カタバミ 片喰、酢漿草
Flora of Mikawa
カタバミ科 Oxalidaceae カタバミ属
中国名 | 酢浆草 cu jiang cao |
英 名 | procumbent yellow-sorrel , creeping wood sorrel |
学 名 | Oxalis corniculata L. |
花 期 | 4~10月 |
高 さ | 4~10(30)㎝ |
生活型 | 多年草 |
生育場所 | 道端,、空地、農地 |
分 布 | 在来種 日本全土、世界中の熱帯~温帯 |
撮 影 | 作手村 03.9.20 |
林縁や林内、草むらなどで見られる茎の立ち上がったものはタチカタバミと呼ばれる。
ケカタバミは普通、海岸で見られ、葉の表にも毛がある。
アカカタバミはカタバミより葉が小さく、暗赤紫色のもの。カタバミとアカカタバミの雑種はウスアカカタバミと呼ばれ葉の色が両者の中間である。
茎が立ち上がって枝を密に出すのは帰化種のオッタチカタバミである。オッタチカタバミは種子が小型で、横しわが白色になる。
エゾタチカタバミは茎が立ち上がり、分枝が少ない。太い直根はなく、托葉は不明瞭。種子はカタバミと似ていて、横溝の数が多く、普通、横溝が白くならない。
カタバミ属
family Oxalidaceae - genus Oxalis1年草、多年草、普通、塊茎、鱗茎、根茎がある。茎は直立、匍匐、欠く(ロゼット)。托葉は普通、無いか非常に小さい。葉は根出(radical)又は互生し、3小葉(中国種群)。花序は単生、集散花序又は散形花序。花序柄(花茎)は長く、先に2個の小さな苞をもち、苞は花が単生の種では花序柄の中間につく。萼片は明瞭、覆瓦状。ときに葉、苞、萼片に橙色のカルス(callus pl.calli:瘤[tubercles]、または小点ともいう。カロース[callose]は分泌される多糖類であり、カルスは組織であり、組織をカロースというのは誤り)がある。花弁は黄色、赤色、ピンク色、白色、回旋状、ときに基部でわずかに合着する。雄しべはすべて稔性。花糸は基部で合着又は分離。子房は室に1~数個の胚珠をもつ。蒴果は胞背裂開。種子は外側に肉質の外種皮があり、外種皮は弾性的に破裂する。x=(5~)7(~12)。
世界に約700種があり、両半球の熱帯、亜熱帯に分布し、温帯にも広がる。
カタバミ属の主な種
1 Oxalis acetosella L. コミヤマカタバミ 小深山酢漿草synonym Oxalis montana Raf.
日本(北海道、本州、四国、九州)、中国、モンゴル、ロシア、ブータン、ネパール、ミャンマー、トルコ、コカサス、ヨーロッパ原産。中国名は白花酢浆草 bai hua cu jiang cao 。英名はcuckoo-bread , European wood-sorrel , Irish shamrock , wood-sorrel。標高800~3700mの森林、日陰の場所に生える。
多年草、高さ8~15㎝、無茎。根茎は地下を這い、細く、肉質・淡褐色鱗片状の葉の基部の残片でほとんど覆われ、太さ約1㎜、鱗片を含まないものは太さ約3㎜。鱗片は淡褐色、まばらに剛毛がある。葉柄は長さ3~15㎝。小葉の葉身は倒心形、長さ0.5~2㎝×幅0.8~3㎝、先は深く凹形。裂片の先は円形。花は単生、下向き。花序柄は葉の長さと同じ又は長い。花茎の中間の苞は披針形、長さ約3㎜、先の周りに毛状突起がある。萼片は卵状披針形、宿存する。花弁は白色、ライラック色~ピンク色の脈があり、倒卵形、長さ(1.2~)1.5~2.2㎝、先は軍配うちわ形~深い凹形。蒴果は角(かど)のある卵形、長さ3~4㎜。種子は薄褐色、卵形、縦のうねがある。花期は7~8月。果期は8~9月。2n=22。
品種) 'Dappled Shade' (v)
いくつかの亜種、変種、品種に分類されているが、Kewscienceでは認めていない。
1-1 Oxalis acetosella L. subsp. taemonii (Yamam.) S.F.Huang et T.C.Huang センザンカタバミ
1-2 Oxalis acetosella L. var. acetosella f. vegeta (Tatew.) M.Mizush. エゾミヤマカタバミ
synonym Oxalis acetosella L. var. vegeta Tatew.1-3 Oxalis acetosella L. var. longicapsula Terao ヒョウノセンカタバミ
1-4 Oxalis acetosella L. subsp. grifithii (Edgew. et Hook.f.) H.Hara var. formosana (Terao) S.F.Huang et T.C.Huang アリサンカタバミ 異分類
synonym Oxalis acetosella L. subsp. formosana Terao2 Oxalis adenophylla Gillies ex Hook. & Arn. オキザリス・アデノフィラ
アルゼンチン、チリ原産。英名は Chilean oxalis , silver shamrock , sauer klee oxalis。
高さ4~15㎝。根は1本又はそれ以上、倒三角形、長さ7㎝×幅3㎝以下、繊維状に細かく分枝する。偽鱗茎(pseudobulb)は垂直の根茎によって構成され、(根茎は長さ20㎜×幅5㎜以下の中空で保護の鱗片に被われ、)線形、長さ10~35㎜×幅1~3.5㎜、赤褐色、膜質、先は鋭形、縁毛が密にあり、縁毛は波打ち、長さ5㎜以下。托葉は長さ3~7㎜×幅1~2㎜、完全には柄につき、先が狭くなり、帯赤色、透明、両面とも無毛~有毛。葉柄は長さ4~15㎝、無毛(又はわずかに腺毛がある)。小葉は8~12個、倒心形、長さ8㎜×幅8㎜以下、1/6~2/3めで切れ込み、散開し、不等形、長円形、無毛(又は少数、細かい、波打つ毛状突起があり)、カルスがときにある。花序は花が1(~2)個。花序柄は長さ15㎝以下、無毛。苞は長さ3~9㎜×幅0.3~2.5㎜。花柄は長さ4~10㎜。小苞は長さ5㎜×幅1㎜いか。咢片は広卵形、長さ4~8㎜×幅2.5~5㎜、不等長、長い尖鋭形又は鋭形、まれに鈍形、先に縁毛があり、縁毛は波打ち、やや、カルスがある。花は直径45㎜以下。花弁は倒卵形又はへら形、ピンク色~紫色基部が白色、脈とのど部は紫色、基部は鉤爪状、先に細かい縁毛がある。短、中、長の花柱型がある。果実は球形の蒴果、直径6~7㎜、無毛又は短い、単純な腺のある毛状突起をもつ。心皮は内側が有毛、種子が1~2個。種子は非対称の楕円形、約長さ2㎜×幅1㎜、黄土色。花期と果期は春~夏。
品種) 'Brenda Anderson' , 'Purity'
3 Oxalis articulata Savigny イモカタバミ 芋片喰、芋酢漿草
南アメリカ(ブラジル、アルゼンチン、パラグアイ、ウルグアイ)原産。英名はlarge-leaf wood-sorrel , pink shamrock , pink-sorrel , purple wood-sorrel , shamrock oxalis , sour-grass。別名はフシネハナカタバミ 節根花片喰。日本へは戦後に渡来。
多年草、無茎、根茎がある。根茎は太く、木質、不規則に小さな節の部分があり、しばしば葉柄の基部が宿存して覆う。走出枝は無く、球根(鱗茎)もない。葉は根生する。葉柄は長さ11~30㎝。小葉は3個、下面は緑色~帯紫色、上面は緑色、丸みを帯びた倒心形、長さ18~20㎜、縁は密に又は緩く縁毛があり、長さの1/5~1/3まで浅裂し、裂片の先は凸面、表面は均等に剛毛状の絨毛~剛毛状の粗毛があり、シュウ酸の堆積は縁又は表面全体の斑点に集中して起こる。花序は普通、散形状の集散花序、またはそれほど多くはないが不規則な集散花序になり、花は3~12個つく。花茎は長さ12~28㎝、まばらに剛毛がある。花は異形花柱性。萼片は先に2個のオレンジ色のカルス(tubercles;瘤)がある。花弁は普通、紫ローズ色(purplish rose)、まれに白色、長さ10~14㎜。蒴果は卵形、長さ4~8㎜、まばらに剛毛がある。2n=24。花期は3~7月。
品種) 'Alba' , 'Aureoreticulata' , 'Cherry Spritzer' , 'Delicata' ,'Festival' , f. crassipes 'Alba' , 'Foundation Pink' , 'Jill' , 'Lilacana' , 'Pink Dream' , 'Rosea'
4 Oxalis barrelieri L. ハギカタバミ 萩片喰
synonym Oxalis bahiensis Progel
南アメリカ原産。英名は Barrelier's woodsorrel , lavender sorrel。
茎は直立し、高さ1.5mになる。球根も走出枝もは無い。葉は普通、多少、対生し、葉は3小葉。托葉は無い。小葉は卵形、長さ2~3㎝。花は小型、ピンク色~白色、直径約1㎝、中央が黄色。萼片は長さ2~4㎜×幅0.5~1.25㎜、卵状披針形、鋭形、無毛又は少し毛があり、カルスは無く、3脈がある。花弁は長さ6~9㎜×幅2~2.5㎜、倒卵状披針形、先は円く、花後に内巻きし、ピンク色、下半部は帯緑色で黄色の斑点があり、無毛。子房は長さ1㎜×幅0.5㎜。果実は長さ5~10㎜×幅3~5㎜、わずかに卵形、5角(かど)、先と基部は5裂、無毛。種子は室に3~4個、約長さ10.5㎜×幅1㎜、扁平な卵形。(Flora Malesiana)
5 Oxalis bowiei Herb. ハナカタバミ 花片喰
synonym Oxalis purpurata Jacq. var. bowiei (Herb.) Sond.
synonym Oxalis bowieana Lodd.ムラサキカタバミやイモカタバミは花の色が似ているが、花弁がほとんど重ならず、細毛がない。萼片の先や葉裏に橙黄色のカルスがある.
