マンリョウ 万両
Flora of Mikawa
サクラソウ科 Primulaceae ヤブコウジ属
中国名 | 朱砂根 zhu sha gen |
英 名 | coral ardisia, coralberry |
学 名 | Ardisia crenata Sims subsp. crenata |
花 期 | 7~8月 |
高 さ | 30~60㎝ |
生活型 | 常緑小低木 |
生育場所 | 山地の林内 |
分 布 | 在来種 本州(関東以西)、四国、九州、沖縄、中国、台湾、インド、マレーシア、フィリピン、ベトナム |
撮 影 | 満光寺 04.3.21 |
マンリョウはサクラソウ科ヤブコウジ属の低木。学名はArdisia crenata Simsが3亜種、1変種に分類され、マンリョウはArdisia crenata subsp. crenataにあたる。
低山の林内に生え、低木、高さ30~60㎝、無毛。茎は直立し、灰褐色で、上部に広がる少数の特別な花枝と節のある枝がある以外は単純。葉は互生し、厚く、長円形、長さ(6~)7~12(~15)㎝×幅2~4㎝、上面は緑色、乾くと赤褐色になり、先は鋭形~短い尖鋭形で先端は鈍形、基部は次第に狭くなり尖鋭形、縁は波状の歯があり、歯の間に乳腺(albuminous gland)があり、透明の点と暗褐色の内側の腺(inner glands)があり、側脈は弱く目立たない。葉柄は長さ5~10㎜。花序は頂生、特別な側花枝の先端につき、花序柄はなく、または枝は葉がなく花柄状になり、ときに散房花序状に分岐する。小花柄は長さ1~1.5㎝。萼片は卵形、ほぼ鋭形またはほぼ鈍形、縁毛がなく、広がる。花冠は直径約8㎜、白色。果実は球形、赤色、直径約6㎜。花期は7~8月。
秋に真っ赤に熟し、春まで見られる。三河の山ではセンリョウと同様に普通に見られ、色のない冬に目立つ。
果実が黄色のものをキミノマンリョウといい、白色のものをシロミノマンリョウというが、学名では分類しないようになってきている。
1 Ardisia crenata Sims マンリョウ 万両 広義
synonym Ardisia crenata Sims var. lanceolata (Masam.)
synonym Ardisia crenata Sims f. taquetii (H.Lev.) Ohwi
synonym Ardisia kusukusensis Hayata クスクスコウジ
日本(本州の関東以西、四国、九州、沖縄)、中国(安徽省、福建省、広東省、広西チワン族自治区、海南省、湖北省、湖南省、江蘇省、江西省、西蔵、雲南省、浙江省)、台湾、インド、マレーシア、フィリピン、ベトナム原産。中国名は朱砂根 zhu sha gen 。英名はcoral ardisia, coralberry。標高100~2400mの森林、丘陵、谷、低木地帯、暗く湿った場所に生える。
