ドウダンツツジ 灯台躑躅
Flora of Mikawa
ツツジ科 Ericaceae ドウダンツツジ属
中国名 | 台湾吊钟花 tai wan diao zhong hua |
学 名 | Enkianthus perulatus (Miq.) C.K.Schneid. |
花 期 | 4~5月 |
高 さ | 1~2m |
生活型 | 落葉低木 |
生育場所 | 山地 |
分 布 | 栽培種又は在来種(高知県錦山) |
撮 影 | 田原市 05.12.3 |
基準品種 form. perulatus がドウダンツツジであり、form. japonica が日本に自生するヒロハドウダンツツジである。ドウダンツツジは葉幅が8~15㎜と狭いものであり、高知県の錦山の蛇紋岩地帯に自生している。ドウダンツツジは栽培種となっており、ヒロハドウダンツツジの中から選んだ園芸品種とも考えられている。また、葉幅の中間的なものも存在し、区別せず、すべてドウダンツツジとする見解もある。
幹は灰色、不規則に剥がれる。葉は互生し、枝先に輪生状に葉がかたまってつく。葉は長さ2~4(6)㎝、幅8~15(20)㎜、葉先は先端に腺状突起があり、基部は楔形、葉縁に微細な鋸歯がある。花は散形につき、花柄で垂れ下がる。花序軸は無毛。花冠は白色、長さ7~9㎜の卵状壺形、花冠の基部が萼片と萼片の間で隆起する。蒴果は長さ約8㎜の狭長楕円形、上向きにつく。
ヒロハドウダンツツジ form. japonicus は本州(静岡県以西)、四国(徳島、高知県)、九州(鹿児島県)に分布する。葉は長さ2~3㎝、幅15~25㎜の倒卵形。枝先に1~5個の花を散形に下垂する。花冠は長さ7~8㎜の壺形、白色、先は浅く5裂し、反曲する。蒴果は長さ7~9㎜、上向きにつく。愛知県ではヒロハドウダンツツジは東三河地域の新城市内に自生するだけであり、絶滅危惧Ⅱ類に指定している。
コアブラツツジEnkianthus nudipes も若い枝が無毛。花冠は長さ4~5㎜、花冠にほとんどしわがない。果実が垂れ下がってつき、惰円形。
低木又は小高木、落葉まれに、常緑。葉は小枝の先に束生し、葉柄がある。葉身は鋸歯縁又は水全縁。花序は頂生、散形花序、散房花序、又は総状花序につき、花がまれに、単生又は双生し、5数性。花冠は広鐘形~つぼ形。花冠裂片は短い。雄しべは花冠よりかなり短い。花糸は扁平、明瞭に基部が膨れる。葯は長円形、半葯は長い隙間から裂開し、先に芒があり、花粉粒は1個。子房は上位、各室に少数の胚珠をもつ。柱頭は切形。蒴果は胞背裂開、卵形。種子は数個又は1個。種皮には薄片状の翼がある。
世界に12種あり、ヒマラヤ東部~中国~日本に分布し、南のインドシナ半島まで広がる。
日本固有種(北海道、本州の近畿地方以東、四国) 。英名はredvein enkianthus
在来種であるが、ドウダンツツジと同じようによく栽培されている。別名フウリンツツジ
落葉低木、高さ2~5m。幹は暗赤褐色~灰褐色。葉は互生し、枝先に集まり、長さ3~7㎝、幅1.5~3.5㎝の倒卵状惰円形、葉縁には細かい鋸歯がある。葉柄は長さ5~12㎜。長さ2~3㎝の短い花序が垂れ下がり、花を5~10個つける。花冠は長さ8~12㎜、先が5裂し、裂片は円く、淡紅白色に赤い縦筋がある。花柄は長さ1~2㎝。雄しべ10個、花糸は有毛。花柱が花冠から突き出ない。蒴果は長さ6~8㎜の惰円形、垂れ下がって上向きになる。種子は長さ約5㎜、周囲に不規則な翼がある。花期は4~5月。
品種) 'Akatsuki' , 'Albiflorus' , 'Bruce Briggs' , 'Donardensis' , 'Faser's Picotee' , 'Green Shades' , 'Hollandia' , 'Hollandia Red , 'Jan Iseli Pink' , 'Jan Iseli Red' , 'Kisojinoharu' , 'Miyamabeni' , 'Miyama-beni' , Nymans form , 'Pagoda' , 'Pagode , 'Pendulus' , 'Princeton Red Bells' , 'Recurvus' , 'Red Bells' , 'Red Velvet' , 'Renoir' , 'Rubrum' , 'Ruby Glow' , 'Showy Lantern' , 'Sinsetu' , 'Summer Hill' , 'Sunrise' , 'Tokyo Masquerade' (v) , 'Variegata' , 'Venus' , 'Victoria' , 'Virgo' , 'Wallaby ,
