アキノキリンソウ 秋の麒麟草

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Flora of Mikawa

キク科 Asteraceae アキノキリンソウ属

別 名 アワダチソウ
中国名 一枝黄花 yi zhi huang hua
学 名 Solidago decurrens Lour. var. decurrens
 synonym Solidago decurrens Lour. 広義

 synonym Solidago virgaurea L. subsp. asiatica (Nakai ex H.Hara) Kitam. ex H.Hara

アキノキリンソウの頭花
アキノキリンソウの舌状花5個
アキノキリンソウの舌状花7個
アキノキリンソウの総苞
アキノキリンソウの果実
アキノキリンソウ果実の冠毛
アキノキリンソウの茎
アキノキリンソウの葉裏の縁毛
アキノキリンソウ
アキノキリンソウの総苞2
アキノキリンソウの葉表
アキノキリンソウの葉裏
アキノキリンソウの鋸歯の大きな葉
アキノキリンソウ冠毛を取った果実
花 期 8~11月
高 さ 30~80㎝
生活型 多年草
生育場所 日当たりのよい山野
分 布 在来種 日本(北海道、本州、四国、九州)、朝鮮、中国、台湾、ロシア、千島列島、サハリン、アリューシャン列島、カムチャツカ、アッサム、西ヒマラヤ、東ヒマラヤ、ラオス、ネパール、パキスタン、フィリピン、ベトナム原産
撮 影 三ヶ根山  01.10.6
外来種のセイタカアワダチソウより早く咲き始める。茎には上向きの曲った毛が生える。根生葉は普通、花期にはない。茎中部の葉は基部が細くなり、長さ7~9㎝、幅1.5~5㎝の披針形~卵状楕円形、翼のある短い柄をがある。葉の縁には毛があり、鋸歯縁。葉裏がやや白っぽく、網目状の脈がはっきり見える。茎の下部の葉は鋸歯が大きくて鋭い。花柄は長さ3~6㎜。頭花は直径12~14㎜。周囲に1列に並ぶ舌状花は雌性、2~9個つき、長さ6.5~8㎜、幅の変化も大きい。筒状花は両性、9~13個つき、花冠の裂片が反曲する。総苞は長さ5~6㎜、幅3~4㎜の狭筒形。総苞片は4~5(6)列、外側ほど短く、鋭頭。痩果は長さ2.5~3㎜の淡褐色。冠毛はやや淡褐色を帯び、長さ約3.5㎜。2n=18。
 ヨウシュアキノキリンソウ Solidago virgaurea (European goldenrod ,goldenrod)はヨーローッパ、アフリカ、アジアに分布する。花は散房状で総苞片は4列。以前はアキノキリンソウもこの変種や亜種として分類されていた。
 ミヤマアキノキリンソウsubsp. leiocarpa は亜高山帯~高山帯に自生する草丈が低いことが多く、頭花が頂部に固まってつき、総苞の幅が広い。現在ではアキノキリンソウに含めて扱われる。
 ハチジョウアキノキリンソウ は伊豆諸島の固有変種で小型で花が多数つくとされるが、現在ではアキノキリンソウに含めて扱われる。
 同時期に黄色の花が咲くヤクシソウは葉の基部が茎を抱き、花が密集してつき、冠毛が白色。

アキノキリンソウ(ソリダゴ)属

 family Asteraceae - genus Solidago

 多年草、まれに亜低木。根茎は短~長、又は木質のてい幹。茎は傾伏~斜上~直立。葉は根生葉(宿存または花時までに無い)と茎葉、互生、葉柄は無又は有。葉身は卵形~広披針形~狭披針形。頭花は普通、小さく、放射状頭花(radiate)、頂生の総状花序~円錐花序~散房状の円錐花序合成花序に多数、つく。総苞は狭鐘形~±円筒形。総苞片は3~5列、覆瓦状又は類等長、線状披針形~デルタ形~長楕円形、草質、縁は薄膜質、先は円形~鈍形~鋭形~尖鋭形。花托はわずかに凸面、ハチの巣状、無毛。小花は稔性。周辺小花は雌性、1列、普通、黄色、普通、無毛、先には不明瞭な2又は3歯がある。中心小花は両性、黄色、古くなると褐色に変色し、筒状。拡大部は広がり又は狭く、先には5歯がある。葯は基部が鈍形。花柱は分枝し、平らになり、付属体は披針形。痩果は倒円錐形~円筒形、ときに、±側面が扁平、無毛又は中位に小剛毛があり、8~10うねがある。冠毛は外側に短い剛毛状の鱗片がまれにあり、25~45本の細かい宿存する長い剛毛の2列がある。中間の列は長さが内側の列の長さの90~95%、先は漸尖する。内側の列は先がごく弱く~中位に棍棒形になる。x=9。

 世界に約120種あり、主に北アメリカに分布し、少数がアジア、ヨーロッパ、南アメリカに分布する。

アキノキリンソウ属の主な種と園芸種

1 Solidago altissima L. セイタカアワダチソウ 背高泡立草
  synonym Solidago canadensis L. subsp. altissima (L.) O.Bolos et Vigo
  synonym Solidago altissima. subsp. altissima
 北アメリカ原産。 late goldenrod , Canada goldenrod , Canadian goldenrod , tall goldenrod,common goldenrod 。中国名は高大一枝黄花 gao da yi zhi huang hua。別名セイタカアキノキリンソウ。ベトナム戦争の頃、広がったため、ベトナム草とも呼ばれた。今では秋の黄色の花で目立つ存在になってしまった。カナダやアメリカ合衆国の東部が原産。ヨーロッパ、アジア、オーストラリア、ニュージーランドなどに広く帰化している。学名は北アメリカではSolidago canadensis var. scabra とされることも多い。日本各地で群生して繁茂し、一時、害草として問題になったが、根から周囲の植物の成長を抑制する化学物質を出し、年を経ると自分自身をも生長抑制することになり、現在は群生も減っている。このように化学物質により他の生物に作用することをアレロパシー allelopathy (他感作用)といいい、アレロパシーの有効利用の研究も進められている。
 多年草、高さ50~200㎝。地下茎が横に伸び、広がる。全体に短毛が密生し、ざらつく。葉は互生し、長さ4~15㎝の披針形、縁には細かい鋸歯がある。葉の基部から約1/4の位置の側脈が太く3脈が目立つ。茎頂のピラミッド形の花序に多数の黄色の頭花を密につける。花柄は長さ1~3.5㎜。頭花の直径は約5㎜。総苞は長さ(2.5)3~4(4.5)㎜。総苞片は約3列。周辺花(舌状花)は5)8~13(17)個、小舌の長さ0.7~1.5(2) ㎜。中心小花(筒状花)は(2)3~6(9)個、花冠は普通、長さ2.3~3.6㎜。痩果は長さ0.5~1.5㎜、淡褐色、冠毛は長さ2.5~3.5㎜。2n=36,54。花期は10~11月。

1-1 Solidago altissima Linnaeus subsp. altissima セイタカアワダチソウ 背高泡立草 狭義

  synonym Solidago canadensis var. scabra (Muhl. ex Willd.) Torr. & A.Gray
  synonym Solidago scabra Muhl. ex Willd.
 カナダ(マニトバ州、オンタリオ州、サスカチュワン州、ニューブランズウィック州、ノバスコシア州、プリンスエドワードアイランド州、ケベック州)、USA(アラバマ州、アリゾナ州、アーカンソー州、カリフォルニア州、コネチカット州、デラウェア州、フロリダ州、ジョージア州、インディアナ州、アイオワ州、カンザス州、ケンタッキー州、ルイジアナ州、メイン州、メリーランド州、マサチューセッツ州、ミシガン州、ミネソタ州、ミシシッピ州、ミズーリ州、ネブラスカ州、 ニューハンプシャー州、ニュージャージー州、ニューヨーク州、オハイオ州、オクラホマ州、ペンシルベニア州、ロードアイランド州、サウスカロライナ州、テネシー州、テキサス州、ユタ州、バーモント州、バージニア州、ウェストバージニア州)、メキシコに分布。乾燥から湿った土壌、野原、道端、荒廃した地域に生える。
 総苞は普通、長さ3~4㎜。2n=36, 54。花期は8~10月。

1-2 Solidago altissima subsp. gilvocanescens (Rydb.) Semple ケカナダアキノキリンソウ

  synonym Solidago canadensis L. var. gilvocanescens Rydb.

  synonym Solidago canadensis subsp. gilvocanescens (Rydb.) Á.Löve & D.Löve

  synonym Solidago canadensis var. gilvocanescens Rydb. in Contr. U.S. Natl. Herb. 3: 162 (1895)

  synonym Solidago canescens subsp. gilvocanescens (Rydb.) Á.Löve & D.Löve in Taxon 31: 358 (1982)

  synonym Doria gilvocanescens Lunell in Amer. Midl. Naturalist 5: 43 (1917)

  synonym Solidago gilvocanescens Rydb. in Bull. Torrey Bot. Club 33: 153 (1906)

  synonym Solidago pruinosa Greene
 カナダ(マニトバ州、オンタリオ州、サスカチュワン州)、USA(アラバマ州、ブリティッシュコロンビア州、コロラド州、イリノイ州、アイオワ州、カンザス州、ミネソタ州、ミズーリ州、モンタナ州、ネブラスカ州、ニューメキシコ州、ノースダコタ州、オクラホマ州、サウスダコタ州、テキサス州、ワイオミング州)、 メキシコ(チワワ州)に分布。英名はshorthair goldenrod , great plains late goldenrod。乾燥から湿った土壌、荒れた土壌、大草原、草原、小川や池の近く、道端、茂みの端に生える。日本ではgilvocanescens の綴りのvがbに間違えられているので注意。以前はSolidago canadensisの亜種または変種とされていた。現在はSolidago altissimaの亜種とされ、和名が合致していない。
 葉表にも毛が多く、総苞は普通、長さ2~3㎜。2n=18, 36。花期は8~10月。

