サナエタデ 早苗蓼

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Flora of Mikawa

タデ科 Polygonaceae イヌタデ属

別 名 ナツタデ
中国名 糙葉蓼(小早苗蓼)
学 名 Persicaria tomentosa (Schrank) E.P.Bicknell

 synonym Persicaria lapathifolia (L.) Delarbre var. incana (Roth) H.Hara

 synonym Persicaria scabra (Moench) Mold.

 synonym Polygonum lapathifolium L. subsp. pallidum (With.) Fr.

 synonym Polygonum lapathifolium auct. non L.

 synonym Persicaria lapathifolia (L.) Delarbre var. salicifolia (Sibth.) Miyabe ウラジロサナエタデ

 synonym Persicaria scabra (Moench) Mold. var. salicifolia Miyabe ウラジロサナエタデ

サナエタデの花序
サナエタデの果序
サナエタデの花
サナエタデの腺点の多い花
サナエタデの托葉鞘2
サナエタデの托葉鞘
サナエタデ
サナエタデ葉表
サナエタデ葉裏
サナエタデ葉表縁の毛
サナエタデ葉裏の腺点
サナエタデ葉裏の脈上の毛
サナエタデ花序柄の腺毛
サナエタデ果実
サナエタデ果実
花 期 5~10月
高 さ 30~90㎝
生活型 1年草
生育場所 道端、畑
分 布 在来種  日本全土、南西諸島(沖縄)、千島列島、サハリン、ロシア、カザフスタン、ウズベキスタン、イラン、ヨーロッパ(ロシア、エストニア、ラトビア、リトアニア、ブルガリア、フィンランド、チェコスロバキア、デンマーク、ドイツ、ギリシャ、クレタ島、東エーゲ海諸島、フェロー諸島マガダン、北コーカサス、ノルウェー、沿海州、スウェーデン、トランスコーカサス(アゼルバイジャン、アルメニア、ジョージア)、ウクライナ)、アイスランド原産
撮 影 西尾市 13.7.6
サナエタデの学名はPOWO(Plants of the World Online=Kew Gardens:Kewscience)ではPersicaria tomentosa (Schrank) E.P.Bicknellとされている。アラゲタデ(Persicaria pulchra)のsynonymはPersicaria tomentosa (Willd.) Sasakiであり混同しやすい。また、ペルシカリア・マダガスカリエンシス(Persicaria madagascariensis)のsynonymもPersicaria tomentosa Sasakiとされていた。WFO Plant List(2022)ではこの種はオオイヌタデ(Persicaria lapathifolia (L.) Delarbre)のsynonymとされている。YListではオオイヌタデの変種(var. incana (Roth) H.Hara)としている。
。和名は開花が5、6月頃の田植えの時期に始まることから。別名はナツタデ。
 1年草、高さ30~50(~90)㎝。茎は無毛、よく分枝し、円柱形、節が高く、ときに茎に斑点があり、質は硬くなく、緑色または紅色を帯びる。葉は互生し、披針形~卵状披針形、長さ(4)6~10(12)㎝×幅1~2cm、縁は全縁、毛があり、基部は楔形、先は尖鋭形、側脈は斜上し、7~15対、上面にはまばらに毛があり、下面は黄色の腺点が密生し、毛はほとんどなく、脈上に長三角状の毛がある。初め、葉に白色の綿毛を布くものがあり、葉の下面に密に綿毛があるものもある。托葉鞘は膜質で縁毛は無いか、または長さ(0.4)1㎜以下。円柱状の総状花序は長さ1~4(5)㎝で先は垂れない。ただし、時期の遅いものは花序が垂れ下がる。花序柄は通常、腺毛が無いが、花序柄に腺毛が多く、葉下面の腺点も多く、花被の腺点も多く、花が全体に黄色を帯びているものもある。苞は漏斗形、縁は無毛。花被は長さ約3㎜、淡紅色~白色、4~5裂し、腺点があり、花後も痩果を包んで残る。雄しべは5~6本。花柱は2(3)分岐。痩果は黒褐色、直径約2㎜の扁平な円形、表面が少し窪む両凹レンズ形、花被の脈は先が2分岐し、釣針状に曲がる(錨形)。花期は5~10月。2n=22。
 ウラジロサナエタデはまるで別種に見えるが、混生することも多く、以前は変種とされていたが、現在では基本種に含められている。サナエタデは毛が少なく、葉裏に腺点が密生する。ウラジロサナエタデは葉裏に綿毛が密生する。毛の特に多いものは葉表や茎にも綿毛がある。それ以外はサナエタデと差異がなく、花柄に腺毛があり、痩果も同じ両凹レンズ形である。

