ヒメオトギリ 姫弟切

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Flora of Mikawa

オトギリソウ科 Clusiaceae オトギリソウ属

中国名 地耳草 di er cao
英 名 matted St. John's-wort
学 名 Hypericum japonicum Thunb
  synonym Hypericum japonicum var. typicum Hochr.
  synonym Brathys japonica (Thunb.) Wight
  synonym Sarothra japonica (Thunb.) Y.Kimura
ヒメオトギリの花
ヒメオトギリの苞
ヒメオトギリの萼
ヒメオトギリの果実
ヒメオトギリの葉
ヒメオトギリの葉の明点
ヒメオトギリ
ヒメオトギリ花拡大
ヒメオトギリ種子
花 期 7~8月
高 さ 20~30(~50)㎝
生活型 1年草
生育場所 溝、湿地、川岸、水田、また日陰のない短い草地や道端
分 布 在来種 本州(千葉県以西)、四国、九州、朝鮮、中国、台湾、カンボジア、インド、ネパール、ブータン、スリランカ、ミャンマー、ラオス、タイ、ベトナム、マレーシア、インドネシア(スマトラからイリアンジャヤ)、フィリピン、オーストラリア、ニュージーランド、太平洋諸島
撮 影 設楽町 07.9.8
ヒメオトギリソウはオトギリソウ科オトギリソウ属の湿地や水田などに生える1年草。ヒメオトギリソウ属(Sarothra)として分類されている場合もある。
 1年草、高さ20~30(~50)㎝、直立~傾伏または平伏し、基部または茎に沿って根を張り、分枝しないか、基部から分枝し、ときには上部でも分枝し、(傾伏~平伏する場合は)他の場所にも根を張る。茎は緑色、4角(かど)があり、上部には2稜があり(ancipitous)、平滑な線をもち、節間は長さ2~52㎜で、通常葉より長くなる。葉は無柄、対生し、広がるが、4枚ではなく、残存する。葉身は長さ2~18㎜x幅1~10㎜、広卵状三角形または卵形~長円形または長円状披針形または楕円形またはほぼ円形、まれに倒披針形または倒卵状へら形、平らで、僧帽形(cucullate)ではなく、下面の中脈はわずかに突出し、平滑、下面はより淡色またはときに粉白色で、膜質、先は鈍形~円形、縁は平ら、基部は心形抱茎または稀に漸尖形、鞘を持たず、離生、基部の脈は1~7本で、ときに不明瞭な斜上枝があり、三次脈の網目構造は明らかに欠如し、葉身腺(laminar glands)は密な半透明の点状(明点)、目立たず、黒点はない。花序は花が1~約30個つき、頂生し、最初は規則的に2分枝(dichasial)/1分枝(monochasial)またはまれに偽2分枝(pseudo-dichotomous)で分岐し、ときに最大3節下に花枝が付き、または花が明らかに側方に出る仮軸性(sympodial)で、全体が拡散する。小花柄は長さ(l.4~)2~14㎜。苞は披針状錐形~葉状。花は直径4~8㎜、星形。萼片は長さ2~5.5㎜x幅0.5~2㎜、等長~不等長、覆瓦状になり、狭長楕形または稀に披針形~楕円形または倒卵形、先は鋭形または鈍形~円形、縁は全縁。脈は3~5本、分岐せず、しばしば中脈が突出し、腺は線形、上部では点状。花弁は淡黄色~鮮黄色またはオレンジ色、外側には赤色の脈はなく、長さ1.7~5㎜x 幅0.8~1.8㎜、萼片の長さの0.8~1.3倍、倒卵形~長楕円形または楕円形、先端の小突起は退化しているか欠落し、腺は欠落している。雄しべは5~30本、不規則または少数の場合は5個の不明瞭な集団になり、最長1.5~2.8㎜、花弁の長さの0.4~0.8倍。子房は長さ1~1.5(~1.8)㎜x幅0.5~1㎜、広卵形~ほぼ球形。花柱は(2)3本、長さ0.4~0.8(~1)㎜、子房の長さの0.4~0.6倍。柱頭はやや広い頭状。蒴果は長さ(2~)2.5~6㎜x幅1.3~2.8㎜、円筒形~球形、萼片よりわずかに短いか、まれに萼片と等しいかそれを超える。種子は多数、長さ約0.5 ㎜。種皮は細かい線状はしご形(linear- scalariform)。2n=16。花期は7~8月。
 コケオトギリは別名マルバヒメオトギリ。全体にやや小さく、茎もやや細く、苞が葉と同形。また、雄しべが5~10個と少なく、雄しべがもつれるように固まっていることが多い。YListではコケオトギリをHypericum laxumとして認めているが、POWOではヒメオトギリソウのsynonymである。
 オトギリソウサワオトギリは黒点がある。