タネツケバナ 種漬花

mark

Flora of Mikawa

アブラナ科 Brassicaceae  タネツケバナ属

英 名 woodland bittercress, bittercress
中国名

弯曲碎米荠 wan qu sui mi ji

学 名 Cardamine occulta Hornem.
Cardamine flexuosa auct. non With. 
タネツケバナの花
タネツケバナの花横
タネツケバナの果実
タネツケバナの果実の中拡大
タネツケバナの種子
タネツケバナの種子拡大
タネツケバナ
タネツケバナ葉表
タネツケバナ葉裏
タネツケバナ果実の中
果 期 4~6月
高 さ (6)10~50㎝
生活型 1・2年草
生育場所 田、溝、湿地
分 布 在来種 日本全土 北半球全体
撮 影 豊橋市 02.3.21
和名の由来はイネの種もみを水に漬け、苗代の準備をする頃に咲くことから。一見ナズナに似ているが、果実が細長い。学名はCardamine flexuosa とされてきたが、DNA解析によりタネツケバナはCardamine flexuosaとは別種とされた(Lihova 2006)。Cardamine flexuosaは生育地も林縁であり、染色体数も2n=32である。タネツケバナは2n=64(8倍体)であり、水田などの農耕地周辺に生える。
 根茎はない。茎は上向きに又は傾伏して直立し、ときに分枝し、茎の下部は紫色を帯びる。根生葉は花期にはなく、長さ(2.7)4~14 (19) ㎝の羽状複葉。葉柄は長さ0.7~5㎝。頂小葉は側小葉よりやや大きく、側小葉は長楕円形、2~7対(普通4対以上)つく。小葉柄は長さ0.3~1.7㎝。葉柄や葉縁などに毛がある。茎葉は3~15個つき、葉柄を含めて長さ(2)3.5~5.5(7)㎝。花は総状花序に多数つく。萼片は4個、長さ1.5~2.5㎜、幅0.7~1㎜。花弁は白色、4個、長さ2.5~4(5) ㎜、幅1~1.7㎜。雄しべ6個まれに4個。雌しべ1個。長角果は長さ (0.8)1.2~2.8㎝、幅1~1.5㎜の細い円柱形、種子は両側に1列ずつ並び、両側で18~40個入り、熟すと下側から捲れ上がる。種子は扁平、熟すと淡褐色~褐色になり、長さ0.9~1.5㎜、幅 0.6~1㎜。2n=64(8倍体)
 よく似たヨーロッパ原産の帰化種であるコタネツケバナは小型で、無毛、種子にひれ(鰭)があるのが特徴。
 同じくヨーロッパ原産のミチタネツケバナは花期にも根生葉があり、果実が花のまわりに上向きに立ってとりまくようにつく。花の雄しべが普通4個。
 水流のある場所に生えるオオバタネツケバナは茎が直立せず、紫色を帯びず、無毛。また、側小葉が少なく、頂小葉が際立って大きい。オオバタネツケバナとタネツケバナとの中間的な形質をもつものをミズタネツケバナに分ける説もある。
 オランダガラシは水中に生え、若いときは側小葉が丸く、花期には卵形~惰円形になる。また、長角果の種子が2列。

タネツケバナ属

  family Brassicaceae - genus Cardamine

 1年草、2年草、又は多年草で根茎や塊茎をもつ。毛状突起は無又は単純。茎は直立又は平伏、まれに葉が無くて花茎状。根生葉は葉柄があり、ロゼットが有又は無、単葉で全縁、歯状、又は1~3回羽状全裂又は掌状分裂し、ときに3小葉、羽状複葉、掌状複葉、又は2回羽状複葉。茎葉は互生 (まれに、対生又は輪生)、単葉又は根生葉のように複葉、葉柄は有または無、基部はくさび形、漸尖形、耳形、又は矢じり形、縁は全縁、歯状、又は様々に分裂する。総状花序は苞が無く、まれに、全体に苞があるか、又は基部だけにあり、散房花序状又は円錐花序であり、果時に長くなる。果時の花柄は細く又は太く、直立、散開、又は下屈する。咢片は卵形~長円形、対の側咢片の基部は袋状になるか又はならず、縁はしばしば膜質。花弁は白色、ピンク色、紫色、又は青紫色、けっして黄色にはならず、まれに欠く。花弁の弁部は倒卵形、へら形、長円形、又は倒披針形、先は鈍形又は凹形。爪部は無いか又は弁部から強く分化し、咢片より長又は短。雄しべは6本で4強雄しべ、まれに4本で等長。葯は卵形、長円形、又は線形、先は鈍形。蜜腺は融合し、全て雄しべの基部を抱く。中間の蜜腺は2個、まれに4個又は欠く。側蜜腺は環状又は半環状。胚珠は子房に4~50個。果実は裂開性、長角果、線形、まれに狭長円形又は狭披針形、広い隔壁があり(latiseptate)、無柄。バルブは紙質、脈は無く、無毛 (ごく稀に有毛)、平滑又はでこぼこにときどき膨れ、弾性的に求頂的に裂開し、螺旋状又は渦巻き状に巻く。レプルム(replum:果実のバルブを分ける薄い隔壁)は強く平らになり、隔壁は完全、膜質、半透明。花柱は明瞭又は廃れる。柱頭は頭状、全縁。種子は1列、翼は無く、まれに縁があり、又は翼があり、長円形又は卵形、扁平。種皮は平滑、小さな網状、小隆起状(colliculate)、又は波状、湿っると粘る又は粘らない。子葉は側位(accumben、ごく稀に背位(incumbent。
 世界に約200種があり、世界中に分布する。 日本には約20種が分布する。

