ススキ 薄
Flora of Mikawa
イネ科 Poaceae ススキ属
別 名 | オバナ、カヤ(茅) |
中国名 | 芒 mang |
英 名 | Japanese silver grass, miscanthus, eulalia, maiden grass |
学 名 | Miscanthus sinensis Anderss. |
花 期 | 8~10月 |
高 さ | (30~)80~200 (~400)㎝ |
生活型 | 多年草 |
生育場所 | 山野に普通 |
分 布 | 在来種 日本全土、朝鮮、中国 |
撮 影 | 吉良町 00.10.11 |
昔はススキの茎が茅葺屋根の材料として使われていた。
多年草、叢生し、根茎 がある。稈はケイ酸が多く、硬くて耐久力があり、冬に茎が立って残り、高さ(30~)80~200 (~400) ㎝×直径3~10㎜、断面が円形、内部にスポンジ状の髄があって中実又は中空、分枝せず、節は無毛又は微軟毛がある。葉は根生葉と茎葉。葉鞘は無毛又は又は直軟毛がある。葉身は線形、平ら、長さ18~75㎝×幅0.3~2(~4)㎝、無毛、粉白色又は直軟毛があり、中肋は目立ち、縁はザラつき又は平滑、基部は細くなり、又は広く円形、先は尖鋭形。葉舌は長さ0.5~4mm、繊毛がある。円錐花序は長さ(10~)20~36㎝。花序軸は長さ6~16㎝、ほぼ無毛~直軟毛~微軟毛がある。総状花序は(4~)10~40(~100)個つき、長さ(8~)10~30㎝。花軸(rachis)は節間が無毛、細かくザラつくか又は平滑、節は無毛。下側の小梗(pedicel)は長さ0.5~1.5mm。上側の小梗は長さ1.5~4㎜。小穂は長さ4~6.5㎜、直軟毛があるか又は無毛、芒がある。基毛(callus hair)は長さ5~8mm、小穂を超え(小穂の長さの2倍未満)、白色、わら色、又は帯赤色。苞頴(glume)はほぼ等長、膜質、長さ4~6.5㎜、5脈があり、背は無毛又は直軟毛があり、先と上側の縁に沿って微軟毛があり、先は尖鋭形。下側の護頴=退化した第1小花の護頴(lemma)は披針形、透明、長さ3.5–4㎜、脈は無く、縁に微軟毛があり、他は無毛。上側の護頴(lemma)=第2小花の護穎は 下側に似ていて、長さ2.5~3.5㎜、芒は膝状に曲がり(geniculate)、長さ4~12㎜。上側の内頴(palea)は長さ1~2 mmの鱗片。葯は3個、長さ約2.5mm、黄色。柱頭は褐色~暗紫色、まれに白色のものもある。穎果(caryopsis)は楕円形、長さ約2mm、光沢があり、暗赤褐色。花期は8~10月。2n=38。(小穂と果実の詳細参照)
ススキは分布が広く変異も多い。また、栽培されて品種も多い。イトススキ forma gracillimus は小穂の芒がよじれ、途中で曲がらない。ムラサキススキ forma purpurascens は小穂の基部の毛が紫色を帯びて、長い。観賞用によく栽培されているタカノハススキ forma zebrinus は葉に淡黄色の斑が入る。
ススキは株立ちするが、湿地に生えるオギは根茎で広がり、株立ちしない。花序はススキの方が小さい。トキワススキは全体にやや大型で、花期が早く、中軸が先まで伸びる。海岸に生えるハチジョウススキは茎が太く、葉の幅も広い。また、葉縁の刺もやや鋭さを欠く。
多年草、叢生し、又は根茎がある。稈(Culms)は細く~丈夫、直立し、硬い。葉は根生葉又は茎葉。葉身は大きく、線形、平ら、幅が広い又は狭い。葉舌は膜質。花序は円錐花序、しばしば大きく、羽毛状、長い又は短い軸に総状花序がつく。総状花序の軸は丈夫。節間は細い。小穂は対につき両方の小穂に柄(小梗)がある。小梗は細く、扁平、わずかにこん棒形。小穂は似ていて、披針形、背側が扁平。カルス(callus)には基毛(callus hairs)があり、毛は小穂と同長又は長い。苞頴(glume)は紙質又は膜質。下側の小穂は普通、透明な不稔の護頴=外花穎(lemma)になる。上側の小穂は両性、護頴は透明、芒が有又は無。雄しべは2~3本。穎果(caryopsis)は長円形~楕円形。
世界に約14種があり、熱帯のアフリカ、アジア東南部、太平洋諸島に分布する。
synonym Miscanthus condensatus Hack. var. boninensis (Nakai ex Honda) Y.N.Lee
synonym Miscanthus sinensis Andersson var. longiaxis Y.N.Lee
小笠原諸島固有種。別名はオガサワラススキ。Kewscience , GBIFではススキに含めている。
2 Miscanthus changii Y.N.Lee
synonym Miscanthus × changii Y.N.Lee
韓国原産。Kewscienceでは
カリヤスに似る。小穂に芒が発違し、小穂の外側に柔らかくて長い毛がある。地下茎が発逹し、葉は幅5~7mmで、両面とも毛がない。
3 Miscanthus floridulus (Labill.) Warb. ex K.Schum. et Lauterb. トキワススキ 常盤薄
synonym Miscanthus ryukyuensis Honda
synonym Miscanthus japonicus sensu Andersson
日本(関東地方以西)、中国、台湾、インドネシア、マレーシア、フィリピン、フィジー、ポリネシア原産。中国名は五节芒 wu jie mang。英名はgiant Chinese silver grass, Pacific island silvergrass, Japanese silver grass。別名はカンススキ、アリワラススキ・ 多年草。高さ100~250㎝。ススキより花期が早く、全体に大きくなる。葉は幅1.5~3㎝で縁がざらつく。葉舌は長さ約2㎜。花序は長さ30~50㎝、中軸が先まで伸びるのが特徴である。花序枝の基部には毛がある。小穂はススキより小さく、長さ3~3.5㎜。基毛は小穂より長く、長さ4~6㎜。葯と柱頭は紫色であり、開花初期は花序が紫色を帯び、次第に褐色に変わる。第2小花の護頴の芒は長さ8~10㎜。花期は7~9月。
品種) 'Nippon Summer'
4 Miscanthus intermedius (Honda) Honda オオヒゲナガカリヤスモドキ
synonym Miscanthus tinctorius (Steud.) Hack. var. intermedius (Honda) Ohwi
synonym Miscanthus oligostachyus Stapf var. intermedius (Honda) Y.N.Lee
synonym Miscanthus oligostachyus Stapf subsp. intermedius (Honda) T.Koyama
日本固有種(本州の中北部)。別名はドウヌケ、小ガヤ(小茅)。日本海側の山地の林縁に生える。Kewscience , GBIFではカリヤスモドキ(Miscanthus oligostachyus)に含められる。
多年草、根茎をもつ。根茎は硬く、鱗片に覆われる。稈は叢生し、直立、硬く、高さ100~230㎝、中間で直径4~6mm、節に毛があり(毛は長さ1㎜)、他は平滑。葉は緑色、鞘は背が丸く、襟に毛がある(毛は長さ2~3㎜)。葉舌は膜質、長さ2.5~3mm、縁は縁毛又は歯がある。葉身は線形、長さ18~45㎝×幅12~23mm、基部は切形、上面は無毛又はほぼ無毛、下面は直軟毛がある。花序は複合の総状花序、長さ10~20㎝×幅5㎝、花序軸は長さ1~3㎝、総状花序が2~13個つく。総状花序は穂状花序状、長さ7~17㎝、稈の先近くに束生し、広がる。花序の結合部と花序柄には毛がある。小梗は縁がザラつき又は無毛、対につき、不等長、長い小梗は長さ5~7mm、短い小梗は長さ0.5~2.8㎜。小穂は狭卵形、やや扁平、長さ5.5~7.5mm×幅1~1.5㎜。基毛(callus hairs)は白色、長さ4~7㎜、普通、小穂より短い。下側の苞頴(glume)は狭卵形、革質、5~6脈があり毛があり (毛は名長さ1.5~3㎜)、黄色又は黄褐色、先は2裂。上側の苞頴(glume)は狭卵形、革質、長い毛があり、ほとんど下側の苞頴と同長、3~6脈がある。不稔の護頴(lemma)は長さ5~7mm、1脈があり、先は鋭形、縁は縁毛がある。小穂は2小花をもち、下側の花は不稔。不稔の花の護頴は膜質、1脈又は脈が無く、先は弱いか鋭形。稔性の護頴は膜質、長さ4~6.5mm、1脈、先は鋭形、縁は縁毛がある。内頴(palea)は膜質、狭卵形、長さ2.5~5mm、縁に縁毛があり、脈が無く、芒は真っすぐ、曲がり、又は膝状に曲がり、長さ3~7㎜、縁に多数の刺がある。葯は3個、長さ3.5~3.8mm、朱色~暗褐色。柱頭は羽毛状、暗紫色~暗褐色、小穂の横から突き出る。鱗被(lodicule)は2個、台形(trapezoid)、長さ約0.8mm、暗赤色。穎果(caryopsis)は楕円形、長さ2~2.5㎜、暗赤褐色~明るい褐色。