1-1 Enkianthus campanulatus (Miq.) G.Nicholson f. albiflorus (Makino) Makino シロバナフウリンツツジ
1-2 Enkianthus campanulatus (Miq.) G.Nicholson f. lutescens F.Yokouchi キバナフウリンツツジ
1-3 Enkianthus campanulatus (Miq.) G.Nicholson var. kikuchi-masaoi (Mochizuki) Sugim. ミヤマドウダン
synonym Enkianthus kikuchi-masaoi Mochizuki
1-4 Enkianthus campanulatus (Miq.) G.Nicholson var. longilobus (Nakai) Makino ツクシドウダン
synonym Enkianthus longilobus (Nakai) Ohwi
synonym Enkianthus campanulatus (Miq.) G.Nicholson subsp. longilobus (Nakai) Kitam.
1-5 Enkianthus campanulatus (Miq.) G.Nicholson var. palibinii (Craib) Bean ベニサラサドウダン
synonym Enkianthus campanulatus (Miq.) G.Nicholson var. rubicundus (Matsum. et Nakai) Makino
2 Enkianthus cernuus (Siebold et Zucc.) Makino シロドウダン 広義
品種) 'Yanagiba'
2-1 Enkianthus cernuus (Siebold et Zucc.) Makino f. cernuus シロドウダン
2-2 Enkianthus cernuus (Siebold et Zucc.) Makino f. rubens (Maxim.) Ohwi ベニドウダン
synonym Enkianthus cernuus (Siebold et Zucc.) Makino var. matsudae (Komatsu) Makino
日本固有種(本州の関東~近畿地方、四国、九州)
落葉低木、高さ2~4m。葉は互生し、枝先に集まってつき、長さ1.5~4㎝、幅0.7~1.5 ㎝の倒卵形、先端に腺状突起があり、葉縁には細かな鋸歯がある。葉表は無毛、葉裏は基部にまばらに毛がある。長さ3~4㎝の花序に花を5~10個、下垂し、濃紅色。花冠は長さ3~6㎜の鐘形で、先が不揃いに細裂し、裂片は鋭い三角形。花柱が花冠から突き出るのが普通。花期は5~6月。
3 Enkianthus deflexus (Griffith) C. K. Schneider
中国、インド、ブータン、ネパール、ミャンマー原産。中国名は毛叶吊钟花 mao ye diao zhong hua 。英名はHimalayan red bells
品種) Ken's Giant Red
4 Enkianthus nudipes (Honda) Ohwi コアブラツツジ 小油躑躅
synonym Enkianthus subsessilis (Miq.) Makino var. nudipes (Honda) Ohwi
synonym Enkianthus subsessilis (Miq.) Makino subsp. nudipes (Honda) Kitam.