タネツケバナ属の主な種と園芸品種

1 Cardamine anemonoides O.E.Schulz  ミツバコンロンソウ 三葉崑崙草
  synonym Cardamine matsumurana Nemoto 
  synonym Cardamine anemonoides O.E.Schulz f. major Hiyama オオミツバコンロンソウ
 日本固有種(本州の関東以西、九州)。山地の林内に生える。
 多年草。茎は直立し、高さ9~20㎝。根は肥厚し、白色の鱗片がある。全体に毛が少ない。葉は互生、茎の下部の葉はごく小さく、上部の葉は有柄、3出複葉(3小葉)で、小葉は卵状披針形~披針形、先は鋭形、縁は不揃いの鋭い鋸歯縁、ときに深く分裂する。短い総状花序に少数の花をつける。花は白色、直径約10㎜。咢片は長楕円形、長さ5㎜以下。花弁は咢片の長さの約2倍。雄しべ6本、4強雄しべ。子房は紅紫色~緑色。長角果は直立、線形、長さ約3.5㎝、無毛。花期は4~5月。
1-1 Cardamine anemonoides O.E.Schulz f. suavis (O.E.Schulz) Hiyama  ヒトツバコンロンソウ 一葉崑崙草
 葉が全て単葉のもの。葉は卵形~広皮針形で鋭先頭、広楔形脚、長さ10~35㎜×幅5~11㎜、,葉縁に粗鋸歯があり、長さ5~12㎜の葉柄がある。

2 Cardamine appendiculata Franch. et Sav.  ヒロハコンロンソウ 広葉崑崙草
 日本固有種(本州の中部地方以北)。山地の湿地、渓流沿いに生える。
 2年草。高さ30~60㎝。地下茎があり、横に広がる。葉は互生し、ほぼ無毛、奇数羽状複葉、葉軸と葉柄に狭い翼があり、葉柄の基部が耳状に茎を抱く。小葉は3~4対つき、長さ4~10㎝、卵序楕円形、縁に不規則な鋸歯があり、裂片の先は鈍頭又は鋭頭。茎の上部に総状花序を付け、花は白色の4弁花。雄しべ6個。雌しべ1個。長角果は無毛。種子は1列。花期は5~6月。

3 Cardamine arakiana Koidz.  オオマルバコンロンソウ 大丸葉崑崙草
 日本固有種(本州[京都府、兵庫県、三重県、岡山県、広島県]、四国[徳島県]、九州[宮崎県])
 絶滅危惧種。丘陵地などの樹林下のやや湿った場所に生える。
 多年草。高さ10~30㎝。根茎は短く、太い。茎は普通、下向きの毛があり、単純、ときに下部で分枝する。根生葉は長い葉柄があり、3小葉、ときに単葉、明瞭に小葉柄がある。頂小葉は円形~腎円形、長さ1.5~3㎝×幅1.5~4㎝、基部は心形、縁は低い円鋸歯。側小葉は頂小葉とほぼ同形で明らかに小さく、基部は浅い心形~切形。茎葉は根生葉より小さく、普通3小葉、ときに奇数羽状複葉、側小葉は1~2対で小さい。総状花序は頂生、数個~10個程度の花つける。萼片は無毛又はわずかに毛がある。花弁は白色、長さ4~5㎜、長角果は長さ20~27㎜、無毛。花期は(3)4~5月。2n=32

4 Cardamine bellidifolia L.  サジナズナ
 ロシア、ヨーロッパ北部、北アメリカ原産。

5 Cardamine californica (Nutt.) Greene
 カリフォルニア州、メキシコ原産。英名はmilkmaids , tooth wort
品種) 'Humboldt High'

6 Cardamine changbaiana Al-Shehbaz  オクヤマナズナ
  synonym Cardamine resedifolia L. var. morii Nakai 
 朝鮮、中国原産。中国名は天池碎米荠 tian chi sui mi ji

7 Cardamine circaeoides Hook.f. et Thomson  タイワンユリワサビ
  synonym Cardamine reniformis Hayata 
  synonym Cardamine agyokumontana Hayata
 中国、台湾、インド、シッキム、ラオス、ミャンマー、タイ、ベトナム原産。中国名は露珠碎米荠 lu zhu sui mi ji

8 Cardamine dentipetala Matsum.  オオケタネツケバナ 
  synonym Cardamine scutata Thunb.  [Kewscience]
 ※ Kewscience、The Plant List、GBIFではCardamine scutata Thunb. のsynonymとしている。
 Flora of Chinaも果実に微軟毛や直軟毛(pilose)があるが、無毛になり又は直軟毛があるものもあるため、明瞭な差が無いとしている。
 日本固有種(本州の主に日本海側、北部)山地の林下、林縁の湿り気のある場所に生える。
 多年草。高さ20~50㎝。 オオバタネツケバナに似るが、高さも花もやや大きく、やや乾きぎみの場所にも生える。 茎は下部がやや地を這い、節から根を出し、上部は直立~斜上し、普通、毛があるが毛の量は多少がある。葉は長い葉柄があり、頭大羽状複葉。小葉の縁には少数の不規則な低い鋸歯がある。頂小葉は側小葉よりかなり大きく円形~広卵形、基部は切形~広楔形、小葉柄がある。側小葉は2~5対つき、基部は楔形、小葉柄は無い。花は白色。花弁は長さ4~6㎜。長角果は斜上してつき、真っすぐ、長さ2.5~3㎝、毛があることが多い。花期は4~6月
8-1 Cardamine dentipetala Matsum. var. longifructa (Ohwi) Hiyama  ニシノオオタネツケバナ
  synonym Cardamine longifructa Ohwi 
 本州の近畿地方以北に分布。
 オオバタネツケバナ(ヤマタネツケバナ)に似てくるものがあるが、それよりも花が少し大形で、咢片に多少の毛があり、小葉の縁毛は明かに認められ(縁にほぼ一定間隔で短毛がある)、花柱は長さ0.8~2㎜。,種子は長さ約1.5㎜などで区別ができる。

9 Cardamine diphylla (Michx.) A.W. Wood
 北アメリカ原産。英名は broadleaf toothwort , crinkle root , crinkle-root , crinkleroot , pepper root , twin-leaved toothwort , twoleaf toothwort , toothwort
品種) 'American Sweetheart' , 'Eco Cut Leaf' , 'Eco Moonlight'

10 Cardamine douglassii Britton
 北アメリカ(USA、カナダ)原産。英名はlimestone bittercress , purple cress
品種) 'Southern Lady' (Southern Lady Douglas's Toothwort)