南アフリカ原産。英名はBowie's wood-sorrel , red-flower woodsorrel。
多年草、高さ10~30㎝。紡錘形の塊茎によって増える。茎、花柄、葉柄などに細かな毛が密に開出する。小葉は長さが約4㎝あり、葉の縁に細毛がある。葉裏は毛が散生し、脈上にやや長い毛が密生し、橙黄色のカルスは無い。花は直径約3㎝と大きく、花の中心部が黄色であり、5個の花弁の縁が深く重なって、隙間がない。花弁の裏にも細毛があり、萼には細毛が密生する。雄しべは2段につき、雌しべはその下につく。
品種) 'Amarantha'
6 Oxalis braziliensis Lodd. ex Knowles et Westcott ベニカタバミ 紅片喰
南アメリカ(ブラジル、アルゼンチン、ウルグアイ)原産。英名はBrazilian wood-sorrel 。日本、オーストラリアに帰化。日本には江戸時代に渡来。ブラジルカタバミとも呼ばれる。多年草、無茎、根茎と走出枝がある。鱗茎は1個又は束生し、長さ5~20㎜×幅5~17㎜、外側の鱗茎葉は5~8[~13]脈があり、縁毛があり、内側の鱗茎葉は厚く、帯橙色。葉は根生し、葉柄はしばしば下部が紫色を帯び、長さ3~13[~20]㎝、無毛又はまばらに細かい剛毛がある。小葉は3個、薄緑色、倒デルタ形、角(かど)が丸く、長さ[2~]10~21[~32]㎜、長さの1/10~1/20まで、浅裂し、裂片は先が浅く 凸面~切形に近く、縁は無毛又はまばらに不規則な縁毛があり、毛は緩く、細かい。下面はまばらだが均等に剛毛があり、上面は無毛、シュウ酸の堆積は無い。花序は散形状の集散花序、花が1(~2)[~5]個つく。花茎は長さ 14~17[~30]㎝、無毛。花は明らかに3花柱性(中花柱の花が見られる)。萼片は帯紫色、先に瘤は無く、表面は無毛。花弁は紫色(violet-purple)、下部に暗紫色の脈があり、長さ18~20㎜。蒴果は狭円筒形、長さ15~22㎜、密毛は見られない。花期は3~7月。
7 Oxalis compressa Thunb. オキザリス・コンプレッサ
南アフリカ原産。オーストラリアに帰化。英名はwinged wood-sorrel。
多年草。無茎。球根は卵形、長さ 8~15(~30)㎜、尖る。薄皮は淡褐色。小球根は白色の肉質のÑ柄茎の上と下部の葉腋につく。葉は密集してつき、3小葉。小葉は類無柄、楔状倒心形、長さ10~30㎜×幅15~35㎜、2裂し、緑色、上面は無毛、下面はまばらに毛があり、縁毛があり、小葉の長さの1/4まで切れ込む、裂片は長円形、広がり、先は円形、10~35㎜離れる。葉柄は長さ1.2~20㎝、背腹に扁平、狭い翼があり、疎ら~中位に、縁だけ又は葉柄全体に毛がある。毛は普通、開出し、又はときに、下部が伏した又は斜上する前向きの単純毛が混ざる。托葉は膜質、狭く、長さ約10㎜以下、急に細くなり柄がある。花序は基部からつき、花は3~6(~10)個つく。花序柄は葉より長く、密毛は葉柄とに似ているが、毛が少ない。花柄は前向きの単純毛と広がる腺毛が混じり、覆われる。萼片は披針形、長さ5~7㎜、密毛は花柄に似て、基部が緑色、先が帯赤色、普通、先に2個の橙色のカルス(calli)をもつ。花弁は長さ15~20㎜、黄色。蒴果はオーストラリアでは発達しない。8~11月。
品種) 'Pom Pom'
7-1 Oxalis compressa var. double
8 Oxalis corniculata L. カタバミ 片喰、酢漿草
synonym Xanthoxalis corniculata (L.) Small
原産地不明。英名はcreeping lady's-sorrel , creeping oxalis , creeping wood-sorrel , procumbent yellow-sorrel , sour-grass wood-sorrel , yellow wood sorrel
太い直根があり、茎は赤味を帯び、地上茎が地表を這って広がる。茎、葉、果実など全体的に有毛。葉は3小葉で、小葉は倒心形(ハート形)。葉の表面はほとんど無毛で、縁と裏に疎毛がある。また、葉にoxalic acidを含む。はっきりした托葉がある。茎はあまり高く伸びず、先が立ちあがり、葉腋から花柄を出して花を(1) 2~3(6まれに8) 個つける。花は黄色の5弁花で、直径約8㎜。花弁は長さ4~8㎜。果実は先の尖った円柱形で、長さ8~17(20)㎜。種子は長さ約1.5㎜の先が尖った広楕円形、褐色に熟し、表面に7~9(12)本の横しわがある。横しわは白くならない。2n=24, 36, 42, 44, 48。
品種) 'Rubra'
8-1 Oxalis corniculata L. f. atropurpurea (Planch.) Van Houtte ex Hegi ウスアカアカカタバミ 薄赤片喰
synonym Xanthoxalis grenadensis (Urb.) Tzvelevsynonym Oxalis corniculata L. f. tropaeoloides (Voss) R.Knuth
栽培種。カタバミとアカカタバミの雑種。葉の色が両者の中間である。
8-2 Oxalis corniculata L. form. erecta Makino タチカタバミ 立片喰
8-3 Oxalis corniculata L. f. plena Sakata ホシザキカタバミ
カタバミの八重咲き。別名はクニタチカタバミ。8-4 Oxalis corniculata L. f. rubrifolia (Makino) H.Hara アカカタバミ 赤片喰
カタバミより葉が小さく、暗赤紫色のもの。8-5 Oxalis corniculata L. var. trichocaulon H.Lev. ケカタバミ 毛片喰
普通、海岸で見られ、葉の表にも毛がある。9 Oxalis debilis Kunth ムラサキカタバミ 紫片喰
南アメリカ原産。英名はlarge-flower pink-sorrel , pink shamrock , world-wide wood-sorrel ,violet woodsorrel, pink woodsorrel, corymb wood sorrel。別名はキキョウカタバミ。
多年草、無茎、根茎と匍匐枝は無い、小球根は密集してつき、球根の鱗片は3脈がある。葉は根生する。葉柄は長さ10~25㎝。小葉は3個、緑色~黄緑色、円状倒心形、長さ17~40(~50)㎜、長さの1/6~1/5分裂し<裂片は先が凸面>、下面には剛毛があり、上面は無毛。シュウ酸塩堆積物(oxalate deposits)は少なくとも上部の縁あり、しばしば、表面に均等にある。花序は不規則な集散花序、花が(3~)8~14(~28)個つく。花茎は長さ15~28㎝、中位に絨毛~ほぼ無毛。花はほとんど、等花柱性(homostylous)、まれに三花柱(tristylous)。萼片は先に2個の橙色のカルスをもつ。花弁は紫色~ラベンダー色~ローズパープル色、長さ10~16(~20)㎜。蒴果は見られない。2n=14, 28, まれに 35。花期は12~5月、まれに夏に再開花する。
9-1 Oxalis debilis Kunth subsp. corymbosa (DC.) Lourteig ムラサキカタバミ
synonym Oxalis martiana Zucc.synonym Oxalis corymbosa DC.
南アメリカ原産。英名はlilac oxalis , pink shamrock , sheep-sorrel。
Oxalis corymbosa と O. debilisは葉身のシュウ酸塩堆積物の分布により A. Lourteig (2000) に分けられた。O. debilisでは斑点状の堆積物が縁に密集し、他に無いか又は明瞭に少ない。O. corymbosa,では葉身全体に均等に分布する。南アメリカの原産地では両者が広く、同じ場所でみられ、中間体も普通である。中間体は表面全体又はときに葉身の外側1/3のほとんどと同様に縁にもシュウ酸塩堆積物をもつ。2種を正式に認める正当性はない(Flora of North America)。GRINでは変種としている。
多年草、高さ10~30㎝。実はつかず、地下の鱗茎によって増える。葉は幅2~4㎝のハート形の3小葉。葉の裏に橙黄色の微細な小点(シュウ酸塩堆積物 oxalate deposits)があり、裏面にもあり、縁の小点は明瞭。花は直径約2㎝、淡紅色(ピンク色)。英名ではピンクとかライラック(明るい紫色)の名がつけられているように花色は薄い色が普通である。花弁は5個、幅は狭く、基部に濃色の条線が見える。雄しべは10個、5個が長く、5個が短い。葯の色は白色。雌しべの柱頭は5個、緑色。日本では結実しないのが普通。萼片の先端に橙黄色の2個のカルスがある。花期は5~7月。
品種) 'Aureoreticulata'
10 Oxalis dillenii Jacq. オッタチカタバミ
synonym Oxalis stricta auct. non L.
