ヤブコウジ 藪柑子

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Flora of Mikawa

サクラソウ科 Primulaceae ヤブコウジ属

別 名 ジュウリョウ 十両
中国名

紫金牛 zi jin niu

英 名 marlberry
学 名 Ardisia japonica (Thunb.)Blume
ヤブコウジの蕾
ヤブコウジの花
ヤブコウジの花裏
ヤブコウジの果実
ヤブコウジの果実
ヤブコウジ
ヤブコウジ葉
ヤブコウジ果実と種子
花 期 7~8月
高 さ 10~30(~40)㎝
生活型 常緑小低木または亜低木
生育場所 山地の林内、林縁
分 布 在来種 北海道、本州、四国、九州、朝鮮、中国、台湾
撮 影 五井山  03.7.6
新分類(APG)ではヤブコウジ科はサクラソウ科へ含められた。
 赤い実のなる小さな木本。センリョウ(千両)、マンリョウ(万両)やカラタチバナの百両に対し、十両とも呼ばれる。
 ヤブコウジは常緑低木または亜低木。地下に匍匐茎を持つ。茎の上部、花序、若い葉柄に微細な毛がある。匍匐性の茎は長く、枝分かれは少なく、葉はない。地上の茎は直立し、高さ10~30(~40)㎝、直径2~3㎜、円柱形。葉は対生またはほぼ輪生が数輪あり(1~2段の偽輪生)、葉が3~5個つき、楕円形~倒卵形または披針形、長さ(2~)6~13㎝×幅(0.6~)2~5㎝、両端が鋭形、短い微突形の歯があり、光沢があり、濃緑色、無毛。葉柄は長さ7~13㎜。花序は、葉または鱗片状の葉に腋生し、花が2~5個、ほぼ散形花序状につく。花序柄は細く、広がり、長さ(0.5~)1~1.5㎝、小花柄は長さ7~10㎜。花は白色またはピンク色、5(または6)数性、垂れ下がり、幅6~8㎜、車形。萼片は広卵形、急に鋭形、繊毛がある。花弁は5(~6)個、ピンク色または白色、広卵形、長さ4(~5)mm、縁は全縁、無色、膜質、先は鋭形で密に細点がある。雄しべは花弁より短い。葯は卵形から狭卵形、先は鋭形で、背面に細点がある。子房は無毛。胚珠は約15個、3列。果実は液果様の核果、赤色から帯黒色になり、直径5~6㎜、平滑、±細点がある。秋に赤く熟し、春まで見られる。核は果実に1個。花期は4~6月または7~8月。
 類似のツルコウジは葉の鋸歯が粗く、茎が横に這い、軟毛が生える。

ヤブコウジ属

  family Primulaceae - genus Ardisia

 高木、低木、亜低木[まれに草本]。葉は互生又は偽輪生、普通、点状(細点)又は点状条線がある。花序は円錐花序~集散花序~散房花序~散形花序、まれに総状花序。花は両性、しばしば点頭、5数性、まれに4数性。萼は鐘形又は円蓋状。萼片は離生、まれに基部で統合し、覆瓦状又は5点形(quincuncial)、普通、点状又は点状線条がある。花冠は鐘形、しばしば、点状。花冠裂片は基部で統合し、右に重なり、ごくまれに左に重なり、覆瓦状又は5点形、しばしば蕾では円錐形。雄しべは花冠の基部又は中間につき、花糸はごく短く、基部で広くなる。葯は縦又は先端の孔から裂開する。子房は卵形又は類球形、花弁の長さと同じ又は長い。胚珠は3個~多数。花柱の基部は宿存性。柱頭は小さく、微突頭。果実は核果、1種子、点状、ときに縦にうねがあり、果皮がやや肉質、内果皮は皮殻質又はわずかに骨質。種子は膜質の胎座の残物に被われる。
 世界に約730種があり、熱帯の東アジア、東南アジア、アメリカ、オーストラリア、太平洋諸島に分布する。

ヤブコウジ属の主な種と園芸品種

1 Ardisia brevicaulis Diels トンロクヤブコウジ
 中国(福建省、広東省、広西チワン族自治区、貴州省、湖北省、湖南省、江西省、四川省、西蔵、雲南省)、台湾原産。中国名は九管血 jiu guan xue。標高400~1300mの混交林、暗く湿った場所に生える。
 亜低木、匍匐茎を持つ。茎は10~15㎝、若いときには軟毛がある。葉柄は長さ1~1.5(~2)㎝、微軟毛がある。葉身は狭卵形~楕円形またはほぼ長円形、長さ7~14(~18)㎝×幅2.5~4.8(~6)㎝、紙質、上面は無毛、下面に微軟毛があり、基部は楔形、縁は全縁で反り返り、不明瞭に細点があり、先は鈍形~円形、側脈は中脈の両側に(7~)10~13本あり、中脈に対してほぼ直角で、縁脈は明瞭である。花序は頂生、散形花序、単純で、特殊化した微軟毛のある長さ2~5㎝の1~2葉がつく側枝の湾曲した先端につく。花はピンク色、長さ4~5㎜。小花柄は長さ1~1.5㎝。萼片は披針形または卵形、長さ約2㎜、ときに外側に微軟毛があり、縁毛があり、細点がある。花弁は卵形、長さ約5~7㎜、無毛、内側にまばらに微軟毛があり、顕著に細点があり、先は鋭形。雄しべは花弁より短く、葯は披針形、鋭形または小突起形で、背側に細点がある。子房は無毛で、細点がある。胚珠は約6個、1列につく。果実は赤色、球形、直径約6㎜、細点がある。花期は6~7月。果期は10~12月。

2 Ardisia chinensis Benth. シナヤブコウジ 志那藪柑子
  synonym Ardisia cymosa Blume
 日本(奄美大島、徳之島、 西表島)、中国(福建省、広東省、広西チワン族自治区、湖南省、江西省、四川省、浙江省)、台湾、マレーシア、ベトナム原産。中国名は小紫金牛 xiao zi jin niu。別名はシナタチバナ、シナマンリョウ。標高300~800mの混交林、丘陵、谷、小川沿い、暗く湿った場所に生える。
 低木または亜低木、匍匐性の地下茎を持つ。茎は45cmまで、若いときはわずかに黒褐色の鱗片状で無毛。葉柄は長さ3~8(~10)㎜、褐色の鱗片状。葉身は倒卵形または楕円形、長さ3~8㎝×幅1.5~3cm、紙質、上面は無毛、下面は±褐色の鱗片状、基部は楔形、縁は波打ちまたは波形(repand)~ほぼ全縁、わずかに外巻きし、先は鈍形~鋭形、側脈は多数、縁脈がある。花序は腋生、単純、ほぼ散形花序、花が3~10個つく。花序柄は長さ1~3cm。花は白色またはときにピンク色、長さ約3㎜。小花柄は長さ5~8㎜、細く、黒褐色の鱗片がある。萼片は三角状卵形、長さ約1㎜、褐色の鱗片があり、細点があるかまたはなく、縁は縁毛があり、先は鋭形。花弁は離生またはほぼ離生、卵形、無毛、細点はなく、先は鋭形または尖鋭形。雄しべは花弁の約2/3の長さ。葯は卵形、背面に細点がありまたはなく、先は鋭形で小突起形。子房は無毛。胚珠は5または6 個、単列。果実は赤色~帯黒色、球形、直径約5㎜、細点はなく、無毛。花期は4~6月。果期は10~12月。

