ヨウラクラン 瓔珞蘭
Flora of Mikawa
ラン科 Orchidaceae ヨウラクラン属
中国名 |
小叶鸢尾兰 xiao ye yuan wei lan |
学 名 | Oberonia japonica (Maxim.) Makino |
花 期 | 4~7月 |
高 さ | 2~8㎝ |
生活型 | 多年草 |
生育場所 | 樹幹、岩上 |
分 布 | 在来種 本州(宮城県以南)、四国、九州、沖縄、朝鮮、中国(福建省)、台湾 |
撮 影 | 鳳来町 05.5.29 |
茎は明瞭、1~2㎝。葉は数枚、基部に2列跨状(重なり合って互生)につき、側部が扁平になり、線状披針形、わずかにかま形、長さ10~20(~30)㎜×幅2~3.5(~5)㎜、やや厚く、基部は関節がなく、先は鋭形または尖鋭形。花序柄はほぼ円柱形、長さ2~8㎝、やや細く、翼の無い。花序軸は多数、花がつく。花の苞は卵状披針形、長さ1(~2)㎜、先は尖鋭形。花は黄緑色~赤橙色、直径は1㎜未満です。小花柄と子房は長さ1~2㎜、しばしば、花の苞よりわずかに長い。萼片は広卵形~卵状楕円形、約・長さ0.6㎜×幅0.4㎜。側萼片は、しばしば背萼片よりわずかに大きくなる。花弁はほぼ長円形または卵形、約・長さ0.6㎜×幅0.4㎜、先は鈍形。唇弁は濃く、赤褐色、外形が広長円状卵形、長さ0.6~0.8㎜、3裂する。側裂片は斜めに広がり、卵状三角形、全縁。中裂片は楕円形、広長円形、またはほぼ円形、側裂片より著しく大きく、先は凹形、ときに切れ込みに小さな歯がある。花期は4~7月。2n=30。
写真はクモランの近くについていたものである。
多年草、着生。茎はしばしば葉の基部に囲まれ、普通、束生し、まれに長い根茎につき、直立または垂れ下がり、短いかまたはやや長い。葉はiridiform(アイリスに似て、維管束が2点に向くように2つ折りになり半分が融合した平らな葉を持つ)で、片面性で、まれに円柱形、しばしば肉質で、基部に関節があるか、または無く、2列生(distichous)、普通、跨状(equitant)、しばしば基部で覆瓦状であり、しばしば基部近くで広がり、平らな鞘になり、しばしば下半分の上面に狭い膜質の縁をもつ。花序は頂生、総状花序、分枝せず、有毛または無毛、普通、花が多数つく。花序柄は下部に花のつかない苞がある。花の苞は宿存し、しばしば縁がギザギザになる(erose)。花はしばしば輪生し、逆さまにならず(not resupinate)、平らで、非常に小さく、普通、直径がわずか1~2㎜。子房は無毛またはパピラ(乳頭状突起)がある。萼片と花弁は離生、広がる。花弁はしばしば萼片よりも狭く、ときに縁がギザギザになる。唇弁は普通、広がり、無柄、全縁または分裂する。縁はときにギザギザになる(erose)かまたは房状へりになり、ときに基部が凹面状になり、カルス(calli)は有または無、距は無い。側裂片はしばしばずい柱を取り囲む。ずい柱は直立し、短く、足がなく、翼は普通、無い。葯帽は頂生、ずい柱の先にしっかりつき、2室。花粉塊は4個、2つの不均等なサイズの対に密着し、ろう質(waxy)。粘着体(viscidium)は無いか省略される。柱頭は横長の腎形~卵形。嘴状体(rostellum)は突き出る。
世界に150~200種あり、熱帯の南アジアと東南アジアを中心に分布し、熱帯アフリカ、マダガスカル、マスカリン諸島、フィリピン、ニューギニア、オーストラリア北東部、タヒチにまたがる南西太平洋の島々に広がる。
中国、マレーシア(半島)、ミャンマー、タイ、ベトナム原産。中国名は长裂鸢尾兰 chang lie yuan wei lan。
1-1 Oberonia anthropophora Lindl. var. arisanensis (Hayata) T.Hashim. クスクスヨウラクラン
synonym Oberonia arisanensis Hayata
synonym Oberonia kusukusensis Hayata
別名はアリサンヨウラクラン。
2 Oberonia caulescens Lindl. サケバヨウラクラン 裂葉瓔珞蘭
中国、台湾、ブータン、インド、ネパール、ベトナム原産。中国名は狭叶鸢尾兰 xia ye yuan wei lan。
3 Oberonia formosana Hayata タイワンヨウラクラン 台湾瓔珞蘭
