クロバイ 黒灰
Flora of Mikawa
ハイノキ科 Symplocaceae ハイノキ属
別 名 | トチシバ、ソメシバ |
学 名 | Symplocos prunifolia Sieb. et Zucc. Symplocos sumuntia auct. non Buch.-Ham. ex D.Don |
花 期 | 4~5月 |
高 さ | 5~10m |
生活型 | 常緑高木 |
生育場所 | 丘陵、低山地 |
分 布 | 在来種 本州(関東南部以西)、四国、九州、沖縄、済洲島 |
撮 影 | 西尾市 13.4.20 |
和名の由来は木灰を媒染に用い、葉の色が濃く黒っぽく見えることに由来する。
幹は黒褐色、皮目が多い。葉は互生し、長さ3~7㎝の長楕円形、先は尾状に尖り、基部は楔形、縁には浅鋸歯がある。葉表は光沢があり、無毛。葉柄は長さ約1㎝。花は長さ約5cmの総状花序を多数つける。花冠は白色、5深裂し、雄しべは花冠より長く、多数。葯は黄色。雌しべ1個。花は甘い香りがする。果実は長さ6~7㎜の楕円形の核果で、秋から冬に黒く熟す。果汁は青色。核は長さ5~6㎜の狭長楕円形、褐色。
低木又は高木、無毛又は有毛(毛は単純毛、1細胞、横の隔壁がある)。新しい栄養成長は腋生と偽頂生芽から。枝は成熟して平滑、無毛又は白色~赤褐色の軟毛がある。葉はしばしば甘い味がする。葉身は縁に歯があり、普通、腺があり、先は鋭形~尖鋭形、中脈は下面で明瞭、上面に盛り上がり、明瞭又は凹む(まれに平ら)。花は芳香がある。咢片は覆瓦状。花弁は覆瓦状、白色又は黄色[ピンク色、帯赤色又はラベンダー色]。花糸は無毛[有毛]。葯は丸い卵形~球形。核果は普通、青色、ときに、橙色~褐色[白色]、宿存する咢が王冠状になる。内果皮は1[~5]細胞。 x = 11。
世界に318種あり、USA,西インド諸島、南アメリカ、アジア、太平洋諸島、オーストラリアの温帯、熱帯、亜熱帯に分布する。
synonym Symplocos cochinchinensis (Lour.) S.Moore var. laurina (Retz.) Noot. [Flora of China] 中国原産
synonym Symplocos laurina Wall. ex G.Don
YListではSymplocos cochinchinensis var. laurinaはSymplocos acuminataのsynonumとしている。これに従ったが、Flora of ChinaではSymplocos cochinchinensis var. laurinaは台湾を分布域に含めていない。大里力灰木(台湾名)は台湾に広く分布し、Symplocos acuminata の学名が使われている。
中国(福建省、広東省、広西チワン族自治区)、台湾原産。中国名は黄牛奶树 huang niu nai shu
Fujian, Guangdong, Guangxi。
高木、小枝は無毛。芽は褐色、軟毛がある。葉柄は長さ1~1.5㎝。葉身は卵状楕円形~倒卵状楕円形、長さ6~21㎝×幅2~8㎝、革質、無毛、細鋸歯縁、先は尖鋭形~鋭形。葉身の葉脈は5~9対、厳密に平行ではなく、縁から離れて吻合する(anastomosing) 。穂状花序は長さ3~14㎝、普通、基部から分枝し、花序軸は普通、軟毛があるが、果時に無毛になる。苞は宿存し、広卵形、長さ約2㎜、縁に腺点があり、軟毛がある。小苞は宿存し、長さ約1㎜軟毛があり、縁に腺点がある。子房は長さ0.5~1㎜、無毛。咢は無毛。咢片は半円形、長さ1~2㎜、咢筒より短い。花冠は長さ約4㎜。雄しべは約30本。花盤は環形、無毛。核果は球形、直径4~6㎜、先に宿存する咢片が直立する。花期は8~12月。果期は3~6月.(黄牛奶树)
※Kewscienceでは広義にとらえ、分布域は広く東アジアとしSymplocos cochinchinensis var. laurina やカンザブロウノキ Symplocos theophrastifolia をsynonymとしている。
日本、台湾、ヒマラヤ東部、スリランカ、バングラデシュ、カンボジア、ラオス、ミャンマー、タイ、ベトナム、インドネシア、マレーシア、アンダマン諸島原産(Kewscience)。台湾名は大里力灰木。
Flora of ChinaではSymplocos cochinchinensis var. laurina は中国(福建省、広東省、広西チワン族自治区)原産の黄牛奶树であり、Symplocos acuminataについては解説がない。
タリリクハイノキの和名は台湾産の大里力灰木に由来する。
常綠高木。葉は革質。楕円形~狭楕円形、長さ5~16㎝×幅2.5~6㎝、先は漸尖し、尾状、基部は漸尖し、狭くなり、腺状歯~細円鋸歯、両面とも平滑。葉柄は長さ7~20㎜、平滑。穂状花序は常に基部で分枝する。花冠は5深裂、果実は卵形~球形。(大里力灰木)
2 Symplocos anomala Brand
synonym Symplocos morrisonicola Hayata ニイタカハイノキ [YList]
synonym Symplocos anomala auct. non Brand ニイタカハイノキ [YList]
synonym Symplocos anomala Brand var. morrisonicola (Hayata) S.S.Ying
日本(沖縄)、中国、台湾、ミャンマー、タイ、ベトナム、インドネシア、マレーシア原産。中国名は薄叶山矾 bo ye shan fan 。日本(沖縄)が含まれているのはSymplocos okinawensis をsynonymとしているため。YListではニイタカハイノキを独立種とし、Symplocos morrisonicola Hayataとしている。
3 Symplocos boninensis Rehder et E.H.Wilson ムニンクロキ
日本固有種(小笠原諸島)
4 Symplocos caudata Wall. ex G.Don ヤエヤマクロバイ
synonym Symplocos sozanensis Hayata
synonym Symplocos sumuntia auct. non Buch.-Ham. ex D.Don
synonym Symplocos sumuntia Buchanan-Hamilton ex D. Don [Flora of China , The Plant List]
台湾、ヒマラヤ東部、ネパール、バングラデシュ、カンボジア、ラオス、ミャンマー、タイ、ベトナム、マレーシア原産。Ylist、Kewscienceでは独立種とし、分布域から中国などを除いている。
5 Symplocos cochinchinensis (Lour.) S.Moore アオバノキ 青葉の木
synonym Symplocos lithocarpoides Nakai
synonym Symplocos kotoensis auct. non Hayata
synonym Symplocos patens auct. non C.Presl
日本(南西諸島)、中国、台湾、インド、スリランカ、カンボジア、ラオス、ミャンマー、タイ、ベトナム、インドネシア、マレーシア、フィリピン、ニューギニア、オーストラリア、太平洋諸島原産。中国名は越南山矾 yue nan shan fan 。
5-1 Symplocos cochinchinensis (Lour.) S.Moore var. philippinensis (Brand) Noot. コウトウハイノキ
台湾、インドネシア、フィリピンに分布。中国名は兰屿山矾 lan yu shan fan
6 Symplocos congesta Benth. オオバハイノキ 大葉灰の木
synonym Symplocos glomerata King ex C.B.Clarke var. congesta (Benth.) Noot.