3 Ardisia cornudentata Mez ヒイラギマンリョウ 柊万両 広義
 台湾原産。中国名は腺齿紫金牛 xian chi zi jin niu 。標高 0~1700 mの混交林、丘陵地帯に生える。
 高さ約2mの低木で、小枝、葉柄、花序軸にまばらに腺毛のあるパピラ状微軟毛がある。小枝は円柱形、直径3~5㎜。葉柄は細管状で縁があり、長さ5~7㎜。葉身は楕円状披針形または倒披針形、長さ7~14(~20)㎝×幅2~3.5(~5.5)㎝、紙質、透明な細点があり、下面は微細な褐色の鱗片状、基部は楔形、沿下し、縁は小鋸歯状、細点があり、歯の上に血管が発達した(vascularized)縁に小さな塊(marginal nodules)があり、先は尖鋭形または鋭形、側脈は中脈の両側に最大18本あり、目立ち、縁脈は明瞭。花序は頂生の散形花序、特殊な側枝につく。花は紙質、白色、長さ4~5㎜。小花柄は長さ1~1.5㎝、通常は密に毛がある。萼片は広卵形~ほぼ円形、長さ約1.5㎜、密に細点があり、縁は全縁、縁毛があり、先は円形。花弁はほぼ離生、卵形、長さ4~5㎜、無毛、細点があり、縁は全縁、先は鋭形。雄しべは花弁とほぼ等長、花糸は葯より短い。葯は狭披針形、縦に裂開し、背側に細点があり、先は鋭形。雌しべは花弁と等長、子房は無毛、点状、胚珠は多数、多列。果実は赤色、黒色になり、球形、直径6~8㎜、細点がある。花期は1~8月。果期は8~3月。

3-1 Ardisia cornudentata Mez subsp. cornudentata ヒイラギマンリョウ 柊万両

3-2 Ardisia cornudentata Mez subsp. morrisonensis (Hayata) Yuen P.Yang ニイタカマンリョウ 新高万両

  synonym Ardisia morrisonensis Hayata
  synonym Bladhia morrisonensis (Hayata) Nakai
 台湾に分布。中国名は玉山紫金牛。
 小低木。小枝、花枝には錆色の多細胞毛がある。葉はほぼ革質、先は鋭形または尖鋭形、ときに短い尾状尖鋭形、下面には中脈に沿ってまばらに多細胞毛がある。花枝は錆色、花序柄は長さ3㎝未満。萼片は広卵形で重なる。花冠はピンク色。

3-2-1 Ardisia cornudentata Mez subsp. morrisonensis (Hayata) Yuen P.Yang var. stenosepala (Hayata) Yuen P.Yang アリサンコウジ

  synonym Ardisia stenosepala Hayata
  synonym Bladhia stenosepala (Hayata) Nakai
 台湾に分布。中国名は阿里山紫金牛
 小低木。小枝、花枝には錆色の多細胞毛がある。葉はほぼ革質または紙質、先は尾状尖鋭形または尾状、下面には錆色の多細胞毛がある。萼片は三角状線形または線形で重ならない。花冠は白色。

4 Ardisia crenata Sims マンリョウ 万両 広義
  synonym Ardisia crenata Sims var. lanceolata (Masam.)
  synonym Ardisia crenata Sims f. taquetii (H.Lev.) Ohwi
  synonym Ardisia kusukusensis Hayata  クスクスコウジ
 日本(本州の関東以西、四国、九州、沖縄)、中国(安徽省、福建省、広東省、広西チワン族自治区、海南省、湖北省、湖南省、江蘇省、江西省、西蔵、雲南省、浙江省)、台湾、インド、マレーシア、フィリピン、ベトナム原産。中国名は朱砂根 zhu sha gen 。英名はcoral ardisia, coralberry。標高100~2400mの森林、丘陵、谷、低木地帯、暗く湿った場所に生える。
 低木、高さ1~1.5(~3)m、匍匐性の根茎はなく、小枝、葉の裏面、花序軸に微細な帯赤色の腺のあるパピラがあり、早く無毛になる。小枝は円錐柱、直径3~4㎜。葉柄は狭い縁があり、長さ6~10㎜、無毛。葉身は楕円形、狭披針形または倒披針形、長さ7~15㎝×幅2~4cm、革質または紙質、顕著に細点があり、基部は楔形、縁はほぼ外巻き、円鋸歯状または波打ち、大きな維管化した(vascularized)縁小瘤(marginal nodules)があり、先は鋭形または尖鋭形、側脈は中脈の両側に12~18本あり、しばしば縁脈は反り返った縁に隠れる。花序は頂生、散形花序または集散花序、2または3の葉のある特殊化した側枝につき、側枝は長さ4~16(~40)㎝。花は膜質、白色または稀にピンク色、長さ4~6㎜。小花柄は長さ7~10cm。萼片は長円状卵形、長さ1~1.5(~2.5)㎜、無毛、細点があり、縁は全縁、先は円形または鈍形。花弁はほぼ離生し、卵形、細点があり、基部近くの外側に腺パピラがあり、先は鋭形。雄しべは花弁より短く、花糸はほぼ廃れる。葯は三角状披針形、背面に細点があり、縦方向に裂開し、鋭形。雌しべは花弁とほぼ等長、子房は無毛、細点がある。胚珠は約5個、単列につく。果実は赤色、球形、直径6~8㎜、細点がある。花期は5~6月。果期は10~12月。(Flora of China)
 低木、匍匐茎を持たない、高さ1~1.5(~3)m、小枝は小さな赤みがかった腺パピラがある。葉:葉柄は長さ6~10mm、無毛、葉身は楕円形、狭披針形または倒披針形、長さ7~15㎝×幅2~4㎝、縁は小円鋸歯状または波状、ほぼ外巻き、大きな縁腺(vascularized marginal nodules:維管化した縁小瘤)があり、先は鋭形または尖鋭形、上面は小さな赤みがかった腺パピラがある。花序は頂生、特殊化した2または3葉をもつ側枝の上につく散形花序または集散花序、5~18個以上の花がつく。小花柄はときに直立し、長さ7~10㎝、わずかに赤みがかった腺パピラがある。花: 萼片は(4~)5(~6)個、長円形、長さ1~1.5(~2.5)㎜、縁は全縁、先は円形または鈍形、無毛。花弁は(4~)5(~6)個、白色またはまれに帯ピンク色、卵形、長さ4~6㎜、縁は全縁、先は鋭形、細点があり、基部近くの上面に腺パピラがある。雄しべは花弁より短い。葯は三角状披針形、先は鋭形、外側に細点がある。子房は無毛。胚珠は約5個、単列につく。核果は赤色、直径6~8㎜、細点がある。(Flora of North America)
品種)  'Alba' , 'Benikujyaku'(red peacock coralberry) , Bospremium Red (PBR) , 'Queen Pablo' (PBR) , 'Queen Pink' (PBR) , 'Queen Salmon' (PBR) , 'Queen Star' (PBR) , Red Hot Embers™ , Treasure Crown™
 3亜種、1変種に分類されている。

4-1 Ardisia crenata var. angusta C.B.Clarke アルディシア・クレナタ・アングスタ

  synonym Ardisia crispa var. angusta (C.B.Clarke) Mez
 マレーシア、タイ原産。標高100~140mの熱帯雨林の滝付近に生える。
 葉は狭い披針形、長さ7~12㎝×幅1~1.7㎝、両端は狭くなり、縁はほぼ全縁、上部の縁に縁腺がある。基本種は楕円形~楕円状披針形、幅2~4㎝。