低木、高さ1~1.5(~3)m、匍匐性の根茎はなく、小枝、葉の裏面、花序軸に微細な帯赤色の腺のあるパピラがあり、早く無毛になる。小枝は円錐柱、直径3~4㎜。葉柄は狭い縁があり、長さ6~10㎜、無毛。葉身は楕円形、狭披針形または倒披針形、長さ7~15㎝×幅2~4cm、革質または紙質、顕著に細点があり、基部は楔形、縁はほぼ外巻き、円鋸歯状または波打ち、大きな維管化した(vascularized)縁小瘤(marginal nodules)があり、先は鋭形または尖鋭形、側脈は中脈の両側に12~18本あり、しばしば縁脈は反り返った縁に隠れる。花序は頂生、散形花序または集散花序、2または3の葉のある特殊化した側枝につき、側枝は長さ4~16(~40)㎝。花は膜質、白色または稀にピンク色、長さ4~6㎜。小花柄は長さ7~10cm。萼片は長円状卵形、長さ1~1.5(~2.5)㎜、無毛、細点があり、縁は全縁、先は円形または鈍形。花弁はほぼ離生し、卵形、細点があり、基部近くの外側に腺パピラがあり、先は鋭形。雄しべは花弁より短く、花糸はほぼ廃れる。葯は三角状披針形、背面に細点があり、縦方向に裂開し、鋭形。雌しべは花弁とほぼ等長、子房は無毛、細点がある。胚珠は約5個、単列につく。果実は赤色、球形、直径6~8㎜、細点がある。花期は5~6月。果期は10~12月。(Flora of China)
低木、匍匐茎を持たない、高さ1~1.5(~3)m、小枝は小さな赤みがかった腺パピラがある。葉:葉柄は長さ6~10mm、無毛、葉身は楕円形、狭披針形または倒披針形、長さ7~15㎝×幅2~4㎝、縁は小円鋸歯状または波状、ほぼ外巻き、大きな縁腺(vascularized marginal nodules:維管化した縁小瘤)があり、先は鋭形または尖鋭形、上面は小さな赤みがかった腺パピラがある。花序は頂生、特殊化した2または3葉をもつ側枝の上につく散形花序または集散花序、5~18個以上の花がつく。小花柄はときに直立し、長さ7~10㎝、わずかに赤みがかった腺パピラがある。花: 萼片は(4~)5(~6)個、長円形、長さ1~1.5(~2.5)㎜、縁は全縁、先は円形または鈍形、無毛。花弁は(4~)5(~6)個、白色またはまれに帯ピンク色、卵形、長さ4~6㎜、縁は全縁、先は鋭形、細点があり、基部近くの上面に腺パピラがある。雄しべは花弁より短い。葯は三角状披針形、先は鋭形、外側に細点がある。子房は無毛。胚珠は約5個、単列につく。核果は赤色、直径6~8㎜、細点がある。(Flora of North America)
品種) 'Alba' , 'Benikujyaku'(red peacock coralberry) , Bospremium Red (PBR) , 'Queen Pablo' (PBR) , 'Queen Pink' (PBR) , 'Queen Salmon' (PBR) , 'Queen Star' (PBR) , Red Hot Embers™ , Treasure Crown™
3亜種、1変種に分類されている。
マレーシア、タイ原産。標高100~140mの熱帯雨林の滝付近に生える。
葉は狭い披針形、長さ7~12㎝×幅1~1.7㎝、両端は狭くなり、縁はほぼ全縁、上部の縁に縁腺がある。基本種は楕円形~楕円状披針形、幅2~4㎝。
synonym Ardisia aquifolioides W.Z.Fang & K.Yao
synonym Ardisia nervosa E.Walker
中国(海南省)、カンボジア、ラオス、マレーシア、ベトナム原産。中国名は粗脉紫金牛 cu mai zi jin niu。標高100~1800mの密生した広葉樹林、丘陵、低木林、開けた野原、谷、湿地、小川沿いに生える。
