ジャノヒゲ  蛇の髭
[別名] リュウノヒゲ
[中国名] 麦冬 mai dong
[英名] mondo grass , dowarf lily-turf
[学名] Ophiopogon japonicus (L. fil.) Ker Gawl.
キジカクシ科 Asparagaceae  ジャノヒゲ属
三河の植物観察
ジャノヒゲ花序
ジャノヒゲ花
ジャノヒゲ花裏
ジャノヒゲ葯
ジャノヒゲ種子
ジャノヒゲ種子拡大
ジャノヒゲ葉裏
ジャノヒゲ
ジャノヒゲ葉の表裏
ジャノヒゲ種子と胚乳
 キジカクシ科は旧分類のユリ科から分割された。根を薬用にするため、中国では広く栽培され、庭園用に世界中で栽培されている。
 和名は細い葉を竜の髭にたとえたもの。匐枝を地中で横に長く伸ばす。根は中間や先端で管状に太くなる。葉は房状に基部につき、無柄、長さ10~20㎝、幅2~4㎜とオオバジャノヒゲより細く、硬く、縁がざらつく。葉脈は3~7本。花茎は 長さ6~15(27)㎝、葉よりかなり短い。花序は長さ2~5㎝、不完全な小さな円錐花序、数個~10個以上の花をつけ、曲がり気味になる。苞は披針形、基部のものは長さ7~8㎜。花は単生~双生し、普通、下向きになる。小花柄は長さ3~4㎜、中間で明瞭。花被片は白色~帯紫色、披針形、長さ約5㎜、幅約2㎜。花糸がごく短い。葯は長さ2.5~3㎜、先が尖る。花柱はいくぶん狭円錐形、長さ約4㎜、基部の幅が広くなる。果実のように見えるの種子であり、果皮は破れ、種子が露出して大きくなり、コバルト色(コバルトブルー)に熟す。種子であるため、花柱の跡がない。種子は直径7~8㎜の球形。中の種子に見えるのは胚乳。2n=34,36,67,68,72,108、2n=70。
 白花品はシロバナジャノヒゲという。よく庭に植えられているタマリュウは葉が短い園芸品種である。
 変種のナガバジャノヒゲは匐枝を長く出さず、株立ちとなり、草丈が高い。葉が幅1.5~2.5㎜と細長い。
 オオバジャノヒゲは林内に生え、全体に大きい。匍匐を伸ばし、葉が幅4~8㎜。
 ノシランも園芸種としてよく植えられている。オオバジャノヒゲより大型で、高さは30~80㎝あり、葉の幅が10~15㎜。開花がやや遅く8月頃。苞が披針形。種子はコバルト色、倒卵形。
 ヤブラン属のヒメヤブランヤブランは種子が黒紫色。花糸が明らかにあり、葯の先が尖らない。
[花期] 6~7月
[高さ] 10~20㎝(花茎の高さ)
[生活型] 多年草
[生育場所] 林内、林縁、草地
[分布] 在来種  北海道、本州、四国、九州、朝鮮、中国、台湾
[撮影] 蒲郡市  09.6.29

  ジャノヒゲ属

  family Asparagaceae - genus Ophiopogon

 多年草、根茎があり、ときに匍匐枝を出す。根はたまに、木質または肉質の塊根部が先近くにある。茎は類直立又は平伏、普通、1本、長く又は短く、ときに不明瞭。葉は根生葉と茎葉、互生し、密集又は散在し、無柄又は有柄、線形~長円形、普通、下面に帯白色の条線をもつ。花茎は葉腋に生じる。花序は総状花序又は縮小した円錐花序、まれに円錐花序であり、花が数個~多数つく。苞は小さい。花は両性、鐘形~平らに開き、普通、下向き。花柄には関節がある。花被片は6個、脱落性又は果時に宿存する。雄しべは6個、花被片の基部につく。花糸は普通、ごく短い。葯は底着、ときに、合着。子房は半下位、3室。胚珠は各室に2(~6)個、基部につく。花柱は1個、円柱形。柱頭は頭状、小さい。果実は早い段階で不規則に破れ、若い種子を露出する。種子は熟すと青色になり、液果状。
 世界に約65種があり、温帯、亜熱帯、類熱帯と熱帯に分布する。


