ミカヅキグサ  三日月草
[中国名] 白鳞刺子莞 bai lin ci zi guan
[英名] white beaksedge, white beak-rush
[学名] Rhynchospora alba (L.) Vahl.
カヤツリグサ科 Cyperaceae  ミカヅキグサ属
三河の植物観察
ミカヅキグサ花序
ミカヅキグサの小穂
ミカヅキグサの痩花
ミカヅキグサの花被の剛毛の基部
ミカヅキグサ
ミカヅキグサ2
 和名は白色の小穂を三日月に見立てたもの。岡崎市内の北山湿地、豊橋市の葦毛湿原、新城市内の湿原などで見られる。
 多年草。高さ20~60㎝×太さ0.5~0.8㎜。やや叢生し、直立する。葉は稈より短く、幅0.5~1.5㎜の細い糸状、縁は内巻き。茎頂に白色の狭いこま形~半球形の花序をつける。花序は小穂が2~7個集まった小穂群が(1)2~3個からなる。小穂は長さ(3.5)5~6(8)㎜、狭卵形~披針形、鋭頭、花が(1~)2(~3)個つく。苞穎は初め白色、後に淡褐色、卵形~卵状披針形、膜質、中肋があり、微突頭。果実は果体(小堅果)が長さ1.5~2.5㎜(柱基を含む果実の長さは2.5~3㎜)の倒卵形、両凸レンズ形、柱基は円錐状錐形、果体の長さの1/2~2/3。花被の剛毛(刺針状花被片)は8~15本つき、果体より長く(1.5倍以下=わずかに柱基を超える程度)、下向きにザラつき(稀に平滑)、基部に剛毛がある。花柱は糸状、基部は広がる。柱頭は2個。2n=26。
 解説では一般に花被の剛毛のザラつきは下向きとされているが、写真のように基部では長い毛状でやや上向きである。Flora of Chinaのように、後ろ向きのザラつきがあり(retrorsely scabrous)、基部に剛毛があるとするのが正しいと思われる。Flora of North Americaではザラつきを barbellate と表現し、基部に剛毛があるとしている。
[果期] 7~8月
[草丈] 20~60㎝
[生活型] 多年草
[生育場所] 湿原
[分布] 在来種  在来種 北海道、本州、九州、朝鮮、中国、台湾、ロシア、カザフスタン、西南アジア、ヨーロッパ、北アメリカ
[撮影] 新城市  07.9.8

 ミカヅキグサ属

  family Cyperaceae - genus Rhynchospora

多年草、まれに1年草。稈は叢生し、直立、3稜形又は円柱形。葉は根生葉と茎葉。鞘は閉じ、葉舌は有又は無。葉身は線形、平ら又は樋状。苞葉(involucral bracts 総苞片)は葉状、鞘がある。花序は円錐花序、頂生と側生のイグサ形花序(anthelae)からなり、ときに穂状花序又は頭状花序になる。小穂は無柄又は花序柄があり、狭卵形~卵形~楕円形、わずかに両側面が扁平又は円柱形。苞穎(glume)=鱗片は少数~多数、螺旋状に覆瓦状につき、又はまれに2列につき、1脈がある。基部の3~4個の苞穎は先の苞穎より短く、空。花は両性又は基部の花が両性で先の花は雄性又は不稔。(花被は無く、)花被の剛毛(perianth bristles)=刺針状花被片は0~6(~13)本、前向き(上向き)又は後ろ向き(下向き)にザラつき、まれに平滑。雄しべは2~3本。柱頭は2個。小堅果(nutlet or achenes)は普通、倒卵形~卵形、両凸レンズ形、様々な装飾があり又はまれに平滑。宿存する柱基(style base )は太くなり、ほとんど円錐形又はまれに三日月形、スポンジ状、基部は切形又は±分裂する。
 世界に約350種があり、全世界に分布し、とくに新世界の熱帯、亜熱帯に多い。