北アメリカ(カナダ、USA)原産。英名はDillen's wood-sorrel , erect wood-sorrel , gray-green wood-sorrel , slender yellow wood-sorrel , southern yellow wood-sorrel , wood-shamrock。
基部が太くなった直根はなく、根茎は浅く横に伸びる。ただし、ほとんど直根だけの場合もある。茎は基部で2~8本に分枝して、先が高さ5~25(~40)㎝、直立し、細かい上向きの白毛がある。立ち上がった茎はカタバミより太く、短い節間で花柄を出す。茎葉も1箇所から2個ずつ出ることが多く、葉が多数、密集してついたように見える。托葉は明瞭だが、節が膨らみ不明瞭な場合もある。散形花序に花を(1~)2~3(4まれに8)個つける。花弁は長さ5~11㎜。小花柄に上向きの伏せた白毛が密生する。果柄は水平~下垂する。果実は長さ12~20(~25)㎜。種子は長さ約1㎜とカタバミより小型で、表面に白い破線の皺が10本ある。この白い破線は種子が外種皮から飛び出したときには白くなく、付着している液が乾くとともに数秒で白くなる。2n=18, 20, 22, 20~24。
11 Oxalis enneaphylla Cav. オキザリス・エネアフィラ
アルゼンチン、チリ、フォークランド諸島原産。英名はscurvy-grass sorrel , scurvy grass。
多年草、高さ1~15㎝。根は不定、ひげ根。根茎は水平、細い。栄養価の高い鱗片は楕円形長さ6㎜×幅3㎜、螺旋状に覆瓦状につき、赤褐色、革質、厚く、先は鋭形、断面は類平凸形、縁は平滑、斑点(macula)は無く、保護の鱗片は線形、長さ25㎜×幅1.5~2㎜、帯赤色、膜質、先は鋭形、全体に無毛~両面に±絹毛状の毛があり、縁に波打つ絡み合う縁毛があり、托葉をもつ。托葉は長さ3~7㎜×幅1~3㎜、葉柄に完全につき、先が狭くなり、帯赤色、透明、両面とも無毛~有毛。葉柄は長さ1~1.5㎝、有毛。小葉は7~13個、鈍形、長さ1.5~8㎜×幅4~12㎜、緑色又は粉白色、三角形状の楔形、1/3~2/3切れ込み、裂片は非対称に散開し、無毛~密に毛があり、ときに、縁にカルスをもつ。花序は花が1個。花序柄は長さ1~1.5㎝、無毛又は有毛。苞は楕円形又は鋭形の三角形、長さ10㎜×幅2㎜、帯白色又は帯赤色、透明、抱茎、無毛又は先に縁毛がある。花柄は長さ2~10㎜。萼片は楕円形又は卵形、長さ10㎜×幅4㎜、鋭形~類鋭形、帯赤色又は帯黄色、表面は無毛、先と縁には絹毛がある。花は直径60㎜以下。花弁は倒卵形~へら形、基部は爪状、上側の縁に細かい絹毛があり、白色、ピンク色、又は紫色(violet)、脈は紫色。短、中、長の花柱形がある。果実は球形、蒴果、直径6~7㎜、無毛又は短い腺毛がある。中の心皮に、1~2種子をもつ。種子は非対称の楕円形、約長さ2㎜×幅1㎜、黄土色。2n=28。花期と果期は春~夏。
品種) 'Alba' , 'Hythe Seedling' , 'Ione Hecker' , 'Lady Elizabeth' , Minutifolia' , 'Minutifolia Alba' , 'Minutifolia Rosea' , 'Patagonia' , 'Rosea' , 'Rubra' , 'Ruth Tweedie' , 'Sheffield Swan' , 'Ute'
12 Oxalis exilis A.Cunn. アマミカタバミ 奄美酢漿草
synonym Oxalis ciliifera A.Cunn.
synonym Oxalis corniculata var. microphylla Hook.f.
synonym Oxalis corniculata var. ciliifera (A.Cunn.) Hook.f.
synonym Oxalis amamiana Hatus.Hatusima奄美大島、オーストラリア、ニュージーランド原産。英名は least yellow sorrel , shady woodsorrel , yellow oxalis。オーストラリアやニュージーランド産は丘や草地に生える。奄美大島産は山地の渓流沿いの岩上のコケの中に生え、カタバミの渓流型の別種とする見解もある。
多年草、高さ約3㎝。茎は赤色を帯び、よく分枝して地上を這い、長さ10~20㎝になり、白色の微軟毛がある。小葉は倒心形、長さ、幅とも5㎜以下、両面に長さ0.5㎜の白色微軟毛がある。花は花茎の先に1個つき、直径約5㎜。花弁は倒卵状楕円形、黄色。種子は長さ約0.8㎜。花期は4~10月。
【オーストラリア、ニュージーランド】
多年草[叢生又は平伏]、小球根[球根]は無い。直根は無いか又は発達が弱く、ひげ根。茎は這い又は斜上し、長さ380㎜以下、ごくまばらに前向きの毛がある。葉は全て茎葉、房状になり、3小葉。小葉は無柄、長さ2.5~6.0(1~9)㎜×幅3.0~6.0㎜、ほとんどが明るい緑色、楔状倒心形、2裂し、上面は無毛、下面は有毛、縁毛があり、小葉の1/3まで切れ込み、裂片は倒卵形、散開し、先は鈍形、2~3㎜離れる。葉柄は長さ(5~40)10~90㎜、前向きの毛がある。托葉は長さ2㎜以下、明瞭に先が分裂又は切形、又は不明瞭に葉柄まで細が急に狭くなり、多少、毛がある。花序は腋生、花が1(~2)個、花序柄は少なくとも葉と同長(長さ(4)~8~25㎜)、前向きの毛がある。花柄は直立、ときに果時に反曲する。萼片は長円形、長さ1.5~3.0㎜、縁毛があるか又は無毛。花弁は黄色、長さ4.5~9.0(13)㎜。蒴果は長さ(3)5.0~10.0(13)㎜、円錐形~円筒形、普通、中程度に後ろ向きの毛があり、しばしば、隔壁のある毛が散在する。種子は長さ1.0~1.4(1.5)㎜、強い横向きのうねがある。花期は通年(New Zealand Plant Conservation Network、Flora of New Zealand.、PlantNET)。
13 Oxalis griffithii Edgew. et Hook.f. ミヤマカタバミ 深山酢漿草
synonym Oxalis japonica auct. non Franch. et Sav.synonym Oxalis acetosella L. var. japonica seusu Makino
synonym Oxalis acetosella L. subsp. japonica seusu H.Hara
synonym Oxalis acetosella L. subsp. griffithii (Edgew. et Hook.f.) H.Hara
日本(本州の東北地方南部~中国地方、四国、九州)、朝鮮、中国、台湾、インド、ブータン、カシミール、ネパール、ミャンマー、フィリピン原産。中国名は山酢浆草 shan cu jiang cao 。別名はヤマカタバミ、エイザンカタバミ。コミヤマカタバミに似るが 古い葉柄の基部が根茎を密に覆う。多年草、高さ7~25㎝、無茎、有毛。根茎は地下を這い、暗褐色の鱗片状の葉の基部の残片で密に覆われ、太さは鱗片を含めて、6~12㎜。鱗片には剛毛がある。葉は根生。葉柄は長さ6~20㎝、有毛、毛状突起は褐色で巻く。小葉の葉身は倒三角形、長さ1~2.5(~4.5)㎝×幅1.5~3.5(~5.5)㎝、下面は有毛、上面は無毛、先は広凹形~類切形、裂片の先は鈍形。花は単生、下向き。花序柄(花茎)は長さ 4~15㎝、葉の長さと同じか又は長い。苞は花茎の中間につき、披針形、長さ2.5~4㎜、中脈や縁に密に毛状突起がある。萼片は披針形、長さ5~7㎜、宿存する。花弁は白色、脈はライラック色、まれにピンク色、狭倒卵形、長さ 1.2~1.6(~2)㎝、先は微凹形~深い凹形。蒴果は長円状円錐形、長さ5~13㎜×幅5~6㎜。種子は卵形、長さ2.5~3.5㎜、縦のうねがある。花期は3~9月。果期は5~10月(Flora of China) 。
愛知県では準絶滅危惧種。
半常緑多年草。葉は根茎の先に束生、小葉は倒心形。葉柄、花茎、葉下面に密に軟毛がある。花期は3~4月。花は白色又は淡紅紫色、直径3~4㎝。蒴果は楕円形、長さ10~17㎜(レッドデータ愛知2009)
品種) 'Picta' (v) , 'Pink Charm' , 'Snowflake'
13-1 Oxalis griffithii Edgew. et Hook.f. f. rubriflora (Makino) Sugim. ex Yonek. ベニバナミヤマカタバミ 紅花深山酢漿草
synonym Oxalis acetosella L. subsp. griffithii (Edgew. et Hook.f.)H.Hara f. rubriflora Makino
13-2 Oxalis griffithii Edgew. et Hook.f. var. kantoensis (Terao) T.Shimizu カントウミヤマカタバミ 関東深山酢漿草
synonym Oxalis acetosella L. subsp. griffithii (Edgew. et Hook.f.) H.Hara var. kantoensis Terao