5 Miscanthus longiberbis (Hack.) Nakai ヒゲナガカリヤスモドキ
synonym Miscanthus oligostachyus Stapf var. longiberbis (Hack.) I.Chung
synonym Miscanthus × longiberbis (Hack.) Nakai [Kewscience]
日本、朝鮮、中国に分布。GBIFではカリヤスモドキ(Miscanthus oligostachyus)に含めている。
多年草、根茎をもつ。根茎は硬く、太さ2.5~3mm、鱗片に覆われる。稈は叢生し、直立、硬く、光沢があり、高さ40~75㎝、中間で直径3~4mm、節に毛があり(毛は長さ1~1.2㎜)、各節に芽とときに長いシュートをもつ。葉は緑色、鞘は背が丸く、襟に毛がある。葉舌は膜質、長さ0.5~1mm、鈍形、歯があり、縁毛がある。葉身は線形、長さ18~29㎝×幅6~14mm、両面とも無毛。花序は複合の総状花序、長さ13~20㎝×幅5㎝、花序軸は長さ2.5~8㎝、総状花序が5~7個つく。総状花序は穂状花序状、長さ10~12㎝、稈の先近くに束生し、広がる。花序軸は平滑、各節に毛があり、花序の結合部には毛がある。小梗は縁がザラつき又は無毛、対につき、不等長、長い小梗は長さ3.8mm、短い小梗は長さ1㎜。小穂は狭卵形、やや扁平、長さ5~6mm×幅0.7~1㎜。基毛(callus hairs)は白色、紫色の斑点があり、長さ4.5~8㎜、ほとんど小穂と同長。下側の苞頴(glume)は狭卵形、革質、3~7脈があり、長い毛があり (毛は長さ3.5~7.5㎜)、黄色又は黄褐色、先は漸尖又は2裂。上側の苞頴(glume)は狭卵形、革質、長い毛があり、ほとんど下側の苞頴と同長、3~4脈があり、先は漸尖。不稔の護頴(lemma)は長さ4~4.5mm、脈が無く、先は鋭形。小穂は2小花をもち、下側の花は不稔。不稔の花の護頴は膜質、1脈又は脈が無く、先は漸尖又は鋭形。稔性の護頴は膜質、長さ3mm、1脈、先は漸尖又は2裂、縁は縁毛がある。内頴(palea)は膜質、狭卵形、長さ2mm、脈が無く、縁に縁毛がある。芒は真っすぐ、曲がり、又は膝状に曲がり、長さ1~8㎜、縁に多数の刺がある。葯は3個、長さ2.5mm、橙色。柱頭は羽毛状、暗紫色、小穂の横から突き出る。鱗被(lodicule)は長さ約0.7mm、暗赤色。
6 Miscanthus nepalensis (Trinius) Hackel ミスカンサス・ネパレンシス
中国、ブータン、インド、ミャンマー、ネパール原産。中国名は尼泊尔芒 ni bo er mang。
品種) 'Shikola'
7 Miscanthus oligostachyus Stapf カリヤスモドキ 刈安擬
日本固有種(北海道、本州)。英名はSmall Japanese silver grass。
カリヤスモドキは茎の節に短毛が密生する。花序枝が普通2個。小穂は長さ7~8㎜、基毛は長さ4~7㎜、紅紫色を帯びることが多く、明稜な芒がある。
多年草、根茎をもつ。根茎は硬く、長さ8~20㎝×太さ1.5~2mm、鱗片で覆われる。稈は叢生し、直立、硬く、高さ19~145㎝×中間で直径1.2~3 mm。節は毛があり(毛は長さ0.5~1mm)、その他は平滑。葉は白緑色、鞘は背に丸くなり、襟(collar)には毛がある(毛は長さ1~1.5㎜)。葉舌は長さ1-3mm、鈍形又は切形。葉身は狭卵形、長さ8~34㎝×幅3~17mm、基部は漸尖又は円形、上面は無毛又は微直軟毛があり、下面は直軟毛があり、まれに無毛。花序は複合の総状花序、長さ3.5-18 cm×幅1-4㎝、花序軸は長さ0-3.5㎝、総状花序が1-15個つく。総状花序は穂状花序状、長さ8-18㎝、稈の先又は先付近に束生し、広がり、軸は平滑。小梗は縁がザラつき又は無毛、対につき、不等長、長い小梗は長さ3.5~7mm、短い小梗は長さ0.5~3㎜。小穂は狭卵形、やや扁平、長さ5~10mm×幅1~1.5㎜。基毛(callus hairs)は白色又は紫色、長さ2.5~10㎜。下側の苞頴(glume)は狭卵形、革質、2~7脈があり、長い毛があり (毛は長さ3.5~5㎜)、先は2裂、黄色、黄褐色、又は淡紫色。上側の苞頴(glume)は狭卵形、革質、長い毛があり、ほとんど下側の苞頴と同長、3~5脈があり、先は漸尖。不稔の護頴(lemma)は長さ6~8mm、縁毛があり、脈が無く、先は漸尖。小穂は2小花をもち、下側の花は不稔。不稔の花の護頴は膜質、1脈又は脈が無く、先は漸尖又は鋭形。稔性の護頴は膜質、長さ4~6.5mm、1脈、先は2裂、縁は縁毛がある。内頴(palea)は膜質、狭卵形、長さ2.5~5.5mm、縁に縁毛があり、脈は無い。芒は膝状に曲がり、又はまれに真っすぐ、長さ5~15㎜、縁に多数の刺がある。葯は3個、長さ3.2~4mm、橙色又は黄色で紫色の斑点がある。柱頭は羽毛状、淡紫色、小穂の横から突き出る。鱗被(lodicule)は台形、長さ約0.8mm、半透明又は白色。穎果(caryopsis)は楕円形、長さ2~2.5㎜、暗赤褐色~明るい褐色。花期は8~10月。
品種) 'Afrika' , 'Nanus Variegatus' (v)
7-1 Miscanthus oligostachyus Stapf var. oligostachyus f. ciliatus Hiyama ケカリヤスモドキ
花序の軸に縁毛がある。
7-2 Miscanthus oligostachyus Stapf var. shinanoensis Y.N.Lee シナノカリヤスモドキ
長野県に分布する。ススキとカリヤスモドキの中間的な形質であり、第1苞頴に4~5本の脈があり、小穂の基毛は長さ約8.5㎜と長い。
茎(稈)の毛は小穂より長い。総状花序は15個以上。
8 Miscanthus sacchariflorus (Maxim.) Benth. et Hook.f. ex Franch. オギ 荻
日本(北海道、本州、四国、九州)、朝鮮、中国、ロシア原産。中国名は荻 di。英名はsilver banner grass , amur silver grass。
多年草。高さ100~250㎝。根茎で広がり、大きな群落をつくる。茎(稈)の断面は円形、内部にスポンジ状の髄があって中実、中空となるものもある。葉は長さ50~80㎝、幅1~3㎝。下部の葉は花期には見られなくなる。葉舌は毛状。穂(花序)は長さ25~40㎝で、ススキより大きく、ふさふさしている。小穂は長さ6~7㎜の長い小梗と3~4㎜の短い小梗のものが対になる。小穂は長さ5~6㎜、苞頴2個はわら色、第1苞頴は第2苞頴よりやや大きく、縁を抱きこむ。苞頴や小穂の基部に小穂の2~4倍の長さの銀白色の軟毛が生えるのが特徴である。小花は2個からなる。第1小花は退化して護頴のみ、芒はない。第2小花は完全、護頴に芒はほとんど無い。芒のあるものが少し混じるが、苞頴から約2㎜ほど突き出るだけで、長い白毛に隠れてしまう。内頴は小さい。護頴や内頴は薄膜質。果実は長さ2~2.4㎜、幅0.6~0.7㎜、褐色~紫褐色。花期は9~10月。2n=76。
品種) 'Robustus'
8-1 Miscanthus sacchariflorus (Maxim.) Benth. et Hook.f. ex Franch. var. gracilis Y.N.Lee ヒナオギ
9 Miscanthus sinensis Andersson ススキ 薄
synonym Miscanthus sinensis Andersson var. nakaianus (Honda) Y.N.Lee
synonym Miscanthus sinensis Andersson f. crassirameus Ohwi
synonym Miscanthus kanehirae Honda
synonym Miscanthus jinxianensis L.Liu
synonym Miscanthus litoralis Honda
synonym Miscanthus flavidus Honda