日本固有種(本州の東海地方、近畿地方、紀伊半島、四国の徳島県、高知県)
楽油低木、高さ1~3m。中部地方以北に分布するアブラツツジに似ているが、若枝に毛が生えない。葉は互生し、枝先に5枚の葉がかたまってつく。葉は長さ2~4㎝で、葉の表面には光沢がある。花は総状につき、長い花柄で垂れ下がる。花序軸は無毛。花冠は白色、長さ4~5㎜の壺形。蒴果は惰円形、垂れ下がる。秋には赤く、紅葉する。三河では豊川市の宮路山・北側斜面の群生地が有名で、春の花、秋の紅葉と楽しめる。花期は5~6月。
5 Enkianthus perulatus (Miq.) C.K.Schneid. ドウダンツツジ 灯台躑躅
synonym Enkianthus taiwanianus S.S.Ying
栽培種又は在来種(高知県錦山)。中国名は日本吊钟花
落葉低木、高さ1~2m。幹は灰色、不規則に剥がれる。葉は互生し、枝先に輪生状に葉がかたまってつく。葉は長さ2~4(6)㎝、幅8~15(20)㎜、葉先は先端に腺状突起があり、基部は楔形、葉縁に微細な鋸歯がある。花は散形につき、花柄で垂れ下がる。花序軸は無毛。花冠は白色、長さ7~9㎜の卵状壺形、花冠の基部が萼片と萼片の間で隆起する。蒴果は長さ約8㎜の狭長楕円形、上向きにつく。花期は4~5月。
品種) 'Angustifolia' , 'Compactus' , 'J.L. Pennock' , 'Tsukumo'
5-1 Enkianthus perulatus (Miq.) C.K.Schneid. f. japonicus (Hook.f.) Kitam. ヒロハドウダンツツジ
synonym Enkianthus perulatus (Miq.) C.K.Schneid. var. japonicus (Hook.f.) Nakai
本州(静岡県以西)、四国(徳島、高知県)、九州(鹿児島県)に分布する。
葉は長さ2~3㎝、幅15~25㎜の倒卵形。枝先に1~5個の花を散形に下垂する。花冠は長さ7~8㎜の壺形、白色、先は浅く5裂し、反曲する。蒴果は長さ7~9㎜、上向きにつく。愛知県ではヒロハドウダンツツジは東三河地域の新城市内に自生するだけであり、絶滅危惧Ⅱ類に指定している。
6 Enkianthus quinqueflorus Lour. コヤスドウダン 子安灯台(ホンコンドウダ 香港灯台)
synonym Enkianthus cavaleriei H. Leveille
中国、ベトナム原産。中国名は吊钟花 diao zhong hua。
低木又は小高木、落葉、高さ 1~3(~10)m。小枝は無毛。葉柄は長さ0.5~1.5㎝、無毛。葉身は 楕円形、楕円状披針形、又は倒卵状披針形、まれに、披針形、長さ5~15㎝×幅1.6~5㎝、革質、無毛、中脈は下面に盛り上がり、上面は ± 平ら、2次脈と細脈ははっきり、両面に盛り上がり、基部は楔形、全縁、ときに、先に向かって曲がりくねった細鋸歯がまばらにあり、先は尖鋭形又は短く急に尖鋭形。花序は散形花序状、花が3~8個つく。花柄は長さ1~2㎝、無毛。咢は無毛、咢片は卵状披針形~三角状披針形、長さ2~3㎜。花冠はピンク色、赤色又は白色、広鐘形、長さ0.8~1.2㎝、花冠裂片は後ろ巻き、三角状卵形。雄しべは長さ約4㎜、花糸は有毛。子房は無毛又は密に毛がある。蒴果は5角(かど)があり、長さ7~12㎜。果柄は直立し、長さ2~3.5㎜。花期は1~6月。果期は3~9月。
品種) 'Pink Chandelier' ピンクシャンデリア
7 Enkianthus sikokianus (Palib.) Ohwi カイナンサラサドウダン 海南更紗灯台
synonym Enkianthus campanulatus (Miq.) G.Nicholson var. sikokianus Palib.
本州(愛知県、三重県、和歌山県)、四国に分布する。
長さ4~9㎝の細長い花序に8~20個の花を下垂する。花冠は長さ7~8㎜、先が5裂し、緑色を帯びた朱色。蒴果は垂れ下がって上向きになる。
8 Enkianthus subsessilis (Miq.) Makino アブラツツジ 油躑躅
本州の中部地方以北に分布。山地に生える
落葉低木、高さ2~3m、よく分枝する。若枝は無毛。葉は枝先に集まって互生し、葉柄は長さ1~3㎜、縮れた毛が散生する、葉身は長さ2~3㎝、倒卵形、基部は楔形、先は鋭形、縁には細い鋭鋸歯があり、下面は油を塗ったような光沢がある。総状花序は頂生、枝先に垂れ下がり、長さ3~5㎝。花冠は淡緑色、つぼ形、長さ約5㎜、先は浅く5裂して反り返る。蒴果はほぼ球形、赤褐色、光沢があり、垂れ下がって5つに裂開する。
8-1 Enkianthus subsessilis (Miq.) Makino var. angustifolius H.Hatta et K.Yoshida ホソバアブラツツジ 細葉油躑躅
synonym Enkianthus subsessilis (Miq.) Makino f. angustifolius H.Hatta ex T.Yamaz.