 ミカヅキグサ属の主な種

 1  Rhynchospora alba (L.) Vahl  ミカヅキグサ 三日月草
 日本(北海道、本州、九州)、朝鮮、中国、台湾、ロシア、カザフスタン、西南アジア、ヨーロッパ、北アメリカ原産。中国名は白鳞刺子莞 bai lin ci zi guan 英名はwhite beaksedge, white beak-rush 。湿原に生える。
 多年草。高さ20~60㎝×太さ0.5~0.8㎜。やや叢生し、直立する。葉は稈より短く、幅0.5~1.5㎜の細い糸状、縁は内巻き。茎頂に白色の狭いこま形~半球形の花序をつける。花序は小穂が2~7個集まった小穂群が(1)2~3個からなる。小穂は長さ(3.5)5~6(8)㎜、狭卵形~披針形、鋭頭、花が(1~)2(~3)個つく。苞穎は初め白色、後に淡褐色、卵形~卵状披針形、膜質、中肋があり、微突頭。果実は果体(小堅果)が長さ1.5~2.5㎜(柱基を含む果実の長さは2.5~3㎜)の倒卵形、両凸レンズ形、柱基は円錐状錐形、果体の長さの1/2~2/3。花被の剛毛(刺針状花被片)は8~15本つき、果体より長く(1.5倍以下=わずかに柱基を超える程度)、下向きにザラつき(稀に平滑)、基部に剛毛がある。花柱は糸状、基部は広がる。柱頭は2個。2n=26。

【Flora of Chinaの解説】
 多年草は短く、細い。稈は叢生し、直立、高さ15~42(~50)㎝×太さ0.5~0.8㎜、先部がわずかにザラつく。葉は稈より短い。鞘はわら褐色、基部の鞘は葉身が有るか又は無い。葉身は糸状、幅0.7~2㎜、紙質、縁は内巻き。苞葉は葉状、基部の苞葉は鞘をもち、先部の苞葉は鞘が無い。花序は円錐花序、頂生と側生の類頭状花序状のイグサ形花序からなる。小穂は2~7個、集まって束生し、花序柄が無又は有、狭卵形、長さ5~6㎜、花が2個つく。苞穎は5~6個つき、初め白色、淡褐色に変わり、卵形~卵状披針形、膜質、竜骨があり、先は微突形。花被の剛毛は9~13本、小堅果より長く、後ろ向きのザラつきがあり、基部にはまばらに剛毛がある。雄しべは2本。花糸は小堅果と柱基の長さと同長。葯は線形。花柱は糸状、基部は広がる。柱頭は2個、花柱の長さとほとんど同長。小堅果は黄緑色~緑褐色、倒卵形~長円状倒卵形、長さ1.5~2.5㎜、両凸レンズ形、±平滑~不明瞭な小しわがある。宿存する柱基は円錐状錐形、小堅果の長さの1/2~2/3。花期と果期は8月。 2n = 26。沼地、湿った場所に生える。 (Flora of China)

【Flora of North Americaの解説】
 多年草、密に群生し、高さ6~75㎝。根茎はほとんど無い。稈は直立~曲がり、葉があり、目立たない3稜形~円柱形に近く、少数のうねがあり、細い。主な葉はほとんど稈に乗り越えられる。葉身は狭線形~糸状、下部は平ら、幅0.5~1.5㎜、先は細くなり、3稜形。花序は密散花序(束生)が1個又は2~3個、その後広く、広がり、狭いこま形~半球形になり、幅1.5~2.5㎝。基部を抱く葉状の苞はしばしば上部の密散花序によって超えられる。小穂は淡褐色~白色に近く、楕円形、長さ3.5~5.5㎜、先は鋭形。稔性の鱗片は楕円形、長さ3~3.5(~4)㎜、先は鋭形~尖鋭形、中肋は微突起として突き出る。花被の剛毛は10~12本、わずかにこぶ(tubercle=柱基)を超え、後ろ向きのひげ状の剛毛(barbellate)あるか又はまれに平滑、基部はしばしば剛毛で覆われる。果実は小穂に1(~2)個つき、長さ (2.3~)2.5~3 ㎜、果体(body)は淡褐色、中央部が淡く、柄のある倒卵形、レンズ形、長さ1.5~1.8(~2)㎜×幅0.9~1.2㎜、表面に横の条線があり、比較的に平滑、縁は狭く、こぶ(tubercle=柱基)の基部に流れる。柱基は狭三角状錐形、長さ0.5~1.2㎜。果期は夏~秋。酸性のミズゴケの生える沼地の開けた場所、湿原( poor fens)、しばしば浮かんだマットの上又は岩の多い海岸の泥炭の隙間に生える。(Flora of North America)

