レカノラ・キオノカルパ
Flora of Mikawa
チャシブゴケ Lecanoraceae チャシブゴケ属
中国名 | 雪果茶渍 xue guo cha zi |
学 名 | Lecanora chionocarpa Hue |
分 類 | 子嚢地衣類(Ascolichens) |
生育形 | 痂状 |
生育場所 | 低地~山地の日当たりのよい樹皮、樹枝 |
分 布 | 在来種 北海道、本州、四国、九州、中国、アジアの温帯地域 |
撮 影 | 田原市 14.3.9 |
樹皮着生。痂状地衣。地衣体がいぼ状~凸状、淡灰色~淡褐色、周囲が白色、蜘蛛巣状~綿毛状になる。粉芽はない。子器盤はレカノラ型、縁は波状にならないか、わずかになり、地衣体と同色。盤は平坦、赤褐色~褐色、細粉状にならない。果殻は白色、結晶は含まない。果托は10%
KOHに可溶な小さな結晶が多数あり、共生藻が多い。子器の皮層は幅20~35(40)µm、基部では広く幅30~75(80)µm、油滴を含む。胞子は子嚢に8個、長さ14~20µm、幅(8)8.5~11µm、扁平な惰円形。粉子器は卵形、粉子柄はtype
II.(sensu Vobis, 1980)。粉子は(14)15~25(27)µmの桿形。スポットテストC-, P-。アトラノリン、hopane-6a,22-diolを含む。
マルミチャシブゴケ(仮称 ナミチャシブゴケ) Lecanora megalocheila は広く分布し、樹皮着生。地衣体が淡灰色~淡褐色~灰緑色、平滑、周囲は不明瞭、黒色。子器は直径1~2㎜程度、縁は地衣体と同色、やや曲がることもある。盤は平坦~穴状、赤褐色。縁は平滑。果殻は白色、シュウ酸カルシウムの結晶はない。果托は10%KOHに可溶な結晶があり、共生藻が多い。皮層:C-, P-又はP+橙色。アトラノリン、hopane-6a,22-diol, ノルスチクチン酸を含む。
ヤマトチャシブゴケLecanora japonica =Lecanora wrightiana は地衣体が薄く、連続、亀裂状~小区画状、いぼ状、レモン色~淡緑色、細粉状でない。周囲は不明瞭、白色。粉芽はない。子器は円形~不規則、直径0.2~0.7㎜。盤は赤褐色、縁は地衣体と同色、平滑、全縁。皮層は透明、ゼラチン質、小さな結晶を持つ。果托は小さな結晶を持つ。果殻は透明、厚さ15µm、結晶はない。子嚢上層は赤褐色、顆粒状でない。側糸は頂端が網状になりわずかに太くなる。子嚢は円筒形、長さ13~15µm、幅7~8µm。スポットテスト C-, P-。アトラノリンを含む。
ニホンチャシブゴケ Lecanora nipponica は暖、冷温帯に分布する。樹皮着生。子器が直径約2㎜、盤が赤褐色、縁が疣状。K+黄色 , C- , P+橙色。アトラノリンを含む。
ニセニホンチャシブゴケ Lecanora cinereofusca は樹皮に着生し、周囲の下生菌糸は白色を帯び、不明瞭、すぐに消える。子器は赤褐色、縁は不規則に曲がる。果托は大きな結晶を持つ。胞子は透明、長さ10~13µm、幅6~8 µmの扁平な惰円形、単室。 K+黄色,C-, KC-, P+橙色。pannarin、placodiolic acid、roccellic acidを含む。
オオチャシブゴケ Lecanora glabrata 樹皮着生、小区画状。表面は緑白色。子器盤はやや淡色~中間の赤褐色。胞子は長さ11~13µm、幅6~8µm。 K+黄色, C-, KC-,
Lecanora pulicaris はアジア、ヨーロッパ、北アメリカに分布し、樹皮着生。下生菌糸は見えないか白色~青黒色。子器は直径0.3~1.5㎜、盤は赤褐色~褐色~暗褐色~黒色、平坦。縁が疣状、ときに欠ける。K +黄色, KC -, C +, P+橙色~赤色/P- , UV-/+青色。Lecanora chlarotera によく似ている。
