ダグラスイヌホオズキ類似種

Flora of Mikawa
ナス科 Solanaceae ナス属
英 名 | Douglas' nightshade , greenspot nightshade |
学 名 | Solanum douglasii Dunal synonym Solanum nigrum L. var. douglasii (Dunal) A. Gray |















花 期 | 7~11月 |
高 さ | 50~100㎝ |
生活型 | 1年草又は多年草 |
生育場所 | 田の畔、草地、湿った場所 |
分 布 | 帰化種 北アメリカ西南部原産 |
撮 影 | 蒲郡市 11.9.22 |
Solanum douglasii Dunalはナス属の雑草。写真はSolanum douglasii Dunalに似た花冠中心が褐色を帯びるダグラスイヌホオズキ類似種である。Solanum douglasii Dunalは和名がないため、ダグラスイヌホオズキ(仮称)と呼ぶ。
ダグラスイヌホオズキはオオイヌホオズキ(Solanum nigrescens)によく似ているとされ、原産地の米国でも同一種とされていたたことがあり、古い文献のSolanum douglasiiはSolanum nigrescensであるものも多い。日本で報告されたオオイヌホオズキも初めはSolanum douglasiiとされたが、Solanum nigrescensに訂正されている。Flora of North America(FNA)の解説では、Solanum douglasiiは種子が大きく、葯が長く、わずかに先細りで、花糸が非常に短い(葯の長さに比べて)ため、開花中の植物としての優れた特徴となるとしている。また、S. douglasii の蕾は、S. nigrescens の蕾よりも先が狭くなり、球状顆粒は(2~)6~8個である、としている。ダグラスイヌホオズキ(Solanum douglasii)は花冠の基部が緑色~黄緑色~帯褐色であり、これに対し、オオイヌホオズキ(Solanum nigrescens)の花冠の基部は緑色または黄緑色~帯紫色(非常にまれに暗紫色)とされている。オオイヌホオズキの果実には球状顆粒が(4)5~6(13)個あるとされているが、調査したオオイヌホオズキには球状顆粒が0~5個以下のものも多く、SEINet:CANOTIA 5 (1):2009年の解説ではSolanum douglasiiは種子が幅1~1.6mm、球状顆粒が0~5個で、花冠の基部が褐色になることがあるとされ、球状顆粒が0~5個のものをSolanum douglasiiと推定して調査した。その結果、ほぼSolanum douglasiiに近いものであった。Solanum douglasiiには和名がなく、Douglas' nightshadeといわれることからダグラスイヌホオズキと仮称した。しかし、種子は長さでなく、幅が1~1.6mmであり、2019年のSandra Knapp etc.(2019)の解説では球状顆粒はFNAの解説と同じで1果当たり(2~)6~8個であり、種子は長さ1.5~1.9mm×幅1.2~1.5mm[FNA:長さ1.5~2mm×幅1~1.5mm]、花柱の長さが6.5~7.5mm、葯から1.7~2.3mm突き出し、葯は長く長さ(2.5~)3~4.5mmであり、花糸が短いとされた。これにより写真のダグラスイヌホオズキと仮称したものは種子が小さく、Solanum douglasiiではない可能性が高く、ダグラスイヌホオズキ類似種に訂正した。果実の萼片の密着もややあいまいで、反り返りもあり、果実の光沢もわずかにある。種子の幅は測定していなかったが画像から測定すると幅1.1~1.3mm程度であり、種子の長さは短いが、幅はほぼ範囲内に入る。
