ウメ 梅

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Flora of Mikawa

バラ科 Rosaceae アンズ属(スモモ属)

英 名 Chinese plum, Japanese apricot
中国名

梅 mei

学 名 Armeniaca mume (Siebold et Zucc.) de Vriese
Prunus mume Sieb. et Zucc.
ウメの花
ウメの花の裏
ウメの花横
ウメの淡紅色の花
ウメの果実
ウメの葉裏の毛
ウメの幹
ウメの地衣類のついた幹
ウメ
ウメ蕾
ウメ枝
ウメ葉
ウメ葉の鋸歯
花 期 2~3月
高 さ 5~6m
生活型 落葉小高木~高木
生育場所 果樹園、公園、庭
分 布 在来種 日本、朝鮮原産
帰化種 中国中部原産
撮 影 西尾市  12.3.7
学名はYList に従いArmeniaca mumeとした。梅は日本では中国原産説の栽培種とするのが通説であるが、Flora of Chinaでは日本、朝鮮原産としている。
 全国で果樹として栽培されている。花を観賞するため、庭や公園にもよく植えられ、有名な梅園も多い。梅の木は庭や畑などに多く、植物の観察会でも目にすることが多い。ウメはスモモ属(サクラ属ともいう)に分類されていることが多いが、狭義にアンズ属(Armeniaca)とする見解もある。ウメの栽培は古く、多数の園芸品種がある。園芸品種についてはウメ(園芸品種)を参照。
 幹は暗灰色で、割れ目が入る。老木は樹幹に地衣類のウメノキゴケがついていることが多く、ヨウラクランクモランが見られることもある。新枝は緑色。葉は互生し、長さ4~9㎝の倒卵形~楕円形、葉先が尖り、縁には細かい鋸歯がある。葉の両面に毛が多く、脈の白毛が目立つ。葉柄は長さ1~2㎝、蜜腺が葉身の基部又は葉柄にある。葉の展開前に開花する。花は普通、白色の5弁花、紅色や淡紅色もある。花弁の先は円形。雌しべ1個。雄しべ多数。萼筒が短く、萼片は反り返らない。花柄はほとんどない。果実は直径2~3㎝の核果。核は扁平な惰円形、表面にしわがあり、小さな穴が多数ある。2n=16 , 24
 アンズ(apricot)Armeniaca vulgaris var. ansu は、幹が赤褐色、新枝は紫褐色。葉は鈍鋸歯縁。花は淡紅色。萼片が反り返る。花柄はごく短い。
 スモモ(prune, plum)は幹が紫褐色。花が白色。萼片は反り返らず、平開する。花柄は長さ約1.5㎝。
 モモ(モモ属)は幹が暗紫褐色、サクラのような横長の皮目がある。花は淡紅色、白色や紅色もある。萼片は反り返らない。花柄はほとんどない。
 ヤマザクラなどのサクラ属は花弁の先が凹み、花柄が長く、萼片が反り返らない。核の表面に溝がない。
 カラミザクラ もサクラ属である。別名シナノミザクラといい、暖地桜桃ともよばれ、1本の木で結実する。花が3月に咲き、果実がやや大きい。
 日本のサクランボはサクラ属のセイヨウミザクラ Cerasus avium (L.) Moench であり、西アジア原産。日本には明治時代に渡来したといわれている。花弁の先は凹まず、萼片が反り返り、花柄が長い。

ウメの歴史

 梅(うめ)は栽培起源がわからないほど、古くから親しまれてきた花木である。日本では弥生時代前期の古墳から梅の遺物が発見されている。弥生時代前期は紀元前11世紀~4世紀(約2300(約2900~紀元前200年頃という説もある)といわれている。この時代に稲は中国から日本に渡来したとされている。それ以前の遺跡から梅は発見されていないため、この時代に梅が日本へ渡来したとするのが通説である。ただし、台湾、大分県、宮城県の一部の山間に野性の梅がみられ、これを自生とする説もある。Flora of Chinaでは中国で広く栽培されている栽培種を Armeniaca mume var. mume とし、中国ではこの野生種は確認されていないが、日本、朝鮮、台湾には野生種があると解説している。中国の自生種は別の3変種である。
 中国では殷(縄文時代晩期) の遺跡から梅の核が発見され、梅の栽培は3000年以上の歴史があると推定されている。

