状分裂し、裂片は全縁~ほぼ中肋まで分裂する。花序は総状花序状。萼は長さ7~9㎜、果時に大きくなる。花冠は幅25~30㎜、淡青色~白色。葯は長さ10㎜。果実は長さ10~20㎜、赤色。種子は長さ約2㎜、橙黄色。花期は2~10月。
50 Solanum spirale Roxb. キダチイヌホオズキ 木立犬酸漿
中国(広西チワン族自治区、貴州省、湖南省、西蔵、雲南省)、インド、アッサム、ブータン、ミャンマー、バングラデシュ、ラオス、タイ、ベトナム原産。中国名は旋花茄 xuan hua qie。標高500~1900mの茂み、川岸、荒れ地に生える。雲南省やインドでは若葉を野菜として地元で食べ、根は麻酔薬や利尿薬として使われる。フィリピン、オーストラリアに帰化。
低木、無毛。茎は直立し、高さ0.5~3m、乾燥すると溝が入り、角(かど)がある。葉は不等の対につき。葉柄は長さ5~10mm。主葉の葉身は狭楕円形~楕円形、長さ9~22cm×幅 4~11cm、上面は無毛、下面の主脈の腋に房状の毛があり、基部は漸尖形、縁は全縁、先は尖鋭形。小さい葉の葉身は主葉の葉身に似ており、長さ5~7cm×幅1.6~3cm。花序は葉に対生または腋外生(extra-axillary)で、短く、単純なサソリ形総状花序。花序柄は長さ3~12mm、後に目立つ花柄痕が付く。小花柄は長さ1.5~2.5cm、花時に後屈する。萼は長さ2~3mm、(4~)5裂し、裂片は三角形、長さ0.5~1mm。花冠は白色、長さ8~10mm、基部から約3/4まで分裂する。花糸は長さ約1mm。葯は長さ3~3.5mm。子房は無毛。花柱は長さ約7mm。果時の小花柄は後屈する。果実は鈍い黄橙色、球形、直径1.1~1.6cm。種子は黄色または黄褐色で、腎形~円盤形、長さ3~3.5mm×幅2.5~3mm。花期は5~7月。果期は6~12月。
51 Solanum torvum Sw. スズメナスビ 雀茄
メキシコ、西インド諸島(バハマ、ケイマン諸島、ドミニカ共和国、ハイチ、リーワード島、プエルトリコ、ウィンドワード島)、中央アメリカ(ベリーズ、コスタリカ、エルサルバドル、グアテマラ、ホンジュラス、トリニダード・トバゴ)、南アメリカ(ブラジル、コロンビア、エクアドル、フランス領ギアナ、ガイアナ、ベネズエラ)原産。中国名は水茄 shui qie。英名はdevil's-fig , pea eggplant , platebrush , susumber , turkeyberry。熱帯地域に広く帰化している。標高200~2000mの道端、荒れ地、峡谷、谷、茂み、村の近くの湿地などに生える。湿潤で肥沃な土壌で育ち、ナスの台木として使用される。若い果実は調理して食べられ、視力改善の薬として利用される。葉は皮膚病の治療に利用される。
低木、高さ1~2(~3)m、棘はまばらで、全体に密に毛が生え、灰白色の星状毛は多数の放射状枝がある。茎には太く反り返った帯赤色または淡黄色の長さ2.5~10mm×幅2~10mmの棘があり、ときに基部に星状毛がある。葉は単生または対生し、葉柄は長さ2~4cm。葉身は卵形~楕円形、長さ6~16(~19)cm×幅4~11(~13)cm、黄色で多数枝分かれのある星状毛があり、棘は有または無、基部は心形または楔形、縁は波状または通常5~7裂し、先は鋭形。花序は腋外生(extra-axillary)に、多数の花がつく総状円錐花序をつける。花序柄は大部分が1~2分岐し、長さ1~1.8cm、星状の軟毛がある。花は雄花両性花同株(andromonoecious)。小花柄は暗色で細く、長さ5~12mm、単純な腺毛と柄のある星状毛がある。萼は杯形、長さ4~5mm、小花柄と同様に軟毛がある。萼片は卵状披針形、長さ2~3mm。花冠は白色、車形、長さ1~1.3cm×幅1~1.5cm、花冠裂片は卵状披針形、長さ8~10mm、外側に星状軟毛がある。花糸は長さ約1mm。葯は長さ4~7mm。花柱は長さ6~8mm。果時の小花柄は長さ1~2cm、上向で太くなり、まばらに星状毛と単純な腺毛がある。果時の萼は長さ約1.5cm。果実は黄色で、平滑、無毛、直径1~1.5 cm。種子は円盤形、直径1.5~2mm。花期と果期は1年中。
52 Solanum triflorum Nutt. ハゴロモイヌホオズキ 羽衣犬酸漿
