ヒメジョオン 姫女苑
Flora of Mikawa
キク科 Asteraceae ムカシヨモギ属
中国名 | 一年蓬 yi nian peng |
英 名 | annual fleabane, daisy fleabane |
学 名 | Erigeron annuus (L.) Pers synonym Erigeron annuus subsp. annuus |
花 期 | 5~10月 |
高 さ | 35~100 (150)㎝ |
生活型 | 1年草、2年草又は短命の多年草 |
生育場所 | 日当たりのよい荒地、山野に普通 |
分 布 | 帰化種 北アメリカ原産 世界中に帰化 |
撮 影 | 蒲郡市 06.6.24 |
茎と主枝の基部はまばらに、やや長い(長さ0.8~1(~1.5)㎜)直立する毛に覆われる。合成花序の枝には多数の短い(長さ0.1~0.3㎜)の伏した(剛)毛がある。根生葉は楕円形~披針状楕円形、長さ15~50㎜×幅5~15㎜、長い葉柄があり、普通、円鋸歯縁で直立~開出する毛(長さ0.5~0.8(1)㎜)がある。茎葉はまばら、縁は円鋸歯又は歯状[日本では鋭鋸歯](上部ではほぼ全縁~全縁)、類鈍形。下部の茎葉は長円形、基部が狭まり翼状になり長い葉柄があり、長さ0.5~1(~1.2)㎜の毛がある。 中間の茎葉は披針形又はごく狭い菱状披針形、短い葉柄があり、やや多数の長さ0.5~ 0.8(~1)㎜の毛がある。上部の茎葉は狭披針形~線形、無柄、やや多数の長さ0.5(~0.8)㎜の毛がある。頭花は直径1.5~2㎝。総苞片は長さ3.5~5㎜、まばらに長い(長さ0.8~1.2(~1.5)㎜)関節のある毛をもつ。 周辺小花は、雌性、雄しべも冠毛もなく、長さ約6㎜、白色、ときにピンク色を帯びる。総苞片の長さは変化し、周辺小花はときに省略され、減る(ヨーロッパでは観察されない)。茎葉はほぼ全縁~円鋸歯、ときに明瞭な歯状。 2n=3x=27(Eurasia ,USA)。花期は5~10月
ハルジオンは茎が中空、舌状花に冠毛があり、根生葉が花期にもある。また、茎葉の基部は茎を半分ほど抱く。ハルジオンの花が終わる頃、ヒメジョオンが咲き始めることが多い。
ムカシヨモギ属
family Asteraceae - genus Erigeron多年草、ときに1年草又は2年草、又はときに亜低木。葉は互生し、縁は全縁、鋸歯縁又は分裂する。頭花は放射状頭花(radiate:中心小花は両性、舌状小花は1列又はそれ以上)、ときに円盤型頭花(disciform:中心小花は両性又は機能が雄性、舌状小花は雌性)、まれに中心小花頭花(discoid:両性の筒状小花だけからなる)、単生又は数個、ときに多数、総状合成花序、散房合成花序、又は円錐合成花序につく。総苞は半球形~鐘形~こま形~円筒形。総苞片は2~5列、ほぼ等長、ときに外総苞片は短く、ときに±覆瓦状、線状披針形~線形、膜質又は草質、縁は薄膜質、中脈は赤褐色、帯紫色、又は緑色。花托は平ら~わずかに凸面又は円錐形、±ハチの巣状、無毛。周辺小花は稔性、まれに無く(中心小花頭花)、又は12~350個、1~5列又はそれ以上につき、内側の列は舌部が小さく又は無く、又は全て小さく又は無く(円盤型頭花)、舌部は紫色、青色、ピンク色、又は白色、まれに黄色又は橙色、普通、短くて狭く、ときに、±広く、中心小花が両性、30~450個、黄色(脈はしばしば橙色)、ときに白色。拡大部は円筒形~狭い漏斗形[まれに鐘形]、裂片は(4又は)5個、デルタ形。葯は基部が鈍形、先の付属体は卵状披針形。花柱の枝は先がデルタ形、鈍形又は鋭形。痩果は長円形又は長円状披針形~長円状倒卵形、扁平~平らになり、無毛又は疎~密に剛毛又は小剛毛~絹毛があり、腺はなく、2(又は4)脈があり、脈はしばしば橙色。冠毛は宿存又は脱落し、離生又は±基部が合着し、1又は2列につき、外側の列は短い剛毛又は鱗片、内側は5~40(~50個の細かいひげ状又は小ひげ状の剛毛があり、ときに冠毛は円盤の痩果の上だけにある[又は無い]。
世界に約400種があり、アジア、ヨーロッパ、北アメリカに分布し、少数がアフリカ、オーストラリアに分布する。
ムカシヨモギ属 の主な種と園芸品種
1 Erigeron acris L. 蝦夷昔蓬 広義日本、韓国、中国、モンゴル、ロシア、ブータン、アフガニスタン、カザフスタン、キルギスタン、ウズベキスタンアルメニア、アゼルバイジャン、ジョージア、南西アジア、ヨーロッパ、アフリカ(モロッコ)、北アメリカ原産。中国名は飞蓬 fei peng。英名はbitter daisy , blue fleabane。牧草地、牧場、斜面の草地、林縁に生える。
2年草または多年草、高さ5~70(~100)㎝、直根または木質の根茎。 茎は単生または数本、基部で直径1~6㎜、直立し、上部で分枝し、伏した小剛毛があり(strigillose)、±粗毛または剛毛があり、またはときにほぼ無毛、頭花の下に短い柄のある腺がある。葉は質が薄く、表面は疎~±密に剛毛状絨毛があり、またはほぼ無毛~無毛、縁は全縁または離れた小鋸歯または鋸歯があり、剛毛の縁毛または絨毛の縁毛がある。根生葉は花時に有るかまたは無く、長い葉柄があり、倒披針形~長円形、長さ1.5~13㎝×幅0.3~1.8㎝、目立たない3脈があり、基部は漸尖形、先は鈍形または鋭形。 中部および上部の茎葉は無柄、葉身は披針形または長円形、長さ0.3~8.5㎝×幅0.1~1㎝、基部はほぼ抱茎、先は鋭形、弓形または鈍形。頭花は多数、密で狭いまたはまれに緩くて広い円錐花序状またはときに散房花序状の合成花序、ときに少数が散房花序状の合成花序につき、長さ6~13mm×幅10~25㎜。 総苞は半球形、総苞片は3列、緑色または紫色、披針形~線状披針形、外面は±密に絨毛があるかまたはまばらに剛毛があり、ときに±密に短い有柄の腺があり、先は鋭形~尖鋭形、外側の総苞片は内側の総苞片の長さの約1/2。内側の総苞片は中心小花より短く、長さ5~7.5㎜×幅0.5~1㎜、縁は薄膜質。周辺小花は4 ~5列、外側の2~3列の小舌は長さ5~7㎜、筒部は長さ2.5~3.5㎜、まばらに毛があり、小舌はピンク色またはライラック色、まれに白色、幅約0.25㎜、内側の2列は筒状に小さくなり、無着色、長さ2.5~3.5㎜、花柱は筒部から1~2.2㎜出て、ときに未発達な小舌をもつ。中心小花は黄色、裂片はときに±帯紫色または濃ライラック色、長さ3.6~5.4㎜、まばらに毛があり、筒部は長さ1.5~2.9㎜、拡大部は円筒形または円筒状漏斗形、裂片は披針形、長さ0.4~0.5㎜。痩果はわら色、長円形~長円状披針形、±扁平、長さ1.6~2.5㎜、±剛毛があり、2脈がある。冠毛は1~2列、白色または帯白色、外側の剛毛は長さ0.2~0.5㎜、内側の剛毛は長さ4~6㎜。花期は6~9月。
1-1 Erigeron acris L. var. acris エゾムカシヨモギ 蝦夷昔蓬
synonym Erigeron acris L. var. foliosus Franch.日本、韓国、中国、モンゴル、ロシア(西シベリア)、アフガニスタン、カザフスタン、ウズベキスタン、南西アジア、ヨーロッパに分布。中国名は飞蓬 fei peng。牧草地、牧場、林縁に生える。
多年草、高さ5~60㎝。茎は単生、ときに数本、直径1~4㎜、基部は緑色またはまれに帯紫色になり、中程度~密に粗毛状絨毛(hirsute-villous)があり、伏した小剛毛があり(strigillose)、ときにほぼ無毛になる。葉は表面に±密に剛毛状の絨毛があり(strigose-villous)、薄く、縁は全縁またはまれに上部に鋸歯があり、剛毛状の絨毛の縁毛がある。根生葉は密につき、しばしば花期に存在し、葉身は倒披針形、長さ1.5~10㎝×幅0.3~1.2㎝、先は鈍形または鋭形。 中部と上部の茎葉は披針形、長さ0.5~8㎝×幅0.1~0.8㎝、最上部と枝の葉は小さく、線形。頭花は多数、密で、狭いか、またはまれに緩くて広い、円錐花序状またはときに散房花序状の合花花序につき、長さ6~10㎜×幅11~21㎜。総苞片は外面に±密に絨毛があり、しばしば短柄の腺があり、先は鋭形。内側の総苞片は長さ5~7㎜×幅0.5~0.8mm。周辺小花は外側の列が長さ5~7㎜、筒部は長さ2.5~3.5㎜、内側の列の周辺小花は長さ3~3.5㎜、花柱は筒部を1~1.5㎜超える。中心小花は長さ3.6~5㎜、筒部は長さ1.5~2㎜、拡大部は円筒形。痩果は長円状披針形、長さ約1.8㎜、まばらに 伏した剛毛がある(strigose)。冠毛は2列、内側は 長さ4~6㎜。花期は7~9月。
1-2 Erigeron acris L. var. amplifolius Kitam. ヒロハムカシヨモギ
Kewscienceには掲載されていない。
茎に密に毛があり、下部の葉は広倒披針形で長さ18cm以下と大きくなる。
1-3 Erigeron acris L. var. kamtschaticus (DC.) Herder ムカシヨモギ 昔蓬
synonym Erigeron kamtschaticus DC.synonym Erigeron sachalinensis Botsch.