ウメの分類

ウメの分類は属を広義のスモモ属(広義のサクラ属)とする説と狭義にアンズとウメを含むアンズ属 Armeniaca とする説がある。GRINやThe pant Listではスモモ属の Prunus mumeとし、YlistやFlora of Chinaではアンズ属の Armeniaca mume を採用している。スモモ属 Prunusとした場合は広義なのか狭義なのかわかりにくい。
【広義のスモモ属 Prunus(=広義のサクラ属 Cerasus)中の亜属】
モモ亜属 Subgenus Amygdalus 、スモモ亜属 Subgenus Prunus 、アンズPrunus vulgarisなどを分けた)、サクラ亜属 Subgenus Cerasus 、ニワウメ亜属 Subgenus Lithocerasus 、ウワミズザクラ亜属 Subgenus Padus 、バクチノキ亜属 Subgenus Laurocerasus

 ※スモモ亜属の中から ウメやアンズなどをウメ亜属 Subg. Armeniacaとして独立する説もある。
 ※亜属を属とする説もある。

 被子植物(Angiosperm)-真正双子葉類(Eudicots)-コア真正双子葉類(Core eudicots)-バラ上群(Superrosids)-バラ類(Rosid)-窒素固定クレード(nitrogen-fixing clade)-バラ目(Rosales)-バラ科 (Rosaceae)-サクラ亜科(Amygdaloideae =スモモ亜科Prunoideae)-サクラ属=スモモ属(Prunus)-スモモ亜属(Subgenus Prunus)=ウメ亜属(Subgenus Armeniaca)
  スモモ亜属の中のアンズ節を亜属又は属(Armeniaca)とする見解もある。
  スモモ亜属中の節
   ①アンズ節(Section Armeniaca) Apricot Trees; アンズ(アプリコット)、ウメ
     芽型は内巻き。花は1~3個束生。花軸は極短。果実は有毛まれに無毛、白紛状で無い。
   ②スモモ節 Section Prunus - Old World Plum Trees; 約16種 ニホンプラム
     芽型は内巻き。花は1~3個束生。果実は平滑、しばしば白紛状。
   ③Section Prunocerasus (meaning prune-cherry)約14種, プラム New World Plum Trees
     以前はサクラ亜属(Subgenus Cerasus)に入れられていた。
     芽型は内巻き。花は3~5個束生。果実は平滑、しばしば白紛状。
 英語ではウメをplumと呼ぶため、スモモとウメを混同しやすい。
 最近の研究ではウメ、スモモ、アンズはお互いに交雑することはあるが、明確に種として分化しているといわれている(筑波大学 林恭平博士の研究)。
  アンズArmeniaca vulgaris Lam.= Prunus armeniaca L. var. ansu Maxim.
  スモモ Prunus salicina Lindl.
  ウメ Armeniaca mume (Siebold et Zucc.) de Vriese= Prunus mume Sieb. et Zucc.
      Armeniaca mume Siebold et Zucc var. mume