北アメリカ、南アメリカ原産。英名はcut-leaf nightshade , small nightshade , three-flower nightshade , wild tomato。北海道に帰化している。1年草、高さ10~50㎝。毛は曲がり又は開出し、腺は有又は無。葉は長さ2~5㎝、長円形~卵形、深裂する。花序は散形花序状、花が2~3個つく。萼は長さ2.5~3㎜、果時に大きくなる。花冠は幅7~9㎜、白色。花冠裂片は花冠筒部より大きいか又は等しい。葯は長さ約3㎜。果実は長さ8~12㎜、緑色。種子は長さ2.5~3㎜、黄色。n=12 (2n=2×=24)。花期は6~9月。
53 Solanum tuberosum L. ジャガイモ
synonym Solanum andigenum Juz. & Bukasov
synonym Solanum tuberosum subsp. andigenum (Juz. & Bukasov) Hawkes
南アメリカのアンデス地方原産。7000~1万年前にチチカカ湖地域のペルー、ボリビアで栽培されていた。世界中で食用に栽培される栽培種。英名はpotato , Irish potato 。中国名は阳芋 yang yu。 別名はバレイショ馬鈴薯。多年草、直立又は広がり、高さ30~80㎝、無毛又はまばらに毛があり、単純毛と腺毛がある。匍匐茎は地中に塊茎(いも)をつける。塊茎は帯白色~赤色~紫色、球形~扁球形~楕円形、直径3~10㎝、肉質。葉は断続的な奇数羽状複葉、小葉は6~8対、間により小さい小歯がある。葉柄は長さ2.5~5㎝。小葉の葉身は卵形~長楕円形、ほとんどに控えめに軟毛がある。花序は頂生、葉に対生又は腋生、多数の花がつき、控えめに分枝する円錐花序になる。花柄は中間付近に関節があり、長さ1~2㎝。萼にはまばらに毛があり、萼片は披針形。花冠は白色~ピンク色~青紫色、ときに全て同色、車形、直径2.5~3㎝。花冠裂片はデルタ形、長さ約5㎜。花糸は長さ約1㎜。葯は長さ5~6㎜。子房は無毛。花柱は長さ約8㎜。液果は緑色~黄緑色、しばしば縞があり、球形、平滑、直径約1.5㎝。花期と果期は夏~秋。
日本には『長崎年暦両面鏡』に天正4年(1576年)に本年渡来と記されているが、欧州への移入・伝播が1580年代であり、早すぎるため、慶長3年(1598年)などの異説がある。古くはジャガタラいもと呼ばれ、ジャワに由来する。江戸時代以降、米の栽培に不利な山間地や寒冷地での栽培が広まり、多くの地方品種も作られている。江戸時代後期には北海道、東北地方でも飢饉対策として栽培されるようになった。現在のような大規模な北海道での栽培は明治時代以降である。
ジャガイモの品種はナスより多く、世界には2000種以上(RHSでは1400種以上がヒット)があるといわれている。日本で栽培されているのは約20種。日本での登録品種は約100種ある。
品種) アンデス赤 , インカのめざめ , キタアカリ , コナフブキ , シンシア , 男爵薯(だんしゃくいも) , デジマ , とうや , トヨシロ , ニシユタカ , ホッカイコガネ , メークイン , ラセット・バーバンク , ワセシロなど。
多数の変種等に分類されてきたが、下位分類は認められていない。
(1) Solanum tuberosum group andigenum
synonym Solanum tuberosum L. subsp. andigenum (Juz. & Bukasov) Hawkes
synonym Solanum andigenum Juz. & Bukasov [basynonym]メキシコ、南アメリカで栽培されている。英名はAndean potato , limena potato , potato , yellow potato
54 Solanum villosum Mill. アカミノイヌホオズキ 赤実犬酸漿
synonym Solanum villosum Mill. subsp. puniceum (Kirschleger) Edmonds
synonym Solanum nigrum L. var. villosum L. ビロードイヌホオズキ[腺毛がある]
synonym Solanum villosum subsp. miniatum (Bernh. ex Willd.) J.M.Edmonds アカミノイヌホオズキ
synonym Solanum nigrum L. var. miniatum (Bernh. ex Willd.) Fr.