synonym Erigeron acris L. subsp. kamtschaticus (DC.) H.Hara
synonym Erigeron acris L. var. manshuricus Kom. マンシュウムカシヨモギ
synonym Erigeron manshuricus (Kom.) Vorosch.中国、モンゴル、ロシア(カムチャツカ、西シベリア)、北アメリカに分布。中国名は堪察加飞蓬 kan cha jia fei peng。斜面の草地、林縁に生える。
多年草、高さ30~70(~100)㎝。 茎は1又は数本、基部で直径1~6㎜、緑色またはときに、帯紫色、伏した小剛毛があり(strigillose)、頭花の下部に非常に密にあり、ときにまばらに粗毛がある(ときに基部のみ)。葉は表面にまばらに伏した剛毛(strigose)または伏した小剛毛があり(strigillose)、またはほぼ無毛または無毛で、薄い。根生葉はしばしば花時に枯れ、葉身は倒披針形、長さ2~13㎝×幅0.3~1.8㎝、縁は離れた鋸歯があり、剛毛状の縁毛があり、先は鋭形。 中部および上部の茎葉は葉身が披針形、長さ0.3~8.5㎝×幅0.4~1㎝、全縁、まばらに剛毛状の縁毛がある。頭花は緩い幅広の円錐花序状の合成花序に多数つき、またはときに散房花序状の合生花序に少数つき、長さ6~10㎜×幅10~19㎜。総苞片は外面にときどきまばらに剛毛があり(strigose)、密に短柄の腺があり、先は鋭形~尖鋭形。内側の総苞片は長さ5~6.5㎜×幅0.6~0.7㎜、縁は薄膜質。周辺小花は外側の列が長さ5~6.2㎜、筒部は長さ3~3.5㎜、内側の列の周辺小花は長さ2.5~3㎜、花柱は筒部を1.5~2.2㎜超え、ときに小舌が小さくなり、先端がピンク色になる。中心小花の裂片は帯紫色、長さ4~5.4㎜、筒部は長さ2~2.9㎜、拡大部は円筒状漏斗形。痩果は長円形、長さ1.6~2.5㎜、剛毛がある。 冠毛は帯白色、2列、内側の冠毛は長さ5.5~6㎜。花期は6~9月。
1-4 Erigeron acris L. var. linearifolius (Koidz.) Kitam. ホソバムカシヨモギ 細葉昔蓬
synonym Erigeron koidzumii Hondasynonym Erigeron kamtschaticus var. linearifolius Koidz.[Bot. Mag. Tokyo 31: 140 (1917)?]
本州、四国に分布。山地の砂礫地に生える。葉は線状披針形で頭花は小さいもの。Kewscienceには掲載されていない。高さ15~60㎝。下部の葉は長さ約7㎝、狭披針形~線状披針形。中部と上部の葉は長さ3~6㎝、線形、無毛、ときに縁毛がある。上部でよく分枝して総状花序~散房花序状に多数の頭花をつける。総苞は長さ約6㎜。総苞片は微細な細毛と白毛がある。
1-5 Erigeron acris subsp. politus (Fries) H. Lindberg
中国、ロシア (シベリア)、カザフスタン、キルギスタン、ヨーロッパに分布。中国名は长茎飞蓬 chang jing fei peng。低山の斜面の牧草地、林縁に生える。
高さ10~50㎝、ときに± 叢生する。根茎は木質、斜上する。茎は通常数本、直径1~4㎜。 基部は紫色、まれに緑色、、伏した小剛毛があり(strigillose)、まばらに剛毛がある。葉は緑色、または帯赤色の葉柄があり、無毛、堅く、縁は全縁、剛毛状の縁毛がある。根生葉と下部の茎葉には長い葉柄があり、葉身は倒披針形または長円形、長さ1~10㎝×幅0.1~1.1㎝、先は鈍形。 中部および上部の茎葉は無柄、葉身は長円形または披針形、長さ0.5~7㎝×幅約0.8㎝、先は弓形または鈍形。頭花は多数、散房花序状または散房花序の円錐花序状の合成花序につき、しばしば長枝の上につき、長さ9~13㎜×幅17~25㎜。総苞片は3列、紫色、まれに緑色、密に短柄のある腺があり、ときにまばらに剛毛もあり、先は尖鋭形。内側の総苞片は長さ5.5~7.5㎜×幅0.7~1㎜。周辺小花は外側の周辺小花が長さ6~8㎜、筒部は長さ3~4.3㎜、小舌はピンク色またはライラック色、幅 0.3~0.5㎜、内側の周辺小花は長さ2.5~4.5㎜、花柱は筒部を1~1.7㎜超え、ときに未発達の小舌になる。中心小花は黄色、裂片は濃ライラック色、長さ3.5~5㎜、筒部は長さ約2.3㎜。痩果は長さ2~2.5㎜。冠毛は白色、1~2列、内側の冠毛は長さ4.5~6㎜。花期は7~9月。
2 Erigeron aliceae Howell エリゲロン・アリケアエ
synonym Erigeron amplifolius Howell
USA(カリフォルニア州、オレゴン州、ワシントン州)原産。英名はAlice Eastwood's fleabane。岩の多い尾根や斜面、崖錐、湿った牧草地、開けた道端に生える。
多年草、高さ30~80㎝。根茎があり、根はひげ根、てい幹は比較的太い。茎は直立し、緩く剛毛があるか~ほぼ無毛、ときに下部に粗毛状絨毛があり(hirsuto-villous)、腺は無い。葉は根生葉(通常は宿存性)と茎葉。根生葉および下部の茎葉の葉身はしばしば顕著な3脈があり、倒披針状へら形~楕円状へら形、長さ80~200㎜×幅15~35㎜、縁は普通、粗い歯があり(歯は1~5対)、ときに全縁、面には弱く剛毛~粗毛があり、腺は無い。茎葉の葉身は披針形~線形、ときに卵形になり、上部に向かって次第に小さくなる(基部は弱く抱茎または抱かない)。頭花は1~4(~7)個(上部の枝から茎の中間まで)。総苞は長さ6~10㎜×幅(10~)12~16(~20)㎜。総苞片は3(~4)列、無毛または中等度の絨毛~白色の粗毛状絨毛があり(ときに花序柄~総苞部分のみ)、密に微細な腺がある。周辺小花45~80個、花冠は白色~ピンク紫色、長さ10~15㎜、小舌は先端がコイル状に巻く。中心小花の花冠は長さ2.5~4㎜。痩果は長さ2~2.8㎜、2(~4)脈があり、面は中程度~密に剛毛がある。冠毛は外側の列が剛毛、内側の列は18~32本の剛毛状の毛(bristles)。花期は6~8(~9)月。
3 Erigeron annuus (L.) Pers. ヒメジョオン 姫女苑
北アメリカ原産 世界中に帰化。中国名は一年蓬 yi nian peng。英名はannual fleabane, daisy fleabane。明治維新の頃、渡来したもの。よく似たハルジオンは春咲きで、ヒメジョオンは秋まで花が見られる。
1年草、2年草又は短命の多年草。原産地の一部では多年草。全体に毛がある。毛は単純、細く、真っすぐで硬い。混合型は短い伏毛((strigose剛毛)と長い広がった又は直立の白色毛である。普通、、小さい腺毛(長さ0.02㎜)が最上部の葉や総苞にある。茎は直立、高さ35~100 (150)㎝、上部で多数、分枝する。茎の中心部は白色の髄(ずい)が詰まり、中実。葉は根生葉(普通、花期までに枯れる) と茎葉。根生葉は長い葉柄がある。茎葉はほとんど均等につき、葉柄は短又は無。総苞は長さ3~5㎜×幅6~12㎜。総苞片は長さ3~5㎜、狭披針形、上部1/3で最も花が広く、漸尖し、草質。周辺小花は80~125個、2列につき、小舌がある。花冠は白色又は帯ピンク色、長さ5~10㎜、花弁部は長さ4~5㎜、狭線形。中心小花は多数、筒形、花冠は黄色、長さ2~2.8㎜、無毛。周辺小花の冠毛は1列につき、鱗片の微細な王冠状、長さ0.2~0.3㎜。中心小花の冠毛は2列につき、外側の列の冠毛は長さ0.2~0.3㎜微細な鱗片の王冠状、内側の列は8~11本のもろくザラつく剛毛で長さ1.6~3㎜。痩果は長さ0.7~0.8(~1)㎜、円筒形、わずかに扁平、2本の対生するうねをもち、上部やうねが長さ約0.05㎜の剛毛でほとんど覆われる。
3-1 Erigeron annuus subsp. annuus ヒメジョオン 姫女苑
synonym Erigeron strigosus var. discoideus Robbins ex A.Gray
synonym Erigeron ramosus var. discoideus (Robbins ex A.Gray) Britton, Sterns & Poggenb.