中国、台湾原産。中国名は密花山矾 mi hua shan fan 。
7 Symplocos coreana (H.Lev.) Ohwi タンナサワフタギ 耽羅沢蓋木
synonym Symplocos argutidens Nakai
日本(本州の関東地方以西、四国、九州)、済州島原産。別名はシラツゲ。
タンナ(耽羅)は済州島の古名。Kewscienceでは分布域から日本が抜けている。
落葉小高木。高さ3~5m。幹は灰白色、薄く剥がれ、山の中でも目立つ存在である。奥三河でも見ることができる。葉は互生し、長さ4~9㎝、幅3~5㎝の倒卵円形、粗い鋸歯縁、基部は楔形、先が尾状に尖る。葉表の脈は明瞭だが、縁に達しない。葉裏の脈に白色の毛がある。花はサワフタギとよく似ており、直径6~7㎜の白色。花冠は5裂し、雄しべ多数。果実は長さ5~6㎜の卵形の核果、サワフタギより濃い藍黒色に熟す。花期は6月。
8 Symplocos glauca (Thunb.) Koidz. ミミズバイ 蚯蚓灰
synonym Symplocos neriifolia Siebold et Zucc.
日本(本州の関東地方南部以西、四国、九州、沖縄)、中国、台湾、インド、ミャンマー、タイ、ベトナム原産。中国名は羊舌树 yang she shu。別名はミミズノマクラ、ミミスベリ、トクラベ。
常緑高木。高さ10~15m。幹は灰褐色~赤褐色、平滑。葉は互生し、長さ8~16㎝、幅2~4㎝の狭長楕円形、先は短く尖り、基部は楔形、縁は裏側に少し巻き込み、全縁又は先だけに不明瞭な浅鋸歯がある。葉表は光沢があり、葉裏は灰白色を帯び、両面とも無毛。側脈は7~18対。葉柄は長さ1~3㎝。葉腋にごく短い穂状花序を多数つけ、白色の花を多数つける。花冠は長さ3~5㎜、白色、5深裂し、雄しべは花冠より長く、20~60個。葯は淡色、小さい。雌しべ1個、柱頭は小さく緑色。果実は長さ12~20㎜、幅6~8㎜の卵状長楕円形の核果で緑色、秋から冬に紫黒色に熟す。核は長さ約10㎜の卵状長楕円形、淡褐色。花期は7~8月。
9 Symplocos glauca (Thunb.) Koidz オオバミミズバイ 大蚯蚓灰
synonym Symplocos grandis Hand.-Mazz. オオバミミズバイ [Ylist]大叶山矾
synonym Symplocos koshunensis Kaneh 恆春灰木
中国、台湾、インド、ミャンマー、タイ、ベトナム原産。中国名は羊舌树 yang she shu
9-1 Symplocos glauca var. glauca
9-2 Symplocos glauca var. epapillata Nooteboom
中国、ベトナム原産。
9-3 Symplocos glauca var. koshunensis (Kaneh.) S.S.Ying
synonym Symplocos koshunensis Kaneh. コウシュンハイノキ 恆春灰木 [YList]
台湾原産。Flora of China , The Plant Listでは変種に分けない。Kewscienceでは台湾産を変種としている。
10 Symplocos heishanensis Hayata ヘイシャナハイノキ
synonym Symplocos divaricativena Hayata
中国、台湾原産。中国名は海桐山矾 hai tong shan fan
11 Symplocos kawakamii Hayata ウチダシクロキ 打出し黒木
日本固有種(小笠原諸島、父島)
12 Symplocos konishii Hayata コニシハイノキ 小西灰木
synonym Symplocos laurina auct. non Wall. ex G.Don
synonym Symplocos cochinchinensis (Lour.) S.Moore var. laurina auct. non (Retz.) Noot.
synonym Symplocos cochinchinensis (Lour.) S.Moore subsp. laurina auct. non (Retz.) Noot.
synonym Symplocos cochinchinensis var. laurina (Retz.) Noot. [The Plant List]
synonym Symplocos acuminata (Blume) Miq.[Kewscience]
日本(西表島)、台湾原産。中国名は小西氏灰木
※台湾の植物図鑑では山豬肝の異名とされている。山豬肝はカンザブロウノキの台湾名であり、中国の黄牛奶树 Symplocos cochinchinensis var. laurinaのsynonymともいわれる。
13 Symplocos lancifolia Siebold et Zucc. シロバイ 白灰
synonym Symplocos arisanensis Hayata アリサンハイノキ 阿里山灰木
[The Plant List , Kewscienceではsynonym , Ylistでは別種]
synonym Symplocos lancifolia auct. non Siebold et Zucc.
synonym Symplocos lancifolia Siebold & Zuccarini
synonym Symplocos formosana Brand アマシバ [The Plant List , Kewscience , Flora of Chinaではsynonym , Ylistでは別種]
synonym Symplocos microcalyx Hayata
synonym Symplocos lancifolia Siebold et Zucc. var. taiheizanensis (K.Mori) S.S.Ying
synonym Symplocos trichoclada Hayata ケハイノキ
日本(本州の東海地方以南、九州)、中国、台湾、インド、ベトナム、フィリピン原産。中国名は光叶山矾 guang ye shan fan 。混合林に生える。
低木又は高木、高さ20m以下。芽、若小枝、花序に伏毛~開出毛がある。小枝は暗褐色、無毛になる。葉柄は長さ1~5㎜。葉身は卵形~楕円形~狭卵形~狭楕円形、長さ2~10㎝X幅1.5~4.3㎝、類膜質~紙質、まばらに細かい伏毛があり、基部は漸尖状楔形、縁には細かい円鋸歯~歯があり、 先は尾状尖鋭形、中脈は上面で平ら又は高くなり、側脈は6~11対。穂状花序は長さ1~4㎝。苞は楕円状卵形、長さ0.5~2㎜、軟毛がある。小苞は果時に脱落性、三角形~広卵形、長さ0.5~1.5㎜、軟毛があり、縁毛がある。子房は長さ0.5~1.5㎜、無毛、まばらに細かい伏毛又は軟毛がある。咢片は卵形、長さ0.5~1.5㎜、伏した細かい短毛があり、先は円形。花冠は長さ2.5~4㎜。雄しべは15~40本。花盤は短い細い軟毛~絹毛があり、まれに、無毛。核果は楕円形~類球形、長さ3~5㎜X幅2~5㎜、先に宿存する咢片がある。花期は3~11月。果期は6~11月。
14 Symplocos liukiuensis Matsum. アオバナハイノキ 青花灰の木
synonym Symplocos caudata auct. non Wall. ex G.Don
synonym Symplocos urceolaris auct. non Hance
synonym Symplocos sumuntia auct. non Buch.-Ham. ex D.Don
synonym Symplocos obana Masam.