synonym Solanum luteum Mill.synonym Solanum alatum Moench
中国、インド、ネパール、アフガニスタン、南西アジア、ヨーロッパ原産。英名はred nightshade , red-fruit nightshade , woolly nightshade , Golden Pearl、Hairy Nightshade、Red Nightshade、Woolly Nightshade。中国名は红果龙葵 hong guo long kui 。ケイヌホオズキやS. physalifoliumに似るが、球状顆粒は含まない。
1年草。高さ40~60㎝。多数、分枝し、単純毛の軟毛があり、ときに腺毛がある。茎は軟毛があり、しばしば稜がある。葉柄は長さ5~10㎜、翼がある。葉身は卵形~楕円形、長さ3~7㎝×幅2~4㎝、まばらに軟毛があり、基部は楔形、沿下し、縁は全縁~波状縁~粗い歯状、先は鋭形。花序は腋外生、散形花序状、花が1~5個つく。花序柄は長さ約1㎝、分枝しない。小花柄は長さ4~6㎜。萼は長さ約2㎜×幅1~1.5㎜、微軟毛がある。萼片は鈍形、長さ1㎜未満、縁毛があり、丸く湾曲する。花冠は白色又は紫色、ときに乾くと帯黄色になり、長さ5~7㎜×幅8~10㎜。花冠裂片は卵状披針形、長さ約3㎜、縁毛があり、強く広がり、後屈する。花糸は長さ1.5~1.8㎜、軟毛がある。葯は長さ約2㎜。花柱は長さ3~4.5㎜、基部に長軟毛がある。果時の花柄は長さ1~1.5㎝、軟毛がある。液果は赤色、橙色、又は黄色、しばしば明るくなり、球形または縦長の長円形、長さ6~8㎜、球状顆粒は含まない。種子は円盤形、直径約1㎜。花期は7~9月。果期は9~11月。n=24(2n=4×=48)。
55 Solanum violaceum Ortega テンジクナスビ 天竺茄
synonym Solanum indicum auct. non L.
synonym Solanum anguivi auct. non Lam.
中国(福建省、広東省、広西チワン族自治区、貴州省、海南省、四川省、雲南省)、台湾、インド、パキスタン、ネパール、ブータン、スリランカ、ミャンマー、バングラデシュ、ラオス、タイ、ベトナム、マレーシア、インドネシア原産。中国名は刺天茄 ci tian qie。標高100~2700mの森林、乾燥した茂み、荒れ地、道端に生える。果実は、咳止め、歯痛の緩和、皮膚病の外用薬として薬用に使用される。
低木、高さ0.5~1.5(~2)m、枝分かれが多く、全体に軟毛が密にあり、柄のある5~11放射枝の星状毛がある。茎と枝には淡黄色の反り返った棘があり、長さ4~10mm×幅1.5~7mm、灰色の星状の綿毛がある。葉は不等長の対につき、葉柄は長さ1.5~4cm、葉身は卵形、長さ5~8(~11)cm×幅2~7(~8.5)cm、綿毛があり、上面には短い柄のある5~9(~11)放射枝の星状毛があり、下面には長い柄のある毛があり、真っ直ぐな針状の棘があり、基部は心形または切形、縁は5~7個の波状裂片があり、先は鈍形または鋭形。花序は腋外生(extra-axillary)のサソリ形総状花序で、長さ2~6cm、まばらに分枝する。花序柄は長さ約1.5cm、棘は有または無。小花柄は長さ4~15mm。萼は長さ4~7mm、萼片は披針形、長さ3~5mm、不等長、毛があり、小花柄と同様に棘がある。花冠は青紫色、ときに白色、車形、長さ1~1.2cm×幅1~2cm。花冠裂片は卵形または卵状披針形、長さ5~8mm×幅2~5mm、鈍形。花糸は長さ約1mm。葯は長円形、長さ5~6mm。花柱は長さ8~10mm、星状毛がある。果時の小花柄は長さ1~2cm、星状毛があり、棘があり、直立するか、またはときに反り返る。果時の萼は反り返り、星状毛があり、棘がある。果実は光沢のある橙色、球形、直径0.8~1.3cm。種子はほぼ円盤形、直径約2mm。花期と果期は1年中。
56 Solanum virginianum L. トゲハリナスビ 刺針茄