synonym Miscanthus chejuensis Y.N.Lee
synonym Miscanthus transmorrisonensis Hayata
日本全土、朝鮮、中国原産。中国名は芒 mang。英名はJapanese silver grass, miscanthus, eulalia, maiden grass , eulalia。別名はオバナ、カヤ(茅)、オオガヤ(大茅)。アメリカ、ニュージーランドに帰化。
多年草、叢生し、根茎がある。稈はケイ酸が多く、硬くて耐久力があり、冬に茎が立って残り、高さ(30~)80~200 (~400) ㎝×直径3~10㎜、断面が円形、内部にスポンジ状の髄があって中実又は中空、分枝せず、節は無毛又は微軟毛がある。葉は根生葉と茎葉。葉鞘は無毛又は又は直軟毛がある。葉身は線形、平ら、長さ18~75㎝×幅0.3~2(~4)㎝、無毛、粉白色又は直軟毛があり、中肋は目立ち、縁はザラつき又は平滑、基部は細くなり、又は広く円形、先は尖鋭形。葉舌は長さ0.5~4mm、繊毛がある。円錐花序は長さ(10~)20~36㎝。花序軸は長さ6~16㎝、ほぼ無毛~直軟毛~微軟毛がある。総状花序は(4~)10~40(~100)個つき、長さ(8~)10~30㎝。花軸(rachis)は節間が無毛、細かくザラつくか又は平滑、節は無毛。下側の小梗(pedicel)は長さ0.5~1.5mm。上側の小梗は長さ1.5~4㎜。小穂は長さ4~6.5㎜、直軟毛があるか又は無毛、芒がある。基毛(callus hair)は長さ5~8mm、小穂を超え(小穂の長さの2倍未満)、白色、わら色、又は帯赤色。苞頴(glume)はほぼ等長、膜質、長さ4~6.5㎜、5脈があり、背は無毛又は直軟毛があり、先と上側の縁に沿って微軟毛があり、先は尖鋭形。下側の護頴=退化した第1小花の護頴(lemma)は披針形、透明、長さ3.5–4㎜、脈は無く、縁に微軟毛があり、他は無毛。上側の護頴(lemma)=第2小花の護穎は 下側に似ていて、長さ2.5~3.5㎜、芒は膝状に曲がり(geniculate)、長さ4~12㎜。上側の内頴(palea)は長さ1~2 mmの鱗片。葯は3個、長さ約2.5mm、黄色。柱頭は褐色~暗紫色、まれに白色のものもある。穎果(caryopsis)は楕円形、長さ約2mm、光沢があり、暗赤褐色。花期は8~10月。2n=38。
品種) 'Abundance' , 'Adagio' , 'Adagio' , 'Aethiopien' , 'Afrika' , 'Aldebaran' , 'Altweibersommer' , 'America' (PBR) , 'Andante' , 'Andenken an Ernst Pagels' (PBR) , 'Apache' (PBR) , 'Aperitif' , 'Apollo' , 'Arabesque' , 'Ards Angel' (PBR) , 'Augustfeder' , 'Autumn Light' , 'Autumn Red' , 'Autumnal' , 'Ballerina' , Bandwidth = 'Ncms2b' (v) , Bandwidth™ , 'Barney Campbell' , 'Beth Chatto' , 'Blondo' , 'Blue Wonder' , 'Blütenwunder' , 'Bogenlampe' , 'Brazil' (PBR) , 'Bronceturm' , 'Cabaret' , 'Central Park' , 'China' , 'Cindy' , 'Condensatus' , 'Cornet' , 'Cosmopolitan' , 'Cute One' , 'David' , 'Digestif' , 'Dixieland' (v) , 'Dreadlocks' , 'Dresdner Rotgold' , 'Dresdner Silbersprudel' , 'Dronning Ingrid' , Early Hybrids , 'Elfin' , 'Emanuel Lepagé' , 'Emerald Giant' , 'Emmanuel' , 'Emmanuel Lepage' , 'Empmis01' (PBR) , 'Empmis02' , 'Encore' , 'Etincelle' , 'Federriese' , 'Ferner Osten' , 'Feuergold' , 'Filigrän' , 'Flamingo' , 'Flammenmeer' , 'Gaa' , 'Gearmella' , 'Gearmella' sport , 'Gewitterwolke' , 'Ghana' , 'Giraffe' , 'Giraffe' , 'Glockenturm' , 'Gnome' , 'Gold Bar' (PBR) (v) , 'Gold Breeze' (PBR) , 'Gold und Silber' , 'Goldfeder' (v) , 'Goldglanz' , 'Goliath' , 'Gracillimus' , 'Gracillimus Nanus' , 'Gracillimus Variegatus' , 'Graziella' , 'Grosse Fontane' , 'Gutenberg Gold' , 'Haiku' , 'Helga Reich' , 'Herbstfeuer' , 'Hercules' , 'Hermann Müssel' , 'Hinjo' (v) , 'Huron Star' , 'Huron Sunrise' , 'Huron Sunrise' , 'Ibiza' (PBR) , 'Interstate' , 'J.M. Gardiner' , 'Jubilaris' (v) , 'Juli' , 'Kaskade' , 'Kim' , 'Kirk Alexander' (v) , 'Kleine Fontaine' , 'Kleine Fontäne' , 'Kleine Silberspinne' , 'Korea' , 'Krater' , 'Kupferberg' , 'Kupferzwerg' , 'Largo' , 'Little John' , 'Little Kitten' , 'Little Miss' , Little Nicky , 'Little Zebra' (PBR) (v) , 'Lorelei' , 'Maf 0109' (PBR) , 'Malepartus' , 'Memory' , 'Mobri' (PBR) , 'Moonlight' , 'Morning Light' (v) , 'Mrs Higgins' , 'Mt. Washington' , 'München' , My Fair Maiden = 'Ncms1' , 'Mysterious Maiden' (PBR) (v) , 'Navajo' (PBR) , 'Ncms1' , 'Ncms2b' , 'Nippon' , 'Nishidake' , 'November Sunset' , 'Oktoberfest' , 'Overdam' , 'Pagel's Pride' , Pink Cloud = 'Empmis02' , 'Poseidon' , 'Positano' , 'Professor Richard Hansen' , 'Puenktchen' , 'Pünktchen' (v) , 'Purple Fall' , 'Purpurascens' , 'Red Chief' , Red Cloud = 'Empmis01' (PBR) , 'Red Meister' , 'Red Spear' , 'Red Star' , 'Red Tower' , 'Red Wine' , 'Rigoletto' (v) , 'Roland' , 'Rosi' , 'Roterpfeil' , 'Rotfeder' , 'Rotfuchs' , 'Rotsilber' , 'Russia' , 'Samurai' , 'Sarabande' , 'September' , 'Septemberfuchs' , 'Septemberrot' , 'Serim' , 'Silberfeder' , 'Silberpfeil' , 'Silberpfeil' (v) , 'Silberspinne' , 'Silberturm' , 'Silver Feather' , 'Silver Sceptre' , 'Silver Stripe' , 'Sioux' , 'Sirene' , 'Slavopour' , 'Spätgrün' , 'Starlight' , 'Strictus' (v) , 'Strictus Compactus' , 'Sunset' , 'Super Stripe' (v) , 'Supstripe' (PBR) , 'Taiwan' , 'Tiger Cub' (v) , 'Tiger Tail' (v) , 'Undine' , 'Vanilla Sky' , 'Variegatus' (v) , 'Verneigung' , 'Vorläufer' , 'Werner Neufliess' , 'Westacre Wine' , 'Wetterfahne' , 'Yaka Dance' (PBR) , 'Yaku Jima' , 'Yakushima' , 'Yakushima Dwarf' , 'Yakushimensis' , 'Zebrinus' (v)タカノハススキ , 'Zebrinus Strictus' , 'Zuneigung' , 'Zwergelefant'
