きのこ図鑑
Flora of Mikawa 
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 オチバタケ  落葉茸
中 国 名 安络小皮伞 an luo xiao pi san
英  名 horsehair fungus
学  名 Gymnopus androsaceus (L.)J.L.Mata et R.H.Petersen
Marasmius androsaceus (L.)J.L.Mata et R.H.Petersen
分  類 坦子菌門 ハラタケ亜門 ハラタケ綱 ハラタケ亜綱 ハラタケ目(Agaricales)
科  属 ツキヨタケ科   Omphalotaceae    モリノカレバタケ属
 学名は2004年にホウライタケ属のMarasmius androsaceus からモリノカレバタケ属の Gymnopus androsaceus に変更された。針葉樹や広葉樹の落葉、枯木、木の崩壊堆積物などに夏~秋に発生する。ほとんど白色になり、シロヒメホウライタケに似ることもあるが、ひだに襟帯がない。
 傘は初期に饅頭形、成長するとやや平らになり、中央が凹み、乾き、平滑、放射状の溝としわがあり、直径.3~8(10)㎜、初期に暗褐色~赤褐色、その後、傘中央はややピンク色を帯びたバフ色(黄土色)で、縁に向かって淡色になり、全体に淡褐色~ときにほとんど純白色になることもある。ひだは直生し、疎につき、傘と同色。柄は非常に細く、強く、針金状、平滑、長さ2.5~5㎝、幅0.5~1㎜、頂部は赤褐色、下部は暗褐色~黒色、つばは無い。基部に黒色の馬の毛状の菌糸体がつく。肉は無味無臭。胞子紋は白色、胞子は長さ6.5~9µm、幅3.5~5µm、楕円形、まれに涙形、平滑、薄壁、へそ突起が目立ち、無色、非アミロイド。
 ●シロヒメホウライタケ Marasmius rotula 広葉落葉樹の枯木、木の崩壊堆積物、枯枝、コケに覆われた丸太、切株などの上に夏~秋に単生~群生(又は束生)する。世界に広く分布。傘は直径(2)5~15(20)㎜、広饅頭形、すぐに中央がへそ状に凹み、ひだ状、頭部が平らで横から見ると四角形、無毛、乾き、白色、凹みが褐色を帯びる。ひだは小さな襟帯があり、白色~黄白色、疎。柄は無毛、長さ1.5~8㎝、幅1~2㎜、上下同径、乾き、光沢があり、針金状、初期に淡色、すぐに先を除いて、赤褐色~暗褐色~黒色になり、基部に硬い毛状の黒色根状菌糸束がある。肉は質が薄く、無味、無臭。KOHにより傘表面は変色しない。胞子紋は白色~帯白色。胞子は長さ6.5~10µm、幅3~5µm、ほぼ惰円形~類紡錘形、平滑、非アミロイド。側シスチジアは無い。縁シスチジアは棍棒形~類球形、非アミロイド、短疣と突起がある。傘上表皮層は子実層状被、短い突起が特徴の箒(ほうき)状細胞がある。り、シロヒメホウライタケ型 (Rotalis-type)細胞 という。
 ●シロホウライタケ Marasmiellus candidus (Bolt.) Sing.  夏~秋に林内の枯木、落枝上に発生する。傘はホウライタケ型、直径5~15(40)㎜、饅頭形~扁平、白色、乾き、ほぼ平滑、溝条が目立つ。乾燥後水につけても戻らない。柄は長さ0.7~3㎝、幅1~2(4)㎜、上下同径、中実、硬く、白色、白粉状~基部は繊維条、白色~灰色、下部は古くなると黒色になる。基部に菌糸体はつかない。ひだは白色、疎、直生し、襟帯はなく、分岐して側脈や小ひだがある。肉は膜質、白色、無味、無臭。胞子紋は白色。胞子は長さ11~17µ、幅4~5µmのウリ種子形~棍棒形、平滑、非アミロイド。縁シスチジアは長さ38~55µ、幅8.5~11.5µm、紡錘形~円柱形。側シスチジアも同形同大。柄シスチジアは長さ28~32µ、幅9~11µm、棍棒形。
オチバタケ
オチバタケ傘
オチバタケひだ
発生時期 夏~秋
大 き さ 小型 直径3~8(10)㎜
栄養摂取 腐生菌
発生場所 針葉樹や広葉樹の落葉、枯木、木の崩壊堆積物上 
分  布 世界に広く分布
食  毒 不明
撮  影 豊田市 05.10.16
<傘が褐色~淡褐色のホウライタケ属 Marasmiusとシロホウライタケ属Marasmiellusの類似種> 傘径の小さい順
  カヤネヒメホウライタケ Marasmiellus ramealis (Bull.) Singer
