ヤマクルマバナ 山車花
Flora of Mikawa
シソ科 Lamiaceae トウバナ属
別 名 | エゾクルマバナ、アオクルマバナ、アオミヤマトウバナ、オオミヤマトウバナ |
学 名 | Clinopodium multicaule var. shibetchense (H.Lév.) Melnikov synonym Clinopodium chinense (Benth.) Kuntze var. shibetchense (H.Lev.) Koidz. synonym Clinopodium chinense (Benth.) Kuntze var. glabrescens (Nakai) Ohwi |
花 期 | 6~8月 |
高 さ | 20~80㎝ |
生活型 | 多年草 |
生育場所 | 山地の草原 |
分 布 | 在来種 北海道、本州、四国、九州、朝鮮 |
撮 影 | 新城市 13.6.28 |
多年草。高さ20~80㎝。茎は倒れぎみに斜上し、全体に軟弱で毛が多い。葉は対生し、短い柄があり、長さ3~7㎝、幅1~3㎝の卵形~長卵形、鋸歯があり、基部は円形。葉の両面にまばらに白毛があり、葉裏の腺点は目立たない。数段の仮輪に密集して多数、花がつく。花は白色~淡紅紫色を帯び、唇形、長さ6~8㎜。上唇は小さく、浅い切れ込みが入り、下唇は大きく、3裂する。萼は緑色、開出する長剛毛があり、ときに腺毛がある。萼歯は5個、上側の3個は小さく、下側の2個は細く尖る。苞葉は線形、開出する長剛毛がある。果実は4分果。2n=38。6~8月。
1 Clinopodium multicaule (Maxim.) Kuntze ヤマトウバナ 山塔花
synonym Clinopodium multicaule (Maxim.) Kuntze var. taquetii (H.Lev. et Vaniot) H.Hara
synonym Clinopodium gracile (Benth.) Kuntze var. multicaule (Maxim.) Ohwi
日本(本州の中部地方以西、四国、九州、沖縄)、朝鮮、サハリン原産。多年草。高さ10~25㎝。茎は単生又は束生する。葉は対生し、長さ2~5㎝の卵形~長卵形、先はやや尖り、縁に粗い鋸歯がある。葉柄の長さは6~15㎜。葉の裏面の腺点はまばら。茎頂部に1~2㎝の短い花序1個だけをつける。花は白い唇花で、花冠は長さ7~9㎜。花柄は長さ2~3㎜。萼は長さ5~6㎜、脈上に短毛があり、長毛はあってもわずかで、腺点がほとんどなく(まばらにある)、萼歯の内側に毛がある。花期は6~10月(沖縄1月)。
1-1 Clinopodium multicaule var. multicaule ヤマトウバナ 山塔花 狭義
日本(本州の中部地方以西、四国、九州、沖縄)、朝鮮、サハリン原産。
1-2 Clinopodium multicaule var. shibetchense (H.Lév.) Melnikov ヤマクルマバナ 山車花
synonym Clinopodium chinense (Benth.) Kuntze subsp. glabrescens (Nakai) H.Hara
synonym Clinopodium umbrosum (M.Bieb.) K.Koch var. shibetchense (H.Lev.) McKean
synonym Clinopodium kunashirense Probat.synonym Clinopodium japonicum Makino
synonym Clinopodium chinense (Benth.) Kuntze var. shibetchense (H.Lev.) Koidz.
synonym Clinopodium chinense (Benth.) Kuntze var. glabrescens (Nakai) Ohwi
synonym Calamintha chinensis Benth.日本(北海道、本州、四国、九州)、朝鮮原産。別名はエゾクルマバナ、アオクルマバナ、アオミヤマトウバナ、オオミヤマトウバナ。
多年草。高さ20~80㎝。茎は倒れぎみに斜上し、全体に軟弱で毛が多い。葉は対生し、短い柄があり、長さ3~7㎝、幅1~3㎝の卵形~長卵形、鋸歯があり、基部は円形。葉の両面にまばらに白毛があり、葉裏の腺点は目立たない。数段の仮輪に密集して多数、花がつく。花は白色~淡紅紫色を帯び、唇形、長さ6~8㎜。上唇は小さく、浅い切れ込みが入り、下唇は大きく、3裂する。萼は緑色、開出する長剛毛があり、ときに腺毛がある。萼歯は5個、上側の3個は小さく、下側の2個は細く尖る。苞葉は線形、開出する長剛毛がある。果実は4分果。2n=38。6~8月。
1-3 Clinopodium multicaule (Maxim.) Kuntze var. yakusimense (Masam.) Yahara ヤクシマトウバナ 屋久島塔花
synonym Clinopodium minimum H.Harasynonym Clinopodium micranthum (Regel) H.Hara var. yakusimense (Masam.) H.Hara
synonym Clinopodium gracile (Benth.) Kuntze var. minimum (H.Hara) Ohwi
synonym Clinopodium yakusimense (Masam.) H.Harasynonym Clinopodium multicaule Maxim.) Kuntze var. minimum (H.Hara) Ohwi
屋久島に分布する。別名はコケトウバナ。山地の木陰に生育する。小型の多年草。高さ5cm程度。葉は対生し、卵形、長さ5~7㎜、先は鈍形、縁に粗い鋸歯がある。花は白色。花冠は2唇形、上唇は小さく、下唇は大きく、4裂する。
クルマバナ subsp. grandiflorum は茎が直立し、萼が通常紫色を帯び、開出毛が多く、腺毛はない。仮輪の花はやや少なく、やや大きい。
オキナワクルマバナ subsp. chinense (var. chinense )は九州(南部以南)、沖縄、中国に分布し、中国名を 风轮菜(feng lun cai )という。全体に毛が多く、茎に腺毛が混じる。萼は紅紫色を帯び、剛毛と腺毛が多数ある。
ミヤマクルマバナ Clinopodium macranthum は側脈が中軸に対して鋭角になり、花冠が大きい。
トウバナ Clinopodium gracile は葉が無毛、葉裏に腺点がない。