9-1 Miscanthus sinensis Andersson f. zebrinus (G.Nicholson) Nakai タカノハススキ
9-2 Miscanthus sinensis Andersson f. gracillimus (Hitchc.) Ohwi イトススキ
synonym Miscanthus sinensis Andersson var. gracillimus Hitchc.
9-3 Miscanthus sinensis Andersson f. purpurascens (Andersson) Nakai ムラサキススキ
synonym Miscanthus sinensis Andersson subsp. purpurascens (Andersson) Tzvelev
synonym Miscanthus sinensis Andersson var. purpurascens (Andersson) Rendle
synonym Miscanthus purpurascens Andersson
9-4 Miscanthus sinensis Andersson f. variegatus (Beal) Nakai シマススキ
9-5 Miscanthus sinensis Andersson var. condensatus (Hack.) Makino ハチジョウススキ 八丈薄
synonym Miscanthus sinensis Andersson subsp. condensatus (Hack.) T.Koyama [GRIN]
synonym Miscanthus condensatus Hack.
日本(千葉~愛知県の太平洋岸)、沖縄、(朝鮮)、台湾原産。中国名は八丈芒 ba zhang mang。KewscienceやGBIFでは変種、亜種を認めていない。Ylistではvar. condensatus (Hack.) Makinoとしている。
多年草。50~100㎝。ススキに比べ全体に太く、茎は直径2㎝にもなる。葉の幅も1.5~4㎝と広い。葉の縁には刺があるが、縁が裏側に巻いているため、葉の表からは刺が見えにくい。ススキより刺が鈍く、触っても刺がひっかかりにくく、刺のないこともある。葉裏はやや白味を帯び、葉裏の毛がほとんどないものが普通である。葉舌は厚く、長さ約3㎜、切形、縁毛はない。花序はススキとよく似ているが、枝がやや太く、密集する。小穂は長さ5~6㎜の披針形。苞頴は毛が散生し、基部に白色の長毛を密生する。2小花だが、第1小花は退化し護頴だけになり、、第2小花の護穎に途中で曲がった長い芒が1本ある。花期は8~10月。
品種) 'Cabaret' (v) , 'Central Park' , 'Cosmo Revert' , 'Cosmopolitan' (v) , 'Emerald Giant' , 'Laigong'
9-6 Miscanthus sinensis Andersson var. transmorrisonensis (Hayata) Y.N.Lee ニイタカススキ
synonym Miscanthus transmorrisonensis Hayata
10 Miscanthus tinctorius (Steud.) Hack. カリヤス 刈安
日本固有種 (本州の東北地方~近畿地方)。中国名は青茅 qing mao。別名はオオミカリヤス(近江刈安)、イブキカリヤス(伊吹刈安)、ヤマカリヤス(山刈安)。
多年草。高さ60~100㎝。茎は中空、株立ちし、節に白毛が密生する。葉は幅1~1.5㎝、花序は直立し、花序枝(総)は総状に3~10個つき、長さ7~15㎝、小穂が多数つく。小穂は長さ5~7㎜、短梗(長さ約1㎜)と長梗(長さ約4㎜)が対になってつく。葯も柱頭も暗紫色。小穂の基毛は長さ2~3㎜、紅紫色を帯びることが多い。苞頴にも長毛がある。小穂に芒は無い。花期は8~10月。
11 ハイブリッド
(1) M. sinensis×M. intermedius
ススキとオオヒゲナガカリヤスモドキの交雑種
(2) Miscanthus sinensis x M. tinctorius ススキカリヤス
ススキとカリヤスの交雑種
(3) Miscanthus x ogiformis Honda オギススキ
synonym Miscanthus x giganteus Greef et Deuter ex Hodkinson et Renvoize
synonym Miscanthus sinensis Andersson var. sunanensis Y.N.Lee
synonym Miscanthus purpurascens auct. non Andersson
オギとススキの交雑種。英名はgiant miscanthus。
品種) 'Aksel Olsen' , Alligator = 'Lottum' (PBR) (v) , 'Gilt Edge' (v) , 'Gotemba' (v) , 'Jubilar' (v) , 'Meidl'
(4) その他ハイブリッド
品種) 'Afrika' , 'Aldebaran' , 'Border Bandit' , 'Champagne' , 'China' , 'Dreadlocks' , 'Dronning Ingrid' , 'Fat Cat' , 'Gotemba Gold' , 'Little Miss' , 'Mount Washington' , 'My Fair Maiden' , 'Parachute' , 'Pos' , 'Purpurascens' , 'Red Fox' , 'Rosi' , 'Samurai' , 'Scout' , 'Spartina' , 'Tiger Tail'
Miscanthus
Miscanthus
長野県小谷村の伝統的カヤ場に自生するススキ属
ススキ属の分類学的研究 (1)新種および新変種
ススキ属の分類学的研究 (3)
節,亜節及び種間の類緑第 1部種
ススキ属の分類学的研究 (3)
節,亜節及び種間の類緑第 1部種
茨木靖,大橋広好 : イネ科ススキ属カリヤス節の分類学的研究
多年草、叢生し、根茎 がある。稈はケイ酸が多く、硬くて耐久力があり、冬に茎が立って残り、高さ(30~)80~200 (~400) ㎝×直径3~10㎜、断面が円形、内部にスポンジ状の髄があって中実又は中空、分枝せず、節は無毛又は微軟毛がある。葉は根生葉と茎葉。葉鞘は無毛又は又は直軟毛がある。葉身は線形、平ら、長さ18~75㎝×幅0.3~2(~4)㎝、無毛、粉白色又は直軟毛があり、中肋は目立ち、縁はザラつき又は平滑、基部は細くなり、又は広く円形、先は尖鋭形。葉舌は長さ0.5~4mm、繊毛がある。円錐花序は長さ(10~)20~36㎝。花序軸は長さ6~16㎝、ほぼ無毛~直軟毛~微軟毛がある。総状花序は(4~)10~40(~100)個つき、長さ(8~)10~30㎝。花軸(rachis)は節間が無毛、細かくザラつくか又は平滑、節は無毛。下側の小梗(pedicel)は長さ0.5~1.5mm。上側の小梗は長さ1.5~4㎜。小穂は長さ4~6.5㎜、直軟毛があるか又は無毛、芒がある。基毛(callus hair)は長さ5~8mm、小穂を超え(小穂の長さの2倍未満)、白色、わら色、又は帯赤色。苞頴(glume)はほぼ等長、膜質、長さ4~6.5㎜、5脈があり、背は無毛又は直軟毛があり、先と上側の縁に沿って微軟毛があり、先は尖鋭形。下側の護頴=退化した第1小花の護頴(lemma)は披針形、透明、長さ3.5–4㎜、脈は無く、縁に微軟毛があり、他は無毛。上側の護頴(lemma)=第2小花の護穎は 下側に似ていて、長さ2.5~3.5㎜、芒は膝状に曲がり(geniculate)、長さ4~12㎜。上側の内頴(palea)は長さ1~2 mmの鱗片。葯は3個、長さ約2.5mm、黄色。柱頭は褐色~暗紫色、まれに白色のものもある。穎果(caryopsis)は楕円形、長さ約2mm、光沢があり、暗赤褐色。花期は8~10月。2n=38。(小穂と果実の詳細参照)