   = Marasmiellus tricolor var. graminis 通常イネ科の枯れた茎、根、 葉などに発生する植物の病原菌
  アオキオチバタケ Marasmius aucubae Neda 傘径2~5㎜、淡褐色。 アオキの落葉、落枝に発生。
    傘の上表皮層は通常シロヒメホウライタケ型(Rotalis-type)の箒状細胞を有し、子実層状被を形成する。
     クランプがあり、実質は非アミロイド。柄は細く、 暗褐色、基部は無毛、ときに黒色根状菌糸束を持つ。日本に分布。
    ハリガネオチバタケやウマノケタケなどと似ている。
  ケナワタケ Marasmius funalis Har.Takah. 傘径 2~6㎜、赤褐色~後に淡褐色、平開せず、球形~饅頭形、浅い溝線。
     柄は糸状、黒褐色、頂部のみ淡褐色、白色の密毛に被われる。広葉樹の落葉堆積上、スギの落枝上に発生。
     神奈川県
  ヒメホウライタケ Marasmius curreyi Berk et Broome 傘径2~6㎜、傘はレンガ色、放射状の溝線あり。
     柄は黒褐色。ひだは淡クリーム色、極疎。夏~秋、イネ科の植物上に発生。世界に広く分布。
  サトヤマホウライタケ Marasmiellus gregarius Har. Takah. 傘径3~8㎜、淡灰褐色~稀に白色、密毛状、溝線あり。
     柄は中空、傘より濃色、頂部は淡色、白色粉状、基部に菌糸は無い。ひだは疎、白色~淡褐色、縁は長縁毛状。
     北半球温帯に広く分布する Marasmiellus ramealisに酷似し、検討が必要。
  ハルノキノボリホウライタケ Marasmiellus vernalis Har. Takah. 傘径3~8㎜、褐色、繊維状~密綿毛状、明瞭な溝線、
     柄は傘と同色、頂部は淡色、小鱗片状~繊維状~密綿毛状。春にクロマツの生木樹皮に発生 日本
  フタツミカレバタケ Marasmiellus brunneocarpus Har. Takah. 傘4~8㎜、淡赤褐色~淡褐色、溝線明瞭、中央濃色。
     傘表面は密に繊維状~綿毛状。柄は中空、傘より濃色、頂部は淡色、白色粉状~密な細綿毛状。
     柄の基部に菌糸体はつかない。坦子器は2胞子性。シラカシ、ヒサカキ中心の林内の落枝、落葉上。神奈川県
  ウマノケタケMarasmius crinisequi F. Muell. ex Kalchbr. 傘径6~7㎜、溝線があり 淡褐色~黄褐色~オリ-ブ褐色、
     ひだは襟帯がある。柄は細長く14㎝に達し、黒色、毛髪状。馬の毛状の根状菌糸束が多数ある。
     チャその他の枝上。日本、インド、オ-ストラリア、ヨーロッパに分布。
  ヒメオチバタケ Marasmius pallidocephalus Gilliam 傘径2~14㎜、褐色~淡褐色~淡橙黄色、幼時から淡色。
     傘形は饅頭形~中央が窪む扁平~浅皿形、溝条線としわがある。
     柄は長さ12~43㎜、幅0.2~0.8㎜、上下同径、黒色、光沢があり、表皮の菌糸に被覆物がある。
     ひだはやや疎~やや密、直生~上生、襟帯はない。坦子器は棍棒形、4胞子性。
     バシジオールは類棍棒形~紡錘形。子実層に縁、側ともシスチジアがない。
     胞子は長さ6.8~9.6µm、幅3.2~4.2µm、惰円形、無色、非アミロイド。針葉樹林の落葉上。日本、北アメリカに分布。
  ハナオチバタケ(サビイロオチバタケ) Marasmius pulcherripes Peck: 傘径8~15㎜、淡紅色~紫紅色~橙褐色
     胞子は棍棒形、11-15.5×3.5- 4µm。夏~秋に腐葉上。日本、中国、台湾、北アメリカ
  ハリガネオチバタケ(チャハリガネオチバタケ) Marasmius siccus 傘径5~30㎜、オレンジ色~茶褐色
      ハナオチバタケとよく似ている。柄は針金状。胞子が17-22×3-5µm.と大きい。落葉上。
  シワオチバタケ Marasmius glabellus Peck 傘は直径13~39㎜、饅頭形~広釣鐘形~扁平~鈍い中高扁平~浅く窪む、
     表面は乾き、初め平滑、後に細かいしわ状、溝状、わずかにビロード状、縁は全縁~円鋸歯状、中央は暗褐色、
     黄褐色~淡褐色。肉は薄く、帯白色、しなやかだが、曲げると表面に亀裂が入る。無味、無臭。
     ひだは、湾生(エマージネイト)~上生、疎、、最初に狭く、古くなるとやや広く、稀に分岐し、