2 Solidago canadensis L. カナダアキノキリンソウ
  synonym Solidago longifolia Schrad. ex DC.
 北アメリカ(カナダ、USA)原産。英名はCanadian goldenrod 。
 花序がやや小型、総苞が長さ1.7~2.5(3)㎜、冠毛が長さ1.8~2.2㎜。茎に開出毛があり、葉の鋸歯が明瞭、葉裏に毛が多い。セイタカアワダチソウと同じCanada goldenrod と呼ばれ混同しやすい。
 高さ30~150(~200)㎝。根茎は短~長で匍匐する。茎は1~20本以上、直立し、下部がほぼ無毛またはまばらに剛毛状絨毛があり、茎の中部~上部には密にある。根生葉は無く、下部~中部の茎葉は普通、花時までに枯れ、無柄の基部に向かって漸尖し、葉身は狭卵状披針形、長さ50~190㎜× 幅5~30㎜、縁は鋭鋸歯があり、3脈があり、先は尖鋭形、下面は無毛またはより一般的に主脈に沿って毛があり 、上面は無毛またはわずかにザラつく。中部~上部の茎葉は類似し、長さ30~50(~120)㎜×幅8~12㎜、茎の中部付近で最も大きく、上部ほど小さくなり、縁は普通、鋸歯または小鋸歯があり(歯は3~8個)、ときに下部は全縁。 頭花は(70~)150~1300+個、偏側生、偏側生のピラミッド形の円錐花序状につき (小さな株ではあいまいでこん棒形の密穂花序状(thyrsiform)またはシュートが小さな花序をもち)、枝は散開して反り返り、枝と花序柄には毛がある。花序柄は長さ3~3.4㎜。小苞は0~3個つき、線状三角形。 総苞は狭鐘形、長さ1.7~2.5(~3)㎜。総苞片は3~4列、強く不等長、鋭形~鈍形。 外側の総苞片は披針形、内側の総苞片は線状披針形。周辺小花は(5~)8~14(~18)個つき、小舌は長さ0.5~1.5㎜×幅0.15~0.3(~0.5)㎜。中心小花は(2~)3~6(~8)個つき、花冠は長さ2.2~2.8(~3)㎜、花冠裂片は長さ0.4~0.8(~1)㎜。痩果(狭倒円錐形)は長さ1~1.5㎜(うねがある)、まばらに伏剛毛がある。冠毛は長さ1.8~2.2㎜。 北アメリカに2変種がある。
品種)  'Barseventyseven' (PBR)

2-1 Solidago canadensis var. canadensis カナダアキノキリンソウ 狭義

 古い畑、牧草地、乱れた地面、道端、開けた林に生える。
 茎は中部~下部が無毛またはまばらに毛がある。周辺小花は7~15(~18)個つく。2n=18。花期は8~10月。
2-2 Solidago canadensis var. hargeri Fernald
 英名はHarger’s goldenrod。古い畑、牧草地、荒地、道端に生える。
 茎は中部~下部に中程度に毛がある。周辺小花は5~10(~13)個、平均約9個。2n=18。花期は8~10月。

2-3 Solidago canadensis var. scabra (Muhl. ex Willd.) Torr. & A.Gray

  synonym Solidago scabra Muhl. ex Willd.
 カナダ(ケベック州、ニューブランズウィック州、マニトバ州、ノバスコシア州、オンタリオ州、プリンスエドワードアイランド州、サスカチュワン州、)、USA(アラバマ州、アリゾナ州、アーカンソー州、カリフォルニア州、コネチカット州、デラウェア州、コロンビア特別区、フロリダ州、ジョージア州、インディアナ州、アイオワ州、カンザス州、ケンタッキー州、ルイジアナ州、メイン州、マサチューセッツ州、ミシガン州、ミネソタ州、ミシシッピ州、ミズーリ州、ネブラスカ州、ニューハンプシャー州、ニュージャージー州、ニューヨーク州、オハイオ州、オクラホマ州、ペンシルバニア州、ロードアイランド州、サウスカロライナ州、テネシー州、テキサス州、ユタ州、バーモント州、バージニア、ウェストバージニア州)、メキシコに分布。
 Plants of the World Online(Kew Science)では変種として掲載されているが、Flora of North AmericaやGRINではSolidago altissima Linnaeus subsp. altissimaのsynonymとされている。

3 Solidago dahurica (Kitag.) Kitag. ex Juz. コウアンアキノキリンソウ

  synonym Solidago virgaurea L. subsp. dahurica (Kitag.) Kitag. [YList]

  synonym Solidago coreana var. dahurica (Kitag.) H.S.Pak in Fl. Coreana 7: 322 (1999)

  synonym Solidago virgaurea var. dahurica Kitag. in Rep. Inst. Sci. Res. Manchoukuo 1: 297 (1937)

  synonym Solidago gebleri Juz. in V.L.Komarov (ed.), Fl. URSS 25: 576 (1959)

 中国、モンゴル、ロシア、ネパール、カザフスタン、キルギスタン、ウズベキスタン原産。中国名は兴安一枝黄花 xing an yi zhi huang hua。林内、林内の空き地に生える。
 多年草。てい幹は木質、短く枝分かれする。根茎は木質、ときに長さ5~10㎝になる。 茎は直立し、高さ36~100㎝、上部は単純または分枝し花序がつき、下部は無毛、上部はまばらに微軟毛がある。下部の茎葉は普通、葉柄があり、葉身と等長、翼があり、葉身は楕円形、長い楕円形または披針形、まれに卵形、長さ7~18㎝×幅2.5~3.5㎝、両面とも無毛またはまばらに葉脈に沿って軟毛があり、基部は徐々に狭くなり、沿下し、縁は粗いまたは細かい鋸歯がある。中部の茎葉は無柄、葉身は楕円形、長い楕円形、または披針形、長さ5~17㎝×幅1.5~4㎝、最も幅広の点から先端までの長さは25~45㎜、平均 34.5 mm。頭花は長さ10~12㎜×幅約10㎜、数個~多数が頂生の密または緩い、長さ30㎝以下の長い円錐花序状の合成花序、または長さ10~12㎝の総状花序状の合成花序につき、まれに団散花序につき、枝は直立し、茎の周りにつき、頭花は枝の周りにつく。総苞は鐘形、長さ6~9.5(~10)㎜。総苞片は3~5列、披針形、長さ5~8㎜、外側の総苞片は内側の総苞片よりあまり短くないことが多く、縁は狭く薄膜質になり、先は鋭形または尖鋭形。周辺小花は 5~10個つき、黄色、小舌は長さ4.6~6.5㎜。中心小花は4~24個、平均12個つき、長さ5~7.3㎜、花冠裂片は長さ1.1 ~ 1.5㎜。 痩果は角(かど)があり、長さ2.5~4㎜、上部の1/3~1/2にはまばら~中等度の伏剛毛があり、下部は無毛またはほぼ無毛。冠毛は白色、剛毛は長さ4.5~6.8㎜、内側の剛毛 (最長) は弱く~中程度にこん棒形。花期および果期は7~9月。

4 Solidago decurrens Lour. アキノキリンソウ 秋の麒麟草 広義
  synonym Solidago vulgaris Mill.
  synonym Solidago virgaurea var. litoralis Hartm
  synonym Solidago virgaurea f. subglabra Neuman
 日本、モンゴル、ロシア、フィリピン、アッサム、西ヒマラヤ、東ヒマラヤ、ネパール、アフガニスタン、パキスタン、西アジア、ヨーロッパ、北アフリカ原産。
 高さ20~100㎝、茎は短く、めったに1m以上にならない。茎葉は上部で極小さくなる。下部の葉の葉身は細くなり、は3脈になることはない。花序は狭~広の円錐花序。 総苞は高さ3.5~5.6(~7)㎜。総苞片は披針形、鋭形。痩果は無毛または疎~中等度に上部だけに小伏剛毛(strigulose)がある。(参考8)

4-1 Solidago decurrens Lour. var. decurrens アキノキリンソウ 秋の麒麟草 狭義

  synonym Amphirhapis chinensis Sch.Bip. in Flora 35: 58 (1852)

  synonym Amphirhapis leiocarpa Benth.
  synonym Solidago coreana (Nakai) H.S.Pak 

  synonym Solidago decurrens var. coreana (Nakai) Kitam. チョウセンアキノキリンソウ

  synonym Solidago japonica Kitam. in Acta Phytotax. Geobot. 1: 286 (1932) アキノキリンソウ

  synonym Solidago pubescens Wall.

