ヨツバシオガマ   四葉塩竈
[学名] Pedicularis japonica Miq.
ハマウツボ科 Orobanchaceae  シオガマギク属
三河の植物観察
ヨツバシオガマの花序
ヨツバシオガマの花
ヨツバシオガマの花2
ヨツバシオガマの葉2
ヨツバシオガマ
ヨツバシオガマの葉
 エゾヨツバシオガマの変種に分類されていたが、日本の本州中部の系統は日本固有に分化したヨツバシオガマであり、独立種とされた。
 多年草、高さ10~30㎝。 葉は4個まれに3~6個、輪生し、羽状深裂し、羽片は浅裂又は歯状。茎頂の花茎に数段に花輪をつける。花冠は下部が筒型、筒部は真っすぐ又はわずかに曲がり、先が2唇形、上唇は紅紫色で先端が嘴状に長く先が垂れ下がり、嘴部は長さ4~5㎜。下唇は大きく3裂して垂れ下がる。萼は先が5裂する。花期は7~8月。
 クチバシシオガマ var. longirostrata は上唇の嘴が長さ7~9㎜と長く、基部の上側にくびれがある品種とされているが区別が難しい。
【エゾヨツバシオガマとヨツバシオガマの違い】
● エゾヨツバシオガマ(Pedicularis chamissoni)
 1)花冠筒部の下部が明らかに曲がる
 2) 花序軸の多数の花の輪(節)6~8段
   [3~20段 平均7.8 ± 3.8 (S.D)].
 3) 葉の羽片は深く分裂
●ヨツバシオガマ(Pedicularis japonica
 1) 花冠筒部の下部が真っすぐ又はわずかに曲がる
 2) 花序軸の花の輪(節)の数は比較的少ない3~4段
   [2~9段 平均4,1 ±1.4 (S.D)]
 3)葉の羽片は浅く分裂
 ※花冠上唇の嘴の長さはヨツバシオガマは長いがエゾヨツバシオガマは変異が多い。
[花期] 7~8月
[高さ] 10~30㎝
[生活型] 多年草
[生育場所] 亜高山~高山の湿った草地
[分布] 在来種  北海道、本州(東北南部~中部地方以北)
[撮影] 乗鞍岳畳平   08.8.20

  シオガマギク属

  family  Orobanchaceae - genus Pedicularis

 多年草又は1年草、まれに2年草。半寄生植物。葉は互生、対生、又は輪生、普通、羽状中裂~1・2回羽状全裂、まれに全縁又は歯状。下部の葉は普通、長い葉柄があり、上部の葉はしばしば、ほぼ無毛。花序は頂生又は花が腋生。苞は普通、葉状。咢は筒形又は鐘形、しばしば、±2唇形、普通、前側が深く分裂し、 (2~)5裂片がある。花冠は紫色、赤色、黄色、又は白色、強い2唇形。上唇(galea かぶと)はフードになり、葯を包み、横は扁平、丸く又は切形で、先には歯又は嘴がある。下唇は3裂し、普通、広がり、蕾では上唇の外側になる。雄しべは4個、2強雄しべ。花糸は無毛又は軟毛がある。葯は微突形又は微突形にならない。柱頭は頭状。蒴果は偏平又は扁平にならず、胞背裂開。種子は多数、網目があるか又は肋骨がある。
 世界に約600種あり、北半球の極寒や高山地域に広く分布し、南西中国の山地に最も多い。中国に372種がある。


 シオガマギク属の主な種

 1  Pedicularis adunca M.Bieb. ex Steven  ホソバシオガマ
   synonym Pedicularis rubinskii Kom.  ホソバシオガマ 
 ロシア原産。

1-1 Pedicularis adunca M.Bieb. ex Steven subsp. sachalinensis (Miyabe et T.Miyake) Ivanina  カラフトシオガマ
   synonym Pedicularis adunca M.Bieb. ex Steven var. sachalinensis (Miyabe et T.Miyake) Ohwi 
 2  Pedicularis apodochila Maxim.  ミヤマシオガマ
 日本、千島列島原産。
 葉が2回羽状に細裂し、花が鮮やかな紅紫色で、花冠の上唇の先が短い
2-1 Pedicularis apodochila Maxim. f. albiflora Ohba  シロバナミヤマシオガマ

