レカノラ・プリカリス   

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Flora of Mikawa

チャシブゴケ  Lecanoraceae チャシブゴケ属

中国名 丽盘茶渍 li pan cha zi
英 名 rim lichen
学 名 Lecanora pulicaris (Pers.) Ach.
Lecanora chlarona (Ach.) Nyl.
レカノラ・プリカリス2
レカノラ・プリカリス3
レカノラ・プリカリス4
レカノラ・プリカリス
分 類 子嚢地衣類(Ascolichens)
生育形 痂状
生育場所 低地~山地の日当たりのよい樹皮、樹枝
分 布 在来種  北海道、本州、四国、九州、中国、アジアの温帯地域
撮 影 新城市   14.5.6
痂状地衣、樹皮着生。地衣体は黄白色~黄灰色~灰白色~灰色、連続又は疣状に小区画を生じる。下生菌糸は見えないか白色~青黒色。子器はレカノラ型、直径0.3~1.5㎜、盤は淡色のときもあり、赤褐色~暗褐色~黒色、平坦。縁は地衣体と同色、波打たず、平滑、全縁~疣状、ときに欠ける。果托はあり、多くの藻類をもち、KOHに不溶な大きな結晶がある。皮層は明瞭、厚さ(10)15~20(25)µm、側面は基部の厚さ25~65µm。果殻は透明、KOHに可溶な結晶がある。子嚢上層は赤褐色~橙褐色、KOHで分解する色素、KOHで分解する細かな結晶がある。子嚢層は透明、側糸の先は太さ 3.5µm以下にわずかに膨れる。子嚢脚層は透明、厚さ15~20µm。子嚢下層は油滴を含まない。子嚢は棍棒形、胞子を8個入れる。子嚢胞子は透明、単室、長さ(9)9.5~13(16)µm、幅(6.5)7~9(10.5)µm、壁は厚さ約1µm。粉子器は埋没する。粉子柄はtype II 。粉子は桿形、長さ(11)14~17(19)µm。スポットテスト K +黄色, KC -, C +, P+橙色~赤色/P- , UV-/+青色。二次代謝物質はアトラノリン(major)、クロロアトラノリン(minor)、 confumarprotocetraric acid (trace or absent)、fumarprotocetraric acid (major or absent)、roccellic acid (major or absent)。
 Lecanora chlarotera はよく似ている。ほぼコスモポリタン種であるが、日本では未確認。子器が直径0.4~0.8㎜、盤が赤褐色~橙褐色。胞子が(9.5)13.5~15(15.5)µm、幅(5.5)6~7(7.5)µm、壁が厚さ1µmより薄い。
 マルミチャシブゴケ(仮称 ナミチャシブゴケ) Lecanora megalocheila は広く分布し、樹皮着生。地衣体が淡灰色~淡褐色~灰緑色、平滑、周囲は不明瞭、黒色。子器は直径1~2㎜程度、縁は地衣体と同色、やや曲がることもある。盤は平坦~穴状、赤褐色。縁は平滑。果殻は白色、シュウ酸カルシウムの結晶はない。果托は10%KOHに可溶な結晶があり、共生藻が多い。皮層:C-, P-又はP+橙色。アトラノリン、hopane-6a,22-diol, ノルスチクチン酸を含む。
 レカノラ・キオノカルパ Lecanora chionocarpa は樹皮着生。地衣体がいぼ状~凸状、淡灰色~淡褐色、縁が下生菌糸で綿毛状になる。子器盤は赤褐色~褐色、細粉状にならない。C-, P-。アトラノリン、hopane-6a,22-diolを含む。
 ヤマトチャシブゴケLecanora japonica =Lecanora wrightiana は地衣体が薄く、連続、亀裂状~小区画状、いぼ状、レモン色~淡緑色。周囲は不明瞭、白色。子器は円形~不規則、直径0.2~0.7㎜。盤は赤褐色、縁は平滑、全縁。皮層は透明、ゼラチン質、小さな結晶を持つ。果托は小さな結晶を持つ。果殻は透明、厚さ15µm、結晶はない。子嚢上層は赤褐色、顆粒状でない。側糸は頂端が網状になりわずかに太くなる。子嚢は円筒形、長さ13~15µm、幅7~8µm。スポットテスト  C-, P-。アトラノリンを含む。
 ニホンチャシブゴケ Lecanora nipponica は暖、冷温帯に分布する。樹皮着生。子器が直径約2㎜、盤が赤褐色、縁が疣状。
 ニセニホンチャシブゴケ Lecanora cinereofusca は冷温帯に分布する。樹皮着生。下生菌糸は白色を帯び、不明瞭、すぐに消える。子器盤が赤褐色、縁が不規則に波打つ。果托は大きな結晶を持つ。胞子は透明、長さ10~13µm、幅6~8 µmの扁平な惰円形、単室。 K+黄色,C-, KC-, P+橙色。pannarin、placodiolic acid、roccellic acidを含む。
 オオチャシブゴケ Lecanora glabrata 樹皮着生、小区画状。表面は緑白色。子器盤はやや淡色~中間の赤褐色。胞子は長さ11~13µm、幅6~8µm。 K+黄色, C-, KC-,
 キミチャシブゴケ(レカノラ・レプロサ) Lecanora leprosa はコナイボゴケと同じように低地に広く分布する。都市部では見られない。地衣体は黄白色~黄灰色~黄緑色、平滑、粉芽状にならない。子器は直径0.3~0.8㎜、密集してつく。子器盤は橙褐色~黄褐色。アトラノリン、ガンガレオイジンを含む。