日本、アジア、ヨーロッパ、北アメリカに分布。広葉樹(主にブナ)の枯木、倒木に群生又は単生し、多年生、白色腐朽菌。子実体は側着生、無柄。小形の群生するタイプ(ヒメホクチタケ、ヒメツリガネタケ)と大形で単生するタイプがあり、欧米の大形のタイプを基本型とする。日本では両タイプが見られる。昔、ヨーロッパで火口(ほくち)に使用された。5000年前に アイスマン(Tyrolean Iceman) が持っていた2個のうちの1個がこのツリガネタケといわれる。
【基本型】傘は幅5~30(~50)㎝、厚さ3~15(~25)㎝、半円形、丸山形~馬蹄形(貝殻形~馬蹄形)、背面は堅い殻皮で被われる。表面は灰白色~灰褐色(灰色~灰褐色)、環溝及び幅広の環状隆起帯があり、周縁は淡色、厚い鈍縁。肉は淡黄茶色、強靭なフェルト質、厚さ1~5㎝。殻皮は断面が黒色、厚さ1~2㎜。管孔面は灰白色~帯褐色、管孔は多層、各層は厚さ0.5~2㎝。孔口は円形、(2)3~4(5)個/㎜。胞子は円柱形(長楕円形、紡錘形)、長さ10~18(20)µm、幅(4)5~6(7)µm、無色、平滑、非アミロイド。3菌糸型、原菌糸にクランプあり。
【小形群生型】傘は普通、馬蹄形~釣鐘形、幅3~4㎝、厚さ2~5㎝、灰白色~白茶色、縁は淡黄茶色、年々、数個の成長で環溝を形成し、しばしば、黒褐色の細い環紋が入る。肉は強靭なフェルト質、黄茶色。管孔面は灰白色。管孔は多層、各層は厚さ0.5~1㎝。孔口は円形。
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