 3  Pedicularis artselaeri Maxim. var. artselaeri  ハガクレシオガマ 
 中国原産。中国名は埃氏马先蒿 ai shi ma xian hao

 4  Pedicularis capitata Adams  タマザキシオガマ
 ロシア、北アメリカ(アラスカ、カナダ)、グリーンランド原産。英名はcapitate lousewort

 5  Pedicularis chamissonis Steven  エゾヨツバシオガマ
 日本(北海道)、ロシア原産。日本の本州中部の系統は日本固有に分化したヨツバシオガマであり、別種とされた。
【エゾヨツバシオガマとヨツバシオガマの違い】
● エゾヨツバシオガマ(Pedicularis chamissoni)
 1)花冠筒部の下部が明らかに曲がる
 2) 花序軸の多数の花の輪(節)6~8段 [3~20平均7.8 ± 3.8 (S.D)].
 3) 葉の羽片は深く分裂
●ヨツバシオガマ(Pedicularis japonica
 1) 花冠筒部の下部が真っすぐ又はわずかに曲がる
 2) 花序軸の花の輪(節)の数は比較的少ない3~4段 [2~9平均4,1 ±1.4 (S.D)]
 3)葉の羽片は浅く分裂
 ※花冠上唇の嘴の長さはヨツバシオガマは長いがエゾヨツバシオガマは変異が多い。

5-1 Pedicularis chamissonis Steven var. chamissonis  エゾヨツバシオガマ
 ロシア(アリューシャン列島)原産。
 花冠の上唇の嘴部は長さ2~3㎜で太くて短い。
 高さ10~40㎝。葉は普通、4個輪生、、ときに5~6個輪生し、長円状披針形、長さ3~7.5㎝×幅1~3.5㎝、羽状全裂し、裂片はさらに羽状深裂する。下部の葉柄は長いが、上部の葉はほとんど無柄。花は茎の上部に4輪生し、(2~)4~8(~10)段につく。花冠は紅紫色、下部が筒形、上部は2唇形、筒部の下部が横向きに明らかに曲がる。上唇はフード形、先端の嘴は短く長さ2~3㎜。下唇は3深裂する

5-1-1 Pedicularis chamissonis Steven var. chamissonis f. albiflora Tatew. ex H.Hara  シロバナエゾヨツバシオガマ
 白花品種。
5-2 Pedicularis chamissonis Steven var. hokkaidoensis T.Shimizu  キタヨツバシオガマ
   synonym Pedicularis chamissonis Steven f. fauriei (Bonati) Petitm. ex H.Hara
 北海道内の高山に生える。
 高さが高く、花序の段数が7~12段。上唇の嘴部分はヨツバシオガマよりやや短い。
5-2-1 Pedicularis chamissonis Steven var. hokkaidoensis T.Shimizu f. leucantha Horii  シロバナヨツバシオガマ

5-3 Pedicularis chamissonis Steven var. rebunensis T.Yamaz.  レブンシオガマ 礼文塩竃
 礼文島に固有。キタヨツバシオガマや、ヨツバシオガマより鮮やかな花色で、草丈が高く、花序につく花数も多い。
 多年草。高さ70~100㎝。葉は5~6輪生し、数段つき、羽状全裂、裂片には浅い切れ込みがある。花序には細毛があり、花数が多く、花が15~30段、輪生し、下から上に咲き上がる。花冠は鮮やかな紅紫色、2唇形。上唇は色がやや濃く、細く、鋭く尖って下向きに曲がり、下唇は幅が広く、3裂して広がる。
5-3-1 Pedicularis chamissonis Steven var. rebunensis T.Yamaz. f. alba T.Yamaz.  シロバナレブンシオガマ
 白花品種。

 6  Pedicularis flava Pall.  モウコシオガマ 蒙古塩竃
 中国、モンゴル、ロシア原産。中国名は黄花马先蒿 huang hua ma xian hao 。

 7  Pedicularis gloriosa Bisset et S.Moore  ハンカイシオガマ 樊噌塩竃
 日本固有種(本州(関東地方~東海地方)
 多年草、高さ30~90㎝。茎は数本。葉は対生し、葉柄は長さ10~20㎝。葉身は下部に集まってつき、卵形~広卵形、長さ10~30㎝×幅4~5㎝、羽状全裂し、裂片は不規則に中裂~深裂し、鋸歯があり、両面に毛がまばらにある。上部で分枝し枝先に長さ3~7㎝の穂状花序に花をつける。萼は鐘形、先は5裂。花冠は紅紫色、長さ2.5~3㎝、長い筒形、先は2唇形。上唇は舟形で湾曲し、上半部は太くて先は円く、下側に白毛が密生する。下唇は横に開き、3中裂し、約長さ1.4㎝×幅1㎝、上唇とほぼ同長。蒴果は卵円形、長さ7~10㎜×幅6~9㎜、先は鋭く尖る。花期は8~9月。
7-1 Pedicularis gloriosa Bisset et S.Moore f. albiflora Takeda  シロバナノハンカイシオガマ
 白花品種。

