ヒメガンクビソウ 姫雁首草

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Flora of Mikawa

キク科 Asteraceae ガンクビソウ属

学 名 Carpesium rosulatum Miq.
ヒメガンクビソウ花序
ヒメガンクビソウ頭花
ヒメガンクビソウ頭花2
ヒメガンクビソウ茎葉表
ヒメガンクビソウ茎葉裏
ヒメガンクビソウ茎
ヒメガンクビソウ
ヒメガンクビソウ花3
ヒメガンクビソウの根生葉
ヒメガンクビソウ葉表
ヒメガンクビソウ葉裏
ヒメガンクビソウ葉裏2
花 期 8~10月
高 さ 15~45㎝
生活型 多年草
生育場所 山野の木陰
分 布 在来種  日本(本州、四国、九州)、朝鮮(済州島、鬱陵島)
撮 影 浜松市  17.9.1
ガンクビソウ属の多年草。茎が直立し、普通、高さ15~45㎝、細く、上向きの伏した毛があり、上部で分枝する。葉は根生葉及び茎葉、葉の両面に伏した白色~黄褐色(基部の葉)の毛と白色の腺点がある。根出葉は花期にも残り、ロゼット状につき、へら状披針形、長さ6~15㎝(観察したものは植物体がどれも小形で、高さ25㎝以下、葉は長さ6~7㎝、幅1.3~1.5㎝)、先は鈍形、縁は不規則な鋸歯がある。茎葉は少なく、互生し、根生葉より小さく、上部ほど小さく、花序柄の基部に無い場合もあり、花序柄の中間につく場合もあり、鋸歯がまばらで低い。頭花は枝先や茎の葉腋につき、花序柄が曲がって下向きになり、淡黄色、直径4~5㎜。総苞は筒状鐘形、長さ約6.5㎜(観察したものは筒状卵形、総苞基部までで長さ7~8㎜、幅は先端部で約2㎜、基部の最大部で約4㎜、花托は平ら、直径約2.5㎜の円形)。蕾は総苞外片に包まれ、初めほぼ球形、腺点が目立つ。高出葉は有る場合、無い場合がある。総苞片は3~4列。外総苞片は草質、先が短く反り返り、縁が膜質、縁毛があり、腺毛が混じり、基部には腺点がある。かえり、その内側の総苞片は基部の幅が広く、卵形~長卵形、先が短く反曲し、縁毛がある。内側の総苞片は長楕円形、先~全体が膜質、先は鈍形~円形で先だけに縁毛がある。小花は多数 、すべて筒状花、子房の上部に粘液腺があり、基部には無い。(観察したものは①総苞片15個、高出葉は無い。小花は18個、②総苞片15個+高出葉4個、小花23個、うち雌性小花5個、筒状花冠の長さ約2~2.5㎜、幅約0.3㎜、子房上部の粘液腺部分は長さ約1㎜、子房は長さ約2~2.5㎜、幅約0.5㎜、細い溝条あり)。痩果は長さ約3.5㎜、冠毛は無い。花期は8~10月。2n=40。
 類似種で根生葉が花期に残るのは、全体に大きく、やや花が大きいサジガンクビソウ、葉柄に翼があるミヤマヤブタバコである。
 花期に根生葉が無い類似種はガンクビソウ、葉幅が広く、総苞片が同長のノッポロガンクビソウ、茎葉が披針形のコバナガンクビソウ(バンジンガンクビソウ)、花の直径が25~35㎜と大きく、葉基部が翼状になるオオガンクビソウ、総苞外片が短く、2列に見え、葉が細長いホソバガンクビソウがある。
 他に葉柄に翼があるのはヤブタバココヤブタバコである。花の大きさには変化もあり、よく観察しないと混同しやすい。ヤブタバコは花が黄色、コヤブタバコは花が緑白色。

参考

1) Carpesium in Flora of China @ efloras.org
 188. Carpesium Linnaeus
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=105695
2) Plants of the World Online | Kew Science
 Carpesium Linnaeus
https://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:8107-1
3) 新牧野日本植物図鑑(2008)
 ヒメガンクビソウ
http://www.hokuryukan-ns.co.jp/makino/coma1.php?no1=177
4) 애기담배풀 - 국립생물자원관 한반도의 생물다양성
 Carpesium rosulatum Miq.
https://species.nibr.go.kr/species/speciesDetail.do?ktsn=120000063793
5) 植物研究雑誌 66(1): 26–34(1991)
 日本産ヤブタバコ属 8種 1変種の核型分析
http://www.jjbotany.com/pdf/JJB_066_26_34.pdf