台湾原産。Oberonia japonica (Maximovicz) Makinoの異名ともされている。
4 Oberonia gigantea Fukuy. ツリシャガヨウラクラン
台湾原産。中国名は橙黄鸢尾兰 cheng huang yuan wei lan。
5 Oberonia insularis Hayata ハシリヨウラク
synonym Oberonia pumila (Fukuy. ex S.C.Chen et K.Y.Lang) Ormerod [Flora of China]
synonym Oberonia sinica (S.C.Chen & K.Y.Lang) Ormerod
中国、台湾原産。中国名は宝岛鸢尾兰 bao dao yuan wei lan。別名はタカサゴヨウラクラン。
5-1 Oberonia insularis Hayata var. rotunda (T.P.Lin et W.M.Lin) T.P.Lin
6 Oberonia japonica (Maxim.) Makino ヨウラクラン 瓔珞蘭
日本(琉球)、朝鮮、台湾原産。中国名は小叶鸢尾兰 xiao ye yuan wei lan。林内の樹幹、岩上に着生する。
茎は明瞭、1~2㎝。葉は数枚、基部に2列跨状(重なり合って互生)につき、側部が扁平になり、線状披針形、わずかにかま形、長さ10~20(~30)㎜×幅2~3.5(~5)㎜、やや厚く、基部は関節がなく、先は鋭形または尖鋭形。花序柄はほぼ円柱形、長さ2~8㎝、やや細く、翼の無い。花序軸は多数、花がつく。花の苞は卵状披針形、長さ1(~2)㎜、先は尖鋭形。花は黄緑色~赤橙色、直径は1㎜未満です。小花柄と子房は長さ1~2㎜、しばしば、花の苞よりわずかに長い。萼片は広卵形~卵状楕円形、約・長さ0.6㎜×幅0.4㎜。側萼片は、しばしば背萼片よりわずかに大きくなる。花弁はほぼ長円形または卵形、約・長さ0.6㎜×幅0.4㎜、先は鈍形。唇弁は濃く、赤褐色、外形が広長円状卵形、長さ0.6~0.8㎜、3裂する。側裂片は斜めに広がり、卵状三角形、全縁。中裂片は楕円形、広長円形、またはほぼ円形、側裂片より著しく大きく、先は凹形、ときに切れ込みに小さな歯がある。花期は4~7月。2n=30。
6-1 Oberonia japonica (Maxim.) Makino f. rubriflora Honda ベニバナヨウラクラン 紅花瓔珞蘭
花が赤橙色。
6-2 Oberonia japonica (Maxim.) Makino f. viridescens (Makino) Honda ex M.Nakajima et H.Ohba アオバナヨウラクラン 青花瓔珞蘭
花が黄緑色。
7 Oberonia linguae T.P.Lin et Y.N.Chang
台湾原産。中国名は圓唇莪白蘭 yuan chun e bai lan [Taiwania 58: 263 (2013)]
8 Oberonia lotsyana J.J.Sm.
タイ、インドネシア原産。
品種) 'Peterborough'
9 Oberonia makinoi Masam. オオバヨウラクラン 大葉瓔珞蘭
synonym Oberonia variabilis auct. non Kerr
synonym Oberonia japonica (Maxim.) Makino [Plants of the World Online] YListでは別種としているが、World Checklist of Vascular Plants、GBIFなどではヨウラクラン(Oberonia japonica)に含めている。
本州(和歌山県)、四国、九州、伊豆諸島、屋久島、沖縄、台湾、イントシナに分布する。別名はオオバノヨウラクラン。陰湿な照葉樹林内の渓流沿いの樹幹、岩上に着生する。
常緑の多年草。高さ5~10㎝。茎は束生し,下垂する。葉は2列互生し、密に重なり合ってつき、披針形、やや多肉質、幅が広く、長さ3~5㎝×幅5~8㎜。穂状花序は頂生、長さ2~8㎝、花を多数つける。花は赤褐色、小さく、幅約1㎜。苞は三角状披針形、長さ約1㎜。唇弁は側裂片と中裂片との間の切れ込みが浅く、中裂片は先が2裂し、切れ込みはヨウラクランより浅い。ずい柱はやや短く、突出しない。花期は7~8月
10 Oberonia rosea Hook.f.
synonym Oberonia kusukusensis Hayata.