  synonym Solidago virgaurea subsp. asiatica (Nakai ex H.Hara) Kitam. ex H.Haraアキノキリンソウ

  synonym Solidago virgaurea var. asiatica Nakai ex H.Hara in Bot. Mag. (Tokyo) 52: 128 (1938)

  synonym Solidago virgaurea var. coreana Nakai in Bot. Mag. (Tokyo) 31: 110 (1917) チョウセンアキノキリンソウ

  synonym Solidago virgaurea var. paludosa Honda in Bot. Mag. (Tokyo) 40: 95 (1937)

  synonym Solidago virgaurea var. praeflorens Nakai in Bot. Mag. (Tokyo) 42: 16 (1928)

  synonym Amphirhapis leiocarpa Bentham

  synonym Solidago virgaurea subsp. leiocarpa (Benth.) Hultén in Fl. Aleutian Isl.: 315 (1937) ミヤマアキノキリンソウ

  synonym Solidago virgaurea var. leiocarpa (Benth.) A.Gray in Mem. Amer. Acad. Arts, n.s., 6(2): 395 (1858)

 日本、韓国、中国、台湾、ロシア、千島列島、サハリン、アリューシャン列島、カムチャツカ、アッサム、西ヒマラヤ、東ヒマラヤ、ラオス、ネパール、パキスタン、フィリピン、ベトナム原産。中国名は一枝黄花 yi zhi huang hua。斜面の林内、林縁、雑木林、草地に生える。痩果は無毛(参考8)。
 多年草。てい幹は木質、短く枝分かれする。茎は高さ(5~)35~100 cm、直立、普通は細く、単生またはまれに束生し、単生または上部で分枝する。下部の茎葉は長さ1~25(葉柄を含む)㎝×幅0.4~3(~4)㎝、葉柄は長さ2~4㎝、またはそれ以上、長い翼を持ち、葉身は披針形~卵形、両面に微軟毛があるか、または上面は無毛、縁の上部に鋸歯があるか又は全縁。中部の茎葉は葉柄に翼があり、葉身は楕円形、長い楕円形、卵形、または広披針形、長さ2~14㎝×幅0.4~2(~2.9)㎝、基部は楔形~漸尖形、縁の上部に鋸歯~小鋸歯があるか、または全縁。上部の茎葉は最も広い点から頂点までの長さは6.5~31.5㎜、平均14.3㎜。頭花は多数、頂生の密または緩い総状花序状または散房花序状の円錐花序の合成花序につき、枝は直立し、茎の周りにつき、頭花は枝の周りにつき、まれに下部の枝が伸びて別の合花花序になる。総苞は長さ3.5~6.2(~7.7)㎜。総苞片は4~6列、披針形または狭披針形、先は鋭形または尖鋭形。周辺小花は2~9個つき、小舌は長さ2~5(~6.5)㎜×幅0.9~2.8㎜。痩果は長さ2~3㎜、無毛~まばらに伏剛毛がある。花期および果期は4~11月(Flora of China)。

4-2 Solidago decurrens var. insularis (Kitam.) Semple シマコガネギク 島黄金菊

  synonym Solidago insularis Kitam. in Acta Phytotax. Geobot. 3: 141 (1934)

  synonym Solidago virgaurea var. insularis (Kitam.) H.Hara in Enum. Spermatophytarum Japon. 2: 261 (1952)

  synonym Solidago virgaurea L. subsp. asiatica Kitam. ex H.Hara var. insularis(Kitam.) H.Hara [YList]

 日本(南西諸島)原産。海岸近くに生える。花期は1~5月。中部の茎葉は茎中間に密集し、下部の地上の低い茎葉は年中、宿存する(参考8)。
 茎は高さ約50[15~70]㎝。枝の先に条線があり、先端の毛を除いて無毛。根生葉は花期までに枯れる。下部の葉は茎の基部に集まり、亜ロゼット状になり、長さ約10㎝、円状卵形、長さ7cm×幅3cm、先は鋭形、基部はくさび形、縁は微突のある鋸歯があり、微細な繊毛があり、無毛になり、質は亜革質。葉柄は長さ4~5㎝、翼がある。上部の葉は上部ほど小さくなり、間隔が開き、披針形、両端が尖鋭形、長さ2~7㎝、鋸歯縁~ほぼ全縁。頭花は円錐状の散房花序につき、幅約8~9mm[直径12~15mm]。花柄は長さ2㎜以上、粗毛がある。苞は1~2個つき、披針形、長さ約2~3㎜。総苞は乾くと広鐘形、幅7㎜、長さ5㎜。 総苞片はほぼ3列、緩く覆瓦状、外側に繊毛があり、総苞片は鈍形、肋の先端は黒色を帯びる、外側の総苞片は卵形~長円形、長さ1.5~2mm。内側の総苞片は線形、長さ約5mm。周辺小花は黄色の雌性の舌状花、筒部は長さ2㎜。舌部は長さ6㎜、幅2㎜、先に歯がある。中心小花は両性、花冠は長さ約5㎜、筒部は細く、長さ1.5㎜、拡大部は線形、長さ2㎜。冠毛は帯白色、長さ約4mm。痩果は円筒形、ほぼ無毛(極少し毛があるが、まれに、無毛)。花期は10~12月。(参考6)

YListの分類


 YListではアキノキリンソウ、チョウセンアキノキリンソウ、ミヤマアキノキリンソウを分けている。

(1) Solidago virgaurea L. subsp. asiatica (Nakai ex H.Hara) Kitam. ex H.Hara アキノキリンソウ 秋の麒麟草

  synonym Solidago virgaurea L. subsp. coreana (Nakai) Kitag. チョウセンアキノキリンソウ

 日本(北海道、本州、四国、九州)、朝鮮に分布。外来種のセイタカアワダチソウより早く咲き始める。日当たりのよい山野に生える。
 多年草、高さ30~80㎝。茎には上向きの曲った毛が生える。根生葉は普通、花期にはない。茎中部の葉は基部が細くなり、長さ7~9㎝、幅1.5~5㎝の披針形~卵状楕円形、翼のある短い柄をがある。葉の縁には毛があり、鋸歯縁。葉裏がやや白っぽく、網目状の脈がはっきり見える。茎の下部の葉は鋸歯が大きくて鋭い。花柄は長さ3~6㎜。頭花は直径12~14㎜。周囲に1列に並ぶ舌状花は雌性、2~9個つき、長さ6.5~8㎜、幅の変化も大きい。筒状花は両性、9~13個つき、花冠の裂片が反曲する。総苞は長さ5~6㎜、幅3~4㎜の狭筒形。総苞片は4~5(6)列、外側ほど短く、鋭頭。痩果は長さ2.5~3㎜の淡褐色。冠毛はやや淡褐色を帯び、長さ約3.5㎜。2n=18。花期は8~11月。

(1)-1 Solidago virgaurea L. subsp. asiatica (Nakai ex H.Hara) Kitam. ex H.Hara var. asiatica Nakai ex H.Hara アキノキリンソウ 狭義

  synonym Solidago pacifica Juz. 
  synonym Solidago japonica Kitam. 

(1)-2 Solidago virgaurea L. subsp. leiocarpa (Benth.) Hulten  ミヤマアキノキリンソウ 深山秋の麒麟草

  synonym Solidago virgaurea L. subsp. leiocarpa (Benth.) Hulten f. japonalpestris Kitam.

  synonym Solidago virgaurea L. var. leiocarpa (Benth.) A.Gray 
  synonym Solidago paramuschirensis Barkalov 
  synonym Solidago decurrens Lour.
 日本(北海道、本州の中部地方以北)、朝鮮、中国、ロシア、フィリピン、ベトナム、インド原産。中国名は一枝黄花 yi zhi huang hua。別名はコガネギク。亜高山帯~高山帯の草地、礫地に生える。平地~山地に見られるアキノキリンソウの高山型。
 多年草、高さ20~100㎝。茎中部の葉は長さ2~14㎝の惰円形~広披針形、葉柄に翼がある。頭花は頂部に固まってつく。頭花の直径は1.2~1.5(2)㎝。総苞は長さ3.5~6.2(7.7)㎜、幅4~5㎜。総苞片は4~6列、先が尖る。周辺花2~9個、舌部は長さ2~5(6.5)㎜ 、幅0.9~2.8㎜。 痩果は長さ2~3㎜。冠毛は長さ3.1~5.2㎜。2倍体2n=18。花期は7~9月。
 最近は、中国などのものと同じと考えられている。外観もかなり違い品種や変種に分ける見解もある。日本のものは草丈が低く、15~(50)75㎝、総苞が幅8~10㎜、総苞片が3列といわれている。舌状花の数も13個のものが見られた。ただし、花の直径15㎜がと正しいとすると総苞は約1/3であるため、8~10㎜の幅はない。総苞片の列数も3列には限らないとみえる。

(1)-2-1 Solidago virgaurea L. subsp. leiocarpa (Benth.) Hulten f. paludosa (Honda) Kitam. ex Ohwi キリガミネアキノキリンソウ 霧ケ峰秋の麒麟草

  synonym Solidago virgaurea L. subsp. leiocarpa (Benth.) Hulten var. paludosa Honda

 本州(中北部)に分布。霧ヶ峰の高層湿原などの高山の湿地に生える。
 高さ15~50㎝。葉は互生し、線状披針形。花期は早く、6~7月。

(1)-2-2 Solidago virgaurea L. subsp. leiocarpa (Benth.) Hulten var. ovata (Honda) Ohba, comb. nud. ハマアキノキリンソウ 浜秋の麒麟草

 本州(関東地方)に分布。日当たりのよい海岸の草原に生える。
アキノキリンソウとハチジョウアキノキリンソウとの雑種。
 高さ約15㎝。葉は互生し、茎の中部に集まってつく。 葉は質がやや厚く、光沢があり、縁毛以外は無毛。