synonym Erigeron strigosus f. discoideus (Robbins ex A.Gray) Fern.
北アメリカ)(カナダ、USA)に分布。茎と主枝の基部はまばらに、やや長い(長さ0.8~1(~1.5)㎜)直立する毛に覆われる。合成花序の枝には多数の短い(長さ0.1~0.3㎜)の伏した(剛)毛がある。根生葉は楕円形~披針状楕円形、長さ15~50㎜×幅5~15㎜、長い葉柄があり、普通、円鋸歯縁で直立~開出する毛(長さ0.5~0.8(1)㎜)がある。茎葉はまばら、縁は円鋸歯又は歯状[日本では鋭鋸歯](上部ではほぼ全縁~全縁)、類鈍形。下部の茎葉は長円形、基部が狭まり翼状になり長い葉柄があり、長さ0.5~1(~1.2)㎜の毛がある。 中間の茎葉は披針形又はごく狭い菱状披針形、短い葉柄があり、やや多数の長さ0.5~ 0.8(~1)㎜の毛がある。上部の茎葉は狭披針形~線形、無柄、やや多数の長さ0.5(~0.8)㎜の毛がある。頭花は直径1.5~2㎝。総苞片は長さ3.5~5㎜、まばらに長い(長さ0.8~1.2(~1.5)㎜)関節のある毛をもつ。 周辺小花は、雌性、雄しべも冠毛もなく、長さ約6㎜、白色、ときにピンク色を帯びる。総苞片の長さは変化し、周辺小花はときに省略され、減る(ヨーロッパでは観察されない)。茎葉はほぼ全縁~円鋸歯、ときに明瞭な歯状。 2n=3x=27(Eurasia ,USA)。花期は5~10月。
3-1-1 Erigeron annuus (L.) Pers. f. discoideus Vict. et J.Rousseau ボウズヒメジョオン 坊主姫女苑
synonym Erigeron strigosus f. discoideus (Robbins ex A.Gray) Fern.synonym Stenactis annua f. breviradiata Nyar
ヨーロッパでみられ、日本でも稀に見られる。舌状小花が無いもの。Erigeron annuus subsp. annuusに含められる。
3-2 Erigeron annuus subsp. strigosus (Muhl. ex Willd.) Wagenitz ヘラバヒメジョオン 箆葉姫女苑
synonym Erigeron strigosus Muhl. ex Willd.synonym Erigeron pseudoannuus Makino ヤナギバヒメジョオン 柳葉姫女苑
synonym Stenactis pseudoannuus (Makino) Worosch.北アメリカ)(カナダ、USA)に分布。ロシア、日本、朝鮮、太平洋諸島に帰化している。
茎と主枝の基部はまばらに、やや長い(長さ(0.3)0.5~0.8(1.2)㎜)、開出~類直立する(剛)毛に覆われる。合成花序の枝には多数の短い(長さ0.1~0.3㎜)の伏した(剛)毛がある。根生葉はへら形、長さ15~80㎜×幅3~15㎜、小さくはなはだしく円鋸歯があり、伏せ~開出する長さ0.5~0.8㎜の毛がある。茎葉はへら形~狭長円形、まばら、鈍形。下部の茎葉は狭長円形~披針形、長い葉柄があり、小さい円鋸歯がある。中間の茎葉はへら形~狭長円形、短い葉柄があり、普通、全縁、多数の伏した長さ0.3~0.5㎜の毛がある。上部の茎葉は狭長円形~線形、無柄、全縁、多数の伏した長さ0.3~0.5㎜の毛がある。総苞片は長さ3~4㎜、密に(まれにまばらに)剛毛又は基部に関節のある毛(長さ0.5(0.8~1㎜以下)をもつ。周辺小花は長さ約6㎜、淡ライラック色又は白色。総苞と茎の毛は相当、変化し、短毛のものと長毛のものが見られる。茎の毛が長く(長さ0.8~1.2㎜)てまばらな株は茎葉の幅が広い。一方、茎の毛が短く(0.5~0.8㎜)て密な株は茎葉が非常に狭い(正式に認められればE. strigosus var. beyrichii)。2n=2x=18 , 3x=27。
3-3 Erigeron annuus subsp. lilacinus Sennikov & Kurtto
USA、カナダ、メキシコに分布。日本でもよくみられる花が淡ライラック色(淡青紫色)のヒメジョオン。茎と主枝の基部は(ごくまばら)まばら~密に、長い(長さ1~1.5㎜)直立する毛に覆われる。合成花序の枝には多数の短い(長さ0.1~0.3㎜)の伏した(剛)毛がある。根生葉は楕円形~卵形、長さ15~80㎜×幅3~20㎜、長い葉柄があり、粗い鋸歯~円鋸歯縁で、直立~開出する毛(長さ1~1.5㎜)がある。茎葉はむしろ密、全て、小さい~粗いが離れた歯があり、先は鋭形。下部の茎葉は披針形~長円形、長い葉柄がある。中間の茎葉は披針形~菱形、短い葉柄があり、多数の長さ1.5㎜以下の毛がある。上部の茎葉は狭披針形、無柄、多数の長さ0.5~0.8㎜の毛がある。総苞片は長さ3.5~5㎜、まばらに長さ0.8~1.2(~1.5)㎜の関節のある毛をもつ。周辺小花は長さ(6)8~10㎜、淡ライラック色~ライラック色、乾くと帯ピンク色又は青色に変わる。葉や茎の毛の密度は変わり、一般的に上部の葉の下面の毛はよりまばらである。頭花が小さいものもみられる。葉は幅が広いものは歯が粗く、葉の幅が狭いものは歯が小さい。周辺小花の短いものがアメリカで確認されている(Cronquist 1947)がヨーロッパには無い。2n=2x=18(USA) , 2n=3x=27(ユーラシア、USA)。
【ヒメジョオンの亜種 key to 】
1. 茎は基部の半分に多数の伏せ~開出(剛)毛をもち、毛は長さ0.3~0.5(0.8~1.2)㎜。
中間と上部の茎葉は長円形~線形、全縁又はほぼ全縁。
総苞は長さ3~4㎜、普通、剛毛又は基部に関節のある毛をもち、毛は長さ.5(0.8~1)㎜以下。
中間と上部の茎葉は主に長円形~菱形、歯状又はほぼ全縁。
総苞は長さ3.5~5㎜、まばらに関節のある毛をもち、毛は長さ.0.8~1.2(1.5)㎜。
4 Erigeron aureus Greene キバナアズマギク 黄花東菊
北アメリカ(USA、カナダ)原産。英名はgolden fleabane。標高(1500~)1600~2700 mの尾根、裂け目、崖錐(talus)およびその他の岩の多い斜面、高山のツンドラに生える。
多年草、高さ1~15㎝。ひげ根があり、通常、てい幹は単純、まれに分枝する。茎は直立~基部で斜上し、絨毛状粗毛~斜上する剛毛があり、微細で目立たない腺がある。葉は根生葉(宿存性)と茎葉。葉身はへら形~倒披針状へら形、長さ15~60㎜×幅3~13㎜、茎葉は上部で小さくなり、苞状になり、縁は全縁、面は細か粗毛状絨毛があり、緩く剛毛があり、腺は無い。頭花は1個。総苞は長さ(5~)6~8㎜×幅8~15㎜。総苞片は2~3列につき(紫色)、疎~密に羊毛状の絨毛があり(少なくとも縁)、まばらに細かな腺がある。周辺小花は30~50(~68)個、花冠は黄色、長さ6~9(~10)㎜、小舌は緩くコイル状に巻く。中心小花の花冠は長さ1 3~3.8㎜。痩果は長さ11.6~2㎜、2脈があり、面にはまばらに剛毛がある。冠毛は外側の冠毛が剛毛(setae)、内側は14~25本の剛毛状(bristles)。2n=18。花期は6~8(~9)月。 品種) 'Canary Bird' , 'Distler' , The Giant'
5 Erigeron bellioides DC. エリゲロン・ベリオイデス
バハマ、キューバ、ドミニカ、プエルトリコ原産。ハワイ、グアム、パラオ、マーシャル諸島や台湾、沖縄などに帰化している。中国名は類雛菊飛蓬 lei chu ju fei peng。