  ジャノヒゲ属の主な種と園芸品種

 1  Ophiopogon bodinieri H.Lev.  タイワンジャノヒゲ 台湾蛇の髭
   synonym Ophiopogon scaber (Ohwi) Ohwi
   synonym Ophiopogon formosanus (Ohwi) Ohwi
 中国、台湾、ブータン原産。中国名は沿阶草 yan jie cao

 2  Ophiopogon chingii F. T. Wang & Tang
 中国原産。中国名は长茎沿阶草 chang jing yan jie cao
品種) 'Chinese Whisper' , 'Sparkler'

 3  Ophiopogon intermedius D.Don  タイワンカブダチジャノヒゲ 台湾株立蛇の髭
 中国、台湾、インド、ブータン、ネパール、スリランカ、バングラデシュ、ミャンマータイ、ベトナム原産。中国名は间型沿阶草 jian xing yan jie cao
品種) 'Argenteomarginatus' (v) , 'Compactus' , 'Variegatus'

 4  Ophiopogon jaburan (Siebold) G.Lodd.  ノシラン  熨斗蘭
 日本(本州の東海地方以西、四国、九州、沖縄)、韓国(済州島)原産。中国名は剑叶沿阶草 jian ye yan jie cao。英名はwhite lilyturf , lilyturf
 多年草、高さ30~80㎝。匐枝は出さない。葉は長さ30~80㎝の線形、質が厚く、光沢があり、縁はほぼ平滑、わずかにざらつき、先端が垂れ下がる。花茎は長さ30~50㎝、幅10~15㎜、翼があり扁平、斜上するが、倒れやすい。花序は長さ10~20㎝、花が3~8個ずつ束生し、総状に多数、下向きにつく。苞は披針形。花被片は長さ約6㎜、広披針形、白色~淡紫色。雄しべは6個、花糸はごく短い。葯は長く、先が尖る。種子は倒卵形~楕円形、直径9~10㎜、12~1月にコバルト色(コバルトブルー)に熟す。花期は7~9月。
品種) Crystal Falls = 'Hocf' , 'Hocf' , 'Merton Jacobs' , 'Silver Shower' , 'Variegatus' , 'Vittatus' (v)
 5  Ophiopogon japonicus (Thunb.) Ker Gawl.  ジャノヒゲ 蛇の髭 (リュウノヒゲ)
 日本(北海道、本州、四国、九州)、朝鮮、中国、台湾原産。中国名は麦冬 mai dong。英名はmondo grass , dowarf lily-turf。和名は細い葉を竜の髭にたとえたもの。
 多年草、高さ10~20㎝。匐枝を地中で横に長く伸ばす。根は中間や先端で管状に太くなる。葉は房状に基部につき、無柄、長さ10~20㎝、幅2~4㎜とオオバジャノヒゲより細く、硬く、縁がざらつく。葉脈は3~7本。花茎は 長さ6~15(27)㎝、葉よりかなり短い。花序は長さ2~5㎝、不完全な小さな円錐花序、数個~10個以上の花をつけ、曲がり気味になる。苞は披針形、基部のものは長さ7~8㎜。花は単生~双生し、普通、下向きになる。小花柄は長さ3~4㎜、中間で明瞭。花被片は白色~帯紫色、披針形、長さ約5㎜、幅約2㎜。花糸がごく短い。葯は長さ2.5~3㎜、先が尖る。花柱はいくぶん狭円錐形、長さ約4㎜、基部の幅が広くなる。果実のように見えるの種子であり、果皮は破れ、種子が露出して大きくなり、コバルト色(コバルトブルー)に熟す。種子であるため、花柱の跡がない。種子は直径7~8㎜の球形。中の種子に見えるのは胚乳。2n=34,36,67,68,72,108、2n=70。 花期は6~7月。
品種) 'Albus' , 'Aritaki' , 'Comet' (v) , 'Compactus' , 'Curly Lady' , 'Fuiri Gyoku Ryu' , 'Gyoku-Ryu' , 'Gyoku-ryu' , 'Hakuryu' , 'Kigimafukiduma' , 'Kyoto Dwarf' , 'Minor' , 'Mondo Grass' , 'Mop Top' , 'Nana' , 'Nanus' , 'Nanus Variegatus' (v) , 'Nippon' , 'Pamela Harper' , 'Pygmaeus' , 'Shiro Tama Hime' , 'Silver Dragon' , 'Silver Mist' , 'Tama-ryu' , 'Tama-ryu Number Two' , 'Torafu' (v) , 'Variegata' , 'Variegatus' (v)