4-2 Ardisia crenata subsp. crassinervosa (E.Walker) C.M.Hu & J.E.Vidal アルディシア・クレナタ・クラッシネルボサ

  synonym Ardisia crassinervosa E.Walker [Flora of China]
  synonym Ardisia aquifolioides W.Z.Fang & K.Yao
  synonym Ardisia nervosa E.Walker
 中国(海南省)、カンボジア、ラオス、マレーシア、ベトナム原産。中国名は粗脉紫金牛 cu mai zi jin niu。標高100~1800mの密生した広葉樹林、丘陵、低木林、開けた野原、谷、湿地、小川沿いに生える。
 低木、高さ約2m、無毛。小枝は角張っていて、直径1~1.5㎜、赤みがかった腺乳頭状。葉柄は細溝があり、長さ3~5㎜。葉身は楕円形、倒披針形、まれに倒卵形で、長さ10~17㎝×幅3~6㎝、革質、無毛、基部は楔形、縁はやや波打って血管のある小結節があり、先は鋭角または亜尖頭状。側脈は多数あり、両面が隆起し、縁脈は顕著。花序は頂生で、単純または複合亜散形花序状で、長さ8~20㎝の特殊な側枝に生じ、亜頂葉が2枚または3枚ある。花は紙質、ピンク色、帯紫色、または白色、長さ5~6㎜。小花柄は長さ約1㎜で、若いうちは少なくとも細点がある。萼片は広卵形~ほぼ円形、長さ3.8~4㎜、密に橙色の細点があり、無毛、基部は耳状、縁は全縁、薄膜質、先は円形または鈍形。花弁はほぼ離生、卵形、密に細点があり、上面には密に腺顆粒があり、下面は無毛、縁は全縁、不透明、先は鈍形。雄しべは花弁とほぼ同長、花糸は葯よりかなり短い、葯は披針形、縦に裂開し、細点は無く、または背側に不明瞭な細点があり、先は小突起形。雌しべは花弁とほぼ同長。子房は無毛、細点がある。胚珠は約9個、単列につく。果実は赤色、球形、直径約9㎜、密に細点がある。花期は1~7月。果期は7~1月。
4-3 Ardisia crenata subsp. crenata マンリョウ 万両
  synonym Ardisia bicolor E.Walker

  synonym Ardisia crenata f. leucocarpa (Nakai) T.Yamanaka シロミノマンリョウ

  synonym Ardisia crenata f. xanthocarpa F.Y.Zhang & G.Y.Li

  synonym Ardisia crenata f. xanthocarpa (Nakai) H.Ohashi キミノマンリョウ

 日本(本州の関東以西、四国、九州、沖縄)、韓国、中国、インド、スリランカ、アッサム、ミャンマー、カンボジア、ラオス、マレーシア、タイ、ベトナム、フィリピン原産。オーストラリア、USAに帰化している。標高1200m以下の川沿いの常緑樹林や湿地によく生えるが、乾燥した森内や、湿地、湿地草原にも見られる。WOPOではf. leucocarpa、f. xanthocarpaをsynonymとしている。
 低木、高さ30~60㎝、無毛。茎は直立し、灰褐色で、上部に広がる少数の特別な花枝と節のある枝がある以外は単純。葉は互生し、厚く、長円形、長さ7~12㎝×幅2~4㎝、上面は緑色、乾くと赤褐色になり、先は鋭形~短い尖鋭形で先端は鈍形、基部は次第に狭くなり尖鋭形、縁は波状の歯があり、歯の間に乳腺(albuminous gland)があり、透明の点と暗褐色の内側の腺(inner glands)があり、側脈は弱く目立たない。葉柄は長さ5~10㎜。花序は頂生、特別な側花枝の先端につき、花序柄はなく、または枝は葉がなく花柄状になり、ときに散房花序状に分岐する。小花柄は長さ1~1.5㎝。萼片は卵形、ほぼ鋭形またはほぼ鈍形、縁毛がなく、広がる。花冠は直径約8㎜、白色。果実は球形、赤色、直径約6㎜。花期は7月。低山の林内に生える。[Flora of Japan 1953]
 低木、高さ1~2m、稀に3m。小枝は細く、円柱形またはわずかに角張っており、無毛で、一般に先端近くに2~3枚の葉をつける。葉はほぼ革質または紙質。葉柄は長さ4~10㎜。葉身は楕円状披針形または倒披針形、長さ6~15(~20)㎝×幅2~4㎝、先は鋭形または尖鋭形、基部は楔形、縁はパリパリに縮れたまたは波状の円鋸歯状、±反り返り、大きな縁腺を持ち、無毛、下面に微細な錆色の鱗片があり、腺点は多数、散在し、黒色またはときに無色で、乾くとわずかに凸面形になり、側脈は12~18対で、縁近くの不規則な縁内脈と合流し、脈は通常不明瞭。花序はほぼ散形花序または散房花序、単純または複合で、小枝の先端に付き、無毛または微軟毛がある。花序柄はないかまたは非常に短い。1次花序枝(rays)はあれば長さ2~4㎝。小花柄は長さ0.5~1㎝。萼は基部近くまで裂け、萼片は卵形~長円状卵形、長さ約1.5㎜、先は鋭形、鈍形または円形で、細点がある。花冠は白色またはピンク色、長さ4~6㎜、深く裂け、花冠裂片は卵形、先は鋭形、幅約3㎜、腺点が散在する。葯は三角状披針形、長さ約4㎜、普通、背面に細点がある。子房は無毛。花柱は長さ約5㎜。核果は球形、明るい赤色で、黒い腺点があり、直径 6~8㎜。花期はほぼ一年中。複雑で変化に富んだ種であり、通常、花序は複合で無毛。葉はほぼ革質、長さ6~10㎝。しかし、変異はかなり大きく、花序は単純または複合、軟毛または無毛、葉は薄い紙質で、長さが21㎝に達することもある。これらの変種は地理的分布パターンを示さない。[Flora of Thailand]

(1) Ardisia crenata Sims f. leucocarpa (Nakai) T.Yamanaka  シロミノマンリョウ

 果実が白色。英名はwhite-fruited form。

(2) Ardisia crenata Sims f. xanthocarpa (Nakai) H.Ohashi  キミノマンリョウ

  synonym Ardisia crenata Sims f. aurantiaca (Nakai) Ohwi et Kitag., nom. nud.

