和名の由来は花の蜜を吸ったことから。別名は開花して時間が経つと次第に黄色を帯び、白花と黄花が混ざって咲くことに由来する。東南アジアで広く栽培され、ヨーロッパ、南北アメリカ、オーストラリア、ニュージーランドなどに帰化している。
　蔓は太くなると木質化する。葉は対生し、長さ3～7㎝の長楕円形、先が少し尖る。葉表は粗毛がまばらにあり、脈上に腺毛がわずかにある。葉裏は脈が盛り上がり、開出毛が密生し、脈上に黄色～赤褐色の腺毛も混じる。葉柄にも毛や腺毛がある。葉形や毛の量には変異が多い。花は唇形、葉腋に2個ずつつく。花冠は長さ3～4㎝、上下2唇に2裂する。上唇は卵形で、先が浅く4裂し、下唇は広細形。雄しべ5個、雌しべ1個とも花冠から長く突き出る。柱頭は球形。萼は先が5裂し、毛が密生する。苞は長さ5～20㎜の葉状。果実は直径5～6㎜の液果、強い光沢があり、黒く熟す。種子は扁平、やや歪な広卵形、暗褐色～黒色、長さ約3㎜。2n=18。

スイカズラ属

　family Caprifoliaceae － genus Lonicera

　低木、直立又は矮性、まれに小高木、ときに、よじ登り、落葉又は常緑。枝は中空又は中実、白色又は褐色の髄をもつ。冬芽は1～数個の対の鱗片をもち、丸い又は鋭い4角（かど）があり、内側の鱗片はときに、成長し続け、後屈する。飾りの芽がときにあり、たまに、頂芽がなくなり、2個の側芽に置き換えられる。葉は対生、まれに輪生、全縁、まれに歯状又は分裂する。普通、托葉がなく、たまに、葉柄間托葉又は膨れた葉柄間の線がある。ときに1又は2対の葉が、花序の下に合着し、総苞片を形成する。花序は密穂花序状、頂生又は腋生、集散花序が対生し、普通、対の花に減じ、花はまれに、1個、ときに3個になる。花序はたまに、垂れ下がり、集散花序は無柄、ときに、頭状花序になり、又は集散花序が垂れ下がり、対の苞と2対の小苞を持つ。苞は普通、小さく、ときに、葉状。小苞は普通、分離、ときに、±融合し、たまに、円蓋は子房を包み、ときに、欠く。対の花は分離又は部分的～完全に子房に融合する。咢は5裂、まれに、4裂、ときに、切形、基部はたまに、襟状の毛状体(emergence)をもつ。花冠は白色、黄色、帯赤色、又は赤紫色、しばしば、花後に色が変わり、鐘形、漏斗形、規則的～類規則的に、5(又は4)裂するか又は2唇形、上唇は4裂、筒部は長又は短、基部に向かって、腹側にしばしば浅い～深いギボス状(gibbous)になり、まれに距がある。蜜腺は花冠筒部に向かって腹側に無柄の腺毛がある。たまに、5本の規則的な線に並び、まれに花柱の基部が膨れる。雄しべは5本、葯は背着。子房は2又は3(～5)室。花柱は細く、有毛又は無毛。柱頭は頭状。果実は液果、赤色、青黒色、黒色、緑色、又は白色、ときに、粉白を帯び、小苞はたまに、果時に大きくなり、対の液果を包む。種子は1個～多数、平滑、穴があるか又は顆粒状、丸い胚をもつ。
　世界に約180種があり、北アフリカ、アジア、ヨーロッパ北アメリカに分布する。
　主に栽培されるのは、ツキヌキニンドウ、ニオイニンドウ、スイカズラ、ハスカップなどである。

スイカズラ属の主な種と園芸品種

1 Lonicera acuminata Wall.　アリサンニンドウ　阿里山忍冬
　　synonym　Lonicera apodantha Ohwi　コバノスイカズラ
　中国(安徽省、福建省、甘粛省、広東省、広西チワン族自治区、貴州省、河南省、湖北省、湖南省、江西省、陝西省、四川省、西蔵、雲南省、浙江省)、台湾、インド、ブータン、ネパール、ミャンマー、フィリピン原産。中国名は淡红忍冬 dan hong ren dong。標高100～3200mの森林、低木林に生える。
　蔓植物で、半常緑。枝は通常中空になる。枝、葉柄、花柄には、湾曲または開出する黄褐色の硬い毛が密生し、ときに長い腺毛が点在し、ときに無毛または無毛になる。葉はたまに3輪生する。葉柄は長さ2～15㎜。葉身は卵形または長円形～線状披針形、長さ2.5～13㎝×幅1.3～4.5㎝、両面とも少なくとも中脈に黄褐色の毛があるかまたは無毛、基部は円形～心形、縁はしばしば縁毛があり、先は尖鋭形～尾状。花は対につき、小枝の先に腋生で、ときに円錐花序となる。花序柄は長さ0～23㎜で、小枝の先端では短くなる。苞は錐形、たまに葉状になり、長さ2～4㎜m、軟毛があり縁毛がある。小苞は卵形、長さ約1㎜、無毛から密に縁毛がある。隣接する子房は自由で、長さ約2㎜、無毛、ときにまばらに毛があり、ときに白粉状になる。萼片は卵形～狭三角形、長さ1.5㎜以下、縁には縁毛があり、ときに無毛または腺がある。花冠は2唇形、赤色を帯びた白色で、橙色または紫色がかった黄色になる、長さ1.5～2.4㎝、外側は無毛～密に毛がある。花冠筒部は漏斗形、長さ9～12㎜、喉部の直径は2～5㎜、内側には粗毛があり、基部に向かって広く浅く凸形(gibbous)になる。上唇は不規則に4裂し、直立し、裂片は円状卵形で長さ1～2㎜、下唇は反り返る。雄しべは花冠より長いか花冠とほぼ等しい。花糸は基部に粗毛がある。花柱は突出し、少なくとも下半分は粗毛があるかまたは無毛。果実は青黒色、粉白色になり、卵形、直径6～7㎜。種子は楕円形～長円形、わずかに扁平、長さ4～4.5㎜、浅く穴がある。花期は5～7月。果期は10～11月。
品種)　 'Copper Beauty'

2 Lonicera affinis Hook. et Arn.　ハマニンドウ　浜忍冬
　日本(本州の紀伊半島・中国地方、九州、四国、屋久島、種子島,、トカラ列島)固有種。別名はイヌニンドウ。海岸近くの林縁に生える。
　半常緑のつる性木。茎は長く伸び、よく分枝する。樹皮は帯紫色、無毛。葉は対生する。葉身は卵形～狭卵形、長さ5～10㎝×幅2～6㎝、質は厚く、先は鈍形、基部は円形～浅し心形、両面とも無毛。花は腋生、枝先の葉腋に2個ずつつく。花柄は短い。苞は披針形、長さ2～3㎜、葉状にならない。花冠は白色、後に黄色に変わり、長さ3～4㎝、2唇形、上唇は浅く4裂し、下唇は線形で下垂する。花冠の基部に蜜腺がある。子房は下位、3室。液果は球形、直径7～10㎜、黒色。花期は5～7月。

2-1 Lonicera affinis Hook. et Arn. var. pseudohypoglauca Hatus.　ケハマニンドウ　毛浜忍冬

3 Lonicera alpigena L.　アルペン・ハニーサックル
　日本（北海道、本州）、ロシア、ヨーロッパ原産。英名はalpine honeysuckle。
　低木、高さ2m以下。葉は卵状披針形、長さ11㎝以下、幅の2～3倍の長さ、全縁、先は急に細くなり、尖り、緩く有毛、下面は光沢があり、上面より色が薄い。花は対につき、花柄は花の長さの2～3倍。花冠は基部が黄色、先が赤褐色、長さ1.5～2㎝、筒部は2唇の縁より短い。液果は暗赤色に熟す。花期は4～6月。2n=36。

3-1 Lonicera alpigena L. subsp. glehnii (F.Schmidt) H.Hara　エゾヒョウタンボク　蝦夷瓢箪木

　　synonym　Lonicera alpigena L. var. glehnii (F.Schmidt) Nakai
　　synonym　Lonicera glehnii F.Schmidt

　　synonym　Lonicera alpigena L. subsp. glehnii (F.Schmidt) H.Hara var. watanabeana (Makino) H.Hara

　　synonym　Lonicera alpigena L. subsp. glehnii (F.Schmidt) H.Hara var. viridissima (Nakai) Nakai ex H.Hara　スルガヒョウタンボク

　　synonym　Lonicera watanabeana Makino　スルガヒョウタンボク
　北海道、本州北部、サハリン、南千島に分布。山地の岩礫地やその周辺、風穴のある落葉広葉樹林下に生える。別名はオオバエゾヒョウタンボク。
　落葉低木。 高さ2～3m。若枝は中実、鈍い稜があり、無毛。葉は対生し、葉柄は微細な腺点があり、長さ5～10㎜。葉身は卵状長円形～狭卵形、長さ6～10㎝×幅 2.5～5㎝、先は尖鋭形、基部は円形～浅い心形、縁には長い粗毛があり、上面の脈上に微軟毛があり、下面は特に脈上に開出する毛と腺毛がある。花は対につく。花序柄は長さ2.5～4.5㎝、ときに微細な腺点がある。苞は線形、長さ5～10㎜、子房の3～5倍の長さがある。小苞はごく小さいかまたは無い。花冠は2唇形、帯黄色～淡緑黄色、しばしば褐赤色を帯び、長さ12～15㎜、外側は無毛で、内面に毛があり、深く裂け、凸形(gibbous)である。雄しべは内側にある。液果は球形の2個が半分以上合着し、長さ約7㎜、濃赤色に熟し、光沢がある。花期は5～6月。