     帯白色~薄い淡褐色、縁は全縁、側面の色と同じか薄い淡褐色。側脈は初め少なく、古くなると多くなる。
     柄は長さ18~49㎜、幅1~3.4㎜、円柱形~ときに扁圧し、上下同径~わずかに先が太くなり、中空、平滑、無毛、
     光沢があり、初め先が白色、後に薄い淡褐色~褐色~暗オリーブ褐色、基部に向かって濃色になる。
     基部のミセリウムは白色~淡褐色~褐黄色の綿毛状。胞子は長さ7.9~10.8µm、幅4.2~5.3µm、
     楕円形~類紡錘形。坦子器は長さ26~34.5µm、幅7.2~6µm、棍棒形~円筒状棍棒形、4胞子性、クランプがある。
     側シスチジアはまれ。縁シスチジアは無い。針葉樹、混交林の針葉、落葉、小枝の上に単生~少数の群生。
     日本、北アメリカに分布する。
      北アメリカ産はやや小さく、傘径5~25㎜。柄長1.5~5.8㎝、幅0.75~1.8㎜。胞子は長さ7~12µm、幅3~6µm。
  スナジホウライタケ(カヤネタケ) Marasmiellus mesosuporus Sing. 傘径1~2㎝、淡褐色~淡紫色、乾くと帯白色。
    =Marasmiellus dunensis  柄は傘とほぼ同色。ひだは疎、傘とほぼ同色。日本海沿岸、世界に広く分布。
    海岸砂丘のカヤツリグサ科やイネ科などの茎および地下茎に寄生し、枯死させる病原菌。
    別種のニセホウライタケCrinipellis scabella=Crinipellis caulicinalis もカネヤタケと呼ばれた。
      傘径1~1.5㎝、栗褐色、光沢のある毛におおわれ、やや環紋がある。ひだは密、白色、離生。
      柄は暗褐色で短毛に覆われる。春~秋、林縁、草地に発生する。
  スジオチバタケ Marasmius purpureostriatus Hongo 傘径1~2.5㎝、淡黄褐色、明瞭な溝は褐紫色。
     広葉樹林の落葉、落枝。春~夏、日本。ハナオチバタケに似るが、傘の溝が褐紫色になる。
  ヒカゲオチエダタケ( ヒカゲオチバタケ) Marasmius occultatus Har. Takah. 傘径12~27㎜。帯褐橙色~褐色~淡褐色,、
      中央部はやや暗色、しわがない。柄は平滑、傘と同色、頂部は淡色、基部に白色の長い剛毛状菌糸体。
      ひだはやや疎~やや密 。普通、材上。本州中部
  オノエホウライタケ Marasmius shideiae Sing. 傘径 27㎜以下、平滑, 淡黄褐色~乾けば中央部から退色しほぼ白色,
     柄はセピア色、微粉状。ハチク、モウソウチクの林内。京都新産
  ミヤマオチバタケ Marasmius cohaerens (Alb. et Schwein.) Quél. 傘径10~35㎜、傘はしわがなく、
     傘は淡肉桂色~中央部は濃色、微毛が密生。秋に落葉に発生。北半球温帯に広く分布
  アミガサホウライタケMarasmius brunneospermus Har.Takah.傘径15~50㎜、湿時、褐色, 乾くと淡褐色
    饅頭形~中央部に不規則な網状のしわ~凹み、半透明の条線がある。柄は中空、淡褐色、粉状。
    基部は白色の菌糸がつき、落葉堆積に厚い菌糸マットをつくる。日本、朝鮮
    =モリノホウライタケ Marasmius silvicola=チャシバフタケ=シロシバフタケ
  キホウライタケ Marasmius aurantiacus I. Hino 傘径2~2.7㎝、黄褐色~暗褐色、条線、細かいしわがあり、細毛状。
    ひだは白色、黄色を帯びる。柄は黄色~帯褐色、繊維状。広葉樹の落葉に発生。日本、中国、南北アメリカ
  シバフタケ(ワヒダタケ) Marasmius oreades (Bolt.) Fr. 傘径2~4.5㎝、タン色~鈍い橙黄色、乾くと帯白色。
    ひだは疎。柄は傘と同色、平滑。芝生、草地に夏~秋発生。北半球一帯,
  オオホウライタケ Marasmius maximus Hongo 大型、傘径4~6㎝、淡なめし皮色、乾くと帯白色、放射状の溝あり。
    ひだは疎、傘より淡色。柄はやや繊維状、上部は粉状、中実。落葉上に春~秋、群生~束生。日本
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