葉の裏にほとんど毛がない。蒴果が長さ6~12㎜の卵球形。14 Oxalis hedysaroides Kunth ショウジョウカタバミ 猩々酢漿草
コロンビア、エクアドル原産。英名はfire fern , wood sorrels。別名はオキザリス・ヘディサロイデス。品種の'Rubra'がよく栽培されている。
常緑多年草。高さ30(~100)㎝。葉は長い葉柄があり、葉身は3出複葉、暗濃紫赤色、草質、質が薄く、表面に微軟毛がありビロード状になる。小葉は三角状卵形で、先が鈍形~やや鋭形。側小葉は頂小葉より小さく小葉柄はごく短く、頂小葉の小葉柄は長い。上部の葉腋から小さな散形花序を出し、数個の花を束生する。花序柄は葉柄の長さとほぼ同長からやや長く、葉の上に花序が出る。小花柄は短い。花は黄色、直径約1㎝。花期は6~11月。
品種) 'Rubra'
15 Oxalis hirta L. キダチハナカタバミ 木立花酢漿草
南アフリカ原産。英名はtropical woodsorrel。
15-1 Oxalis hirta var.hirta。
多年草、有茎、根茎は無く、ストロンがある。球根は無い。地上茎は(1~)2~5本出て、直立~斜上し、高さ10~30㎝、草質、絨毛がある。葉は茎葉。托葉は未発達。葉柄は長さ0~0.2㎝。小葉は3個、緑色、線形~狭倒披針形~長円状楔形、長さ(3~)5~15㎜、分裂せず、下面は絨毛があり、上面は無毛、シュウ酸の貯留は無い。花序は花が1個。花序柄は長さ1.5~2.5(~7)㎝。花は異形花柱性、萼片は先にいぼは無い。花弁はローズ紫色~ピンク色~白色、長さ15~20(~25)㎜。蒴果は見られない。花期は3~11月。
品種) 'Gothenburg' , 'Magenta' , 'Pink'
16 Oxalis laciniata Cavanillesオキザリス・リキニアタ
アルゼンチン、チリ原産。
多年草、高さ3~16㎝。根は不定、ひげ根。根茎は水平、円筒形、細く、長さ1~2㎝、栄養価の高い鱗片は三角形又は菱形、長さ5㎜×幅3㎜以下、螺旋状に覆瓦状につき、帯白色~褐赤色、厚く、肉質、斑点(macula)が常に有り、先が激しい橙色、断面は類平凸形、縁は平滑。托葉は±長さ7㎜×幅3㎜、葉柄に完全につき、帯赤色、透明、両面とも無毛~有毛。葉柄は糸状、長さ3~16㎝、無毛~密に毛があり、腺毛は無い。小葉は8~12個、線形、長さ5~23㎜×幅1~4㎜、凹形、粉白色。花序は花が1個。花序柄は長さ3~16㎝、無毛又は有毛。苞は2個、広卵形、長さ2.5~6㎜×幅2~3.5㎜、対生、抱茎、透明、不等長。花柄は長さ2~12㎜、無毛又は有毛。萼片は楕円形、先は鈍形又は広鋭形、長さ10㎜×幅4㎜、普通、カルスがある。花は直径60㎜以下。花弁は広倒卵形、ピンク色~紫色(violet)、脈が暗色、へら形、基部に爪部があり、上側の縁に細かい絹毛がある。中、長の花柱形がある。果実は球形、蒴果、直径6~7㎜、無毛又は短い腺毛がある。中の心皮に、1~2種子をもつ。種子は非対称の楕円形、約長さ2㎜×幅1㎜、黄土色。花期と果期は春~夏。
品種) 'Julia Johnston' , 'Seven Bells'
17 Oxalis livida Jacq. オキザリス・リビダ
synonym Acetosella livida (Jacq.) Kuntze
南アフリカ(ケープ州)原産。通称名はSteentjiesuring, Knolsuring。標高80~350mの日陰の岩場の斜面に生える。
多年草、短い茎があり(caulescent)、しばしば分枝し、通常はまばらに腺があり、高さ150~300㎜。球根は卵形、嘴がなく、短く尖り、直径30㎜まで、新しい球根は8~11個の外側の暗褐色の保護鱗片から構成される。鱗片は幅10㎜、隆起した肋が5~8本あり、上部で縁取りのある膜質の翼に広がり、先端に毛が生えた7~8枚の淡いクリーム色の栄養価の高い鱗片が2~3本の斜列(parastichies)に配置される。根茎は直径20~50㎜、無毛、側匍匐茎(lateral stolons)は有または無。 茎は直径7㎜まで、長さ10~150㎜、たまに分岐し、平滑またはまばらに腺がある。葉は少数~20枚、通常は無毛、頂生、またはたまに茎葉になり、葉柄は長さ60㎜まで、まばらに腺がある。小葉は3枚で、短い小葉柄があり、たまに小葉柄と中肋の上に毛があり、倒三角形、通常は深く2裂し、下面は青紫色、しばしば腺毛と単純毛が下面に混在し、カルスは無い。散形花序(花序柄ごと)に花が2~6個つく。花序柄は2~3本あり、通常は茎生で前年の葉は長さ50~150㎜、腺があり、披針形、カルスのある苞は上部の関節にある。小花柄は長さ20~40㎜、腺がある。萼片は卵状尖鋭形、先端に橙色のカルスがあり、腺と短い白色の伏毛があり、しばしば縁が紫色になる。萼片の長さは花冠の長さの1/4~1/3。花冠はバラ色~淡いライラック色または紫色。花弁は長さ12~20㎜、腺があり、筒部は漏斗形、帯緑色~帯黄色。花弁は楔形で、斜めのほぼ切形、しばしば、下部に紫色の縁がある。花糸は長いものはほぼ等長、歯があり、まばらに腺がある。葯は外側がほぼ垂直。 子房は心皮が付着し、基部に縫合され、1~2個の室があり、まばらに腺があるか、上部に剛毛がある。花柱は下部に剛毛があり、上部に腺があり、または平滑。蒴果は突き出ない。種子は胚乳がある(endospermous)。花はときにバラのような香りがある。花期は3~5月。 オキザリス・リビダ(Oxalis livida)では球根の収縮根が垂直に、オキザリス・デンタータ(Oxalis dentata)では水平に伸び、オキザリス・ラテリフローラ(Oxalis lateiflora)では収縮根(contractile root)はなく側方ランナー(lateral runners)のみであると言われている。しかし、実際には垂直または水平のいずれかにもなる。収縮性の根の形成は、多くの場合、土壌に浅く植えられたときの球根の反応であり、このような栄養行動の差は種の中で変化しており、種を認識する根拠にはほとんどならない。これにより、オキザリス・デンタータおよびオキザリス・ラテリフローラは、オキザリス・リビダの下にまとめられた。Kewscienceではvar. altiorとvar. lividaに分類している。
17-1 Oxalis livida var. altior T.M.Salter
synonym Acetosella lateriflora (Jacq.) Kuntze オキザリス・ラテリフローラ
synonym Oxalis caprina Eckl. & Zeyh.synonym Oxalis dentata Jacq. オキザリス・デンタータ
synonym Oxalis lateriflora Jacq.synonym Oxalis liniflora Eckl. & Zeyh.
南アメリカ原産。英名は toothed wood sarrel , Stone Sorrel , Tall lead-colored sorrel
多年草、球根を持つ。根はひげ根。葉は3出複葉、葉柄は毛がある。葉軸は存在しない。上面は無毛または有毛、下面は無毛または有毛、先はごく浅く切れ込む。中央の葉の小葉は広倒卵形。托葉がある。花序は二軸型。花序柄は無毛。小花柄は毛がある。萼片は毛があり、カルスがある。花冠は帯白色~非常に薄いピンク色。柱頭はパピラがあり、胚珠は3個以上。果実は毛がある。(Flora do Brasil)
品種) 'Pot of Gold'
17-2 Oxalis livida var. livida
18 Oxalis loricata Dusén オキザリス・ロリカータ
チリ、アルゼンチン原産。
多年草、高さ3.5~19㎜。根は不定、ひげ根。根茎は水平、円筒形、細く、長さ1~2㎝、栄養価の高い鱗片は三角形又は菱形、長さ5.5㎜×幅5㎜以下、螺旋状に覆瓦状につき、赤褐色、厚く、肉質、斑点(macula)がときに有り、先が激しい橙色、断面は類平凸形、縁は平滑。托葉は±長さ5㎜×幅2.25㎜、葉柄に完全につき、無毛又はごく短い腺毛がある。葉柄は糸状、長さ3.5~19㎝、無毛。小葉は5~12個、倒卵状楔形又は倒心形、長さ2.2~3.5㎜×幅2.2~3.5㎜、緑色粉白色、ときに縁が赤色になり、1/6~1/4切れ込み、不等長、無毛又はゆるく縁毛がある。花序は花が1個。花序柄は葉より長いか又は同長、無毛。苞は2(まれに3)個、卵形、長さ5㎜×幅2.5㎜、対生、透明、鋭形、抱茎。花柄は長さ10~20㎜、無毛。萼片は鋭形又は類鋭形、長さ12㎜×幅5㎜、緑色又は帯赤色、無毛~全体に毛があり、カルスはときにある。花は直径60㎜以下。花弁は広倒卵形又はへら形、ピンク色~紫色(violet)、筋が暗色、基部に爪部があり、上側の縁に細かい縁毛がある。短、中の花柱形が見られる。果実は球形、蒴果、直径6~7㎜、無毛又は短い腺毛がある。中の心皮に、1~2種子をもつ。種子は非対称の楕円形、約長さ2㎜×幅1㎜、黄土色。花期と果期は春~夏。
品種) 'Perito Moreno'
19 Oxalis luteola Jacq. オキザリス・ルテオラ
synonym Oxalis balsamifera E. Mey. ex Sond.