以下は岩上着生。
Lecanora pseudistera は世界に広く分布。岩上、地上着生。子器は直径0.2~0.8 (1.4)㎜、盤は淡褐色~赤褐色。縁は疣状~円鋸歯状。K+黄色, C–, P+ 淡橙色。
イシチャシブゴケ(レカノラ・スブインメルゲンス) Lecanora subimmergens は岩上に着生し、よく似ている。周囲は輪紋状、不明瞭、白色。粉芽はない。子器は直径(0.3)0.4~1.2(1.4)㎜。子器盤は淡~暗赤褐色。スポットテスト 地衣体、子嚢盤の縁: K+黄色, C-, KC-, P+黄色。2次代謝物質はアトラノリン、ゼオリンを含む。
マルミチャシブゴケ(仮称 ナミチャシブゴケ) Lecanora megalocheila は広く分布し、樹皮着生。地衣体が淡灰色~淡褐色~灰緑色、平滑、周囲は不明瞭、黒色。子器は直径1~2㎜程度、縁は地衣体と同色、やや曲がることもある。盤は平坦~穴状、赤褐色。縁は平滑。果殻は白色、シュウ酸カルシウムの結晶はない。果托は10%KOHに可溶な結晶があり、共生藻が多い。皮層:C-, P-又はP+橙色。アトラノリン、hopane-6a,22-diol, ノルスチクチン酸を含む。
ヤマトチャシブゴケLecanora japonica =Lecanora wrightiana は地衣体が薄く、連続、亀裂状~小区画状、いぼ状、レモン色~淡緑色、細粉状でない。周囲は不明瞭、白色。粉芽はない。子器は円形~不規則、直径0.2~0.7㎜。盤は赤褐色、縁は地衣体と同色、平滑、全縁。皮層は透明、ゼラチン質、小さな結晶を持つ。果托は小さな結晶を持つ。果殻は透明、厚さ15µm、結晶はない。子嚢上層は赤褐色、顆粒状でない。側糸は頂端が網状になりわずかに太くなる。子嚢は円筒形、長さ13~15µm、幅7~8µm。スポットテスト C-, P-。アトラノリンを含む。
ニホンチャシブゴケ Lecanora nipponica は暖、冷温帯に分布する。樹皮着生。子器が直径約2㎜、盤が赤褐色、縁が疣状。K+黄色 , C- , P+橙色。アトラノリンを含む。
ニセニホンチャシブゴケ Lecanora cinereofusca は樹皮に着生し、周囲の下生菌糸は白色を帯び、不明瞭、すぐに消える。子器は赤褐色、縁は不規則に曲がる。果托は大きな結晶を持つ。胞子は透明、長さ10~13µm、幅6~8 µmの扁平な惰円形、単室。 K+黄色,C-, KC-, P+橙色。pannarin、placodiolic acid、roccellic acidを含む。
オオチャシブゴケ Lecanora glabrata 樹皮着生、小区画状。表面は緑白色。子器盤はやや淡色~中間の赤褐色。胞子は長さ11~13µm、幅6~8µm。 K+黄色, C-, KC-,
Lecanora pulicaris はアジア、ヨーロッパ、北アメリカに分布し、樹皮着生。下生菌糸は見えないか白色~青黒色。子器は直径0.3~1.5㎜、盤は赤褐色~褐色~暗褐色~黒色、平坦。縁が疣状、ときに欠ける。K +黄色, KC -, C +, P+橙色~赤色/P- , UV-/+青色。Lecanora chlarotera によく似ている。
以下は岩上着生。
Lecanora pseudistera は世界に広く分布。岩上、地上着生。子器は直径0.2~0.8 (1.4)㎜、盤は淡褐色~赤褐色。縁は疣状~円鋸歯状。K+黄色, C–, P+ 淡橙色。
イシチャシブゴケ(レカノラ・スブインメルゲンス) Lecanora subimmergens は岩上に着生し、よく似ている。周囲は輪紋状、不明瞭、白色。粉芽はない。子器は直径(0.3)0.4~1.2(1.4)㎜。子器盤は淡~暗赤褐色。スポットテスト 地衣体、子嚢盤の縁: K+黄色, C-, KC-, P+黄色。2次代謝物質はアトラノリン、ゼオリンを含む。