11 Cardamine fallax (O.E.Schulz) Nakai  タチタネツケバナ 立種漬花
  synonym Cardamine parviflora auct. non L
  synonym Cardamine scutata Thunb. subsp. fallax (O.E.Schulz) H.Hara 
  synonym Cardamine flexuosa With. var. fallax (O.E.Schulz) Nakai
  synonym Cardamine flexuosa With. subsp. fallax O.E.Schulz 
 日本(北海道、本州、四国、九州)、朝鮮、中国東部原産。中国名は小花碎米荠 xiao hua sui mi ji 。山地よりの原野や河原、溜池畔などに生える。
  タチタネツケバナの学名は2007年にKarol Marholdらにより、Cardamine parviflora からCardamine fallaxに訂正され、lectotypeが示された。C. fallax は6倍体でC. parviflora L. は2倍体である。形態学的には茎葉の形状が異なる。C. parvifloraは羽状全裂pinnatisectで(下部の茎葉はめったに羽状複葉にならない)、裂片や小葉が倒披針形~線形、全縁又はほとんど全縁。これに対し、C. fallax は羽状複葉 pinnateで小葉柄があり、小葉が浅裂、羽状深裂~羽状全裂する。ジャニンジンの葉に似るが、ジャニンジンの葉の基部は耳形で茎を抱く。(参考9)
 2年草。高さ15~50㎝。全体に短毛が多い。茎は直立又は下部から分枝し、下部は普通、帯暗紫色、短毛がある。根生葉はロゼットを作り、花期には普通、残る。茎下部につく茎葉は羽状複葉、葉の基部が耳状になって茎を抱くことはない。頂小葉は側小葉と同じ大きさ又はやや大きい。側小葉は(2)3~8対つき、明瞭な小葉柄をもち、狭長楕円形~倒卵形、普通、3深裂する。側小葉の小葉柄の基部の葉軸に、托葉状の付属物がふきそくにつくのが特徴であり、葉軸には短毛があり、基部ほど多い。茎の上部につく茎葉の側小葉はほとんど分裂せず、披針形~線状披針形で、茎の上部ほど小葉の幅が狭い。花序は頂生の円錐花序、直立し、ややまばらに花を多数つけ、花序軸は無毛。花は白色、直径約5㎜。咢片に少し毛がある。花弁は長さ3~4㎜、白色。雄しべは普通6本あり、4強雄しべ、2本は横に広がり短い。長角果は線形、長さ1~2.5㎝、無毛、2室ある。種子は室に1列に並び、広楕円形、長さ1~1.1㎜、表面は小隆起状(colliculate)。花期は3~6月。

12 Cardamine flexuosa With. オウシュウタネツケバナ 欧州種漬花
 ヨーロッパ、トルコ、イラン、北アフリカ(モロッコ、アルジェリア)原産。英名は wavy bittercress , wood bitter-cress。
 1年草又は短命の多年草、高さ10~50㎝、茎は細く、分枝し、基部にやや軟毛がある。根出葉はロゼット状、花期に無いか、まばら。葉は葉柄があり、羽状複葉(明瞭な頭大にならず、)、小葉は腎形~倒卵状くさび形、約・長さ10㎜×幅8㎜以下、普通分裂又は歯がある。茎葉は無柄又は短柄、茎の中部につく葉は著しく毛深い。。花は頂生の類散房花序状の総状花序につき、白色、開放花のみ。咢片は約・長さ1.5㎜×幅0.5㎜、楕円状長円形、帯緑色で縁が白色。花弁は長さ1.5~2.5㎜×幅約0.7㎜、長円形。雄しべは6本、花糸は長さ約0.5㎜。子房は約・長さ1㎜×幅0.3㎜、円筒形。果実は長角果、長さ10~25㎜×幅0.7~1㎜、線状長円形、無毛。種子は扁平な楕円形、約・長さ2.5㎜×幅1.5㎜、翼は無い。2n=4x= 32。

13 Cardamine glechomifolia H.Lev.  サイシュウタネツケバナ
 韓国原産。

14 Cardamine heptaphylla (Vill.) O.E.Schulz
 ヨーロッパ原産。英名はpinnate coralroot 。
品種)  'Big White' , 'Helen Myers'

15 Cardamine hirsuta L.  ミチタネツケバナ 道種漬花
 ヨーロッパ原産。中国名は碎米荠 sui mi ji 。英名はhairy bittercress, hairy shotweed , common bittercress 。日本、中国、インド、シッキム、スリランカ、トルクメニスタン、ラオス、パキスタン、タイ、ベトナム、インドネシア、マレーシア、フィリピン、ニューギニア、南西アジアなどに帰化。1970年ころに日本に侵入したと考えられている。
 1年草。高さ (3)10~35(45)㎝ 。道端などやや乾燥した場所に生え、増加傾向にあり、非常に多い場所もある。茎は普通、直立し、下部には下向きの毛があるが、上部には毛がなく、全体に毛がほとんどない。茎の上部には葉が少なく、下部に集まってつき、根生葉がロゼットに密につき、果期にも根生葉が残る。葉は長さ (1.5)2.5~10(13) ㎝、羽状深裂し、小葉は普通4~7対つき、広惰円形、頂小葉が最も大きい。葉柄は長さ0.5~5㎝、葉柄や葉裏に粗毛があり、葉柄基部に刺毛状の毛が散生する。花は白色の4弁花。花弁の長さ2.5~4.5(5)㎜、幅0.5~1.1㎜。雄しべは、普通4個まれに5~6個(温度により変わる)。花柱は長さ0.1~0.6(1)㎜。萼片は4個、長さ1.5~2.5㎜、幅 0.3~0.7㎜。果実は長さ(0.9)1.5~2.5(2.8)㎝、幅 (0.8)1~1.4㎜、花のまわりに上向きに立ってとりまくようにつく。よく熟すと鞘が紫色になり、パチンとはじけて種子をはね飛ばし、さやがコイル状になる。種子は1列に14~40個入り、長さ0.9~1.3(1.5)㎜、幅 0.6~0.9(1.1)㎜、淡黄緑色~淡黄褐色、扁平な惰円形。 2n=2x=16。花期は2~4月。