日本固有種(南西諸島)
14-1 Symplocos liukiuensis Matsum. var. iriomotensis Nagam. イリオモテハイノキ 西表灰の木
日本固有種(西表島)。葉が大きく、先が尾状尖鋭形。
15 Symplocos lucida (Thunb.) Siebold et Zucc. クロキ 黒木
synonym Symplocos kuroki Nagam. [YList]
synonym Symplocos japonica A.DC.
synonym Symplocos lucida (Thunb.) Siebold et Zucc. f. spathulata (Hayashi) Hayashi ex Ohwi et Kitag., comb. nud.
synonym Symplocos setchuensis Brand モチバハイノキ 中国、台湾原産。
synonym Symplocos shilanensis Y.C.Liu et F.Y.Lu ヒイランハイノキ 台湾原産。
日本(本州の愛知県以西、四国、九州)、中国、台湾、インド、ブータンカンボジア、ラオス、ミャンマー、タイ、ベトナム、インドネシア、マレーシア原産。中国名は光亮山矾 guang liang shan fan 。混合林に生える。
低木又は高木。小枝はほとんどが黄緑色、わずかに角(かど)~翼があり、無毛。葉柄は長さ0.5~1.5㎝。葉身は長円形~狭楕円形、長さ5~13㎝×幅2~5㎝、革質、無毛 基部は楔形、縁は外巻き、全縁又は鋭い歯があり、先は長い尖鋭形~鋭形、中脈は上面で明瞭、しばしば溝になり、側脈は4~15対。花序は基部で分枝する穂状花序又は総状花序、短く~束生し、長さ6㎝以下、花序軸にはほとんど、微軟毛~軟毛がある。苞と小苞は宿存し、広倒卵形、長さ1~3㎜、しばしば、無毛。子房は無毛、長さ0.5~2㎜。咢は長さ1~3㎜、無毛。咢片は長円形、長さ3㎜未満。花冠は長さ3~5㎜。雄しべは10~80本、長さ4~6㎜。花盤は白色、絨毛~微軟毛~羊毛状絹毛がある。花柱は花冠の長さとほぼ同じ~かなり短くなり、無毛又は基部に向かって毛がある。核果は卵形~ほぼ楕円形、長さ0.5~1.8㎝×幅0.4~1.3㎝、先端に宿存する咢片をもつ。種子と胚は普通、U字形。花期は3~12月。果期は5~12月。
16 Symplocos migoi Nagam. タイワンクロキ 台湾黒木
台湾原産。中国名は擬日本灰木
17 Symplocos modesta Brand ヤマシマハイノキ
synonym Symplocos eriostroma Hayata ワタメフタギ
台湾原産。中国名は长梗山矾 chang geng shan fan。
18 Symplocos myrtacea Siebold et Zucc. ハイノキ 灰の木
日本固有種(本州の近畿地方以西、四国、九州、屋久島)。別名はイノコシバ。
常緑小高木。高さ5~10m。樹皮は暗褐色~暗赤褐色、当年枝は淡緑色、細い。葉は互生する。葉柄は長さ8~15㎜。葉身は広卵形~広披針形、長さ3~7㎝×幅1~2.5㎝、基部は広楔形~円形、縁は浅い鈍鋸歯、先は尾状尖鋭形、鈍端、薄い革質、両面とも無毛、乾くと淡緑色になる。 花序は前年枝の葉腋につき、散房花序、花が(1~)3~6個つく。花柄は長さ8~15㎜。花は直径12~14㎜、花弁は5個、白色。雄しべは25~40本、花弁とほぼ同長。萼片は5個、三角形、鋭頭。核果は狭卵形、長さ7~8㎜、紫黒色に熟す。花期は4~5月。
18-1 Symplocos myrtacea Siebold et Zucc. f. pubescens (Uyeki et Tokui) Sugim. ex Ohwi et Kitag. オモゴハイノキ
18-2 Symplocos myrtacea Siebold et Zucc. var. latifolia Hatus. ヒロハハイノキ
synonym Symplocos myrtacea Siebold et Zucc. f. latifolia (Hatus.) Sugim. ex Ohwi et Kitag.
19 Symplocos nakaharae (Hayata) Masam. ナカハラクロキ 中原黒木
synonym Symplocos japonica A.DC. var. nakaharae Hayata
synonym Symplocos lucida auct. non (Thunb.) Siebold et Zucc.
synonym Symplocos lucida (Thunb.) Siebold et Zucc. var. nakaharae (Hayata) Makino et Nemoto
日本固有種(沖縄)。別名リュウキュウクロキ
常緑小高木。高さ約10m、幹は直径10~30㎝になり、樹皮は帯黒色、平滑。当年枝は黄緑色、著しい角(かど)がある。葉は互生し、葉柄は3~10㎜。葉身は楕円形~長楕円形、長さ3~8㎝、幅1~4㎝、先は鈍形又は短い尖鋭形、縁は疎らに微鋸歯があるか又はほぼ全縁、質はやや薄く、両面とも無毛。花は腋生の短い集散花序に密につく。苞は長さ1~1.5㎜。小苞は長さ1.5~2㎜。花弁は白色~淡黄白色、長さ3.5~4㎜。雄しべは20~30(~35)本つき、長さ約4㎜。核果は楕円形、長さ7~11㎜、紫黒色に熟す。花期12~2月。
20 Symplocos nokoensis (Hayata) Kaneh. ノウコウハイノキ 能高灰の木
台湾原産。中国名は能高山矾 neng gao shan fan
21 Symplocos okinawensis Matsum. リュウキュウハイノキ 琉球灰の木
synonym Symplocos anomala auct. non Brand
日本固有種(沖縄)。Flora of China , The Plant ListではSymplocos anomalaのsynonymとしている。
22 Symplocos paniculata (Thunb.) Miq. クロミノニシゴリ 黒実の錦織木
synonym Symplocos paniculata (Thunb.) Miq. var. glabra Makino
synonym Symplocos chinensis (Lour.) Druce カラサワフタギ
日本固有種(本州の東海地方、近畿地方)
学名はSymplocos paniculataとされているが、これをFlora of Chinaなどでは果実が青色のサワフタギの学名としている。 幹は褐色~灰褐色、樹皮が縦に裂ける。葉は互生し、長さ3~10㎝の長楕円形、先が細く尖り基部は楔形、縁に細かい鋸歯がある。葉は両面ともほとんど無毛、葉裏の脈腋にわずかに毛がある程度。花は円錐花序に多数つく。花冠は白色、5深裂し、直径約8㎜。多数の長い雄しべが目立つ。果実は長さ6~7㎜の卵球形の核果、秋に黒く熟す。果実の液は黒青色。 クロミノサワフタギ Symplocos tanakana= Symplocos paniculata var. pubescens は本州(中国地方)、四国、九州、朝鮮に分布する。樹皮がサクラに似て横に裂け、葉裏に毛がある
23 Symplocos pergracilis (Nakai) T.Yamaz. チチジマクロキ 父島黒木
日本固有種(小笠原諸島)。
24 Symplocos prunifolia Siebold et Zucc. クロバイ 黒灰
synonym Symplocos sumuntia auct. non Buch.-Ham. ex D.Don
日本(本州の関東南部以西、四国、九州、沖縄)、済洲島原産。別名はトチシバ、ソメシバ。
和名の由来は木灰を媒染に用い、葉の色が濃く黒っぽく見えることに由来する。
常緑高木。高さ5~10m。幹は黒褐色、皮目が多い。葉は互生し、長さ3~7㎝の長楕円形、先は尾状に尖り、基部は楔形、縁には浅鋸歯がある。葉表は光沢があり、無毛。葉柄は長さ約1㎝。花は長さ約5cmの総状花序を多数つける。花冠は白色、5深裂し、雄しべは花冠より長く、多数。葯は黄色。雌しべ1個。花は甘い香りがする。果実は長さ6~7㎜の楕円形の核果で、秋から冬に黒く熟す。果汁は青色。核は長さ5~6㎜の狭長楕円形、褐色。花期は4~5月。
24-1 Symplocos prunifolia Siebold et Zucc. f. uii (Makino) Ohwi マルバクロバイ
24-2 Symplocos prunifolia Siebold et Zucc. var. tawadae Nagam. ナガバクロバイ
25 Symplocos sawafutagi Nagam. サワフタギ 沢蓋木
synonym Symplocos paniculata auct. non (Thunb.) Miq.
synonym Symplocos chinensis (Lour.) Druce var. leucocarpa (Nakai) Ohwi f. pilosa (Nakai) Ohwi
synonym Symplocos chinensis (Lour.) Druce subsp. pilosa (Nakai) Kitag.