低木、高さ約2m、無毛。小枝は角張っていて、直径1~1.5㎜、赤みがかった腺乳頭状。葉柄は細溝があり、長さ3~5㎜。葉身は楕円形、倒披針形、まれに倒卵形で、長さ10~17㎝×幅3~6㎝、革質、無毛、基部は楔形、縁はやや波打って血管のある小結節があり、先は鋭角または亜尖頭状。側脈は多数あり、両面が隆起し、縁脈は顕著。花序は頂生で、単純または複合亜散形花序状で、長さ8~20㎝の特殊な側枝に生じ、亜頂葉が2枚または3枚ある。花は紙質、ピンク色、帯紫色、または白色、長さ5~6㎜。小花柄は長さ約1㎜で、若いうちは少なくとも細点がある。萼片は広卵形~ほぼ円形、長さ3.8~4㎜、密に橙色の細点があり、無毛、基部は耳状、縁は全縁、薄膜質、先は円形または鈍形。花弁はほぼ離生、卵形、密に細点があり、上面には密に腺顆粒があり、下面は無毛、縁は全縁、不透明、先は鈍形。雄しべは花弁とほぼ同長、花糸は葯よりかなり短い、葯は披針形、縦に裂開し、細点は無く、または背側に不明瞭な細点があり、先は小突起形。雌しべは花弁とほぼ同長。子房は無毛、細点がある。胚珠は約9個、単列につく。果実は赤色、球形、直径約9㎜、密に細点がある。花期は1~7月。果期は7~1月。
1-3 Ardisia crenata subsp. crenata マンリョウ 万両
synonym Ardisia bicolor E.Walker
低木、高さ30~60㎝、無毛。茎は直立し、灰褐色で、上部に広がる少数の特別な花枝と節のある枝がある以外は単純。葉は互生し、厚く、長円形、長さ7~12㎝×幅2~4㎝、上面は緑色、乾くと赤褐色になり、先は鋭形~短い尖鋭形で先端は鈍形、基部は次第に狭くなり尖鋭形、縁は波状の歯があり、歯の間に乳腺(albuminous gland)があり、透明の点と暗褐色の内側の腺(inner glands)があり、側脈は弱く目立たない。葉柄は長さ5~10㎜。花序は頂生、特別な側花枝の先端につき、花序柄はなく、または枝は葉がなく花柄状になり、ときに散房花序状に分岐する。小花柄は長さ1~1.5㎝。萼片は卵形、ほぼ鋭形またはほぼ鈍形、縁毛がなく、広がる。花冠は直径約8㎜、白色。果実は球形、赤色、直径約6㎜。花期は7月。低山の林内に生える。[Flora of Japan 1953]
低木、高さ1~2m、稀に3m。小枝は細く、円柱形またはわずかに角張っており、無毛で、一般に先端近くに2~3枚の葉をつける。葉はほぼ革質または紙質。葉柄は長さ4~10㎜。葉身は楕円状披針形または倒披針形、長さ6~15(~20)㎝×幅2~4㎝、先は鋭形または尖鋭形、基部は楔形、縁はパリパリに縮れたまたは波状の円鋸歯状、±反り返り、大きな縁腺を持ち、無毛、下面に微細な錆色の鱗片があり、腺点は多数、散在し、黒色またはときに無色で、乾くとわずかに凸面形になり、側脈は12~18対で、縁近くの不規則な縁内脈と合流し、脈は通常不明瞭。花序はほぼ散形花序または散房花序、単純または複合で、小枝の先端に付き、無毛または微軟毛がある。花序柄はないかまたは非常に短い。1次花序枝(rays)はあれば長さ2~4㎝。小花柄は長さ0.5~1㎝。萼は基部近くまで裂け、萼片は卵形~長円状卵形、長さ約1.5㎜、先は鋭形、鈍形または円形で、細点がある。花冠は白色またはピンク色、長さ4~6㎜、深く裂け、花冠裂片は卵形、先は鋭形、幅約3㎜、腺点が散在する。葯は三角状披針形、長さ約4㎜、普通、背面に細点がある。子房は無毛。花柱は長さ約5㎜。核果は球形、明るい赤色で、黒い腺点があり、直径 6~8㎜。花期はほぼ一年中。複雑で変化に富んだ種であり、通常、花序は複合で無毛。葉はほぼ革質、長さ6~10㎝。しかし、変異はかなり大きく、花序は単純または複合、軟毛または無毛、葉は薄い紙質で、長さが21㎝に達することもある。これらの変種は地理的分布パターンを示さない。[Flora of Thailand]