16 Cardamine impatiens L.  ジャニンジン 蛇人参
 日本(北海道、本州、四国、九州)、韓国、中国、ロシア、ブータン、インド、ネパール、パキスタン、シッキム、カシミール、アフガニスタン、カザフスタン、キルギスタン、タジキスタン、ウズベキスタン、南西アジア、ヨーロッパ原産。中国名は弹裂碎米荠 tan lie sui mi ji。英名はnarrow-leaf bittercress。日陰、水辺、道端、野原、やや湿った場所などに生える。
 2年草、まれに1年草、高さ(12~)20~65(~90)㎝、無毛、まれに、まばらに基部近くに軟毛がある。茎は直立、基部は1本、普通、上部で分枝し、角(かど) があり、ときに屈曲する。根生葉はロゼットになり、しばしば花時までに枯れる。葉柄は長さ1~4㎝、耳形ではなく、葉身は羽状全裂で複葉になる。茎葉は茎に15個以下つく。葉柄は耳形、長さ2~6㎝。耳は披針形~線形、長さ1~8(~10)㎜×幅(0.1~)0.3~1.8(~2.2)㎜、しばしば、縁毛がある。葉身は長さ(1~)3~18(~22)㎝×幅(0.6~)1~5.5(~7) ㎝、羽状全裂。頂裂片は円形、、倒う卵形、卵形、又は披針形、長さ1~4(~5)㎝×幅0.5~1.7㎝、小葉柄は長さ5㎜以下、全縁又は強く、3~5(~9)歯があるか又は分裂し、側裂片は(4~)6~11対つき、頂円形披針形、又は卵形、無柄又は長い小葉柄があり、頂裂片より小さい。縁は歯状、類不規則に切れ込み、まれに全縁。最上部の葉は裂片が狭い。果時の花柄は散開又は斜上し、長さ3.5~12(~15)㎜、細い。咢片は長円形、長さ1.2~2(~2.5)㎜×幅0.7~1(~1.2) ㎜。花弁は白色、倒披針形、長さ1.5~4(~5)㎜×幅0.6~1.2㎜、まれに欠く。雄しべは6本。花糸は長さ 2~3(~4) ㎜。葯は卵形、長さ 0.3~0.5㎜。胚珠は子房に10~30個、果実は線形、長さ(1~)1.6~3(~3.5)㎝×幅0.9~1.5㎜。バルブは無毛又はまれに直軟毛があり、でこぼこにときどき膨れる。 花柱は長さ0.6~1.6(~2)㎜。種子は褐色、長円形、長さ1.1~1.5㎜×幅0.8~1㎜、扁平、ときに先に狭い翼がある。花期と果期は2~7月。2n=16, 32。.

16-1 Cardamine impatiens L. var. eriocarpa DC.  ケジャニンジン
  synonym Cardamine impatiens L. var. dasycarpa (M.Bieb.) T.Y.Cheo et R.C.Fang 
 果実に毛があるもの。
16-2 Cardamine impatiens L. var. tenuissima Honda  ホソバジャニンジン
  synonym Cardamine impatiens L. var. longipes Hatus

17 Cardamine kiusiana H.Hara  タカチホガラシ 高千穂芥子
  synonym Cardamine yezoensis Maxim. var. kiusiana (H.Hara) Ohwi 
 日本固有種(四国、九州)。山地の林縁、沢の縁などのやや湿った場所に生える
 多年草。高さ15~40㎝、茎は直立し、ほぼ無毛。葉は奇数羽状複葉、小葉は3~5対、頂小葉と側小葉の大きさがほぼ等しく、小葉柄は明瞭。総状花序はややまばら 。花は白色、直径8~10㎜。長角果は線形、無毛。花期は5~6月。

18 Cardamine kokaiensis Yahara, Soejima, Kudoh, Šlenker et Marhold  コタネツケバナ 小種漬花
  synonym Cardamine parviflora auct. non L.
 学名はC. parvifloraとされてきたが、2018年にCardamine kokaiensis がCardamine parviflorからはっきり区別され、コカイタネツケバナとされ、コカイタネツケバナはコタネツケバナと同一であり、和名もコタネツケバナとなった。
 日本(本州)、中国(浙江省)、ロシア原産。別名はヒメタネツケバナ、コカイタネツケバナ。湿った場所に生える。
  2年草。高さ10~20㎝、タネツケバナに似るが、小型で茎や葉に毛が無い。茎は直立~斜上又は倒伏し、無毛若しくは茎下部に小刺毛がまばらに生える。茎中部の茎葉には明瞭な小葉柄がなく、葉軸に小片はない。花柄は4.5㎜以下で短い。花の直径2~3㎜。花には開放花(chasmogamous)と閉鎖花(cleistogamous,)がある。開放花は冠水しない環境下で生育・開花し、花弁が発達し、萼より大きくなり、目立ち、雄しべは6個、4強雄しべである。閉鎖花は冠水状態で生育した場合に見られ、花弁が退化し無花弁花となり、側部の短雄しべ2個が欠損し、雄しべは4個となる。中間型の花弁が短い閉鎖花もできる。種子の周りに狭い膜質の翼がある。2n = 4x = 32。