日本(北海道、本州、本州、四国、九州)、朝鮮、中国、台湾、インド、ブータン、ラオス、ミャンマー、バングラデシュ、ベトナム原産。中国名は白檀 bai tan 。英名はsapphire-berry, Asiatic sweetleaf 。別名はルリミノウシコロシ、ニシゴリ。Kewscienceの分布域は朝鮮だけになっている。
落葉低木又は小高木。高さ2~4m。幹は灰褐色、縦に細く裂ける。葉は互生し、長さ4~8㎝の倒卵~楕円形で、先が急に尖り、縁に細かい鋸歯がある。葉の両面に毛がある。花は円錐花序に多数つく。花冠は白色、直径約8㎜、5深裂する。雄しべは長く、多数つく。花序の枝は有毛。果実は直径6~7㎜の核果で、秋に瑠璃色に熟す。花期は5~6月。
25-1 Symplocos sawafutagi Nagam. f. leucocarpa (Nakai) Yonek. シロミノサワフタギ
synonym Symplocos chinensis (Lour.) Druce var. leucocarpa (Nakai) Ohwi
25-2 Symplocos sawafutagi Nagam. var. terrae-nivosae Baba オクノサワフタギ
synonym Symplocos chinensis (Lour.) Druce var. terrae-nivosae M.Mizush., nom. nud.
26 Symplocos sonoharae Koidz. ミヤマシロバイ 深山白灰
synonym Symplocos pendula Wight var. hirtistylis sensu Noot.
synonym Symplocos confusa auct. non Brand
日本固有種(南西諸島)
27 Symplocos stellaris Brand ヤンバルミミズバイ
synonym Symplocos tashiroi Matsum.
synonym Symplocos glauca (Thunb.) Koidz. var. tashiroi (Matsum.) E.Walker
日本(沖縄)、中国、台湾原産。中国名は老鼠矢 lao shu shi
28 Symplocos sumuntia Buchanan-Hamilton ex D. Don コバノシロバイ 小葉の白灰
synonym Symplocos sasakii Hayata
日本(南西諸島)、朝鮮、中国、インド、ブータン、ネパール、バングラデシュ、カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナム、マレーシア原産。中国名は山矾 shan fan 。
29 Symplocos tanakae Matsum. ヒロハノミミズバイ
日本固有種(四国の徳島県、高知県、九州の宮崎県、鹿児島県、種子島、屋久島、トカラ列島)。別名はオニクロキ
30 Symplocos sumuntia Buch.-Ham. ex D. Don バイカハイノキ 梅花灰の木
synonym Symplocos decora Hance バイカハイノキ
synonym Symplocos sumuntia auct. non Buch.-Ham. ex D.Don
synonym Symplocos koidzumiana Tatew. et Yoshim.
日本、朝鮮、中国、台湾、インド、ブータン、ナパールミャンマー、タイ、ベトナム、マレーシア原産。中国名は山矾 shan fan
31 Symplocos tanakana Nakai クロミノサワフタギ 黒実の沢蓋木
synonym Symplocos paniculata auct. non (Thunb.) Miq.
synonym Symplocos paniculata (Thunb.) Miq. var. pubescens (Nakai) Ohwi
日本(本州の中国地方、四国、九州)、朝鮮原産。
落葉低木。高さ2~4m。樹皮は桜に似て横に裂け目がある。若枝には毛がある。葉は互生、短柄がある。葉身は長楕円形~楕円形、長さ4~8㎝×幅2~4㎝、基部は楔形、縁には細かい鋭鋸歯があり、先は鋭形、下面は軟毛があって白色を帯び、上面は主脈上の微毛を除いてほぼ無毛。円錐花序を頂生し、直径7~8㎜の花をつける。花は白色~帯淡緑色、花弁は5個、雄しべは多数つき、長く、目立つ。果実は卵球形~球形、長さ6~7㎜、黒色に熟す。花期は5~6。果期は9~10月。
32 Symplocos theophrastifolia Siebold et Zucc. カンザブロウノキ 勘三郎の木
synonym Symplocos laurina auct. non Wall. ex G.Don
synonym Symplocos cochinchinensis (Lour.) S.Moore subsp. laurina auct. non (Retz.) Noot.
synonym Symplocos acuminata (Blume) Miq. [Kewscience]
synonym Symplocos cochinchinensis var. laurina (Retz.) Noot. [The Plant List, 参考5]
日本(本州の静岡県以西、四国、九州、沖縄)、.台湾原産。中国名は山豬肝 shan zhu gan。英名はKonish Sweet Leaf , Formosan Sweet Leaf。別名は デコンノキ、イモバイ、シラハイ、アオバ。山地に生える。
KewscienceではSymplocos acuminata (Blume) Miq.のsynonymとし、The Plant ListではSymplocos cochinchinensis var. laurina (Retz.) Noot. タリリクハイノキのsynonym としている。Symplocos acuminataはSymplocos cochinchinensis var. laurina のsynonymでもある。
常緑高木、高さ5~15m、幹の直径は20~50㎝になる。若枝は太く、淡褐色、角(かど)があり、内部の髄は薄板状、階段状に見える。葉は互生、葉柄は長さ7~15㎜。葉身は単葉、やや厚い革質、長楕円形~狭長楕円形、長さ10~16㎝×幅3~6㎝、基部は楔形、縁は波状の低い鋸歯縁、先は漸尖し、尖鋭形、両面とも無毛、上面は濃緑色、鈍い光沢があり、中脈が凹み、下面は中肋が隆起し、側脈は6~9対あり、緑色に見えるが、細くて隆起しない。穂状花序は当年枝の上部の葉腋につき、長さ1~4㎝、しばしば、下部で分枝し、密に褐色の毛があり、花は多数。花柄は無い。花は直径7~8㎜、花弁は5個。雄しべは多数、花冠より長い。核果はつぼ状球形、直径約5㎜、紫黒色に熟す。花期は(7)8~9月。
【山豬肝】小西氏灰木 Symplocos konishii はsynonymとされている。
若芽が紫紅色、豬肝の名はこれに因む。常緑高木。葉は革質、狭楕円形~狭長楕円形、長さ7~15㎝、幅2~5㎝、先は尾状~漸尖形、縁は円鋸歯~鋸歯、上面は平滑、下面は灰緑色~ピンク色、中脈に短い伏毛がまばらにあり、側脈は8~13対。葉柄は長さ7~15㎜、平滑又は又は伏毛がまばらにある。穂状花序の基部が分枝する。果実は球形~首の細いつぼ形、熟すと暗紫色、直径4~6㎜。
33 Symplocos wikstroemiifolia Hayata ガンピバハイノキ
synonym Symplocos microtricha Hand.-Mazz.
中国、台湾、ベトナム、マレーシア原産。中国名は微毛山矾 wei mao shan fan
Symplocos
Symplocos
Symplocos Jacq.
