別 名 |
ケムリタケ |
中 国 名 |
梨形马勃 li xing ma bo |
英 名 |
pear-shaped puffball , stump puffball |
学 名 |
Lycoperdon pyriforme Schaeff. |
分 類 |
坦子菌門 ハラタケ亜門 ハラタケ綱 ハラタケ亜綱 ハラタケ目(Agaricales) |
科 属 |
ハラタケ科 Agaricacea ホコリタケ属 |
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夏~秋に林内の朽木、ときに腐植土上に群生する。世界に広く分布。子実体は高さ2~5㎝、幅1.5~5㎝の逆洋梨形、頭部は擬宝珠形、無性基部は逆円錐形、基部に白色の根状菌糸束をつける。外皮は白色、顆粒状、後に黄褐色~褐色と次第に暗色になり、刺が脱落した後に光沢のある褐色の内皮が表出し、熟すと頂孔を開く。無性基部は基本体との境界が明瞭、内部は帯紫褐色のスポンジ状。基本体は肉質、白色、後に黄褐色~オリーブ褐色の古綿状になる。胞子はオリーブ褐色、直径3.5~4.5(5.5)µm、球形、わずかに微細突起がつくか又は平滑、無柄、1個の大きな油滴を含む。弾糸は幅3.5~4.5(5.5)µm、厚壁(壁厚1~2µm)幅2~8µm、KOH中でオリー色~帯褐色(青色)、分岐が少なく、無隔壁、小孔は無い。幼時可食。
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発生時期 |
夏~秋 |
大 き さ |
小型 幅1.5~5㎝、高さ2~5㎝ |
栄養摂取 |
腐生菌 |
発生場所 |
林地の腐朽木 |
分 布 |
世界に広く分布 |
食 毒 |
可食(幼時) |
撮 影 |
幸田町 16.11.7 |
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<腐朽木上に見られる類似種>
●ホコリタケタケLycoperdon perlatum 夏~秋に林地、草地、道端の地上に単生~群生し、まれに腐木にも生え、高さ4~6.5㎝、幅2~4㎝、頭部と柄のような無性基部がある。頭部は長さ1.5~2.5㎝、擬宝珠形、幼時は白色~淡褐色、外皮が次第に白色~黒褐色に変わり、高さ1~2㎜の多数の円錐状突起として残り、内皮が見えるようになる。突起は脱落しやすい。内皮は紙質、白色から汚褐色~灰褐色に変わり、突起が脱落した跡があばた模様になり、熟すと頂孔を開く。基本体は内皮に包まれ、幼時、白色肉質、古くなるとオリーブ褐色になり、悪臭液を出し、暗褐色の古綿状の胞子塊となる。無性基部は長いものから短いものもあり、円柱形~逆円錐形、頭部との境は境界膜(薄膜)で仕切られ、明瞭、表面は頭部と同色~淡色、疣状~粉状でざらつき、内部はスポンジ状。担子器は歪んだ円筒形~倒棍棒形、胞子は4~6個。シスチジアはない。胞子は黄土褐色、直径3~4(5)µmの球形、非アミロイド、無柄、微細な刺状突起がある。弾糸は黄褐色、厚壁、幅3~6µm、分岐があり、小孔は少ない。菌糸はクランプがない。
●タマネギチャブクロタケ.Bovista aestivalis (Bonord.) Demoulin 夏~秋に草地、裸地、朽木上などに散生~群生する。北半球に分布。子実体は直径1~2.5㎝の類球形、無性基部は無いか又はわずか、基部に白色の根状菌糸束がつく。外皮は灰色~灰白色、粉状、熟すと脱落し、灰褐色、光沢のある内皮が露出し、タマネギ状、やがて頂孔が開く。基本体は白色肉質、熟してくると黄色~オリーブ泥状~褐色、古綿状になる。胞子は黄褐色、直径3~5µmの球形、ほぼ平滑、柄はあっても痕跡。弾糸は幅2~8µm、やや厚壁(壁厚0.5~1µm)、ときに隔壁、小孔があり、不規則に分岐する。
●アバタチャブクロタケ(アバタチャブクロ) Lycoperdon subincarnatum Peck 日本、北アメリカ、オーストラリアに分布する。秋に林内の朽木、草地の腐植土上に束生する。子実体は高さ1~4㎝、幅0.8~3㎝、類球形~逆洋梨形、頭部と柄のような無性基部があり(ときに欠くこともある)、基部に多数の白色の根状菌糸束をつける。頭部は饅頭形、初め、白色、後に暗色になり、淡灰褐色顆粒状~黒褐色糠状~黒褐色鱗片状、熟すと一部脱落して淡褐色網目状の髪質の内皮が露出する。無性基部は小さく、ときに欠き、逆円錐形形、内部はスポンジ状、頭部との境は境界膜(薄膜)で仕切られ、明瞭。基本体は肉質、白色~後に暗オリーブ色、やがて暗褐色古綿状。胞子は淡黄土色、直径3.5~4.5µmの球形、微細ないぼ状突起に覆われ、短柄がある。偽弾糸は幅2~7µm、やや薄壁、隔壁があり、小孔無く、分岐は稀。
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