4 Lonicera caerulea L. 　ハスカップ　[広義]
　日本、朝鮮、中国、モンゴル、ロシア、ヨーロッパ、北アメリカ原産。英名はblue honeysuckle , blueberry honeysuckle , fly honeysuckle。中国名は蓝果忍冬 lan guo ren dong 。
　低木、落葉、高さ2.5m以下。枝は固体の髄をもつ。樹皮は剥離する。芽は開出し、ときに付属芽をもつ。冬芽は芽鱗を数対もつ。外側の対は長い尖鋭形、内側の対は不明瞭。葉柄間托葉はときに、腎形で6㎜まで融着する。葉身は卵形～長円形～倒卵形、長さ1～6㎝×幅1～3㎝、両面にまばらに短毛があり、中脈上は密で開出し、ときにほぼ無毛、基部は円形、先は鋭形～鈍形。花序は腋生、花が対につく。花序柄は長さ2～10㎜。苞は線形、子房の長さの2～3倍。小苞は無毛、総苞(cupule)は分離した子房をきつく包む。花冠は筒状漏斗形、長さ10～15㎜、外面に微軟毛があり、基部は浅いギボス形。裂片は規則正しく、長さ2～3㎜。雄しべは花冠から突き出る。子房は2室。花柱は突き出し、無毛。総苞(cupule)は2個の液果の周りに融着し、青黒色、白粉を帯び、楕円形～長円状楕円形の複合果実となり、長さ約1.5㎝。種子は褐色、球形～楕円形、長さ約1.5㎜。花期は5～6月。果期は8～9月。
品種)　'Aurora' , 'Berry Smart Blue' , 'Blue Bell , 'Blue Hokkaido Honeyberry' , 'Blue Pagoda Honeyberry , 'Borealis' , 'Honey Bee' , 'Indigo Gem' , Sugar Mountain™ Balalaika , Sugar Mountain™ Kalinka , Sugar Mountain™ Polar Bear , Sugar Mountain® Eisbar™ , 'Svetlana' , 'Tundra' , Yezberry® Honey Bunch™ , Yezberry® Maxie™ , Yezberry® Solo™ , Yezberry® Sugar Pie™
4-1 Lonicera caerulea subsp. altaica (Pall.) Gladkova
　　synonym　Lonicera altaica Pall.
　　synonym　Lonicera caerulea subsp. hirsuta (Regel) Kuvaev
　　synonym　Lonicera caerulea var. hirsuta Regel
　ロシア、モンゴル、カザフスタン原産。英名はAltai honeysuckle。カラマツやスギ林、混交林の下草、石の多い場所や岩場に生え、開けた場所では、広大な茂みを形成することもある。山岳地帯では、通常、海抜1000m以上の高度で、森林地帯から高山地帯まで広がる。果実は生食またはジュースやジャムに加工して使用される。果実が大きく、収穫量が多く、成熟中に落果がなく、輸送性に優れ、耐寒性があるなどの特性があるため、育種に適している。また、蜜源植物や観賞用植物としても使用されている。
　落葉低木、高さ2.5mまで。古い枝は灰褐色で、しばしば樹皮が剥がれる。若い枝は通常、無毛だが、まれに短い角張った剛毛のような毛がまばらに生える。葉は長円形～楕円形または広披針形、先は鋭形またはやや鈍形、長さ2.5～4.5㎝×幅0.5～3㎝、不稔枝では葉が長さ7㎝×幅3.3㎝までになり、縁は無毛またはまばらに長い縁毛がある。花は下部の葉の葉腋に2個ずつ付く。花冠は筒状漏斗形、黄白色。雄しべは花冠の長さと同じ長さか、それよりわずかに長い。複合の果実は細長く、長さ7～14㎜、暗青色で粉白色を帯び、食用になり、甘酸っぱく苦味のある味がする。花期は5月末。果期は6月下旬～7月上旬。熟した果実は晩秋まで植物に残る。昆虫媒介性。2n=36。
4-2 Lonicera caerulea subsp. borbasiana (Kuntze) E.Mayer
　　synonym　Lonicera borbasiana (Kuntze) Degen
　　synonym　Caprifolium borbasianum Kuntze
　ユーゴスラビア原産。blue-berried honeysuckle
4-3 Lonicera caerulea subsp. caerulea　ハスカップ　狭義

　　synonym　Lonicera caerulea subsp. edulis (Turcz. ex Herder) Hultén

　　synonym　Lonicera caerulea var. edulis Turcz. ex Herder
　　synonym　Lonicera caerulea var. glabrescens Herder
　　synonym　Lonicera caerulea var. longibracteata H.Hara　ナガヒゲヨノミ
　　synonym　Lonicera caerulea var. venulosa (Maxim.) Rehder　マルバヨノミ
　　synonym　Lonicera emphyllocalyx Maxim.　クロミノウグイスカグラ
　　synonym　Lonicera venulosa subsp. emphyllocalyx (Maxim.) Vorosch.
　　synonym　Lonicera reticulata Maxim.
　日本、朝鮮、千島列島、サハリン、中国、ロシア、モンゴル、アルバニア、オーストリア、バルト諸国、ベラルーシ、ブルガリア、チェコスロバキア、フィンランド、フランス、ドイツ、イタリア、ルーマニア、スペイン、スウェーデン、スイス、ウクライナ、ユーゴスラビア原産

(1) Lonicera caerulea L. subsp. edulis (Regel) Hulten　ハスカップ　広義

　北海道、本州(岩手県)、千島列島、サハリン、朝鮮、中国(北部)、モンゴル、ロシアに分布。山地の湿地に生える。
　低木、高さ0.8～1.5m。若枝、葉には長短の軟毛がある。樹皮は古くなると剥離する。葉は長円形～卵状楕円形、先は鈍形、基部は円形～楔形、両面に毛がある。花序柄は下向き、先に2個の花をつける。花冠は黄白色、筒状漏斗形、外面に毛と腺があり、花冠裂片は斜上する。液果は楕円形、青黒色、粉白を帯びる。花期は5～7月。
品種)　'Berry Blue' , 'Blue Bird' , 'Blue Moon' , 'Blue Pacific' , 'Cinderella' , Sugar Mountain™ Blue

(2) Lonicera caerulea L. subsp. edulis (Regel) Hulten var. edulis Regel　ケヨノミ　

　　synonym　Lonicera caerulea L. var. glabrescens Rupr. ex Herder
　　synonym　Lonicera edulis (Regel) Turcz. ex Freyn　m
　葉や花に毛が多いもの。

(3) Lonicera caerulea L. subsp. edulis (Regel) Hulten f. longibracteata C.K.Schneid.　ナガヒゲヨノミ

(4) Lonicera caerulea L. subsp. edulis (Regel) Hulten var. emphyllocalyx (Maxim.) Nakai　クロミノウグイスカグラ　黒実鶯神楽

　　synonym　Lonicera caerulea auct. non L.
　葉や花に毛が少ないもの。

(5) Lonicera caerulea L. subsp. edulis (Regel) Hulten var. venulosa (Maxim.) Rehder　マルバヨノミ

　葉や花に毛の全くないもの。
4-4 Lonicera caerulea var. cauriana (Fernald) B.Boivin
　　synonym　Lonicera cauriana Fernald
　カナダ、USA原産。英名はwestern honeysuckle。標高2200～3200mの湿地に生える。
　低木、直立し、長さ30～90㎝。葉が草質、軟毛があり、長さ2～5㎝、葉身は長円形、縁毛があり、基部は先細り、先は円形または鈍形。花序: 花は対生し。花序柄は長さ約2㎜。苞は1～3対つき、狭披針形、内側が融合し、子房をしっかりと包む。花: 萼片は苞から突出する。花冠は長さ6～9㎜、黄色が約1/2で、鐘形、弱く2唇形。葯は突出する。子房(および果実)は内側の融合した苞にしっかりと包まれ、完全に融合しているように見える。花柱は長さ約1/2が無毛。果実は双生、完全に融合しているように見え、長さ約8㎜、赤色。花期は5～7月。
4-5 Lonicera caerulea subsp. pallasii (Ledeb.) Browicz
　　synonym　Lonicera pallasii Ledeb.
　　synonym　Lonicera subarctica Pojark.
　　synonym　Lonicera turczaninowii Pojark.
　ロシア、バルト諸国、カザフスタン、スウェーデン原産。トウヒやシラカバの森林内、下草の中、谷間の低木林の中、沼地の外れに生える。
　矮生低木(nanophanerophyte)、高さ75～100㎝の茂みになる。古い枝の樹皮は灰色、縦縞に分かれる。若い芽は太く、葉が密集し、厚い帯黄色の綿毛で覆われ、頻繁に突き出る長い剛毛で覆われる。芽には外側に2個の尖った鱗片があり、新芽と同じように毛が生える。腋芽の上には、通常1～2(3)個の不稔芽が発達する。不稔性の細長い新芽は、しばしば大きな托葉があり、葉柄とともに広い円盤状になる。夏の終わりまでに托葉は革質になり、通常は翌年まで残る。葉は密につき、長さ1.8～7.0㎝×幅1.2～3.5㎝、楕円形または倒卵形、主に新芽の先端に見られるものはより狭く～長円状楕円形、先は鈍形または短く尖り、基部は楔形または切形、黄緑色、下面はより明るい色になり、両面に短くて触ると柔らかい毛があり、最初は密で後にややまばらになり、下面は主脈に沿って密に水平に突き出た長い毛があり、縁に沿って上向きに突き出た剛毛がある。葉柄は短く、長さ2～7㎜、密に短い軟毛があり、剛毛で覆われる。花序柄は長さ3～6(7)㎜、花時には斜め上向きになり、果時には垂れ下がる。苞葉は糸状、角張り(squarishly)、毛があり、長さ3～7㎜、子房の長さの1.5～2(2.5)倍長く、小苞の包み(wrapper)の中にに包まれる。後に外側がむき出しになり、上部が開いている。苞葉は子房と一緒に成長し、結果として結合した偽果(pseudocarp)を形成する。包から突き出た萼の拡大部は短く、無毛または縁に沿ってまばらに毛や腺がある。花冠は長さ10～13㎜、帯黄色、漏斗形、わずかに左右相称の拡大部を持ち、筒部は外側にまばらに毛があり、ときに腺で覆われる。内側は雄しべの付着部より下に毛がある。拡大部の裂片は通常、広卵形で鈍く、筒部より2.5～3.5倍短い。葯は花冠の中に隠れているか、わずかに露出している。花柱は花冠よりも長い。果実は長さ7～12㎜、球形または楕円形、2個の離生の果汁の多い液果からなり、苞葉で形成された薄い黒青色の果皮に包まれ、粉白色を帯びる。種子は楕円形、褐色、長さ2～2.5㎜。花期は6～7月。果期は7～8月。
4-6 Lonicera caerulea subsp. stenantha (Pojark.) Hultén ex A.K.Skvortsov
　　synonym　Lonicera stenantha Pojark.
　アフガニスタン、カザフスタン、キルギスタン、パキスタン、タジキスタン、ウズベキスタン、西ヒマラヤ原産。中央アジアの山地、丘陵地、岩場に生える。非常に観賞価値が高い。
　高さ1.5～2.5mの密生した低木。葉は披針形、革質。花は黄白色。

5 Lonicera caprifolium L.　イタリアン・ハニーサックル
　アルバニア、オーストリア、ブルガリア、チェコスロバキア、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、イタリア、ロシア(北コーカサス)、ルーマニア、トランスコーカサス(アゼルバイジャン、アルメニア、ジョージア)、トルコ、ユーゴスラビア原産。英名は Italian woodbine , perfoliate honeysuckle , goat-leaf honeysuckle , Italian honeysuckle , perfoliate woodbine。焼け跡に成長するburning plantsとして知られ、まばらな森林の端、雑木林の斜面、ブドウ畑、道路沿いなどに生える。主に温暖でアルカリ性、特に石灰質の土壌で生育する。
　蔓性落葉低木、高さ5(～7)mまで、無毛でまれに毛が生え、中空で、緑色～紫色の膨れた枝がつく。樹皮は黄褐色～褐色、リボン状に剥がれる。芽は小さく、細長い卵形、先が尖り、無毛、褐色の尖った鱗片が多数ある。葉身は楕円形～広楕円形、広卵形～倒卵形、長さ(2.5～)3.0～7.0(～10.0)㎝×幅(2～)3～5(～6)㎝、先は鈍形、まれに短い小突起があり、基部は楔形～広楔形、または浅い心形、縁は全縁、上面は暗緑色、下面は無毛、灰緑色、しばしば若いうちは毛があり、後にほぼ無毛～無毛になり、葉柄は短い。茎の頂部の一部で、対生の葉の基部が融着し、葉は楕円形～円形、茎が成長すると、茎の葉痕が目立つ。花は特に夕方に強い香りがあり、無柄または極短い短柄、通常は最も高い融着した葉の間に6個の花が輪生する。苞と小苞は非常に小さい。萼片は非脱落性で、しばしば波状の5歯の境界を形成する。花冠は2唇形、長さ4～5㎝、最初は帯白色、後にピンク色、赤色から紫色に変色し、花冠筒部は長さ25～30㎜、花冠裂片より長く、狭く、真っ直ぐからわずかに曲がり、まばらに腺毛がありまたはほぼ無毛、内側は無毛。雄しべは花冠とほぼ同長。花糸は互いに癒合しておらず、花柱は長く、雄しべよりわずかに長く、無毛。果実は楕円形、長さ約8㎜、オレンジ色からサンゴ色で、萼の残骸がある。種子は楕円形、長さ3.5～4.0(～5.0)㎜×幅約3㎜、黄褐色～褐色。花期は5～6月。2n=18。
品種)　'Harlequin'(aka Sherlite)