ススキは分布が広く変異も多い。また、栽培されて品種も多い。イトススキ forma gracillimus は小穂の芒がよじれ、途中で曲がらない。ムラサキススキ forma purpurascens は小穂の基部の毛が紫色を帯びて、長い。観賞用によく栽培されているタカノハススキ forma zebrinus は葉に淡黄色の斑が入る。
ススキは株立ちするが、湿地に生えるオギは根茎で広がり、株立ちしない。花序はススキの方が小さい。トキワススキは全体にやや大型で、花期が早く、中軸が先まで伸びる。海岸に生えるハチジョウススキは茎が太く、葉の幅も広い。また、葉縁の刺もやや鋭さを欠く。
ススキ属
family Poaceae - genus Miscanthus多年草、叢生し、又は根茎がある。稈(Culms)は細く~丈夫、直立し、硬い。葉は根生葉又は茎葉。葉身は大きく、線形、平ら、幅が広い又は狭い。葉舌は膜質。花序は円錐花序、しばしば大きく、羽毛状、長い又は短い軸に総状花序がつく。総状花序の軸は丈夫。節間は細い。小穂は対につき両方の小穂に柄(小梗)がある。小梗は細く、扁平、わずかにこん棒形。小穂は似ていて、披針形、背側が扁平。カルス(callus)には基毛(callus hairs)があり、毛は小穂と同長又は長い。苞頴(glume)は紙質又は膜質。下側の小穂は普通、透明な不稔の護頴=外花穎(lemma)になる。上側の小穂は両性、護頴は透明、芒が有又は無。雄しべは2~3本。穎果(caryopsis)は長円形~楕円形。
世界に約14種があり、熱帯のアフリカ、アジア東南部、太平洋諸島に分布する。
ススキ属の主な種と園芸品種
1 Miscanthus boninensis Nakai ex Honda ムニンススキ 無人薄synonym Miscanthus condensatus Hack. var. boninensis (Nakai ex Honda) Y.N.Lee
synonym Miscanthus sinensis Andersson var. longiaxis Y.N.Lee
小笠原諸島固有種。別名はオガサワラススキ。Kewscience , GBIFではススキに含めている。
2 Miscanthus changii Y.N.Lee
synonym Miscanthus × changii Y.N.Lee
韓国原産。Kewscienceでは
カリヤスに似る。小穂に芒が発違し、小穂の外側に柔らかくて長い毛がある。地下茎が発逹し、葉は幅5~7mmで、両面とも毛がない。
3 Miscanthus floridulus (Labill.) Warb. ex K.Schum. et Lauterb. トキワススキ 常盤薄
synonym Miscanthus ryukyuensis Honda
synonym Miscanthus japonicus sensu Andersson
日本(関東地方以西)、中国、台湾、インドネシア、マレーシア、フィリピン、フィジー、ポリネシア原産。中国名は五节芒 wu jie mang。英名はgiant Chinese silver grass, Pacific island silvergrass, Japanese silver grass。別名はカンススキ、アリワラススキ・ 多年草。高さ100~250㎝。ススキより花期が早く、全体に大きくなる。葉は幅1.5~3㎝で縁がざらつく。葉舌は長さ約2㎜。花序は長さ30~50㎝、中軸が先まで伸びるのが特徴である。花序枝の基部には毛がある。小穂はススキより小さく、長さ3~3.5㎜。基毛は小穂より長く、長さ4~6㎜。葯と柱頭は紫色であり、開花初期は花序が紫色を帯び、次第に褐色に変わる。第2小花の護頴の芒は長さ8~10㎜。花期は7~9月。
品種) 'Nippon Summer'
4 Miscanthus intermedius (Honda) Honda オオヒゲナガカリヤスモドキ
synonym Miscanthus tinctorius (Steud.) Hack. var. intermedius (Honda) Ohwi
synonym Miscanthus oligostachyus Stapf var. intermedius (Honda) Y.N.Lee
synonym Miscanthus oligostachyus Stapf subsp. intermedius (Honda) T.Koyama
日本固有種(本州の中北部)。別名はドウヌケ、小ガヤ(小茅)。日本海側の山地の林縁に生える。Kewscience , GBIFではカリヤスモドキ(Miscanthus oligostachyus)に含められる。
多年草、根茎をもつ。根茎は硬く、鱗片に覆われる。稈は叢生し、直立、硬く、高さ100~230㎝、中間で直径4~6mm、節に毛があり(毛は長さ1㎜)、他は平滑。葉は緑色、鞘は背が丸く、襟に毛がある(毛は長さ2~3㎜)。葉舌は膜質、長さ2.5~3mm、縁は縁毛又は歯がある。葉身は線形、長さ18~45㎝×幅12~23mm、基部は切形、上面は無毛又はほぼ無毛、下面は直軟毛がある。花序は複合の総状花序、長さ10~20㎝×幅5㎝、花序軸は長さ1~3㎝、総状花序が2~13個つく。総状花序は穂状花序状、長さ7~17㎝、稈の先近くに束生し、広がる。花序の結合部と花序柄には毛がある。小梗は縁がザラつき又は無毛、対につき、不等長、長い小梗は長さ5~7mm、短い小梗は長さ0.5~2.8㎜。小穂は狭卵形、やや扁平、長さ5.5~7.5mm×幅1~1.5㎜。基毛(callus hairs)は白色、長さ4~7㎜、普通、小穂より短い。下側の苞頴(glume)は狭卵形、革質、5~6脈があり毛があり (毛は名長さ1.5~3㎜)、黄色又は黄褐色、先は2裂。上側の苞頴(glume)は狭卵形、革質、長い毛があり、ほとんど下側の苞頴と同長、3~6脈がある。不稔の護頴(lemma)は長さ5~7mm、1脈があり、先は鋭形、縁は縁毛がある。小穂は2小花をもち、下側の花は不稔。不稔の花の護頴は膜質、1脈又は脈が無く、先は弱いか鋭形。稔性の護頴は膜質、長さ4~6.5mm、1脈、先は鋭形、縁は縁毛がある。内頴(palea)は膜質、狭卵形、長さ2.5~5mm、縁に縁毛があり、脈が無く、芒は真っすぐ、曲がり、又は膝状に曲がり、長さ3~7㎜、縁に多数の刺がある。葯は3個、長さ3.5~3.8mm、朱色~暗褐色。柱頭は羽毛状、暗紫色~暗褐色、小穂の横から突き出る。鱗被(lodicule)は2個、台形(trapezoid)、長さ約0.8mm、暗赤色。穎果(caryopsis)は楕円形、長さ2~2.5㎜、暗赤褐色~明るい褐色。
5 Miscanthus longiberbis (Hack.) Nakai ヒゲナガカリヤスモドキ
synonym Miscanthus oligostachyus Stapf var. longiberbis (Hack.) I.Chung
synonym Miscanthus × longiberbis (Hack.) Nakai [Kewscience]
日本、朝鮮、中国に分布。GBIFではカリヤスモドキ(Miscanthus oligostachyus)に含めている。