 8  Pedicularis grandiflora Fisch.  オオシオガマギク
 中国、ロシア原産。中国名は野苏子 ye su zi ma xian hao 。
 KewscienceではPedicularis resupinata L.のsynonymとしている。

 9  Pedicularis ikomae Sasaki  イコマソウ
   synonym Pedicularis nanfutashanensis T.Yamaz. 
 台湾原産。中国名は高山馬先蒿。不明種。

 10  Pedicularis ishidoyana Koidz. et Ohwi  ハルザキシオガマ
   synonym Pedicularis artselaeri Maxim. var. koraiensis Hurus.
 朝鮮原産。
 
 11  Pedicularis iwatensis Ohwi  イワテシオガマ 岩手塩竈
   synonym Pedicularis gloriosa Bisset et S.Moore var. iwatensis (Ohwi) Ohwi 
 日本固有種(岩手県、秋田県)。ブナ林内の急斜面や沢沿いに生える。
 多年央。高さ50~80㎝。茎は斜上し、やや細く、剛毛を散生する。葉は対生し、基部に集まり、葉柄は長さ15~25㎝。葉身は卵形、長さ15~20㎝、羽状全裂し、裂片はさらに羽状深裂し、大きく尖った鋸歯があり、上面はほとんど無毛、下面に毛が散生する。まばらに分枝した枝先の花序に花をつける。。花冠は紫紅色、長さ約4㎝、先は2唇形。上唇は舟形で湾曲し、下唇は開いて3裂する。花期は8~9月。

 12  Pedicularis japonica Miq.  ヨツバシオガマ 四葉塩竈
   synonym Pedicularis chamissonis Steven var. japonica (Miq.) Maxim.
   synonym Pedicularis chamissonis Steven subsp. japonica (Miq.) Ivanina 
 日本固有種(北海道、本州の東北南部~中部地方以北)
 多年草、高さ10~30㎝。 葉は4個まれに3~6個、輪生し、羽状深裂し、羽片は浅裂又は歯状。茎頂の花茎に数段に花輪をつける。花冠は下部が筒型、筒部は真っすぐ又はわずかに曲がり、先が2唇形、上唇は紅紫色で先端が嘴状に長く先が垂れ下がり、嘴部は長さ4~5㎜。下唇は大きく3裂して垂れ下がる。萼は先が5裂する。花期は7~8月。
12-1 Pedicularis japonica Miq. f. rostrata  クチバシシオガマ 嘴塩竈
   synonym Pedicularis chamissonis Steven var. japonica (Miq.) Maxim. f. rostrata T.Yamaz.
   synonym Pedicularis chamissonis Steven var. longirostrata T.Yamaz.
 本州中部の特に南部に多く分布する。
 上唇の嘴が長さ7~9㎜と長く、基部の上側にくびれがある品種とされているが区別が難しい。

 13  Pedicularis keiskei Franch. et Sav.  セリバシオガマ 芹葉塩竈
 日本固有種(本州中部地方)
 多年草、高さ20~40㎝。地下茎は短く、地を這い、茎は根際で分枝し、直立する。花時に根出葉はない。葉柄は長さ4~10㎜。葉は対生し、質が薄く、長さ4~8㎝、幅2~4㎝の卵状長楕円形、羽状に全裂し、裂片は披針形、さらに羽状に中裂する。花は上部の葉腋に1 個ずつつく。花冠は緑白色、2唇形、筒部が淡緑色、裂片が白色、長さ約2㎝。下唇は広く開き先が3裂し、上唇は先が細長く嘴状に尖る。雄しべは4個、上唇内にある。蒴果は長さ12~15㎜の三角状披針形、鋭尖頭、熟すと褐色になり、上側が裂開する。花期は8~9月。

 14  Pedicularis koidzumiana Tatew. et Ohwi  ベニシオガマ 紅塩竈
 日本(利尻山)、樺太原産。山の岩地に生える。
 多年草。茎は高さ3~7㎝。葉は小さく、根出葉の葉柄は長さ1~2㎝。葉身は長さ1~2㎝、羽状全裂し、裂片には尖った鋸歯がある。花序は頂生、短く、数個の花を密につける。花冠は紅紫色、先端の下側に2個の棘状突起があり、下唇は上唇より短い。花期は7月頃。(2012年調査では確実な自生を確認できていない)

 15  Pedicularis labradorica Wirsing  チシマシオガマ 千島塩竈
 中国、モンゴル、ロシア、アジア極地、ヨーロッパ極地、北アメリカ極地原産。中国名は拉不拉多马先蒿 la ba la duo ma xian hao 。