9 その他ハイブリッド
品種) 'Pagoda Red'
Enkianthus
Enkianthus
The Phylogeny of Japanese Enkianthus species (Ericaceae)
幹は灰色、不規則に剥がれる。葉は互生し、枝先に輪生状に葉がかたまってつく。葉は長さ2~4(6)㎝、幅8~15(20)㎜、葉先は先端に腺状突起があり、基部は楔形、葉縁に微細な鋸歯がある。花は散形につき、花柄で垂れ下がる。花序軸は無毛。花冠は白色、長さ7~9㎜の卵状壺形、花冠の基部が萼片と萼片の間で隆起する。蒴果は長さ約8㎜の狭長楕円形、上向きにつく。
ヒロハドウダンツツジ form. japonicus は本州(静岡県以西)、四国(徳島、高知県)、九州(鹿児島県)に分布する。葉は長さ2~3㎝、幅15~25㎜の倒卵形。枝先に1~5個の花を散形に下垂する。花冠は長さ7~8㎜の壺形、白色、先は浅く5裂し、反曲する。蒴果は長さ7~9㎜、上向きにつく。愛知県ではヒロハドウダンツツジは東三河地域の新城市内に自生するだけであり、絶滅危惧Ⅱ類に指定している。
コアブラツツジEnkianthus nudipes も若い枝が無毛。花冠は長さ4~5㎜、花冠にほとんどしわがない。果実が垂れ下がってつき、惰円形。
ドウダンツツジ属
family Ericaceae - genus Enkianthus低木又は小高木、落葉まれに、常緑。葉は小枝の先に束生し、葉柄がある。葉身は鋸歯縁又は水全縁。花序は頂生、散形花序、散房花序、又は総状花序につき、花がまれに、単生又は双生し、5数性。花冠は広鐘形~つぼ形。花冠裂片は短い。雄しべは花冠よりかなり短い。花糸は扁平、明瞭に基部が膨れる。葯は長円形、半葯は長い隙間から裂開し、先に芒があり、花粉粒は1個。子房は上位、各室に少数の胚珠をもつ。柱頭は切形。蒴果は胞背裂開、卵形。種子は数個又は1個。種皮には薄片状の翼がある。
世界に12種あり、ヒマラヤ東部~中国~日本に分布し、南のインドシナ半島まで広がる。
ドウダンツツジ属の主な種と園芸品種
1 Enkianthus campanulatus (Miq.) G.Nicholson サラサドウダン 更紗灯台日本固有種(北海道、本州の近畿地方以東、四国) 。英名はredvein enkianthus
在来種であるが、ドウダンツツジと同じようによく栽培されている。別名フウリンツツジ
落葉低木、高さ2~5m。幹は暗赤褐色~灰褐色。葉は互生し、枝先に集まり、長さ3~7㎝、幅1.5~3.5㎝の倒卵状惰円形、葉縁には細かい鋸歯がある。葉柄は長さ5~12㎜。長さ2~3㎝の短い花序が垂れ下がり、花を5~10個つける。花冠は長さ8~12㎜、先が5裂し、裂片は円く、淡紅白色に赤い縦筋がある。花柄は長さ1~2㎝。雄しべ10個、花糸は有毛。花柱が花冠から突き出ない。蒴果は長さ6~8㎜の惰円形、垂れ下がって上向きになる。種子は長さ約5㎜、周囲に不規則な翼がある。花期は4~5月。
品種) 'Akatsuki' , 'Albiflorus' , 'Bruce Briggs' , 'Donardensis' , 'Faser's Picotee' , 'Green Shades' , 'Hollandia' , 'Hollandia Red , 'Jan Iseli Pink' , 'Jan Iseli Red' , 'Kisojinoharu' , 'Miyamabeni' , 'Miyama-beni' , Nymans form , 'Pagoda' , 'Pagode , 'Pendulus' , 'Princeton Red Bells' , 'Recurvus' , 'Red Bells' , 'Red Velvet' , 'Renoir' , 'Rubrum' , 'Ruby Glow' , 'Showy Lantern' , 'Sinsetu' , 'Summer Hill' , 'Sunrise' , 'Tokyo Masquerade' (v) , 'Variegata' , 'Venus' , 'Victoria' , 'Virgo' , 'Wallaby ,
1-1 Enkianthus campanulatus (Miq.) G.Nicholson f. albiflorus (Makino) Makino シロバナフウリンツツジ
1-2 Enkianthus campanulatus (Miq.) G.Nicholson f. lutescens F.Yokouchi キバナフウリンツツジ
1-3 Enkianthus campanulatus (Miq.) G.Nicholson var. kikuchi-masaoi (Mochizuki) Sugim. ミヤマドウダン
synonym Enkianthus kikuchi-masaoi Mochizuki
1-4 Enkianthus campanulatus (Miq.) G.Nicholson var. longilobus (Nakai) Makino ツクシドウダン
synonym Enkianthus longilobus (Nakai) Ohwi
synonym Enkianthus campanulatus (Miq.) G.Nicholson subsp. longilobus (Nakai) Kitam.