 2  Rhynchospora boninensis Nakai ex Tuyama  シマイガクサ
   synonym Rhynchospora parva (Nees) Steud. var. boninensis (Nakai ex Tuyama) T.Koyama
 日本(小笠原諸島)原産。2n=20

 3  Rhynchospora brownii Roem. et Schult.  トラノハナヒゲ
   synonym Rhynchospora rugosa (Vahl) Gale var. condensata (Kuk.) T.Koyama
   synonym Rhynchospora rugosa (Vahl) Gale subsp. brownii (Roem. et Schult.) T.Koyama
 日本、中国、台湾、インド、ネパール、スリランカ、タイ、ベトナム、インドネシア、マレーシア、フィリピン、パプアニューギニア、ヨーロッパ、アフリカ、オーストラリア、太平洋諸島、インド洋諸島、マダガスカル原産。中国名は白喙刺子莞 bai hui ci zi guan 。沼地、湿った川岸
 多年草。根茎はごく短い。稈は叢生し、直立、高さ30~55(~90)㎝。細く、3稜があり、平滑だが、先は普通、ザラつく。葉は根生葉と少数の茎葉、離れ、稈より短い。鞘は褐色、閉じ、長さ2.6~6㎝、無毛、口部にごく短い葉舌がある。葉身は狭線形、幅1.5~3㎜、平ら又は樋状、縁と下面の中脈がザラつき、先は長い尖鋭形。苞葉は葉状、基部の苞葉には鞘があり、最も上の苞葉は鞘が無い。花序は円錐花序、狭く、3~4個の密~±疎の散房花序状のイグサ形花序からなる。側生の花序柄は単生又は双生、圧縮され、しばしば鞘から長く突き出る。花序枝は長さが異なり、直立する。小花序枝は剛毛状。小穂は暗褐色、楕円形~類卵形、長さ3~4.5㎜、花が3~4個つき、基部は± 鈍形、先は鋭形。苞穎は7~8個つき、楕円状卵形~卵形~広卵形、基部の3~4個の苞穎は空。
花被の剛毛は6本、小堅果の長さよりわずかに短く、長さが異なり、前向きにざらつく。雄しべは(1~)3本。花糸は小堅果と柱基より長い。子房は倒卵形。花柱は糸状。柱頭は2個、花柱と同長。小堅果は淡さび色、広楕円状倒卵形、長さ約1.7㎜、両凸レンズ形、細かい横の小しわがあり、縦の表皮細胞をもち、宿存する柱基は広円錐形、小堅果の長さより短い。花期と果期は6~10月。 2n = 36.。

