ウルシ科 Anacardiaceae

分類 被子植物(Angiosperm)-真正双子葉類(Eudicots)-コア真正双子葉類(Core eudicots)-バラ上群(Superrosids)-アオイ類(malvids)-ムクロジ目(Sapindales)
分布 熱帯から温帯中心に世界に約72属550種が分布し、日本にはウルシ属、チャンチンモドキ属、カイノキ(ランシンボク)属などが分布する。
特徴 低木、高木、つる性木、又は多年草。樹皮や葉に樹脂を出す分泌腺の導管(樹脂道)がある。植物はテレビン油(turpentine)の臭いあり、傷つけると黒変する。雌雄同株、不完全異株、雌雄異株。葉はしばしば先で束生し、互生、 無托葉、単葉~三小葉~奇数羽状複葉。花序は頂生又は腋生の密錐花序又は円錐花序。苞は小さく又はときに大きく、膜質、花柄に融着する(ドビネア属)。花は小さく、放射相称、3~5数性、両性~単性。花托はときに大きくなり、樽形(マンゴー属)。花被は普通、2重(カイノキ属では1重、キルトカルパ属の雌花には無い)。萼片は基部で融着し、分裂し(カイノキ属では苞状)、蕾では覆瓦状又は敷石状、脱落性又は宿存性。花弁は分離又は発達した花托に基部で合着し、覆瓦状又は敷石状、脱落性又は宿存性。雄しべは1~2輪につき、稔性の雄しべは1個(カシューナットノキ属、マンゴー属)~数個~全て。花糸は細く、ときに基部で合着する(カシューナットノキ属)。葯は卵形~長楕円形、内向き、背着又は底着、縦に裂開し、2室、4胞子嚢をもつ。花盤は普通、見え、内雄しべ花盤又は外雄しべ花盤、肉質、小円鋸歯状、柄状、又は5~10刻み目状、円形、平坦又は類丸屋根状。子房は上位、ときに子房周位又は子房下位(ペギア属、セメカルパス属)。 (a) 1心皮、1室、(b) 合成心皮、2~5室 (まれにそれ以上)、(c) 4~6心皮、 離生心皮(ヤマソヤ属)、 (d) 5心皮、不完全な合着 (ドラコントメロン属)。柱頭は1~5個(まれにそれ以上)、分離、それぞれ1個の下転胚珠(apotropous ovule)をもち、普通1つの心皮が大きくなり、成熟する。果実は核果又は乾果、非裂開性(キルトカルパ属)、ときに花柄や花托から形成される大きな肉質の果托(hypocarp)の上につき (カシューナットノキ属、 セメカルパス属) 、又は膜質の成長し続ける苞に融着する(キルトカルパ属)。1~5室(まれにそれ以上)あり、1室に1種子。外果皮は薄く、中果皮は普通、肉質~繊維質~樹脂質。内果皮は皮殻質~骨質。
栽培 ウルシは漆を採取する。果物のマンゴー(マンゴー属)やナッツのカシューナッツ(カシューナットノキ属)、ピスタチオ(カイノキ属)もこの科に属す。
ウルシ属 ツタウルシ Toxicodendron orientale Greene
ハゼノキ Toxicodendron succedaneum (L.) Kuntze
ヤマウルシ Toxicodendron trichocarpum (Miq.) Kuntze
ヤマハゼ Toxicodendron sylvestre (Siebold et Zucc.) Kuntze
カイノキ属 カイノキ Pistacia chinensis Bunge
ケムリノキ属 ケムリノキ Cotinus coggygria Scop.
ヌルデ属 ヌルデ Rhus chinensis Mill