6 Lonicera cerasina Maxim.　ウスバヒョウタンボク　薄葉瓢箪木
　　synonym　Lonicera shikokiana Makino　
　日本固有種（近畿以西の本州、四国、九州）。山地の石灰岩地付近に自生する。
　落葉低木 直立し、高さ約2m以下。葉は対生し、葉柄は長さ6～10㎜。葉身は披針形～楕円状披針形、先は鋭尖形、縁は全縁、縁毛があり、基部は楔形～円形、長さ5～10㎝×幅1.2～4㎝、上面は毛を散生し、下面は無毛。花は葉の展開と同時に開花する。花は葉腋に対につく。花序柄は長さ15～25㎜。各花には苞が1個、小苞が2個つく。苞は線形、長さ3～4㎜。小苞は楕円形、長さ1.5㎜。対の子房は基部又は下半分が合着し、長さ2㎜、3室。萼は小さく5裂し、縁毛がある。花冠は淡黄色、長さ10～11㎜、二唇形、基部に密腺があり、中裂する。雄しべは5本、花冠とほぼ同長、花冠筒部から長く突き出る。花柱は雄しべと同長、無毛。柱頭は頭状。果実は2個の子房が融合し、瓢箪形になり、鮮紅色に熟す。花期は(2月下旬～)4～5月。果期は6月。

7 Lonicera chamissoi Bunge　 チシマヒョウタンボク　千島瓢箪木
　日本（中部地方以北、北海道）、ロシア原産。別名クロバナヒョウタンボク。高山帯に生える。
　落葉小低木、無毛、高さ0.3～1m。小枝は灰白色、円柱形。葉は対生、葉柄は無または長さ2㎜まで。葉は紙質～膜質、広卵形～楕円形、長さ2～4(～5)㎝×幅1.5～2.5㎝、先は鈍形または円形、縁は全縁、基部は円形、下面にわずかに隆起する細脈がある。当年枝の葉腋に花を対につける。花序柄は長さ6～12㎜、苞と小苞は広卵形または円形、長さ1㎜未満。萼の拡大部は短く、わずかに5歯がある。花冠は濃紅色、2唇形、長さ1～1.5㎝、外側は無毛、基部は片側に膨れ凸形(gibbous)。上唇弁は先が4深裂し、下唇弁は線形、反り返る。液果は直径約7㎜、対の2個が合着し、赤色に熟す。花期は6～7月。果期は8～9月。

7-1 Lonicera chamissoi Bunge f. albiflora H.Hara　シロバナチシマヒョウタンボク　白花千島瓢箪木

8 Lonicera chrysantha Turcz. ex Ledeb.　ネムロブシダマ　根室附子玉

　　synonym　Lonicera chrysantha Turcz. ex Ledeb. subsp. gibbiflora (Rupr.) Kitag.

　　synonym　Lonicera chrysantha Turcz. ex Ledeb. var. longipes Maxim.

　日本、朝鮮、中国、モンゴル、ロシア、ヨーロッパ原産。中国名は金花忍冬 jin hua ren dong 。日本の寒冷な地方に見られ、北海道東部の根室地方に多い。
　落葉低木。高さ4m以下。冬芽は卵状披針形、芽鱗が数対つく。外側の芽鱗は三角形、まばらに微軟毛がある。内側の芽鱗は花後に大きくなり、披針形、密に毛があり、外側に長い縁毛がある。枝は髄が褐色になり、後に中空になる。枝や葉柄に開 3～10㎝×幅1～5㎝、下面は道に剛毛～絨毛又はまばらに毛がある。上面はまばらに毛があるか又はほぼ無毛、基部は楔形～円形、縁は縁毛があり、先は円形又は鋭形～尖鋭形又は尾状。花序は芳香があり、対の花が腋生する。花序柄は長さ1.5～3㎝。苞は線形～狭い線状披針形、長さ2.5～8㎜、しばしば子房を越える。各花の小苞は融合又は分離し、卵形～類円形、長さ約1㎜、縁毛がある。隣り合う2個の子房は分離、±腺があり、無毛又は密に毛がある。咢片は卵形、先が円く、縁毛があり、腺があり、ときに、基部にカラーのようなものができる。花冠は2唇形、初め白色、後に黄色になり、ときに橙赤色を帯び、長さ1～1.5㎝、外側にまばら～密に毛がある。花冠筒部は長さ2～5㎜、内側に毛があり、深く又はときに不明瞭に基部に向かってギボス形になる。上唇は浅く、4裂する。下唇は内側に曲がる。雄しべと花柱は花冠筒部から突き出す。花糸は中間より下に密に毛がある。葯隔はときに毛がある。花柱は全体に毛がある。液果は赤色、球形、直径約5㎜。種子は褐赤色、楕円形、長さ約3㎜、小さな凹面の斑点があり、ときに赤色の腺がある。花期は5～6月。果期は7～9月。2n = 18。
8-1 Lonicera chrysantha var. chrysantha
　日本、朝鮮、中国、ロシア原産。中国名は金花忍冬 jin hua ren dong
　葉の下面にはまばらに剛毛がある。子房に腺毛がある。

8-2 Lonicera chrysantha var. koehneana (Rehder) Q. E. Yang

　中国に分布。中国名は须蕊忍冬 xu rui ren dong
　葉の下面に綿毛がある。子房には軟毛と腺毛がある。　

8-3 Lonicera chrysantha Turcz. ex Ledeb. var. crassipes Nakai　 ネムロブシダマ　狭義

　葉は両面に軟毛がある。

9 Lonicera ciliosa (Pursh) Poir. ex DC.　オレンジ・ハニーサックル
　北アメリカ西部原産。英名はorange honeysuckle , western trumpet honeysuckle。標高0～1900mの森林、茂みに生える。
　常緑または落葉、蔓性、這うか絡みつき、無毛または軟毛がある。茎は長さ0.3～3m、10mまで。小枝は中空。 葉は葉柄が長さ約5㎜、葉身は楕円形～卵形、長さ5～10㎝、下面は青緑色、上面は緑色、基部は漸尖～鈍形、縁は縁毛があり、先は円形または鋭形、微突形、上部の1～2対の葉は茎の周りに癒合する。花序は腋生または枝先に頂生の穂状花序、短く、密集し、±断続的で、2～4輪生し、花が約20個つく。花冠は弱く2唇形、狭いトランペット形(ほぼ円筒形)、長さ15～50㎜、花冠裂片は花冠の長さの1/6～1/4、オレンジ色～赤色。雄しべは花冠裂片の先端に達するか、突き出る。花柱は毛があり、柱頭は突き出る。果実は直径8～10㎜、橙赤色～赤色、粉白色を帯びる。種子は多数。花期は4～7月。
品種)　 'Dropmore Scarlet' , First EditionsR Honeybelle™

10 Lonicera demissa Rehder　イボタヒョウタンボク　蝋瓢箪木
　日本固有種(山梨県、静岡県、埼玉県、長野県)
　落葉低木、高さ1～4m。 樹皮は灰褐色、縦に裂ける。葉は対生し、 葉身は長さ2～5㎝×幅1～2㎝、長楕円形、 先は鈍形、微突頭、 基部は楔 形、縁は全縁、軟毛がある。 葉腋に淡黄色の花を２個ずつ対につける。花冠は淡黄色。液果は真っ赤に熟し、対の2個は合着しない。花期は5～6月。果期は9～10月。

10-1 Lonicera demissa Rehder var. demissa　 イボタヒョウタンボク

　　synonym　Lonicera ibotaeformis Nakai　

10-2 Lonicera demissa Rehder var. borealis H.Hara et M.Kikuchi　キタカミヒョウタンボク

　　synonym　Lonicera kurobushiensis Kadota　
　北上山地に生える。
　葉は倒卵形～長楕円形、先は長い鋭形、両面に軟毛、脈に長毛があり、下面は粉白色を帯びる。

11 Lonicera etrusca Santi　エトルリア・ハニーサックル
　地中海沿岸地域原産。英名はEtruscan honeysuckle。標高300m以下の乱れた場所に生える。
つる性草本、無毛。葉は一般的に長さ6～9㎝。葉身は卵形、無柄～短柄、基部は円形、先は鈍形～円形、葉脈は上側の1対は茎の周囲で融合する。花序は穂状花序、短く、密集し、腺は有または無。苞は円形。花冠は長さ3～5㎝、強く2唇形、1/4～1/3に分かれ、黄白色、紫色を帯びる、花冠筒部は細い。雄しべ、柱頭はよく突き出る。花時は5～7月。
品種)　'Donald Waterer' , 'Michael Rosse' , 'Superba'

12 Lonicera ferdinandi Franchet　タマヒョウタンボク　玉瓢箪木
　　synonym　Lonicera vesicaria Kom.
　朝鮮、中国(甘粛省、河北省、黒龍江省、河南省、遼寧省、内モンゴル、寧夏回族自治区、青海省、陝西省、山西省、四川省、雲南省)原産。英名はKorean Honeysuckle。中国名は葱皮忍冬 cong pi ren dong。標高(200～)1000～ 2700mの森林、低木林、岩の多い斜面に生える。
　落葉低木、高さ1～4.5m。冬芽は1対の舟形の外側の鱗片を持つ。鱗片の内側は白色の綿毛が密生する。若い枝は通常毛深く、しばしば硬い毛と微小腺を持つ。樹皮は疣状で裂ける。活発な新芽はよく発達した葉柄間の円盤状の托葉を持つ。葉は卵形～披針形、長さ3～10㎝×幅2～7㎝、下面には通常粗毛があり、中脈の基部ではより密に粗毛があり、ときに微小腺を持ち、上面にはまばらに粗毛があるかまたはほぼ無毛、基部は円形～ほぼ心形、縁は縁毛があり、全縁またはたまに浅く裂け、先は鋭形～尖鋭形。花序は頂生で1～3輪生、集散花序には2花(たまに3花)がつく。花序柄は長さ1～2㎜、粗毛があり、腺がある。苞は葉状、披針形～卵形、長さ1.5㎝まで。小苞は癒合してつぼ形の杯状体を形成し(urceolate cupule)、隣接する2つの自由子房を完全に取り囲み、果実では直径7～13mmまで増大し、若いうちは外側に密に絨毛があり、内側には伏した絨毛がある。萼には毛がある。萼片は三角形、縁毛がある。花冠は2唇形、白色、後に帯黄色になり、長さ1.3～1.7㎝、外側には通常密に粗毛と腺毛があり、内側に絨毛がある。花冠筒部は基部に向かって浅く凸形(gibbous)になり、花冠裂片よりわずかに長いかほぼ同じ長さ。上唇は浅く4裂し、下唇は反り返る。雄しべと花柱は花冠筒部から突き出る。花柱は基部に向かって毛がある。果実は赤色、卵形、長さ1㎝まで、2～7種子をもつ。種子は薄褐色、楕円形、扁平、長さ4～7㎜、密に錆び色の穴がある。花期は4～7月。果期は8～10月。2n=36。