(1)-3-3 Solidago virgaurea L. subsp. leiocarpa (Benth.) Hulten var. praeflorens Nakai  ハチジョウアキノキリンソウ 八丈秋の麒麟草

  synonym Solidago virgaurea var. praeflorens Nakai in Bot. Mag. (Tokyo) 42: 16 (1928)

  synonym Solidago hachijoensis Nakai 
  synonym Solidago decurrens var. praeflorens (Nakai) Kitamura.
 日本(伊豆諸島の八丈島)の固有変種。
 茎は高さ10~30㎝、矮性の茎は高さ1~7cm。 茎は先端で分枝する。葉は卵形、茎中部の茎葉は密集しない。痩果はほぼ無毛、上部に伏剛毛がある。花期は夏と秋、8~11月。

5 Solidago flexicaulis L. ソリダゴ・フレキシカウリス
 北アメリカ東部原産。英名はzigzag goldenrod , broad leaf goldenrod。日陰の林内および茂みに生える。
 高さ(15~)25~75(~90)㎝。茎は木質、根茎は短い。茎は1~5本以上つき、しなやかで、まばらに~適度に毛が生える。花時にロゼット葉は存在する。根生葉と下部の茎葉は翼のある葉柄に向かって先細り、葉身は卵形、長さ(70~)100~140(~180)㎝×幅(27~)40~60(~80)㎜(葉柄は葉の全長の1/4~1/2)、 縁は鋸歯~小鋸歯があり [歯は(14~)21~33(~45)個]、下面は無毛または中程度に毛があり、脈上にはより密にあり、上面は無毛またはまばらに毛がある。中部~上部の茎葉は無柄、葉身は狭卵形~披針形、長さ38~90(~150)㎜ ×幅10~30(~55)㎜、上部では小さくなり、披針形になり、基部は先細り、縁は全縁~鋸歯縁、先は尖鋭形~尾状、 上面は無毛またはまばらに毛があり、下面は無毛または中程度に毛があり、脈に沿ってより密にある。頭花は25~250 個、腋生および頂生の短い総状花序状の密散花序(束生)につき、側円錐花序は長さ(2~)7~31(~ 56)㎝。花序柄は長さ0.5~5㎜、中程度から密に剛毛がある。小苞は1~3個つき、披針形、通常は総苞の基部付近にあり、次第に葉状になる。総苞は鐘形、長さ4.5~7(~8)㎜。総苞片は約3列につき、強く不等長、最も外側の総苞片は長狭1~2㎜。最も内側は長さ3.7~4.7(~5.7)㎜、線形~長楕円形、1脈があり、先は鈍形~鋭形。周辺小花は1~5個。小舌は長さ(2~)2.5~4(~5)㎜×幅0.7~2㎜。中心小花は4~8(~11)個つき、花冠は長さ2~3(~4)㎜、花冠裂片は長さ1~1.6(~2)㎜。痩果は倒円錐形、長さ1~2(~3)㎜、中程度~密に剛毛がある。冠毛は長さ3~4.5㎜。2n=18、36。花期は8~10月。
品種) 'All Gold' (v) , 'Flexi Belle' , 'Variegata' (v)

6 Solidago gigantea Aiton  オオアワダチソウ 大泡立草 
  synonym Solidago gigantea Aiton var. leiophylla Fernald
  synonym Solidago gigantea subsp. serotina (Kuntze) McNeill
  synonym Solidago gigantea gigantea var. serotina (Kuntze) Cronquist
  synonym Solidago serotina Aiton
 北アメリカ(カナダ、USA)原産。英名はearly goldenrod , giant goldenrod , smooth goldenrod , tall goldenrod
 北アメリカ原産の多年草。明治時代に観賞用として渡来し、北海道ではセイタカアワダチソウより多く、普通に見られる。セイタカアワダチソウより花期が早く、三河地方で7月に見られるのはこのオオアワダチソウである。普通、少なくとも季節的に湿った土壌、氾濫原、溝、窪地、開けた森、茂み、大平原の草原や公園の湿った窪みに生える。
 高さ50~200㎝(単生または群生)。根茎は短~長く這う。茎は1~20本以上、または群生し、直立し、無毛またはまばらに伏剛毛があり、ときに粉白色になる。根生葉は無く、下部の茎葉は普通、花時までに枯れ、無柄、披針形、長さ91~97㎜×幅10~14mm、縁には鋭い鋸歯があり、3脈があり、先は尖鋭形、下面は脈上に直軟毛があるか無毛。中部~上部の茎葉は類似し、長さ57~76㎜×幅7~12㎜、茎の中部で最も大きく、上部ほど小さくなる。頭花は40~600個、偏側生、広い偏側生のピラミッド形の円錐花序状につき、まれに菱形または棍棒形になり、下部の枝は散開し、反り返り、無毛~ほぼ無毛または伏剛毛があり、ときに粉白色になる。花序柄は長さ1.5~3㎜、疎~密に小伏剛毛がある。小苞は0~2個、線状披針形。総苞は鐘形、長さ(2~)2.5~4(~5)㎜。総苞片は3~4列、不等長、鋭形。外側の総苞片は披針形、内側の総苞片は線状披針形 (極西部から報告された六倍体は、特に外側の総苞片と花序柄の苞の基部近くに、微細な有柄の腺がある。)。周辺小花は(7~)9~15(~24)個 (目立つ)、小舌は長さ1~3㎜×幅(0.1~)0.2~0.4㎜。中心小花は(4~)7~12(~17)個つき、花冠は長さ(2.5~)3~3.5(~4.5)㎜、花冠裂片は長さ0.6~1(~1.4)㎜。痩果は長さ1.3~15㎜、まばらに伏剛毛がある。冠毛は長さ2~2.5㎜。2n=18, 36, 54。花期は8~9月(~10月)。

7 Solidago horieana Kadota ソラチアオヤギバナ
 日本(北海道)原産。雨竜川上流の長留内川沿岸に生える蛇紋岩植物。
 アオヤギバナと似た渓流植物。アオヤギバナとはと比較して、①花がより大きい。②茎葉が小数個で茎に疎らにつく。③葉の向軸面に屈毛が密生する。④総苞片や苞葉の先端が尾状鋭先頭となる。⑤総苞外片がより長い。根生葉は花期にも生存する傾向がある。

8 Solidago leiocarpa DC. ソリダゴ・レイオカルパ
  synonym Solidago cutleri Fernald
 北アメリカ原産。英名はCutler’s alpine goldenrod , verge d’or de Cutler。高山に生える。
 高さ5~35cm。てい幹(caudices)は分枝し、根はひげ根。茎は1~5本以上つき、斜上~直立し、微細剛毛~微軟毛がつく 根生葉および下部の茎葉は葉柄があり、下部は漸尖する。葉身はへら形~倒披針形、長さ20~150㎜×幅5~40㎜、縁は縁毛があり、鋸歯状の円鋸歯状、先は鋭形~円形、面は無毛。上部の茎葉は通常2~5個つき、無柄、葉身はときに±抱茎、倒披針形、長さ20~40㎜×幅4~9㎜、上部で小さくなり、広~狭披針形、縁は全縁、先は鋭~鈍形。頭花は2~50(~160)個つき、小さな株では小型の散房花序につき、大きな株では散房花序~円錐花序につく。花序柄は長さ5~6㎜、中程度の剛毛~小伏剛毛がある。小苞は0~1個つき、線状披針形。総苞は広鐘形、長さ5~7.5㎜。総苞片は不等長、外側の総苞片 (内側の総苞片の長さの1/2)は三角形、鋭形、内側の総苞片は披針形、鈍形。周辺小花は6~15個つき、小舌は長さ2~4㎜×幅1~2㎜。中心小花は12~35個つき、花冠は長さ4~5.5㎜、花冠裂片は長さ1~2㎜。痩果は長さ1~2.5㎜、剛毛がある。冠毛は長さ3~5㎜。2n=36。花期は8~9月。
品種) 'Goldrush' , 'Solbut' (PBR)

9 Solidago juncea Aiton ハヤザキアワダチソウ 早咲泡立草
 北アメリカ(カナダ、USA)原産。英名はearly goldenrod , plume golden-rod , yellow top。開けた砂地、荒地、畑に生える。
 高さ30~120㎝。 茎は分枝し、時には新しいロゼットを形成する細長い根茎を伴う。茎は1~10本以上つき、直立し、無毛、ときにまばらに毛があり、通常、上部の葉腋に小さな葉が束生する。根生葉と下部の茎葉は次第に漸尖し、翼のある葉柄になり、葉身は倒披針形~卵形、長さ100~300㎜×幅20~70㎜、通常は複数の側脈が目立ち、縁は鋭鋸歯があり、縁毛があり、上面は無毛。 中部~上部の茎葉は無柄、葉身は線状披針形、長さ30~50㎜×幅8~11㎜、上部ほど小さくなり、縁は全縁または細かい鋸歯がある。頭花は60~450個つき、偏側生、円錐花序状につき、開いた偏側生のピラミッド形で、下部の枝は広がって反るか、または幅が長さと同じで、下部の枝は広く斜上し、反曲する(楡の木の形)。花序柄は長さ1.5~6㎜、無毛またはまばらに小伏剛毛がある。小苞は0~2個、線形。 総苞は狭鐘形で、長さ3~4㎜。総苞片は3~4列、強く不等長、外側の総苞片は卵形、鋭形、内側の総苞片は披針形、鈍形。周辺小花は7~12個、小舌は長さ2~2.5㎜×幅0.2~0.5㎜。中心小花は8~15個、花冠は長さ2.5~3㎜、裂片は長さ0.5~0.8㎜。痩果は長さ0.9~1.5㎜、まばらに剛毛がある。冠毛は長さ2.5~3.5㎜。2n=18。花期は7~9月。