Symplocos
Symplocos glauca
幹は黒褐色、皮目が多い。葉は互生し、長さ3~7㎝の長楕円形、先は尾状に尖り、基部は楔形、縁には浅鋸歯がある。葉表は光沢があり、無毛。葉柄は長さ約1㎝。花は長さ約5cmの総状花序を多数つける。花冠は白色、5深裂し、雄しべは花冠より長く、多数。葯は黄色。雌しべ1個。花は甘い香りがする。果実は長さ6~7㎜の楕円形の核果で、秋から冬に黒く熟す。果汁は青色。核は長さ5~6㎜の狭長楕円形、褐色。
ハイノキ属
family Symplocaceae - genus Symplocos低木又は高木、無毛又は有毛(毛は単純毛、1細胞、横の隔壁がある)。新しい栄養成長は腋生と偽頂生芽から。枝は成熟して平滑、無毛又は白色~赤褐色の軟毛がある。葉はしばしば甘い味がする。葉身は縁に歯があり、普通、腺があり、先は鋭形~尖鋭形、中脈は下面で明瞭、上面に盛り上がり、明瞭又は凹む(まれに平ら)。花は芳香がある。咢片は覆瓦状。花弁は覆瓦状、白色又は黄色[ピンク色、帯赤色又はラベンダー色]。花糸は無毛[有毛]。葯は丸い卵形~球形。核果は普通、青色、ときに、橙色~褐色[白色]、宿存する咢が王冠状になる。内果皮は1[~5]細胞。 x = 11。
世界に318種あり、USA,西インド諸島、南アメリカ、アジア、太平洋諸島、オーストラリアの温帯、熱帯、亜熱帯に分布する。
ハイノキ属の主な種と園芸種
1 Symplocos acuminata (Blume) Miq. タリリクハイノキ 大里力灰の木synonym Symplocos cochinchinensis (Lour.) S.Moore var. laurina (Retz.) Noot. [Flora of China] 中国原産
synonym Symplocos laurina Wall. ex G.Don
YListではSymplocos cochinchinensis var. laurinaはSymplocos acuminataのsynonumとしている。これに従ったが、Flora of ChinaではSymplocos cochinchinensis var. laurinaは台湾を分布域に含めていない。大里力灰木(台湾名)は台湾に広く分布し、Symplocos acuminata の学名が使われている。
中国(福建省、広東省、広西チワン族自治区)、台湾原産。中国名は黄牛奶树 huang niu nai shu
Fujian, Guangdong, Guangxi。
高木、小枝は無毛。芽は褐色、軟毛がある。葉柄は長さ1~1.5㎝。葉身は卵状楕円形~倒卵状楕円形、長さ6~21㎝×幅2~8㎝、革質、無毛、細鋸歯縁、先は尖鋭形~鋭形。葉身の葉脈は5~9対、厳密に平行ではなく、縁から離れて吻合する(anastomosing) 。穂状花序は長さ3~14㎝、普通、基部から分枝し、花序軸は普通、軟毛があるが、果時に無毛になる。苞は宿存し、広卵形、長さ約2㎜、縁に腺点があり、軟毛がある。小苞は宿存し、長さ約1㎜軟毛があり、縁に腺点がある。子房は長さ0.5~1㎜、無毛。咢は無毛。咢片は半円形、長さ1~2㎜、咢筒より短い。花冠は長さ約4㎜。雄しべは約30本。花盤は環形、無毛。核果は球形、直径4~6㎜、先に宿存する咢片が直立する。花期は8~12月。果期は3~6月.(黄牛奶树)
※Kewscienceでは広義にとらえ、分布域は広く東アジアとしSymplocos cochinchinensis var. laurina やカンザブロウノキ Symplocos theophrastifolia をsynonymとしている。
日本、台湾、ヒマラヤ東部、スリランカ、バングラデシュ、カンボジア、ラオス、ミャンマー、タイ、ベトナム、インドネシア、マレーシア、アンダマン諸島原産(Kewscience)。台湾名は大里力灰木。
Flora of ChinaではSymplocos cochinchinensis var. laurina は中国(福建省、広東省、広西チワン族自治区)原産の黄牛奶树であり、Symplocos acuminataについては解説がない。
タリリクハイノキの和名は台湾産の大里力灰木に由来する。
常綠高木。葉は革質。楕円形~狭楕円形、長さ5~16㎝×幅2.5~6㎝、先は漸尖し、尾状、基部は漸尖し、狭くなり、腺状歯~細円鋸歯、両面とも平滑。葉柄は長さ7~20㎜、平滑。穂状花序は常に基部で分枝する。花冠は5深裂、果実は卵形~球形。(大里力灰木)
2 Symplocos anomala Brand
synonym Symplocos morrisonicola Hayata ニイタカハイノキ [YList]
synonym Symplocos anomala auct. non Brand ニイタカハイノキ [YList]
synonym Symplocos anomala Brand var. morrisonicola (Hayata) S.S.Ying
日本(沖縄)、中国、台湾、ミャンマー、タイ、ベトナム、インドネシア、マレーシア原産。中国名は薄叶山矾 bo ye shan fan 。日本(沖縄)が含まれているのはSymplocos okinawensis をsynonymとしているため。YListではニイタカハイノキを独立種とし、Symplocos morrisonicola Hayataとしている。
3 Symplocos boninensis Rehder et E.H.Wilson ムニンクロキ
日本固有種(小笠原諸島)
4 Symplocos caudata Wall. ex G.Don ヤエヤマクロバイ
synonym Symplocos sozanensis Hayata
synonym Symplocos sumuntia auct. non Buch.-Ham. ex D.Don
synonym Symplocos sumuntia Buchanan-Hamilton ex D. Don [Flora of China , The Plant List]
台湾、ヒマラヤ東部、ネパール、バングラデシュ、カンボジア、ラオス、ミャンマー、タイ、ベトナム、マレーシア原産。Ylist、Kewscienceでは独立種とし、分布域から中国などを除いている。
5 Symplocos cochinchinensis (Lour.) S.Moore アオバノキ 青葉の木
synonym Symplocos lithocarpoides Nakai
synonym Symplocos kotoensis auct. non Hayata
synonym Symplocos patens auct. non C.Presl
日本(南西諸島)、中国、台湾、インド、スリランカ、カンボジア、ラオス、ミャンマー、タイ、ベトナム、インドネシア、マレーシア、フィリピン、ニューギニア、オーストラリア、太平洋諸島原産。中国名は越南山矾 yue nan shan fan 。
5-1 Symplocos cochinchinensis (Lour.) S.Moore var. philippinensis (Brand) Noot. コウトウハイノキ
台湾、インドネシア、フィリピンに分布。中国名は兰屿山矾 lan yu shan fan
6 Symplocos congesta Benth. オオバハイノキ 大葉灰の木
synonym Symplocos glomerata King ex C.B.Clarke var. congesta (Benth.) Noot.