 果実が黄色。

4-4 Ardisia crenata subsp. obtusifolia Chatan & Promprom アルディシア・クレナタ・オブトゥシフォリア

 タイ原産。通称名はTakai 、Takai Daeng。主にやや密集した乾燥したフタバガキ林(dipterocarp forest)または開けた場所に生育し、通常は山頂に生え、ときに、草原またはオーク・フタバガキ林に生える。
 低木、高さ40~105㎝。小枝は細く、円柱形または角張っていて、条線があり、通常3~4枚の葉をつける。葉は互生し、葉柄は長さ3~5㎜。葉身は高度に革質で、へら形~狭楕円形および倒披針形、長さ2~7(~11)㎝×幅1.2~2(~2.7)㎝、。先はまれに鋭形で、ほとんどが鈍形、基部は楔形または鋭形、縁はほぼ全縁または浅い円鋸歯状、浅く波形、反り返り、各切れ込みに縁腺(vascularized nodules:維管化した小瘤)がある。上面および下面の両面に、中程度または密に黒色、褐色または無色の細点(点状紋)があり、葉脈は明瞭または不明瞭、縁内葉脈(葉縁脈)は葉縁から≤1㎜のところに存在し、ときに、反り返った葉縁で覆われる。花序はほぼ散形花序または散房花序、単純または複合花序、小枝の先端に付き、無毛。花序柄はないか長さ3㎜以下。一次花序軸は長さ2~6㎜。小花柄は長さ7~11㎜、ピンク色または緑がかったピンク色、表面は黒色の細点がある。萼は萼片が5個、離生し、ピンク色。萼片は広卵形またはほぼ円形または球形、約・長さ1.5~1.7㎜×幅1.5~1.8㎜、両面に黒色の細点が密にあり、無毛、基部は明瞭に覆瓦状、先は鈍形または円形。花冠は5個の深い裂片があり、ピンク色、筒部は長さ約1㎜。花冠裂片は蕾の中で巻き込まれ、卵状披針形、長さ4.5~5㎜×幅2~2.5㎜、両面に黒色の細点が密にあり、両面とも無毛。葯は黄褐色、幅が狭い三角形または披針形、約・長さ2.5~3㎜×幅1~1.2㎜、背側に黒点がある。花糸は長さ約0.5~1㎜。雌しべは長さが雄しべとわずかに似ている。子房は球形、直径1~1.2㎜、無毛。花柱は長さ約4㎜。果実は若いときは球形で、熟すと凹んだ球形になり、直径5~7㎜、新鮮なときは鮮やかな赤色、乾くと褐色または黒褐色になり、黒色の細点が密にある。花期は6~11月。果期は8~2月。

5 Ardisia crispa (Thunb.) A.DC. カラタチバナ 唐橘

  synonym Ardisia crispa (Thunb.) A.DC. var. dielsii (H.Lev.) E.Walker

  synonym Ardisia crispa f. leucocarpa (Nakai) H.Ohashi シロミタチバナ

  synonym Ardisia crispa f. xanthocarpa (Nakai) H.Ohashi キミタチバナ

  synonym Ardisia crispa var. caducipila (Nakai) Ohwi  ヤクシマタチバナ

 本州(新潟県、茨城県以西)、四国、九州、沖縄、朝鮮、中国(安徽省、福建省、広東省、広西チワン族自治区、貴州省、湖北省、湖南省、江蘇省、江西省、四川省、雲南省、浙江省)、台湾、ブータン、インドネシア、ベトナム原産。中国名は百两金 bai liang jin。英名はJapanese-holly。別名はヒャクリョウ(百両)。標高100~2500mの混交林または広葉樹林、湿地、竹林、丘陵、谷間に生える。
 低木または亜低木、高さ20~70(~150)㎝、匍匐性の根茎を持つ。茎は若いうちは普通、微細な微軟毛があるか、またはまばらに褐色の鱗片がある。葉は互生し、葉柄は長さ5~8㎜。葉身は(狭卵形~)楕円状披針形~狭披針形(~披針形)、長さ7~25㎝×幅1~5.8㎝、膜質またはほぼ紙質、上面は無毛、下面は通常±微細な褐色の鱗片があり、基部は楔形、縁は全縁または浅い小円鋸歯状、反り返り、細点があり、先は長い尖鋭形またはまれに鋭形、側脈は中脈の両側に約8本あり、縁脈は不明瞭。花序は頂生、ほぼ散形花序、単純、湾曲した長さ5~10㎝の特殊な側枝につく。花は直径約7㎜、白色またはピンク色、長さ4~5㎜。小花柄は長さ1~1.5㎝、微軟毛がある。萼片は長円状卵形または披針形、長さ約1.5㎜、±まばらに細点があり、無毛、先端は鋭形または狭く円形。花弁は長円形、長さ4~5㎜、細点があり、外側は無毛、内側は±微細な微軟毛があり、先は鋭形。雄しべは花弁とほぼ同長。葯は狭楕円状披針形、背側に腺があるかまたはない。子房は無毛。胚珠は約5個、単列につく。果実は帯赤色の球形、直径(5~)6~7㎜、細点があり、ときに春まで残る。花期は4~6(~7)月。果期は10~1(~4)月。2n=24, 46。

6 Ardisia elliptica Thunb. セイロンマンリョウ 錫蘭万両
  synonym Ardisia squamulosa C.Presl
  synonym Ardisia kotoensis Hayata
  synonym Ardisia sorsogonensis Elmer ex Merr.
 日本(沖縄)、台湾、インド、スリランカ、モルディブ、ミャンマー、バングラデシュ、カンボジア、ラオス、タイ、ベトナム、マレーシア、フィリピン、インドネシア(ボルネオ、ジャワ、、ニコバル諸島、、スラウェシ島、スマトラ島)、ニューギニア、原産。中国名は东方紫金牛 dong fang zi jin niu。英名はshoebutton ardisia , duck's eye , coralberry。中国名は东方紫金牛 dong fang zi jin niu。別名はコウトウタチバナ。道端、低木林、村の近く、畑の縁、海岸沿いに生える。熱帯地方で広く栽培され、帰化している。
 低木、高さ1~2m、無毛。小枝は角張り、直径3~4.5㎜、無毛、目立つ黒色の点線(punctate-lineate)があり、縦のうねがある。葉柄は縁があり、長さ5~10㎜。葉身は倒披針形または倒卵形、長さ6~12(~16)㎝×幅3~5(~7)㎝、ほぼ革質、下面は鈍く密に細点があり、特に縁に沿ってあり、基部は楔形、縁は外巻きし、全縁、先は鈍形または鋭形、側脈は中脈の両側に12~34本あり、縁脈がある。花序は腋生またはほぼ頂生、基部が太くなった側枝の上につき、ほぼ散形または散形花序。花は革質、ピンク色または白色、長さ6(~8)㎜。小花柄は長さ約1~2㎝、細かく密に白色の 小いぼ状突起(verruculose)があり、密に細点がある。萼片は広卵形、長さ約1㎜、密に黒色の細点があり、基部はしわがあり、ほぼ耳があり、縁はほぼ全縁、薄膜質、微細な縁毛があり、先は円形。花弁はほぼ離生、広卵形、密に細点があり、無毛、縁は透明で薄膜質、全縁、先は長い漸尖形。雄しべは花弁とほぼ同長。葯は線状披針形、背側に細点があり、縦に裂開し、横方向に隔壁裂片があり、先は小突起形。雌しべは花弁と同長。子房は無毛、透明な細点がある。胚珠は多数、多列につく。果実はほぼ球形、赤色または紫黒色、直径約8㎜、微細な細点があり、肉質。 花期は2~4月。果期は9~11月。2n=48。