 4  Rhynchospora capitellata (Michx.) Vahl  アメリカイヌノハナヒゲ
   synonym Schoenus capitellatus Michx
 北アメリカ原産。英名はbrownish beaksedge
 多年草、叢生、高さ20~100㎝。根茎は無い。稈は弓なりに斜上し、葉がつき、鈍い3稜があり、細い。主な葉は花序に覆われる。葉身は平ら、幅3㎜以下、先は細くなり、3稜形。花序は頂生と腋生、密散花序(束生)は1~5個又はそれ以上、小型、こま形又は半球形、幅1~1.5㎝。花序柄は稈の上部で次第に短くなる。苞葉は基部に抱く複合花序をほとんど突き出る。小穂はアスファルト色(rich deep brown)、まれに、淡褐色、槍状楕円形、長さ3.5~4(~5) ㎜。稔性の鱗片は楕円形、長さ2.7~3㎜、先は鋭形又は円形、中肋は短く突き出るか又は突き出ない。花被の剛毛は5~7本、柱基の先に届き、小刺(barbs)は下向き。果実は小穂に (1~)2~3(~5)個つき、長さ(2~)2.5~3㎜(柱基を含めて)、果体(body)は赤褐色で中心に淡色の円盤をもち、柄があり、レンズ形、倒卵形、長さ1.2~1.5㎜×幅 0.7~1(~1.2) ㎜、縁は淡色、針金状、表面は滑らか。こぶ(tubercle 柱基)は三角状錐形、長さ(0.8~)1~1.2(~1.6)㎜。花期は7~8月。


 5  Rhynchospora colorata (L.) H. Pfeiffer  シラサギカヤツリ 白鷺蚊張吊
   synonym Dichromena colorata (L.) C.L.Hitchc.
 USA、メキシコ、中央アメリカ、南アメリカ、西インド諸島原産。中国名は白鹭莞 bai lu guan。英名はstarrush whitetop , white star sedge , white-topped sedge , star sedge。別名はシラサギスゲ、スターグラス
 多年草、叢生又は単生、高さ 30~70㎝。根茎は細く、鱗片があり、太さ2㎜以下。稈は直立、細く、基部に葉があり、三角形、数個のうねがある。葉は広がり~直立し、、稈により越水し、葉身は狭線形、基部は扁平になり、幅0.5~3㎜、先は細くなり、三角形。花序は頂生、1個つき、頭状、密に白色の葉状の総苞がつき、総苞片は数個、フレアー状~反曲、広い基部~中間近くまで白色、そこから細くなった先まで緑色。長い苞は長さ13㎝、幅2~7㎜。小穂は白色、卵形、長さ5~7㎜、先は鋭形。雌鱗片は多数、舟形、鋭い曲がった竜骨があり、長さ3~4(~5)㎜、先は鋭形又は鈍形。花は花被が無い。果実は小穂に数個、長さ1.5~1.7(~2)㎜。柱基を除いた果実本体は黄色~マホガニー色、広梨状倒卵形、薄いレンズ形、長さ約1㎜、幅0.5~0.7㎜、先が最も広く、縁は厚くなり、先端の疣の基部で終わり、表面に横の波打つしわがあり、うねに短い線形のパピラがある。先端のこぶ(柱基)は広三角形、0.5~0.6㎜、灰色、甲殻質、先は短い尖鋭形。2n=12。花期は (5)6~9月 。

 5  Rhynchospora corymbosa (L.) Britton  ヤエヤマアブラスゲ
   synonym Scirpus corymbosus Linnaeus
    synonym Rhynchospora aurea Vahl.
 中国、台湾、インド、スリランカ、バングラディシュ、タイ、ベトナム、インドネシア、マレーシア、フィリピン、パプアニューギニア、オーストラリア、インド洋諸島、太平洋諸島、マダガスカル、中央アメリカ、南アメリカ原産。中国名は伞房刺子莞 san fang ci zi guan 。英名はgolden beak sedge