台湾、マレーシア、ベトナム原産。中国名は玫瑰鸢尾兰 mei gui yuan wei lan。
11 Oberonia segawae T.C.Hsu et S.W.Chung
台湾原産。中国名は齿唇鸢尾兰 chi chun yuan wei lan。
12 Oberonia seidenfadenii (H.J.Su) Ormerod
台湾原産。中国名は密花鸢尾兰 mi hua yuan wei lan。
Oberonia
Oberonia
Oberonia
Oberonia
写真はクモランの近くについていたものである。
ヨウラクラン属
family Orchidaceae - genus Oberonia多年草、着生。茎はしばしば葉の基部に囲まれ、普通、束生し、まれに長い根茎につき、直立または垂れ下がり、短いかまたはやや長い。葉はiridiform(アイリスに似て、維管束が2点に向くように2つ折りになり半分が融合した平らな葉を持つ)で、片面性で、まれに円柱形、しばしば肉質で、基部に関節があるか、または無く、2列生(distichous)、普通、跨状(equitant)、しばしば基部で覆瓦状であり、しばしば基部近くで広がり、平らな鞘になり、しばしば下半分の上面に狭い膜質の縁をもつ。花序は頂生、総状花序、分枝せず、有毛または無毛、普通、花が多数つく。花序柄は下部に花のつかない苞がある。花の苞は宿存し、しばしば縁がギザギザになる(erose)。花はしばしば輪生し、逆さまにならず(not resupinate)、平らで、非常に小さく、普通、直径がわずか1~2㎜。子房は無毛またはパピラ(乳頭状突起)がある。萼片と花弁は離生、広がる。花弁はしばしば萼片よりも狭く、ときに縁がギザギザになる。唇弁は普通、広がり、無柄、全縁または分裂する。縁はときにギザギザになる(erose)かまたは房状へりになり、ときに基部が凹面状になり、カルス(calli)は有または無、距は無い。側裂片はしばしばずい柱を取り囲む。ずい柱は直立し、短く、足がなく、翼は普通、無い。葯帽は頂生、ずい柱の先にしっかりつき、2室。花粉塊は4個、2つの不均等なサイズの対に密着し、ろう質(waxy)。粘着体(viscidium)は無いか省略される。柱頭は横長の腎形~卵形。嘴状体(rostellum)は突き出る。
世界に150~200種あり、熱帯の南アジアと東南アジアを中心に分布し、熱帯アフリカ、マダガスカル、マスカリン諸島、フィリピン、ニューギニア、オーストラリア北東部、タヒチにまたがる南西太平洋の島々に広がる。
ヨウラクラン属の主な種と園芸品種
1 Oberonia anthropophora Lindl.中国、マレーシア(半島)、ミャンマー、タイ、ベトナム原産。中国名は长裂鸢尾兰 chang lie yuan wei lan。
1-1 Oberonia anthropophora Lindl. var. arisanensis (Hayata) T.Hashim. クスクスヨウラクラン
synonym Oberonia arisanensis Hayata
synonym Oberonia kusukusensis Hayata
別名はアリサンヨウラクラン。
2 Oberonia caulescens Lindl. サケバヨウラクラン 裂葉瓔珞蘭
中国、台湾、ブータン、インド、ネパール、ベトナム原産。中国名は狭叶鸢尾兰 xia ye yuan wei lan。
3 Oberonia formosana Hayata タイワンヨウラクラン 台湾瓔珞蘭
台湾原産。Oberonia japonica (Maximovicz) Makinoの異名ともされている。
4 Oberonia gigantea Fukuy. ツリシャガヨウラクラン
台湾原産。中国名は橙黄鸢尾兰 cheng huang yuan wei lan。
5 Oberonia insularis Hayata ハシリヨウラク
synonym Oberonia pumila (Fukuy. ex S.C.Chen et K.Y.Lang) Ormerod [Flora of China]
synonym Oberonia sinica (S.C.Chen & K.Y.Lang) Ormerod
中国、台湾原産。中国名は宝岛鸢尾兰 bao dao yuan wei lan。別名はタカサゴヨウラクラン。
5-1 Oberonia insularis Hayata var. rotunda (T.P.Lin et W.M.Lin) T.P.Lin
6 Oberonia japonica (Maxim.) Makino ヨウラクラン 瓔珞蘭