中国、台湾原産。中国名は密花山矾 mi hua shan fan 。
7 Symplocos coreana (H.Lev.) Ohwi タンナサワフタギ 耽羅沢蓋木
synonym Symplocos argutidens Nakai
日本(本州の関東地方以西、四国、九州)、済州島原産。別名はシラツゲ。
タンナ(耽羅)は済州島の古名。Kewscienceでは分布域から日本が抜けている。
落葉小高木。高さ3~5m。幹は灰白色、薄く剥がれ、山の中でも目立つ存在である。奥三河でも見ることができる。葉は互生し、長さ4~9㎝、幅3~5㎝の倒卵円形、粗い鋸歯縁、基部は楔形、先が尾状に尖る。葉表の脈は明瞭だが、縁に達しない。葉裏の脈に白色の毛がある。花はサワフタギとよく似ており、直径6~7㎜の白色。花冠は5裂し、雄しべ多数。果実は長さ5~6㎜の卵形の核果、サワフタギより濃い藍黒色に熟す。花期は6月。
8 Symplocos glauca (Thunb.) Koidz. ミミズバイ 蚯蚓灰
synonym Symplocos neriifolia Siebold et Zucc.
日本(本州の関東地方南部以西、四国、九州、沖縄)、中国、台湾、インド、ミャンマー、タイ、ベトナム原産。中国名は羊舌树 yang she shu。別名はミミズノマクラ、ミミスベリ、トクラベ。
常緑高木。高さ10~15m。幹は灰褐色~赤褐色、平滑。葉は互生し、長さ8~16㎝、幅2~4㎝の狭長楕円形、先は短く尖り、基部は楔形、縁は裏側に少し巻き込み、全縁又は先だけに不明瞭な浅鋸歯がある。葉表は光沢があり、葉裏は灰白色を帯び、両面とも無毛。側脈は7~18対。葉柄は長さ1~3㎝。葉腋にごく短い穂状花序を多数つけ、白色の花を多数つける。花冠は長さ3~5㎜、白色、5深裂し、雄しべは花冠より長く、20~60個。葯は淡色、小さい。雌しべ1個、柱頭は小さく緑色。果実は長さ12~20㎜、幅6~8㎜の卵状長楕円形の核果で緑色、秋から冬に紫黒色に熟す。核は長さ約10㎜の卵状長楕円形、淡褐色。花期は7~8月。
9 Symplocos glauca (Thunb.) Koidz オオバミミズバイ 大蚯蚓灰
synonym Symplocos grandis Hand.-Mazz. オオバミミズバイ [Ylist]大叶山矾
synonym Symplocos koshunensis Kaneh 恆春灰木
中国、台湾、インド、ミャンマー、タイ、ベトナム原産。中国名は羊舌树 yang she shu
9-1 Symplocos glauca var. glauca
9-2 Symplocos glauca var. epapillata Nooteboom
中国、ベトナム原産。
9-3 Symplocos glauca var. koshunensis (Kaneh.) S.S.Ying
synonym Symplocos koshunensis Kaneh. コウシュンハイノキ 恆春灰木 [YList]
台湾原産。Flora of China , The Plant Listでは変種に分けない。Kewscienceでは台湾産を変種としている。
10 Symplocos heishanensis Hayata ヘイシャナハイノキ
synonym Symplocos divaricativena Hayata
中国、台湾原産。中国名は海桐山矾 hai tong shan fan
11 Symplocos kawakamii Hayata ウチダシクロキ 打出し黒木
日本固有種(小笠原諸島、父島)
12 Symplocos konishii Hayata コニシハイノキ 小西灰木
synonym Symplocos laurina auct. non Wall. ex G.Don
synonym Symplocos cochinchinensis (Lour.) S.Moore var. laurina auct. non (Retz.) Noot.
synonym Symplocos cochinchinensis (Lour.) S.Moore subsp. laurina auct. non (Retz.) Noot.
synonym Symplocos cochinchinensis var. laurina (Retz.) Noot. [The Plant List]
synonym Symplocos acuminata (Blume) Miq.[Kewscience]
日本(西表島)、台湾原産。中国名は小西氏灰木
※台湾の植物図鑑では山豬肝の異名とされている。山豬肝はカンザブロウノキの台湾名であり、中国の黄牛奶树 Symplocos cochinchinensis var. laurinaのsynonymともいわれる。
13 Symplocos lancifolia Siebold et Zucc. シロバイ 白灰
synonym Symplocos arisanensis Hayata アリサンハイノキ 阿里山灰木
[The Plant List , Kewscienceではsynonym , Ylistでは別種]
synonym Symplocos lancifolia auct. non Siebold et Zucc.
synonym Symplocos lancifolia Siebold & Zuccarini
synonym Symplocos formosana Brand アマシバ [The Plant List , Kewscience , Flora of Chinaではsynonym , Ylistでは別種]
synonym Symplocos microcalyx Hayata
synonym Symplocos lancifolia Siebold et Zucc. var. taiheizanensis (K.Mori) S.S.Ying
synonym Symplocos trichoclada Hayata ケハイノキ
日本(本州の東海地方以南、九州)、中国、台湾、インド、ベトナム、フィリピン原産。中国名は光叶山矾 guang ye shan fan 。混合林に生える。
低木又は高木、高さ20m以下。芽、若小枝、花序に伏毛~開出毛がある。小枝は暗褐色、無毛になる。葉柄は長さ1~5㎜。葉身は卵形~楕円形~狭卵形~狭楕円形、長さ2~10㎝X幅1.5~4.3㎝、類膜質~紙質、まばらに細かい伏毛があり、基部は漸尖状楔形、縁には細かい円鋸歯~歯があり、 先は尾状尖鋭形、中脈は上面で平ら又は高くなり、側脈は6~11対。穂状花序は長さ1~4㎝。苞は楕円状卵形、長さ0.5~2㎜、軟毛がある。小苞は果時に脱落性、三角形~広卵形、長さ0.5~1.5㎜、軟毛があり、縁毛がある。子房は長さ0.5~1.5㎜、無毛、まばらに細かい伏毛又は軟毛がある。咢片は卵形、長さ0.5~1.5㎜、伏した細かい短毛があり、先は円形。花冠は長さ2.5~4㎜。雄しべは15~40本。花盤は短い細い軟毛~絹毛があり、まれに、無毛。核果は楕円形~類球形、長さ3~5㎜X幅2~5㎜、先に宿存する咢片がある。花期は3~11月。果期は6~11月。
14 Symplocos liukiuensis Matsum. アオバナハイノキ 青花灰の木
synonym Symplocos caudata auct. non Wall. ex G.Don
synonym Symplocos urceolaris auct. non Hance
synonym Symplocos sumuntia auct. non Buch.-Ham. ex D.Don
synonym Symplocos obana Masam.
日本固有種(南西諸島)
14-1 Symplocos liukiuensis Matsum. var. iriomotensis Nagam. イリオモテハイノキ 西表灰の木
日本固有種(西表島)。葉が大きく、先が尾状尖鋭形。
15 Symplocos lucida (Thunb.) Siebold et Zucc. クロキ 黒木
synonym Symplocos kuroki Nagam. [YList]
synonym Symplocos japonica A.DC.
synonym Symplocos lucida (Thunb.) Siebold et Zucc. f. spathulata (Hayashi) Hayashi ex Ohwi et Kitag., comb. nud.