7 Ardisia japonica (Thunb.) Blume ヤブコウジ 藪柑子
  synonym Bladhia japonica Thunb.
  synonym Tinus japonica (Thunb.) Kuntze
 日本(北海道、本州、四国、九州)、朝鮮、中国(安徽省、福建省、広西チワン族自治区、貴州省、湖北省、湖南省、江蘇省、江西省、陝西省、四川省、雲南省、浙江省)、台湾原産。中国名は紫金牛 zi jin niu 。英名はmarlberry。別名はヤマタチバナ。標高0~1200mの混合林または竹林、丘陵の斜面、暗く湿った場所に生える。日本では山地の林下や林縁に生える。
 常緑低木または亜低木。地下に匍匐茎を持つ。茎の上部、花序、若い葉柄に微細な毛がある。匍匐性の茎は長く、枝分かれは少なく、葉はない。地上の茎は直立し、高さ10~30(~40)㎝、直径2~3㎜、円柱形。葉は対生またはほぼ輪生が数輪あり(1~2段の偽輪生)、葉が3~5個つき、楕円形~倒卵形または披針形、長さ(2~)6~13㎝×幅(0.6~)2~5㎝、両端が鋭形、短い微突形の歯があり、光沢があり、濃緑色、無毛。葉柄は長さ7~13㎜。花序は、葉または鱗片状の葉に腋生し、花が2~5個、ほぼ散形花序状につく。花序柄は細く、広がり、長さ(0.5~)1~1.5㎝、小花柄は長さ7~10㎜。花は白色またはピンク色、5(または6)数性、垂れ下がり、幅6~8㎜、車形。萼片は広卵形、急に鋭形、繊毛がある。花弁は5(~6)個、ピンク色または白色、広卵形、長さ4(~5)mm、縁は全縁、無色、膜質、先は鋭形で密に細点がある。雄しべは花弁より短い。葯は卵形から狭卵形、先は鋭形で、背面に細点がある。子房は無毛。胚珠は約15個、3列。果実は液果様の核果、赤色から帯黒色になり、直径5~6㎜、平滑、±細点がある。秋に赤く熟し、春まで見られる。核は果実に1個。花期は4~6月または7~8月。
 Flora of China、Flora of North Americaの詳しい解説があるが、亜低木とされ、花期は4~6月とやや相違がある。
 亜低木で、匍匐茎を持つ。茎は20~30(~40)㎝、若いときには微小な微軟毛があり、無毛。葉は対生またはほぼ輪生。葉柄は長さ6~10㎜、微小な微軟毛がある。葉身は楕円形から楕円状倒卵形、または楕円状披針形、長さ4~7㎝×幅1.5~4㎝、紙質からほぼ革質、基部は楔形、縁は鋸歯状、±細点があり、先は鋭形、側脈は中脈の両側に5~8本、細脈は顕著に網状になる。花序は腋生またはほぼ頂生、ほぼ散形花序、3~5個の花がつき、微軟毛がある。花序柄は長さ約5㎜、細い。苞は披針形、長さ約1mm、微軟毛があるか縁毛がある。花はピンク色または白色、5(または6)数性、長さ4(~5)㎜。小花柄は長さ7~10㎜、通常は湾曲し、微軟毛がある。萼片は卵形、長さ1.5㎜まで、ときに細点があり、無毛、縁は縁毛があり、先は鈍形または鋭形~尖鋭形。花弁は広卵形、長さ4(~5)㎜、密に細点があり、先は鋭形。雄しべは花弁より短い。葯は披針状卵形または卵形、背側に細点があり、先は鋭形。子房は無毛。胚珠は約15個、3列につく。果実は赤色から帯黒色になり、球形、直径5~6㎜、±細点があり、無毛、平滑。花期は4~6月。果期は11~1月。[Flora of China]
 亜低木、匍匐茎を持つ、高さ2~30(~40)㎝。小枝は微細な赤褐色の微軟毛があり、無毛になる。葉は偽輪生、ときに対生に見える。葉柄は長さ6~10㎜、微細な微軟毛がある。葉身は楕円形~倒卵形または披針形、長さ4~7㎝×幅1.5~4㎝、縁は鋸歯状で平ら、先は鋭形、表面にわずかに赤褐色で軟毛があり、無毛。花序は腋生または亜頂生、散形花序、柄があり、3~5花がつく。花序柄は細く、約5mm。小花柄は通常湾曲し、長さ0.7~1㎝、軟毛がある。花:萼片は5(~6)個、卵形、~1.5 mm、縁は全縁、(繊毛)、先は鈍形または鋭形から尖鋭形、ときに細点があり、無毛。花弁は5(~6)個、ピンク色または白色、広卵形、長さ4(~5)mm、縁は全縁、無色、膜質、先は鋭形で密に細点がある。雄しべは花弁より短い。葯は卵形から狭卵形、先は鋭形で、背面に細点がある。子房は無毛。胚珠は約15個、3列。核果は赤色から帯黒色になり、直径5~6㎜、平滑、±細点がある。花期は4~6月。果期は11~1月。標高0~200mの酸性土壌に生える。ルイジアナ州、テキサス州に導入されている。[Flora of North America]
品種) 'Amanogawa'天の川 , 'Andre the Giant' , 'Angyo Pixie' , 'Chirimen'(dwarf marlberry) , 'Chirimen' , 'Dragon Brocade' , 'Hakuokan' , 'Hakuounishiki'白黄錦 , 'Hinode'(rising sun marlberry) , 'Hino-tsukasa' , 'Homare'誉 , 'Houkan' (v) 宝冠 , 'Itonishiki'糸錦 , 'Ito Fukurin' (v) , 'Koshi-no-Hana' , 'Matsushima' , 'Miyo-nishiki' (v) , 'Moncue' , 'Nishiki'錦 , ‘Tsujigahana'辻が花 , Variegated (v) , 'White Cap'

7-1 Ardisia japonica var. angusta (Nakai) Makino & Nemoto ホソバヤブコウジ 狭葉藪柑子

 本州(伊豆大島)、九州(屋久島)に分布する。
 葉は披針形、長さ2~5㎝×幅6~20㎜。

7-1-1 Ardisia japonica (Thunb.) Blume var. angusta (Nakai) Makino et Nemoto f. leucocarpa (Nakai) Sugim. ex T.Yamaz. シラタマコウジ 白玉柑子

 伊豆大島で記録された。ホソバヤブコウジの果実が白色の品種。

7-2 Ardisia japonica var. japonica ヤブコウジ 藪柑子

  synonym Ardisia odontophylla Lindl.
 日本(北海道の奥尻島、本州、四国、九州)、朝鮮半島、中国、台湾に分布する。丘陵地や低山地の森林に生える。
 通常は枝分かれしない低木。果実の香りのする低木で、茎の上部、花序、若い葉柄に微細な毛がある。匍匐性の茎は長く、枝分かれは少なく、葉はない。茎は上向きで、長さ10~30㎝、直径2~3㎜、円柱形で、輪生葉が数輪ある。葉は長円形または狭長円形、長さ6~13㎝×幅2~5㎝、両端が鋭形、短い微突形の歯があり、光沢があり、濃緑色、無毛。葉柄は長さ7~13㎜。花序は葉または鱗片状の葉に腋生する。花序柄は細く、広がり、長さ1~1.5㎝、小花柄は2~5本、ほぼ散形花序状につき、長さ7~10㎜。花は白色、垂れ下がり、幅6~8㎜、車形。萼片は広卵形、急に鋭形、繊毛がある。果実は球形、赤色、幅5~6㎜。花期(果期)は7~8月。[Flora of Japan(1953)]

7-2-1 Ardisia japonica (Thunb.) Blume f. albifructa (H.Hara) Sugim シロミヤブコウジ 白実藪柑子