日本(琉球)、朝鮮、台湾原産。中国名は小叶鸢尾兰 xiao ye yuan wei lan。林内の樹幹、岩上に着生する。
茎は明瞭、1~2㎝。葉は数枚、基部に2列跨状(重なり合って互生)につき、側部が扁平になり、線状披針形、わずかにかま形、長さ10~20(~30)㎜×幅2~3.5(~5)㎜、やや厚く、基部は関節がなく、先は鋭形または尖鋭形。花序柄はほぼ円柱形、長さ2~8㎝、やや細く、翼の無い。花序軸は多数、花がつく。花の苞は卵状披針形、長さ1(~2)㎜、先は尖鋭形。花は黄緑色~赤橙色、直径は1㎜未満です。小花柄と子房は長さ1~2㎜、しばしば、花の苞よりわずかに長い。萼片は広卵形~卵状楕円形、約・長さ0.6㎜×幅0.4㎜。側萼片は、しばしば背萼片よりわずかに大きくなる。花弁はほぼ長円形または卵形、約・長さ0.6㎜×幅0.4㎜、先は鈍形。唇弁は濃く、赤褐色、外形が広長円状卵形、長さ0.6~0.8㎜、3裂する。側裂片は斜めに広がり、卵状三角形、全縁。中裂片は楕円形、広長円形、またはほぼ円形、側裂片より著しく大きく、先は凹形、ときに切れ込みに小さな歯がある。花期は4~7月。2n=30。
6-1 Oberonia japonica (Maxim.) Makino f. rubriflora Honda ベニバナヨウラクラン 紅花瓔珞蘭
花が赤橙色。
6-2 Oberonia japonica (Maxim.) Makino f. viridescens (Makino) Honda ex M.Nakajima et H.Ohba アオバナヨウラクラン 青花瓔珞蘭
花が黄緑色。
7 Oberonia linguae T.P.Lin et Y.N.Chang
台湾原産。中国名は圓唇莪白蘭 yuan chun e bai lan [Taiwania 58: 263 (2013)]
8 Oberonia lotsyana J.J.Sm.
タイ、インドネシア原産。
品種) 'Peterborough'
9 Oberonia makinoi Masam. オオバヨウラクラン 大葉瓔珞蘭
synonym Oberonia variabilis auct. non Kerr
synonym Oberonia japonica (Maxim.) Makino [Plants of the World Online] YListでは別種としているが、World Checklist of Vascular Plants、GBIFなどではヨウラクラン(Oberonia japonica)に含めている。
本州(和歌山県)、四国、九州、伊豆諸島、屋久島、沖縄、台湾、イントシナに分布する。別名はオオバノヨウラクラン。陰湿な照葉樹林内の渓流沿いの樹幹、岩上に着生する。
常緑の多年草。高さ5~10㎝。茎は束生し,下垂する。葉は2列互生し、密に重なり合ってつき、披針形、やや多肉質、幅が広く、長さ3~5㎝×幅5~8㎜。穂状花序は頂生、長さ2~8㎝、花を多数つける。花は赤褐色、小さく、幅約1㎜。苞は三角状披針形、長さ約1㎜。唇弁は側裂片と中裂片との間の切れ込みが浅く、中裂片は先が2裂し、切れ込みはヨウラクランより浅い。ずい柱はやや短く、突出しない。花期は7~8月
10 Oberonia rosea Hook.f.
synonym Oberonia kusukusensis Hayata.
台湾、マレーシア、ベトナム原産。中国名は玫瑰鸢尾兰 mei gui yuan wei lan。
11 Oberonia segawae T.C.Hsu et S.W.Chung
台湾原産。中国名は齿唇鸢尾兰 chi chun yuan wei lan。
12 Oberonia seidenfadenii (H.J.Su) Ormerod
台湾原産。中国名は密花鸢尾兰 mi hua yuan wei lan。
参考
1) Flora of ChinaOberonia
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=122553
2) Plants of the World Online| KewscienceOberonia
https://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:325753-2
3) World Flora OnlineOberonia
http://www.worldfloraonline.org/taxon/wfo-4000026446
4) World Checklist of Vascular PlantsOberonia
https://wcvp.science.kew.org/