多年草、根茎をもつ。根茎は硬く、太さ2.5~3mm、鱗片に覆われる。稈は叢生し、直立、硬く、光沢があり、高さ40~75㎝、中間で直径3~4mm、節に毛があり(毛は長さ1~1.2㎜)、各節に芽とときに長いシュートをもつ。葉は緑色、鞘は背が丸く、襟に毛がある。葉舌は膜質、長さ0.5~1mm、鈍形、歯があり、縁毛がある。葉身は線形、長さ18~29㎝×幅6~14mm、両面とも無毛。花序は複合の総状花序、長さ13~20㎝×幅5㎝、花序軸は長さ2.5~8㎝、総状花序が5~7個つく。総状花序は穂状花序状、長さ10~12㎝、稈の先近くに束生し、広がる。花序軸は平滑、各節に毛があり、花序の結合部には毛がある。小梗は縁がザラつき又は無毛、対につき、不等長、長い小梗は長さ3.8mm、短い小梗は長さ1㎜。小穂は狭卵形、やや扁平、長さ5~6mm×幅0.7~1㎜。基毛(callus hairs)は白色、紫色の斑点があり、長さ4.5~8㎜、ほとんど小穂と同長。下側の苞頴(glume)は狭卵形、革質、3~7脈があり、長い毛があり (毛は長さ3.5~7.5㎜)、黄色又は黄褐色、先は漸尖又は2裂。上側の苞頴(glume)は狭卵形、革質、長い毛があり、ほとんど下側の苞頴と同長、3~4脈があり、先は漸尖。不稔の護頴(lemma)は長さ4~4.5mm、脈が無く、先は鋭形。小穂は2小花をもち、下側の花は不稔。不稔の花の護頴は膜質、1脈又は脈が無く、先は漸尖又は鋭形。稔性の護頴は膜質、長さ3mm、1脈、先は漸尖又は2裂、縁は縁毛がある。内頴(palea)は膜質、狭卵形、長さ2mm、脈が無く、縁に縁毛がある。芒は真っすぐ、曲がり、又は膝状に曲がり、長さ1~8㎜、縁に多数の刺がある。葯は3個、長さ2.5mm、橙色。柱頭は羽毛状、暗紫色、小穂の横から突き出る。鱗被(lodicule)は長さ約0.7mm、暗赤色。
6 Miscanthus nepalensis (Trinius) Hackel ミスカンサス・ネパレンシス
中国、ブータン、インド、ミャンマー、ネパール原産。中国名は尼泊尔芒 ni bo er mang。
品種) 'Shikola'
7 Miscanthus oligostachyus Stapf カリヤスモドキ 刈安擬
日本固有種(北海道、本州)。英名はSmall Japanese silver grass。
カリヤスモドキは茎の節に短毛が密生する。花序枝が普通2個。小穂は長さ7~8㎜、基毛は長さ4~7㎜、紅紫色を帯びることが多く、明稜な芒がある。
多年草、根茎をもつ。根茎は硬く、長さ8~20㎝×太さ1.5~2mm、鱗片で覆われる。稈は叢生し、直立、硬く、高さ19~145㎝×中間で直径1.2~3 mm。節は毛があり(毛は長さ0.5~1mm)、その他は平滑。葉は白緑色、鞘は背に丸くなり、襟(collar)には毛がある(毛は長さ1~1.5㎜)。葉舌は長さ1-3mm、鈍形又は切形。葉身は狭卵形、長さ8~34㎝×幅3~17mm、基部は漸尖又は円形、上面は無毛又は微直軟毛があり、下面は直軟毛があり、まれに無毛。花序は複合の総状花序、長さ3.5-18 cm×幅1-4㎝、花序軸は長さ0-3.5㎝、総状花序が1-15個つく。総状花序は穂状花序状、長さ8-18㎝、稈の先又は先付近に束生し、広がり、軸は平滑。小梗は縁がザラつき又は無毛、対につき、不等長、長い小梗は長さ3.5~7mm、短い小梗は長さ0.5~3㎜。小穂は狭卵形、やや扁平、長さ5~10mm×幅1~1.5㎜。基毛(callus hairs)は白色又は紫色、長さ2.5~10㎜。下側の苞頴(glume)は狭卵形、革質、2~7脈があり、長い毛があり (毛は長さ3.5~5㎜)、先は2裂、黄色、黄褐色、又は淡紫色。上側の苞頴(glume)は狭卵形、革質、長い毛があり、ほとんど下側の苞頴と同長、3~5脈があり、先は漸尖。不稔の護頴(lemma)は長さ6~8mm、縁毛があり、脈が無く、先は漸尖。小穂は2小花をもち、下側の花は不稔。不稔の花の護頴は膜質、1脈又は脈が無く、先は漸尖又は鋭形。稔性の護頴は膜質、長さ4~6.5mm、1脈、先は2裂、縁は縁毛がある。内頴(palea)は膜質、狭卵形、長さ2.5~5.5mm、縁に縁毛があり、脈は無い。芒は膝状に曲がり、又はまれに真っすぐ、長さ5~15㎜、縁に多数の刺がある。葯は3個、長さ3.2~4mm、橙色又は黄色で紫色の斑点がある。柱頭は羽毛状、淡紫色、小穂の横から突き出る。鱗被(lodicule)は台形、長さ約0.8mm、半透明又は白色。穎果(caryopsis)は楕円形、長さ2~2.5㎜、暗赤褐色~明るい褐色。花期は8~10月。
品種) 'Afrika' , 'Nanus Variegatus' (v)
7-1 Miscanthus oligostachyus Stapf var. oligostachyus f. ciliatus Hiyama ケカリヤスモドキ
花序の軸に縁毛がある。
7-2 Miscanthus oligostachyus Stapf var. shinanoensis Y.N.Lee シナノカリヤスモドキ
長野県に分布する。ススキとカリヤスモドキの中間的な形質であり、第1苞頴に4~5本の脈があり、小穂の基毛は長さ約8.5㎜と長い。
茎(稈)の毛は小穂より長い。総状花序は15個以上。
8 Miscanthus sacchariflorus (Maxim.) Benth. et Hook.f. ex Franch. オギ 荻
日本(北海道、本州、四国、九州)、朝鮮、中国、ロシア原産。中国名は荻 di。英名はsilver banner grass , amur silver grass。
多年草。高さ100~250㎝。根茎で広がり、大きな群落をつくる。茎(稈)の断面は円形、内部にスポンジ状の髄があって中実、中空となるものもある。葉は長さ50~80㎝、幅1~3㎝。下部の葉は花期には見られなくなる。葉舌は毛状。穂(花序)は長さ25~40㎝で、ススキより大きく、ふさふさしている。小穂は長さ6~7㎜の長い小梗と3~4㎜の短い小梗のものが対になる。小穂は長さ5~6㎜、苞頴2個はわら色、第1苞頴は第2苞頴よりやや大きく、縁を抱きこむ。苞頴や小穂の基部に小穂の2~4倍の長さの銀白色の軟毛が生えるのが特徴である。小花は2個からなる。第1小花は退化して護頴のみ、芒はない。第2小花は完全、護頴に芒はほとんど無い。芒のあるものが少し混じるが、苞頴から約2㎜ほど突き出るだけで、長い白毛に隠れてしまう。内頴は小さい。護頴や内頴は薄膜質。果実は長さ2~2.4㎜、幅0.6~0.7㎜、褐色~紫褐色。花期は9~10月。2n=76。
品種) 'Robustus'
8-1 Miscanthus sacchariflorus (Maxim.) Benth. et Hook.f. ex Franch. var. gracilis Y.N.Lee ヒナオギ
9 Miscanthus sinensis Andersson ススキ 薄
synonym Miscanthus sinensis Andersson var. nakaianus (Honda) Y.N.Lee
synonym Miscanthus sinensis Andersson f. crassirameus Ohwi
synonym Miscanthus kanehirae Honda
synonym Miscanthus jinxianensis L.Liu
synonym Miscanthus litoralis Honda
synonym Miscanthus flavidus Honda
synonym Miscanthus chejuensis Y.N.Lee
synonym Miscanthus transmorrisonensis Hayata
日本全土、朝鮮、中国原産。中国名は芒 mang。英名はJapanese silver grass, miscanthus, eulalia, maiden grass , eulalia。別名はオバナ、カヤ(茅)、オオガヤ(大茅)。アメリカ、ニュージーランドに帰化。
多年草、叢生し、根茎がある。稈はケイ酸が多く、硬くて耐久力があり、冬に茎が立って残り、高さ(30~)80~200 (~400) ㎝×直径3~10㎜、断面が円形、内部にスポンジ状の髄があって中実又は中空、分枝せず、節は無毛又は微軟毛がある。葉は根生葉と茎葉。葉鞘は無毛又は又は直軟毛がある。葉身は線形、平ら、長さ18~75㎝×幅0.3~2(~4)㎝、無毛、粉白色又は直軟毛があり、中肋は目立ち、縁はザラつき又は平滑、基部は細くなり、又は広く円形、先は尖鋭形。葉舌は長さ0.5~4mm、繊毛がある。円錐花序は長さ(10~)20~36㎝。花序軸は長さ6~16㎝、ほぼ無毛~直軟毛~微軟毛がある。総状花序は(4~)10~40(~100)個つき、長さ(8~)10~30㎝。花軸(rachis)は節間が無毛、細かくザラつくか又は平滑、節は無毛。下側の小梗(pedicel)は長さ0.5~1.5mm。上側の小梗は長さ1.5~4㎜。小穂は長さ4~6.5㎜、直軟毛があるか又は無毛、芒がある。基毛(callus hair)は長さ5~8mm、小穂を超え(小穂の長さの2倍未満)、白色、わら色、又は帯赤色。苞頴(glume)はほぼ等長、膜質、長さ4~6.5㎜、5脈があり、背は無毛又は直軟毛があり、先と上側の縁に沿って微軟毛があり、先は尖鋭形。下側の護頴=退化した第1小花の護頴(lemma)は披針形、透明、長さ3.5–4㎜、脈は無く、縁に微軟毛があり、他は無毛。上側の護頴(lemma)=第2小花の護穎は 下側に似ていて、長さ2.5~3.5㎜、芒は膝状に曲がり(geniculate)、長さ4~12㎜。上側の内頴(palea)は長さ1~2 mmの鱗片。葯は3個、長さ約2.5mm、黄色。柱頭は褐色~暗紫色、まれに白色のものもある。穎果(caryopsis)は楕円形、長さ約2mm、光沢があり、暗赤褐色。花期は8~10月。2n=38。