5-1 Ophiopogon japonicus (Thunb.) Ker Gawl. var. caespitosus Okuyama  カブダチジャノヒゲ
5-2 Ophiopogon japonicus (Thunb.) Ker Gawl. var. umbrosus Maxim.  ナガバジャノヒゲ
   synonym Ophiopogon ohwii Okuyama
 日本(北海道、本州、四国、九州)、朝鮮に分布。
  多年草、高さ10~30㎝。ジャノヒゲと違い、匐枝を長く出さず、あっても3㎝以下、株立ちとなる。ジャノヒゲと同様に根には肥大する部分がある。葉は長さ30~40㎝、幅1.5~2.5㎜とジャノヒゲより細長い。花茎は長さ15~20㎝。花序は長さ5~10㎝、総状、花は単生~双生し、小花柄は長さ約8㎜。苞は卵形。花は白色~淡紫色。花被片は6個、長さ約7㎜。種子はコバルト色に熟す。種子であるため、花柱の跡がない。中の種子に見えるのは胚乳。2n=72。花期は6~7月。

 6  Ophiopogon longifolius Decne.
 ベトナム原産。
 根が太く、直径4㎜に達する。子房の頂 部はほぼ平坦で、花柄の関節はその頂部にある
6-1 Ophiopogon longifolius f. albostriatus N.Tanaka
 栽培種。葉に白色の条線がある品種。中国南部、ベトナム、インドネシア、沖縄などで栽培されている。
品種) 'Silver Dragon' , 'Takashi-shimomura' (v)

 7  Ophiopogon planiscapus Nakai  オオバジャノヒゲ 大葉蛇の髭
 日本固有種(本州、四国、九州)。英名は black mondo
 多年草、高さ15~25㎝。匐枝を伸ばし、叢生する。根の先がところどころ紡錘状に太くなる。葉は長さ15~30㎝、幅4~7㎜、厚みがある。花茎は長さ15~25㎝、幅太く、しっかり立ちあがってつき、花を下向きにつける。花は数個ずつ、束生する。花は直径6~7㎜。花被片は6個、長さ6~7㎜、淡紫色~白色。雄しべ6個、花糸はごく短い。葯は黄色、細長く、先が尖る。花柱は円柱状、柱頭はわずかに3裂する。種子は直径8~9㎜、灰緑黒色に熟す。花期は6~7月。
品種) 'Aztec Prince' (PBR) , 'Black Beard' , 'Black Needle' , 'Black Smaragd' , 'Edge of Night , 'Kansu' , 'Kokuryu' , 'Little Tabby' (v) , 'Nigra' , 'Nigrescens' , 'Silver Ribbon' , 'Silvershine' , 'Yapard' (PBR)

 8  Ophiopogon reversus C.C.Huang  ヨナグニノシラン 与那国熨斗蘭
 中国原産。中国名は高节沿阶草 gao jie yan jie cao

 9  ハイブリッドその他
品種) 'Black Dragon' , 'Fuku-ho-ryu' , 'Gin-ryu' , 'Hosoba Kokuryu' , 'Rhyuko' , 'Spring Gold' , 'Tama-hime-nishiki' (v)

 参考

1) Flora of China
  Ophiopogon
 http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=122994
2) GRIN
 Ophiopogon
 https://npgsweb.ars-grin.gov/gringlobal/taxonomygenus.aspx?id=8491
3)植物研究雑誌 J. Jpn. Bot. 75:265-269(2000)
 Taxonomic Notes on Ophiopogon of South Asia VII
 http://www.jjbotany.com/pdf/JJB_075_265_269.pdf

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