1-5 Enkianthus campanulatus (Miq.) G.Nicholson var. palibinii (Craib) Bean ベニサラサドウダン
synonym Enkianthus campanulatus (Miq.) G.Nicholson var. rubicundus (Matsum. et Nakai) Makino
2 Enkianthus cernuus (Siebold et Zucc.) Makino シロドウダン 広義
品種) 'Yanagiba'
2-1 Enkianthus cernuus (Siebold et Zucc.) Makino f. cernuus シロドウダン
2-2 Enkianthus cernuus (Siebold et Zucc.) Makino f. rubens (Maxim.) Ohwi ベニドウダン
synonym Enkianthus cernuus (Siebold et Zucc.) Makino var. matsudae (Komatsu) Makino
日本固有種(本州の関東~近畿地方、四国、九州)
落葉低木、高さ2~4m。葉は互生し、枝先に集まってつき、長さ1.5~4㎝、幅0.7~1.5 ㎝の倒卵形、先端に腺状突起があり、葉縁には細かな鋸歯がある。葉表は無毛、葉裏は基部にまばらに毛がある。長さ3~4㎝の花序に花を5~10個、下垂し、濃紅色。花冠は長さ3~6㎜の鐘形で、先が不揃いに細裂し、裂片は鋭い三角形。花柱が花冠から突き出るのが普通。花期は5~6月。
3 Enkianthus deflexus (Griffith) C. K. Schneider
中国、インド、ブータン、ネパール、ミャンマー原産。中国名は毛叶吊钟花 mao ye diao zhong hua 。英名はHimalayan red bells
品種) Ken's Giant Red
4 Enkianthus nudipes (Honda) Ohwi コアブラツツジ 小油躑躅
synonym Enkianthus subsessilis (Miq.) Makino var. nudipes (Honda) Ohwi
synonym Enkianthus subsessilis (Miq.) Makino subsp. nudipes (Honda) Kitam.
日本固有種(本州の東海地方、近畿地方、紀伊半島、四国の徳島県、高知県)
楽油低木、高さ1~3m。中部地方以北に分布するアブラツツジに似ているが、若枝に毛が生えない。葉は互生し、枝先に5枚の葉がかたまってつく。葉は長さ2~4㎝で、葉の表面には光沢がある。花は総状につき、長い花柄で垂れ下がる。花序軸は無毛。花冠は白色、長さ4~5㎜の壺形。蒴果は惰円形、垂れ下がる。秋には赤く、紅葉する。三河では豊川市の宮路山・北側斜面の群生地が有名で、春の花、秋の紅葉と楽しめる。花期は5~6月。
5 Enkianthus perulatus (Miq.) C.K.Schneid. ドウダンツツジ 灯台躑躅
synonym Enkianthus taiwanianus S.S.Ying
栽培種又は在来種(高知県錦山)。中国名は日本吊钟花
落葉低木、高さ1~2m。幹は灰色、不規則に剥がれる。葉は互生し、枝先に輪生状に葉がかたまってつく。葉は長さ2~4(6)㎝、幅8~15(20)㎜、葉先は先端に腺状突起があり、基部は楔形、葉縁に微細な鋸歯がある。花は散形につき、花柄で垂れ下がる。花序軸は無毛。花冠は白色、長さ7~9㎜の卵状壺形、花冠の基部が萼片と萼片の間で隆起する。蒴果は長さ約8㎜の狭長楕円形、上向きにつく。花期は4~5月。
品種) 'Angustifolia' , 'Compactus' , 'J.L. Pennock' , 'Tsukumo'
5-1 Enkianthus perulatus (Miq.) C.K.Schneid. f. japonicus (Hook.f.) Kitam. ヒロハドウダンツツジ
synonym Enkianthus perulatus (Miq.) C.K.Schneid. var. japonicus (Hook.f.) Nakai