 16  Pedicularis lanata Willd. ex Cham. et Schltdl.  アイザワシオガマ 相沢塩竈
   synonym Pedicularis kanei Durand
   synonym Pedicularis lanata f. lanata
   synonym Pedicularis willdenowii Vved.
 北アメリカ、グリーンランド、ユーラシア北部に分布。英名は woolly lousewort , bumble-bee flower。和名は千島で初めて発見した相沢氏に因む。
 多年草、茎は直立、1本、高さ5~10(~25)㎝。黄白色の直根をもつ。全体に白色の羊毛状の毛が厚くあり、特に開花前の若い時に白毛が目立つ。葉は大きな根生葉と小さな茎葉がある。根生葉は多数、輪生し、長い葉柄があり、葉身は槍形、2回羽状複葉。茎葉は分裂が少ない。花序は茎頂部に直立し、花が密に多数つき、白色の羊毛状の毛が目立つ。花は2唇形、花冠は長さ約2㎝、暗ピンク色、~ピンク紫色、ときに白色。蒴果は長さ8~13㎜、扁平で嘴がある。種子は表面にハチの巣状の模様がある。花期は6~8月。果期は8月。

 17  Pedicularis lunaris Nakai  ナギナタシオガマ
 朝鮮原産。
 花序を持つ茎は高さ15~57㎝、1本、直立し、開出する白色の毛がある。葉は無柄、互生し、披針形、羽状中裂、裂片は類重鋸歯状、両面に毛があり、長さ3~10㎝×幅1~3㎝、先は鋭形、基部は抱茎。花序には葉がつく。花は腋生、無柄、上向きつく。咢は卵形、先には5歯があり、毛がある。咢歯は三角状披針形。花冠は黄白色、長さ38~48㎜、外側に長毛がある。かぶと(galea)は傾き、嘴は無く( erostris)、縁を超える。花柱と花糸は平滑。咢は果時に大きくなる。蒴果は卵形、微突形、長さ13㎜、幅8~10㎜。

 18  Pedicularis mandshurica Maxim.  マンシュウシオガマ
 朝鮮、中国原産。中国名鸡冠子花 ji guan zi hua ma xian hao
18-1 Pedicularis mandshurica Maxim. var. coreana (Botati) Hurus.  イワシオガマ 岩塩竈
   synonym Pedicularis nigrescens Nakai 

 19  Pedicularis nipponica Makino  オニシオガマ 鬼塩竈
 日本固有種(本州中部地方以北の日本海側)
 多年草、高さ30~70㎝。茎は太く、茎や葉など全体に白い軟毛が密生する。葉は根元に大きな葉が集まってつき、長卵形、羽状に全裂する。茎葉は全裂せず、縁は鋸歯状で、上部ほど小さくなり、苞へと続く。花は長さ3.5~4㎝の唇形花。淡赤紫色、まれに白花もある。花冠の上唇は舟形、下唇は3裂する。花期は8~9月。
19-1 Pedicularis nipponica Makino f. alba M.Mizush. et Yokouchi  シロバナオニシオガマ
 白花品種。

 20  Pedicularis ochiaiana Makino  ヤクシマシオガマ
 日本固有種(屋久島)

 21  Pedicularis oederi Vahl  キバナシオガマ 黄花塩竈
   synonym Pedicularis oederi Vahl subsp. heteroglossa auct. non (Prain) Pennell 
   synonym Pedicularis oederi Vahl var. heteroglossa auct. non Prain
 日本(大雪山)、中国、ブータン、ロシア、カザフスタン、キルギスタン、タジキスタン、ヨーロッパ、北アメリカ原産。中国名は欧氏马先蒿 ou shi ma xian hao 。日本では絶滅危惧ⅠB類。高山帯の礫地や草地に生える。
 多年草。高さ10~20㎝。茎は基部で分枝し、4稜形、毛がまばらにある。葉は根元に集まってつき、細長く、長さ1.5~5㎝、羽状全裂し、しわがある。上部の茎葉は互生する。頂生の総状花序に花を10数個、密につける。花冠は黄色、長さ約2.5㎝、2唇形。上唇は嘴状で先が赤褐色、下唇は3裂する。花期は7~8月。
21-1 Pedicularis oederi Vahl var. yezoana (Nakai) Hurus.  ウルップシオガマ

 22  Pedicularis palustris L.
 ロシア、ヨーロッパ、カナダ原産。英名はmarsh lousewort , swamp lousewort
22-1 Pedicularis palustris L. subsp. karoi (Freyn) P.C.Tsoong  サワシオガマ
   synonym Pedicularis karoi Freyn 