多年草、小型。繊細な匍匐枝を伸ばす。葉は根生し、しゃもじ形、先は円く、基部は翼のある柄状、長さ1~3.5㎝×幅0.3~1㎝、全縁又は浅く円い欠刻が2~3個あり、まばらに粗毛がある。花茎は高さ3~10㎝、鱗片状に退化した葉をつけ、稀に分枝し、頭花を単生する。頭花は長さ3~4㎜。総苞片は2列、線形、総苞内片は長さ2~3㎜。総苞外片は長さ約1㎜、有毛。舌状花は白色。痩果は淡褐色、長さ約1㎜、短毛がある。冠毛は痩果と同長。花期は通年。(参考5)
6 Erigeron bonariensis L. アレチノギク 荒地野菊
synonym Conyza bonariensis (L.) Cronq.
南アメリカ原産。英名はhairy fleabane, Argentine fleabane, flax-leaf fleabane。中国名は香丝草 xiang si cao 。世界の熱帯、亜熱帯に広く帰化している。日本には明治中頃に渡来し、大正~昭和初期には日本全土に帰化し、現在では道端、荒地などに普通に見られ、市街地に多い。
1・2年草。高さ20~50㎝。茎は直立し、茎頂に総状花序をつけ、横から2~3本ほどの枝を出し、花序より高く伸びるのが特徴である。全体に毛が多く、灰緑色。根生葉は花期にはなく、下部の茎葉は長さ3~5(8)㎝、幅0.3~1(2.5)㎝、粗く羽状に深裂する。中間より上部の葉は長さ(1)3~7㎝、幅0.2~0.5(1)㎝、 鋸歯がまばらで、しばしば強くよじれる。頭花はオオアレチノギクより大きく、直径3~10(約5)㎜。舌状花は白色、65~150個以上、総苞内にあって目立たない。中心花は黄色。花がはじめは白いが、次第にピンク色に変わる。総苞は長さ約5㎜、幅約8㎜。総苞片は2~3列。痩果は長さ約1.5㎜。冠毛は長さ3~4㎜、白色から灰褐色~帯紅褐色になる。2n=54。花期は6~10月。
7 Erigeron canadensis L. ヒメムカシヨモギ 姫昔蓬
synonym Conyza canadensis (L.) Cronquist
synonym Conyza canadensis var. pusilla (Nutt.) Cronquist
synonym Erigeron pusillus Nutt. ケナシヒメムカシヨモギ
synonym Erigeron canadensis L. var. levis Makino
北アメリカ、南アメリカ原産。英名はCanadian horseweed, butterweed, hogweed。中国名は小蓬草 xiao peng cao。明治維新のころ外来し、鉄道に沿って広がったため、鉄道草とも呼ばれていた。 世界の熱帯、亜熱帯に広く帰化している。道端、荒地などに普通に見られる。
1・2年草。高さ1~2m。茎は上部でよく分岐して広がる。全体に明るい緑色、茎及び葉の縁に開出毛が生える。葉は長さ7~10㎝、幅0.5~1㎝の線形、下部の葉は2~4対程度の鋸歯があり、上部の葉はほぼ全縁。頭花は直径約3㎜、はっきり見える白色の舌状花がつく。総苞は淡緑色、長さ3.5~4㎜、幅約2㎜。総苞片は線形、4~5列、総苞片上の1列に並んだ毛がある。痩果は長さ約1.2㎜。冠毛は長さ約2.5㎜。2n=18。花期は8~10月。
8 Erigeron chrysopsidis A. Gray エリゲロン・クリソプシディス
USA原産。英名はdwarf yellow fleabane。
多年草、高さ3~15㎝、直根があり、てい幹は枝分かれする。 茎は直立し(苞がある)、均等に微細剛毛~粗毛があり、普通、微細な腺がある。葉はほとんどが根生葉(束生し、宿存性)(葉柄は顕著に縁毛があり、毛が開出し、基部が太くなる)。葉身は線形~線状倒披針形、長さ40~70(~90)㎜ ×幅1~3㎜。茎葉は小さくなり、苞になり(基部は比較的薄く、鞘状にならない)、縁は全縁、粗い縁毛があり、面は微細剛毛~緩く剛毛がある。頭花は1個。総苞は長さ(3.5~)4.5~7.5㎜×幅9~17㎜。総苞片は2~3列、まばらに剛毛があり、細かな腺がある。周辺小花(雌性)は20~60個、花冠は筒状で小舌を欠く、または小舌は黄色(乾燥すると退色し、ときに、帯白色~クリーム色に見える)、長さ2~10㎜、コイル状に巻かずまたは反り返らない。中心小花の花冠は長さ4~4.5㎜(のど部は筒状)。痩果は長さ2~2.5㎜、2脈があり、面にはまばらに剛毛がある(拡大部は帯黄色)。冠毛は外側の剛毛が不明瞭、内側の剛毛状の毛(bristles)は15~25本。花期は5~6(~7)月。3変種がある。
品種) 'Grand Ridge'
8-1 Erigeron chrysopsidis var. austiniae (Greene) G. L. Nesom
カリフォルニア州、アイダホ州、ネバダ州、オレゴン州に分布する。砂利の多い土壌、開けた斜面、尾根、裂け目、しばしばヤマヨモギやビャクシンがある場所に生える。
茎は粗毛状の絨毛があり(毛は基本的に同種)。総苞は長さ4.5~6㎜。周辺小花に小舌は無いか、または総苞を超えない。中心小花の花冠は長さ3.5~4.5㎜。2n=18。花期は5~6(~7)月。
8-2 Erigeron chrysopsidis var. brevifolius Piper
オレゴン州に分布。岩場の斜面や崖、高山の斜面や頂上に生える。
茎は剛毛~粗毛状の絨毛(毛は同種または異種)がある。総苞は長さ3.5~5.5㎜。周辺小花に小舌は長さ4~7㎜で、総苞を超える。中心小花の花冠は長さ2.5~4.5㎜。花期は6~7(~8)月。
8-3 Erigeron chrysopsidis var. chrysopsidis
オレゴン州、ワシントン州に分布。乾燥した岩場、普通、よもぎのある場所に生える。 茎は粗毛状絨毛がある。総苞は長さ5~6.5(~7.5)㎜。周辺小花の小舌は長さ(6~)8~11㎜、総苞を超える。中心小花の花冠は長さ3~4.5㎜。花期は5~7(~8)月。
9 Erigeron compositus Pursh エリゲロン・コンポジトゥス
ロシア、北アメリカ(カナダ、USA)原産。英名はdwarf mountain fleabane。ヤマヨモギ、ラビット・ブラッシュ(低木)、アスペン(広葉樹)、アスペンモミなどのある亜高山帯の牧草地、崖、距骨、玉石地域に生える。
多年草、5~15(~25)㎝、直根があり、茎は単純であるか、分枝し、枝は普通、比較的太くて短く、まれに細くて根茎状であり、宿存する葉の基部で覆われる。 茎は直立し(単純、±花茎状)、まばらに剛毛状の直軟毛(hispido-pilose)があり、細かな腺がある。 葉は主に根生葉(宿存性)、葉身はへら形~倒卵状へら形、長さ5~50(~70)×(2~)4~12㎜、縁は(1~)2~3(~4)裂の3出(掌状分裂)、または裂け、茎葉は苞状、ほぼ全縁、面には密に微細剛毛~微細軟毛(hispiduloso-puberulant)があるか、ほぼ無毛、微細な腺がある。 頭花(ときに円盤状)は1個。総苞は長さ5~10 × 8~20 mm。 2~3列の苞葉(紫色の先端)、多毛(毛が広がる)、細かい腺状。周辺小花(雌性)は20~60個つき、花冠は白色~ピンク色または青色、普通、長さ6~12㎜、しばしば筒状に退化し(頭花は円盤状:disciform) になり、小舌はコイル状に巻いたり、後屈しない。中心小花の花冠は長さ3~5mm。痩果は長さ1.6~2.7㎜、2脈あり、面にはまばらに剛毛~粗毛がある。冠毛は普通、外側の冠毛は普通、剛毛、ときに無く、内側の冠毛は12~20本の剛毛状。2n=18, 36, 45, 54。花期は(5~)6~8月。
品種) 'Lavender Dwarf' , 'Mount Adams Dwarf' , 'Rocky'
10 Erigeron fukuyamae Kitam. ダイハセンギク
synonym Erigeron morrisonensis Hayata var. fukuyamae (Kitam.) Kitam.