13 Lonicera fragrantissima Lindl. et Paxton　ロニケラ・フラグランティシッシマ

　中国原産。中国名は郁香忍冬 yu xiang ren dong 。YListではツシマヒョウタンボク(Lonicera harae Makino)をsynonymとしている。
　落葉低木、高さ2m以下。冬芽は対の芽鱗をもち、外側の芽鱗は鋭く、軟骨性、膜質の内側の芽鱗を被う。若枝は普通、後屈する剛毛をもつ。葉柄は長さ2～5㎜、粗毛がある。葉身はときに、下面が淡色になり、形は様々に変化し、倒卵形～卵形～披針形、長さ3～8.5㎝×幅1～4.5㎝、無毛～有毛又は粗毛があり、基部は類心形～楔形、縁は縁毛があるか又は類無毛、ときにわずかに、外巻き、先は円形～尖鋭形。花序は腋生、新しいシュートの基部に花が対につく。花は芳香があり、早春に開花する。花序柄は長さ1～15㎜、無毛～粗毛がある。苞は葉状～披針形、長さ7～10㎜。小苞は無い。対の子房は中間まで又はそれ以上融合し、長さ1～3㎜。咢は円蓋状、切形又は小さい裂片があり、ときに縁毛があり、基部はくびれない。花冠は2唇形、白色～ピンク色、長さ1～1.5㎝、外側は無毛～粗毛があり、筒部は長さ4～5㎜、内側には密に微軟毛があり、基部は浅いギボス形。上唇は長さ約7㎜、中間まで分裂する。下唇は反曲し、長さ約8㎜。雄しべと花柱は花冠筒部から突き出す。花糸は不等長。花柱は無毛。液果は赤色、長円形、長さ約1㎝、部分的に統合する。種子は褐色、わずかに扁平、長円形、長さ約3.5㎜、浅い穴がある。花期は1～4月。果期は4～6月。
品種)　'Spring Romance' , 'Winter Beauty'

13-1 Lonicera fragrantissima var. fragrantissima

　中国原産。中国名は郁香忍冬 yu xiang ren dong。
　落葉低木、葉は卵形～披針形、長さ3～8.5㎝×幅1～4.5㎝、先は鋭形～尖鋭形。

13-2 Lonicera fragrantissima var. lancifolia (Rehder) Q. E. Yang

　中国原産。中国名は苦糖果 ku tang guo
　落葉低木、葉は卵形～披針形、長さ3～8.5㎝×幅1～2㎝、先は鋭形～尖鋭形。

13-3 Lonicera fragrantissima subsp. phyllocarpa (Maxim.) P.S.Hsu & H.J.Wang

　中国(河北省、山西省、江蘇省、安徽省、河南省)、ロシア原産。中国名は樱桃忍冬。標高480～2000mの丘陵斜面、谷間、川岸に生える。
　落葉低木。小枝と葉柄には、ときに短い粗毛が生える。葉は卵状楕円形、卵状披針形または楕円形、先は尖鋭形または鋭形で先端が凸状、両面が硬い毛で覆われているほか、下面にも短い軟毛と短い腺毛が混じる。花柱にはまばらに粗い毛が生えているか、中央より下または基部のみが無毛になる。花期は3～4月。果期は4月中旬～6月。

14 Lonicera gracilipes Miq.　ウグイスカグラ　鶯神楽　[広義]

　　synonym　Lonicera gracilipes f. albiflora (Maxim.) Rehder　シロバナウグイスカグラ

　　synonym　Lonicera gracilipes Miq. var. gracilipes　ヤマウグイスカグラ

　　synonym　Lonicera gracilipes Miq. var. glandulosa Maxim.　ミヤマウグイスカグラ

　　synonym　Lonicera gracilipes Miq. var. glabra Miq.　ウグイスカグラ
　日本固有種(北海道南部、本州、四国、九州)。別名はウグイスノキ。
　落葉低木。高さ1～2m。幹は灰褐色、樹皮が縦に裂けて剥がれる。葉は対生し、長さ3～6㎝、幅2～4㎝の広楕円形、無毛又は有毛。葉裏は緑白色。枝先の葉腋に花を1～2個つける。花冠は長さ1～2㎝の漏斗形、先が5裂して平開し、無毛又は有毛。葉や花冠の毛の量には変化がある。雄しべ5個。雌しべ1個。花柄は長さ1～2㎝。液果は長さ1～1.5㎝の楕円形、6月に赤く熟し、食べられる。種子は長さ4～5㎜の惰円形、褐色。花期は4～5月。
　POWOでは下位分類を認めていない。

(1) Lonicera gracilipes Miq. var. gracilipes　ヤマウグイスカグラ 　山鶯神楽

　葉や花冠などに毛が多いもの。

(2) Lonicera gracilipes Miq. var. glandulosa Maxim.　ミヤマウグイスカグラ　深山鶯神楽

　萼に腺毛がある

(3) Lonicera gracilipes Miq. var. glabra Miq.　ウグイスカグラ　鶯神楽

　葉や花冠などに毛がほとんどないもの。

(4) Lonicera gracilipes Miq. var. glabra Miq. f. albiflora (Maxim.) Rehder　シロバナウグイスカグラ　白花鶯神楽

15 Lonicera harae Makino　ツシマヒョウタンボク　対馬瓢箪木

　　synonym　Lonicera coreana Nakai in Bot. Mag. (Tokyo) 29: 6 (1915)　コウライヒョウタンボク　高麗瓢箪木

　　synonym　Lonicera harae var. tashiroi Nakai
　日本、朝鮮原産。YListではLonicera fragrantissimaをツシマヒョウタンボクとし、Lonicera haraeをそのsynonymとしている。
　落葉低木、枝は密に枝分かれし、枝は直立し、細く、円柱形、無毛、繊細な条線があり、光沢があり、暗褐色の榛(はしばみ)色(umber-avellaneous)または淡ツグミ色(pale-gilvous = pale-fulvous brown)。この年の小枝は地下茎で、陥没した軟毛があり、直立した毛または後方に毛がある、または無毛で、緑青に輝くが、日光の下では紫色になることが多く、基部に短く幅広い小さな苞がある。葉は対生し、短い柄があり、卵形、長楕円形、倒卵形、楕円形、または倒卵長楕円形、先は微鈍形または円形または時に鋭形、基部は鈍形または円形または鋭形、全縁で繊毛があり、陥没したまたはやや陥没した上向きの淡い毛またはやや繊毛がある、完全に無毛または上部の中脈にのみ軟毛がある、下部の中脈と葉脈にほぼ無毛または薄く陥没した毛がある、長さ2～7cm、幅14～4cm。幅広でしっかりと黄褐色または黄褐色皮質で、亜同色。下面の中肋が顕著。葉脈は各面に 5～9 本あり、直立して開裂せず、上向きに弓状で、下面だけでなく乾燥時には上面にもわずかに目立つ。細脈は繊細で、多数の隆起した網目状で、主細脈は葉脈の間を横切る。葉柄は直立・開出し、亜細柔毛または柔毛があり、毛はほぼ伏した～斜上し、長さ2～6㎜、芽は小さく、真っ直ぐまたは弓状で、ほぼ錐形、無毛。花序柄は短く、当年の小枝の基部の芽腋から立ち上がり、後向きの軟毛があり、長さ2～10㎜。苞は対生し、開出するが上部では反り返り、ほぼ錐状披針形、先は鈍形または鋭形、下部の片側は普通ほぼ菱形またはほぼ矛形に広がり、片側の基部はわずかに合着し、縁には縁毛があるかまたはほぼ無毛、無毛だが、しばしば基部に非常に薄く細柔毛があり、厚く、帯緑青色、密に脈があり、長さ6～7㎜。花は小さく、双生、暗レンガ色？(lutescent)。小苞は無い。萼は杯形、短く、太く、緑青色を帯び、5円鋸歯または 5円鋸歯状の歯があり、長さ1㎜。花冠は長さ9～12㎜、外側は無毛、花冠筒部の内側にはわずかに細柔毛があり、深く2唇弁がある。上唇はずっと幅広く、扁楕円形、4裂または4深裂する。裂片は側裂片2個が長円形、内側の2裂片は卵状楕円形、先が円形、吻合細脈(anastomotic-venuled)がある。下唇は狭長円形、先が円形、吻合細脈がある。花冠筒部は唇弁より短く、狭倒円錐形、前面の基部がわずかに隆起し、通常、基部は細くなる。雄しべは5本、長さが不揃いで、前側の雄しべが花冠を越え、後ろ側の雄しべは花冠より少し短い。花糸はほぼ錐状の糸状、無毛。葯は長円状線形、中央で背着し、長さ2～3㎜。花柱は後ろ側の雄しべと高さがほぼ同じで、糸状、無毛。柱頭は頭状。子房は直立・開出し、中央の下で合着し、卵形、平滑、無毛、長さ2mm、3室があり、珠は各室に4個あり、垂れ下がり、楕円形、扁平。液果は球形、多肉質、緋色(scarlet)、平滑、無毛、直径約1㎝。種子は数個、楕円状(oval)または楕円形(elliptical)、扁平で平凸形、ツグミ色(gilvous)、下部に非常に微細な小窩(foveolate)があり、長さ約3㎜。花期は3月。[Bot. Mag. (Tokyo) 28: 123 (1914)]

16 Lonicera hypoglauca Miq.　キダチニンドウ　木立忍冬
　日本（本州の東海地方、瀬戸内海沿岸、四国、球種）、中国、台湾、ベトナム原産。中国名は菰腺忍冬 gu xian ren dong。
　半常緑つる性木。葉は対生し、葉柄は長さ3～12㎜。葉身は卵形～長楕円形、長さ2～11㎝×幅1～6㎝、先は普通、鋭形、基部は円形、全縁、初めは両面とも有毛であるが、後に上面は無毛になる。花期は5～6月、枝の先端部の葉腋から短柄を出し、対の2個の花をつける。花は初め白色で、後に黄色を帯び、花冠は長さ4～5㎝。上唇は4裂し、下唇は幅約2㎜で下垂する。果実は9～12 月に紫黒色に熟し、直径5～7㎜。（レッドデータブック愛知）
　沖縄のキダチニンドウはハマニンドウL.affinisの葉裏に毛の多い型のものである可能性が強いという報告がある。
【Flora of Chinaの解説】
　種の複合体であり、この種を区別する特徴は次のとおり。茎には灰色の毛がある。葉は下面が粉白色を帯び、大きな無柄の橙色の腺をもつ。子房は無毛～まばらに粗毛がある。液果は黒色。花期は4～5(～6)月。果期は10～11月.

17 Lonicera japonica Thunb.　スイカズラ　吸葛

　　synonym　Lonicera japonica Thunb. var. miyagusukiana Makino　ヒメスイカズラ

　　synonym　Lonicera miyagusukiana (Makino) Ohwi

　　synonym　Lonicera japonica Thunb. var. japonica f. chinensis (Watson) H.Hara　ベニバナスイカズラ

　　synonym　Lonicera chinensis P.Watson

　　synonym　Lonicera japonica Thunb. var. japonica f. flexuosa (Thunb.) Zabel　テリハニンドウ

　　synonym　Lonicera japonica var. repens (Siebold) Rehder
　日本全土、朝鮮、中国、台湾原産。中国名は忍冬 ren dong 。英名はJapanese honeysuckle, gold-and-silver-flower。別名はキンギンカ(金銀花)、ニンドウ(忍冬)。和名の由来は花の蜜を吸ったことから。別名は開花して時間が経つと次第に黄色を帯び、白花と黄花が混ざって咲くことに由来する。東南アジアで広く栽培され、ヨーロッパ、南北アメリカ、オーストラリア、ニュージーランドなどに帰化している。
　つる性常緑低木。蔓は太くなると木質化する。葉は対生し、長さ(1～)3～7㎝の長楕円形または卵円形、先が少し尖り、上面には粗毛がまばらにあり、脈上に腺毛がわずかにあり、下面は脈が盛り上がり、開出毛が密生し、脈上に黄色～赤褐色の腺毛も混じる。ときに葉の両面が無毛になる。葉柄にも毛や腺毛がある。葉形や毛の量には変異が多い。花は白色、後に黄色になり、ときに外側が紅色、唇形、葉腋に2個ずつつく。花冠は長さ3～4㎝、上下2唇に2裂する。上唇は卵形で、先が浅く4裂し、下唇は広細形。雄しべ5個、雌しべ1個とも花冠から長く突き出る。柱頭は球形。萼は先が5裂し、毛が密生する。苞は長さ5～20㎜の葉状。果実は直径5～6㎜の液果、強い光沢があり、黒く熟す。種子は扁平、やや歪な広卵形、暗褐色～黒色、長さ約3㎜。花期は5～6月。2n=18。
品種)　'Aureo-Reticulata' , 'Aureoreticulata' (v) , 'Cream Cascade' , 'Dart's Acumen' , Dart's Foreward Look = 'Interlook' , 'Dart's World' , 'Elegant Creeper' , 'Genbel' (PBR) , 'Halliana' , 'Hall's Prolific' , 'Hinlon' , Honeydew = 'Hinlon' , 'Horwood Gem' (v) , 'Maskerade' (v) , 'Mint Crisp' , 'Mint Crisp' (PBR) (v) , 'Peter Adams' , 'Princess Kate' , 'Purple Queen' , 'Purpurea' , 'Red World' , 'Soja' , Sweet Isabel , 'Variegata'
　POWOでは下位分類を認めていない。

