学名はCrucibulum laeve とされているが、MycobankなどではCrucibulum crucibuliformeを通用学名としている。属のCrucibulumは小さいツボを意味し、laev-は平滑を意味し、ツボの内側が平滑である。
森林の堆積物(枝、葉、木の実の殻、刺など)、ウッドチップ、古い家具、糞などに発生し、まれに地上や太い丸太などにも発生する。子実体は夏~秋に群生~散生~単生し、高さ2~9㎜、幅4~10㎜の杯形、無柄、幼時、クッション形~球形(卵形~洋ナシ形)、黄土色(mustard
yellow~dull yellow)の細毛が密生して全体を覆う。子実体の上部は2層の隔膜からなり、成熟すると上側に黄白色のふた(内膜)が見えるようになり、その後、裂開し、杯形(cup-shaped~goblet-shaped)となり、小塊粒(egg)が見える。杯の外面はビロード状又はほとんんど無毛で、帯黄色のままか又は褐色近くの暗色になる。内面は無毛、光沢があり、帯白色~帯灰色。小塊粒は直径(0.8)1.5~2㎜、厚さ約0.5㎜、レンズ状、円形。小塊粒の外被膜は白色~黄白色(pale
tan~pale buff)、やや厚く、小粒膜(第2層)は黒褐色、光沢がある。小塊粒の裏面中央に殻皮内部に繋がった細い紐があり、紐は寒天質を付着した菌糸束であり、長く伸びる。小塊粒の内部に担子器を形成し、4胞子性。胞子は長さ6~9(8~12)µm、幅3~5(3.5~6)µm、楕円形、無色、平滑。菌糸は直径1~4µm、黄色~茶褐色、分枝し、隔壁は無い。
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