台湾原産。中国名は台湾飞蓬 tai wan fei peng 。標高1800~3000mの高山草原、森林のむき出しの道端に生える。
多年草、高さ10~30㎝、叢生し、根茎は短く、てい幹は枝分かれする。茎は数本、直径1~1.5㎜、直立又は斜上し、上部で分枝し、緑色、まばらに剛毛があり、基部はときにほぼ無毛、有柄の腺がある。 根生葉は披針形、花期には枯れ、まれに存在し、長い葉柄があり、葉身は線形、長さ2~7㎝×幅1~1.5㎝、ほぼ無毛または表面には伏した小剛毛があり、革質、1脈があり、縁は鋸歯縁またはほぼ全縁、先は鋭形または鈍形。茎葉は普通、多数、密生し、上部の茎葉は無柄、次第に小さくなり、長さ2~6㎝×幅0.1~0.3㎝、縁は全縁またはときに離れた鋸歯があり、合生花序上の葉は非常に小さく、長さ5~6㎜。頭花は3~9 個で緩い散房状の合成花序につき、直径1.5~2.3㎝m。花序柄は長さ3~10㎝。総苞は半球形、長さ5~8㎜×幅10~18㎜。総苞片は3列、等長、先は緑色または赤みを帯び、線状披針形、幅0.5~0.7㎜、外面は小剛毛があり、ときにまばらに剛毛もあり、先は尖鋭形。外側の総苞片は長さ4~5㎜、内側の総苞片は長さ5~8㎜、縁は薄膜質。周辺小花は2形態があり、外側の小舌は長さ約6㎜、筒部は長さ約2.5㎜、上部にまばらに毛があり、小舌は帯赤色、幅約0.5㎜。中間と内側の周辺小花は筒状、長さ約2㎜。中心小花は両性、黄色、筒状、長さ約4㎜、細かい伏毛が散在する。痩果は楕円形、約・長さ2㎜×幅0.5㎜、扁平で、細かい伏毛がある。冠毛は白色または帯褐色、2列、外側の剛毛は短く、内側は長さ3.5~4㎜。花期は4~7月。
11 Erigeron glaucus Ker Gawl. エリゲロン・グラウクス
USA原産。英名はseaside daisy , seaside fleabane。沿岸の断崖、砂丘、ビーチに生える。
多年草、高さ5~30㎝(通常は密なコロニーをつくる); 根茎、繊維状、時には枝分かれした尾状の尾側。 茎は平伏~傾伏して斜上し、剛毛状絨毛があるかまたはほとんど無毛で、普通、微細な腺がある。根生葉(通常は宿存性)と茎葉。根生葉の葉身は広卵形~へら形、長さ20~130(~150)㎜×幅10~30(~50)㎜。茎葉は上部で少し小さくなり(肉質、基部がときにほぼ抱茎)、縁は全縁または2~4対の浅い歯があり、面は無毛または粗毛があり、腺は無い。頭花は1~15個。総苞は長さ7~13×幅15~35 mm。総苞片は3~4列、疎~密に絨毛があり(交差壁は色がなく)、細かい腺がある。周辺小花は80~165個、花冠は白色~紫色または青色、長さ8~15㎜、小舌はコイル状に巻く。中心小花の花冠は長さ4.5~5.5㎜。痩果は長さ1.8~2.4㎜、2~4(~6)脈があり、面にはまばらに剛毛がある。冠毛は外側の列は剛毛、内側の列は20~30本の剛毛状の毛(bristles)。2n=18。花期は(3)5~7(12)月。
品種) 'Albus' , 'B. Ladhams' , 'David's Choice' , 'Elstead Pink' , 'Roger Raiche' , 'Rose Purple' , 'Roseus' , 'Sea Breeze' , 'Sennen' , 'Viewpoint Blue' , 'Wayne Roderick' , 'Western Hills'
12 Erigeron karvinskianus DC. ペラペラヨメナ ぺらぺら嫁菜
synonym Erigeron mucronatus DC.