本州(静岡県以西)、四国(徳島、高知県)、九州(鹿児島県)に分布する。
葉は長さ2~3㎝、幅15~25㎜の倒卵形。枝先に1~5個の花を散形に下垂する。花冠は長さ7~8㎜の壺形、白色、先は浅く5裂し、反曲する。蒴果は長さ7~9㎜、上向きにつく。愛知県ではヒロハドウダンツツジは東三河地域の新城市内に自生するだけであり、絶滅危惧Ⅱ類に指定している。
6 Enkianthus quinqueflorus Lour. コヤスドウダン 子安灯台(ホンコンドウダ 香港灯台)
synonym Enkianthus cavaleriei H. Leveille
中国、ベトナム原産。中国名は吊钟花 diao zhong hua。
低木又は小高木、落葉、高さ 1~3(~10)m。小枝は無毛。葉柄は長さ0.5~1.5㎝、無毛。葉身は 楕円形、楕円状披針形、又は倒卵状披針形、まれに、披針形、長さ5~15㎝×幅1.6~5㎝、革質、無毛、中脈は下面に盛り上がり、上面は ± 平ら、2次脈と細脈ははっきり、両面に盛り上がり、基部は楔形、全縁、ときに、先に向かって曲がりくねった細鋸歯がまばらにあり、先は尖鋭形又は短く急に尖鋭形。花序は散形花序状、花が3~8個つく。花柄は長さ1~2㎝、無毛。咢は無毛、咢片は卵状披針形~三角状披針形、長さ2~3㎜。花冠はピンク色、赤色又は白色、広鐘形、長さ0.8~1.2㎝、花冠裂片は後ろ巻き、三角状卵形。雄しべは長さ約4㎜、花糸は有毛。子房は無毛又は密に毛がある。蒴果は5角(かど)があり、長さ7~12㎜。果柄は直立し、長さ2~3.5㎜。花期は1~6月。果期は3~9月。
品種) 'Pink Chandelier' ピンクシャンデリア
7 Enkianthus sikokianus (Palib.) Ohwi カイナンサラサドウダン 海南更紗灯台
synonym Enkianthus campanulatus (Miq.) G.Nicholson var. sikokianus Palib.
本州(愛知県、三重県、和歌山県)、四国に分布する。
長さ4~9㎝の細長い花序に8~20個の花を下垂する。花冠は長さ7~8㎜、先が5裂し、緑色を帯びた朱色。蒴果は垂れ下がって上向きになる。
8 Enkianthus subsessilis (Miq.) Makino アブラツツジ 油躑躅
本州の中部地方以北に分布。山地に生える
落葉低木、高さ2~3m、よく分枝する。若枝は無毛。葉は枝先に集まって互生し、葉柄は長さ1~3㎜、縮れた毛が散生する、葉身は長さ2~3㎝、倒卵形、基部は楔形、先は鋭形、縁には細い鋭鋸歯があり、下面は油を塗ったような光沢がある。総状花序は頂生、枝先に垂れ下がり、長さ3~5㎝。花冠は淡緑色、つぼ形、長さ約5㎜、先は浅く5裂して反り返る。蒴果はほぼ球形、赤褐色、光沢があり、垂れ下がって5つに裂開する。
8-1 Enkianthus subsessilis (Miq.) Makino var. angustifolius H.Hatta et K.Yoshida ホソバアブラツツジ 細葉油躑躅
synonym Enkianthus subsessilis (Miq.) Makino f. angustifolius H.Hatta ex T.Yamaz.
9 その他ハイブリッド
品種) 'Pagoda Red'
参考
1) Flora of ChinaEnkianthus
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=111714
2) GRINEnkianthus
https://npgsweb.ars-grin.gov/gringlobal/taxonomygenus.aspx?id=4275
3)Bull. Natl. Mus. Nat. Sci., Ser. B, 38(1), pp. 11–17, February 22, 2012The Phylogeny of Japanese Enkianthus species (Ericaceae)
https://www.kahaku.go.jp/research/publication/botany/download/38_1/BNMNS_B3801_011-017.pdf