synonym Symplocos setchuensis Brand モチバハイノキ 中国、台湾原産。
synonym Symplocos shilanensis Y.C.Liu et F.Y.Lu ヒイランハイノキ 台湾原産。
日本(本州の愛知県以西、四国、九州)、中国、台湾、インド、ブータンカンボジア、ラオス、ミャンマー、タイ、ベトナム、インドネシア、マレーシア原産。中国名は光亮山矾 guang liang shan fan 。混合林に生える。
低木又は高木。小枝はほとんどが黄緑色、わずかに角(かど)~翼があり、無毛。葉柄は長さ0.5~1.5㎝。葉身は長円形~狭楕円形、長さ5~13㎝×幅2~5㎝、革質、無毛 基部は楔形、縁は外巻き、全縁又は鋭い歯があり、先は長い尖鋭形~鋭形、中脈は上面で明瞭、しばしば溝になり、側脈は4~15対。花序は基部で分枝する穂状花序又は総状花序、短く~束生し、長さ6㎝以下、花序軸にはほとんど、微軟毛~軟毛がある。苞と小苞は宿存し、広倒卵形、長さ1~3㎜、しばしば、無毛。子房は無毛、長さ0.5~2㎜。咢は長さ1~3㎜、無毛。咢片は長円形、長さ3㎜未満。花冠は長さ3~5㎜。雄しべは10~80本、長さ4~6㎜。花盤は白色、絨毛~微軟毛~羊毛状絹毛がある。花柱は花冠の長さとほぼ同じ~かなり短くなり、無毛又は基部に向かって毛がある。核果は卵形~ほぼ楕円形、長さ0.5~1.8㎝×幅0.4~1.3㎝、先端に宿存する咢片をもつ。種子と胚は普通、U字形。花期は3~12月。果期は5~12月。
16 Symplocos migoi Nagam. タイワンクロキ 台湾黒木
台湾原産。中国名は擬日本灰木
17 Symplocos modesta Brand ヤマシマハイノキ
synonym Symplocos eriostroma Hayata ワタメフタギ
台湾原産。中国名は长梗山矾 chang geng shan fan。
18 Symplocos myrtacea Siebold et Zucc. ハイノキ 灰の木
日本固有種(本州の近畿地方以西、四国、九州、屋久島)。別名はイノコシバ。
常緑小高木。高さ5~10m。樹皮は暗褐色~暗赤褐色、当年枝は淡緑色、細い。葉は互生する。葉柄は長さ8~15㎜。葉身は広卵形~広披針形、長さ3~7㎝×幅1~2.5㎝、基部は広楔形~円形、縁は浅い鈍鋸歯、先は尾状尖鋭形、鈍端、薄い革質、両面とも無毛、乾くと淡緑色になる。 花序は前年枝の葉腋につき、散房花序、花が(1~)3~6個つく。花柄は長さ8~15㎜。花は直径12~14㎜、花弁は5個、白色。雄しべは25~40本、花弁とほぼ同長。萼片は5個、三角形、鋭頭。核果は狭卵形、長さ7~8㎜、紫黒色に熟す。花期は4~5月。
18-1 Symplocos myrtacea Siebold et Zucc. f. pubescens (Uyeki et Tokui) Sugim. ex Ohwi et Kitag. オモゴハイノキ
18-2 Symplocos myrtacea Siebold et Zucc. var. latifolia Hatus. ヒロハハイノキ
synonym Symplocos myrtacea Siebold et Zucc. f. latifolia (Hatus.) Sugim. ex Ohwi et Kitag.
19 Symplocos nakaharae (Hayata) Masam. ナカハラクロキ 中原黒木
synonym Symplocos japonica A.DC. var. nakaharae Hayata
synonym Symplocos lucida auct. non (Thunb.) Siebold et Zucc.
synonym Symplocos lucida (Thunb.) Siebold et Zucc. var. nakaharae (Hayata) Makino et Nemoto
日本固有種(沖縄)。別名リュウキュウクロキ
常緑小高木。高さ約10m、幹は直径10~30㎝になり、樹皮は帯黒色、平滑。当年枝は黄緑色、著しい角(かど)がある。葉は互生し、葉柄は3~10㎜。葉身は楕円形~長楕円形、長さ3~8㎝、幅1~4㎝、先は鈍形又は短い尖鋭形、縁は疎らに微鋸歯があるか又はほぼ全縁、質はやや薄く、両面とも無毛。花は腋生の短い集散花序に密につく。苞は長さ1~1.5㎜。小苞は長さ1.5~2㎜。花弁は白色~淡黄白色、長さ3.5~4㎜。雄しべは20~30(~35)本つき、長さ約4㎜。核果は楕円形、長さ7~11㎜、紫黒色に熟す。花期12~2月。
20 Symplocos nokoensis (Hayata) Kaneh. ノウコウハイノキ 能高灰の木
台湾原産。中国名は能高山矾 neng gao shan fan
21 Symplocos okinawensis Matsum. リュウキュウハイノキ 琉球灰の木
synonym Symplocos anomala auct. non Brand
日本固有種(沖縄)。Flora of China , The Plant ListではSymplocos anomalaのsynonymとしている。
22 Symplocos paniculata (Thunb.) Miq. クロミノニシゴリ 黒実の錦織木
synonym Symplocos paniculata (Thunb.) Miq. var. glabra Makino
synonym Symplocos chinensis (Lour.) Druce カラサワフタギ
日本固有種(本州の東海地方、近畿地方)
学名はSymplocos paniculataとされているが、これをFlora of Chinaなどでは果実が青色のサワフタギの学名としている。 幹は褐色~灰褐色、樹皮が縦に裂ける。葉は互生し、長さ3~10㎝の長楕円形、先が細く尖り基部は楔形、縁に細かい鋸歯がある。葉は両面ともほとんど無毛、葉裏の脈腋にわずかに毛がある程度。花は円錐花序に多数つく。花冠は白色、5深裂し、直径約8㎜。多数の長い雄しべが目立つ。果実は長さ6~7㎜の卵球形の核果、秋に黒く熟す。果実の液は黒青色。 クロミノサワフタギ Symplocos tanakana= Symplocos paniculata var. pubescens は本州(中国地方)、四国、九州、朝鮮に分布する。樹皮がサクラに似て横に裂け、葉裏に毛がある
23 Symplocos pergracilis (Nakai) T.Yamaz. チチジマクロキ 父島黒木
日本固有種(小笠原諸島)。
24 Symplocos prunifolia Siebold et Zucc. クロバイ 黒灰
synonym Symplocos sumuntia auct. non Buch.-Ham. ex D.Don
日本(本州の関東南部以西、四国、九州、沖縄)、済洲島原産。別名はトチシバ、ソメシバ。
和名の由来は木灰を媒染に用い、葉の色が濃く黒っぽく見えることに由来する。
常緑高木。高さ5~10m。幹は黒褐色、皮目が多い。葉は互生し、長さ3~7㎝の長楕円形、先は尾状に尖り、基部は楔形、縁には浅鋸歯がある。葉表は光沢があり、無毛。葉柄は長さ約1㎝。花は長さ約5cmの総状花序を多数つける。花冠は白色、5深裂し、雄しべは花冠より長く、多数。葯は黄色。雌しべ1個。花は甘い香りがする。果実は長さ6~7㎜の楕円形の核果で、秋から冬に黒く熟す。果汁は青色。核は長さ5~6㎜の狭長楕円形、褐色。花期は4~5月。
24-1 Symplocos prunifolia Siebold et Zucc. f. uii (Makino) Ohwi マルバクロバイ
24-2 Symplocos prunifolia Siebold et Zucc. var. tawadae Nagam. ナガバクロバイ
25 Symplocos sawafutagi Nagam. サワフタギ 沢蓋木
synonym Symplocos paniculata auct. non (Thunb.) Miq.
synonym Symplocos chinensis (Lour.) Druce var. leucocarpa (Nakai) Ohwi f. pilosa (Nakai) Ohwi
synonym Symplocos chinensis (Lour.) Druce subsp. pilosa (Nakai) Kitag.