中央アメリカ(メキシコ、コスタリカ、エルサルバトル、ホンジュラス、ガテマラ、パナマ)、南アメリカ(ベネズエラ、コロンビア、エクアドル)、北アフリカ(ケニア、タンザニア、ウガンダ)原産。中国名は加勒比飞蓬 jia le bi fei peng。英名はKarwinsky’s fleabane, Mexican fleabane。別名はペラペラヒメジョオン、メキシコヒナギク。世界で広く栽培され、野生化している。日本には観賞用、緑化用に導入され、関東地方以西で野生化している。河川の土手、石垣の間、荒地に生える。
多年草、高さ20~40㎝。茎は基部からよく分枝し、斜上する。葉は互生し、下部の葉は長さ3~5㎝、3~5裂し有柄。上部の葉は小さく、長楕円形、全縁。頭花は枝先に単生し、直径15~20㎜。総苞は長さ2.5~4㎜、総苞片は2~3列。舌状花は1列につき、白~淡青紫色、 時間の経過とともに赤色を帯び、2色の花が咲くように見える。筒状花は黄色、先が5裂する。冠毛は長い冠毛と極端に短い冠毛が2列につく。痩果は長さ約1㎜、淡褐色、脈は2~4本、毛が散生する。2n=18,27,36。花期は5~11月。
品種) 'Kew Profusion' , 'Lavender Lady' , 'Profusion' , 'Sea of Blossom' , 'Spindrift' , 'Stallone'
13 Erigeron miyabeanus (Tatew. et Kitam.) Tatew. et Kitam. ex H.Hara ミヤマノギク 深山野菊
synonym Aster miyabeanus Tatew. & Kitam.日本(北海道宗谷地方、日高地方、十勝地方、天塩山地)、サハリン原産。
全体にミヤマアズマギク(Erigeron thunbergii A.Gray subsp. glabratus (A.Gray) H.Hara)に似ているが、葉は幅広く、葉身と葉柄の区別がはっきりしている。
多年草、多細胞の巻き毛の毛で密に覆われる。根茎は短く匍匐して単純か、まれに分枝し、木質、直径6~8㎜、昨年の黒化した葉柄で密に覆われ、細い繊維が多数出る。茎は高さ15cm以下、直立し、緑色、条線があり、密に毛があり、しばしば赤色を帯びる。根生葉は花時にあり、外側の葉は小さく、内側の葉は大きく、長さ6~7㎝の長い葉柄がある。外側の葉は葉身が卵形、長さ2.5~3.5cm×幅約2cm、先は鈍形または円形で微突形、基部はしばしば円形またはまれにくさび形、短い葉柄に沿下し、上部の縁には中程度の粗さの鋸歯があり、下部は全縁、ほぼ3脈があり、葉柄は長さ4~5㎝。茎葉は、次第に小さくなり、ヘラ形~へら状長円形~長円形または卵形、先は鈍形または鋭形~尖鋭形、基部は翼のある葉柄があるかまたは無柄、または抱茎。頭花は放射状、幅約3.5cm。総苞は半球形、乾いた状態で長さ1cm、幅2cm、密に直軟毛がある。総苞片は3列、等長、草質、線状披針形、先は帯紫色、尖鋭形。 周辺小花は単列、青色[淡赤紫色、まれに白色]、長さ約13mm、小舌は長さ11mm×幅2㎜、先は鈍形、5うねがあり、筒部は長さ2㎜、外面に毛がある。中心小花は筒状の、長さ約4mm、外面に毛があり、細い筒部は長さ1.5㎜、拡大部は長さ2㎜、裂片は長さ0.5㎜。痩果は長さ2.5mm、円筒形、密に毛があり、4脈がある。冠毛はほぼ等長の長さ2.5~3㎜の褐色の剛毛状毛(Acta Phytotax. Geobot. 2: 90 (1933))。花期は5~9月。
14 Erigeron morrisonensis Hayata ニイタカアズマギク 新高東菊
台湾原産。中國名は玉山飞蓬 yu shan fei peng。標高1500~3600mの高山の牧草地、針葉樹林、岩だらけの頂上付近、小川、開けた岩だらけの斜面、山の尾根の草原、道端、小道の脇に生える。
多年草、高さ5~20(~30)cm、±叢生する。根茎は短い。茎は1~数本、基部で直径0.8~1.5 mm、単純または上部でまばらに分枝し、枝は斜上し、まばらに絨毛~疎毛があり、中程度~密に伏した小剛毛があり、上側ではより密にある。葉は根生葉、花時に宿存し、ロザットをつくり、長い葉柄があり、葉身は倒披針形~狭いへら形、長さ2~6㎝×幅0.2~0.7㎝、表面はほぼ無毛、基部は漸尖し、縁にはまばらに点状の微突があるか、または全縁、ときに離れた狭い鋸歯状の微突があり、ザラつき、先は鈍形で微突形。茎葉は無柄、葉身は線形または長円状披針形、長さ1~3(~5)㎜×幅0.15~5㎜、表面に伏した小剛毛があるかほぼ無毛、基部はくさび形~円形、縁は全縁、絨毛状の縁毛があり、先は鈍形~尖鋭形。上部の葉は次第に小さくなり、最上部の葉は線形、長さ3~5㎜。頭花は2~6個、茎や枝の頂部の散房花序状の合成花序につき、ときに単生し、直径1~2㎝。花序柄は長い。総苞は半球形、長さ5~7㎜×幅11~15㎜。総苞片は3列、緑色(外側)~紫色、線状披針形、中心小花をわずかに超えるか、または等しくなり、中程度~密に細かくザラつき、まばらに腺があるかまたは腺が無く、膜質、縁は絨毛状の縁毛があり、および/または腺がある(上部)、先は尖鋭形。外側の総苞片は長さ2.7~4.2㎜、内側の総苞片は長さ4.8~6.8㎜、縁が狭く薄膜質、不規則に切れ込む。周辺小花は3列、ライラック色~淡紫色、長さ6~7㎜×幅約0.5㎜、筒部は長さ2.7~3.2㎜、小舌の基部まで毛があり、小舌は広がり、乾燥すると平らになる。中心小花は黄色~帯緑色、長さ3.8~4.2㎜、筒部は長さ1.6~1.7㎜、拡大部は狭い漏斗形、裂片は卵形、長さ0.4~0.6㎜、帯紫色。痩果は緑色がかったわら色、長円形、扁平、長さ2~2.5㎜、密に剛毛があり、脈は橙色。冠毛は帯黄色、外側の列は鱗片で長さ0.15~0.25㎜、内側の列は剛毛状の毛で長さ3~3.5㎜。花期は5~11月。
15 Erigeron peregrinus (Pursh) Greene チシマアズマギク 千島東菊
北アメリカ原産。英名はwandering fleabane。
多年草、高さ5~55(~70)㎝。 根茎があり、ひげ根があり、てい幹は普通、単純で太い。茎は直立~基部で斜上し、粗毛~粗毛状絨毛または剛毛状絨毛があり(毛は緩く伏せ、わずかに縮れる)、ときに上部に緩く伏した剛毛があり(var. thompsonii)、腺は無い。 葉は根生葉(宿存性)と茎葉。根生葉の葉身は線状倒披針形~広披針形またはへら形、長さ(30~)50~100㎜×幅5~25㎜。茎葉は上部に向かって次第に小さくなり(、非常に小さい場合を除き、基部は明瞭な亜抱茎)、縁は全縁、面は粗毛~粗毛状絨毛~まばらに小絨毛があるか、またはほぼ無毛~無毛。頭花は1個。総苞は長さ5~9(~12)㎜×幅10~22(~25)㎜。総苞片は2~3(~4)列(縁には普通、縁毛があり)、外面には疎~中程度の絨毛状粗毛があり、普通、腺は無く、ときに先端にまばらに腺点があり、まれに内面にまばらに腺点がある(特に var. thompsonii)。周辺小花は30~80個、花冠は普通、青色~ローズ紫色またはピンク色、ときに白色~淡青色、長さ12~20(~25)㎜(ほとんどが幅1.5~3㎜)、小舌はコイル状に巻く。中心小花の花冠は長さ3.5~4.5㎜。痩果は長さ2.5~2.8㎜、(4~)5(~7)脈があり、面にはまばらに剛毛がある。冠毛は外側の列は剛毛(setae)、内側の列は20~32本の剛毛状の毛(bristles)。2変種がある。
15-1 Erigeron peregrinus (Banks ex Pursh) Greene var. peregrinus
カナダ(アルバータ州、ブリティッシュコロンビア州、ユーコン準州)、USA(アラスカ州)に分布。標高1500~3000mの亜高山帯の牧草地、茂みの開口部に生える。
葉は面に粗毛~粗毛状絨毛があり、ほぼ無毛または無毛はあまり一般的ではない。花序柄は粗毛~粗毛状絨毛(ときに毛が後屈する)~細かい微細剛毛で覆わまる(hirsutulous)。総苞片の縁は縁毛があり、外面は中程度~密に粗毛~粗毛状絨毛があり、本質的に腺は無い。周辺小花の花冠は紫ピンク色または白色。花期は(6~)7~9月。
15-2 Erigeron peregrinus (Banks ex Pursh) Greene var. thompsonii (S. F. Blake ex J. W. Thompson) Cronquist
USA(ワシントン州)に分布。 標高900~1800mの亜高山の針葉樹林、草原、沼地の開拓地に生える。葉は面にまばらに小絨毛があるか、ほぼ無毛。花序柄は細かい絨毛があり(毛が縮れて広がる)、ときに上部に緩く剛毛がある(strigose)。総苞片は縁にときにかろうじて縁毛があり、外面にはまばらに粗毛状絨毛があるか、ほぼ無毛になり、本質的に腺は無く、またはまばらに微細な腺がある。周辺小花の花冠は白色。花期は6~8月。
16 Erigeron philadelphicus L. ハルジオン 春紫苑
北アメリカ原産。英名はPhiladelphia daisy, Philadelphia fleabane, daisy fleabane, frostroot。別名はハルジョオン。大正時代に園芸種として入り、帰化したもの。