19 Cardamine komarovii Nakai  サジガラシ
 朝鮮、原産。中国名は翼柄碎米荠 yi bing sui mi ji

20 Cardamine leucantha (Tausch) O.E.Schulz  コンロンソウ 崑崙草
  synonym Cardamine koreana (Nakai) Nakai
 日本(北海道、本州、四国、九州)、朝鮮、中国、ロシア原産。中国名は白花碎米荠 bai hua sui mi ji。
  ヒロハコンロウソウに似るが、小葉の先が鋭く尖り、葉柄の基部は茎を抱かない。
 多年草、高さ25~75㎝、疎~密に絨毛がある。根茎は這い、細く、鱗片やストロンは無い。茎は単純、曲がりくねる。茎葉は4~7個つき、葉柄を含んで、長さ(8~)10~20(~25)㎝。葉柄は長さ(1~)2~8(~10)㎝、基部は耳状にならない。頂小葉は披針形、楕円形、又は卵状楕円形、長さ(3~)4~9(~13)㎝×幅(0.6~)1~3.5(~4)㎝、上面は短い剛毛又は微軟毛があり、下面は直軟毛又は長い剛毛があり、小葉柄は長さ5~3(~20)㎜、基部はくさび形、縁には前向きの縁毛があり、不規則な鋸歯、重鋸歯、又は類歯状、先は尖鋭形、まれに鋭形。側裂片は2~3対、まれに最上部の葉は3小葉、頂小葉に似ていて、小さく、無柄、基部はくさび形、ときに斜め。総状花序は花が12~24個つく。果時の花柄は散開又は斜上、長さ(0.5~)1~1.8(~2.3)㎝、直軟毛又は微軟毛があり、細い。咢片は長円形、長さ (2~)2.5~3.5㎜×幅0.9~1.5㎜、縁は膜質、外側には直軟毛がある。花弁は白色、へら形~長円状倒披針形、長さ6~8㎜×幅2~3.5(~4)㎜、基部は楔形で爪部は無く、先は円形。中央の花糸の対は長5~6㎜、側対は長さ4~5㎜。葯は長円形、長さ0.8~1.3㎜。胚珠は子房に6~12個。果実は線形、長さ(1~)1.5~3㎝×幅1~1.5㎜、子房柄(gynophore)は長さ0.3~0.8(~1)㎜。バルブは平滑、まばらに毛があるか又は無毛。花柱は細く、長さ(2~)3~5㎜。種子は褐色、長円形、長さ1.5~2.2㎜×幅0.8~1.2㎜、狭い翼があるか又は翼が無い。花期は4~7月。果期は5~8月。2n=16。
20-1 Cardamine leucantha (Tausch) O.E.Schulz var. glaberrima F.Maek. ex H.Hara  ハダカコンロンソウ

21 Cardamine lyrata Bunge  ミズタガラシ 水田芥子
 日本(関東地方以西)、韓国、中国、ロシア原産。中国名は水田碎米荠 shui tian sui mi ji 。英名はChinese-ivy , Japanese cress
 多年草、高さ(20~)30~70(~80)㎝、全体に無毛。根茎は短く、太く、鱗片は無い。根茎又は茎の下部~中間の節から長さ80㎝以下のストロンを出す。茎は直立、単純、条線があり、角(かど)があり、葉が8~15個つく。ストロンの葉は単葉、まれに耳状の小葉の対を基部にもつ。葉柄は長さ3~12㎜。葉身はほぼ円形、心形、又は腎形、長さ (0.7~)1~2.2(~3)㎝×幅0.7~2(~2.3)㎝、縁は波状又は全縁、先は円形。茎葉は無柄、中間の茎葉は長さ(1.5~)3~5(~7)㎝、頂小葉は円形、卵形、まれに長円形、長さ1~3㎝×幅(0.8~)1~3㎝、小葉柄は長さ (0.3~)0.5~1.5(~2)㎝、基部は心形、類切形、又は鈍形、縁は波状又はほぼ全縁、先は円形。側小葉は2~5対つき、頂小葉より小さく、卵形、ほぼ円形、又は長円状卵形、側小葉の下部の対は耳状、節又は節のすぐ上につき、しばしば葉の基部が抱茎に見える。果時の花柄は長さ(0.7~)1~2(~2.5)㎝、細く、散開し、普通、真っすぐ。咢片は卵形、長さ 3~3.5㎜×幅1~1.5㎜、縁は膜質。側咢片の対は類袋状。花弁は白色、倒卵形、長さ7~10㎜×幅3~4㎜、爪部は無く、先は円形又は凹形。花糸はわずかに広がり、中央の対は長さ4~5㎜、側対は長さ2.5~3.5㎜。葯は狭長円形、長さ1~1.5㎜。胚珠は子房に14~18個。果実は線形、強く扁平、長さ(1.5~)2~3(~3.5)㎝×幅1.5~2㎜。バルブは平滑、無毛。花柱は細く、長さ1.5~3㎜。種子は褐色、長円形、長さ2~3㎜×幅1~2㎜、全周に幅1㎜以下の翼がある。花期は4~6月。果期は5~7月。

22 Cardamine macrophylla Willd.  ソコライソウ
  synonym Cardamine sachalinensis Miyabe et T.Miyake 
 日本、中国、モンゴル、ロシア、インド、ネパール、ブータン、シッキム、カシミール、パキスタン、カザフスタン原産。中国名は大叶碎米荠 da ye sui mi ji 。英名はlarge-leaved pachyphragma
品種) 'Bright and Bronzy'

23 Cardamine niigatensis H.Hara  コシジタネツケバナ
  synonym Cardamine scutata Thunb. var. koshiensis Ohwi et Okuyama 
 新潟県の豪雪地帯に分布。クローン繁殖性が卓越している。

24 Cardamine nipponica Franch. et Sav.  ミヤマタネツケバナ 深山種漬花
 日本(北海道、本州の中北部)、台湾原産。中国名は日本碎米荠 ri ben sui mi ji
 多年草、高さ3~10㎝、全体に無毛。根茎は細く、多数分枝、し前年の葉柄の残りをもつ。茎は直立、2又は3葉をもつ。根生葉はロゼットになり、(3 又は)5-又は 7-小葉をもつ。葉柄は長さ0.7~2.5㎝、頂小葉は類円形、広卵形、又は楕円形、長さ1.5~6㎜×幅1~4㎜、基部は楔形又は鈍形、縁は全縁、先は鋭形で類微突形。側裂片は(1~)2~4対、ほぼ無柄、倒卵形、基部は楔形、縁は全縁、頂裂片よりわずかに小さい。茎葉は3又は5小葉。葉柄は長さ4~11㎜、基部は耳状又は抱茎。耳は披針形又は歯状、長さ0.2~2㎜×幅0.1~0.4㎜、先は鋭形又は類尾状。頂小葉は狭倒披針形又は線形、長さ2~10㎜×幅0.5~1㎜。側小葉は2対、頂小葉に似るが小さい。総状花序は花が3~6個、苞は無い。果時に花序軸は曲がりくねる。果時の花柄は散開又は斜上し、長さ3~8㎜、真っすぐ。咢片は長円形、長さ1.7~2.2㎜×幅約0.8㎜。花弁は白色、へら形、長さ5~6㎜×幅約1.5㎜、先は円形。中央の花糸の対は長さ約2.5㎜、側対は長さ約1.5㎜。葯は卵形長さ0.4~0.5㎜。胚珠は子房に10~16個。果実は線形、長さ1.5~3㎝×幅0.8~1.2㎜。バルブは平滑、無毛。花柱は長さ0.8~2㎜。種子は褐色、長円形、長さ 1~1.5㎜×幅0.6~0.9㎜、先に翼がある。花期と果期は7~8月。