 23  Pedicularis refracta (Maxim.) Maxim.  ツクシシオガマ 筑紫塩竈
 日本固有種(九州)。 日当たりのよい草地に生える。
 1年草。高さ20~40㎝。全体に長い白色の長毛がある。基部の葉は長い葉柄をもつ。葉は普通、4個輪生し、羽状深裂し、裂片には鋭い鋸歯がある。花は茎や枝の上部に先に3~4個ずつ輪生し、横向きにつく。花冠は紅紫色、長さ1.6~2㎝。花冠の上唇は舟形、下唇は3裂して開く。花期は4~6月。
23-1 Pedicularis refracta (Maxim.) Maxim. f. albiflora T.Watan. ex T.Yamaz.  シロバナツクシシオガマ
 白花品種。

 24  Pedicularis resupinata L.  シオガマギク 広義
   synonym Pedicularis resupinata L. var. oppositifolia Miq.
 日本、朝鮮、中国、モンゴル、ロシア、カザフスタン原産。
 多年草。高さ30~70㎝、乾いても黒色にならない。根はひげ根が束せいする。茎はしばしば1本、直立、先で多数、分枝し、まばらに毛があるか又はほぼ無毛。茎葉は多数つき、葉柄があり、又は最上部は無柄。葉柄は長さ (0~)2~12㎜、無毛又は毛がある。葉身は卵形~長円状披針形、長さ2.5~5.5㎝×幅1~2㎝、膜質~紙質、無毛又はまばらに毛があり、基部は広楔形~円形、縁は円鋸歯又は鋸歯縁、先は尖鋭形。花は腋生。花柄は短いか又は無い。咢は長さ6~9㎜、無毛になり、裂片2個は広く、全縁。花冠はピンク色~紫色又は帯黄色、長さ2~2.5㎝、筒部は真っすぐ、長さ1.2~1.5㎝。かぶと(galea)はかま形、嘴は円錐形、長さ約3㎜。下唇はかぶとよりわずかに長く、縁毛がある。花糸2本は毛があり、2本は無毛。蒴果は斜め、長円形状披針形、長さ1.1~1.6㎝、咢よりわずかに長い。花期は6~8月。果期は7~9月。2n=16 , 32。
24-1 Pedicularis resupinata L. subsp. resupinata  シベリアシオガマ
 日本(北海道北部)、朝鮮、中国、モンゴル、ロシア、カザフスタン原産。
 植物体はまばらに毛があるか又は無毛。葉が全て互生し、披針形。花序が長い。花冠はピンク色~紫色。蒴果は斜めの長円状披針形、わずかに咢より長い。広義にはsubsp. oppositifoliaを含めてシオガマギクという。
24-1-1 Pedicularis resupinata L.Pedicularis resupinata L. subsp. resupinata var. umbrosa (Kom.) Nakai  ヒカゲシオガマ
24-1-2 Pedicularis resupinata L.Pedicularis resupinata L. subsp. teucriifolia (M.Bieb. ex Steven) T.Yamaz.  ビロードシオガマ
   synonym Pedicularis resupinata L. var. teucriifolia (M.Bieb. ex Steven) Maxim.
24-1-2-1 Pedicularis resupinata L.Pedicularis resupinata L. subsp. teucriifolia (M.Bieb. ex Steven) T.Yamaz. var. caespitosa Koidz.  トモエシオガマ
 日本の亜高山、高山帯に分布する。花が上部に固まってつく。