低木、高さ40~105㎝。小枝は細く、円柱形または角張っていて、条線があり、通常3~4枚の葉をつける。葉は互生し、葉柄は長さ3~5㎜。葉身は高度に革質で、へら形~狭楕円形および倒披針形、長さ2~7(~11)㎝×幅1.2~2(~2.7)㎝、。先はまれに鋭形で、ほとんどが鈍形、基部は楔形または鋭形、縁はほぼ全縁または浅い円鋸歯状、浅く波形、反り返り、各切れ込みに縁腺(vascularized nodules:維管化した小瘤)がある。上面および下面の両面に、中程度または密に黒色、褐色または無色の細点(点状紋)があり、葉脈は明瞭または不明瞭、縁内葉脈(葉縁脈)は葉縁から≤1㎜のところに存在し、ときに、反り返った葉縁で覆われる。花序はほぼ散形花序または散房花序、単純または複合花序、小枝の先端に付き、無毛。花序柄はないか長さ3㎜以下。一次花序軸は長さ2~6㎜。小花柄は長さ7~11㎜、ピンク色または緑がかったピンク色、表面は黒色の細点がある。萼は萼片が5個、離生し、ピンク色。萼片は広卵形またはほぼ円形または球形、約・長さ1.5~1.7㎜×幅1.5~1.8㎜、両面に黒色の細点が密にあり、無毛、基部は明瞭に覆瓦状、先は鈍形または円形。花冠は5個の深い裂片があり、ピンク色、筒部は長さ約1㎜。花冠裂片は蕾の中で巻き込まれ、卵状披針形、長さ4.5~5㎜×幅2~2.5㎜、両面に黒色の細点が密にあり、両面とも無毛。葯は黄褐色、幅が狭い三角形または披針形、約・長さ2.5~3㎜×幅1~1.2㎜、背側に黒点がある。花糸は長さ約0.5~1㎜。雌しべは長さが雄しべとわずかに似ている。子房は球形、直径1~1.2㎜、無毛。花柱は長さ約4㎜。果実は若いときは球形で、熟すと凹んだ球形になり、直径5~7㎜、新鮮なときは鮮やかな赤色、乾くと褐色または黒褐色になり、黒色の細点が密にある。花期は6~11月。果期は8~2月。
低山の林内に生え、低木、高さ30~60㎝、無毛。茎は直立し、灰褐色で、上部に広がる少数の特別な花枝と節のある枝がある以外は単純。葉は互生し、厚く、長円形、長さ(6~)7~12(~15)㎝×幅2~4㎝、上面は緑色、乾くと赤褐色になり、先は鋭形~短い尖鋭形で先端は鈍形、基部は次第に狭くなり尖鋭形、縁は波状の歯があり、歯の間に乳腺(albuminous gland)があり、透明の点と暗褐色の内側の腺(inner glands)があり、側脈は弱く目立たない。葉柄は長さ5~10㎜。花序は頂生、特別な側花枝の先端につき、花序柄はなく、または枝は葉がなく花柄状になり、ときに散房花序状に分岐する。小花柄は長さ1~1.5㎝。萼片は卵形、ほぼ鋭形またはほぼ鈍形、縁毛がなく、広がる。花冠は直径約8㎜、白色。果実は球形、赤色、直径約6㎜。花期は7~8月。
秋に真っ赤に熟し、春まで見られる。三河の山ではセンリョウと同様に普通に見られ、色のない冬に目立つ。
果実が黄色のものをキミノマンリョウといい、白色のものをシロミノマンリョウというが、学名では分類しないようになってきている。
1 Ardisia crenata Sims マンリョウ 万両 広義
synonym Ardisia crenata Sims var. lanceolata (Masam.)