南アフリカ原産。英名はSandsuring , Golden Sorrel.。流通名は名月のめぐみ
無茎、球根は卵形、小さく、長さ8~12㎜、黒色の鱗片は分けられる。葉柄は円柱形、有毛。小さな株の葉柄は2.5㎝、大きい株の葉柄は長さ5㎝、細く、無毛になる。小葉は野生では長さ、幅とも、4~8㎜、栽培種では大きく、円い楔形、短く凹形、両面にやや絨毛があり、古くなると上面はやや無毛になり、下面にはくぼんだ斑点があり、脈が明瞭で、下面がしばしば紫色になる。中位の小葉柄があり、基部は横が斜めで無柄。花序柄は果があり、上部に関節があり、小さな2個の苞をもち、葉の長さと同長。萼片は長円形、類鈍形、花冠の長さの1/6。花冠は全体に黄色、しばしば乾くと緑色になり、長さ16~20㎜。花弁の爪部は拡大部と同長。内側の雄しべには歯がある。
品種) 'Glauca' , 'Glauca MV5567' , 'Lemony' , 'Maculata'=Splash MV7689 , 'MV5885' , 'Splash'(赤色の点斑)
20 Oxalis megalorrhiza Jacq. ツヤカタバミ 艶酸漿草
synonym Oxalis carnosa Mol. var. incana Reiche
チリ、ペルー原産。別名はオキザリス・メガロリザ。
多年草、高さ約20㎝、膨れた根茎と短い低木状の茎をもち、先だけに葉が、飾りのようにある。根はニンジンのような大きな直根をもつ。頭部は低木状多数の茎をもつ。葉は光沢があり、濃緑色、花は花弁が黄色、目立つハート形の萼片にとり囲まれる。茎は丈夫、肉質、直立し、高さ4~10㎝、花を1個又は控えめに2又分枝し、少数の花をつけ、先には落ちた葉柄の基部が宿存すり鱗片があり、太さ1.5㎝以下。てい幹(caudex:rhizomatous rootstoc)は多年生、類木質状~肉質、円筒形、太さ3㎝以下、長さ約20㎝、1本又は下部で分かれ、枝分かれした足になり、2重の樹皮に覆われる。外側は非常に薄く、灰色。内側は厚く、鈍い赤色、水気が多く、刺激性。内部は白色、水気が多く、刺激性、中心~周囲に走る赤色の繊維がある。葉は多数、互生、放射状、数個の掌状複葉、肉質。小葉は3個、等長、類無柄、倒心形、凹形、下面に控えめに伏毛があり、上面には細かい網状脈があり、中脈は目立ち、長さ10~12㎜×幅9~12㎜。葉柄は糸状、柄のある腺があり、基部近くまで裂開し、長さ7㎝以下。花序は腋生、散房状の集散花序、花が1~3個つく。花序柄は斜上し、糸状、丈夫、無毛、長さ7㎝以下、苞は卵状披針形、縁毛があり、長さ約1㎜。花は黄色、ときに脈に沿って橙色になり、閉鎖花(開花前に自家受精する)。花弁は長さ5~6㎜。萼片は不等形、2列につく。2個の外側の萼片は広卵形、先は鈍形、基部は矛形に近く、長さ4~5㎜×幅3~4㎜。3個の内側の萼片は狭長円形長さ4~5㎜×幅2㎜以下、蕾では外側の対によりほとんど隠れ、ほとんどすべてが多少、基部が合着する。雄しべは10本、線状錐形、無毛。苞は卵状披針形、縁毛があり、長さ約1㎜。子房は長円状円筒系、無毛。花柱は糸状、基部は合着し、わずかに毛があり、長さ2㎜。花期は春~秋。蒴果は円筒形、長さ1~1.6㎝、熟すと、特別な機構が始まり、蒴果が破裂して種子が拡散される。種子は多数、褐色。
21 Oxalis magellanica G. Forst. マゼランカタバミ
synonym Oxalis cataractae A. Cunn.
synonym Oxalis lactea Hook.
synonym Oxalis modesta Phil.
南アメリカ、オーストラリア、ニュジーランド原産。英名はwhite oxalis , snowdrop wood-sorrel。
多年草。根茎があるか又は匍匐枝を出す。小球根は無く、直根があり、密に広がったパッチを作り、100㎜×200㎜以下になる。茎は細く、節間はかなり短く、葉が根生に見える。葉は3小葉、上面は無毛で暗緑色~粉白を帯びた緑色、下面は淡色でまばらに伏毛に覆われ、縁毛がある。小葉は無柄、長さ 2~12㎜x幅2~13㎜、広倒心形、小葉の長さの1/5(まれに1/3)まで切れ込み、 ノッチの中にカルス( callus)をもち、裂片は長円形~倒卵形、先は円形、2~6㎜離れる。葉柄は長さ10~70㎜、まばらな長い開出毛をもつ。托葉は明瞭、長さ5㎜以下、膜質、先は円形又は切形、無毛、宿存する。花序は腋生、花が1個つく。花序柄は普通、葉より長く、まばらに毛がある。萼片は楕円形、長さ3~5㎜、縁毛がある。花弁は白色、長さ6~12㎜。蒴果は卵形~球形、長さ4~5㎜、無毛。種子は平滑(横のうねは無い)。
品種) 'Flore Pleno' , 'Nelson' (d) , 'Old Man Range'
22 Oxalis melanosticta Sond. オキザリス・メラノスティクタ
南アフリカ原産。英名はblack-spotted wood sorrel。
球根は小さく、卵形、帯褐色。葉柄がある。花茎と咢は毛が多い。小葉は丸みがあり、又は類凹形、前側には円鋸歯があり、上面は絹毛状で、長い伏した柔毛をもち、下面はやや軟毛があり、黒点が散在し、横は斜めで、中間は等しく楔形。花茎は葉柄の長さの半分、中間の下に2小苞があり、花後に反曲する。萼片は披針形、花冠の長さの1/4。花弁の爪部の長さは拡大部と同長。球根は長さ6~8㎜。柄があるなら長さ1~2㎜、小数の褐色の鱗片をもつ。葉柄は長さ約1.3㎝。小葉は長さ8㎜×幅6㎜、脈は明瞭、ときに上面は無毛になる。小苞には剛毛がある。花冠は長さ14~20㎜、筒部は短く帯黄色、拡大部は白色又は淡黄白色。
品種) 'Ken Aslet'
23 Oxalis nidulans Eckl. & Zeyh オキザリス・ニドゥランス
synonym Oxalis promontorii R.Knuth
synonym Oxalis schlechteri Schinz ex R.Knuth
南アフリカ原産。英名はarrow sorrel。岩生植物(lithophyte)。
多年草、高さ5~10㎝、無茎。球根は先の尖った楕円状卵形、長さ5~10㎜×幅3~5㎜。葉は根生し、葉柄は長く、3小葉。小葉は等形、ほぼ円形、基部は円形~広い楔形、先はわずかに凹形、縁には少し縁毛がある。花は単生、花序柄の中間に小苞が2個つく。花は直径2~2.5㎝。萼片は披針形、やや不等長。花弁はピンク色、まれに白色、基部は筒状になり、帯黄色。雄しべの葯は矢状。花期は11~3月。重弁のポンポンというオランダで作られた品種がよく栽培されている。
品種) 'Pom-Pom'(重花弁) , 'Sophia'(ライラック色)
23-1 Oxalis nidulans var. denticulata T.M. Salter
24 Oxalis obtriangulata Maxim. オオヤマカタバミ 大山片喰、大山酢漿草
synonym Oxalis japonica Franch. et Sav. var. obtriangulata (Maxim.) Makino
synonym Oxalis acetosella L. subsp. japonica auct. non (Franch. et Sav.) H.Hara
日本(本州の中部地方)、四国、朝鮮、中国、ロシア原産。中国名は三角叶酢浆草 san jiao ye cu jiang cao 。ミヤマカタバミに似るが、小葉の縁が鋭形。花は花弁の先が凹む。蒴果はミヤマカタバミよりかなり大きい。種子はミヤマカタバミよりかなり小さい。
林下に生え、全体が柔らかく、弱々しい。高さは5~12㎝、果時に28㎝までになる。地下茎は地中を横に這い、直径5~8㎜、葉基部が残った褐色の多肉質の鱗片に覆われる。葉は1~2個、根生し、3小葉。葉柄は長さ4~9㎝、果時には25㎝までになる。小葉は長さ1~1.8㎝×幅1.4~2.2㎝、果時には大きくなり、長さ約4.5㎝、幅約6㎝、下面は白色の伏毛がある(又は無毛)、上面は無毛、先は切形、微凹形、裂片の先は鋭形~類鋭形。花序柄(花茎)は1~2本、根茎から出て、分枝せず、頂部に花を1個ずつつける。葉の展開より前に咲き、開花時には出ている葉は折りたたまれている。花茎は高さ8~15㎝、先端に苞がつき、苞とほぼ同長の花柄の先に、花がつく(花のすぐ下に苞がつく)。苞は長さ3~4㎜。花は直径2.5~3.5㎝、下向き~やや横向きにつける。花弁は5個、長さ約1.6㎝×幅約0.8㎝、先が凹み、白色、内面に紅紫色の筋が入り、外面にも薄く筋が見える。萼片は緑色、長さ7~8㎜の長円形、宿存する。蒴果は長さ3~4㎝×幅0.6~0.8㎝の長い円錐形。種子は長さ1.8~2㎜×幅1~1.5㎜の卵形、縦のうねがある。
【Flora of Chinaの解説】
多年草、高さ5~12㎝、果時に高さ28㎝、無茎、まばらに毛がある。根茎は地下を這い、直径5~8㎜、無毛の肉質の褐色の鱗片状の葉の基部の残片で密に覆われる。葉は根生。葉柄は長さ4~9㎝、果時に長さ25㎝以下、さび色毛がある。小葉は広倒三角形、長さ1~1.8㎝×幅1.4~2.2㎝、果時に長さ4.5~6㎝。下面は有毛又は無毛、上面は無毛、先は切形~類切形。裂片の先は類鋭形。花は単生、下向き。苞は長さ3~4㎜、ほとんど花の基部につき(果時には花柄が伸びるに応じ、長さ1~2.5㎝)。萼片は長円形、長さ7~8㎜、宿存する。花弁は白色、長円状倒卵形、約・長さ1.6㎝×幅0.8㎝、先は凹形。蒴果は長い円錐形、長さ3~4㎝×幅0.6~0.8㎝。種子は卵形、長さ1.8~2㎜×幅1~1.5㎜、縦のうねがある。花期と果期は5~6月。