 ヤブコウジの果実が白色の品種。別名はシロタチバナ。まれに見られ、栽培品種がある。

8 Ardisia maclurei Merr. ヒカゲコウジ 日陰柑子
 中国(広東省、広西チワン族自治区、貴州省、海南省)、台湾原産。中国名は心叶紫金牛 xin ye zi jin niu。標高200~900mの密生した広葉樹林、丘陵、谷、小川沿い、岩の割れ目、暗く湿った場所に生える。
 亜低木で、匍匐茎を持つ。茎は長さ4~15 cm、若いときはさび色のパリパリした絨毛が密生し、無毛。葉は互生し、まれにほぼ輪生する。葉柄は長さ0.5~2.5㎝、さび色の細柔毛がある。葉身は卵状楕円形または長円状楕円形、長さ4~6㎝×幅2.5~4㎝、紙質、密に細柔毛があり、基部は心形、縁は不規則な鋸歯があり、縁毛があり、先は鋭形~鈍形、側脈は中脈の両側に約6本あり、目立ち、先端には鋸歯である。花序はほぼ頂生で、1個または2個、ほぼ散形花序、さび色の絨毛があり、花が4~6個つく。花序柄は長さ1.3~4㎝。苞は線形~狭披針形、長さ3~5㎜、縁毛または細柔毛がある。花は帯紫色または帯赤色で、長さ約4㎜。小花柄は細く、長さ3~6㎜。萼片は披針形で、花弁と同長で、錆色の絨毛があり、細点はなく、縁には縁毛があり、先は尖鋭形。花弁は卵形、無毛、細点はなく、先は尖鋭形。雄しべは花弁よりわずかに短く、葯は卵形、背面には細点はなく、先は鋭形。子房は無毛。胚珠は8~10個、2列につく。果実は暗赤色、球形、直径約6㎜、細点はなく、無毛。花期は5~6月。果期は12~3月。

9 Ardisia obtusa Mez トウランアクチ
 中国(広東省、広西チワン族自治区、海南省)、ラオス、ベトナム原産。中国名は铜盆花 tong pen hua
 低木または高木、高さ7mまで。小枝、葉柄および花序に細かい褐色の鱗片が密生し、無毛。小枝は円柱形、直径4~5(~6)㎜。葉柄は縁があり、細溝があり、長さ5~10㎜。葉身は倒披針形、楕円形または倒卵形、長さ(5~)6~9(~10)㎝×幅(1.4~)2~4(~5)㎝、薄い革質で無毛、基部は楔形、縁は全縁または不明瞭な鋸歯状、先は広鋭形、尖鋭形または鈍形、側脈は中脈の両側に8~15本ずつあり、不明瞭で、縁脈は目立たない。花序は頂生またはほぼ頂生、円錐花序、枝は散房花序またはほぼ散形花序、まれに総状花序、長さ5~8㎝×幅7~13㎝。花は紙質、白色~ピンク色またはラベンダー色、長さ2~5(~6)㎜。小花柄は長さ2~10(~17)㎜、細い。萼片は卵形、長さ0.8~1.5㎜、透明またはオレンジ色の細点があり、縁は全縁、微細な縁毛があり、先は鋭形。花弁はほぼ離生、広卵形または卵形、長さ2~4(~6)mm、密で微細なオレンジ色の細点、または目立たない透明の細点があり、縁は全縁、先は鈍形~鋭形。雄しべは花弁と同長、花糸は短い。葯は背側に細点があり、先は小突起形。雌しべは花弁と同長、子房は無毛。胚珠は15個から多数、3列。果実は黒色で、直径4(~8)㎜、透明な細点があり、縦に不明瞭な溝がある。
9-1 Ardisia obtusa var. montana (Pit.) C.M.Hu & J.E.Vidal
  synonym Ardisia pseudopedunculosa var. montana Pit.
 ベトナム原産。詳細不明。
9-2 Ardisia obtusa subsp. obtusa
 中国(広東省、海南省)、ラオス、ベトナム原産。中国名は铜盆花 tong pen hua。標高0~100mの灌木林、広葉樹林、谷、丘陵地帯、水辺に生える。
 葉柄は広く縁があり、長さ1.2~1.5㎝。葉身は倒披針形~倒卵形、長さ6~10(~17.5)㎝×幅2~4(~5)㎝。花はラベンダー色またはピンク色で、長さ 4~5(~6)㎜。小花柄は長さ5~10(~17)㎜。萼片は長さ1.2~1.5㎜。花弁は長さ3~6㎜、透明な細点がある。胚珠は約15個。果実は黒色、直径4(~8)㎜、縦に不明瞭なうねがある。花期は2~4月。果期は4~7月。
9-3 Ardisia obtusa subsp. pachyphylla (Dunn) Pipoly & C.Chen
  synonym Ardisia pachyphylla Dunn
 中国(広西チワン族自治区)、ベトナム原産。中国名は厚叶铜盆花 hou ye tong pen hua。標高400~700mの密集した常緑広葉樹林、渓谷、湿地に生える。
 葉柄は縁があり、細管状で、長さ 5~10㎜。葉身は楕円形~狭倒披針形、長さ5~9㎝×幅1.4~2.3㎝。花は白色~ピンク色、長さ2~2.5㎜。小花柄は長さ2~5㎜、細い。萼片は長さ0.8~1㎜。花弁は長さ2~2.5㎜、密に微細な細点がある。胚珠は多数。果実は不明。花期は5~6月。

10 Ardisia polysticta Miq. オオマンリョウ 大万両
  synonym Ardisia virens Kurz [Flora of China]
 中国(広西チワン族自治区、貴州省、海南省、雲南省)、台湾、インド、ミャンマー、タイ、ベトナム、インドネシア原産。中国名は纽子果 niu zi guo。標高300~2700mの密集した常緑広葉樹林、丘陵、暗く湿った場所、谷などの腐植質に富んだ土壌に生える。
 低木または小高木、高さ1~3m。小枝はほぼ円柱形、直径1~2㎜、まばらに腺パピラがあり、早期に無毛になる。葉柄は細溝があり、長さ1(~1.5)㎝。葉身は楕円形、披針形、または倒卵形、長さ9~26㎝×幅2.5~5(~7)㎝、紙質、鈍く、無毛、またはときに上面にまばらに微細な腺パピラが付き、基部は楔形、縁はパリパリに縮れまたは波形、維管化した小瘤(vascularized nodules)があり、密に黒色の細点があり、先は鋭形~ほぼ尖鋭形。側脈は中脈の両側に15~30本あり、縁脈は明瞭。花序は頂生、複合散形花序、無毛、長さ15~30~50cmの特殊な側枝につく。花は紙質、白色またはピンク色、長さ7~8㎜。小花柄は長さ1.5~3㎝、蕾にはまばらに腺パピラがあり、早期に無毛になる。萼片は卵形~楕円形~ほぼ円形、長さ2.5~3.5㎜、花弁と共に密に黒色の細点があり、外側は無毛、内側は基部にまばらに腺顆粒がある。花弁はほぼ離生、卵形または広卵形、先は鋭形。雄しべは花弁とほぼ同長、花糸は葯より短い、葯は披針形またはほぼ卵形、縦に裂開し、背側に細点があり、先は小突起形。雌しべは花弁とほぼ同長。子房は細点があり、無毛、胚珠は約5個、多列。果実は赤色または黒赤色、球形、直径7~9(~10)㎜、密に黒色の細点がある。花期は5~7月。果期は10~3月。

11 Ardisia pusilla A.DC. ツルコウジ 蔓柑子
  synonym Ardisia pusilla f. liukiuensis (Nakai) Ohwi
  synonym Ardisia villosa (Thunb.) Mez
  synonym Bladhia villosa Thunb.