10 Solidago latissimifolia Mill. ソリダゴ・ラティシミフォリア
  synonym Solidago mirabilis Small
 北アメリカ(カナダ、USA)原産。英名はElliott’s goldenrod。淡水と汽水域の湿地、茂み、海岸平野に生える。オクコガネギクは同種名のSolidago mirabilis Kitam.とされたことがあるが、誤り。
 高さ(40~)100~300(~400)㎝。根茎は這い、長く伸びる。茎は1~5本以上、直立し、無毛または枝には微軟毛がある。根生葉および基部の茎葉は開花までに枯れる。中部および上部の茎葉は多数(背の高い茎では50+個まで)、無柄またはほぼ無柄(葉身の基部はときに、やや耳があり、円形~短柄)、葉身は楕円形または披針状楕円形、より大きく、長さ60~150㎜×幅15~35㎜、上部ではほとんど小さくならず、縁は全縁~鋸歯があり、3脈はなく、不明瞭~明瞭な網状脈があり、面にはかろうじてしわがあり、無毛。 頭花は35~800個、円錐花序状につき、ときに葉状の苞があり、短くまたは長く、わずかにまたは強く反り返り、偏側生の枝がある。花序柄は長さ4~10㎜、まばら~中等度の伏剛毛がある。小苞は1~3+個つき、線状披針形、普通、少数が頭花近くで次第に総苞片になる。総苞は鐘形、長さ4~6㎜。総苞片は4~5列、非常に不等長、先は縁に縁毛があり、鈍形~円形、無毛。外側の総苞片は卵状披針形、内側の総苞片は線状披針形、比較的幅が広く、長さ0.7~1.2㎜。周辺小花は6~10個つき、小舌は長さ2~3㎜×幅0.8~1.3㎜。中心小花は4~7個つき、花冠は長さ3~4㎜、花冠裂片は長さ0.9~1.3㎜。痩果(倒円錐形)は長さ1.5㎜、まばらに伏剛毛がある。冠毛は長さ3.5~5㎜。2n=18, 36, 54。花期は8~10月 (南部では一年中)。

11 Solidago minutissima (Makino) Kitam. イッスンキンカ 一寸金花

  synonym Solidago virgaurea L. var. yakusimensis Nakai in Tokya Bot. Mag. XLII (1928) p16

  synonym Solidago virgaurea L. var. minutussima Makino in Tokyo Bot. Mag. XXVIII (1914) p179

 屋久島固有種。高さ5~10㎝程度。花期は8~9月。栽培種として流通している。
 茎は常に小さく、高さ3~7㎝。葉は葉柄が長く、卵形で、両面に毛が密にある。頭花は密な散房花序につき、幅8~9㎜。総苞は総苞片に毛があり、先は鋭形。痩果は完全に無毛(参考6:1928)。

12 Solidago nemoralis Aiton ソリダゴ・ネモラリス
  北アメリカ(カナダ、USA)原産。英名はgray goldenrod , gray-stem goldenrod , old-field goldenrod ,field goldenrod , prairie goldenrod , dwarf goldenrod , dyersweed goldenrod。
 高さ20~100㎝。てい幹は短枝がある。茎は1~6本(~10本)、直立し、短い灰白軟毛がある(毛は斜上~伏せる)。 根生葉と下部の茎葉は基部が漸尖し、翼のある長い葉柄になり、葉身はヘラ状卵形~倒披針形、長さ20~95㎜×幅7~15㎜、縁は全縁~鋸歯縁、先は鋭形、面は密に微軟毛がある。中部および下部の茎葉(ときに、側枝の葉腋に束を抱く)は無柄、葉身は線状倒卵形、長さ16~45㎜×幅3~7㎜、上部では小さくなり、縁は全縁。頭花は10~300個、偏側生、杖状のピラミッド形、円錐花序状になり、偏側生~先が反曲し、長さ8~25㎝×幅2.5~10㎝、ときに下部の枝が伸び、繰り返す。花序柄は長さ2~3.5㎜、小苞は0~4個、線形。 総苞は狭鐘形、長さ2.6~5.8㎜。総苞片は3列、卵形~線状披針形、不等長、外側の総苞片は鋭形、内側の総苞片は鈍形。周辺小花は5~11個つき、小舌は長さ2.8~5.5㎜×幅0.3~0.7㎜。中心小花は3~10個つき、長さ2.5~4.6㎜、花冠裂片は長さ0.4~0.6㎜。痩果(倒円錐形)は長さ0.5~2㎜、剛毛がある。冠毛は長さ2~4㎜。北アメリカに2亜種ある。
品種) 'Little's Autumn Torch'
12-1 Solidago nemoralis Aiton subsp. nemoralis
 開けた砂、砂利、粘土質の土壌、乱れた場所、道端、大草原、野原に生える。
 根生葉は倒披針形~倒卵形、通常、円鋸歯がある。総苞は長さ2.6~4.2+㎜(四倍体では大きい)。中心小花の花冠裂片は長さ0.5~0.9(~1)㎜。痩果は普通、まばらに伏剛毛があるだけ。冠毛は普通、周辺小花の花冠筒部および中心小花の花冠裂片の基部を超えないか、ほとんど超えない。2n=18,36。花期はは8~10月(~11月)。

12-2 Solidago nemoralis Aiton subsp. decemflora (de Candolle) Brammall ex Semple

 開けた、砂と砂利の多い土壌、乱れた場所、道端、大草原や草原、より乾燥した開けた落葉樹と針葉樹の混合林に生える。
 根生葉はしばしば線状倒披針形で、普通、円鋸歯はない。総苞は普通、長さ4.6~5.8㎜。中心小花の花冠裂片は長さ(0.6~)0.8~1.5㎜。痩果は中程度に伏剛毛がある。冠毛は普通、周辺小花の花冠筒部と中心小花の花冠裂片の基部を超える。2n=36。花期は8~10月。

13 Solidago nipponica Semple オオアキノキリンソウ 大秋の麒麟草

  synonym Solidago virgaurea L. subsp. gigantea (Nakai) Kitam. [Ylist]

  synonym Solidago coreana var. gigantea (Nakai) H.S.Pak in Fl. Coreana 7: 323 (1999)

  synonym Solidago virgaurea var. gigantea Nakai in Bot. Mag. (Tokyo) 42: 17 (1928)

  synonym Solidago decurrens Lour. var. gigantea (Nakai) Ohwi 

  synonym Solidago virgaurea L. subsp. leiocarpa (Benth.) Hulten var. gigantea Nakai

  synonym Solidago mirabilis Kitam. [参考6]
  synonym Solidago kurilensis Juz.  [参考8]
  synonym Solidago virgaurea subsp. kurilensis (Juz.) Vorosch.
 日本(北海道、本州北部)に分布。海岸に生える。別名はオクコガネギク。学名はSolidago kurilensis Juz. とする説もある。
 高さ約60~80㎝以下、アキノキリンソウに比べて茎が太い。葉柄に翼があり。葉は幅が広く、やや厚みがある。花が密に多数つく。花期は9月~10月。
 根茎は木質で太く、斜め、多数のひげ根がある。茎は直立し、頑丈で、高さ約60㎝、単純、ほぼ無毛、帯赤色の条線があり、平滑、直径7mm。花時に根生葉は枯れ、下部の葉は長さ約20㎝の長い葉柄がある。葉身は円状卵形またはほぼ円形、長さ10~12㎝×幅10㎝、先は鈍形、基部は切形またはわずかに心形、縁には粗い鋸歯があり、下面は毛があり淡色。葉柄は長さ約10㎝、広い翼がある。上部の葉は花序にも多数つき、長さ8~12㎝×幅4~5㎝、残りは下部の葉に似る。花序は密な穂状花序、頭花は密な団集花序(glomerata)になり、幅12㎜、花序柄があり、花序柄は長さ約5㎜。小苞は毛があり、長さ1.5~1㎜、2~3個つく。総苞はこま形(倒円錐形)、長さと幅はともに5㎜。総苞片は薄膜質、毛があり、ほぼ3列、緩く覆瓦状につく。外側の総苞片は卵形、長さ1~1.5㎜、鋭形。内側の総苞片は線状披針形、長さ5㎜、鈍形。中心小花は両性、筒状、長さ5.5㎜、4裂し、狭い筒部は長さ2㎜、拡大部は長さ2㎜。雌性の周辺小花は舌状、単列につき、黄色、長さ約7.5㎜、筒部は長さ2.5mm、舌部は長さ5㎜×幅2mm。冠毛は白色、長さ約4㎜。痩果は円筒形、中間から上に毛がある(参考6、ラテン語:Solidago mirabilis)

