葉状地衣。地衣体はほぼ平らで、斜上せず、多数分枝し、放射状に伸び、不規則～ほぼ円形に直径5～15㎝になる。裂片は幅約1㎜、広くても2㎜以下、先は斜上しない。背面は緑白色～灰色～暗灰色～褐色を帯び、粉芽も裂芽もない。上皮層は繊維菌糸組織。髄層は白色。下皮層は欠く。腹面は白色～紫色～黒色。偽根は白色（淡色）～黒色、よく分枝する。子器は普通あり、大きさに変化が多く、直径 5(10)㎜以下。ときに盃形になり、無柄～短柄、縁が切れ込む。盤は褐色～暗褐色。子嚢は円筒状～やや棍棒状、胞子を8個入れる。胞子は褐色、1隔壁、長さ (22.5) 23.5～30.5 (35.5)µm、幅(11) 12.5～16 (17)µm。粉子器は普通ある。粉子は桿形、長さ4～5µm、幅約1µm（長さ1～2µm、幅0.3～0.5µmとするレポートもある） 。スポットテスト　皮層：K+黄色 , C- , KC- , P+黄色、髄層：K+黄色又は黄色～橙色 , C- , P-/P+黄色～橙色。二次代謝物質は皮層にアトラノリン、クロロアトラノリンを含み、髄層にアトラノリン、ゼオリン leucotylin 、ノルスチクチン酸を含む。
　チヂレウラジロゲジゲジゴケ Heterodermia microphylla は腹面が白色～灰色。偽根は白色。皮層：K+黄色 , C- , KC- , P+黄色、髄層：K+黄色 , C- , P+淡黄色。二次代謝物質はアトラノリン、ゼオリンを含み、ノルスチクチン酸を欠く。他にaipolic acidなどの痕跡もある。.
　クロアシゲジゲジゴケ Heterodermia japonica は葉縁に粉芽がある。腹面に下皮層がなく、白色、偽根が黒色。
　ヤマゲジゲジゴケ Heterodermia pseudospeciosa はクロアシゲジゲジゴケによく似ていて、腹面に下皮層があり、白色を帯び～淡褐色、まれに暗褐色。偽根が短く、淡褐色～暗褐色～黒色。子器はまれ。
　チヂレゲジゲジゴケ Heterodermia dissecta は腹面に下皮層があり、子器をよくつける。葉縁や子器の縁が細裂片状になる。腹面全体に偽根がある。
　トゲゲジゲジゴケHeterodermia isidiophoraは地衣体が直径5～20㎝、裂片は幅0.7～2.5㎜。腹面に皮層がある。裂芽があり、裂芽は顆粒状にならない。
　キウラゲジゲジゴケ Heterodermia obscurataは腹側にソラリアをつけ、腹面は錆びた又は黄色を帯びた褐色のフェルト状。偽根は黒色。