【Knapp etc.(2019)の解説】
多年生の亜木質の草本または低木で、直立または斜上し、高さ2m以下になる。茎は円柱形、緑色または帯紫色、中程度~密に毛が生え、毛は長さ0.5~1mmの単純で単列の4~10細胞の広がる無腺毛がある。新芽にはより密に毛が生える。仮軸枝は2葉があり(difoliate)、葉は双生(geminate)ではない。葉は単純で、長さ3~10(~17)cm、幅1.3~5(~7.5)cm、(広)卵形~披針形、緑色または紫色の斑点があり、上面は緑色、下面はより薄い灰緑色であり、上面には中程度~密に毛が生え、茎にあるような単純で単列の毛が、葉身と葉脈に沿って均等に広がり、主脈は4~6対、下面で明瞭であり、基部は急に狭まり~漸尖し、ときに非対称で、葉柄に沿下し、縁は波状の歯~歯があり、稀に全縁、先は鋭形。葉柄は長さ1~4(~7)cm、茎と同様に単純単列の毛が中程度~密にある。花序は長さ1.5~4.5cm、側生し、節間につき、不分枝~ときに2股に分枝し、花序軸に沿って(3~)6~14個の花が間隔をあけてつき、茎のものと同様に単純単列の毛が中程度~密にある。花序柄は長さ1.5~4cm。小花柄は長さ10~41mm、基部の直径0.3~0.4mm、先端の直径0.4~0.6mmで、真っ直ぐ広がり、基部に関節があり、花冠間の距離は約0.5~1mm。花芽は卵形、先が細くなり、花冠は萼筒から長さの1/5突き出る。花は5数性、すべて完全花。萼筒は長さ1~2mm、萼片は長さ(1~)1.5~2.9mm、幅0.7~1.5mm、披針形~広三角形、先は鈍形~鋭形、中程度~密に毛があり、茎と同様な単純で単列の毛がある。花冠は直径13~15(~20)mm、星形、白色~ライラック色、中央の目は黄緑色、基部は黒色、基部の1/3までの裂片があり、裂片は長さ4.5~7mm、幅2~4mm、花時に強く反り返り、外側にまばらに毛があり、茎や葉の毛に似ているが短い1~4細胞の単純な単列毛がある。雄しべは等長、花糸の筒部は長さ0.3~1mm、花糸の自由部分は長さ0.1~0.5(1)mm、外側にまばらに毛があり、単列の4~6細胞の単純な毛が開出する。葯は長さ(2.5~)3~4.5mm、幅0.9~1.2mm、楕円形で先に向かってわずかに先細り、黄色、先端に孔があり、孔は老化とともに長くなって裂け目になる。子房は球形、無毛。花柱は長さ6.5~7.5mm、葯錐(anther cone:葯が花柱の周りに輻合した円錐状の集合)から1.7~2.3mm突出し、基部から1/2~2/3まで 2~3細胞の単列毛が密生する。柱頭は頭状、微細なパピラがあり、生きた植物では緑色。果実は球形の液果、直径6~14mm、成熟すると黒色で不透明、果皮の表面は艶消しになる。果時の小花柄は長さ8~11mm、基部の直径0.4~0.5mm、先端の直径0.5~0.6mm、間隔1~3mm、広がって反り返り、成熟果実とともに落ち、ごくまれに花序軸に残る。果時の萼は増大せず、萼筒は長さ1mm未満、萼片は長さ1.2~3mm、果皮に密着する。種子は通常1果当たり50個以上、長さ1.5~1.9mm、幅1.2~1.5mm、扁平で涙滴形、ほぼ先にへそ持ち、褐色、表面に微細な穴があいており、種皮細胞の輪郭は五角形。球状顆粒(stone cells)は1果当たり(2~)6~8個、やや大きく、直径0.5~0.7mm。2n=2×=24 (Henderson 1974; Heiser et al. 1965 (S. amethystinum として); Edmonds 1982, 1983; Stebbins and Paddock 1949; Heiser 1955 (S. amethystinum として); Soria and Heiser 1961 (S. amethystinum および S. douglasii として)。Solanum amethystinumは現在ではSolanum nigrescensのsynonym。[GBIFにも掲載されている]
