きのこ図鑑
Flora of Mikawa 
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 ツヤウチワタケモドキ  艶団扇茸擬
学  名 Microporus longisporus T. Hatt.
Microporus subaffinis (Lloyd) Imazeki [Microporus affinis]
Trametes scopulosa (Berk.) Bres
Polystictus scopulosus Lloyd
Microporus scopulosus (Berk.) Ryv
Amauroderma scopulosum (Berk.) Imazeki
分  類 坦子菌門 ハラタケ亜門 ハラタケ綱 タマチョレイタケ目(Polyporales)
科  属 タマチョレイタケ科  Polyporaceae  ツヤウチワタケ属
 学名は原色日本新菌類図鑑ではMicroporus subaffinis とされていたが、Microporus subaffinisはMicroporus affinis の異名であり、現在はMicroporus longisporus とされている。これはPolystictus scopulosus Lloydの異名であり、ナンバンウチワタケAmauroderma scopulosum (Berk.) Imazekiも同一とする見解もある。MycoBankではTrametes scopulosa が現行名。
 日本の本州以南に分布し、ベトナム、インド(Microporus scopulosus)などの報告もあるが、よくわからない。
 シイ類の枯れ枝、枯木に発生する白色腐朽菌。子実体は傘が腎形~半円状腎形、柄が痕跡的~長いものまで変化がある。柄は長さ0~3㎝、柄が長く、帯黒色になるものもある。傘は幅2~6㎝、厚さ3~6(~10)㎜でツヤウチワタケより厚く、表面は無毛、平滑、鈍い光沢があり、淡灰褐色、顕著な環紋がある。管孔面は暗材白色、孔口は小さく、4~5個/㎜(ツヤウチワタケよりやや大きい)、孔口縁がやや歯牙状で、下面がざらつく。傘の周縁の幅1~2㎜には管孔がない。胞子は長さ5~6.5µm、幅約2.5µm、円柱形、わずかに曲がり、無色、平滑。シスチジアは無い。
 ツヤウチワタケMicroporus vernicipes (Berk.) Kuntze 1年生。広葉樹の枯木、落ち枝などに夏~秋、単生~少数散生~群生する。子実体は普通、側着生で短柄、まれに中心生で長柄のこともある。傘は幅2~6㎝、奥行1~3㎝、厚さ1~2㎜、扇形~腎形~まれに円形、堅い革質、縁は薄く、波打ちや切れ込みがあり、縁は薄い。傘表面は淡黄白色~黄褐色~栗褐色、無毛、平滑、光沢があり、細かい放射状の繊維紋があり、濃淡の環紋がある。柄は質が硬く、長短不定、長さ0.2~2㎝、幅2~4(8)㎜、円柱形、基部は円盤状になり、基物につく。柄の表面は無毛、平滑、黄土色~褐色。管孔面は淡材白色、孔口は微細、(7~8)8~9個/㎜。管孔長は0.5~1.5㎜。肉は質が薄く、硬い革質、無味、無臭。胞子は長さ4~6µm、幅2~3µm(長さ4.5~7.5µm、幅2~2.5µm)、長楕円形~円柱形、無色、平滑。菌糸は3菌糸型、原菌糸は無色、薄壁、クランプがあり、直径3~5.5µm。骨格菌糸は無色~わずかに淡黄褐色、厚壁、直径3~4 µm。結合菌糸は無色、厚壁、分枝、直径1~1.5µm。
 ウチワタケMicroporus affinis (Blume & T. Nees) Kuntze 子実体は側着生、有柄。傘は幅2~5(10)㎝、厚さ1~3㎜の扇形~半円形~腎臓形、ときに円形、縁は薄く、鋭縁。背面は変化が多く、黄褐色~灰褐色~黒褐色などの明瞭な環紋があり、全体に微毛があり、環紋の帯灰色の毛が目立つ。柄は茶褐色~褐色、質が硬く、長さ0.5~3㎝、幅0.2~0.5㎝、円柱形、基部は円形の吸盤状。腹面は類白色、孔口は微細、(6~7)7~8個/㎜、孔長約1㎜。肉は白色、薄くて硬い革質、強靭、無味、無臭。胞子は長さ3~4(4~5)µm、幅1.5~2(2~2.5)µmのソーセージ形~円柱形。非アミロイド。菌糸は3菌糸型、原菌糸にクランプがある。骨格菌糸(肉)は幅4~6(7) µm、KOH中で膨れると~10 µm、厚壁。
ツヤウチワタケモドキ
ツヤウチワタケモドキ2
ツヤウチワタケモドキ傘背面
ツヤウチワタケモドキ傘背面
ツヤウチワタケモドキ管孔
発生時期 夏~秋
大 き さ 小型~中型 直径2~6㎝
栄養摂取 白色腐朽菌 
発生場所 広葉樹(シイ類)の枯木、倒木、落枝
分  布 日本(本州以南)
食  毒 不食
撮  影 岡崎市  17.10.31
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