和名の由来は小穂が上向きで、天を突く意味からとする説と、小穂で点をつける点つきという説がある。
叢生し、基部は太くなり、バルブ状にはならない。根茎はなく、全体に白色短毛が多いが、少ないものもある。茎は丈夫で、高さ(5)20~50(100)㎝、無毛~わずかに短毛がある。葉はほぼ2列性、茎よりやや短く~長い(普通、茎の長さの1/2程度)。葉鞘は革状、幅広、膜質、縁は淡褐色、表面はほぼ無毛、先はほぼ切形、縁毛がある。葉舌は短毛の線が入る。葉身は狭い線形~線形、幅(1.5)2~3(4)㎜、扁平~広い内巻き、ざらざらした微縁毛があり、先は鋭形~鈍形、背面は平滑~微細剛毛で覆われる。苞葉は3~4個つき、葉状、最も下側の1~2個が普通、花序より長い。花序は短毛がある~無毛、複合~単一のイグサ形花序、長さ5~9㎝、幅3~6㎝、開いて疎~小さく密集。花茎は細く、幅約1㎜、先ではわずかに扁平になる。小穂は単生、卵形~楕円形~長楕円形、長さ4~8(14)㎜、幅約2.5㎜、角はなく、淡鳶色~栗褐色、多数の花がつく。鱗片は褐色、卵形~楕円状卵形~長楕円形、雌鱗片の長さ2.2~4.2㎜、光沢があり、3~5脈があり、中肋は緑色で竜骨状(主軸突出形)、先は小突起となる。雄しべは1~2個、花糸は短い。痩果(小堅果
)は長さ0.6~1.3㎜、広倒卵形~円形~倒三角形、断面はレンズ形、両面に各々(5)10~12本の縦肋があり、横に楕円状の窪みがあって細かい網目状、白色~帯褐色、熟してから古くなると次第に栗褐色になる。花柱は長く、扁平、基部が太く、上部に長縁毛があり、鱗片から少し突き出す。柱頭は2分岐し、下半部は並行して、白毛がある。痩果から花柱はとれやすい。2n=
20, 30。
多くの変種や品種に分類されている。ツクシテンツキ subsp. podocarpa 、オテンツキ var. tikushiensis、クグテンツキ
var. diphylla などがある。
以下に同属の水田の畔に見られるものをあげる。
ヒデリコは小穂が小さな卵円形で水田にきわめて多い。
ヒメヒラテンツキは全体に無毛で柔らかく、花茎が扁平、水田に多い。
クロテンツキは全体に無毛、鱗片の中肋が竜骨状にならず、花柱が扁平でなく、柱頭にしか毛がない。また、葉身のない鞘状葉がある。
アゼテンツキや
メアゼテンツキは全体に小型で、花柱の基部に長毛があり、アゼテンツキは鱗片の先に長い芒があり反曲する。
コアゼテンツキはさらに小型で、花柱基部の長毛がない。
オオアゼテンツキは最近、分布の拡大が明らかになってきたものであり、湿地などで確認されている。テンツキによく似ていて、鱗片が赤褐色であり、葉鞘の基部に白毛が多い。