(1) Lonicera japonica Thunb. var. japonica f. chinensis (Watson) H.Hara　ベニバナスイカズラ　紅花吸葛

　葉に光沢があり、花冠の外側が紅色になる。

(2) Lonicera japonica Thunb. var. japonica f. flexuosa (Thunb.) Zabel　テリハニンドウ　照葉忍冬

　　synonym　Lonicera japonica Thunb. var. repens (Siebold) Rehder　
　葉に光沢があり、毛が少ない。別名はウスゲスイカズラ。
品種)　'Crowthlon' , Pink Aperitif = 'Crowthlon'

(3) Lonicera japonica Thunb. var. miyagusukiana Makino　ヒメスイカズラ姫吸葛

　　synonym　Lonicera miyagusukiana (Makino) Ohwi
　南西諸島に分布する。
　葉は卵円形、長さ1～4㎝、質はやや厚く、光沢があり、先は円く、両面とも中脈を除き無毛。

18 Lonicera kawakamii (Hayata) Masam.　ニイタカニンドウ　新高忍冬
　　synonym　Coprosma kawakamii Hayata 　台湾原産。中国名は玉山忍冬 yu shan ren dong。標高1330mの山中に生える。
　落葉小低木、高さ2mまで。小枝は無毛で、退化した葉柄の基部が覆う。葉は硬い紙質、非常に小さく、倒卵形、長さ6～16㎜×幅3～5㎜、全縁、先は円形または鈍形、基部は楔形、上面は無毛、下面は葉脈にまばらに短い伏剛毛があるかまたはほぼ無毛、中脈と側脈は上面で凹み、下面でわずかに隆起し、側脈は約4対ある。葉柄は長さ1～2㎜。花は葉の展開後に開き、花序柄は腋生で細く、長さ2～5㎜、無毛。苞は卵状披針形、長さ1～2㎜、萼筒より長い。小苞は円状卵形、萼筒の長さの約1/4。隣接する萼筒の2/3以上が融合し、萼の縁は非常に短く、波状の円鋸歯またはほぼ切形である。花冠は薄黄色、筒状漏斗形、長さ約4㎜、両面が無毛、花冠裂片はほぼ均等で卵形、筒部の長さの約1/3の長さ。雄しべは花冠筒部の中央下部につき、葯は花冠の喉部に達する。花柱は花冠筒部よりわずかに高く、柔らかい毛がある。子房は2室、各室には1個の胚珠がある。果実は黒色、球形、直径約3㎜。

19 Lonicera ligustrina Wallich
　中国、インド、ブータン、ネパール原産。中国名は女贞叶忍冬 nü zhen ye ren dong
　低木、常緑、半常緑、又は落葉、高さ1.5～2.5(～5)m。冬芽は数対の尖った芽鱗をもつ。若枝は硬くて上向きに曲がる毛がある。葉は卵形～披針形、長さ0.4～8㎝×幅0.2～1.5㎝、革質又は紙質、下面にはときに小さな黒色の腺があり、上面は普通、光沢があり、無毛又はまばらに短毛と帯赤色の腺毛があり、中脈はわずかに凹み、平ら、又は盛り上がり、ときに堅い毛があり、基部は円形～楔形、先は尖鋭形～鈍形、ときに、微突形。花序は腋生、花が対につく。花序柄は長さ5㎜以下。苞は披針形長さ1.5～7㎜。小苞は円蓋状、対の子房を完全に包み、まばらに腺毛がある。隣り合う2個の子房は分離。咢は円蓋状、基部にカラーのようなもの(collarlike emergence)ができ、小苞の先を包む。咢片は卵形、腺のある縁毛があり、先は鈍形。花冠は緑黄色～白色、たまに紫赤色、漏斗形、長さ4～12㎜。花冠筒部は基部が浅いギボス形、内側に絨毛があり、外側に腺がある。花冠裂片はほとんどが、規則的、卵形、長さ1～2㎜、先は鈍形。葯は突き出る。花柱は突き出し、基部に絨毛がある。柱頭は頭状、半球形。果実は紫色、赤色、又は白色、±半透明、球形、直径4～8㎜。種子は帯褐色、卵形又は類球形、ときに扁平、長さ1～2㎜、平滑。花期は4～7月。果期は8～12月。2n=18, 22。
19-1Lonicera ligustrina var. ligustrina
　中国(広西チワン族自治区、貴州省、湖北省、湖南省、四川省、雲南省)、インド、ブータン、ネパール原産。中国名は女贞叶忍冬 nü zhen ye ren dong。標高(600～)1000～2000(～3000)mの灌木林、常緑広葉樹林に生える。
　葉は長さ (0.5～)1～4(～8)㎝、上面は中脈に密に硬い毛があり、中脈はわずかに凹み又は平ら、先は普通、尖鋭形又は微突形。花冠は長さ7.5～12㎜。液果は紫色又は赤色。
19-2 Lonicera ligustrina var. pileata (Oliver) Franchet
　　synonym　 Lonicera pileata Oliver
　中国(広東省、広西チワン族自治区、貴州省、湖北省、湖南省、陝西省、四川省、雲南省)原産。中国名は蕊帽忍冬 rui mao ren dong 。英名はbox-leaved honeysuckle , privet honeysuckle。標高(300～)600～1700(～2200)mの水辺に沿った砂地の斜面、まばらな森林の湿地、山腹の灌木林に生える。
　葉は上面に中脈が盛り上がり、無毛又はまばらに毛がある。液果は紫色又は白色。
品種)　'Hohenkrummer'
19-3 Lonicera ligustrina var. yunnanensis Franchet
　　synonym　Lonicera pileata var. yunnanensis
　中国(甘粛省、陝西省、四川省、雲南省)原産。中国名は亮叶忍冬 liang ye ren dong。標高(1600～)2100～3000mの森林に生える。
　葉は長さ0.4～1(～1.5)㎝、上面は無毛又は中脈上に硬い毛がまばらにあり、中脈はわずかに凹み又は平ら、葉先は普通円形又は鈍形。 花冠は長さ4～7㎜。液果は紫色又は赤色。
品種)　'Baggesen's Gold' , Edmee Gold™ , 'Ernest Wilson' , 'Lemon Beauty' , 'Maigruen' , Ophelia™ , 'Pat's Variegated' , 'Red Tips' , 'Silver Beauty' , 'Twiggy'

20 Lonicera linderifolia Maxim　ヤブヒョウタンボク　藪瓢箪木
　日本(東北地方)固有種。姫神山、早池峰山、五葉山に分布する。
　夏緑広葉低木、高さ1～2m。枝は中実、密に分枝し、古くなると縦に裂けて剥離する。葉身は楕円形～披針形、下面は粉白色を帯び、先はやや鈍形、基部は楔形、両面には短い屈毛がある。枝の上部に対の花が2個、下垂する。苞は線形、短い屈毛と細かい腺毛がある。花冠は広鐘形、暗紫色、花筒も広鐘形。花期は5～6月。

20-1 Lonicera linderifolia Maxim. var. linderifolia　ヤブヒョウタンボク　藪瓢箪木　狭義

20-2 Lonicera linderifolia Maxim. var. konoi (Makino) Okuyama　コゴメヒョウタンボク　小米瓢箪木

　　synonym　Lonicera linderifolia Maxim. subsp. konoi (Makino) Kitam.
　本州中部の高山帯に分布。葉が小さく、花柄が短い。

21 Lonicera maackii (Rupr.) Maxim.　ハナヒョウタンボク　花瓢箪木
　日本（長野県、群馬県、岩手県、青森県）、朝鮮、中国、ロシア原産。中国名は金银忍冬 jin yin ren dong。
　落葉低木、高さ6m以下、幹は直径10㎝以下。冬芽は卵形、数対の鱗片をもち、外側の鱗片は三角形、まばらに微軟毛がある。内側の鱗片は花後に大きくなり、披針形、外側に毛がある。枝は髄が褐色になり、後に中空になる。枝と葉柄は開出毛があり、小さな腺が散在する。葉柄は長さ2～9㎜。葉身は緑色又は若い時に帯紫色、普通、卵状披針形、長さ2.5～8㎝×幅1.5～4㎝、下面にはまばらに剛毛があり、上面はまばらに毛があるかほぼ無毛、基部は広楔形～円形、縁には縁毛があり、先は鋭形～長い尖鋭形。花序は芳香があり、対の花が腋生する。花序柄は長さ1～3㎜、葉柄より短い。苞は線形、ときに葉状、長さ3～7㎜。各花の小苞は±融合し、緑色又は帯紫色、長さ約1㎜、先は切形で縁毛がある。隣り合う2個の子房は分離、無毛又はまばらにまばらに小さな腺毛がある。萼は鐘形、長さ2～3㎜、咢片の間は薄膜質。萼片は広三角形、不等長、先は鋭形。花冠は2唇形、初め紫色又は白色、後に黄色、長さ約2㎝、外側には短い伏毛があるか又は無毛。花冠筒部は長さ4～5㎜、基部は浅いギボス形。内側は微軟毛があるか又は無毛。上唇は4裂、下唇は反曲する。雄しべと花柱は花冠筒部から突き出る。花糸と花柱は中間より下に微毛がある。液果は暗赤色、球形、直径5～6㎜。種子は小さな浅い凹点をもつ。花期は5～6月。果期は8～10月。2n=18。
21-1 Lonicera maackii var. maackii
　日本（長野県、群馬県、岩手県、青森県）、朝鮮、中国、ロシアに分布。中国名は金银忍冬 jin yin ren dong
　花冠は初め白色、後に黄色。小苞と若葉は緑色。

21-2 Lonicera maackii var. erubescens (Rehder) Q. E. Yang,

　中国に分布。中国名は红花金银忍冬 hong hua jin yin ren dong。
　花冠、小苞、若葉は帯紫色。

22 Lonicera macrantha (D.Don) Spreng.　シマスイカズラ　島吸葛

　中国、インド、ブータン、ネパール原産。中国名は大花忍冬 da hua ren dong 。英名は large-flowered honeysuckle。標高1500～2400mに生える。
　多年草、大きく、よじ登る。葉は大きな楕円形、先は尖り、基部は心形。花は非常に長く、毛がある。花筒は長さ5㎝以下、2唇弁は長さ1.5㎝。花は白色又は黄色、普通、枝先に多数の花が束生する。萼筒は無毛、内側に明瞭に毛があり、萼片は剛毛がある。花期は5～6月。
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23 Lonicera maximowiczii (Rupr.) Regel　マンシュウヒョウタンボク　満州瓢箪木

　日本、朝鮮、中国(河北省、黒龍江省、吉林省、遼寧省、内モンゴル、山東省)、ロシア原産。中国名は紫花忍冬 zi hua ren dong。標高800～1800mの森林、林縁に生える。
　落葉低木。若い枝にはまばらに毛が生え、後に無毛になる。葉は卵形、卵状長楕円形または卵状披針形、まれに楕円形、長さ4～10(～12)cm、縁に縁毛があり、上面はまばらに剛毛があるかまたは無毛、下面には剛毛が散在するか、またはほとんど無毛。葉柄は長さ4～7㎜、まばらに毛がある。花序柄は長さ1～2(～2.5)㎝、無毛またはまばらに毛がある。苞は錐形、長さは萼筒の長さの1/3。果実は熟すと赤色になり、楕円形、先が尖る。花期は6～7月。果期は8～9月。2n=18, 36。

