トネアザミ 利根薊

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Flora of Mikawa

キク科 Asteraceae アザミ属

別 名 タイアザミ
学 名 Cirsium nipponicum (Maxim.) Makino var. incomptum (Franch.et Savat.)Kitam.
トネアザミの花
トネアザミの総苞片
トネアザミの総苞片の腺体
トネアザミの葉
トネアザミの果実
トネアザミの痩果
トネアザミの茎
トネアザミ
トネアザミ痩果と冠毛
トネアザミ葉表
トネアザミ葉裏
花 期 9~11月
高 さ 60~150㎝
生活型 多年草
生育場所 山地
分 布 在来種(日本固有種) 本州(関東地方、中部地方南部)
撮 影 茶臼山高原 01.9.24
トネアザミはナンブアザミの変種で根生葉は花期にはない。奥三河地方の茶臼山周辺に似たものがある。この写真のように頭花が横向きになるものはほとんど見られず、上向きに咲く方が多い。ナンブアザミ系統であり、総苞片が反り返るが、総苞片の長さもやや短く、くも毛があるものが多く、中片に腺体があってやや粘る。総苞はホソノエアザミほど細くなく、鐘形と筒形の中間。葉形は似ているが、葉の裂片の幅が広いものは刺もやや短く、スズカアザミの変異と同じである。葉の裂片の幅が非常に狭いものも見られる。トネアザミ(ナンブアザミ)とスズカアザミとの中間的なものと考えられる。(写真は典型的なトネアザミではない)
 トネアザミは関東地方では普通に見られる。茎が直立し、上部で分枝する。枝は開出せず、上向きに鋭角的に伸びる。茎葉は長さ15~40㎝、長楕円形で先が鋭く尖り、普通、羽状に深裂し、刺針は目立ち、普通、細く、長さ1㎝以下。葉の基部は茎を抱かない。頭花は普通、横向きから斜め下向きに咲き、上向きのものも多い。花柄は普通、長柄であるが、花柄が短く花が密集するものや、葉腋に単生するものなど変異も多い。花柄はナンブアザミほどは長くならない。総苞は鐘形、幅10~15㎜。総苞片が長くて反り返り、刺針がやや太く長く、粘らない。くも毛は無いものや、やや多いものがある。小花は狭筒部が広筒部と同長又は短い。
 アズマヤマアザミは草丈が高く、下部で枝分かれが少なく、中部以上で分枝し、枝は鋭角的に伸びる。茎葉は楕円形~広倒卵形、先が鋭く尖り、羽状に深裂し、ときに浅裂~中裂することもある。葉の基部は茎を抱かない。頭花は無柄~短柄、葉腋に(1)2~3個まとまって、上向き又は斜め上向きにつく。総苞は狭い円筒形、長さ15~20㎜、幅7~10㎜、密にくも毛がある。総苞片は短く、わずかに反り返り、先に短い刺がある。小花は狭筒部が広筒部より長い。
 アズマタイアザミはアズマヤマアザミとトネアザミの自然雑種。頭花は上部の葉腋に長い花柄を伸ばしてつくか、無柄で1~3個、固まってつく。総苞は鐘形。総苞片は紅紫色を帯び、やや長く反り返るか又は短く斜上する。
 ホソノエアザミは関東地方西部、静岡県に分布する。高さ60~120㎝。葉は長さ20~40㎝、羽状に深裂し、先端は尾状に尖る、頭花は柄が短く、細い。総苞は幅8~20㎜、狭い筒形。総苞片は強く反り返り、粘らないものと腺体があり粘るものがある。
 ナンブアザミは本州中部地方以北に分布する。頭花が小さく、横向き~下向きに咲く。総苞片が長く、反り返る。葉の切れ込みが無裂~中裂し、葉や総苞片の刺針が細くて、やや短く、あまり目立たない。
 スズカアザミは東海地方に分布し、三河地方には多く、葉は普通、中裂~深裂。総苞が筒形~鐘形、クモ毛があり、総苞片が短く、先が少し反り返る程度。