14 Solidago ohioensis Riddell ソリダゴ・オハイオエンシス
  北アメリカ(カナダ、USA)原産。英名はOhio goldenrod。湿地、湿った砂丘、川沿いに生える。
 高さ40~100cm。てい幹は密に発根し、枝分かれする。維管束と葉柄の基部は落ちないで枯れる(marcescent:1 シーズン以上古い茎に付着している)。茎は1~10本以上、直立し、細い~丈夫(背の高いシュート)、無毛。根生葉はしばしば宿存し、花時に新しいロゼットとしても存在し、漸尖して長さ250㎜以下の翼のある葉柄になり、葉身は狭卵形~披針形、長さ50~150㎜×幅15~45㎜、先は鈍形から鋭形、面は無毛。下部の茎葉は類似し、上部で小さくなり(葉柄があまり発達せず)、上部では無柄、葉身は顕著な1脈があり、卵形~披針形、長さ75~100㎜×幅8~12㎜、上部にいくほど小さく、縁は全縁、平ら、先は鋭形。頭花は10~500個以上、散房状につき、枝は無毛。花序柄は長さ6.3~8.5㎜、無毛。小苞は 3 個、線形~披針形、ときに、次第に総苞片になる。総苞は鐘形、長さ4~5㎜。総苞片(14~18個)は3~4列、広線形~卵形、不等長、鈍形、不明瞭な条線がある。周辺小花は6~8個つき、小舌は長さ4.6~5㎜×幅0.5~0.7㎜。中心小花は8~20個つき、花冠は長さ4~4.5㎜、花冠裂片は長さ0.6~1㎜。痩果(倒円錐形)は長さ1.6~2.2㎜、無毛。冠毛は長さ2.5~3㎜ (先端は棍棒形)。2n=18。花期は9~10月。
品種) 'Four Seasons'

15 Solidago pacifica Juz. ソリダゴ・パシフィカ

  synonym Solidago mirabilis Kitam.in Acta Phytotax. Geobot. 3: 140 (1934), non S. mirabilis Sm.  オクコガネギク

 朝鮮、中国(満州を含む)、ロシア原産。中国名は钝苞一枝黄花 dun bao yi zhi huang hua。植物は頑強で、総苞片がやや鈍形。Flora of Chinaでは分布域に朝鮮を含まない。斜面の草地、林内、林縁に生える。YListではアキノキリンソウの異名とし、Solidago mirabilis Kitamはオオアキノキリンソウ(オクコガネギク)=Solidago nipponica Sempleの異名としている。
 多年草。根茎は頑強。茎は直立し、細く、高さ100㎝以下、単純で、無毛、葉は緩くつく。葉は楕円形または披針形、両面とも無毛またはまばらに縁毛があり、下部の茎葉は狭く有柄、上部の茎葉は上部で次第に小さくなる。頭花は長さ7~12mm、多数、頂生の散房花序につき、数個の散房花序が長さ35㎝以下の総状花序状の合生花序につき、枝は直立し、茎の周りにつく。頭花は枝の周りにつく。総形は鐘形、長さ4~6㎜。総苞片は3~4列、楕円形または倒披針形、長さ4~6㎜、円形または鈍形。周辺小花は長さ約5㎜。痩果は長さ約2㎜、無毛。 内側の(最長)冠毛は、弱~中等度に棍棒形になる。花期および果期は8~10月。

16 Solidago ptarmicoides (Torr. et A.Gray) B.Boivin テリアツバギク 照厚葉菊

  synonym Aster ptarmicoides (Nees) Torr. & A.Gray
 北アメリカ(カナダ、USA)原産。英名はwhite flat-top goldenrod , white upland-aster。 乾燥した砂地、普通は石灰質の土壌、岩の割れ目、石灰岩の舗装、岩の露頭、草が茂った斜面、大草原に生える。
 高さ10~40cm。てい幹は分枝する。維管束と葉柄の基部は落ちないで枯れる(marcescent:1シーズン以上古い茎に付着している)。 茎は1~20本以上、直立し、細く、下部は無毛、上部は剛毛がる。根生葉および下部の茎葉は宿存し、ほぼ有柄~無柄、葉身はときに 3脈があり、線形~線状披針形、長さ60~100㎜×幅7~10㎜、硬く、平ら、縁は全縁またはほぼ全縁、表面は無毛またはまばらに毛がある。 中部~上部の茎葉は無柄、葉身は線状倒披針形~線形、長さ20~40㎜×幅3~5㎜、上部では小さくなり、縁は全縁。頭花は1~25(~50)個、散房花序状につく。花序柄は長さ29~36.5㎜、小伏剛毛がある。小苞は線形。総苞は長さ5~6㎜。総苞片は4~5列、普通、顕著な1脈があり、線形、強く不等長、外側の総苞片は鋭形、内側の総苞片は鋭形~鈍形、無毛。周辺小花は10~20個、普通、白色、まれに淡黄色(目立つ)、小舌は長さ7~7.3㎜×幅1.4~1.6㎜。中心小花は30~36個つき、花冠は長さ3.8~4.1㎜、花冠裂片は長さ0.5~0.7㎜。痩果(倒円錐形)は長さ1~1.5㎜ (うねがあり)、無毛。冠毛は長さ3.4~4㎜(先端は棍棒形)。2n=18。花期は7~10月。
品種)  'Mago'

17 Solidago rigida L.  ソリダゴ・リジダ
  北アメリカ(カナダ、USA)原産。英名はrigid goldenrod , stiff goldenrod , stiff-leaf goldenrod
 高さ30~150cm。てい幹は分枝し、木質。 茎は1~10 本以上、直立、頑丈、毛深い。 葉: 基部と近位の尾状突起は通常開花時に存在し、急に細くなり長い葉柄になり、葉身は卵形~菱形、長さ80~200㎜×幅24~50㎜、堅く、平らで、縁は全縁~円鋸歯があり、ときに波打ち、先は鈍形~鋭形、面には密に毛がある。 中部~丈夫の茎葉は無柄、葉身は卵形、長さ30~50㎜×幅15~17㎜、堅く、上部ではかなり小さくなり、縁は全縁または細かい鋸歯があり、ときに波打ち、先は鋭形~鈍形。頭花は9~190個、散房状につき、小型または枝が長く広がり、全体に密に毛がある。花序柄は長さ3~15㎜、小伏剛毛状灰白軟毛がある。小苞は1~3個、線状披針形。総苞は鐘形、長さ6~8㎜。総苞片は3~4列、不揃い、長円形、目立つ条線があり(3~5本の顕著な脈)、鈍形。周辺小花は6~13個、小舌は長さ1.4~5.4㎜×幅1.2~1.9㎜。中心小花は14~35個、花冠は長さ4.3~6.1㎜、花冠裂片は長さ0.6~1.1㎜。痩果(倒円錐形)は長さ0.8~1.7㎜(うねがある)、無毛または先に小伏剛毛がある。冠毛は長さ3~4㎜。北アメリカの3亜種がある。
品種) 'Upright Rod'
17-1 Solidago rigida Linnaeus subsp. glabrata (E. L. Braun) S. B. Heard & Semple
 大草原、空き地、サバンナ、乾燥した開けた場所、特に石灰質の土壌に生える。
 茎は高さ40~95cm 。葉と茎は無毛または剛毛がある(茎:0~25本/m㎡ , 葉:0~20本/m㎡)。根生葉は長さ250㎜×幅40㎜・以下。中部~上部の茎葉は披針形~卵形、ときに菱形、薄い。頭花は普通、小型で、上面が平らにつき、長さ(2~)4~14(~24)cm×幅5~15(~24.5)cm。花序柄はまばら~中程度に剛毛がある。外側の総苞片は無毛。内側の総苞片は倒披針形、幅0.8~1.4㎜、無毛。中心小花の花冠裂片は長さ1~1.6㎜。痩果は無毛。2n=18。花期は9~10月(~11月)。
17-2 Solidago rigida Linnaeus subsp. rigida
 大草原、空き地、オークのサバンナ、特に石灰質土壌の乾燥したオープンエリア、乱れた土地(鉄道など)に生える。  茎は丈夫で、高さ60~150㎝、粗い剛毛がある(10~70 本/m㎡) (毛は硬い)。根生葉は大きく、長さ250㎜×幅100㎜・以下、面には中程度~密に剛毛がある(7 ~50本/m㎡)。中部~上部の茎葉は卵形、厚い。頭花は普通、疎に、開き、頂部が平らにつき、長さ3~20(~34)㎝×幅(4.5~)6.5~18(~27)㎝。花序柄は密に剛毛~伏後毛がある。総苞片は外側のsouhouhenは毛があり、内側の総苞片は長円形~わずかにヘラ形、幅0.8~1.4㎜、無毛~微軟毛がある。中心小花の花冠裂片は深く、長さ1.1~1.6㎜。 痩果は無毛。2n=18, 36。花期は8~10月。
17-3 Solidago rigida Linnaeus subsp. humilis (Porter) S. B. Heard & Semple
 乾燥~中程度の乾いた、しばしば砂質または侵食された土壌、大草原および開けた牧草地、林内の開けた草が茂った空き地に生える。
 茎は高さ40~70(~90)㎝、密に ( 粗くなく)剛毛がある(30~70本 /m㎡)。根生葉は(しばしば多数)、小さく、まれに長さ120㎜×幅50㎜を超え、面は密に(粗く無く)、剛毛がある(20~60本 /m㎡)。中部~上部の茎葉は披針形~卵形。頭花はきつく密集し、普通、丸くつき、長さ3~13(~23.5)㎝×幅(3.5~)6~13(~18)㎝。花序柄は密に剛毛~伏剛毛がある。外側の総苞片は密に伏剛毛がある。内側の総苞片はより線形に近いことが多く、幅0.7~1.2㎜、小伏剛毛が目立つ。中心小花の花冠裂片は浅く、長さ0.9~1.2(~1.3)mm。痩果は普通、上部に小伏剛毛がある。2n=18。花期は8~10月 。
品種) 'Golden Rockets'

