ハルタデ  春蓼
[別名] ハチノジタデ
[中国名] 蓼 liao 
[英名] spotted lady's-thumb, ady's thumb ,redshank
[学名] Persicaria maculosa Gray
Polygonum persicaria L.
Persicaria maculosa Gray subsp. hirticaulis (Danser) S.Ekman et T.Knutsson var. pubescens (Makino) Yonek.
Persicaria maculosa Gray subsp. hirticaulis (Danser) S.Ekman et T.Knutsson
Polygonum persicaria L. var. pubescens Makino
タデ科 Polygonaceae  イヌタデ属
三河の植物観察
ハルタデの花序
ハルタデの花
ハルタデの蕾と果実
ハルタデの花柄の短い腺毛
ハルタデの托葉鞘
ハルタデの葉裏の中脈
ハルタデの茎
ハルタデの下部の節
ハルタデ
ハルタデの花被に包まれた果実
ハルタデ果実
ハルタデ葉表
ハルタデ葉裏
ハルタデ葉表の毛
ハルタデ葉裏の毛
 ハルタデは広義には、Persicaria maculosa Gray 又はPolygonum persicaria L.である。いくつかの亜種や変種に分類されている。細分すると日本のハルタデはsubsp. hirticaulis (Danser) S.Ekman et T.Knutsson であるとされている。茎に毛が多く、花柄に有柄の腺毛がある。これに対し、基本亜種はユーラシア(ヨーロッパ)原産であり、ヨウシュハルタデ subsp. maculosaといわれ、有柄の腺毛がない。北アメリカでは腺毛のあるハルタデは確認されていない。密に腺毛のあるのはアメリカサナエタデであり、サナエタデやオオイヌタデにも腺毛がある。
 花柄の腺毛の量、毛の量、毛の質、毛の幅にも変化がある。また、葉裏の腺点が明瞭なものと不明瞭なものがある。写真はすべて花序の短い春のもの。
[解説] 茎は 分枝して、直立し、ふつう赤紫色を帯び、わずかに上向きの毛があるか又は無毛。葉は互生し、長さ4~14(20)㎝、幅0.5~2㎝の広披針形、先が尖り、基部は楔形。葉の中央に黒い斑紋が出ることが多く、両面に伏した剛毛があり、主脈には特に多い。葉裏に腺点がない又は不明瞭な腺点がある。葉柄は長さ5~8㎜、上向きの伏せた剛毛がある。托葉鞘の先には長さ1~3㎜の縁毛がある。花序は長さ3~5(6.5)㎝の円柱状、ほぼ直立、又は垂れ下がることもある。花柄は無毛又は有柄の黄色の腺毛と長毛がある。花被は長さ約2.5㎜、淡紅色、4~5裂する。花柱は2~3裂。雄しべは(5)6~7(8)個。痩果を包んで残る花被は中央部がやや盛り上がり、脈は不明瞭で、先が2分岐するが、釣針形にならず、花被に腺点がない。痩果は光沢のある黒褐色、長さ2~2.5㎜、普通、扁平な円形、中央下部が盛り上がるレンズ形、ときに3稜形の痩果も混じる。2n=22
 夏~秋に開花するものは大形であり、形態的にオオハルタデと分類されていたが、DNA分析により差がなく、現在ではすべてハルタデに含めるという分類がされている。
 ヨウシュハルタデ(lady's thumb ,redshank)Persicaria maculosa Gray subsp. maculosa 又はPolygonum persicaria L. var. persicaria は茎が無毛または圧毛がある。葉は長さ (1)5~10(18)㎝、幅(0.2)1~2.5(4)㎝、葉表には惰円形や三角形の黒斑があり、表面は無毛又は剛毛があり、葉裏はときに腺点があり、主脈に剛毛が多い。托葉鞘は長さ4~10(15)㎜、長さ1~3.5(5)㎜の縁毛があり、表面は無毛又は伏した剛毛があり、稀に幅広の毛があり、腺点はない。葉柄は長さ1~8㎜、無毛又は剛毛がある。茎頂に1、2個のスパイク状の花序をつけ、葉腋に短い花序をつける。花序は長さ1.3㎝~3.8(6)㎝、直立し、花を密集してつける。鞘状苞葉は長さ02~1.3(2)㎜の縁毛がある。花柄は長さ10~50㎜、無毛、稀に毛があり、腺毛がない。小花柄は上向きに長さ1~2.5㎜。花は長さ約3㎜、花被片4~5個、下部は緑白色で先がピンク色、又は全体がピンク色、腺点はない。雄しべは4~8個。花柱は2~3裂。花は春から秋。痩果は長さ(1.9)2~2.7㎜、幅 (1.5) 1.8~2.2㎜、扁平な卵形又は3稜形、黒褐色~黒色、光沢がある。2n=22,40,44
 オオイヌタデサナエタデは花序がやや太く、花が白色で密につくことが多い。托葉鞘の縁毛は無いか又は長さ1㎜以下。花柄に腺毛がある。葉裏や花被に明瞭な黄色の腺点がある。花被に包まれた痩果は扁平で、表面が普通、平ら、中の痩果は表面が少し窪む両凹レンズ形。ただし、外観が似たハルタデは花が白色、花柄の腺毛が黄色になり、葉裏の腺点も多く、托葉鞘の縁毛もやや短くまばらなことがある。
 アメリカサナエタデ Persicaria pensylvanica は北アメリカ原産。花序の柄に著しい有柄の腺毛がある。葉は無毛又は圧毛があり、葉裏に腺点がある。托葉鞘の縁毛は長さ05㎜以下。花被は白色~淡紅色、腺点がなく、脈は鉤状に曲がらない。痩果は表面が少し窪む両凹レンズ形。2n=88
 イヌタデ Persicaria longiseta もよく似ているときがある。托葉鞘の縁毛が長く、筒部とほぼ同長。
[花期] 4~8(10)月
[草丈] 30~60(100)㎝
[生活型] 1年草
[生育場所] 畑、水田の畔、荒地、道端
[分布] 在来種 日本全土、朝鮮、中国、台湾、ロシア、インドネシア、ネパール、コーカサス、中央アジア
[撮影] 西尾市 12.6.29
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