類似種の比較

(1) Persicaria lapathifolia (L.) Delarbre オオイヌタデ
 高さ(5~)10~100(~180)㎝。茎は節間がほぼ無毛、上部に伏した毛があり、ときに腺点または有柄の腺があり、赤色を帯びることが多く、ときに帯赤色の斑点があり、うねがほとんどなく、節は膨らむ(生育する場所による)。葉は側脈が20~30対、上面に暗色の斑紋があり、両面とも通常無毛または下面に腺点が明瞭にあり、または羊毛状毛(lanate)~くも毛があり、縁毛は無~長さ0.2㎜。托葉鞘は面が無毛、縁は無毛まれに長さ1㎜以下の微毛がある。苞は無毛、先は尾状または長い尖鋭形。花序は長さ3~8(~10)㎝、先が垂れ下がる。花序柄はしばしば有柄の腺がある。花は小束あたり4~14個つく。花被片は4(~5)個、緑白色~ピンク色、腺点がありまたは無く、果時の花被片の脈の先は錨形。痩果は円盤形[両面が少し窪む両凹レンズ形]またはまれに3稜形。花期は(4~)7~11月。2n=22。n=11。
(2) Persicaria tomentosa (Schrank) E.P.Bicknell サナエタデ
 WFO Plant List(2022)ではこの種はオオイヌタデ(Persicaria lapathifolia (L.) Delarbre)のsynonymとされている。
 高さ30~50(~90)㎝。茎は無毛、緑色または紅色を帯び、ときに帯赤色の斑点があり、節が高くなる。葉は側脈が7~15対、縁に剛毛があり、上面にはまばらに毛があり、下面は通常ほぼ無毛で脈上に伏毛があり、黄色の腺点が密生するか、または初め、白色の綿毛が有り、下面に綿毛が密生するものあり。托葉鞘は面が通常無毛または綿毛が有り、縁は無毛~微毛。花序は長さ1~4(5)cm、直立し、先が垂れない(ときに晩期に垂れる)。花序柄はときに有柄の腺がある。苞は無毛、漏斗形。花被片は4または5個、淡紅色~白色、腺点があり、脈の先は錨形。痩果は表面が少し窪む両凹レンズ形、基部が膨れない。花期は5~10月。2n=22。
(3) Persicaria pensylvanica (L.) M.Gomez アメリカサナエタデ
 高さ10~200㎝。根は基部の節から発生することもある。茎はうねがあり、無毛または上部に伏毛があり、上部に腺は無くまたは有柄の腺がある。葉柄は長さ0.1~2(~3)㎝、無毛または伏毛がある。葉身はときに、上面に暗色の斑紋を持ち、上面は無毛または伏毛があり、下面は腺は無くまたは腺点があり、ときに上面にも腺点があり、縁には前向きのザラつきがある。托葉鞘は帯褐色、表面が無毛または伏毛があり、腺は無く、基部が膨れ、縁は縁毛が無くまたは長さ0.5㎜の剛毛がある。花序は長さ0.5~5㎝、直立または先が垂れる。花序柄は無毛または有毛、通常は有柄の腺がある。鞘状苞(ocreolae)は重なり、縁毛が無くまたは長さ0.5㎜までの剛毛の縁毛がある。花は小束(ocreate fascicle)あたり2~14個つく。花被は緑白色~バラ色、無毛、腺点はなく、花後に大きくなる。花被片は5個、脈は顕著、錨形ではなく(鉤状に曲がらない)。痩果は円盤形、まれに 3稜形、中央のこぶ(hump)がなく、表面が少し窪む両凹レンズ形。花期は5~12月。2n=88。
(4) Persicaria extremiorientalis (Vorosch.) Tzvelev ハルタデ
 高さ(10)30~100(~230)㎝。茎は通常、赤紫色を帯び、直軟毛があり、まれに伏した基部の広い長さ1~5㎜の剛毛がある。葉は側脈が(6~)12~35対、両面ともほぼ無毛、上面に不明瞭な暗色の斑紋(ときに明瞭)があり、葉縁の剛毛は長さ0.5~1.1㎜、下面に腺はなく、微細なパピラがある。托葉鞘は外面に剛毛があり、縁の剛毛は長さ1~5㎜。花序柄は通常短い有柄の腺がある。花序は長さ3~5(~8)㎝、直立または先が垂れ下がる。花被は淡紅色、紫色、まれに緑白色。果時に花被片の脈は、乾いても明瞭に隆起せず、脈の先は二股に分岐するか、または分岐しない。分岐している場合は、片方の枝のみが弱く反り返る(両方ではない)。痩果はレンズ形(まれに三稜形)、基部に膨れ(tumescent)=こぶ(hump)がある。花期は4~10月。2n=22 , 44。
(5) Persicaria maculosa Gray subsp. maculosa ヨウシュハルタデ
 高さ(10)30~70(80)㎝、茎は無毛。 葉柄は長さ5~8㎜、伏した小剛毛がある。葉は両面が無毛または下面に伏した剛毛があり、上面に暗色の斑紋があり、腺は無く、葉縁の剛毛は長さ0.2~0.5㎜。 托葉鞘まばらに剛毛があり、縁毛は長さ0.4~3(~5)㎜。花序柄は無毛まれに有柄の腺がある。花序は長さ1~4(6)cm、直立する。花被片は通常5個、ピンク色~赤紫色~暗紫色、果時に乾くと脈が顕著に隆起し、脈の先は二股分岐が有または無、有の場合は、片方の枝のみが弱く反り返る(両方ではない)。痩果は類円形又は広卵形、レンズ形または三稜形(凹面)、基部で最も幅が広いが、膨れない。花期は6~7月。2n=22, 40,42, 44。