25 Cardamine occulta Hornem.  タネツケバナ 種漬花
  synonym Cardamine parviflora auct. non L.
  synonym Cardamine manshurica (Kom.) Nakai 
  synonym Cardamine flexuosa auct. non With. 汎ユーラシア種
  synonym Cardamine flexuosa With. var. debilis (D.Don) T.Y.Cheo et R.C.Fang 
  synonym Cardamine scutata auct. non Thunb. 
  synonym Cardamine scutata Thunb. subsp. flexuosa sensu H.Hara 
  synonym Cardamine debilis D.Don 
  synonym Cardamine autumnalis Koidz. 
 日本、中国、インド、熱帯アジアなど東アジア原産。英名はAsian wavy bitter cress ,common bittercress , greater bittercress , wavy bittercress , wood bittercress , woodland bittercress 。水田など農耕地周辺に生える。タネツケバナは形態的な変異が非常に多い種である。
 タネツケバナはDNA解析によりCardamine flexuosaとは別種とされ(Lihova 2006)、東アジア原産のCardamine occultaとされている。 Cardamine flexuosaは生育地も林縁であり、染色体数も2n=32である。
 1年草又は2年草。高さ10~40㎝。根茎はない。茎は直立、斜上、上向きに又は傾伏して直立し、ときに分枝し、茎の上部は無毛又はまれにまばらに毛があり、茎の下部は紫色を帯びる。根生葉はロゼットを作らず、花期にはなく、長さ(2)4~10 (14) ㎝の羽状複葉。葉柄は長さ0.7~5㎝。頂小葉は側小葉より大きく(側小葉の長さの1.7倍以下、通常、1.5倍以下)、長さは幅の2倍以内。側小葉は長楕円形、2~7対(普通4対以上)つき、鋭頭、縁に深い波状鋸歯がある。小葉柄は長さ0.3~1.7㎝。葉柄や葉縁などに毛がある。茎葉は3~15個つき、葉柄を含めて長さ(2)3.5~5.5(7)㎝。花は総状花序に多数つく。花柄は長さ4.5㎜以上。萼片は4個、長さ1.5~2.5㎜、幅0.7~1㎜。花弁は白色、4個、約長さ3~4 ㎜、幅1~1.7㎜(咢片の幅の2倍以上)。雄しべ6個まれに4個。雌しべ1個。長角果は長さ1.5~2.3㎝、幅1~1.5㎜の細い円柱形、種子は両側に1列ずつ並び、両側で18~40個入り、熟すと下側から捲れ上がる。種子は扁平、熟すと淡褐色~褐色になり、長さ0.9~1.5㎜、幅 0.6~1㎜、翼は無い。2n=64(8倍体)。花期は3~6月。2n=8x=64。

 1年草、高さ40㎝以下。根茎は無く、ひげ根をもつ。花のつく茎は直立又は傾伏し、節から根を出し、全体にほぼ無毛(多少有毛)。葉は上面が無毛、ときに縁に縁毛がある。根生葉は少数つき、ロゼットにならず、宿存しない。茎葉は長さ(2~)4~7個つき、根生葉より大きく、長さ(1.5~)3~7㎝、羽状複葉又は羽状分裂、側小葉は (2~)3~4対、頂小葉は大きく、しばしば3裂する。総状花序は花が少数~多数。咢片は長さ1.3~2㎜、たまに少し毛がある。花弁は長さ約3㎜、白色。花柱は長さ約1㎜。果実は曲がりくねった花序軸から45°~90°傾き、同じ花序の開いた花を超えないか、ほとんど超えず、長さ1.5~2.3㎝×幅1~1.5㎜。花柄は3~8㎜。種子は長さ約0.8~1㎜。(Flora of Victoria)

26 Cardamine parviflora L 
 ユーラシア、北アフリカ、北アメリカ原産。中国名は小花碎米荠 xiao hua sui mi ji 英名はsmallflowered bittercress , sand bittercress。
 1年草、細く、無毛又は全体にまばらに軟毛がある。根茎は無い。茎は1本又は基部から少数~数本、直立、ときに屈曲し、しばしば上部で分枝し、高さ(5~)10~30(~40)㎝。根生葉はしばしば、花時に枯れ、普通、ロゼットにならず、羽状複葉、長さ (2~)4~10㎝、小葉は(5 又は) 7~13(~17)個つき、小葉柄は無又は有。葉柄は長さ0.5~2.5(~4.5)㎝。側小葉は頂小葉に似るが、ときに小さい。 頂小葉は無柄又は長さ0.5㎝以下の小葉柄があり、葉身は線形~長円形~倒披針形~倒卵形、又はほぼ円形、長さ(0.1~)0.3~1㎝×幅1~7㎜、基部はくさび形、縁は全縁又は3(~5)歯があるか又は-分裂する。茎葉は5~10(~14)個つき、小葉は (5~)9~15(~17)個、 有柄。小葉は無柄。葉柄は長さ0.3~1㎝、基部は耳状にならない。側小葉は頂小葉に似ていて、ときに小さくなる。頂小葉の葉身は糸状、線形、又は狭長円形、長さ0.3~1(~1.6)㎝×幅0.3~3㎜、縁は普通、全縁、まれに1~3歯がある。総状花序は苞がない。果時の花柄は散開又は斜上し、長さ4~10㎜。咢片は長円形、長さ1~1.5(~2)㎜×幅0.3~0.5㎜、側対の基部に袋はなく、縁は膜質。花弁は白色、倒披針形、長さ(1.5~)1.8~2.5(~3)㎜×幅0.4~0.8(~1)㎜。花糸は長さ1.4~2.5㎜。葯は卵形、長さ0.2~0.4㎜。果実は線形、(でこぼこにときどき膨れ)、長さ(0.5~)1~2(~2.5)㎝×幅0.6~0.9㎜。胚珠は子房に20~50個。花柱は長さ 0.3~0.7(~1)㎜。種子は淡褐色、長円状卵形、長さ0.6~0.9㎜×幅0.4~0.6㎜、 (狭い縁が有又無)。 2n=16。花期は3~6月(Flora of North America)。