24-2 Pedicularis resupinata L. subsp. oppositifolia (Miq.) T.Yamaz.  シオガマギク 塩竈菊
 北海道、本州、四国、九州、朝鮮、中国に分布。
 多年草、高さ25~60㎝。茎は直立し、ほとんど枝分かれしない。葉は下部では対生し、上部では互生し、葉身は狭卵形、長さ4~9㎝×幅1~2㎝、基部は円みのある切形、縁は規則的な重鋸歯、先は鋭形。花は茎頂や枝先に密集して、苞状の葉腋につく。咢は2裂し、咢片は長さ6~7㎜×幅3~4㎜、全縁。花冠は紅紫色、長さ約2㎝、筒部は真っすぐ、上部は2唇形。上唇のかぶとは筒状の鎌形、先は嘴状に尖り、先端に小さな歯がある。下唇は広がって浅く3裂する。雄しべは下側2本がやや長い。蒴果は3角状卵形~長卵形、長さ10~12㎜×幅約5㎜、先は鋭形。種子は多数。花期は8~9月。
24-2-1 Pedicularis resupinata L. subsp. oppositifolia (Miq.) T.Yamaz. f. albiflora (Honda) H.Hara  シロシオガマ
24-2-2 Pedicularis resupinata L. subsp. oppositifolia (Miq.) T.Yamaz. f. alborosea Hiyama  ウスベニシオガマ
24-3 Pedicularis resupinata L. var. microphylla Honda  ミカワシオガマ
   synonym Pedicularis resupinata L. subsp. oppositifolia (Miq.) T.Yamaz. var. microphylla Honda
 東海地方の三河を中心に分布する。草地でなく、湿地に生える。葉は小さく、長さ1~2㎝、幅4~7㎜、重鋸歯があり、互生する。花冠も小型で、上唇の先は細く尖り、先はほとんど分裂しない。上唇から雌しべが突き出す。
24-4 Pedicularis resupinata L. subsp. galeobdolon (Diels) P. C. Tsoong
 中国に分布。中国名は鼬臭返顾马先蒿 you xiou fan gu ma xian hao 。
 植物体は無毛。葉は長さ3~5㎝。花冠は黄色、嘴は長さ約2㎜。蒴果は斜めの線状披針形、咢の長さの約2倍又はそれ以上。花期は5~7月。
24-5 Pedicularis resupinata L. subsp. crassicaulis (Vaniot ex Bonati) P. C. Tsoong
 中国に分布。中国名は粗茎返顾马先蒿 cu jeng fan gu ma xian hao
 植物体は密に毛がある。葉は短く、長さ2.5~3.5㎝。花冠はピンク色~紫色。嘴は短く、切形。蒴果は卵形、長さ約1.2㎝。花期は5~6月。
24-6 Pedicularis resupinata L. subsp. lasiophylla P. C. Tsoong
 中国に分布。中国名は毛叶返顾马先蒿 mao ye fan gu ma xian hao
 植物体は密に毛がある。葉は長さ4~5.5㎝。花冠はピンク色~紫色。嘴は円錐形、長い。蒴果は斜めの長円状披針形、長さ1.1~1.6㎝。花期は7~8月。

 25  Pedicularis rubens Stephan ex Willd.  コウアンソウ
 中国、モンゴル、ロシア原産。中国名は红色马先蒿 hong se ma xian hao 。

 26  Pedicularis sceptrum-carolinum L.  ハタザオシオガマ
 ユーラシア原産。英名はMoor-king Lousewort。
26-1 Pedicularis sceptrum-carolinum L. var. sceptrum-carolinum
 中国、モンゴル、ロシア、ヨーロッパ原産。国名は旌节马先蒿 jing jie ma xian hao
 茎や葉はほぼ無毛。
26-2 Pedicularis sceptrum-carolinum L. var. pubescens Bunge  ハタザオシオガマ 狭義
   synonym Pedicularis sceptrum-carolinum L. subsp. pubescens (Bunge) P.C.Tsoong 
 朝鮮、中国、ロシア原産。有毛旌节马先蒿 you mao jing jie ma xian hao 。
 茎や葉が有毛。

 27  Pedicularis schistostegia Vvedensky  ネムロシオガマ 根室塩竈
   synonym Pedicularis venusta (Bunge) Schangin ex Bunge var. schmidtii T.Ito
 日本固有種(北海道の根室地方、礼文島)。海岸近くの岩場や草地に生える。
 多年草。高さ15~30㎝。茎は太く、茎や葉に白色の軟毛が密生する。葉は互生し、羽状全裂し、裂片はさらに深裂して鋭い鋸歯があり、人参の葉に似る。花は茎の上部に密集して多数つく。花冠は白色~淡黄色、2唇形。上唇は下唇より長く、下向きに曲がる。花は下から上に咲き上がるが、上から見ると上唇は右に少し曲がってつき、カザグルマの羽根のようにみえる。。
27-1 Pedicularis schistostegia Vvedensky f. rubriflora Ohba ex T.Yamaz.  カフカシオガマ
 紅花品種。