愛知県では絶滅危惧ⅠB類。東三河で1か所だけ確認されている。
葉1~2個と花茎1~2本が束生。葉柄は長さ10~20㎝。小葉は倒三角形、先が切形、微凹形。花期は(3月末~)4月。花茎は高さ8~15㎝、花が単生、直径2.5~3.5㎝。花弁は白色、脈が紅紫色。果実は円柱形、長さ2~3.5㎝(レッドデータ愛知2009)。
25 Oxalis obtusa Jacq. イエローアイド・ソーレル
南アフリカ原産。英名はyellow eyed sorrel , shamrock , sorrel。別名はオキザリス・オブツーサ。
この種は南アフリカの同属の中で最も普通で、最も広く栽培されている。他種との判別特性は次のとおり。球根には不規則な穴があり、鋭く、角(かど)張る。長い雄しべ(又は花柱)は花冠からよく突き出る。子房にはカルス.(calli)がない。ほとんど変化がないものは次のとおり。茎、葉柄、花序柄、萼の基部に逆向きの毛がある。花弁の中にフラボン(flavone)があり、アントシアン染色により、強く又は弱く影響され、それが標識になるが、異葉性に影響され、不変ではない。初期の小葉は倒心形~楔状倒心形、晩期は長くなり、狭楔形、長円形又は線形になる。確かな異葉性ではないものもある。
無茎、地中の球根は深い穴をもつ。葉は3小葉、小葉は楔形状の倒心形、有毛。花はピンク色、レンガ色、黄色又は白色」、暗色の脈と、黄色の筒部をもつ。花序柄には関節がある。
やや緩く、普通、高さ5~15㎝。球根は楕円形、基部に細くなった部分があり、先はしばしば、紡錘形、硬い黒褐色の薄皮をもち、深い穴と不規則な角(かど)があり、無毛、まれにまばらに軟毛があり、単純な短い頭状の毛をもつ。根茎は短く、まれに10㎝以下、花茎に自由に小球根を生じる。茎は突き出ず、短い柄となり、とくに日陰型と山型を生じ、まれに、10㎝又はそれ以上に長くなる。小葉は細く、常に軟毛があり、柔らかい逆向きの毛をもつ。葉は10~20個、まれに60個以下つき、根生又は茎の先に密集又はごくまれに短い柄の上に覆瓦状につく。葉柄は長さ2~4㎝、又は日陰型では長く、鱗片状に関節があり、ときに、基部に偽托葉(pseudo-stipulate)があり、柔らかい逆向きの毛の軟毛又はごくまれに開出、斜上、または短い頭のある毛をもつ。小葉は3又は5個、短い小葉柄があり、長さ0.5~2.5㎝、外形は等心形、楔状倒心形、又は長円状倒心形、ときに、三角形、中間まで2裂し、しばしば異形葉(heterophyllous)、初期の葉は倒心形、後に長くなり、狭楔形又は線形凹形、両面とも密に絹毛があるか全体に無毛まで変化があり、乾くと、多少、凹んだ穴があり、カルスの点は有~無まで変化し、たまに、下面が帯紫色になり、まれに上面に紫色のまだらになる。花序柄は葉の長さの約2倍、柔らかい逆向き軟毛があり、まれに短い頭のある毛が混じる。苞は2個、対生、中間の上に関節がある。萼片は長円形又は長円状披針形、鈍形又は類鋭形、花冠の長さの1/3~1/4、斜上する柔らかな軟毛があり、常に、基部に逆向きの毛があり、縁毛があり、カロース(callose)は無く又はごくまれに、先にカルスをもつ。花冠は長さ1.5~2.5㎝、普通、約2㎝、ピンク色、レンガ赤色又は青白い黄色。花冠筒部は短く、多少、広い又はまれに狭い漏斗形、黄色。花弁はほぼ楔形、様々に細くなり、短い爪部があり、先は斜めの切形、無毛またはごくまれに、外側の縁付近に軟毛があり、しばしば、下面の脈が紫色になる。花糸にはしばしば腺毛があり、長い花糸はどれも歯が無く、中間は長さ1㎜以上の歯があり、最も長い花糸(又は花柱)は花冠筒部からよく突き出る。子房は上部が有毛、カロースは無く、室には多数の胚珠がある。花柱は普通、1個で、短い頭状の毛が混じる。蒴果は長円形、萼から突き出ず又はわずかに突き出る。種子には胚乳がある。ときに重弁花を生じる。
品種) 'Amber' , 'Apricot Cream' ,'Blush' , 'Cream Puff' , 'Elizabeth' , Firebird , 'Lemonade' , 'Moonlight' , MV4719d , Pink MV5005a , MV5051 ,MV5516 , MV 6235 , MV 6341 ,MV 7085 , MV 7087 , 'Peaches & Cream' , 'Pink' MV5005A , 'Red Back' , 'Sunset' , 'Wild Pink' , 'Yellow and Red'.
26 Oxalis oregana Nutt. レッドウッド・ソレル
USA(カリフォルニア州、オレゴン州、ワシントン州)原産。英名はredwood sorrel , Oregon oxalis。標高10~800(~1000)mの米松(Douglas fir)の森林、混合モミの森林、スギとトウヒの林、混合針葉樹林、ツガとカエデの森、カエデ林、ハンノキの谷間、ゴルテリアの茂み、川岸に生える。
多年生、無茎、根茎が肉厚で密に鱗片がある、匍匐茎(stolons)は無く、球根は無い。 葉は根生し、根茎の先端に束生し、葉柄は長さ5~15(~21)㎝、疎~密に絨毛があり、毛は錆色。小葉は3個、緑色、広倒心形、長さ10~30(~40)㎜、裂片は長さが小葉の長さの1/5~1/4、裂片の先は凸形、表面にはまばらに絨毛があり、シュウ酸沈着(oxalate deposits)は存在しない。花序は花が1個つき、花茎(scape)は長さ(6~)11~25㎝、無毛またはまばらに絨毛がある。花は異形花柱性(heterostylous)。萼片の先端にはいぼ状突起はない。花弁は白色~濃ピンク色、通常はほぼ基部に黄色の斑点があり、紫色の葉脈が目立ち、長さ(8~)15~25㎜。蒴果は卵形、長さ6~8(~12)㎜、ほぼ無毛。花期は2~9月。
品種) 'Bob Haszeldine' , 'Klamath Ruby'
27 Oxalis perdicaria (Molina) Bertero オキザリス・ペルディカリア
南アメリカ(ブラジル、アルゼンチン、チリ)原産。中国名は奶白蝴蝶葉。
高さ2~8㎝、単純毛で覆われ、全体に草質。鱗茎があり、ひげ根。葉柄は球根から出て、長さは花序柄と同じ。葉は3小葉、小葉は無柄、倒心形、先が深く残り、鈍形、両面は有毛。根生の花序柄は有毛、花が単生、苞は2個、小さく、鋭く、有毛。花は大きく、黄色。萼は5裂し、裂片は鈍く、長さが不等、少なくとも花冠の長さの1/4ある。花弁は鉤爪状、楕円形、無毛。雄しべは不等長、基部で筒部にねじ込まれる。5個の古い雄しべはやや有毛、5個の有毛の花柱より短い。子房は無毛又はときにやや先が有毛、円筒形、切り離され、5個の多精の細胞をもつ。種子は片側に置かれ、帯赤色、無毛、横に条線がある。
品種) 'Citrino'
28 Oxalis pes-caprae L. オオキバナカタバミ 大黄花片喰
南アフリカ原産。英名はbuttercup oxalis , African wood sorrel , Bermuda buttercup , Cape sorrel。中国名は黄花酢浆草 huang hua cu jiang cao。観賞用に栽培され、世界中に帰化している。多年草。球根は地中深く、花茎がある。地中の茎に小球根(bulbils)をつける。各球根は普通、直径2.5㎝より小さく、毎年、帯白色の小球根を20個以上生じる。全体に無毛。葉は3出複葉、すべて根生。葉には紫褐色の斑点が多数つき、小葉の基部も紫褐色を帯びる。小葉は倒三角毛、長さ0.8~2㎝×幅1.2~3.2(~3.5)㎝。葉柄は長さ3~10㎝。長さ15~30㎝の花茎の先の散形花序に数個、花が固まってつく。花は明るい黄色、直径3~4㎝。花弁は5個、長さ15~25㎜、爪部がある。萼片は5個、長さ約5㎜、先端に対の橙色のカルスがある。雄しべ10個、下部で合着し、逆2輪雄しべ(obdiplostemonou:2輪につく雄しべの外側の輪の雄しべが花弁に対生する)で、うち、5個が長く、5個が短い。葯は橙黄色。雌しべ1個、雄しべより短く、花柱5個。果実は蒴果、果実はほとんどできない。多くの種が花糸の長さと花柱の長さにより花の三形性(trimorphism)を示す。花期は春。
28-1 Oxalis pes-caprae f. pleniflora (Lowe) Sunding オオキバナカタバミ(八重)
synonym Oxalis pes-caprae var. pleniflora (Lowe) Sunding英名はCape sorrel double flower variant 。変種として認められていない。
形態特性は仮雄しべによる重弁以外はOxalis pes-capraeと同じ。
品種) 心愛 , 'Cocoa'
29 Oxalis polyphylla Jacq. オキザリス・ポリフィラ
synonym Oxalis filifolia Jacq.