27 Cardamine pentaphylla (L.) Crantz
 ヨーロッパ(オーストリア、フランス、スペイン、イタリア、スイス、ドイツ、ユーゴスラビア)原産。英名はshowy toothwort , five-leaflet bitter-cress
品種) 'Alba'

28 Cardamine pratensis L.  ハナタネツケバナ
 日本(北海道)、韓国、中国、モンゴル、ロシア、カザフスタン、ヨーロッパ、北アメリカ原産。中国名は草甸碎米荠 cao dian sui mi ji 。英名はcuckoo-flower , lady's-smock , meadow cress , spinks。別名は
品種) 'Diane's Petticoat' , 'Edith' (d) , 'Flore Pleno' (d) , 'Flore Pleno' white-flowered (d) , 'Improperly Dressed' , 'Pink Giant' , 'Salzach' , 'William' (d)

28-1 Cardamine pratensis subsp. picra De Langhe & D'hose
  synonym Cardamine nemorosa Lej.
 フランス、ベルギー原産。
品種) 'Plena' (d)

29 Cardamine prorepens Fisch. ex DC.  ハイタネツケバナ
 韓国、中国、モンゴル、ロシア原産。中国名は浮水碎米荠 fu shui sui mi ji 。

30 Cardamine schinziana O.E.Schulz  エゾノジャニンジン
  synonym Cardamine yezoensis Maxim. var. schinziana (O.E.Schulz) Ohwi
 北海道の日高地方、国後島原産。蛇紋岩地帯に多い。
 茎葉の小葉が5–11 個で無柄
30-1 Cardamine schinziana O.E.Schulz f. lasiocarpa (H.Hara) H.Hara  ケエゾノジャニンジン
  synonym Cardamine schinziana O.E.Schulz var. lasiocarpa (H.Hara) Koidz. 

31 Cardamine scutata Thunb.  オオバタネツケバナ 大葉種漬花
  synonym Cardamine flexuosa With. subsp. regeliana (Miq.) O.E.Schulz 
  synonym Cardamine scutata Thunb. var. longiloba P.Y.Fu 
  synonym Cardamine scutata Thunb. var. latifolia (Maxim.) H.Hara 
  synonym Cardamine scutata Thunb. subsp. regeliana (Miq.) H.Hara 
  synonym Cardamine regeliana Miq. 
  synonym Cardamine flexuosa With. var. regeliana (Miq.) Matsum. 
  synonym Cardamine flexuosa With. var. latifolia (Maxim.) Makino 
 日本全土、韓国、中国、台湾、ロシア原産。中国名は圆齿碎米荠 yuan chi sui mi ji 。英名はJapanese bittercress湿った場所や水流のある場所に生える。
 学名は長い間、Cardamine scutata又はCardamine regelianaとされてきたが、以下の説によりCardamine scutataとされた。
 Cardamine scutataは日本で採集した植物に1794年にThunb.が命名したものであり、Cardamine regelianaはカムチャッカ半島でMiq. が1865年に名付けたものである。原記載はどちらもオオバタネツケバナを指している。しかし、Cardamine scutataのタイプ標本がオオバタネツケバナか、タネツケバナかを決定できるものではないため、混乱が生じた。原記載はオオバタネツケバナを指しているため、タイプ標本が明確にオオバタネツケバナではないという証拠がない限り、Cardamine scutataを学名とするべきである。(参考5)
 1年草又は2年草、まれに短命の多年草、高さ (5~)15~50(~70)㎝、無毛又はまばらに直軟毛がある。茎は直立、基部は1本、上部は単純又は分枝、屈曲しない。根生葉はロゼットにならず、しばしば花時までに枯れる。葉柄は長さ3.5㎝以下。葉身は羽状全裂、側裂片は1~4対、頂小葉は類腎形、類円形、菱状卵形、又は広倒卵形、側裂片よりかなり大きく(1.5倍以上長く)、長さ(1~)1.5~2.5㎝×幅0.7~2㎝、波状、円鋸歯、又は3~5分裂する。側裂片は小葉柄があり、又はほぼ無柄、長円形、卵形、又はほぼ円形。茎葉は根生葉に似ている。葉柄は長さ3㎝以下、基部は耳状でない。側裂片は1~5対、頂裂片よりかなり小さい。頂裂片は長さ(0.7~)2~5(~6.5)㎝×幅(0.5~)1.5~4(~5)㎝、波状、円鋸歯又は粗く3~5(~7)分裂する。総状花序は花序軸が真っすぐ。果時の花柄は散開又は斜上し、長さ(0.3~)0.6~1.4(~1.8)㎝、細い。咢片は長円形、長さ1.5~2.5(~3)㎜×幅(0.7~)0.9~1.4㎜。花弁は白色、へら形、長さ2.5~4.5(~6)㎜×幅(1~)1.5~2.5㎜。雄しべは6本。花糸は長さ2~3.5㎜。葯は卵形、長さ0.3~0.6㎜。胚珠は子房に20~40個。長角果は線形、長さ(0.9~)1.5~2.8(~3.5)㎝×幅 (0.8~)1~1.4 ㎜。バルブは無毛又はまばらに微軟毛又は直軟毛があり、でこぼこにときどき膨れ、、熟すと下側から裂開する。花柱は長さ(0.3~)0.6~1.5㎜。種子は片面に1列ずつ入り褐色、長円形又は類四角形、長さ0.9~1.5㎜×幅0.6~0.9㎜、翼は無く、狭い縁が有又は無。花期は4~7月。果期は5~8月。2n=32(4倍体)。