23-1 Lonicera maximowiczii (Rupr.) Regel var. maximowiczii

　　synonym　Lonicera maximowiczii (Rupr.) Regel var. latifolia (Ohwi) H.Hara　ウラジロベニバナヒョウタンボク

　　synonym　Lonicera maximowiczii var. okamotoana (Ohwi) H.Hara

　　synonym　Lonicera okamotoana Ohwi　
　朝鮮、中国、ロシア原産。

23-2 Lonicera maximowiczii (Rupr.) Regel var. sachalinensis F.Schmidt　ベニバナヒョウタンボク　紅花瓢箪木

　　synonym　Lonicera sachalinensis (F.Schmidt) Nakai　
　　synonym　Lonicera maximowiczii auct. non (Rupr.) Regel

　　synonym　Lonicera maximowiczii (Rupr.) Regel subsp. sachalinensis (F.Schmidt) Nedol.

　　synonym　Lonicera uzenensis Kadota
　日本(北海道)、千島、サハリン原産。低地から山地に生える。
　低木、株立ちし、高さ1～3m。枝は無毛、ほぼ円柱形、2本または4本の鈍い角(かど)がある。葉柄は無毛、長さ3～5㎜。葉身はやや硬い紙質、卵状長円形または卵形、ときに楕円形、長さ4～8㎝×幅2～3.5㎝、先は鋭形～尖鋭形ときにほぼ鈍形、基部は円形～鋭形、長い縁毛があり、下面は無毛またはまれに緩く長い細柔毛があり、3次の細脈が目立ち、隆起する。葉腋から出る花序柄の先に対の花をつける。花序柄は長さ1.5～2㎝、無毛。苞は広披針形～卵形、長さ1～3㎜。小苞は長さ約0.5㎜、合着し、広い裂片を形成する。萼の拡大部は深く5裂する。花冠は2唇形、長さ8～10㎜、濃赤色。果実は赤色。花期は6～7月。

24 Lonicera mochidzukiana Makino　ニッコウヒョウタンボク　日光瓢箪木

　日本固有種(本州の関東地方北部～中部地方)。山地の落葉広葉樹林に生える。
　落葉低木、高さ1.5m以下、ほぼ無毛。枝は明瞭な4角形、無毛。葉は対生し、葉柄は長さ3～5㎜。葉身は紙質、卵状長円形～卵形ときに広披針形。長さ(3)4～8(10)㎝×幅1.5～3㎝、先は鋭形～尖鋭形、基部は円形、全縁、下面は粉白色、葉は無毛だが、下面の中脈にまれに薄く細柔毛があり、3次の細脈はかなり目立ち、両面に隆起する。花は葉腋に普通、対につく。花序柄はやや太く、長さ1～2㎝。苞は狭卵形または広披針形、長さ1～2㎜。小苞は円形で基部が合着し、長さ約1㎜、苞と同様に腺点が多少ある。萼は深く5裂し、萼片は脱落する。子房はほとんど離生。花冠は2唇形、初め白色、次第に淡黄色に変わり、長さ1～1.4㎝。上唇は浅く4裂、反り返り、下唇は広線形、反曲し、下垂する。雄しべは5個。花柱には毛が散生する。液果は対の2個はほとんど分離、赤色に熟す。花期は6～8月。

24-1 Lonicera mochidzukiana Makino var. filiformis Koidz.　 アカイシヒョウタンボク　赤石瓢箪木

　　synonym　Lonicera mochidzukiana Makino f. filiformis (Koidz.) H.Hara
　四国に分布する。高山に生える。
　葉は上面に光沢があろ。苞は糸状。萼片は子房の長さとほぼ同じ長さ。

24-2 Lonicera mochidzukiana Makino var. mochidzukiana　ニッコウヒョウタンボク　日光瓢箪木　[狭義]

24-3 Lonicera mochidzukiana Makino var. nomurana (Makino) Nakai　ヤマヒョウタンボク　山瓢箪木

　　synonym　Lonicera nomurana Makino
　本州(東海道地方、紀伊国、中国地方)に分布する。山地に生える。
　葉は広卵形～卵円形、長さ2.5～5㎝×幅1.5～3㎝、先は鋭形～鈍形。

25 Lonicera morrowii A.Gray　キンギンボク　金銀木

　　synonym　Lonicera tatarica L. var. morrowii (A.Gray) Q.E.Yang, Landrein, Boronova et J.Osborn

　　synonym　Lonicera insularis Nakai
　日本(北海道、東北の日本海側)、朝鮮原産。別名はヒョウタンボク(瓢箪木)。
　　落葉低木、高さ1～2m、蔓性では無い。樹皮は灰褐色、縦に裂け、多数、分枝する。若枝は褐色～茶褐色、短軟毛が密生し、やがて髄がなくなり、枝は中空になる。葉は対生、葉柄は長さ2～5㎜。葉身は広楕円形～狭楕円形、ときに円形、長さ1.5～5㎝×幅0.8～3㎝、先は鈍形～円形、微突頭、全縁、上面にはしわがあり、両面に毛があり、下面には密に軟毛が開出する。花は葉腋に対につく。花序柄は長さ5～15㎜。苞は長さ3～5㎜。花冠は初め白色、後に黄色、長さ30～40㎜、やや2唇形状、ほぼ放射相称、5深裂し、裂片は長さ7～12㎜。雄しべ5本、葯は黄色。液果は対の2個が合着し、瓢箪形になり、直径約7㎜、赤色に熟すが、苦くて有毒である。花期は4-6月。果期は7～8月。

25-1 Lonicera morrowii A.Gray f. xanthocarpa (Nash) H.Hara　キミノヒョウタンボク　黄実の瓢箪木

　液果が黄色に熟す。

26 Lonicera microphylla Willdenow ex Schultes　オイワケヒョウタンボク　追分瓢箪木

　　synonym　Lonicera oiwakensis Hayata　追分忍冬
　中国(甘粛省、西河北省、河南省、内モンゴル自治区、寧夏回族自治区、青海省、山西省、新疆ウイグル自治区、西蔵)、台湾、モンゴル、ロシア(トゥヴァ)、インド、パキスタン、アフガニスタン、カザフスタン、キルギスタン、タジキスタン、ウズベキスタン原産。中国名は小叶忍冬 xiao ye ren dong。 英名は Yushan honeysuckle。標高1100-3600(-4100)mの岩の多い斜面、草原、茂み、まばらな森林、森林の縁に生える。
　落葉低木、高さ1～3m。枝には堅い髄がある。冬芽には3～6対の鱗片があり、丸みを帯びたものから鋭いものまでがある。葉柄は長さ1～2㎜。葉身は外側は灰白色であることが多く、ときに葉脈の腋に膜状の斑点があり、倒卵形から楕円形または長楕円形で、長さ5～22㎜×幅5～13㎜、両面に密に微軟毛があるかほぼ無毛、基部は楔形、先は鈍形または±鋭形で、ときに微突形。花序は腋生、対に花がつく。花序柄は長さ5～12㎜、通常は垂れ下がる。苞は錐形、子房を超え、小苞はない。隣接する2つの子房は完全に融合するか、少なくとも中央まで融合し、無毛。萼は輪形状(rimlike)～裂片状。花冠は2唇形、白色～黄色、ときにピンク色を帯びる。花冠筒部は長さ7～10㎜、外側は毛があるか無毛で、腹側の基部に向かって凸状になる。花冠裂片は長円形、長さ3～7㎜、上部の4裂片は直立し、下部の1裂片は反り返る。雄しべは花冠の口部に付き、花柱とともに突き出る。花糸と花柱は無毛または開出する毛がある。子房は3室、室ごとに4個または5個の胚珠がある。液果は赤色または橙黄色、球形、直径5～6㎜。種子は黄褐色、長円形または卵状楕円形、長さ2.5～3㎜、平滑。花期は4～6(～7)月。果期は7～8(～9)月。2n=18。

27 Lonicera periclymenum L.　ニオイニンドウ　匂い忍冬
　ヨーロッパ、モロッコ原産。英名はhoneysuckle , woodbine。別名はハニーサックル。
　落葉性、つる性木、絡み付き又は低くよじ登る。茎は長さ4.5～6mになり、花序以外は無毛、直射日光さらされた箇所は ±帯紫色。葉はほぼ無柄又はごく短い葉柄がある。葉身は長さ3～9㎝×幅2～6 ㎝、卵形～狭楕円形～広楕円形、下面は粉白色、無毛、全縁（ときに、波状の鋸歯があり）、基部は広楔形又は円形、先は鈍形～鋭形。花序のすぐ下の葉は小さく、類円形、ときに、抱茎。花は芳香があり、小さな、腺毛のある、頂部の花序(頭)に、20個以下つき、ときに小さな補助の輪を下にもつ。もし、花がペアなら、すぐ下の花序柄はない。花序柄は長さ約1～50㎜。小苞は長さ2～4㎜、類円形又は円形、腺があり、子房より短い。萼片は長さ1～2㎜、三角状卵形、密に腺がある。花冠は長さ2.5～3.5㎝、帯紫色（橙色、赤色、白色）、普通、腺毛があるが、ときに、外側が無毛、内側は白色。筒部は長さ1～2㎜、拡大部は2唇形、裂片は後屈。雄しべは突き出る。子房は離生。花柱はしばしば、長く突き出る。果実は見られない（ニュージーランド）。花期は6～8月。
品種)　'Belgica' , 'Belgica Select' , Caprilia Cream = 'Inov71' (PBR) , Chic et Choc = 'Inov205' (PBR) , 'ChojnOw' (PBR) , 'Cream Cascade' , 'Cream Cloud' , 'Florida' , Fragrant Cloud (PBR) , 'Graham Thomas' , 'Heaven Scent' , 'Honeybush' , 'Inov205' (PBR) , 'Inov71' (PBR) , 'Inov86' (PBR) , 'La Gasnaerie' , 'La Gasnerie' , 'Liden' , 'Martine' , 'Munster' , Peaches and Cream , 'Purple Queen' , 'Red Gables' , 'Rhubarb and Custard' , 'Scentsation' (PBR) , 'Serotina' , 'Serpentine' , 'Strawberries and Cream' , 'Sweet Sue' , Sweet Tea , 'Winchester'

28 Lonicera praeflorens Batalin　ヒロハヒョウタンボク　広葉瓢箪木　[広義]

　日本、朝鮮、中国、ロシア原産。中国名は早花忍冬 zao hua ren dong 。
　落葉低木、高さ2m以下。冬芽は対につき、尖り、外側の鱗片は軟骨質、内側の膜質の鱗片を被う。若枝は普通、長い開出毛をもつ。葉柄は長さ3～5㎜、密に絨毛がある。葉身は広卵形、長さ1～7.5㎝×幅0.9～4.5㎝、両面に密に伏毛があり、基部は広楔形～円形、縁には縁毛があり、先は鋭形～尖鋭形。花序は腋生、新しいシュートの基部に花が対に腋生し、花期は早い。花序柄はごく短く、普通、花時に芽鱗に隠れ、果時の段階では長さ1.2㎝以下になり、普通、無毛。苞は広披針形、長さ3～7㎜、縁にはしばしば縁毛があり、腺がある。小苞は無い。対の子房は離生、類球形、普通、無毛。萼は円蓋形、ときに浅く分裂する。花冠は黄白色～ピンク色、ほぼ放射相称、漏斗形、長さ約1㎝、外側は無毛、5深裂する。裂片は直立～反曲、長円形、長さ6～7㎜、先は鈍形。雄しべと花柱は突き出る。葯は暗ピンク色。花柱は無毛。液果は赤色、球形、直径6～8㎜。種子は帯褐色、長円形、長さ約4.5㎜、平滑。花期は4月。果期は5～6月。2n=18。