【Flora of North America(FNA)の解説】
草本または低木、多年生、直立、無柄、高さ1.5(~3)mまで、まばらから中程度の毛があり、毛は白色で湾曲し、分岐せず、長さ0.5~1mm、腺がない。葉は葉柄があり、葉柄は長さ0.5~3(~7)cm、葉身は単葉、卵形、長さ1~5(~9)cm×幅0.5~3(~6)cm、縁は全縁~粗い不規則な歯があり、基部は切形~鋭形で沿下する。花序は腋外生(extra-axillary)または葉に対生し、分岐せず、総状花序状、長さ2~4cm、2~7(~14)個の花がつく。小花柄は花時と果時に長さ0.5~1cmで、果時にうなずくかまたは下向きに反曲する。花は放射相称。萼は花後に増大せず、無棘で、長さ2~3mm、まばらに毛があり、萼片は三角形。花冠は白色で、中央に黄緑色~帯褐色の星形があり、直径1~2cm、花弁間組織はない。雄しべは等長。葯は楕円形、先端に向かってわずかに先細り、長さ(2.5~)3~4.5mm、先端の孔が縦方向に開いて裂開する。子房は無毛。果実は鈍い紫黒色、球形、直径0.5~1cm、無毛、果実あたり(2~)6~8個の球状顆粒(sclerotic granules:硬粒)がある。種子は淡黄色~黄褐色、扁平、長さ1.5~2mm×幅1~1.5mm、細かい網目がある。2n=24。花期は3~11月(カリフォルニアではほぼ1年中)。
Solanum douglasii は、ロッキー山脈の西側で最もよく見られる。S. nigrescens との区別は難しいが、葯が長く、わずかに先細りで、花糸が非常に短い(葯の長さに比べて)ため、開花中の植物としての優れた特徴となる。S. douglasii の蕾は、S. nigrescens の蕾よりも尖っている。[FNA]
【Jepson e-Floraの解説】
高さ200+cm未満、多年草~亜低木、よく分枝し、毛は分枝せず、腺がなく、長さ1mm未満、±湾曲し、基部が広がることもあり、白色。葉は長さ1~5(9)cm、卵形、全縁~粗く不規則な歯がある。花序は節間から、または葉と対生し、花序軸は分枝しないか、ときに2股になり、一般に散形花序または短い総状花序状。花は2~7(14)個つく。小花柄は長さ5~10mm、成熟しても直立したまま。萼片は長さ2~3mm。花冠は直径13~15(20)mm、深裂し、白色、ラベンダー色、またはラベンダー色を帯び、喉部は特に裂片の基部で緑色~褐色または黄色。花糸の筒部の長さ0.3~1mm。花糸の自由部分は長さ0.1~0.5(1)mm。葯は通常3~4.5mm、花柱に密着する。花柱は長さ4~5mm。果実は直径5~10mm、球形、鈍い黒色、熟すとほぼ植物に残る。球状顆粒(clusters of stone cells)塊は通常6~8個、直径0.5~0.7mm。種子は通常50個以上、長さ1.5~2mm。2n=24。花期は1年中。
【SEINet:CANOTIA 5 (1):2009】
1年生または短命の多年生草本で、ときに古くなると木質化することもあり、通常高さ1m以下で、塊茎や匍匐茎を持たず、無棘である。草本は無毛~軟毛があり、または様々な剛毛がある。茎は円柱形~角(かど)があり、ときに、角に小さな前屈した歯がある。葉は互生またはほぼ対生し、単葉、長さ2~9cm×幅1~5cm、卵形~披針状楕円形、縁は全縁または粗い歯があり、基部は切形~漸尖形、先は広い鋭形~尖鋭形。葉柄は長さ(1~)2~6(~8)cm。花序は散形花序状の総状花序で、側生し、葉の節間またはときに葉に対生し節につき、花は(1~)3~8(~12)個つく。花序柄は長さ8~30mm。