 6  Rhynchospora chinensis Nees et Meyen イヌノハナヒゲ
   synonym Rhynchospora japonica Makino
   synonym Rhynchospora longisetigera Hayata
   synonym Rhynchospora chinensis subsp. chinensis
6-1 Rhynchospora chinensis subsp. chinensis  イヌノハナヒゲ  犬の鼻髭
   synonym Rhynchospora japonica Makino var. japonica
 日本、南西諸島、朝鮮、中国、台湾、インド、スリランカ、ミャンマー、タイ、ベトナム、モーリシャス、マダガスカル、レユニオン原産。中国名は华刺子莞 hua ci zi guan 。英名はspiked beaksedge。沼地、湿った場所、湿った草原に生える。学名はYlistではRhynchospora japonica Makinoとしている。
 多年草40~60㎝根茎は短く、茎は多数、叢生する。茎は直立又は斜上し、花序の下部の枝は垂れ下がる。小穂は長さ7~9㎜、茶褐色。果実は長さ2~3.7㎜、卵形。刺針状花被片の長さは果実の約2倍で、上向きの小刺がある。8~9月。2n=62
【Flora of Chinaの解説】
 多年草。根茎はごく短い。稈は叢生し、直立、高さ25~60(~125)㎝。細く、3稜があり、硬く、基部は1~2個の葉身の無い鞘に被われ、先はザラつく。葉は根生葉と茎葉、花序より短く、鞘は長さ5~9㎝。葉舌はさび褐色、短く、膜質。葉身は狭線形、幅1.5~2.5㎜、縁はザラつき、先は尖鋭形。苞葉は葉状、花序より長く、基部の苞葉には鞘があり、最も上の苞葉は鞘が短く又は鞘が無い。花序は円錐花序、3~5個の散房花序状のイグサ形花序からなり、ほとんど双生、類直立。花序柄は突き出し、小穂の2~9個の集団をやや緩くつける。小穂は褐色、狭卵形、長さ7~8㎜、花が2~5個つき、基部は± 鈍形、先は鋭形。苞穎は5~8個つき、褐色~黄褐色、楕円状卵形~披針状楕円形、基部の2~3個の苞穎は空。先の苞穎は広卵形~披針状楕円形、膜質、1肋があり、先は微突形~尖鋭形。花被の剛毛は6本、前向きにざらつく。雄しべは3本。花糸は小堅果と柱基よりわずかに長い。葯は線形。子房は倒卵形。花柱は糸状、基部は広がる。柱頭は2個、花柱より短い。小堅果は暗赤褐色、広楕円状倒卵形、長さ2~3.7㎜、両凸レンズ形、細かい横の小しわがあり、縦の長円形の表皮細胞をもち、宿存する柱基は狭い円錐形、小堅果の長さよりわずかに短~同長。花期と果期は5~10月。
6-2 Rhynchospora chinensis Nees et Meyen var. curvoaristata (Tuyama) Ohwi  ムニンイヌノハナヒゲ
   synonym Rhynchospora japonica Makino var. curvoaristata Tuyama
 日本(小笠原諸島)原産。2n=36
6-2 Rhynchospora chinensis subsp. spiciformis (Hillebr.) T.Koyama
 ハワイ原産。

 7  Rhynchospora faberi C.B.Clarke  イトイヌノハナヒゲ  糸犬の鼻髭
 日本(北海道、本州、四国、九州)、朝鮮、中国、ロシア原産。中国名は细叶刺子莞 xi ye ci zi guan 。沼地、小川の縁に生える。
 多年草。根茎はごく短く、密に細いひげ根がある。稈は叢生し、直立、高さ20~40(~60)㎝×太さ0.5~1㎜、3稜があり、、基部は葉身の無い淡黄色の鞘に被われ、先はときに、わずかにザラつく。葉は根生葉と少数の茎葉、稈より短い。葉身は糸状、幅0.55~1㎜、3稜があり、ときにわずかにザラつき、先は細かい尖鋭形。苞葉は葉状又は剛毛状、鞘がある。花序は円錐花序、1個の頂生と3~4個の側生の散房花序状のイグサ形花序からなり、小さく、ごく離れ、2~5個の小穂をもつ。小穂は直立、暗褐色、狭卵形、長さ約3.5㎜基部は類切形、先は尖鋭形。苞穎は5~6個つき、卵形~楕円状卵形、花が1~2個つく。基部の3~4個の苞穎は狭卵形、空。花被の剛毛は6本、ながさは小堅果よりわずかに長く、後ろ向きにざらつく。雄しべは1本。花糸は小堅果・柱基と同長。花柱は細い。柱頭は2個、小堅果は褐色~淡赤褐色、広倒卵形~倒卵状球形、長さ1.5~2㎜、両凸レンズ形、細かい横の小しわがあり、縦の長円形の表皮細胞をもち、宿存する柱基は狭い円錐形、小堅果の長さの1/3~2/3。花期と果期は8~10月。
7-1 Rhynchospora faberi C.B.Clarke f. breviseta (Palla) Ohwi et T.Koyama  チョウセンヒメイヌノハナヒゲ
7-2 Rhynchospora faberi C.B.Clarke f. exigua (Takeda) Ohwi et T.Koyama  ネズミノハナヒゲ
7-3 Rhynchospora faberi C.B.Clarke f. umemurae (Makino) Ohwi et T.Koyama  ヒメイヌノハナヒゲ