28-1 Lonicera praeflorens Batalin var. praeflorens　ヒロハヒョウタンボク　広葉瓢箪木　狭義

28-2 Lonicera praeflorens Batalin var. japonica H.Hara　ハヤザキヒョウタンボク　早咲瓢箪木

　日本固有種(宮城県、福島県、群馬県、埼玉県、長野県、山梨県)。
　落葉低木、高さ1～2m。枝は無毛、中実。樹皮は灰褐色、縦に裂ける。葉は対生し、葉柄は長さ2～5㎜、軟毛がある。葉身は卵形～卵円形、長さ3～6㎝×幅2～4㎝、基部は広楔形、先は鋭形、両面に軟毛が密生する。花は葉が展開する前に開花する。花は葉腋に対に下向きにつく。苞は卵形～卵状被針形。花冠は漏斗形、先は5深裂し、白色、ときに淡紫色を帯び、長さ約1.2㎝、直径1～1.5㎝、無毛。花冠筒部は長さ4～5㎜。液果は球形、合着せず離生し、直径6～10㎜、紅色に熟す。花期は3～4月。

29 Lonicera ramosissima Franch. et Sav. ex Maxim.　コウグイスカグラ　小鶯神楽

　　synonym　Lonicera bukoensis Nakai
　　synonym　Lonicera fudzimoriana Makino　チチブヒョウタンボク

　　synonym　Lonicera ramosissima var. kinkiensis (Koidz.) Ohwi　キンキヒョウタンボク

　日本固有種(本州の新潟県、宮城県以南、四国)。愛知県絶滅危惧ⅠB類。
　落葉性低木。高さ1～2m。茎は密に分枝する。葉は対生、葉柄は長さ2～5㎜。葉身は楕円形～卵形～長円形、長さ2～5㎝×幅1～2.5㎝、先は鋭頭、基部は広い楔形～円形、全縁、両面に軟毛が多い。花は双性、腋生、下向きに咲く。花柄は細い。花冠は長い漏斗形、長さ15～20㎜、淡黄緑色、先は5裂し、裂片は卵形、長さ3～5㎜。果実は液果、2個つき、ほぼ離生し、赤色に熟す。花期は4～5月。果期は6～7月。
　POWOでは下位分類を認めていない。

(1) Lonicera ramosissima Franch. et Sav. ex Maxim. var. kinkiensis (Koidz.) Ohwi　キンキヒョウタンボク　近畿瓢箪木

　本州の近畿以西、四国東南部に分布。
　葉先が長い鋭形。花期はやや遅く4～5月。

(2) Lonicera ramosissima Franch. et Sav. ex Maxim. var. fudzimoriana (Makino) Nakai　チチブヒョウタンボク　秩父瓢箪木

　　synonym　Lonicera ramosissima Franch. et Sav. ex Maxim. var. borealis Koidz.

　　synonym　Lonicera fudzimoriana Makino
　葉の基部が浅い心形となるもの。

30 Lonicera reticulata Raf.　グレープ・ハニーサックル
　　synonym　Lonicera rhytidophylla Hand.-Mazz.
　中国(江西省、福建省、湖南省、広東省、広西チワン族自治区)、北アメリカ(アーカンソー州、ジョージア州、インディアナ州、アイオワ州、カンザス州、マサチューセッツ州、ミシガン州、ミネソタ州、ミズーリ州、オハイオ州、オクラホマ州、ウィスコンシン州)原産。英名はgrape honeysuckle。中国名は皱叶忍冬 zhòu yè rěn dōng。標高400～1100mの山の茂みや森林に生える。中国で花は薬用に使用されるが、生産量は非常に少ない。
　常緑のつる植物で、若い枝、葉柄、花序は短くざらざらした毛からなる黄褐色のフェルト状の毛で覆われる。葉は革質、広楕円形、卵形、卵状長円形～長円形、長さ3～10㎝、先はほぼ円形～鈍形、短い凸状先端があり、基部は円形～広楔形、まれに切形、縁は背側に巻き、、葉脈は上面では凹状でしわがあり、中脈を除いてほとんど無毛、下面には短く柔らかい毛からなる白色のフェルト状毛があり、乾くと黄白色に変わる。葉柄は長さ8～15㎜。双花はは腋生の小散房花序または枝先の円錐花序につく。花序柄の基部に小さな苞がある。苞は線状披針形、長さ2～3㎜、萼筒と同長かまたはわずかに長い。小苞と萼歯はともに短くざらざらした毛と縁毛が密集にある。小苞は狭卵形～円卵形、先はわずかに鋭形、萼筒より短いかほぼ同じ長さである。萼筒は卵円形、長さ約2㎜、無毛、または、多小、短い粗毛があり、ピンクがかった青色で、萼歯は錐形、長さ1～2㎜、先はわずかに鋭形。花冠は白色、後に黄色に変わり、長さ2.5～3.5(～4.5)㎝、外側に密に密着する短い伏した粗毛があり、短い柄を持つ腺毛も多少あり、唇形、唇の内側の下部と筒部の内側に柔らかい毛がある。上唇は直立し、下唇は反り返る。雄しべは花序からわずかに突き出る。花糸は無毛、または内側に白色の毛がまばらに並ぶ。葯は長さ2.5～3㎜。花柱は長く、無毛。柱頭は太い。果実は青黒色、楕円形、長さ7～8㎜。花期は6～7月。果期は10～11月。
品種)　Kintzley's Ghost®

31 Lonicera ruprechtiana Regel　ビロードヒョウタンボク　天鶩絨瓢箪木

　朝鮮、中国(黒龍江省、吉林省、遼寧省)、ロシア原産。中国名は长白忍冬 chang bai ren dong。標高300～1100mの広葉樹林、林縁に生える。
　落葉低木、高さ3mまで。冬芽には数対の卵形および鋭形の鱗片があり、内側の鱗片はしばしば増大する。枝の髄は褐色になり、後に中空になる。枝および葉柄は綿毛状軟毛～まばらに軟毛があり、微細な黄褐色の腺毛があるかまたはほぼ無毛。葉柄は長さ3～8㎜。葉身は卵状長円形～長円状披針形、長さ2～8㎝×幅0.7～2.5㎝、下面には密に伏剛毛～絨毛がありまたはまばらに軟毛があり、上面はまばらに軟毛があるかまたはほぼ無毛、基部は円形～楔形、縁はときに歯状、先は鋭形～尖鋭形。花序は腋生、対の花がつく。花序柄は長さ10～16㎜、まばらに軟毛～綿毛と微細な腺毛がある。苞は線形、長さ1～8㎜、毛があり、腺のある縁毛がある。小苞は離生、2対につき、円状卵形～卵状披針形、長さ1㎜まで。隣接する2つの子房は離生。萼片は三角状披針形、長さ約1㎜。花冠は2唇形、白色、後に黄色になり、長さ12～16㎜、外側は無毛。花筒は短く、長さ4～5㎜、内側には密に毛があり、基部に向かって深く凸状になる。上唇は4裂する。上唇の2側裂片は通常1/2～3/4まで裂けてわずかに広がり、中裂片は浅く裂ける。下唇は反り返る。雄しべと花柱は花冠筒部から突出する。花柱は全体に毛がある。柱頭は頭状で大きい。果実は黄色、橙赤色、または赤色、球形、直径5～7㎜。種子は褐色、楕円形、直径約3㎜、小さな凹状の点がある。花期は5～6月。果期は7～8月。2n=18。

32 Lonicera sempervirens L.　ツキヌキニンドウ　突貫忍冬

　カナダ、USA原産。英名はcoral honeysuckle , trumpet honeysuckle , scarlet honeysuckle , everblooming honeysuckle 。
　つる性木、常緑、よじ登り、絡み付き、長さ0.9～6.1（～7.5）m。樹皮は橙褐色、紙質に薄く長い縞状に剥離する。葉は対生し、葉柄は短い。葉身は卵形～長円形～楕円形、下面は粉白色を帯び、縁は平滑、後ろ巻き、先は鈍形又は短く尖る。花序のすぐ下の1～2対の葉は円形で、合着してつき抜き（connate-perfoliate）になる。花は頂部に穂状花序（輪生状に束生）をつくる。花は典型的には垂れ下がる。萼はないか又は5個の微細な裂片がある。花冠は長さ4～5㎝、細い筒形、先に5個の短い裂片があり、色は鮮やかな赤色、内側が黄色又は橙色、栽培種には黄色花もある。雄しべ5本、雌しべ1本、ともに突き出る。果実は液果、明るい橙赤色～赤色、直径約6㎜。花期は5～10月。
品種）　'Alabama Crimson' , 'Blanche Sandman' , 'Cedar Lane' , 'Dan's Everblooming' , 'Dropmore Scarlet' , Eco flowers all summer , 'John Clayton' , 'Honey Coral' , 'Leo' , 'Louisiana Red' , 'Magnifica'（花期が遅い） , 'Major Wheeler' , 'Manifich' , Red Charm™ , 'Sulphurea'（黄色花） , 'Tangerine Princess' , Yellow Charm™

33 Lonicera strophiophora Franch.　アラゲヒョウタンボク　粗毛瓢箪木
　日本固有種(北海道、本州の中部地方以北)。別名オオバヒョウタンボク。
　落葉低木、高さ1～2m。全体に毛があり、葉の両面や新枝に毛が多い。若枝は茶褐色。葉は長さ6～10㎝、卵形～狭卵形、先は鋭形、基部は楔形。 花は若枝につき、腋生、双性。花冠は白色～淡黄色、長さ2～3㎝、先は5裂する。苞は2個、大きく、葉状。果実は2個、合着しない。

33-1 Lonicera strophiophora Franch. f. glabra (Nakai) H.Hara　ダイセンヒョウタンボク　大仙瓢箪木

　　synonym　Lonicera strophiophora var. glabra Nakai
　本州（近畿、中国地方）、四国に分布。和名は鳥取県の大山に由来する。
　落葉低木。アラゲヒョウタンボク（オオバヒョウタンボク）に良く似るが、子房や花柱に毛がない。若枝は紫褐色、中実。葉柄には開出する長毛がある。葉身は卵形～長楕円状卵形、先は尖鋭形、両面に毛があり、下面の脈上には開出する長毛が多い。葉の展開と同時に開花する。花は葉腋に対につく。花冠は白色、漏斗状。苞は葉状で、果時にも残る。果実は赤色に熟し、対の2個は合着しない。花期は4～5月。果期は6～7月。

33-2 Lonicera strophiophora Franch. f. glabrifolia (Ohwi) H.Hara　ナンブヒョウタンボク　南部瓢箪木

　　synonym　Lonicera strophiophora var. glabrifolia Ohwi in J. Jap. Bot. 42: 343 (1967)

　葉が両面とも無毛で縁にだけ毛が散生するもの。

33-3 Lonicera strophiophora f. strophiophora　アラゲヒョウタンボク　粗毛瓢箪木　狭義

　　synonym　Lonicera pilosa Maxim.

