きのこ図鑑
Flora of Mikawa 
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 テングタケモドキ  天狗茸擬
中 国 名 暗盖淡鳞鹅膏 an gai dan lin e gao
学  名 Amanita sepiacea S. Imai
分  類 坦子菌門 ハラタケ亜門 ハラタケ綱 ハラタケ亜綱 ハラタケ目(Agaricales)
科  属 テングタケ科  Amanitaceae  テングタケ属
 テングタケに似るが、つばが柄の頂部につく。テングタケやイボテングダケはつばが柄の上部につき、テングダケダマシはつばが柄の中間につく。
 夏~初秋に単生~群生する。傘は直径3~9(15)㎝、半球形~扁平~浅皿形、表面、湿時、弱粘性があり、灰褐色~黒褐色の繊維状鱗片に密に覆われ、中央が濃く、古くなると、辺縁が細鱗片し淡色になり、傘の中央付近に高さ1~4㎜の小角垂状の汚白色~灰色(しばしば基部で褐灰色)の外被膜の残片を散布する。柄は中実、長さ7~13(18)㎝、幅7~11(25)㎜、類逆棍棒形、基部が肥大して、末端が尖り、表面は灰色~暗褐色の繊維状~綿くず状の鱗片に覆われる。つばは柄の頂部につき、下垂し、膜質、上面が白色、下面が暗褐色~暗灰色。つぼは柄の基部に白色粒として層状に付着する。ひだは離生(テングタケ属の特徴)、密、類白色、幅約1㎝、短ひだが多い。肉は白色、無味、無臭。胞子は広楕円形~楕円形、長さ(7.0) 7.5 ~ 9.5 (11.0) µm、幅(5.5) 6.0 ~ 7.0 (8.0) µm。担子器は4胞子性、ときに1、2胞子性のものが混じる。菌糸はクランプが無い。
テングタケモドキ
テングタケモドキ2
発生時期 夏~初秋
大 き さ 小型~中型、直径3~9㎝
栄養摂取 菌根菌
発生場所 混交林(アカマツ、コナラ)、広葉樹林(シイ、カシ)の地上
分  布 日本、朝鮮、台湾、中国
食  毒 不明
撮  影 岡崎市 16.7.14
テングタケモドキ傘
テングタケモドキひだ
テングタケモドキつば
【類似種】
●テングタケAmanita pantherina は主に広葉樹林下に発生する。傘は直径(3.7)5~10(11)㎝の半球形~饅頭形~中丘扁平、背面は灰褐色~褐色(~暗黄土褐色、オリー褐色、銅色)、辺縁は淡色、条線があり、条線は傘の半径の10~15%の長さ。傘全面に白色の疣をつけ、疣は取れやすく、傘の縁に内披膜の残片が垂れ下がる。柄は長さ5~14(20)㎝、幅0.5~2㎝、上下同径~下部やや太く、基部は肥大し、幅22~30㎜のバルブ状、中空、繊維状鱗片によりだんだら模様となり、上部につばがあり、バルブの上につぼが環状に残る。ひだは離生~隔生、やや密~密につき、白色~乳白色、幅7~10㎜。肉は薄く、白色、弱い塩味、無臭。胞子は無色、平滑、長さ(7.5) 8.5~ 11.7 (14.0) µm、幅 (4.9) 6.2~8.1(9.8)µmの広楕円形~惰円形(ときに長くなり、まれに円筒形、球形)、非アミロイド。坦子器の基部にクランプ無し。
 ●イボテングタケ Amanita ibotengutake テングタケと酷似し、混同されていたが、2002年に独立種とされた。テングタケは主に広葉樹林に発生し、イボテングタケはやや大きく針葉樹林に発生する。傘は幅7.5~16㎝、初期に半球形、その後、饅頭形~縁が捲れ上がり扁平、褐色~暗褐色~黄褐色~橙褐色、しばしば中央が暗色になり、平滑。傘の縁に条線があり、傘半径の30%以下の長さがある。傘肉は白色、柄の上部で厚さ6~8㎜。傘の上には青白いピラミッド形の疣や小さなパッチとして内被膜の破片が残る。ひだは離生~隔生、幅9~15㎜、白色~淡クリーム色、密につき、白粉状の離れた縁がある。短ひだは1~6列、切形~類切形。柄は長さ5.5~16㎝、幅0.9~2.4㎝、白色~黄白色~淡黄色、上部が狭くなり、中空~髄状。柄の基部のバルブは長さ30~40㎜、幅14~36㎜、球形~類球形又は広惰円形、楕円形、紡錘形。柄には中部にスカートのようなリングがあり、傘がひろがる間にときにボロボロになり、傘の縁に垂れ下がって残る。つぼは完全にバルブを包むか、破れて環状につく。肉は樹脂に似た臭いといわれる。胞子は長さ(8.0) 8.4~10.8(12.0)µm、幅 (5.6) 6.4~8.0(10.0)µm、広楕円形~楕円形(まれに類球形又は長くなる)、非アミロイド。坦子器の基部に普通、クランプがある。
 ●テングダケダマシ Amanita sychnopyramis f. subannulataは広葉樹林下に発生し、普通、小型。傘は直径3~9㎝、半球形~扁平、乾き、灰褐色、辺縁は溝条があり、傘全面に白色~淡褐色の円錐状の疣をつける。柄は中空、長さ3.5~12㎝、幅4~10㎜、上下同形、類白色、つばが中間にあり、基部は球根状に肥大し、つぼの破片が環状につく。つばは白色、膜質、つばの縁が灰白色になる。ひだは白色、密。肉は白色、無味、無臭。胞子は長さ6.5~9µm、幅6.5~7.5µm、類球形。
 ●タマゴテングタケモドキ(アカハテングタケ)Amanita rhodophylla は傘が灰褐色~ネズミ色、長い条溝がある。ひだが淡紅色。大きなつぼがある。
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