中国(海南省、湖北省、四川省、雲南省)、台湾、インド、パキスタン、ネパール、ブータン、ミャンマー、バングラデシュ、スリランカ、タイ、ベトナム、インドネシア、マレーシア、アフガニスタン、イラン、サウジアラビア、イエメン、湾岸諸国、オマーン原産。中国名は毛果茄 mao guo qie 。英名はyellow-fruit nightshade。標高100~1300mの砂地の川岸に生える。Solasodineが果実から抽出でき、ホルモン合成の原料となる。 多年草、直立または匍匐し、とき基部が木質化し、高さ50~70cm、丈夫で基部が幅広い針状の棘が多数生え、棘は長さ0.5~2cm×幅0.5~1.5mm、7~9放射状枝の星状毛があり、全体的に無毛になる。葉は不等の対がつき、葉柄は長さ2~3.5cm、棘があり、無柄の星状毛がある。葉身は卵状長円形、長さ4~9cm×幅2~4.5cm、毛があり、葉脈に沿って棘があり、無毛になり、基部はほぼ心形または不均等、縁は普通5~9裂または羽状深裂し、裂片は不等長、波状、先は鋭形。花序は長さ4~7cmの長い総状花序。花序柄は分岐せず、棘が多数生える。萼は鐘形、直径約1cm。萼片は長円形、軟毛があり、棘がある。花冠は青紫色、車形、長さ1.4~1.6cm×幅2.5cm。花冠裂片は卵状三角形、長さ6~8mm、密に軟毛があり、星状毛がある。花糸は長さ約1mm。葯は長さ約8mm。花柱は長さ約1cm。果時の小花柄は長さ2~3.6cm、棘があり、星状毛がまばらにある。果時の萼は棘があり、まばらに軟毛がある。液果は淡黄色、直径1.3~2.2cm。種子はほぼ腎形、直径約1.5mm。花期は11~5月。果期は6~9月。
57 Solanum wrightii Benth. オオバナナスビ 大花茄
synonym Solanum macranthum Carrière
synonym Solanum setosicalyx Rusby
ボリビア原産。英名はBrazilian potato-tree , potato-tree。大花茄 da hua qie。公園や庭に植栽される。
常緑樹、樹高は12mに達し、ときに真っ直ぐな刺があり、有毛で、柄のある星状毛がある。葉柄は長さ5~10cm。葉身は広卵形、長さ30cm×幅15~20cm、ザラつき、上面には散在する単毛または星状毛があり、下面には疎~密に柄のある星状毛と刺があり、しばしば真っ直ぐな黄色または緑色の刺があり、基部は斜め、縁は全縁または波状裂片があり、先は鈍形または鋭形。花序は腋生または腋外生(extra-axillary)の多数の花がつく総状花序をつける。花序柄はほとんどが分岐しない。花は華やかで、雄花両性花(andromonoecious)である。小花柄は長さ0.6~1.5cm、目立つ傷痕を残すことが多く、剛毛のような長い柄のある毛が密にある。萼は長さ1~1.5cm、深裂し、萼片は披針形、剛毛があり、毛はほとんどが単毛。花冠は開くと濃紫色で、数日かけて青色から白色に色あせ、直径6~9cm、下部の約1/3まで深裂し、外側に星状毛がある。花糸は長さ2~3mm、無毛。葯は長円形、先端は狭まり、嘴状で、長さ1.2~1.5cm。花柱は2形性。果実は赤色、緑色のままのこともあり、球形、直径3~4cm。種子はレンズ形、直径2~3mm。
参考
1) World Flora OnlineSolanum
Solanum
Solanum tuberosum L.
Solanum
Solanum melongena
Key to the species of Solanum
Solanum laciniatum Aiton
Solanum aviculare var. aviculare
Solanum aviculare
琉球からのナス属の 1新種イラブナスビ
イヌホオズキ類の検索 勝山輝男 p571-572
Jepson eFlora Key page for Solanum
Comparison Chart for Species of Solanum
Plant Propagation Protocol for [Solanum americanum]
Solanum douglasii Dunal
Solanum ptycanthum — eastern black nightshade