 28  Pedicularis spicata Pall.  ホザキシオガマ 
 日本(北海道の十勝地方、白山)、朝鮮、中国、モンゴル、ロシア原産。中国名は穗花马先蒿 sui hua ma xian hao
 1年草、高さ20~30(~40)㎝、乾くと黒色になるか又はならない。根は円錐形、木質。茎は1本~数本、外側の茎は平伏又は斜上し、先で分枝し、毛の4ラインがある。葉はしばしば4個輪生。根生葉は±ロゼットになり茎葉より小さく、花時に脱落する。茎葉は葉柄が長さ1㎝以下、狭い翼があり、毛がある。葉身は長円状披針形~線状狭披針形、長さ7㎝×幅1.3㎝以下、下面は脈に白色の絨毛があり、上面はまばらに白色の毛があり、羽状中裂~羽状深裂。裂片は9~10対、卵形~長円形、歯又は欠刻状の歯があり、歯はカロース(callose)がある。花序は穂状花序、長さ12㎝以下、基部は途切れる。下部の苞は葉状、上部の苞は菱状卵形又は扇形、白色の絨毛がある。花は小さい。咢は鐘形、長さ3~4㎜、前側がわずかに裂け、膜質。咢裂片は融合し、3個に見え、不等長、後ろ側の咢片は三角形、側対より小さい。花冠は赤色、筒部は基部で90度曲がり、長さ1.2~1.8㎝。かぶとは長さ3~4㎜、前部は±鋭形。下唇は長さ6~10㎜、中裂片は倒卵形、側裂片より小さい。花糸2本は毛があり、2本は無毛。蒴果は斜めの卵形~披針状卵形、長さ6~10㎜×幅約4㎜、先は鋭形~微突頭。花期は6~9月。果期は8~10月。
28-1 Pedicularis spicata subsp. spicata
 日本、朝鮮、中国、モンゴル、ロシア原産。中国名は穗花马先蒿 sui hua ma xian hao
 上部の苞は葉状又は菱状卵形。2本の花糸は密に絨毛があり、2本は無毛。蒴果は狭卵形、長さ6~7㎜、先は鋭形。
28-2 Pedicularis spicata subsp. bracteata P. C. Tsoong
 中国原産。中国名は显苞穗花马先蒿 xian bao sui hua ma xian hao 。
 上部の苞は強く大きくなり、扇形、長さ10㎜×幅8㎜以下。花糸の2本は長軟毛があり、2本は無毛。蒴果は狭卵形、長さ6~7㎜、先は鋭形。花期は6月。
28-3 Pedicularis spicata subsp. subsp. stenocarpa P. C. Tsoong
 中国原産。中国名は狭果穗花马先蒿 xia guo sui hua ma xian hao 披針状卵形、長さ8~10㎜、長く尖鋭形。果期は9月。

 29  Pedicularis sudetica Willd.  ヤチシオガマ
 ヨーロッパ北部原産。英名はfernweed , Sudeten lousewort , Sedetic lousewort , Sudetic lousewort 。アラスカ、カナダ、USAに帰化。

 30  Pedicularis tatarinowii Maxim.  ナンマンシオガマ
   synonym Pedicularis myriophylla var. tatarinowii (Maxim.) Hurusawa
 中国原産。塔氏马先蒿。詳細不明。Flora of Chinaには記載がない。

 31  Pedicularis transmorrisonensis Hayata  ニイタカシオガマ
   synonym  Pedicularis refracta (Maxim.) Maxim. var. transmorrisonensis (Hayata)Hurus.
 台湾原産。中国名は台湾马先蒿 tai wan ma xian hao 。
 日本のツクシシオガマPedicularis refracta の系統に近く、変種にまとめるべきだとする見解もある。