34 Lonicera subhispida Nakai　アラゲウグイスカグラ　粗毛鶯神楽
　　synonym　Lonicera monantha Nakai
　朝鮮、中国(吉林省、遼寧省)、ロシア原産。中国名は单花忍冬 dan hua ren dong。標高約800mの森林に生える。
　落葉低木、高さ1～2m。冬芽は数対の鱗片を持ち、内側の鱗片は増大し、球状卵形になる。枝は腺毛があり、わずかに伏剛毛(setose)がありまたはほぼ無毛。葉柄は長さ3～7㎜。葉身は長円形～卵形、長さ4～7㎝×幅2.2～5㎝、両面に伏した剛毛とまばらに伏剛毛があり、基部は円形～楔形、縁は剛毛状縁毛があり、先は微突形または鋭形。花序は1個の花に縮小し、またはときに、第2花が部分的に発達し、新芽の基部に腋生する。花は季節の早い時期に開花する。花序柄は花時に長さ0.5～1.2㎜、果時には増大し、長さ25㎜までになり、まばらに腺毛がある。苞は通常1枚で、ときに対生する縮んだ苞もあり、卵状披針形、長さ7～14㎜、堅い毛と腺毛がある。小苞はない。子房にはまばらに腺がある。萼は長さ0.3～0.5㎜、縁は切形～歯状。花冠は黄色、漏斗形、長さ1.5～2㎝、花冠筒部は基部が凸状になる。花冠裂片は規則的、筒部の半分までの長さがあり、外側には毛がありまばらに腺がある。雄しべと花柱は無毛で、花冠とほぼ同長。液果は赤色、紡錘形または楕円形、長さ8～14㎜、無毛。種子は長さ3.5～4㎜。花期は5月。果期は6月。

35 Lonicera subsessilis Rehder　ミドリヒョウタンボク　緑瓢箪木
　　synonym　Lonicera diamantiaca Nakai　

　　synonym　Lonicera tatarinowii Maxim. var. leptantha (Rehder) Nakai

　韓国原産。朝鮮半島固有種。
　落葉低木。高さ2m。冬芽と披針形の枝があり、新枝の下部に芽が残る。枝は根茎があり、白色、枝は褐色、無毛。葉は対生し、卵形または楕円状卵形で先が広い鋭形、基部は広楔形または円形、長さ(3)4～5.5㎝×幅2～2.5㎝、両面とも無毛、縁は全縁、側脈は5本。葉柄は長さ2～5㎜、無毛。花は新枝の葉腋に付き、花序柄は長さ4～5㎜。苞は長さ5～10㎜、卵形で腺があり、小苞は互いに結合して受皿を形成する。花冠は白色または淡黄色、長さ12㎜、裂片は3個、花冠筒部より長く、花冠筒部は基部が太くなる。雄しべは4本で、花弁と同長。花柱はやや長い。果実は2個が上部で合体し、球形で直径6～8㎜、赤色。花期5～6月。果期は8月下旬～9月中旬。
品種)　'Blue Dreams'

36 Lonicera tatarinowii Maxim.　ウラジロヒョウタンボク　裏白瓢箪木

　中国(遼寧省、河北省、山東省)原産。中国名は华北忍冬 hua bei ren dong。標高400～1800mの混交林、低木林に生える。
　落葉低木。冬芽は7～8対の外側の鋭形の芽鱗が宿存する。葉は長円状披針形または長楕円形、長さ3～7cm、先は鋭形～尖鋭形、上面は無毛、下部は中脈を除いて灰白色の微細な綿毛があり、後に徐々に無毛になる。葉柄は長さ2～5㎜。花序柄は細く、長さ1～2(～2.5)㎝。苞は三角形～披針形で、萼筒の約半分の長さで無毛。杯状小苞は萼筒の1/5～1/3の長さで、縁毛がある。隣接する2個の萼筒は中央で融合し、分離することはほとんどなく、長さ約2㎜、無毛、萼歯は三角形の披針形、萼筒より短い。花冠は黒紫色～濃紫色、唇形、長さ約1㎝、外側は無毛。花冠筒部は唇弁の長さの半分、基部の片側はわずかに膨らみ、内側は柔らかい毛で覆われろ。上唇弁は両側とも半分の深さ、中央の裂け目は浅く、下唇は舌形。雄しべは花冠の喉部に挿入され、唇弁とほぼ同長。果実は熟すと赤色になり、ほぼ球形、直径 5～6㎜。花期は5～6月。果期は8～9月。

37 Lonicera tatarica L.　アルタイヒョウタンボク
　日本、朝鮮、中国、モンゴル、ロシア、カザフスタン、キルギスタン原産。英名はTartarian honeysuckle , Tatarian honeysuckle , Tartarian honeysuckle 。中国名は新疆忍冬 xin jiang ren dong 。
　落葉低木、高さ3m以下、±白粉で覆われる。冬芽は小さく、芽鱗は約4対、卵形。枝は髄をもち、褐色になり、後に中空になる。葉柄は長さ2～5㎜。葉身は卵形又は卵状長円形、ときに頂円形、長さ2～5㎝×幅1～2㎝、両面とも無毛又はまばらに毛があり、ときに、顕著に毛があり、基部は円形又はわずかに心形、縁毛があり、先は鋭形または鈍形。花序は腋生、花が対につく。花序柄は長さ1～2㎝。苞は線形～倒卵状披針形、長さ2～7㎜。小苞は分離、2対につき、円状卵形、長さ1㎜以下、ときに、子房と同長で、縁毛がある。隣合う2個の子房は分離。萼片は三角状披針形、長さ1㎜以下。花冠は2唇形、淡ピンク色～カーミンレッド、ときに白色又は黄色に色あせたピンク色、長さ約1.5㎝。筒部は長さ5～6㎜、基部は浅いギボス形。上唇は4裂、2個の側裂片は基部まで深裂し、広がる。中裂片は浅裂。下唇は反曲する。雄しべと花柱は花冠筒部から突き出る。花柱は全体に毛がある。液果は赤色又は黄色、球形、直径5～6㎜、2個が接してつく。種子は長さ2～2.3㎜、平滑、凹面の点をもつ。花期は5～6月。果期は6～9月。
品種)　'Alba' , 'Arnold Red' アカバナヒョウタンボク , 'Dart's Purple Cloud' , 'Hack's Red' , 'Honey Rose' , 'Honeyrose' , 'Lutea' , 'Nana' , 'Rosea' , 'Sandling Park' , 'Zabelii'

38 Lonicera tschonoskii Maxim.　オオヒョウタンボク　大瓢箪木
　日本固有種(本州の関東地方北部～中部地方の亜高山帯～高山帯）
　落葉低木。高さ1～2m。枝は円柱形、鈍い4条があり、無毛。葉柄は長さ7～13㎝。葉身は膜質または薄い紙質、狭倒卵形～長円形または卵状長円形、長さ(5～)7～13㎝×幅3～5(～6)㎝、先は尖鋭形、基部は鋭形、無毛、しばしば上部の中脈にしばしば微軟毛があり、若いうちは縁と下面の中脈に緩い細柔毛(pilose)があり、下面は粉白色。花は花序柄の先に2個が対につく。花序柄は葉腋につき、細く、長さ2～5㎝、無毛、花序柄の基部はハナイカダと同じように葉の中脈と合着する。苞は披針形、長さ約3㎜。小苞は離生、広卵形、長さ約2.5㎜。萼の拡大部は5裂し、脱落性。花冠は2唇形、長さ約1.5㎝、白色、外側は無毛、凸形(gibbous)。上唇は浅く4裂する。果実は赤色に熟し、直径約8㎜の球形の2個が接してつき、ヒョウタンのように見える。花期は7～8月。果期は9月。

39 Lonicera vidalii Franch. et Sav.　オニヒョウタンボク　鬼瓢箪木
　　synonym　Lonicera cerasoides Nakai　
　日本(群馬県、長野県、広島県、･島根県)、朝鮮原産。山地のやや湿り気のあるところに稀に自生し、 庭木として植えられる。
　落葉低木、直立し、高さ3～5m。樹皮は灰褐色で粗く縦に裂けて剥がれ落ちる。 葉は対生し、葉柄は長さ1～1.5㎝、上面には毛と細かい腺毛がある。葉身は長さ3～9㎝×幅2～5㎝、広卵形～長楕円形、先は鋭形、基部は円形～広楔形、全縁、縁毛があり、上面は緑色～淡緑色、短毛があり、下面は灰緑白色、網状脈がよく見え、微細な黒色の腺点があり、脈上に開出毛が多い。花序は腋生、花を2個、対につける。花序柄は長さ1～2㎝。花冠は2唇形、初め白色、後に淡黄色、上唇は4裂。液果は有毒、赤色、直径7～11㎜の球形の2個が合着し、瓢箪形。花期は5～6月。果期は7～8月。

40 Lonicera × xylosteoides Tausch　ロニケラ・キシロステオイデス

　　synonym　Lonicera xylosteum L
　　synonym　Caprifolium xylosteum (L.) Gaertn.
　　synonym　Caprifolium xylosteum (L.) Kuntze
　ロシア原産。アルタイヒョウタンボク(L. tatarica)とロニケラ・キシロステウム(L. xylosteum)の自然交雑種。英名はhedge king honeysuckle。栽培され、ときに逸出し、定着する。
　低木、直立し、高さ3mまで、矮性品種は高さ1～1.5m。葉は対生し、青緑色、長さは幅の2倍まで、菱状卵形～倒卵形('Clavey's Dwarfは葉が長さ3～4㎝、卵形～広卵形)、基部は広楔形、縁は全縁、先は鋭形、両面にわずかに毛がある。花は腋生で対につく。小苞は縁に沿って毛がある。萼片は短く、5歯、縁に沿って毛がある。花冠は長さ1～1.5㎝、帯白色、筒状で、5裂片がある。雄しべは5本。果実は液果、数個、対につき、帯赤色～暗赤色、小さい。小枝は中空。形状は直立。花期は5～6月。
　Lonicera xylosteum は類似しているが、小苞と萼片は縁に沿ってだけでなく面にも毛がある。
品種)　'Clavey's Dwarf'='Claveyi' , 'Miniglobe'

41 Lonicera xylosteum L.　ロニケラ・キシロステウム
　ヨーロッパ、トルコ、ロシア原産。英名はfly honeysuckle , European fly honeysuckle , dwarf honeysuckle , fly woodbine。別名はフライ・ハニーサックル。山地の森林、灌木林、林縁に生える。
　低木、高さ2mまで。葉は卵状披針形～広卵形、長さは幅の1～2倍、全縁、両面に軟毛があり、上面は灰緑色、下面は上面より明るい緑色、長さ2～6(～8)㎝。花は共通の小花柄に対になって咲き、小花柄の長さは花の1～2倍。花冠は初め帯白色～黄白色、後に淡黄色になり、ときにピンクがかった色になり、長さは1～1.5cm。果実は鮮やかな赤色、対につくが、融合していない。花期は4～5月。2n=18。(Flora Helvetica 2018） 品種)　'Emerald Mound' , 'Mollis'

42その他 ハイブリッド園芸種
品種） 'Americana' , 'Anna Fletcher' , 'Blue Velvet' , Fire Cracker , 'Freedom' , 'Gold Flame' , 'Honey Baby' , 'John Clayton' , 'Little Honey' , 'Mandarin' , 'Pam's Pink' , 'Pink Lemonade' , 'Sandra' , 'Simonet'

参考

1) Flora of China
　Lonicera 2) APA: Alabama Plant Atlas
　Lonicera sempervirens 3) GRIN
　Lonicera 4）Flora of New Zealand
　Lonicera 5) 琉球産スイカズラ科植物(琉球列島の自然史科学的総合研究-2-
　The Caprifoliaceae of the Ryukyu Islands 6) The University and Jepson Herbaria
　TLonicera etrusca 7) Bot. Mag. (Tokyo) 28: 123 (1914)
　Lonicera harae Makino 8) Pladias - Chrtek J. (1997): Lonicera L. 5, p. 476–491, Academia, Praha.
　Lonicera caprifolium L. 9) Plantarium.ru
　Lonicera altaica Pall. - Altai honeysuckle 10) Plantarium.ru
　Lonicera pallasii Ledeb. 11) MISSOURI BOTANICAL GARDEN.
　Lonicera 12) MISSOURI BOTANICAL GARDEN.
　Lonicera