ツチグリは世界に広く分布する Astraeus hygrometricus と長年の間されてきたが、分子系統解析の結果、日本のツチグリはAstraeus
hygrometricus とは異なるとの見解が出された(2010年)。また、腹菌亜綱の存在も否定されている。
地中~半地中生。内部が白色の幼菌は食用になる。子実体は直径約2㎝、球形~扁球形、灰褐色~黒褐色、表面に同色の菌糸束がつき、基部に黒色の短根状菌子束がつく。成菌になると皮質の厚い外皮が、頂部から6~10数片に裂けて星形に開く。外皮(殻皮)は3層からなり、外層は革質、中層は膠質、内層は白銀質で亀甲状に細裂する。外皮は中層の湿、乾による膨張、収縮で、開閉する。基本体(グレバ)は内皮中にあり、一様に坦子器がつき、成熟して胞子塊を出す。内皮は薄膜の袋状、平滑~細毛があり、淡灰褐色~淡黄褐色、1個の頂孔がある。内皮と外皮は基部で癒着しており、外皮の動きで、袋の頂孔から胞子塊を放散する。胞子は褐色、直径6~10µmの球形、非アミロイド、表面に微小疣がある。偽弾糸は幅3~6µm、厚壁、分岐は少、クランプ有り。
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