synonym Ardisia crenata Sims f. taquetii (H.Lev.) Ohwi
synonym Ardisia kusukusensis Hayata クスクスコウジ
日本(本州の関東以西、四国、九州、沖縄)、中国(安徽省、福建省、広東省、広西チワン族自治区、海南省、湖北省、湖南省、江蘇省、江西省、西蔵、雲南省、浙江省)、台湾、インド、マレーシア、フィリピン、ベトナム原産。中国名は朱砂根 zhu sha gen 。英名はcoral ardisia, coralberry。標高100~2400mの森林、丘陵、谷、低木地帯、暗く湿った場所に生える。
低木、高さ1~1.5(~3)m、匍匐性の根茎はなく、小枝、葉の裏面、花序軸に微細な帯赤色の腺のあるパピラがあり、早く無毛になる。小枝は円錐柱、直径3~4㎜。葉柄は狭い縁があり、長さ6~10㎜、無毛。葉身は楕円形、狭披針形または倒披針形、長さ7~15㎝×幅2~4cm、革質または紙質、顕著に細点があり、基部は楔形、縁はほぼ外巻き、円鋸歯状または波打ち、大きな維管化した(vascularized)縁小瘤(marginal nodules)があり、先は鋭形または尖鋭形、側脈は中脈の両側に12~18本あり、しばしば縁脈は反り返った縁に隠れる。花序は頂生、散形花序または集散花序、2または3の葉のある特殊化した側枝につき、側枝は長さ4~16(~40)㎝。花は膜質、白色または稀にピンク色、長さ4~6㎜。小花柄は長さ7~10cm。萼片は長円状卵形、長さ1~1.5(~2.5)㎜、無毛、細点があり、縁は全縁、先は円形または鈍形。花弁はほぼ離生し、卵形、細点があり、基部近くの外側に腺パピラがあり、先は鋭形。雄しべは花弁より短く、花糸はほぼ廃れる。葯は三角状披針形、背面に細点があり、縦方向に裂開し、鋭形。雌しべは花弁とほぼ等長、子房は無毛、細点がある。胚珠は約5個、単列につく。果実は赤色、球形、直径6~8㎜、細点がある。花期は5~6月。果期は10~12月。(Flora of China)
低木、匍匐茎を持たない、高さ1~1.5(~3)m、小枝は小さな赤みがかった腺パピラがある。葉:葉柄は長さ6~10mm、無毛、葉身は楕円形、狭披針形または倒披針形、長さ7~15㎝×幅2~4㎝、縁は小円鋸歯状または波状、ほぼ外巻き、大きな縁腺(vascularized marginal nodules:維管化した縁小瘤)があり、先は鋭形または尖鋭形、上面は小さな赤みがかった腺パピラがある。花序は頂生、特殊化した2または3葉をもつ側枝の上につく散形花序または集散花序、5~18個以上の花がつく。小花柄はときに直立し、長さ7~10㎝、わずかに赤みがかった腺パピラがある。花: 萼片は(4~)5(~6)個、長円形、長さ1~1.5(~2.5)㎜、縁は全縁、先は円形または鈍形、無毛。花弁は(4~)5(~6)個、白色またはまれに帯ピンク色、卵形、長さ4~6㎜、縁は全縁、先は鋭形、細点があり、基部近くの上面に腺パピラがある。雄しべは花弁より短い。葯は三角状披針形、先は鋭形、外側に細点がある。子房は無毛。胚珠は約5個、単列につく。核果は赤色、直径6~8㎜、細点がある。(Flora of North America)
品種) 'Alba' , 'Benikujyaku'(red peacock coralberry) , Bospremium Red (PBR) , 'Queen Pablo' (PBR) , 'Queen Pink' (PBR) , 'Queen Salmon' (PBR) , 'Queen Star' (PBR) , Red Hot Embers™ , Treasure Crown™
3亜種、1変種に分類されている。
1-1 Ardisia crenata var. angusta C.B.Clarke アルディシア・クレナタ・アングスタ
synonym Ardisia crispa var. angusta (C.B.Clarke) Mezマレーシア、タイ原産。標高100~140mの熱帯雨林の滝付近に生える。
葉は狭い披針形、長さ7~12㎝×幅1~1.7㎝、両端は狭くなり、縁はほぼ全縁、上部の縁に縁腺がある。基本種は楕円形~楕円状披針形、幅2~4㎝。