アンズ属

 family: Rosaceae - subfamily Amygdaloideae - genus Armeniaca
【アンズ属 Armeniaca】 広義のスモモ属(サクラ属)Prunusの亜属にあたる
高木まれに低木、落葉。枝は刺がなくまれに刺がある。冬芽は腋生、単生、頂部に冬芽はできない。托葉は無。葉は単葉、互生、若いときに巻き込む。葉柄に普通、2個の蜜腺がある。葉縁は単鋸歯又は重鋸歯。花序は明瞭な腋生、花が1~3個つく。花は両性、正常、単性又は3個束生、葉の展開前に又はまれに葉と一緒に開花する。花柄はほとんど無いか非常に短く、まれに長いものもある。花托筒は果時には早落する。萼片は5個、覆瓦状。花弁5個、花托筒の口部につき、覆瓦状。雄しべは15~ 45個。花糸は離生、糸状。心皮は1(又は2)個。子房は上位、有毛、1室。胚珠は2個、並列、下垂。花柱は頂生、長い。果実は核果、側面が圧縮、有毛まれに無毛、縦に明瞭な溝がある。中果皮は多肉質又は肉質、熟しても割れず、まれに乾き、熟すと割れる。内果皮は堅く、2バルブ、両側から圧縮され、表面は平滑、凸凹、網状、まれに小穴があり、中果皮から離れ又はつく。種子は苦い又は甘い。
 アジア東部~南西に約11種分布する。
【狭義のスモモ属 Prunus】 スモモ亜属をスモモ属としアンズ属Armeniacaを含めない狭義
高木まれに低木、落葉。枝はときに、刺のような先ンある。冬芽は腋生、卵形、頂生しない。托葉は膜質、早落性。葉は単葉、互生、若いときに巻き込む(又は二つ折り)、有柄又は無柄。蜜腺が葉柄の先や葉身の基部につく。葉身は様々な円鋸歯又は粗い鋸歯縁。花序は明らかな腋生、花が1~3個、束生する。芳は小さく、早落性。花は葉の展開と同時又はより早く開花する。花托筒は鐘形。萼片は5個、覆瓦状。花弁5個、白色ときに紫色の脈があり、まれに帯緑色、花托筒の拡大部につき、覆瓦状。雄しべは20~30個、2輪につく。花糸は不等長。心皮は1個。子房上位、1室、無毛とき軟毛がある。胚珠は2小、下垂。花柱は頂生、長い。果実は核果、しばしば白紛状、普通、縦の溝がある。中果皮は肉質、熟しても割れない。内果皮(核)は側面が圧縮され、平滑、まれに溝やしわがある。x=8。
 アジア、ヨーロッパ、北アメリカに約30種が分布する。

中国の梅

 中国語では梅(mei)、果実は梅子(meizi)という。梅の木は普通、寿命が長く、古木が中国中で見かけられる。黄梅県にある黄梅(Huangmei (Yellow Mei))は金朝時代からの樹齢1600年の古木で、今でも花が咲く。殷(紀元前14~12世紀)の遺跡からウメの核が発掘され、栽培の歴史は3000年以上前からと推定されている。Flora of China ではウメを Armeniaca mume (Siebold et Zucc.)とし中国で広く栽培されている栽培種をvar. mumeとしている。これが日本、朝鮮、台湾のものと同じであり、中国では野生種は確認されていない。

 3つの自生の変種に分類されている。
1.梅(標準変種) var. mume:栽培種であり、野生種は知られていない。
    Flora of Chinaでは日本、朝鮮の原産としている。
   葉身は卵形~披針形、薄い。花柄は長さ1~3㎜。内果皮(核)は楕円形、基部が楔形。
   栽培されている。
 ※台湾の野生種はPrunus mume var. formosana と呼ばれている。
2.毛茎梅(mao jing mei) var. pubicaulina :海抜約2500mの山中 W Yunnan (Yunlong Xian).
   小枝や葉柄は白色の短毛を密生する(incanous)
3.厚叶梅(hou ye me) var. pallescens :四川省、雲南省の海抜1700~3100mの森林の斜面、河畔
  葉身は卵形~卵状楕円形、厚い、類革質。花柄は長さ5㎜を越えない。
  内果皮は類球形、基部は鈍形~円形。
4.长梗梅(chang geng mei )var. cernua :雲南省の海抜1900~2600mの山道や川沿いの斜面、疎林
  葉身は倒卵形~倒卵状倒披針形。花柄は1㎝以下(普通0.5㎝を越えない)。