中 国 名	薄皮干酪菌 bo pi gan lao jun、雪白干酪菌 xue bai gan lao jun
英　　名	white cheese polypore
学　　名	Tyromyces chioneus (Fr.) P. Karst. Polyporus chioneus Fr. Polyporus albellus Peck
分　　類	坦子菌門　ハラタケ亜門　ハラタケ綱　タマチョレイタケ目（Polyporales）
科　　属	タマチョレイタケ科　 Polyporaceae　 オシロイタケ属

　白色腐朽菌、1年生。広葉樹とくにカバノキ科(birch)の枯木に発生することが多く、夏～秋、単生又は2～3個、散生する。子実体は無柄、側着生。傘は幅2～8(12)㎝、厚さ0.5～2(8)㎝、饅頭形、半円形～腎形～扇形～ハマグリ形、縁は薄く、柔らかく、初めは非常に細かい毛があり、ビロード状、その後、無毛、表面に堅い皮をつくり、小じわや、しわができ、白色～オフホワイト、古くなると帯黄色又は帯褐色になる。管孔面は白色、古くなったり乾ききると、黄色を帯び、傷ついても変色しない。孔口は円形～角形、4～6(3～5)個/㎜、管孔長は5～20(普通8㎜以下)㎜。肉は白色、新鮮なとき、柔らかく、水々しい。新鮮なとき、無臭で、淡い甘酸っぱい味がある(芳香があり、無味又はわずかな苦味)。乾くと乾燥海綿又は麩のような感触となる。KOHにより傘表面、肉は無反応。胞子紋は白色。胞子は長さ4～5µm、幅1～1.5（1.5～2）µm、円柱形～ソーセージ形、KOH中で無色、非アミロイド。担子器は棍棒形、4胞子性、長さ10～15µm、幅4～5µm、基部にクランプがある。子実層にシスチジアは無く、偽シスチジオールがあ離、長さ15～20µm、幅4～5µm。る。菌糸は2菌糸型。原菌糸はクランプがあり、複雑に分枝する。骨格菌糸は比較的に厚壁、まれに分枝し、直径2～4.5µm。
　オオオシロイタケPostia tephroleucaは1年生、側生、広く基物につき、無柄。傘は半円形 、幅3～10㎝、背面は白色～クリーム色～灰褐色（まれに暗褐色）、初め粗毛があり、乾燥すると白っぽくなる。腹面は白色、孔口は2～3（又は3～4）個/㎜。管孔は長さ8（10）㎜以下。肉は柔らかい肉質～革質、乾くとコルク質でもろい。胞子は無色、長さ4～5.5（6）µm、幅1～1.5µm、円筒形～長楕円形、平滑、非アミロイド。坦子器は4胞子性、長さ14～16(20)µm、幅(3)4～5µmの円筒形～棍棒形。シスチジアは無い。1菌糸型。肉の菌糸は幅5～8µm、大きいクランプがある。子実層托の菌糸は細い菌糸と太い菌糸からなる。
　ザイモクタケOxyporus corticola (Fr.) Ryvardenは北半球の冷温帯以北に広く分布する。広葉樹の枯木に群生する。1年生の白色腐朽菌、無柄～半背着生～背着生、広く着生し、厚さ１㎜以下、マット状～クモの巣状～粉末状、やや狭い。傘は半円形～不規則、扁平～楔形、表面は類白色～クリーム色、しばしば藻類により帯緑色になり、ビロード状～粗面。管孔面は白色、乾くと、白色～汚褐色、管孔長は9㎜以下。孔口は角形、2～3個/㎜、乱れやすく、孔口の縁は薄く、前縁～やや歯状、しばしば迷路状になる。肉は白色～クリーム色、やや軟質、厚さ1㎜以下。KOHで組織は変色しない。菌糸は1菌糸型。肉の菌糸は中間的に普通に分枝し、薄壁、ほとんど1隔壁、直径2～4µm。肉は子実層 実質と似ていて、連続的に繋がり、子実層 は厚さ20µm以下。シスチジアは普通、多く、堅い表面の頭状、大きさは変化が多く、伸長があり、長さ12～19µm、幅5～8(13)µm。担子器は棍棒形、長さ12～16µm、幅6～9µm。胞子は無色、平滑、IHIは（-）、微突頭、楕円形、長さ6～8µm、幅3～5µm。