1-2 Ardisia crenata subsp. crassinervosa (E.Walker) C.M.Hu & J.E.Vidal アルディシア・クレナタ・クラッシネルボサ
synonym Ardisia crassinervosa E.Walker [Flora of China]synonym Ardisia aquifolioides W.Z.Fang & K.Yao
synonym Ardisia nervosa E.Walker
中国(海南省)、カンボジア、ラオス、マレーシア、ベトナム原産。中国名は粗脉紫金牛 cu mai zi jin niu。標高100~1800mの密生した広葉樹林、丘陵、低木林、開けた野原、谷、湿地、小川沿いに生える。
低木、高さ約2m、無毛。小枝は角張っていて、直径1~1.5㎜、赤みがかった腺乳頭状。葉柄は細溝があり、長さ3~5㎜。葉身は楕円形、倒披針形、まれに倒卵形で、長さ10~17㎝×幅3~6㎝、革質、無毛、基部は楔形、縁はやや波打って血管のある小結節があり、先は鋭角または亜尖頭状。側脈は多数あり、両面が隆起し、縁脈は顕著。花序は頂生で、単純または複合亜散形花序状で、長さ8~20㎝の特殊な側枝に生じ、亜頂葉が2枚または3枚ある。花は紙質、ピンク色、帯紫色、または白色、長さ5~6㎜。小花柄は長さ約1㎜で、若いうちは少なくとも細点がある。萼片は広卵形~ほぼ円形、長さ3.8~4㎜、密に橙色の細点があり、無毛、基部は耳状、縁は全縁、薄膜質、先は円形または鈍形。花弁はほぼ離生、卵形、密に細点があり、上面には密に腺顆粒があり、下面は無毛、縁は全縁、不透明、先は鈍形。雄しべは花弁とほぼ同長、花糸は葯よりかなり短い、葯は披針形、縦に裂開し、細点は無く、または背側に不明瞭な細点があり、先は小突起形。雌しべは花弁とほぼ同長。子房は無毛、細点がある。胚珠は約9個、単列につく。果実は赤色、球形、直径約9㎜、密に細点がある。花期は1~7月。果期は7~1月。
1-3 Ardisia crenata subsp. crenata マンリョウ 万両
synonym Ardisia bicolor E.Walker
synonym Ardisia crenata f. leucocarpa (Nakai) T.Yamanaka シロミノマンリョウ
synonym Ardisia crenata f. xanthocarpa F.Y.Zhang & G.Y.Lisynonym Ardisia crenata f. xanthocarpa (Nakai) H.Ohashi キミノマンリョウ
日本(本州の関東以西、四国、九州、沖縄)、韓国、中国、インド、スリランカ、アッサム、ミャンマー、カンボジア、ラオス、マレーシア、タイ、ベトナム、フィリピン原産。オーストラリア、USAに帰化している。標高1200m以下の川沿いの常緑樹林や湿地によく生えるが、乾燥した森内や、湿地、湿地草原にも見られる。WOPOではf. leucocarpa、f. xanthocarpaをsynonymとしている。低木、高さ30~60㎝、無毛。茎は直立し、灰褐色で、上部に広がる少数の特別な花枝と節のある枝がある以外は単純。葉は互生し、厚く、長円形、長さ7~12㎝×幅2~4㎝、上面は緑色、乾くと赤褐色になり、先は鋭形~短い尖鋭形で先端は鈍形、基部は次第に狭くなり尖鋭形、縁は波状の歯があり、歯の間に乳腺(albuminous gland)があり、透明の点と暗褐色の内側の腺(inner glands)があり、側脈は弱く目立たない。葉柄は長さ5~10㎜。花序は頂生、特別な側花枝の先端につき、花序柄はなく、または枝は葉がなく花柄状になり、ときに散房花序状に分岐する。小花柄は長さ1~1.5㎝。萼片は卵形、ほぼ鋭形またはほぼ鈍形、縁毛がなく、広がる。花冠は直径約8㎜、白色。果実は球形、赤色、直径約6㎜。花期は7月。低山の林内に生える。[Flora of Japan 1953]