花は放射相称。小花柄は長さ2~12mm。萼は長さ1.5~2.5mm、萼片は披針形~円形、萼筒の長さの約1/4まで。花冠は車状星形~反り返り、白色または白色で紫色を帯び、ときに腺点があり、基部に帯褐色の星があり、直径8~25mm。花柱は雄しべと同長または最大3mmまで長く、長さの約半分に軟毛がある。雄しべはほぼ等長、長さ(2.5~)3~4(~4.5)mm。葯は輻合し、花糸は葯の1/5以下で、通常は長さ1mmよりはるかに短い。果実はほぼ球形、幅6~12mm、成熟すると緑色、橙褐色または帯黒色、萼に包まれない。球状顆粒は0~5個。種子は球形で微細な穴があり、幅1~1.6mm。花期は1年中。標高50~2500mの農業用雑草で、荒れ地や河畔地域にも生息。(Chiang, F. and L.R. Landrum. Vascular Plants of Arizona: Solanaceae Part Three: Lycium. CANOTIA 5 (1): 17-26, 2009)[SEINet]
下表にダグラスイヌホオズキの類似種の観察結果をまとめた。
※球状顆粒の実測()は花の未確認分を含めたもの
ダグラスイヌホオズキはオオイヌホオズキ(Solanum nigrescens)によく似ているとされ、原産地の米国でも同一種とされていたたことがあり、古い文献のSolanum douglasiiはSolanum nigrescensであるものも多い。日本で報告されたオオイヌホオズキも初めはSolanum douglasiiとされたが、Solanum nigrescensに訂正されている。Flora of North America(FNA)の解説では、Solanum douglasiiは種子が大きく、葯が長く、わずかに先細りで、花糸が非常に短い(葯の長さに比べて)ため、開花中の植物としての優れた特徴となるとしている。また、S. douglasii の蕾は、S. nigrescens の蕾よりも先が狭くなり、球状顆粒は(2~)6~8個である、としている。ダグラスイヌホオズキ(Solanum douglasii)は花冠の基部が緑色~黄緑色~帯褐色であり、これに対し、オオイヌホオズキ(Solanum nigrescens)の花冠の基部は緑色または黄緑色~帯紫色(非常にまれに暗紫色)とされている。オオイヌホオズキの果実には球状顆粒が(4)5~6(13)個あるとされているが、調査したオオイヌホオズキには球状顆粒が0~5個以下のものも多く、SEINet:CANOTIA 5 (1):2009年の解説ではSolanum douglasiiは種子が幅1~1.6mm、球状顆粒が0~5個で、花冠の基部が褐色になることがあるとされ、球状顆粒が0~5個のものをSolanum douglasiiと推定して調査した。その結果、ほぼSolanum douglasiiに近いものであった。Solanum douglasiiには和名がなく、Douglas' nightshadeといわれることからダグラスイヌホオズキと仮称した。しかし、種子は長さでなく、幅が1~1.6mmであり、2019年のSandra Knapp etc.(2019)の解説では球状顆粒はFNAの解説と同じで1果当たり(2~)6~8個であり、種子は長さ1.5~1.9mm×幅1.2~1.5mm[FNA:長さ1.5~2mm×幅1~1.5mm]、花柱の長さが6.5~7.5mm、葯から1.7~2.3mm突き出し、葯は長く長さ(2.5~)3~4.5mmであり、花糸が短いとされた。これにより写真のダグラスイヌホオズキと仮称したものは種子が小さく、Solanum douglasiiではない可能性が高く、ダグラスイヌホオズキ類似種に訂正した。果実の萼片の密着もややあいまいで、反り返りもあり、果実の光沢もわずかにある。種子の幅は測定していなかったが画像から測定すると幅1.1~1.3mm程度であり、種子の長さは短いが、幅はほぼ範囲内に入る。