2年草。高さ30~100㎝。茎は中空で、長い軟毛が生え、手で茎を押さえると凹みやすい。根生葉は長さ(15)30~110(150)㎜、幅10~25(40)㎜、花期にも残る。葉は長楕円形~へら形で、葉柄に翼があり、茎葉の基部は茎を半分ほど抱く。花は直径約2㎝、白色~淡紅色。春に咲き、花が垂れることも多い。舌状花は糸状、150~250(400)個ほどつく。舌状花、筒状花とも冠毛が長さ2.5~3㎜ほどある。花の冠毛はほとんど見えず、見えるのは2裂した花柱の先と筒状花の花冠である。総苞は長さ4~6㎜。痩果は長さ0.6~1.1㎜。花期は4~5月。2n=18。
品種) 'Lilac Sky'
17 Erigeron planum L.はヒゴタイサイコ属のEryngium planum L.の誤り
品種) 'Blue Dwarf' , 'Blue Hobbit' , 'Jade Frost' , 'Tetrablau'
18 Erigeron pulchellus Michaux エリゲロン・プルチェルス
北アメリカ(USA、カナダ)原産。英名はhairy fleabane , robin's plantain , poor robin's plantain , rose petty , robert's plantain , blue spring-daisy。
多年草、高さ15~60㎝、根茎があり、ひげ根、一次根茎は比較的細く、細い草質の鱗片葉を生じ、匍匐状の根茎を出す(根茎はしばしば収集できないことがある)。茎は直立~斜上し(普通、下部~頭花まで急に広がる)、絨毛があり(下部の1/2でより密になる)、腺は無い。葉は根生葉(宿存性)と茎葉。根生葉の葉身は倒披針形~倒卵形またはほぼ円形~ほぼへら形、長さ20~130(~180)㎜×幅6~30(~50)㎜。茎葉は上部に向かって次第に小さくなり(基部は抱茎、わずかに耳状)、縁は普通、歯~小歯があり、まれに全縁、面には疎~中程度に粗毛~粗毛状絨毛があり、ときに、ほぼ無毛~無毛になり(特に上面)、腺は無い。頭花は1~4(~9)個。 総苞は長さ5~7㎜×幅6~20㎜。総苞片は2~3(~4)列、疎~中程度に粗毛~粗毛状絨毛があり(交差壁ははっきりとした色はない)、微細な腺~有柄の腺がある。周辺小花は50~80(~100)個、花冠は淡青色~紫ピンク色または白色、長さ6~10㎜、小舌は後で遅く、先端がコイル状に巻く。中心小花の花冠は長さ4.5~6㎜。痩果は長さ1.3~1.8㎜、2(~4)脈があり、面にはまばらに剛毛があるかほぼ無毛または無毛。冠毛は外側の列が無いかまたは剛毛、内側の列は(22~)28~36本の 剛毛状の毛(bristles)。3変種がある。
品種) 'Lynnhaven' , 'Meadow Muffin'
19 Erigeron speciosus (Lindl.) DC. エリゲロン・スペキオーサス
USA、カナダ、メキシコ原産。英名はaspen daisy , aspen fleabane , garden fleabane , showy fleabane。乾燥または湿った、砂利またはローム質の土壌 草原に生える。
多年草、高さ30~80(~100)cm。 根茎があり、ひげ根で、てい茎は比較的太い。 茎は直立し、無毛またはまばらに粗毛状の直軟毛があり(毛は長さ0.5~1㎜)、しばしば上部に微細な腺がある。根生葉(通常は花時までに枯れる)と茎葉。根生葉の葉身は倒披針状へら形、長さ30~80(~150)㎜×幅4~18(~28)㎜、縁は完全、しばしば繊毛状(主脈もある)、面は無毛、腺状または遠位まばらに腺状。 尾状刃は卵形から卵形披針形、長楕円形披針形、または披針形で、遠位がほぼ均等な大きさで、時には中程度の大きさです(頭のすぐ下まで続き、基部は通常、クラスプからサブクラスプまで続きます)。 頭花は(2~)4~20個、コリンビ状に並んでいます。 総苞は長さ6~9㎜×幅11~22㎜。総苞片は2~3(~4)列、普通、無毛、ときに粗毛状の直軟毛あり、細かな腺がある。周辺小花は75~150個、花冠は青色~ラベンダー色、まれに帯白色、長さ 8~16㎜ (ほとんどが幅1㎜)、小舌は少なくとも先端でわずかにコイル状に巻く。中心小花の花冠は長さ4~5㎜。痩果は長さ1.5~1.8㎜、2(~4)脈があり、面にはまばらに剛毛がある。冠毛は外側の列は剛毛(setae)、内側の列は20~30本の剛毛状の毛(bristles)。花期は7~10月。
品種) 'Azure Beauty' , 'Dignity' , 'Grandiflora' , 'Grandiflorus' , 'Pink Jewel' , 'Prosperity' , 'Quakeress' , 'Rose Juwel' , 'Rosenballett' , 'Roseus' , 'Shining Sea'
20 Erigeron sumatrensis Retz. オオアレチノギク 大荒地野菊
synonym Erigeron floribundus auct. non (Kunth) Sch.Bip.
synonym Conyza sumatrensis (Retz.) E.Walker
南アメリカ原産。英名は。中国名は苏门白酒草 su men bai jiu cao。英名はbroadleaf fleabane, tall fleabane。世界の熱帯、亜熱帯に広く帰化している。昭和初期に外来した雑草で、市街地にもあるが、郊外の田園地帯に多い。道端、畑地、草地、空地などに普通に見られる。
冬はロゼットになる。1・2年草。高さ1~2m。茎は直立し、開出毛が密に生え、上部で分枝する。全体にやや青色を帯び、灰緑色。葉は長さ6~10㎝、幅1~3㎝の線状倒披針形、両面に毛があり、下部の葉は4~8対の鋸歯があり、上部の葉は全縁。大きな円錐花序に頭花は多数つく。頭花は直径5~8㎜。舌状花は多数、総苞内に隠れ、ほとんど見えない。中心花は6~11個つく。総苞は長さ約4㎜、幅3~4㎜、総苞片は3~4列。痩果は長さ1.2~1.5㎜、冠毛は長さ約4㎜、初期には白色、後に褐色を帯びる。2n=54 。花期は8~10月。
21 Erigeron thunbergii A.Gray アズマギク 東菊 [広義]
21-1 Erigeron thunbergii A.Gray subsp. thunbergii アズマギク 東菊
日本固有種(本州中部地方、関東地方、東北地方)。日当たりのよい山地や海岸の乾いた草地に生える。園芸種として栽培されている。園芸ではミヤコワスレをアズマギクともいう。多年草。茎は叢生又は単生、高さ10~37㎝、密に毛がある。根出葉はロゼット状につき、へら形、長さ4~8㎝×幅1~2㎝。茎葉は披針形、長さ1~3㎝。茎頂に頭花を単生する。頭花は直径3~3.5㎝。総苞に密に毛がある。周辺の舌状小花は3列に多数つき、雌性、淡紅紫色。中心小花は黄色、両性。冠毛は帯紅褐色、長さ約5㎜。花期は4~6月。
21-2 Erigeron thunbergii A.Gray subsp. glabratus (A.Gray) H.Hara ミヤマアズマギク 深山東菊
synonym Erigeron komarovii auct. non Botsch.synonym Erigeron thunbergii A.Gray var. glabratus A.Gray
synonym Erigeron alpicola (Makino) Makino
北海道、本州の中部地方以北に分布。亜高山~高山の砂礫地やガレキ地に生える。
茎は高さ5~20㎝、全体に毛が少ない。根生葉はへら形、長さ5~10㎝。頭花は淡紫紅色~ピンク色。冠毛は汚白色、長さ2.5~3.5㎜。
21-2-1 Erigeron thunbergii A.Gray subsp. glabratus (A.Gray) H.Hara f. albus (Nakai) H.Hara シロバナミヤマアズマギク 白花深山山東菊
ミヤマアズマギクの白花品種。21-2-2 Erigeron thunbergii A.Gray subsp. glabratus (A.Gray) H.Hara f. haruoi Toyok. ユウバリアズマギク 夕張東菊
北海道夕張岳に分布。蛇紋岩地に生える。根生葉が細く、茎や葉に毛が多い。
21-2-3 Erigeron thunbergii A.Gray subsp. glabratus (A.Gray) H.Hara var. angustifolius (Tatew.) H.Hara アポイアズマギク
北海道アポイ岳固有種。岩礫地に生える。多年草。高さ10~30㎝。根出葉は長さ3~4㎝×幅2~4㎜と幅が狭く、下面に光沢があり、短毛が少ない。 頭花はごく薄い淡紅紫色で中心部が濃くなる。冠毛は長さ2~2.5㎜。
21-2-3-1 Erigeron thunbergii A.Gray subsp. glabratus (A.Gray) H.Hara var. angustifolius (Tatew.) H.Hara f. furusei Sugim. シロバナアポイアズマギク
21-2-4 Erigeron thunbergii A.Gray subsp. glabratus (A.Gray) H.Hara var. heterotrichus (H.Hara) H.Hara ジョウシュウアズマギク 上州東菊
本州の中部以北に分布。蛇紋岩変性地に生える。茎には長毛が密にある。根性葉は4~5枚つき、へら形、葉が非常に細く、幅2~5㎜。 花は直径3~4㎝。舌状小花は淡紅紫色。冠毛は長さ約3.5㎜。花期は5~7月。
21-3 Erigeron thunbergii A.Gray subsp. thunbergii f. leucanthus H.Hara シロバナアズマギク 白花東菊