低木、高さ1~2m、稀に3m。小枝は細く、円柱形またはわずかに角張っており、無毛で、一般に先端近くに2~3枚の葉をつける。葉はほぼ革質または紙質。葉柄は長さ4~10㎜。葉身は楕円状披針形または倒披針形、長さ6~15(~20)㎝×幅2~4㎝、先は鋭形または尖鋭形、基部は楔形、縁はパリパリに縮れたまたは波状の円鋸歯状、±反り返り、大きな縁腺を持ち、無毛、下面に微細な錆色の鱗片があり、腺点は多数、散在し、黒色またはときに無色で、乾くとわずかに凸面形になり、側脈は12~18対で、縁近くの不規則な縁内脈と合流し、脈は通常不明瞭。花序はほぼ散形花序または散房花序、単純または複合で、小枝の先端に付き、無毛または微軟毛がある。花序柄はないかまたは非常に短い。1次花序枝(rays)はあれば長さ2~4㎝。小花柄は長さ0.5~1㎝。萼は基部近くまで裂け、萼片は卵形~長円状卵形、長さ約1.5㎜、先は鋭形、鈍形または円形で、細点がある。花冠は白色またはピンク色、長さ4~6㎜、深く裂け、花冠裂片は卵形、先は鋭形、幅約3㎜、腺点が散在する。葯は三角状披針形、長さ約4㎜、普通、背面に細点がある。子房は無毛。花柱は長さ約5㎜。核果は球形、明るい赤色で、黒い腺点があり、直径 6~8㎜。花期はほぼ一年中。複雑で変化に富んだ種であり、通常、花序は複合で無毛。葉はほぼ革質、長さ6~10㎝。しかし、変異はかなり大きく、花序は単純または複合、軟毛または無毛、葉は薄い紙質で、長さが21㎝に達することもある。これらの変種は地理的分布パターンを示さない。[Flora of Thailand]
(1) Ardisia crenata Sims f. leucocarpa (Nakai) T.Yamanaka シロミノマンリョウ
果実が白色。英名はwhite-fruited form。(2) Ardisia crenata Sims f. xanthocarpa (Nakai) H.Ohashi キミノマンリョウ
synonym Ardisia crenata Sims f. aurantiaca (Nakai) Ohwi et Kitag., nom. nud.
果実が黄色。1-4 Ardisia crenata subsp. obtusifolia Chatan & Promprom アルディシア・クレナタ・オブトゥシフォリア
タイ原産。通称名はTakai 、Takai Daeng。主にやや密集した乾燥したフタバガキ林(dipterocarp forest)または開けた場所に生育し、通常は山頂に生え、ときに、草原またはオーク・フタバガキ林に生える。低木、高さ40~105㎝。小枝は細く、円柱形または角張っていて、条線があり、通常3~4枚の葉をつける。葉は互生し、葉柄は長さ3~5㎜。葉身は高度に革質で、へら形~狭楕円形および倒披針形、長さ2~7(~11)㎝×幅1.2~2(~2.7)㎝、。先はまれに鋭形で、ほとんどが鈍形、基部は楔形または鋭形、縁はほぼ全縁または浅い円鋸歯状、浅く波形、反り返り、各切れ込みに縁腺(vascularized nodules:維管化した小瘤)がある。上面および下面の両面に、中程度または密に黒色、褐色または無色の細点(点状紋)があり、葉脈は明瞭または不明瞭、縁内葉脈(葉縁脈)は葉縁から≤1㎜のところに存在し、ときに、反り返った葉縁で覆われる。花序はほぼ散形花序または散房花序、単純または複合花序、小枝の先端に付き、無毛。花序柄はないか長さ3㎜以下。一次花序軸は長さ2~6㎜。小花柄は長さ7~11㎜、ピンク色または緑がかったピンク色、表面は黒色の細点がある。萼は萼片が5個、離生し、ピンク色。萼片は広卵形またはほぼ円形または球形、約・長さ1.5~1.7㎜×幅1.5~1.8㎜、両面に黒色の細点が密にあり、無毛、基部は明瞭に覆瓦状、先は鈍形または円形。花冠は5個の深い裂片があり、ピンク色、筒部は長さ約1㎜。花冠裂片は蕾の中で巻き込まれ、卵状披針形、長さ4.5~5㎜×幅2~2.5㎜、両面に黒色の細点が密にあり、両面とも無毛。葯は黄褐色、幅が狭い三角形または披針形、約・長さ2.5~3㎜×幅1~1.2㎜、背側に黒点がある。花糸は長さ約0.5~1㎜。雌しべは長さが雄しべとわずかに似ている。子房は球形、直径1~1.2㎜、無毛。花柱は長さ約4㎜。果実は若いときは球形で、熟すと凹んだ球形になり、直径5~7㎜、新鮮なときは鮮やかな赤色、乾くと褐色または黒褐色になり、黒色の細点が密にある。花期は6~11月。果期は8~2月。