18 Solidago rugosa Mill. ソリダゴ・ルゴーサ
 北アメリカ(カナダ、USA)原産。 英名はrough-stem goldenrod , rough-stemmed goldenrod , wrinkle-leaf goldenrod。
 高さ30~200㎝。根茎は長く這い、クローンを形成する。茎は1~50本以上、直立し、無毛または密に剛毛~伏剛毛がある。根生葉は花時に枯れる。下部の茎葉は普通、花時までに枯れ、無柄、葉身は楕円形~披針形、長さ68~104㎜×幅20~25㎜、縁には鋭い鋸歯があり、先は鋭形~漸尖形、下面は普通、剛毛~伏剛毛があり(少なくとも主脈上にあり)、脈はときに明瞭、 下面(上面?)は無毛。中部~上部の茎葉は無柄、葉身は披針形、楕円形または卵形、長さ(15~)40~75(~90)㎜×幅(6~)12~22(~32)㎜m、茎の中部の葉が最も大きく、上部でやや小さくまたは大幅に小さくなり、縁には粗~細かい鋸歯があり、縁毛があり、毛は下部に似るか、またはより密にある。頭花は50~1500個、偏側生、偏側生のピラミッド形の円錐花序につき、長さ7~36(~50)×幅9~26cm、小型~緩く、枝は散開して反り返り、最も長いものは長さ0.8~34㎝、葉状の苞がある。花序柄は長さ1~1.8㎜、疎~密に剛毛~小伏剛毛がある。小苞は線状披針形~卵形。 総苞は狭鐘形、長さ(2~)2.5~3.5(~4.5)㎜。総苞片は3~4列、強く不等長、披針形~線状披針形、鋭形~鈍形。周辺小花は(4~)6~8(~12)個つき、小舌は長さ(0.9~)1~1.6(~2.3)㎜×幅0.4~0.7㎜。中心小花は(2~)4~6(~8)個つき、花冠は長さ2~3.5(~4.5)㎜、花冠裂片は長さ(0.5~)0.7~1(~1.3)㎜。痩果(狭い倒円錐形)は長さ0.9~1.5㎜、中等度に小伏剛毛がある。冠毛は長さ1.8~2.5㎜。北アメリカに2亜種がある。
品種) 'Fireworks' , 'Loydser Crown' , 'Lynn Lowrey'

19 Solidago sempervirens L. トキワアワダチソウ 常盤泡立草
  北アメリカ(カナダ、USA)、メキシコ原産。 英名はsalt-marsh goldenrod , seaside goldenrod
 高さ40~200cm。てい幹は短く、丈夫。茎は1~10本(~20本以上)、直立または斜上し、全体に無毛または毛がある。花時にロゼットがある。根生葉および下部の茎葉は基部が先細りになり、長い翼のある葉柄は茎を鞘状に覆うかまたはそれに近い形になり、葉身は狭卵形~倒披針形、長さ100~400㎜×幅10~60㎜、厚くまたは肉質、全縁、鋭形、無毛。中部~上部の茎葉は普通、多数つき、無柄、葉身は披針形、長さ40~60㎜×幅5~10㎜、上部では小さくなり、厚くまたは肉質、基部はときに亜抱茎、縁は全縁。頭花は20~500個つき、偏側生、円錐花序につき、偏側生のピラミッド形~広棍棒形、ときに下部に葉があり、少なくとも下部の枝は広がって反り返り、枝と花序柄には小苞があり、上部に行くほど小苞が小さくなる。花序柄は長さ2~3㎜、無毛又はまばらに毛がある。総苞は長さ3~7㎜。総苞片は3~4列、不等長、披針形、縁には縁毛があり、先は鋭形。周辺小花は8~17個つき、小舌は長さ5~6.2㎜×幅0.4~0.6㎜。中心小花は10~22個つき、花冠は長さ3~3.2㎜、花冠裂片は長さ0.5~1.2㎜。痩果(倒円錐形)は長さ1.1~1.5㎜、中程度に伏剛毛がある。冠毛は長さ3.8~4㎜(わずかに棍棒状)。 品種) 'Goldene Wellen'
19-1 Solidago sempervirens subsp. sempervirens
 海岸の砂丘と岩場の砂地、汽水湿地の縁に生える。
 総苞は長さ4~7㎜。周辺小花は12~17個。中心小花は17~22個。2n=18。花期は8~9月。

19-2 Solidago sempervirens L. var. mexicana (L.) Fernald ホソバトキワアワダチソウ 細葉常盤泡立草

 海岸の砂丘、汽水湿地の縁に生える。
 総苞は長さ3~4㎜。周辺小花は7~11個。中心小花は約10~16個。2n=18。花期は9~12月。

20 Solidago shortii Torr. & A. Gray ソリダゴ・ショーティー
 北アメリカ(USA)原産。 英名はShort's goldenrod 。 乾燥した、開けた場所に生える。
 高さ60~130cm。根茎は短く、丈夫。 茎は1~10本以上、上向きに直立し、少なくとも上部の1/2には、ザラつく微軟毛がある。根生葉は花時までに枯れる。中部~上部の茎葉は多数つき、ほぼ無柄または不明瞭な葉柄があり、葉身は狭楕円形~披針形、長さ7~10㎜×幅10~15㎜、堅く、漸尖し、縁は上部に鋸歯があり、縁毛は無く、3脈があり、先は尖鋭形または鋭い鋭形、面は無毛。 頭花は50~150個、円錐花序につき、枝は反り返り、偏側生。花序柄は長さ0.5~3㎜、まばらに伏剛毛がある(strigose)。小苞は線形、小さい。総苞は狭鐘形、長さ4~5㎜。総苞片は3~4列、披針形~線状披針形、不等長、先は鈍形、最も内側の総苞片は鋭形。周辺小花は5~8個つき、小舌は長さ2~3㎜×幅0.75㎜。中心小花は5~9個つき、花冠は長さ3~3.5㎜、花冠裂片は長さ0.5㎜。痩果は長さ約2㎜、中程度に短伏剛毛がある。冠毛は長さ2~3㎜。2n=36。花期は8~10月。
品種) 'Solar Cascade'

21 Solidago sphacelata Raf. ソリダゴ・スファセラータ
 北アメリカ(USA)原産。 英名は false goldenrod , autumn goldenrod。開けた林や岩の多い場所、特に石灰質の土壌、山、隣接する侵食された台地に生える。
 高さ50~120cm。根茎は短く、てい幹状(caudexlike)、またはやや細長い。茎は通常1本、斜上~直立または弓形になり、密に開出する微軟毛(spreading-puberulent)があり、たまにほぼ無毛になる。花時に根生葉 (ロゼット) があり、明瞭な葉柄があり、葉柄は上部にわずかに翼があり、長さ100㎜以下、葉身は心形、長さ40~120㎜×幅40~110㎜、縁は粗く鋭い鋸歯があり、先は鋭形~尖鋭形、下面には中程度~密に開出する微軟毛があり、上面にはまばらに開出する微軟毛があるか、またはほぼ無毛。 中部~上部の茎葉は次第に小さくなり、葉柄はほとんど無く、葉身は卵形~披針形、上部では心形は少なくなり、長さ40~60㎜×幅20~30㎜、縁には細かい鋸歯がある。頭花は50~250個、密に密生し、しばしば、ほぼ団散花序状になり(subglomerate)、偏側生の円錐花序状につき、下部の枝は少なく、広く広がり、偏側生、長くなり、上部の枝は短く、反り返る。花序柄は長さ0~1㎜、まばらに剛毛~伏剛毛がある(hispido-strigose)。小苞は1~4個つき、披針形~卵形、次第に総苞片状になる。総苞は狭鐘形、長さ3~4.5㎜。総苞片は2~3列、卵形、強く不等長、外側の総苞片は幾分竜骨があり、堅く、縁には縁毛がある。周辺小花は3~6個つき、小舌は約1㎜×幅0.5~0.7㎜。中心小花は3~6 個つき、花冠は長さ2~2.5㎜、花冠裂片は長さ0.75~1.2㎜。痩果は長さ1~2㎜、まばらに短い伏剛毛がある。冠毛は長さ約0.5㎜ (長い痩果の上に多数の剛毛の王冠を形成する)。2n=18。花期は(7~)8~9(~10)月。
品種) 'Golden Fleece'