  synonym Ardisia villosa var. liukiuensis (Nakai) Makino & Nemoto リュウキュウツルコウジ

 日本(本州の千葉県以西、四国、九州、沖縄)、朝鮮、中国(福建省、広東省、広西チワン族自治区、貴州省、湖南省、江西省、四川省)、台湾、タイ、フィリピン原産。中国名は九节龙 jiu jie long。標高200~700mの密集した混交林、丘陵地帯、道端、小川沿い、日陰の湿地、岩の割れ目に生える。
 常緑小低木。匍匐茎は長く、緩く分枝し、輪生葉をもち、その先端または枝は気生枝となり、密に粗毛(hirsute)があり、毛は長く柔らかく、開出する赤褐色の多細胞毛。葉は紙質、3~5個が輪生し、卵形~卵状長円形、長さ2~6㎝×幅1.5~3㎝、基部は鋭形、縁の各側に少数の粗いほぼ鋭い歯があり、両面に長い粗毛があり、側脈は下面でかなり目立ち、歯の中で終わる。葉柄は長さ5~10㎜。花序は鱗片状葉の葉腋につき、長さ2~3㎝、細く、長い細柔毛(long-pilose)と微細な顆粒状の微軟毛(granular-puberulent)がある。花は2~4個つく。小花柄は長さ7~12㎜。萼片は披針形、先は尖鋭形。花冠は白色、直径6~7㎜。果実は球形、赤色、直径5~6㎜。花期は6~8月。[Flora of Japan 1953]
(1) Ardisia villosa var. liukiuensis (Nakai) Makino & Nemoto リュウキュウツルコウジ
 WOPOでは基本種に含める。葉は縁に多数の目立つ歯がある。暖地に発生する。
 小型の低木で、茎は基部で這い、上部が隆起し、高さ30㎝までになり、若いときは淡褐色の縮れた長い毛(crisped long hairs)で密に覆われる。葉は対生またはほぼ輪生。葉柄は長さ約5mm、絨毛がある。葉身は楕円状卵形または倒卵形、長さ1.5~6.5 cm×幅1~3.5 cm、先は鋭形または鈍形、基部は鋭形または円形、縁は鋸歯または歯状、紙質。少なくとも若いときは上面はまばらに伏剛毛(strigose)があり、下面は伏剛毛または長い縮れた毛(crisped hairs)が混じり、特に縁に沿って小さな橙色の腺点が散在し、側脈4~6(~8)対あり、下面で目立ち、カルスの歯で終わり、両面で細脈の網状構造が目立つ。花序は散形花序状、花が(1~)2~4個つき、軟毛(pubescent)または粗毛(hirsute)があり、縮小した葉(reduced leaves)の腋から腋生する。花序柄は細く、長さ1~4㎝。小花柄は長さ4~10㎜。萼片は基部近くまで裂け、萼片は披針形、長さ2.5~3㎜、先は尖鋭形、細柔毛(pilose)があるかまたは無毛になり、不明瞭な細点がある。花冠は白色またはピンク色、長さ3~4㎜、深裂し、花冠裂片は卵形または広卵形、先は鋭形、まばらに細点がある。葯は卵形、背面には通常、細点がある。子房は無毛、花柱は花冠裂片と等長。核果は球形、直径約5㎜、熟すと赤色になり、小さな暗色の腺点がある。[Flora of Thailand]
 低木または亜低木、地上に匍匐茎がある。茎は長さ(10)15~40㎝、直径1.5~2(~3) mm、淡褐色の軟毛がある(pubescent)。葉は対生または輪生。普通葉の葉柄は長さ3~8㎜、軟毛がある。葉身は楕円形または倒卵形、長さ2~6㎝×幅2~3㎝、紙質で、まばらに細点があり(punctate)、上面は伏剛毛があり(strigose)、下面は軟毛(pubescent)と絨毛(villous)があり、基部は楔形またはほぼ円形、縁は鋸歯状または小歯状、先は尖鋭形~鋭形または鈍形、側脈は中脈の両側に5~9本あり、目立つが、縁脈は不明瞭。花序は単純、側生、散形花序、軟毛があり(pubescent)、粗毛(hirsute)があるかまたは絨毛(villous)がある。花序柄は長さ1~3.5㎝。花は白色または帯ピンク色~帯赤色、長さ(3~)4㎜。小花柄は細く、長さ約6㎜。萼片は線状披針形または錐状披針形、細柔毛(pilose)と絨毛があり、細点がある。花弁は広卵形、細点があり、先は鋭形または鈍形。雄しべはほぼ同長の花弁の長さまで。葯は卵形、背側が細点があり、先は鋭形でやや小突起形。子房は無毛。胚珠は5または6個、単列につく。果実は帯赤色の球形、直径5~6㎜、細点があり、無毛または微軟毛(puberulent)がある。花期は5~7月。果期は7~12月。[Flora of China]

12 Ardisia quinquegona Blume シシアクチ
 日本(沖縄)、中国(福建省、広東省、広西チワン族自治区、海南省、四川省、雲南省)、台湾、インド、インドネシア原産。中国名は罗伞树 luo san shu。別名はミヤマアクチ。標高200~1300mの混交林、谷、川岸、丘陵、湿地に生える。
 低木、高さ2(~6)m、まれに根茎を持つ。小枝は角張り、直径2~3mm、褐色で鱗片状、無毛で、縦に隆起がある。葉柄は細管状で、(3~)5~10㎜、褐色で鱗片状、無毛。葉身は長楕円形、楕円形、または倒披針形、長さ8~16㎝×幅2~4㎝、膜質、上面は鈍く無毛、下面は不明瞭な細点があり、鱗片状、基部は楔形、縁は平ら、全縁、先は狭い鋭形~尖鋭形、尖端は長さ1cmまで、側脈は多数あるが目立たず、縁脈も目立たない。花序は腋生、円錐花序、集散花序、またはほぼ散形花序、長さ約(1~)3~5(~8)㎝、鱗片状。花は膜質、白色またはピンク色、長さ3㎜以下。小花柄は 5~8㎜、鱗片状。萼片は卵形~披針形、長さ約1㎜、細点があり、無毛、縁はまばらで微細な縁毛があり、先は鋭形~鈍形。花弁はほぼ離生、広楕円形、長さ3㎜まで、細点があり、基部の外側に微軟毛がある以外は無毛、先は鋭形または鈍形。雄しべは花弁とほぼ等長、花糸は廃れる。葯は卵形~腎形、背側に細点があり、先端の孔から裂開し、大きな縦の隙間に開き、先は小突起形。雌しべは蕾の時でも花弁より長い。子房は無毛、細点がある。胚珠は多数、多列。柱頭は点状。果実は凹み、鈍角の5角形、目立たない細点がある。花期は3~7月。果期は8~2月。

13 Ardisia sieboldii Miq. モクタチバナ 木橘

  synonym Ardisia sieboldii Miq. f. nigrocarpa (Tuyama ex Nakai) H.Ohashi クロミノモクタチバナ

  synonym rdisia sieboldii Miq. f. rubricarpa (Tuyama ex Nakai) H.Ohashi アカミノモクタチバナ