品種) 'Abundance' , 'Adagio' , 'Adagio' , 'Aethiopien' , 'Afrika' , 'Aldebaran' , 'Altweibersommer' , 'America' (PBR) , 'Andante' , 'Andenken an Ernst Pagels' (PBR) , 'Apache' (PBR) , 'Aperitif' , 'Apollo' , 'Arabesque' , 'Ards Angel' (PBR) , 'Augustfeder' , 'Autumn Light' , 'Autumn Red' , 'Autumnal' , 'Ballerina' , Bandwidth = 'Ncms2b' (v) , Bandwidth™ , 'Barney Campbell' , 'Beth Chatto' , 'Blondo' , 'Blue Wonder' , 'Blütenwunder' , 'Bogenlampe' , 'Brazil' (PBR) , 'Bronceturm' , 'Cabaret' , 'Central Park' , 'China' , 'Cindy' , 'Condensatus' , 'Cornet' , 'Cosmopolitan' , 'Cute One' , 'David' , 'Digestif' , 'Dixieland' (v) , 'Dreadlocks' , 'Dresdner Rotgold' , 'Dresdner Silbersprudel' , 'Dronning Ingrid' , Early Hybrids , 'Elfin' , 'Emanuel Lepagé' , 'Emerald Giant' , 'Emmanuel' , 'Emmanuel Lepage' , 'Empmis01' (PBR) , 'Empmis02' , 'Encore' , 'Etincelle' , 'Federriese' , 'Ferner Osten' , 'Feuergold' , 'Filigrän' , 'Flamingo' , 'Flammenmeer' , 'Gaa' , 'Gearmella' , 'Gearmella' sport , 'Gewitterwolke' , 'Ghana' , 'Giraffe' , 'Giraffe' , 'Glockenturm' , 'Gnome' , 'Gold Bar' (PBR) (v) , 'Gold Breeze' (PBR) , 'Gold und Silber' , 'Goldfeder' (v) , 'Goldglanz' , 'Goliath' , 'Gracillimus' , 'Gracillimus Nanus' , 'Gracillimus Variegatus' , 'Graziella' , 'Grosse Fontane' , 'Gutenberg Gold' , 'Haiku' , 'Helga Reich' , 'Herbstfeuer' , 'Hercules' , 'Hermann Müssel' , 'Hinjo' (v) , 'Huron Star' , 'Huron Sunrise' , 'Huron Sunrise' , 'Ibiza' (PBR) , 'Interstate' , 'J.M. Gardiner' , 'Jubilaris' (v) , 'Juli' , 'Kaskade' , 'Kim' , 'Kirk Alexander' (v) , 'Kleine Fontaine' , 'Kleine Fontäne' , 'Kleine Silberspinne' , 'Korea' , 'Krater' , 'Kupferberg' , 'Kupferzwerg' , 'Largo' , 'Little John' , 'Little Kitten' , 'Little Miss' , Little Nicky , 'Little Zebra' (PBR) (v) , 'Lorelei' , 'Maf 0109' (PBR) , 'Malepartus' , 'Memory' , 'Mobri' (PBR) , 'Moonlight' , 'Morning Light' (v) , 'Mrs Higgins' , 'Mt. Washington' , 'München' , My Fair Maiden = 'Ncms1' , 'Mysterious Maiden' (PBR) (v) , 'Navajo' (PBR) , 'Ncms1' , 'Ncms2b' , 'Nippon' , 'Nishidake' , 'November Sunset' , 'Oktoberfest' , 'Overdam' , 'Pagel's Pride' , Pink Cloud = 'Empmis02' , 'Poseidon' , 'Positano' , 'Professor Richard Hansen' , 'Puenktchen' , 'Pünktchen' (v) , 'Purple Fall' , 'Purpurascens' , 'Red Chief' , Red Cloud = 'Empmis01' (PBR) , 'Red Meister' , 'Red Spear' , 'Red Star' , 'Red Tower' , 'Red Wine' , 'Rigoletto' (v) , 'Roland' , 'Rosi' , 'Roterpfeil' , 'Rotfeder' , 'Rotfuchs' , 'Rotsilber' , 'Russia' , 'Samurai' , 'Sarabande' , 'September' , 'Septemberfuchs' , 'Septemberrot' , 'Serim' , 'Silberfeder' , 'Silberpfeil' , 'Silberpfeil' (v) , 'Silberspinne' , 'Silberturm' , 'Silver Feather' , 'Silver Sceptre' , 'Silver Stripe' , 'Sioux' , 'Sirene' , 'Slavopour' , 'Spätgrün' , 'Starlight' , 'Strictus' (v) , 'Strictus Compactus' , 'Sunset' , 'Super Stripe' (v) , 'Supstripe' (PBR) , 'Taiwan' , 'Tiger Cub' (v) , 'Tiger Tail' (v) , 'Undine' , 'Vanilla Sky' , 'Variegatus' (v) , 'Verneigung' , 'Vorläufer' , 'Werner Neufliess' , 'Westacre Wine' , 'Wetterfahne' , 'Yaka Dance' (PBR) , 'Yaku Jima' , 'Yakushima' , 'Yakushima Dwarf' , 'Yakushimensis' , 'Zebrinus' (v)タカノハススキ , 'Zebrinus Strictus' , 'Zuneigung' , 'Zwergelefant'
9-1 Miscanthus sinensis Andersson f. zebrinus (G.Nicholson) Nakai タカノハススキ
9-2 Miscanthus sinensis Andersson f. gracillimus (Hitchc.) Ohwi イトススキ
synonym Miscanthus sinensis Andersson var. gracillimus Hitchc.