32 Cardamine tanakae Franch. et Sav. ex Maxim.  マルバコンロンソウ 丸葉崑崙草
 日本固有種(本州、四国、九州)。山地の林内に生える。
 2年草。高さ10~20㎝。全体に毛が生え、コンロンソウより小型。葉は長さ5~13㎝の奇数羽状複葉、小葉は3~7個つき、頂小葉が最も大きい。葉柄の基部は耳状に茎を抱くことが多い。小葉は長さ1~3㎝の円形~惰円形、有柄、葉縁に粗い不規則な鋸歯がある。茎の上部に短い総状花序をつけ、花は直径約1㎝の白色4弁花。花弁は長さ5~7㎜。コンロンソウより花期がやや早い。長角果は長さ18~25㎜の線形、毛が密生し、種子が1列に入る。花期は4~5月。

33 Cardamine trifida (Lam. ex Poir.) B.M.G.Jones  ミヤウチソウ 宮内草
  synonym Cardamine tenuifolia (Ledeb.) Turcz.
  synonym Cardamine schulziana Baehni 
  日本(北海道)、朝鮮、中国、ロシア、カザフスタン原産。中国名は细叶碎米荠 xi ye sui mi ji 。英名はthree-leaved cuckoo flower。別名はホソバコンロンソウ。林縁、草原に生える。

34 Cardamine umbellata Greene  チシマタネツケバナ
  synonym Cardamine kamtschatica (Regel) Piper
  synonym Cardamine unalaschcensis Andrz. ex Ledeb.
 ロシア、北アメリカ原産。英名はumbel bittercress 。

35 Cardamine valida (Takeda) Nakai  アイヌワサビ
  synonym Cardamine yezoensis auct. non Maxim. 
 日本(北海道の中央部、東部と岩手県)、サハリン原産。
 高さ30~80㎝。エゾワサビに比べて頂小葉が小さく、他の複葉と同大で無柄。

36 Cardamine victoris N.Busch 
 ロシア(極東部)原産。

37 Cardamine yezoensis Maxim.  エゾワサビ 蝦夷山葵
  synonym Cardamine akitensis Mochizuki ツルワサビ
  synonym Cardamine fauriei Franch.
  synonym Cardamine amariformis Nakai  マンシュウタネツケバナ
  synonym Cardamine pseudowasabi H.C.Shin et Y.D.Kim  コウライユリワサビ
  synonym Cardamine torrentis Nakai  オクヤマガラシ
  synonym Cardamine yezoensis Maxim. var. torrentis (Nakai) Ohwi  オクヤマガラシ
 日本(北海道、本州の東北地方)、朝鮮、サハリン原産。山地の川沿いなどの湿地に生える。
 高さ20~40㎝。ストロンを出す。根茎、茎、葉にワサビのような辛味があるこ。葉は柄があり、頭大羽状複葉、頂小葉はほぼ円形で目だって大きく、側小葉は1~2対、1対が多く、上部の葉は側小葉が無い。総状花序は密。花は白色、直径約8㎜。長角果は線形、無毛。花期は5~6月。

参考

1) Flora of China
 Cardamine  
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=105607
2) Plants of the World Online | Kew Science
 Cardamine  
http://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:329617-2
3)GRIN
 Cardamine  
https://npgsweb.ars-grin.gov/gringlobal/taxonomygenus.aspx?id=4440
4) Flora of North America
 Cardamine  
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=1&taxon_id=112142
5) 雑草研究 J. Weed Sci. Tech. Vol.62(4) 175-183(2017)
 総説 日本産アブラナ科タネツケバナ属雑草の生物学  
https://www.jstage.jst.go.jp/article/weed/62/4/62_175/_pdf
6)Flora of Victoria
 Cardamine occulta Hornem.  
https://vicflora.rbg.vic.gov.au/flora/taxon/fc165c08-4e70-4a37-a9b3-428a49cbc3e9
7)植物研究雑誌第38巻第2号 56-
 檜山庫三*牧野標本館雑記(10) 
 ヒトツバコンロンソウ、オオミツバコンロンソウ、ニシノオオタネツケバナ  
http://www.jjbotany.com/pdf/JJB_038_56-61.pdf
8) The Jepson Herbarium
 Cardamine californica  
https://ucjeps.berkeley.edu/eflora/eflora_display.php?tid=76456
9)The Botanical Society of Japan and Springer 2007
 The correct interpretation and lectotypification of the name Cardamine fallax (Brassicaceae)  
https://www.researchgate.net/profile/Hiroshi_Kudoh/publication/6137127_The_correct_interpretation_and_lectotypification_of_the_name_Cardamine_fallax_Brassicaceae/links/0fcfd51118f3336210000000/The-correct-interpretation-and-lectotypification-of-the-name-Cardamine-fallax-Brassicaceae.pdf?origin=publication_detail
10)Botanical Journal of the Linnean Society, Volume 187, Issue 3, July 2018, Pages 456-482
 Morphology and genome size of the widespread weed Cardamine occulta: how it differs from cleistogamic C. kokaiensis and other closely related taxa in Europe and Asia
11)九州オープンユニバーシティー
 日本の野生植物総点検プロジェクト タネツケバナ属 Cardamine  
https://open-univ.org/wp-content/uploads/2020/04/Cardamine-1.pdf
12)神奈川県植物誌調査会ニュース第81号 2016
 神奈川県のタネツケバナ類(堀内 洋)  
http://flora-kanagawa2.sakura.ne.jp/fk/fk81.pdf
13)日本生態学会誌57:75 - 81(2007)
 花の適応進化の遺伝的背景に迫る:「咲かない花」閉鎖花を例に  
https://www.jstage.jst.go.jp/article/seitai/57/1/57_KJ00004593546/_pdf