 32  Pedicularis venusta (Bunge) Schangin ex Bunge  オトメシオガマ
  中国、モンゴル、ロシア原産。中国名は秀丽马先蒿 xiu li ma xian hao

 33  Pedicularis verticillata L.  タカネシオガマ 高嶺塩釜
   synonym Pedicularis hallaisanensis Hurus.  タンナシオガマ 
 日本(北海道、本州)、中国、モンゴル、ロシア、ヨーロッパ、北アメリカ原産。
  1年草。全体に小型、高さ5~15㎝。花がミヤマシオガマに似、葉がヨツバシオガマに似ている。
 多年草、高さ(5~)15~35㎝、乾いても黒色にならない。根は±紡錘形。茎は1本~7本以上まで、中央は直立し、外側は斜上し、4ラインの毛をもつ。葉は普通、4個輪生する。根生葉は多数、宿存する。葉柄は長さ約3㎝以下、白色の絨毛がある。葉身は長円形~線状披針形、長さ2.5~3㎝×幅1~1.2(~1.8) ㎝、± 下面はわずかに毛があり、羽状中裂~羽状全裂、裂片は6~10対、線状長円形~三角状卵形、±欠刻状の歯があり、歯は白色でカロース(callose)がある。茎葉は根生葉に似ているが、葉柄が短いか又はほぼ無柄で、葉身が小さい。花序は総状花序、普通、密。苞は葉状、基部の花よりかなり長く、白色の毛がある。咢は普通、赤色、卵形、長さ約6㎜、膜質、密に絨毛があり、深く前側が裂ける。裂片は3~5個、不等長、3裂のとき、後方にグループになり、鋸歯がある。花冠は紫色、長さ約1.3㎝。筒部は基部で90度曲がる。かぶとはわずかにかま形、長さ約5㎜、前が丸い。下唇はかぶととほぼ同長。中裂片は側裂片の対よりかなり小さく、円形。前側の花糸の対は毛がある。蒴果は披針形、長さ1~1.5㎝×幅4~5㎜、微突頭。種子は長さ約1.8㎜。花期は6~8月。果期は7~9月。 2n = 12 + 0--2f.。
33-1 Pedicularis verticillata subsp. verticillata  タカネシオガマ
 日本(北海道、本州)、中国、モンゴル、ロシア、ヨーロッパ、北アメリカ原産。中国名は轮叶马先蒿 lun ye ma xian hao 。
 植物は少なくとも部分的に無毛。花冠は小さい。蒴果は狭い。咢片は普通3個。葉は幅1~1.2㎝、羽状深裂~羽状全裂、裂片は幅1~2㎜。
33-1-1 Pedicularis verticillata L. f. albiflora Makino  シロバナタカネシオガマ
 白花品種。
33-2 Pedicularis verticillata subsp. latisecta (Hulten) P. C. Tsoong
 中国、ヨーロッパ原産。中国名は宽裂轮叶马先蒿 kuan lie lun ye ma xian hao
 植物は少なくとも部分的に無毛。花冠は小さい。蒴果は狭い。咢片は普通3個。葉は幅1.2~1.8㎝、分裂が深くなく、羽状中裂、裂片は幅3~4㎜。
33-3 Pedicularis verticillata subsp. tangutica (Bonati) P. C. Tsoong
 中国原産。中国名は唐古特轮叶马先蒿 tang gu te lun ye ma xian hao
 植物は全体に毛がある。葉と咢片は普通、白色、小鋸歯状小歯があり、歯はカロースがある。咢片は普通、5個。花冠は大きい。蒴果は幅が広い。

 36  Pedicularis yezoensis Maxim.  エゾシオガマ 蝦夷塩竈
 日本固有種(北海道、本州中部地方以北)。花が黄白色。葉が互生し、縁が浅裂して重鋸歯。
 多年草、高さ15~60㎝。茎は根元で分かれ、上部ではほとんど枝分かれせず、直立する。葉は下部で対生、上部では互生し、長さ2~6㎝の三角状披針形、重鋸歯縁、基部は切形。葉柄は長さ1~2㎝。花は横向きにつき、白色~白黄色のねじれた唇形花。花冠は長さ約1.5㎝。蒴果は長さ約1㎝。花期は7~8月。
36-1 Pedicularis yezoensis Maxim. var. pubescens H.Hara  ビロードエゾシオガマ
 全体に毛が多く、ビロード状。



 参考

1) Flora of China
  Pedicularis
  http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=124237
2) GRIN
  Pedicularis
 https://npgsweb.ars-grin.gov/gringlobal/taxonomygenus.aspx?id=8971
3)
  Pedicularis
 http://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:328292-2
5)Moor-king, Pedicularis sceptrum-carolinum - .NatureGate
 Moor-king
 http://www.luontoportti.com/suomi/en/kukkakasvit/moor-king
6)Journ. Jap. Bot. Vol. 40 No. 1 25 (1965)
 ネムロシオガマの紅花品
 http://www.jjbotany.com/pdf/JJB_040_25-25.pdf
7)石川県白山自然保護センター普及誌 第 44 巻 第 3 号
 白山におけるホザキシオガマの発見。
 https://www.pref.ishikawa.lg.jp/hakusan/publish/hakusan/documents/44-3l.pdf
8)25440215 研究成果報告書 - KAKEN
 大陸辺縁における異所的種分化過程の解明に向けて~シオガマギク属植物を用いて~
 https://kaken.nii.ac.jp/ja/file/KAKENHI-PROJECT-25440215/25440215seika.pdf
9)Acta Phytotax .Geobot. 63 (2 )8:7-97 (2013)
 Taxonomic Reyivalof Pedieularis japonica from P. chamissoniss(Orobanchace)
 https://www.jstage.jst.go.jp/article/apg/63/2/63_KJ00008580363/_pdf/-char/ja
10)Notulae a ad Plantas Japonia? et Koree, XXIII 486 ... - J-Stage
 Pedicularis lunaris,
 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jplantres1887/34/400/34_400_35/_pdf
11) レッドデータブック愛知2009
 セリバシオガマ(ⅠB)、ミカワシオガマ(ⅠB)、シオガマギク(ⅠB)

TOP Back