白花品種。22 ハイブリッド
(1) サラガミネアズマギク
アポイアズマギクとキバナアズマギクの交配種。
(2) その他
品種) 'Adria' , 'Amity' , 'Azure Beauty' , 'Azure Fairy' , 'Azurfee' , 'Birch Hybrid' , Black Sea , 'Blue Beauty' , 'Blue Star' , 'Charity' , 'Dainty' , 'Darkest of All' , 'Dignity' , 'Dimity' , 'Doctor Worth' , 'Dominator' , 'Double Beauty' (d) , 'Dr. Haehnle' , 'Dunkelste Aller' , 'Elstead Pink' , 'Felicity' , 'Festivity' , 'Flame' , Foerster's Darling , 'Foerster's Liebling' , 'Four Winds' , 'Gaiety' , 'Goat Rocks' , 'Goliath' , 'H.E. Beale' , 'Karminstrahl' , 'Lidschatten' , 'Lilofee' , 'Mad Marion' , 'Mrs F.H. Beale' , 'Nachthimmel' , 'Offenham Excellence' , 'Pamela' , 'Pink Beauty' , Pink Jewel , Pink Triumph , 'Professor Korodi' (d) , 'Profusion' , 'Prosperity' , 'Quakeress' , 'Rocky' , 'Rosa Juwel' , 'Rosa Triumph' , 'Rosenballett' , 'Rotes Meer' , 'Schneewittchen' , 'Schone Blaue' , 'Schwarzes Meer' , 'Sea Breeze' , 'Sea of Blue' , 'Serenity' , 'Sincerity' , 'Snow Queen' , 'Snow White' , 'Sommerabend' , 'Sommerneuschnee' , 'Spanish Daisy' , 'Strahlenmeer' , 'Synehurst' , 'The Jewel' , 'Unity' , 'Violetta' , 'Viridis' , 'Wayne Roderick' , 'White Quakeress' , 'Wuppertal'
イズハハコ属
family Asteraceae - genus Eschenbachia1年草、2年草又は多年草。茎は直立、単純又は分枝し、粗毛(hirsute)又は伏した剛毛(strigose)がある。葉は互生、全縁~粗い鋸歯縁、羽状深裂又は羽状浅裂。頭花は円盤型頭花(disciform:中心小花は両性又は機能が雄性、舌状小花は雌性)、少数~多数、散房花序状、ときに、球状花序状、球状円錐花序状、又は円錐花序状の合成花序につき、まれに集散花序状につき、まれに花が単生する。総苞は鐘形~半球状鐘形。総苞片は3又は4列、覆瓦状につき、倒卵形卵状披針形~披針形~線状披針形~線形、膜質、緑色、±広く中脈に沿い、縁と先は薄膜質。花托は半球形状平ら~半球形状円錐形~レンズ形状こぶ状~ハチの巣状(中央部は中心小花をつけ、明瞭な広いハチの巣をもつ)、長毛縁。小花は稔性。周辺小花は雌性、多数、白色、花冠は糸状に筒になり、取り除かれ、花柱の長さの約1/2。中心小花は両性、少数~多数、黄色又は帯黄色、拡大部は漏斗形、裂片は5個。葯は基部が鈍形。花柱の枝は袁譚が短い。痩果は長円形又は披針形、扁平、±小剛毛があり、ときに腺があり、縁は2うねがある。冠毛は白色~黄白色~シナモン色~±帯赤色、1列、ときに基部が輪状に合着し、しばしば、脱落性、ほぼ等長の細かいひげ状の剛毛である。
世界に約7種があり、南~東アジア、オーストラリア分布する。
イズハハコ属 の種
1 Eschenbachia aegyptiaca (L.) Brouillet キクバイズハハコsynonym Erigeron aegyptiacus L.
synonym Conyza aegyptiaca (Linnaeus) Aiton
synonym Nidorella aegyptiaca (L.) J.C.Manning & Goldblatt [Kewscience]
日本(宮古島,石垣島・西表島・与那国島)、中国、台湾、インド、パキスタン、バングラディシュ、ミャンマー、ベトナム、マレーシア、南西アジア、アフリカ、オーストラリア原産。中国名は埃及白酒草 ai ji bai jiu cao 。
※KewscienceではNidorella aegyptiaca としアフリカを分布域に含め、オーストラリアは帰化としている。
2 Eschenbachia blinii (H.Lev.) Brouillet
synonym synoym Conyza blinii H. Leveille
中国原産。中国名は熊胆草 xiong dan cao
3 Eschenbachia japonica (Thunb.) J.Kost. イズハハコ
synonym Conyza japonica (Thunb.) Less.
日本、中国、台湾、インド、ブータン、ネパール、パキスタン、アフガニスタン、ミャンマー、タイ、ベトナム、マレーシア原産。中国名は白酒草 bai jiu cao
4 Eschenbachia leucantha (D.Don) Brouillet ネバリイズハハコ
synonym Eschenbachia viscidula (Wall. ex DC.) Koste
synonym Conyza leucantha (D.Don) Ludlow et P.H.Raven
synonym Conyza viscidula Wall. ex DC.
中国、台湾、インド、ブータン、メパール、バングラディシュ、カンボジア、ラオス、ミャンマー、タイ、ベトナム、インドネシア、マレーシア、フィリピン、オーストラリア原産。中国名は粘毛白酒草 nian mao bai jiu cao 。
5 Eschenbachia maxima (Zoll.) J.Kost.
synonym Conyza maxima Zoll. & Mor.
ジャワ島原産。
6 Eschenbachia muliensis (Y.L.Chen) Brouillet
synonym Conyza muliensis Y. L. Chen
中国原産。中国名は木里白酒草 mu li bai jiu cao
7 Eschenbachia perennis (Hand.-Mazz.) Brouillet
synonym Conyza perennis Handel-Mazzetti
中国原産。中国名は宿根白酒草 su gen bai jiu cao
8 Eschenbachia rufa (Wall. ex DC.) Raizada
synonym Conyza marginata Edgew.
インド、ヒマラヤ原産。
旧イズハハコ属(Conyza)の学名移動先
1 Conyza canadensis (L.) Cronquist ヒメムカシヨモギ⇒Erigeron canadensis L.2 Conyza bonariensis (L.) Cronquist アレチノギク⇒ Erigeron bonariensis L.
3 Conyza japonica (Thunb.) Less. イズハハコ⇒ Eschenbachia japonica (Thunb.) Koster
4 Conyzanthus squamatus (Spreng.) Tamamsch. ヒロハホウキギク⇒ Symphyotrichum subulatum (Michx.) G.L.Nesom var. squamatum (Spreng.) S.D.Sundb.
5 Conyza aegyptiaca (L.) Aiton キクバイズハハコ⇒ Eschenbachia aegyptiaca (L.) Brouillet
6 Conyza viscidula Wall. ex DC. ネバリイズハハコ⇒ Eschenbachia leucantha (D.Don) Brouillet
synonym Conyza leucantha (D.Don) Ludlow et P.H.Raven
7 Conyza parva Cronquist ケナシヒメムカシヨモギ⇒ Erigeron pusillus Nutt.
synonym Conyza canadensis (L.) Cronquist var. pusilla (Nutt.) Cronquist
8 Conyza sumatrensis (Retz.) E.Walker オオアレチノギク⇒ Erigeron sumatrensis Retz
synonym Conyza floribunda auct. non Kunth
参考
1) GRINAnaphalis
Anaphalis
Erigeron
Anaphalis
コケセンボンギクモドキの正体
Aster Miyabeanus