日本(北海道、本州、本州、四国、九州)、朝鮮、中国、台湾、インド、ブータン、ラオス、ミャンマー、バングラデシュ、ベトナム原産。中国名は白檀 bai tan 。英名はsapphire-berry, Asiatic sweetleaf 。別名はルリミノウシコロシ、ニシゴリ。Kewscienceの分布域は朝鮮だけになっている。
落葉低木又は小高木。高さ2~4m。幹は灰褐色、縦に細く裂ける。葉は互生し、長さ4~8㎝の倒卵~楕円形で、先が急に尖り、縁に細かい鋸歯がある。葉の両面に毛がある。花は円錐花序に多数つく。花冠は白色、直径約8㎜、5深裂する。雄しべは長く、多数つく。花序の枝は有毛。果実は直径6~7㎜の核果で、秋に瑠璃色に熟す。花期は5~6月。
25-1 Symplocos sawafutagi Nagam. f. leucocarpa (Nakai) Yonek. シロミノサワフタギ
synonym Symplocos chinensis (Lour.) Druce var. leucocarpa (Nakai) Ohwi
25-2 Symplocos sawafutagi Nagam. var. terrae-nivosae Baba オクノサワフタギ
synonym Symplocos chinensis (Lour.) Druce var. terrae-nivosae M.Mizush., nom. nud.
26 Symplocos sonoharae Koidz. ミヤマシロバイ 深山白灰
synonym Symplocos pendula Wight var. hirtistylis sensu Noot.
synonym Symplocos confusa auct. non Brand
日本固有種(南西諸島)
27 Symplocos stellaris Brand ヤンバルミミズバイ
synonym Symplocos tashiroi Matsum.
synonym Symplocos glauca (Thunb.) Koidz. var. tashiroi (Matsum.) E.Walker
日本(沖縄)、中国、台湾原産。中国名は老鼠矢 lao shu shi
28 Symplocos sumuntia Buchanan-Hamilton ex D. Don コバノシロバイ 小葉の白灰
synonym Symplocos sasakii Hayata
日本(南西諸島)、朝鮮、中国、インド、ブータン、ネパール、バングラデシュ、カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナム、マレーシア原産。中国名は山矾 shan fan 。
29 Symplocos tanakae Matsum. ヒロハノミミズバイ
日本固有種(四国の徳島県、高知県、九州の宮崎県、鹿児島県、種子島、屋久島、トカラ列島)。別名はオニクロキ
30 Symplocos sumuntia Buch.-Ham. ex D. Don バイカハイノキ 梅花灰の木
synonym Symplocos decora Hance バイカハイノキ
synonym Symplocos sumuntia auct. non Buch.-Ham. ex D.Don
synonym Symplocos koidzumiana Tatew. et Yoshim.
日本、朝鮮、中国、台湾、インド、ブータン、ナパールミャンマー、タイ、ベトナム、マレーシア原産。中国名は山矾 shan fan
31 Symplocos tanakana Nakai クロミノサワフタギ 黒実の沢蓋木
synonym Symplocos paniculata auct. non (Thunb.) Miq.
synonym Symplocos paniculata (Thunb.) Miq. var. pubescens (Nakai) Ohwi
日本(本州の中国地方、四国、九州)、朝鮮原産。
落葉低木。高さ2~4m。樹皮は桜に似て横に裂け目がある。若枝には毛がある。葉は互生、短柄がある。葉身は長楕円形~楕円形、長さ4~8㎝×幅2~4㎝、基部は楔形、縁には細かい鋭鋸歯があり、先は鋭形、下面は軟毛があって白色を帯び、上面は主脈上の微毛を除いてほぼ無毛。円錐花序を頂生し、直径7~8㎜の花をつける。花は白色~帯淡緑色、花弁は5個、雄しべは多数つき、長く、目立つ。果実は卵球形~球形、長さ6~7㎜、黒色に熟す。花期は5~6。果期は9~10月。
32 Symplocos theophrastifolia Siebold et Zucc. カンザブロウノキ 勘三郎の木
synonym Symplocos laurina auct. non Wall. ex G.Don
synonym Symplocos cochinchinensis (Lour.) S.Moore subsp. laurina auct. non (Retz.) Noot.
synonym Symplocos acuminata (Blume) Miq. [Kewscience]
synonym Symplocos cochinchinensis var. laurina (Retz.) Noot. [The Plant List, 参考5]
日本(本州の静岡県以西、四国、九州、沖縄)、.台湾原産。中国名は山豬肝 shan zhu gan。英名はKonish Sweet Leaf , Formosan Sweet Leaf。別名は デコンノキ、イモバイ、シラハイ、アオバ。山地に生える。
KewscienceではSymplocos acuminata (Blume) Miq.のsynonymとし、The Plant ListではSymplocos cochinchinensis var. laurina (Retz.) Noot. タリリクハイノキのsynonym としている。Symplocos acuminataはSymplocos cochinchinensis var. laurina のsynonymでもある。
常緑高木、高さ5~15m、幹の直径は20~50㎝になる。若枝は太く、淡褐色、角(かど)があり、内部の髄は薄板状、階段状に見える。葉は互生、葉柄は長さ7~15㎜。葉身は単葉、やや厚い革質、長楕円形~狭長楕円形、長さ10~16㎝×幅3~6㎝、基部は楔形、縁は波状の低い鋸歯縁、先は漸尖し、尖鋭形、両面とも無毛、上面は濃緑色、鈍い光沢があり、中脈が凹み、下面は中肋が隆起し、側脈は6~9対あり、緑色に見えるが、細くて隆起しない。穂状花序は当年枝の上部の葉腋につき、長さ1~4㎝、しばしば、下部で分枝し、密に褐色の毛があり、花は多数。花柄は無い。花は直径7~8㎜、花弁は5個。雄しべは多数、花冠より長い。核果はつぼ状球形、直径約5㎜、紫黒色に熟す。花期は(7)8~9月。
【山豬肝】小西氏灰木 Symplocos konishii はsynonymとされている。
若芽が紫紅色、豬肝の名はこれに因む。常緑高木。葉は革質、狭楕円形~狭長楕円形、長さ7~15㎝、幅2~5㎝、先は尾状~漸尖形、縁は円鋸歯~鋸歯、上面は平滑、下面は灰緑色~ピンク色、中脈に短い伏毛がまばらにあり、側脈は8~13対。葉柄は長さ7~15㎜、平滑又は又は伏毛がまばらにある。穂状花序の基部が分枝する。果実は球形~首の細いつぼ形、熟すと暗紫色、直径4~6㎜。
33 Symplocos wikstroemiifolia Hayata ガンピバハイノキ
synonym Symplocos microtricha Hand.-Mazz.
中国、台湾、ベトナム、マレーシア原産。中国名は微毛山矾 wei mao shan fan
参考
1) Flora of ChinaSymplocos
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=132035
2) Flora of North AmericaSymplocos
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=1&taxon_id=132035
3) Plants of the World Online | Kew Science Symplocos Jacq.
http://www.plantsoftheworldonline.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:327989-2#children
4)GRINSymplocos
https://npgsweb.ars-grin.gov/gringlobal/taxonomygenus.aspx?id=11773
5) CVH植物标本资源共享子平台Symplocos glauca
http://www.cvh.ac.cn/search/Symplocos%20glauca?n=1