ダグラスイヌホオズキ(仮称) Solanum douglasii
【Knapp etc.(2019)の解説】
多年生の亜木質の草本または低木で、直立または斜上し、高さ2m以下になる。茎は円柱形、緑色または帯紫色、中程度~密に毛が生え、毛は長さ0.5~1mmの単純で単列の4~10細胞の広がる無腺毛がある。新芽にはより密に毛が生える。仮軸枝は2葉があり(difoliate)、葉は双生(geminate)ではない。葉は単純で、長さ3~10(~17)cm、幅1.3~5(~7.5)cm、(広)卵形~披針形、緑色または紫色の斑点があり、上面は緑色、下面はより薄い灰緑色であり、上面には中程度~密に毛が生え、茎にあるような単純で単列の毛が、葉身と葉脈に沿って均等に広がり、主脈は4~6対、下面で明瞭であり、基部は急に狭まり~漸尖し、ときに非対称で、葉柄に沿下し、縁は波状の歯~歯があり、稀に全縁、先は鋭形。葉柄は長さ1~4(~7)cm、茎と同様に単純単列の毛が中程度~密にある。花序は長さ1.5~4.5cm、側生し、節間につき、不分枝~ときに2股に分枝し、花序軸に沿って(3~)6~14個の花が間隔をあけてつき、茎のものと同様に単純単列の毛が中程度~密にある。花序柄は長さ1.5~4cm。小花柄は長さ10~41mm、基部の直径0.3~0.4mm、先端の直径0.4~0.6mmで、真っ直ぐ広がり、基部に関節があり、花冠間の距離は約0.5~1mm。花芽は卵形、先が細くなり、花冠は萼筒から長さの1/5突き出る。花は5数性、すべて完全花。萼筒は長さ1~2mm、萼片は長さ(1~)1.5~2.9mm、幅0.7~1.5mm、披針形~広三角形、先は鈍形~鋭形、中程度~密に毛があり、茎と同様な単純で単列の毛がある。花冠は直径13~15(~20)mm、星形、白色~ライラック色、中央の目は黄緑色、基部は黒色、基部の1/3までの裂片があり、裂片は長さ4.5~7mm、幅2~4mm、花時に強く反り返り、外側にまばらに毛があり、茎や葉の毛に似ているが短い1~4細胞の単純な単列毛がある。雄しべは等長、花糸の筒部は長さ0.3~1mm、花糸の自由部分は長さ0.1~0.5(1)mm、外側にまばらに毛があり、単列の4~6細胞の単純な毛が開出する。葯は長さ(2.5~)3~4.5mm、幅0.9~1.2mm、楕円形で先に向かってわずかに先細り、黄色、先端に孔があり、孔は老化とともに長くなって裂け目になる。子房は球形、無毛。花柱は長さ6.5~7.5mm、葯錐(anther cone:葯が花柱の周りに輻合した円錐状の集合)から1.7~2.3mm突出し、基部から1/2~2/3まで 2~3細胞の単列毛が密生する。柱頭は頭状、微細なパピラがあり、生きた植物では緑色。果実は球形の液果、直径6~14mm、成熟すると黒色で不透明、果皮の表面は艶消しになる。果時の小花柄は長さ8~11mm、基部の直径0.4~0.5mm、先端の直径0.5~0.6mm、間隔1~3mm、広がって反り返り、成熟果実とともに落ち、ごくまれに花序軸に残る。果時の萼は増大せず、萼筒は長さ1mm未満、萼片は長さ1.2~3mm、果皮に密着する。種子は通常1果当たり50個以上、長さ1.5~1.9mm、幅1.2~1.5mm、扁平で涙滴形、ほぼ先にへそ持ち、褐色、表面に微細な穴があいており、種皮細胞の輪郭は五角形。球状顆粒(stone cells)は1果当たり(2~)6~8個、やや大きく、直径0.5~0.7mm。2n=2×=24 (Henderson 1974; Heiser et al. 1965 (S. amethystinum として); Edmonds 1982, 1983; Stebbins and Paddock 1949; Heiser 1955 (S. amethystinum として); Soria and Heiser 1961 (S. amethystinum および S. douglasii として)。Solanum amethystinumは現在ではSolanum nigrescensのsynonym。[GBIFにも掲載されている]