南アフリカ原産。英名はmany-leaved wood sorrel , narrow-leaved sorrel。
多年草、高さ30㎝以下。葉や花は茎の先に密集し、花期は秋。球根の薄皮は褐色、小葉が狭く、ひも状3(~7)本つき、ときに下面にまばらに毛がある。花は濃紫色、ローズ色、ライラック色又は白色、筒部は黄色、縁はしばしば、わずかに暗色になる。名前の由来は多くの小葉をもつことから。球根はやや大きく、丸みがあり、疎に薄い、卵形の尖鋭形の膜質の鱗片で被われ、肉色又は淡褐色。成熟しても収縮性のある根を生ぜず、古い球根が残ったまま、同じ深さに新しい球根を生じる。茎や柄は直立するが弱く、1本又は分枝し、長さ1~15(~20)㎝、ハトの羽根柄(pigeon's quill)の厚さ、下部は葉がなく鱗片があり、頂部には多くの葉がつき、やや有毛、帯紫色又は帯褐色、ときに葉がなく、上部の葉だけをもつ。葉は頂部につき、3(~7)個の小葉に分裂し、狭線形又は糸状、側面は平行、溝があり又は内巻き(折り畳み)、先が凹形、2カロースがあり、両側とも無毛又は下側には類軟毛がある。花序柄は頂部に2個の小苞があり、葉より長い。萼片は披針形、鈍形、しまいには反曲する。花序は頂生、密に歯があり、散形花序に多数の花がつく。花冠は濃紫色、ローズ色、ライラック色又は白色。花糸は半月状に、小歯がある。花柱は中くらいの線形。
29-1 Oxalis polyphylla var. pentaphylla Salter ゴヨウカタバミ 五葉酢漿草
synonym Oxalis pentaphylla Sims南アフリカ原産。英名はfinger sorrel。
5本の細い小葉をもつ。
29-2 Oxalis polyphylla var. heptaphylla T.M.Salter オキザリス・ポリフィラ・ヘテロフィラ
葉は掌状複葉、5~8本の指状の小葉をもつ。花は直径3㎝、ピンク色、のどは黄色。蕾のときは花弁の外側の縁が赤色で、candy-caneのように見える。30 Oxalis purpurea L. フヨウカタバミ 芙蓉片喰
synonym Oxalis variabilis Jacq.
南アフリカ原産。英名はpurple oxalis, purple woodsorrel, Grand Duchess oxalis。観賞用に栽培され、世界中に帰化している。本州、関東地方以西では露地で越冬する。
多年草、無茎、根茎があり、細く、まばらに鱗片がある。走出枝は無い。球根(鱗茎)は1個、長さ1~2.5㎝又は小球根が束生する。鱗茎葉(bulb scales)は黒色、厚くなり、明瞭な脈は無く卵形。葉は根生し、まれに花時に無い。葉柄は長さ(1.5)~3~5[~10(20):Flora of New Zealand]㎝。葉は3小葉。小葉は下面が緑色~濃紫色、上面は緑色、広倒卵形~倒三角形~広円状菱形、長さ10~20㎜[長さ10~35~(45)㎜×幅1~37(~45)㎜:Flora of New Zealand]、分裂せず、先は円形~切形~鈍形、まれにわずかに凹形、縁と下面に毛があり、上面は無毛、シュウ酸の堆積物は無い。花序は花が単生、花茎は長さ1.5~6(~8)[~11:Flora of New Zealand]㎝、まばら~中位に絨毛があり、腺毛は無い。花は3花柱[、深い杯形、長さ2.5~4㎝×幅2~3㎝、下部は筒形]。萼片は先に瘤が無い。花弁は基部が黄色、上部は普通、紫色~赤色~ピンク色~サーモン色~白色、まれに黄色、長さ25~35[~40]㎜。蒴果は見られない。花期は2~4月。(Flora of North America)
品種) 'Alba'(白花) , 'Bowles White' , 'Garnet'='Nigra'='Sun Luck'='Purple Dress'(赤葉) , 'Grand Duchess' , 'Grand Duchess White'(大白花) , 'Ken Aslet'(黄花) , 'Pink Giant' , 'Ruffles'(白花) , 'Salmon'
31 Oxalis spiralis Ruiz & Pav. ex G.Don オキザリス・スパイラリス
synonym Oxalis bifida Willd. ex Zucc.
中央アメリカ(コスタリカ)、南アメリカ(アルゼンチン、ボリビア、コロンビア、エクアドル、ペルー、ベネズエラ)原産。英名はspiral oxalis。
高さ約5㎝、群生する。根はひげ根。茎がある。葉は3出複葉、3小葉、 葉軸があり、螺旋状につき、両面とも無毛。托葉は無い。葉柄は無毛。花序:二軸型。 花序柄は無毛。小花柄は無毛。萼片は無毛、カルスが無い。花は偽総状花序に多数つく。花冠は黄色、長さ約1㎝×直径約0.5㎝。 胚珠は1個。果実は無毛(Funga do Brasil)。
31-1 Oxalis spiralis subsp. membranifolia (R.Knuth) Lourteig
synonym Oxalis membranifolia R.Knuthアルゼンチン、ボリビア原産。
多年草、高さ30㎝。根は塊茎が無い。花冠は黄色で橙色の線がある。萼片は暗紫色、先端に白色の毛束がある。
31-2 Oxalis spiralis subsp. spiralis
ボリビア、コロンビア、エクアドル、ペルー、ベネズエラ原産。
品種) 'Aureus' , 'Duotone' , Zinfandel™
31-3 Oxalis spiralis subsp. trichophora Lourteig
コスタリカ原産。32 Oxalis vulcanicola Donn.Sm. オキザリス・ブルカニコラ
synonym Oxalis spiralis subsp. vulcanicola (Donn.Sm.) Lourteig
コスタリカ、エルサルバドル、グアテマラ、メキシコ、パナマ原産。英名は volcanic sorrel , velvet oxalis。栽培品種が多数ある。多年草、高さ20~40㎝、叢生し、幅30~50㎝のマット状になる。1年草として栽培されることも多い。茎は赤色を帯、多肉質。葉は3小葉(shamrock-like foliage)、小葉は心形、先が凹形、ビロード状の毛があり、上面が緑色で下面が赤紫色、しばしば葉の両面や茎がバーガンディー色(burgundy:ワインレッドより暗紫色を帯びた赤色)になる。花は花茎の先の散形花序に束生する。花は長さ約2.5㎝、明るい黄色、紫赤色の脈がある。花期は夏~秋。
品種) 'Bicolor' , 'Burgundy' , 'Burgundy Bliss' , 'Copper Glow' , 'Gold' , 'Lucky' , 'Merlot' . 'Molten Lava' , 'Molten Lava Shamrock' , 'Pink' , 'Pink Splash' , 'Plum Crazy' , 'Sunset Velvet' , 'Zinfandel'
33 Oxalis stricta L. エゾタチカタバミ 蝦夷立片喰
synonym Oxalis europaea Jord.
synonym Oxalis fontana Bunge 日本のエゾタチカタバミ
synonym Xanthoxalis stricta (L.) Small
synonym Xanthoxalis fontana (Bunge) Holub
synonym Oxalis corniculata L. var. stricta (L.) C.C.Huang et L.R.Xu
日本(北海道、本州の中部地方以北、朝鮮、中国、ベラルーシ,北アメリカ(カナダ、USA)原産。中国名は直酢浆草 zhi cu jiang cao。英名はupright yellow-sorrel , yellow sheep-sorrel , yellow wood-sorrel , common yellow oxalis。オッタチカタバミとよく似ていて混同されていたことがある。日本のエゾタチカタバミは花が3個以下。1年草又は短命の多年草、葉柄を除き、全体に単純毛や多隔壁の様々な毛がある。茎は高さ30㎝以下、普通、若いときに1本、年を経て、枝分かれし、細かく、傾伏し、節から根は出さない。地中の匍匐茎が普通ある。托葉は無く又は丸く、不明瞭。葉は互生又はときにほとんどが対生又は輪生する。葉柄は長さ(2~)3~8(~12)㎝、単純毛と少なくともいくつかの隔壁のある毛状突起が基部にある。葉身は倒心形、長さ(0.3~)0.8~1.8(~2.5)㎝×幅(0.3~)1.2~3(~3.5)㎝、緑色、下面にまばらに毛があり、上面は無毛、先は深く凹形。花序は2又の集散花序、ときに散形花序、花が2~5(~7)個つく。花序柄は葉柄の長さの約2倍又はそれ以上、基部に膨らんだ関節をもつ。苞は線形、長さ1.5~2㎜×幅約1㎜、無毛又はごくまばらに毛状突起がある。花柄は長さ(3~)5~10㎜、果時に直立し、単純毛又は隔壁のある毛がある。萼片は線形~狭楕円形、長さ4~7㎜×幅1~2㎜、縁毛がある。花弁は淡黄色、長円状倒卵形、長さ5~10㎜×幅2~3㎜。蒴果は円筒形、長さ8~15㎜×幅2~3.5㎜、5面があり、無毛又は有毛、隔壁のある毛だけをもつ。種子は室に4~10個、褐色~褐赤色、卵状長円形、長さ1~1.5㎜×幅0.8~1㎜、横向きにうねがある。花期と果期は2~10月。2n=24。
34 Oxalis tetraphylla Cav. モンカタバミ 紋片喰
メキシコ原産。英名はfour-leaf pink-sorrel , good-luck-leaf , lucky-clove。日本へは大正時代に渡来した。
高さ10~30㎝、無茎。球根は卵形~球形、長さ約1.5㎝、尖り、外面は薄褐色、垂直にうねがある。小球根は長さ0.5~4㎝の匍匐枝に、古い球根から生じる。葉は5~15個つき、3小葉。小葉は倒楔形、2裂し、切れ込みは広く、浅く、狭くなり、小葉の長さの1/6~1/3切れ込む。小葉の裂片は三角形、長さ10~40㎜×幅6~22㎜、裂片の先は円く、12~50㎜離れる。葉柄は長さ5~20㎝。托葉は目立ち、托葉の裂片は円形~鈍形。花序は花が8~12個。花弁は長さ10~14㎜、ピンク色~紫色、基部が白色、ときに全体が白色。果実はオーストラリアでは知られていない(NEW SOUTH WALES FLORA ONLINE)。小葉の基部に紫褐色の斑紋がある。葉や花にはシュウ酸を含み、レモンに似た酸味がある。花期は7~11月。
品種) 'Alba' , 'Iron Cross'
35 Oxalis triangularis A. St.-Hil. インカカタバミ
synonym Oxalis regnellii Miq.