 7  Rhynchospora fauriei Franch.  オオイヌノハナヒゲ 大犬の鼻髭
   synonym Rhynchospora chinensis Nees et Meyen var. fauriei (Franch.) T.Koyama
   synonym Rhynchospora chinensis Nees et Meyen subsp. fauriei (Franch.) T.Koyama 
 日本(北海道、本州の中国地方以東)、朝鮮原産。低地の湿地、山地~亜高山の湿原に生える。
 多年草。高さ30~70㎝。稈は細く、叢生し、直立する。葉は線形、幅1.5~2.5㎜。花序は円錐花序、1個の頂生と数個の側生の散房花序状のイグサ形花序からなり、小さく、ごく離れ、小穂は約10個つき、垂れ下がらない。小穂は披針形、長さ7~9㎜。苞穎は小穂に4~5個つき、濃赤褐色、やや光沢があり、卵形。上部の1~2個の苞穎には花がつき、他の基部の苞穎は空。柱頭は2個。花被の剛毛は長さが小堅果の3~4倍、平滑または下向きの小刺があるかほぼ平滑。小堅果は倒卵形、長さ約2㎜。花期は7~9月。2n=62

 8  Rhynchospora fujiiana Makino  コイヌノハナヒゲ 小犬の鼻髭
   synonym Rhynchospora yasudana Makino var. leviseta (C.B.Clarke ex H.Lev.) T.Koyama f. retrorsoscabra (Takeda) T.Koyama 
   synonym Rhynchospora yasudana Makino var. leviseta (C.B.Clarke ex H.Lev.) T.Koyama 
   synonym Rhynchospora yasudana Makino subsp. leviseta (C.B.Clarke ex H.Lev.) T.Koyama
   synonym Rhynchospora yasudana Makino  ミヤマイヌノハナヒゲ [Kewscience The Plant List]
 北海道、本州、四国、九州、朝鮮原産。低地~山地の湿地に生える。
 多年草。高さ40~50㎝。茎は細く、弓なり状に斜上し、中間で曲がったり、倒れることが多い。葉は幅約1㎜と細い。茎の上部に花穂がとびとびに離れてつく。花序の茎は引っ張ると抜けやすい。小穂は長さ5~6㎜、茶褐色。果実は長さ約2㎜の狭倒卵形~倒卵形、花被の剛毛(刺針状花被片)は6本つき、果実より少し長く、細くて平滑。刺針状花被片がざらつくものがある。
8-1 Rhynchospora fujiiana Makino f. scabriseta (Makino) T.Koyama  ミカワコイヌノハナヒゲ
   synonym Rhynchospora yasudana Makino var. leviseta (C.B.Clarke ex H.Lev.) T.Koyama f. scabriseta (Makino) T.Koyama
 刺針状花被片に上向きの小刺があり、ザラつくもの。
8-2 Rhynchospora fujiiana Makino. f. retrososcabrata Takeda サカゲコイヌノハナヒゲ
 刺針状花被片に下向きの小刺があり、ザラつくもの