【Flora of North America(FNA)の解説】
草本または低木、多年生、直立、無柄、高さ1.5(~3)mまで、まばらから中程度の毛があり、毛は白色で湾曲し、分岐せず、長さ0.5~1mm、腺がない。葉は葉柄があり、葉柄は長さ0.5~3(~7)cm、葉身は単葉、卵形、長さ1~5(~9)cm×幅0.5~3(~6)cm、縁は全縁~粗い不規則な歯があり、基部は切形~鋭形で沿下する。花序は腋外生(extra-axillary)または葉に対生し、分岐せず、総状花序状、長さ2~4cm、2~7(~14)個の花がつく。小花柄は花時と果時に長さ0.5~1cmで、果時にうなずくかまたは下向きに反曲する。花は放射相称。萼は花後に増大せず、無棘で、長さ2~3mm、まばらに毛があり、萼片は三角形。花冠は白色で、中央に黄緑色~帯褐色の星形があり、直径1~2cm、花弁間組織はない。雄しべは等長。葯は楕円形、先端に向かってわずかに先細り、長さ(2.5~)3~4.5mm、先端の孔が縦方向に開いて裂開する。子房は無毛。果実は鈍い紫黒色、球形、直径0.5~1cm、無毛、果実あたり(2~)6~8個の球状顆粒(sclerotic granules:硬粒)がある。種子は淡黄色~黄褐色、扁平、長さ1.5~2mm×幅1~1.5mm、細かい網目がある。2n=24。花期は3~11月(カリフォルニアではほぼ1年中)。
Solanum douglasii は、ロッキー山脈の西側で最もよく見られる。S. nigrescens との区別は難しいが、葯が長く、わずかに先細りで、花糸が非常に短い(葯の長さに比べて)ため、開花中の植物としての優れた特徴となる。S. douglasii の蕾は、S. nigrescens の蕾よりも尖っている。[FNA]
【Jepson e-Floraの解説】
高さ200+cm未満、多年草~亜低木、よく分枝し、毛は分枝せず、腺がなく、長さ1mm未満、±湾曲し、基部が広がることもあり、白色。葉は長さ1~5(9)cm、卵形、全縁~粗く不規則な歯がある。花序は節間から、または葉と対生し、花序軸は分枝しないか、ときに2股になり、一般に散形花序または短い総状花序状。花は2~7(14)個つく。小花柄は長さ5~10mm、成熟しても直立したまま。萼片は長さ2~3mm。花冠は直径13~15(20)mm、深裂し、白色、ラベンダー色、またはラベンダー色を帯び、喉部は特に裂片の基部で緑色~褐色または黄色。花糸の筒部の長さ0.3~1mm。花糸の自由部分は長さ0.1~0.5(1)mm。葯は通常3~4.5mm、花柱に密着する。花柱は長さ4~5mm。果実は直径5~10mm、球形、鈍い黒色、熟すとほぼ植物に残る。球状顆粒(clusters of stone cells)塊は通常6~8個、直径0.5~0.7mm。種子は通常50個以上、長さ1.5~2mm。2n=24。花期は1年中。
【SEINet:CANOTIA 5 (1):2009】