9-3 Miscanthus sinensis Andersson f. purpurascens (Andersson) Nakai ムラサキススキ
synonym Miscanthus sinensis Andersson subsp. purpurascens (Andersson) Tzvelev
synonym Miscanthus sinensis Andersson var. purpurascens (Andersson) Rendle
synonym Miscanthus purpurascens Andersson
9-4 Miscanthus sinensis Andersson f. variegatus (Beal) Nakai シマススキ
9-5 Miscanthus sinensis Andersson var. condensatus (Hack.) Makino ハチジョウススキ 八丈薄
synonym Miscanthus sinensis Andersson subsp. condensatus (Hack.) T.Koyama [GRIN]
synonym Miscanthus condensatus Hack.
日本(千葉~愛知県の太平洋岸)、沖縄、(朝鮮)、台湾原産。中国名は八丈芒 ba zhang mang。KewscienceやGBIFでは変種、亜種を認めていない。Ylistではvar. condensatus (Hack.) Makinoとしている。
多年草。50~100㎝。ススキに比べ全体に太く、茎は直径2㎝にもなる。葉の幅も1.5~4㎝と広い。葉の縁には刺があるが、縁が裏側に巻いているため、葉の表からは刺が見えにくい。ススキより刺が鈍く、触っても刺がひっかかりにくく、刺のないこともある。葉裏はやや白味を帯び、葉裏の毛がほとんどないものが普通である。葉舌は厚く、長さ約3㎜、切形、縁毛はない。花序はススキとよく似ているが、枝がやや太く、密集する。小穂は長さ5~6㎜の披針形。苞頴は毛が散生し、基部に白色の長毛を密生する。2小花だが、第1小花は退化し護頴だけになり、、第2小花の護穎に途中で曲がった長い芒が1本ある。花期は8~10月。
品種) 'Cabaret' (v) , 'Central Park' , 'Cosmo Revert' , 'Cosmopolitan' (v) , 'Emerald Giant' , 'Laigong'
9-6 Miscanthus sinensis Andersson var. transmorrisonensis (Hayata) Y.N.Lee ニイタカススキ
synonym Miscanthus transmorrisonensis Hayata
10 Miscanthus tinctorius (Steud.) Hack. カリヤス 刈安
日本固有種 (本州の東北地方~近畿地方)。中国名は青茅 qing mao。別名はオオミカリヤス(近江刈安)、イブキカリヤス(伊吹刈安)、ヤマカリヤス(山刈安)。
多年草。高さ60~100㎝。茎は中空、株立ちし、節に白毛が密生する。葉は幅1~1.5㎝、花序は直立し、花序枝(総)は総状に3~10個つき、長さ7~15㎝、小穂が多数つく。小穂は長さ5~7㎜、短梗(長さ約1㎜)と長梗(長さ約4㎜)が対になってつく。葯も柱頭も暗紫色。小穂の基毛は長さ2~3㎜、紅紫色を帯びることが多い。苞頴にも長毛がある。小穂に芒は無い。花期は8~10月。
11 ハイブリッド
(1) M. sinensis×M. intermedius
ススキとオオヒゲナガカリヤスモドキの交雑種
(2) Miscanthus sinensis x M. tinctorius ススキカリヤス
ススキとカリヤスの交雑種
(3) Miscanthus x ogiformis Honda オギススキ
synonym Miscanthus x giganteus Greef et Deuter ex Hodkinson et Renvoize
synonym Miscanthus sinensis Andersson var. sunanensis Y.N.Lee
synonym Miscanthus purpurascens auct. non Andersson
オギとススキの交雑種。英名はgiant miscanthus。
品種) 'Aksel Olsen' , Alligator = 'Lottum' (PBR) (v) , 'Gilt Edge' (v) , 'Gotemba' (v) , 'Jubilar' (v) , 'Meidl'
(4) その他ハイブリッド
品種) 'Afrika' , 'Aldebaran' , 'Border Bandit' , 'Champagne' , 'China' , 'Dreadlocks' , 'Dronning Ingrid' , 'Fat Cat' , 'Gotemba Gold' , 'Little Miss' , 'Mount Washington' , 'My Fair Maiden' , 'Parachute' , 'Pos' , 'Purpurascens' , 'Red Fox' , 'Rosi' , 'Samurai' , 'Scout' , 'Spartina' , 'Tiger Tail'
参考
1) Flora of ChinaMiscanthus
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=110810
2) KewscienceMiscanthus
http://www.plantsoftheworldonline.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:18514-1
3) 信州大学教育学部附属志賀自然教育研究施設研究業績 51:13―14(2014)長野県小谷村の伝統的カヤ場に自生するススキ属
https://core.ac.uk/download/pdf/148767419.pdf
4) 植物研究雑誌第39巻 第4号 51:13―14(2014)ススキ属の分類学的研究 (1)新種および新変種
http://www.jjbotany.com/pdf/JJB_039_115-123.pdf
5) 植物研究雑誌第39巻 第7号 p196-204 1964ススキ属の分類学的研究 (3)
節,亜節及び種間の類緑第 1部種
http://www.jjbotany.com/pdf/JJB_039_196-204.pdf
6) 植物研究雑誌第39巻 第7号 p196-204 1964ススキ属の分類学的研究 (3)
節,亜節及び種間の類緑第 1部種
http://www.jjbotany.com/pdf/JJB_039_196-204.pdf
7) 植物研究雑誌 79(1): 4–22(2004)茨木靖,大橋広好 : イネ科ススキ属カリヤス節の分類学的研究
http://www.jjbotany.com/pdf/JJB_079_4_22.pdf