 9  Rhynchospora malasica C.B.Clarke  ミクリガヤ 三稜茅(実栗茅)
   synonym Rhynchospora nipponica Makino
 日本(本州の中部以西、九州)、朝鮮、中国、台湾、インドネシア、マレーシア原産。中国名は日本刺子莞 ri ben ci zi guan 。沼地、浅い水中に生える。
 多年草。根茎は短く、這う。稈は直立、1本、高さ60~100㎝、硬く、数個の節をもち、平滑、基部は鈍い3稜があり、汚褐色の葉身の無い鞘に被われ、先には鋭い3稜がある。葉は稈より長い。鞘は長く、きつく稈を取り囲む。葉舌はさび褐色、短く、膜質。葉身は広線形、幅5~9㎜、やや平ら、先は長い尖鋭形~鋭形。苞葉は開出し、長さ7~20㎝、花序よりかなり長く、鞘は無い。花序は穂状花序、長さ3~20㎝、2~7個の頭状花序をもち、基部は途切れ、先は類接触し、頭状花序は無柄、球形、直径1~1.5㎝。小穂は狭卵形、長さ6~7ミロ、弱く横方向に扁平、花が1個つき、基部は収縮し、先は尖鋭形。苞穎は5~6個つき、基部の3~4個は灰褐色、卵形、他よりかなり小さく、膜質、1脈があり、先は鋭形。先の2苞穎は披針状卵形。花被の剛毛は6本、糸状、長さ3.5~4.5㎜、小堅果の長さの約2倍、曲がりくねり、平滑。雄しべは3本。葯は長さ約2㎜。花柱は細い。柱頭は2個。小堅果は暗褐色、倒卵形~広倒卵形、長さ2~2.3㎜、両凸レンズ形、不明瞭な横の小しわがあり、光沢がり、基部は漸尖する。宿存する柱基は狭い円錐状錐形、長さ4~5㎜、無毛。花期と果期は9~10月。

 10  Rhynchospora rubra (Lour.) Makino  イガクサ 毬草
   synonym Schoenus ruber Loureiro,
   synonym Morisia wallichii Nees; Rhynchospora wallichii (Nees) Kunth.
 日本(本州の千葉県以西、四国、九州、沖縄)、朝鮮、中国、台湾、インド、ネパール、アフリカ、オーストラリア、東南アジアなど原産。中国名は刺子莞 ci zi guan 。温暖な湿地に生える。
 多年草。高さ30~70㎝。茎は硬く直立する。小穂は長さ約6㎜、多数固まって半球形の頭状花序につく。果実は長さ約1.5㎜。柱頭は低く、刺針状花被片の長さは果体の1/2以下で、上向きの刺がつく。種子は倒卵形で、断面はレンズ状。種子の縁に小刺がある。2n=20。花期は7~10月。

 11  交雑種
(1) Rhynchospora x hakkodensis Mochizuki  ミカヅキグサモドキ
 ミカヅキグサ×ミヤマイヌノハナヒゲ(コイヌノハナヒゲ)


 参考

1) Flora of Cnina
 Rhynchospora
 http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=128495
2) GRIN
 Rhynchospora
 http://www.tn-grin.nat.tn/gringlobal/taxonomygenus.aspx?id=10452
3)Flora of North America
 Rhynchospora
 http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=1&taxon_id=128495
4)Plants of the World Online | Kewscience
 Rhynchospora
 http://www.plantsoftheworldonline.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:327438-2
5)植物研究雑誌 第81巻 第2号 平成18年4月 98-102(2006)
 カヤツリグサ科植物7分類群の細胞学的研究
 http://www.jjbotany.com/pdf/JJB_081_98_102.pdf
6)Cyperaceae - Taylor & Francis Online
 New chromosome counts in Brazilian species of Rhynchospora (Cyperaceae)
 https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/00087114.2012.711675
7)MinnesotaWildflowers
 Rhynchospora capitellata
 https://www.minnesotawildflowers.info/grass-sedge-rush/brownish-beaksedge
8)Jepson eFlora
 Rhynchospora capitellata
 http://ucjeps.berkeley.edu/eflora/eflora_display.php?tid=41251

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