22 Solidago velutina DC. ソリダゴ・ベルチナ
  synonym Solidago howellii Wooton & Standl.
  北アメリカ(USA)、メキシコ原産。 英名はthree-nerve goldenrod , velvety goldenrod。
 高さ15~80(~150) cm;(拡散するクローンを形成) 根茎は忍び寄り、細い。 茎は1本(根茎の端から)、斜上~直立し、下部のほぼ無毛~上部は密に伏剛毛~剛毛がある。根生葉と下部の茎葉はしばしば花が咲くまで宿存し、翼のある葉柄へと漸尖し、葉身は線状倒披針形~倒披針形、まれにへら形、長さ50~120㎜×幅8~30㎜、最も下部の葉はかなり小さく、縁は全縁~鋭鋸歯があり、面はほぼ無毛~中程度にザラつき伏せ剛毛がある。中部~上部の茎葉は無柄またはほぼ無柄、葉身は楕円形~倒披針形~倒卵形、長さ10~50㎜×幅3~12㎜、中部の葉は基部に向かって漸尖し、やや~強く3脈があり、最大で、普通、上部はかなり小さくなり、縁は全縁またはときに上部に鋸歯がある。 先は鋭形、表面はまばら~密に伏剛毛状の微軟毛があり、ときに柔らかい微軟毛がある。 頭花は(2~)30~500個つき、狭い~広く、密穂花序~偏側生のピラミッド形の円錐花序状につき、枝は反曲し、偏側生、密~緩い。花序柄は長さ1~6㎜、まばら~密に小伏剛毛がある。小苞は0~5個つき、ときに総苞片の近くに集まり、次第に総苞片になり、線状披針形。総苞は鐘形、長さ3.5~6㎜。総苞片は3~5列、披針形~長円形、強く不等長、鋭形またはときに鈍形、無毛またはまばらに小伏剛毛がある。周辺小花は6~12個つき、小舌は長さ2.9~6.3㎜×幅0.3~0.7(~1)㎜。中心小花は5~17個つき、花冠は長さ3.5~6㎜、花冠裂片は長さ0.8~1.7㎜。痩果は長さ0.7~2.7㎜、まばら~密に小伏剛毛がある。冠毛は長さ2.5~4.7㎜。北アメリカ(USA)、メキシコに3亜種がある。
22-1 Solidago velutina DC. subsp. californica (Nutt.) Semple
  synonym Solidago californica Nutt.
 カリフォルニア州、オレゴン州に分布。英名はCalifornia goldenrod。乾燥した砂や砂利や草で覆われた土壌、川床、開けた森林、道端、荒廃した地域に生える。
 茎と葉には中程度~密に小伏剛毛がある。外側の総苞片ははまばらに小伏剛毛がある。2n=18, 36。花期は7~10月。
品種)  'Cascade Creek'
22-2 Solidago velutina de Candolle subsp. sparsiflora (A. Gray) Semple
 乾いた開けた斜面、岩が多い場所、ときに小川や湧水に沿った場所、牧草地、開けた松林、乾燥した森の縁、草原、荒れた土壌に生える。  茎と葉にはまばらに小伏剛毛がある。外側の総苞片はほぼ無毛。2n=18, 36, 54。花期は8~10(~12:まれ)月。

23 Solidago virgaurea L. ヨウシュアキノキリンソウ 洋種秋の麒麟草 広義

  synonym Solidago vulgaris Lam.

  synonym Solidago virgaurea var. litoralis Hartm. in Handb. Skand. Fl., ed. 4: 273 (1843)

  synonym Solidago virgaurea f. subglabra Neuman in Bot. Not. 1896: 279 (1896)

 アジア、ヨーロッパ、北アフリカに分布。英名はEuropean goldenrod , goldenrod
品種) 'Praecox' , Variegata' (v)

23-1 Solidago virgaurea L. subsp. virgaurea ヨウシュアキノキリンソウ 洋種秋の麒麟草

 ヨーローッパ、アフリカ、アジアに分布する。
 高さ20~120cm。葉は広披針形で、葉柄は幅の3~4倍の長さ。頭花は花は散房状につき、直径10~15mm。総苞は長さ5~7mm、総苞片は4列、短く、先は急に尖鋭形。痩果は長さ3~4㎜。冠毛は長さ約4㎜(Flora Helvetica)。

24 Solidago yokusaiana Makino  アオヤギバナ 青柳花
 日本(本州の宮城県以南、四国、九州、南西諸島)固有種。愛知県の絶滅危惧Ⅱ類に指定されている。木曽革河岸で少数、見られる。矢作川と豊川の河岸にもよく似たものが生育しているが、これらはアキノキリン ソウの狭葉型と考えられている。川岸の岩場や草地など渓流に適応したものと考えられている。
 多年草。茎は束生し、直立~斜上し、高さ16~60㎝。葉は多数き、互生し、 葉柄には翼があり、不明瞭。葉身は線状披針形、長さ4~7㎝×幅2~5㎜、ほぼ全縁。頭花は茎の頂部の枝先に密集してつき、黄色、直径約15(13~15)㎜。総苞は筒鐘形、長さ5~6㎜。総苞片は3列、総苞外片は長さ1.5㎜、鈍頭。痩果は円柱形、長さ約3.5㎜、表面には密に毛があり、長さ4~5㎜の冠毛がある。花期は9~10月。2n=18。

25 ハイブリッド
(1) Solidago × asperula Desf.(S. rugosa × S.sempervirens)
 北アメリカ(USA)原産。 英名はgoldenrod
(2) Solidago × beaudryi B.Boivin (S. rugosa × S. uliginosa)
(3) Solidago × bernardii B.Boivin (S. ptarmicoides X S. riddellii )
(4) Solidago × erskinei B.Boivin (S. canadensis × S. sempervirens)
(5) Solidago × lutescens (Lindl. ex DC.) B.Boivin(S. album × S. rigidum)
(6) Solidago × luteus (Everett) Brouillet et Semple  アワダチギク(ソリダスター)
 英名はSolidaster。 Solidago ptarmicoides(Aster ptarmicoides) と不明な同属他種との交雑種。
品種) 'Lemore' , 'Super'
(7) その他
品種) 'Angels Glory' , 'Arsuryel' (PBR) , 'Autumn Blaze' , 'Autumn Gold' , 'Baby Gold' , 'Bareight' (PBR) , 'Barseven' (PBR) , 'Bartwentysix' (PBR) , 'Citronella' , 'Cloth of Gold' , 'Crown of Rays' , 'Dangol22' (PBR) , 'Dansol21' , 'Dansolbird' , 'Dansosolo' , 'Dashbar' , 'Dennis Strange' , 'Ducky' , 'Dzintra' , 'Early Bird' , 'Early Sunrise' , 'Erez' , 'Esm Pluton' (PBR) , Estelle = 'Klesh13014' (PBR) , Evita = 'Klesh13012' (PBR) , 'Featherbush' , 'Foxbrook Fountain' , 'Foxbrook Gold' , 'Gardone' , 'Gold Spangles' (v) , 'Golden Baby' , 'Golden Crown' , 'Golden Dwarf' , 'Golden Falls' , 'Golden Fleece' , Golden Gate = 'Dansolgold' , 'Golden Glory' , 'Golden Ray' , 'Golden Rays' , 'Golden Shower' , 'Golden Thumb' , 'Golden Wings' , 'Goldenmosa' , 'Goldenplume' , 'Goldkind' , 'Goldstrahl' , 'Goldwedel' , Goldzwerg , 'Harvest Gold' , 'Hiddigeigei' (v) , 'Kibadol' (PBR) , 'Kibago' , 'Klesh0002' , 'Klesh06001' (PBR) , 'Klesh06002' , 'Klesh13012' (PBR) , 'Klesh13014' (PBR) , Knock Out = 'Klesh06001' (PBR) , 'Laurin' , 'Leda' , 'Ledsham' , 'Lena' , 'Leneralis' , 'Leraft' , 'Lesden' , 'Linner Gold' , 'Little Miss Sunshine' , 'Loddon' , 'Medea' (PBR) , 'Mercurio' (PBR) , 'Metropole' , 'Mimosa' , Monte d'Oro = 'Dansolmonte' , Monte Solo = 'Dansosolo' , 'Moonlight Glory' , Punch = 'Klesh0002' , 'Queenie' , 'Romantic Glory' , 'Sandi' , 'Septembergold' , 'Solar Glory' , 'Solid Gold' , 'Sonnenschein' , 'Spatgold' , 'Summer Sunshine' , 'Sun Balcony' , 'Sunran' , 'Super' , 'Super Star' , Sweety = 'Barseven' (PBR) , 'Talita' (PBR) , Taraタラ(ゴールデンロッド) = 'Kibadol' (PBR) , Tara Gold = 'Bareight' (PBR) , 'Tom Thumb' , Toto = 'Dashbar' , 'Verirgata' , 'Wichita Mountains' , 'Yellow Springs' , 'Yellow Stone' , Yellow Submarine = 'Kibago' , 'Yellow Surprise' , 'Yellowstone'

参考

1) Flora of China
 Solidago
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=130659
2) Flora of North America
 Solidago
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=1&taxon_id=130659
3) Plants of the World Online | Kew Science
 Solidago
https://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:60436299-2
4) 植物研究雑誌 83(4) 2008.8 p.233~238
 Solidago horieana (Asteraceae), a new species from Hokkaido,
  northern Japan Periodical Title
 北海道産アキノキリンソウ属(キク科)の1新種 ソラチアオヤギバナ
http://www.jjbotany.com/pdf/JJB_083_233_238.pdf
5) Solidago ptarmicoides in Global Plants on JSTOR
 Solidago ptarmicoides
https://plants.jstor.org/compilation/Solidago.ptarmicoides
6) 植物分類,地理 Acta Phytotax. Geobot. 3: 141 (1934)
 S北村 四郎:Compositae Novae Japonicae VIII 日本産新菊科植物VIII.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/bunruichiri/3/3/3_KJ00002594166/_pdf/-char/ja
7) GRIN
 Solidago
https://npgsweb.ars-grin.gov/gringlobal/taxonomygenus.aspx?id=11278
8) Phytoneuron 2020-38: 1–59
A multivariate morphometric analysis of Solidago sect. Solidago and sect.Multiradiatae (Asteraceae: Astereae)
https://www.phytoneuron.net/2020Phytoneuron/38PhytoN-sectsSolidagoMultiradiatae.pdf