南アメリカ(ブラジル、ボリビア、アルゼンチン、パラグアイ)原産。別名は紫の舞、三角葉オキザリス、烏羽オキザリスなどといわれる。英名はpurple shamrock , scurvy grass purple shamrock , scurvy grass false shamrock , false shamrock。別名はオキザリス ・トリアングラリス。
多年草、高さ5~30㎝、無茎、根茎がある。枝は短く、直径1㎝、密に鱗片がある。走出枝(ストロン)は無い。小球根がときにあり、束生する。鱗茎葉(bulb scales)は(1~)3脈があり、縁には腺がある。葉は根生、まれに花時に無い。葉柄は長さ12~20㎝。小葉は3個、暗紫色、普通、上面の中脈から放射状に薄い紫色の斑点をもち、倒三角形~倒卵状三角形、長さ(20~)30~50(~60)㎜、長さ1/10の浅裂又は先に単にノッチがあり、裂片は先が切形~わずかに凸面になり、表面は無毛。しゅう酸塩の堆積は無く又は短く、ノッチの両側の縁に線がある。花序は散形花序状の集散花序、花が(1~)2~5(~9)個つく。花茎は長さ15~35㎝、無毛。花は異形花柱性。萼片は先端に2個の橙色の瘤をもつ。花弁は白色~帯ピンク色~淡紫色、長さ15~22㎜。蒴果は卵状楕円形、長さ12~18㎜、無毛。花期は4~5月(Flora of North America)。栽培品種は花期が5~10月。
品種) 'Birgit'バーギット(緑色、ピンク花) , 'Birgit-pink' , 'Birgit-white' , 'Black Beauty'(黒紫色) , 'Burgundy Wine' = 'Jr Oxburwi' (Xalis Series(濃紫色) , 'Cupido'(濃紫色斑入) , 'Dorothy Chao'(薄緑色) , 'Ebony Allure'(濃紫色) , 'Marmer' (v)[銀の舞](緑色斑入、白花) , 'Regnellii'=O. regnellii[緑の舞](緑色、白花)
35-1 Oxalis triangularis subsp. triangularis
アルゼンチン、ボリビア、ブラジル、パラグアイ分布。
萼片が鋭形、しゅう酸塩のいぼは小さいか又は無い。花弁が白色~帯紫色、長さは萼片の長さの3~4倍。
35-2 Oxalis triangularis subsp. papilionacea (Hoffmanns. ex Zucc.) Lourteig
synonym Oxalis triangularis var. lepida Progelボリビア、パラグアイ、パラグアイ、ペルーに分布。
萼片は鈍形~類鋭形、しゅう酸塩のいぼは厚くなる。花弁はピンク色~帯紫色、まれに白色、長さは萼片の長さの2倍~2倍半。
品種) 'Atropurpurea'(濃紫色) , 'Fanny'(緑色斑入)[銀舞] , 'Francis'(青紫色) , 'Gin go mai'(緑色斑入) , 'Irish Mist'(緑色斑、白花) , 'Jr Oxblavel' (PBR) , 'Jr Oxfroja' (PBR) , 'Mijke'(濃紫色) , 'Pink Blade'(緑色斑入)' , 'Silver Leaf'(緑色斑入) , 'Silver Shadow'(緑色斑入) , 'Silverado'(緑色斑入)
※ 2亜種はこれらの微妙な違いと広い同所性をもち、進化的な存在はおそらく、たった1つであると思われる。いかなる場合でも、この少数の北アメリカの標本の研究は厳格な意味でのOxalis triangularis である。Oxalis triangularisの形はときに'Atropurpureaと認識されるが、これはどうも園芸名であるらしい。
36 Oxalis tuberosa Molina アンデスカタバミ
synonym Oxalis crenata Jacq.
南アメリカ、メキシコの栽培種。根が食用に栽培される。英名はNew Zealand-yam , yam
多年草、根茎がある。塊茎は多数つき、長くなり、約12㎝×幅4㎝、表面は赤ピンク色、肉は黄色、長い溝の中に微細な鱗片が多数がつき、その他は平滑で光沢がある。茎は多数、直立し、高さ約75㎝以下、有毛、緑色又は紫色、多肉質、太い。葉は3(~4)小葉、茎葉、白色の軟毛がある。葉柄は長さ3~8㎝、細い。托葉は長さ5~8㎜、葉柄につき、膜質。小葉の葉身は等形、無柄、長さ10~32㎜×幅8~30㎜、広倒卵形、有毛、上面は下面より毛が密、先は凹形。花は集散花序に少数つく。花序柄は長さ11㎝以下、±有毛。花柄は長さ10㎝以下、密に毛がある。苞は長さ4~5㎜、錐形。萼片は長さ7~10㎜、披針形、基部や先を除いて無毛。花弁は長さ約1.5㎝、倒卵形、黄色、暗赤色の脈があり、無毛。雄しべは高さが2輪につく。花糸は下部がデルタ形、上輪の花糸は毛が下半分につく。花柱は雄しべの輪の中間にあり、有毛。蒴果は見られない。[ Flora of New Zealand.]
品種) 'Amarillo' , 'Baumi Golden' , 'Bolivian Giant' , 'Fat Red' , 'Fat White' , golden red node , 'Mexican Red' , 'Polar Bere'
37 Oxalis versicolor L. シボリカタバミ 絞り酢漿草
南アフリカ原産。英名はstriped-flowered wood sorrel , candy cane sorrel。中国名は双色冰淇淋酢 shuang se bing qi lin cu。別名はペルシコロル、オキザリス・バーシカラー。多年草、耐寒性、高さ5~15㎝。地下に鱗茎をもつ。球茎は薄皮が黒色、光沢がある。茎は直立し、高さ5~15㎝、無毛又はやや有毛、ピンク色。葉は、ほとんど葉柄の先に束生する。葉柄は長さ0.2~5㎝、有毛。托葉は葉柄に沿着し、目立たない。小葉は無柄、ほぼ等形、長さ7~14㎜、幅1.5~4㎜、狭い線形~線状長楕円形、先で最も幅が広く、葉の上面は無毛、下面は有毛、先は凹形、溝の両側に橙色のカルス(callus pl.calli)がある。花は単生、花序柄は長さ2~4㎝、有毛。苞は長さ1.5~2.5㎜、狭い線形、カルスが目立つ。萼片は長さ3.5~5㎜、長楕円状楕円形、有毛、カルスが2個、橙色。花弁は長さ(1.3~)1.6~1.9㎝、倒卵形 、やや斜形、白色で目立つローズ色の縁をもち(回旋状の蕾では縞のように見える)、外側に腺毛がある。雄しべは高さが2系あり、長いものは花柱よりかなり長い。花糸は微細な小軟毛があり、下半分は広がる。花柱は雄しべ2輪の中間で、長さ2~2.5㎜、微軟毛がある。蒴果は見られない[From: Webb et al. (1988) Flora of New Zealand. Volume 4.]。花期は12~3月。
品種) 'Clove Ball' , 'Golden Cape'
38 その他ハイブリッド
品種) 'Anne Christie' , 'Autumn Pink' , 'Beatrice Anderson' , 'Black Velvet' (Xalis Series) , 'Bob Haszeldine' , 'Birgit' , Charmed® Jade , Charmed® Velvet , 'Clemence Knight' , 'Copper Glow' , 'Copper Tones' , 'Cuckoo' , 'Dark Dancer' , 'Dark Eye' , 'Double Trouble' (d) , 'Fanny' , 'Goldfinger' , 'Gwen McBride' , 'Hemswell Knight' , 'Inops' , 'Ione Hecker' , 'Irish Mist' (v) , 'Jay' , 'Jess's Pink Treasure' (v) , 'Linnet' , 'Matthew Forrest' , 'Mike' , Molten Lava™ , 'Nightingale' , 'Pink' , 'Pink Pillow' , 'Pink Wood Sorrel' , 'Plum Crazy' , 'Pot of Gold' , 'Ridgeway , 'Ridgeway Jewel' 'Royal Velvet' , 'Sandpiper' , 'Sapphire' , 'Shooting Stars' , 'Silver and Gold' , 'Slack's Peacock' , 'Slack's 53' , 'Snipe' , 'Sunny' , 'Sunset Gold' , 'Sunset Velvet' , 'Superstar' , 'Sweet Sue' , 'Tina' , 'Ute' , 'Waverley Hybrid' , 'Wren'
参考
1) nZFloraOxalis versicolor L.
Oxalis
Oxalis
Oxalis tuberosa Molina
Oxalis
Revision of Oxalis section Palmatifoliae DC. (Oxalidaceae)
Oxalis Pes-Caprae F. Pleniflora (Lowe) Sunding (Oxalidaceae),
A New Record for the Flora of Turkey
Oxalis obtusa Jacq.
Oxalis polyphylla Jacq.
Oxalis luteola
OXALIS melanosticta Sond.
Oxalis magellanica
PlantNET - FloraOnline
Oxalis exilis
Oxalis megalorrhiza Jacq.