コウシンヤマハッカ 甲信山薄荷

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Flora of Mikawa

シソ科 Lamiaceae ヤマハッカ属

学 名 Isodon umbrosus (Maxim.) H.Hara var. latifolius Okuyama

 synonym Rabdosia umbrosa (Maxim.) Hara var. latifolia (Okuyama) Hara

 synonym Isodon kameba Okuyama ex Ohwi var. latifolius (Okuyama) Okuyama

BB
コウシンヤマハッカ花正面
コウシンヤマハッカ花
コウシンヤマハッカ花2
コウシンヤマハッカ花時の萼
コウシンヤマハッカ花後の萼
コウシンヤマハッカ上萼歯
コウシンヤマハッカ下萼歯
コウシンヤマハッカ枯れてきた萼
コウシンヤマハッカ茎
コウシンヤマハッカ
コウシンヤマハッカの葉
コウシンヤマハッカ果時の萼
コウシンヤマハッカの分果
花 期 9~10月
高 さ 60~90㎝
生活型 多年草
生育場所 山地の林内、林縁
分 布 在来種(日本固有種)  本州(山梨県、長野県南部、静岡県、愛知県)
撮 影 面の木園地  01.10.6
コウシンヤマハッカはイヌヤマハッカの変種で和名は甲信地方に多いことから。葉先は3裂しない。同じイヌヤマハッカの変種のカメバヒキオコシの葉が3裂しないタイプであり、葉幅が4㎝以上と広い。POWOではイヌヤマハッカの下位分類を認めていないが、YListでは認めている。
 葉は対生し、柄があり、長さ5~10㎝、幅4~7㎝の卵形~狭卵形、鋭鋸歯縁、葉の基部は広楔形~切形、葉先が普通、長く尖り、葉先が3裂しない。葉幅がやや狭いもの(狭卵形)や、葉先が長く尖らないものや、やや浅く3裂するなどの変異も見られる。花は茎頂の総状花序に多数つく。花柄が長く、やや垂れ下がりぎみに花がつく。萼は2唇形、上側の3裂する萼歯(3歯の間の切れ込みの深さ約2㎜)の方が下側の萼歯(2歯の間の切れ込みの深さ1~1.5㎜)より長い。花冠は長さ9~11㎜、短毛があり、青紫色、上唇は4裂し、班紋はなく、下唇の縁が内巻きになって舟形に突き出す。雄しべ、雌しべとも花冠より短くて突き出ない。果実は4分果(3分果のことも多い)、褐色、長さ1.7~2.1㎜、鈍い3稜のある類球形。2n=24
 シロバナコウシンヤマハッカ Isodon umbrosus var. latifolius f. albescens はコウシンヤマハッカの白花。
 イヌヤマハッカ Isodon umbrosus var. umbrosus は太平洋側ではやや高地のブナ帯に生える。葉は対生し、葉柄は長さ0.5~2㎝。葉身は長さ3~10㎝、幅1~3(3.5)㎝の長楕円形~披針形、縁は鈍鋸歯~鋭鋸歯、葉先は鋭形、葉の基部は楔形~広楔形~切形、翼のついた葉柄に続く。葉表にまばらに毛が生え、葉裏の中央脈には曲がった毛が生え、葉裏には腺点がある。花柄は紫褐色を帯び、開出する短毛が密生する。花は総状花序状につく。苞は幅が広く、卵形~楕円形。萼は2唇形、短毛が密生し、萼歯は三角形、先は鋭形、上側の萼歯が下側よりやや長く、ほとんど同じ長さの時もある。。花冠は短毛があり、青紫色、長さ8~9㎜、上唇は浅く4裂し、班紋はなく、下唇の縁が内巻きになって舟形に突き出す。雄しべ、雌しべとも花冠より短く、舟の中に納まる。葯は黒褐色。果実は4分果。2n=24
 タカクマヒキオコシIsodon shikokianus var. intermediusはイヌヤマハッカに酷似している。葉裏の中脈上に曲がった微細な毛があり、花柄や萼に微細な腺毛がある。萼歯の先端が細長く、上側の萼歯の方が下側の萼歯より短い。
 カメバヒキオコシ Isodon umbrosus var. leucanthus f. kameba は葉先が3裂する。
 ヤマハッカ Isodon inflexus は普通種。葉の幅が広く、葉先の尖り方が少ない。葉縁の鋸歯もやや鈍い。花冠に班紋がある。