 日本(四国、九州、沖縄、小笠原諸島)、中国(福建省、浙江省)、台湾原産。中国名は多枝紫金牛 duo zhi zi jin niu。標高100~600mの混合林、雑木林、山、丘陵地に生える。
 低木または稀に小高木、高さ10mに達する。小枝は直径2~3mmの円錐形で、若いときはまばらに褐色の鱗片があり、細かいしわがある。葉柄は縁があり、5~10mm。葉身は倒卵形から倒披針形、長さ7~14㎝×幅2~4㎝、革質、上面は光沢がなく鈍い、下面は無毛またはときに微細な褐色の鱗片があり、基部は楔形、縁は全縁、通常外巻きし、先は広~狭い鋭形、側脈は中脈の両側に14~25本あるが目立たず、縁脈は不明瞭。花序は腋生、枝の先端近くに穂状花序をつけ、枝はほぼ散形または集散花序、長さ3~4(~7)㎝、無毛。花は膜質、白色、長さ約3㎜。小花柄は長さ約5㎜、褐色の鱗片状。萼片は卵形、長さ1~1.5㎜、まばらに細点があり、縁は全縁、縁毛があり、先は鋭形。花弁はほぼ離生、広卵形、不明瞭な細点があり、無毛、先は鋭形。雄しべは花弁の長さの約3/4の長さ、花糸は葯の長さに等しい。葯は卵形、背面に目立つ黒色または目立たない透明の細点があり、大きな縦方向の切れ込みに開く孔によって裂開し、先は小突起形。雌しべは花弁とほぼ等長。子房は無毛、細点がある。胚珠は多数、多列。果実は球形、赤色~帯黒色、直径約7㎜、やや肉質。花期は3~6月。果期は1~4月。2n=48。

14 Ardisia villosa Roxb. アルディシア・ビローサ
 中国(広東省、広西チワン族自治区、海南省、台湾、雲南省)、台湾、マレーシア原産。中国名は雪下红 xue xia hong 。標高 500~1500 mの常緑広葉樹林、山の斜面、道端、岩の割れ目、湿った場所に生える。
 低木、高さ1(~3)m、匍匐枝を持ち、ほぼ全体に帯黒色または錆び色の絨毛または粗毛があり、無毛になる。葉柄は長さ5~10㎜。葉身は楕円状披針形~卵形または倒披針形、長さ5~15㎝×幅1.2~5cm、紙質、特に下面に密に細点があり、基部は楔形、沿下し、縁はほぼ全縁、波打ち、円鋸歯状または鋸歯状、先は鋭形または尖鋭形。側脈は中脈の両側に約15本あり、両面に隆起し、縁脈は途切れている。花序は単純または複散形花序、錆び色の絨毛があり、葉のあるまたは葉のない2~15(~20)cmの特殊な枝につく。花はラベンダー色またはピンク色、まれに白色、長さ8㎜以下。小花柄は長さ5~10㎜。萼片は長円状披針形または舌形、密に細点があり、外側に密に絨毛があり、内側に毛があり、先は鈍形。花弁は卵形~広披針形、無毛、細点があり、先は鋭形。雄しべは花弁とほぼ同長。葯は披針形、先は鋭形、背側に細点がある。子房は無毛になりまたは微軟毛がある。胚珠は約5個、単列につく。果実は暗赤色または帯黒色、球形、直径6~7㎜、粗毛または絨毛があり、細点がある。花期は4~7月。果期は2~7月。

15 Ardisia violacea (T.Suzuki) W.Z.Fang et K.Yao コビトマンリョウ

  synonym Ardisia brevicaulis Diels var. violacea (T.Suzuki) E.Walker

 台湾原産。中国名は锦花九管血 jin hua zi jin niu。標高700~1100mの密生した広葉樹林、谷、岩の割れ目、湿地に生える。
 亜低木、長い匍匐性の根茎を持つ。茎は長さ10~30㎝、微小な微軟毛がある。葉柄は長さ2~3㎜、±微小な微軟毛があるか、または褐色の鱗片状で、溝がある。葉身は卵形または長円状披針形、まれに披針形、長さ2~6.5㎝×幅0.6~1.9㎝、紙質、無毛、下面に微小な細点があり、基部は円形またはほぼ心形、縁は不規則な鋸歯があり、反り返り、先は鋭形または鈍形。側脈は下面にわずかに隆起し、中脈の両側に3~5(~8)本、中脈と直角になり、縁脈は明瞭。果序は腋生またはほぼ頂生、散形花形、単純、微小な密な微軟毛があるか、または褐色の鱗片状。花序柄は長さ0.8~1.5㎝。花は不明。小花柄は長さ3~4㎜。果実は赤色、球形、直径約6㎜、細点はなく、無毛、果序あたり2~3個つく。果期は3月。

16 Ardisia walkeri Yuen P.Yang オオツルコウジ 大蔓柑子
  synonym Ardisia montana (Miq.) Siebold ex Franch. et Sav.
  synonym Ardisia japonica var. montana Miq
  synonym Bladhia montana (Miq.) Nakai
 日本(本州の千葉県以西、伊豆諸島、九州、奄美諸島)固有種。ヤブコウジ(A. japonica)とツルコウジ(A. pusilla)との中間的な形態であるが、ツルコウジのように匍匐枝に葉をつけない。
 匍匐茎は細長く、斜上する茎は単茎で、長さ10~30㎝、直径 2~3㎜、円柱形、上部に淡褐色の多細胞毛が開出する。葉はほぼ革質、茎の上部に数輪生し、通常3個または4個つき、倒卵状長円形~長円形、長さ5~13㎝×幅2~4㎝、先は鋭形、やや粗く鋭い歯があり、若いうちは下面の中脈に開出する毛がある。葉柄は長さ7~15㎜。花序柄は普通、普通の葉の輪生の間の鱗片状の葉腋から出て、長さ1.5~2.5㎝で細く、小花柄は長さ7~12㎜。花は2~6個、白色、幅6~8㎜。萼片は卵形または狭卵形、先は短い尖鋭形、繊毛がある。果実は赤色、幅5~6㎜、球形。花期は5月。

17 その他ハイブリッド
品種) 'Alba' , 'Berry Star'

参考

1) Flora of North America
 Ardisia
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=1&taxon_id=102511
2)Flora of China
  Ardisia
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=102511
3) GRIN
  Ardisia
http://www.tn-grin.nat.tn/gringlobal/taxonomygenus.aspx?id=935
4) 台灣植物資訊整合查詢系統 Plants of Taiwan
 Ardisia
https://tai2.ntu.edu.tw/search/1/Ardisia
 Ardisia morrisonensis Hayata
https://tai2.ntu.edu.tw/species/504%20001%2004%202
5) e-Flora of Thailand
  Ardisia crenata Sims
https://botany.dnp.go.th/eflora/floraspecies.html?factsheet=crenata
 Ardisia crenata var. crenata
https://botany.dnp.go.th/eflora/florainfra.html?factsheet=crenata&tdcode=01646
 Ardisia crenata var. angusta C.B.Clark
https://botany.dnp.go.th/eflora/florainfra.html?factsheet=angusta&tdcode=01647
6) New subspecies of Ardisia crenata (Primulaceae) from Thailand
 Ardisia crenata subsp. obtusifolia Chatan & Promprom
https://www.researchgate.net/figure/Habitat-and-Distribution-of-Ardisia-crenata-subsp-obtusifolia-in-Phu-Langka-National_fig3_317756077
7) Flora of Japan(1953) p713
 2. Ardisia
https://www.biodiversitylibrary.org/item/95083#page/745/mode/1up
8) 植物学雑誌 45巻 531号 Bot. Mag. (Tokyo) 45: 129 (1931).
 Bladhia japonica THUNBERG var. angusta NAKAI
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jplantres1887/45/531/45_531_91/_pdf/-char/ja