1年生または短命の多年生草本で、ときに古くなると木質化することもあり、通常高さ1m以下で、塊茎や匍匐茎を持たず、無棘である。草本は無毛~軟毛があり、または様々な剛毛がある。茎は円柱形~角(かど)があり、ときに、角に小さな前屈した歯がある。葉は互生またはほぼ対生し、単葉、長さ2~9cm×幅1~5cm、卵形~披針状楕円形、縁は全縁または粗い歯があり、基部は切形~漸尖形、先は広い鋭形~尖鋭形。葉柄は長さ(1~)2~6(~8)cm。花序は散形花序状の総状花序で、側生し、葉の節間またはときに葉に対生し節につき、花は(1~)3~8(~12)個つく。花序柄は長さ8~30mm。花は放射相称。小花柄は長さ2~12mm。萼は長さ1.5~2.5mm、萼片は披針形~円形、萼筒の長さの約1/4まで。花冠は車状星形~反り返り、白色または白色で紫色を帯び、ときに腺点があり、基部に帯褐色の星があり、直径8~25mm。花柱は雄しべと同長または最大3mmまで長く、長さの約半分に軟毛がある。雄しべはほぼ等長、長さ(2.5~)3~4(~4.5)mm。葯は輻合し、花糸は葯の1/5以下で、通常は長さ1mmよりはるかに短い。果実はほぼ球形、幅6~12mm、成熟すると緑色、橙褐色または帯黒色、萼に包まれない。球状顆粒は0~5個。種子は球形で微細な穴があり、幅1~1.6mm。花期は1年中。標高50~2500mの農業用雑草で、荒れ地や河畔地域にも生息。(Chiang, F. and L.R. Landrum. Vascular Plants of Arizona: Solanaceae Part Three: Lycium. CANOTIA 5 (1): 17-26, 2009)[SEINet]
観察結果
観察したダグラスイヌホオズキの類似種は日本でよく見られるオオイヌホオズキとほぼ同形態で花冠の基部が帯褐色になるものがあり、球状顆粒数が0~4個と少ないものであり、果実の萼片の密着もあいまいで、反り返りもあり、果実の光沢もわずかにある。下表にダグラスイヌホオズキの類似種の観察結果をまとめた。
ダグラスイヌホオズキ仮称 (Solanum douglasii) | 実測値 | |||||
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Flora of North America (FNA) | Jepson e-Flora | SEINet: CANOTIA | Sandra Knapp etc.2019 | オオイヌホオズキ | ダグラスイヌホオズキ類似種 | |
葉の長さ ㎝ | 1~5(~9) | 1~5(~9) | 2~9 | 3~10(~17) | ||
花冠の基部の色 | 黄緑色~帯褐色 | 緑色~褐色~黄色 | 帯褐色 | 黄緑色で基部に黒色の着色 | 黄緑色 | 黄緑色~帯褐色 |
花序の花 個 | 2~7(~14) | 2~7(~14) | (1~)3~8(~12) | (3~)6~14 | 3~ 8 | 2~9 |
花径 ㎜ | 10~20 | 13~15(20) | 8~25 | 13~15(~20) | 8~15.5 | 7~17 |
花柱 ㎜ | - | 4~5 | (2.5~)3~4(~4.5) +3 |
6.5~7.5 | 3.3~4.7 | 3.6~4.7 |
葯 ㎜ | (2.5~)3~4.5 | 3~4.5 | 雄しべ(2.5~)3~4.5 | (2.5~)3~4.5 | 2.2~2.8 | 2.3~2.9 |
花粉粒 μm | 25~33 | 25~28 | ||||
果実光沢 | 鈍 | 鈍 | - | 無 | やや強 | やや強 |
果径 ㎜ | 5~10 | 5~10 | 6~12 | 6~14 | 5~10 | 5~9 |
種子数 個 | - | 50以上 | - | >50以上 | (9)69~110 | (20)63~125 |
種子長 ㎜ | 1.5~2 | 1.5~2 | 1~1.6 | 1.5~1.9 | 1.1~1.5 | 1.1~1.5 |
種子の色 | 淡黄色~黄褐色 | - | - | 褐色 | 淡黄褐 | 淡黄褐 |
球状顆粒 個 | (2~)6~8 | 6~8 | 0~5 | (2~)6~8 | 5~12 | 0~4 (0~7) |