広葉樹、針葉樹の林下、林縁の地上に群生又は疎に束生し、ときに弧状、環状に菌輪をつくる。夏の終わりから秋(暖かい地域では春や冬にも見られる。)に発生する。傘は直径3~11㎝、饅頭形、後に広饅頭形~広鐘形~扁平、新鮮なときは粘性があり、平滑、汚バフ色(汚黄土色)~タン色(黄褐色)、中央はいくらか暗色になり、縁は幼時、内巻きになる。ひだは上生~湾生、密につき、初め白色、ときに水玉がつき、褐色のしみができ、後にニッケイ色~褐色になり、縁は白色。柄は長さ4~13㎝、幅0.5~1.5㎝、ほぼ上下同径、基部がやや膨れ、中実(髄状~中空)、細毛があるか無毛、クモの巣膜や環帯はなく、上部に内被膜の細片(白粉)がつき、白色の根状菌糸束がしばしば見られる。肉は厚く、ダイコン臭、ダイコンのような味~苦味がある。胞子紋は褐色。胞子は褐色、長さ9~13µm、幅5~7.5µmのアーモンド形~レモン形、細かい疣状、偽アミロイドではない。縁シスチジアは多く、長さ50~95µm、幅7~9µmの先が類棍棒形~棍棒形、まれに基部が膨れる。傘上表皮層はゼラチン化した平行菌糸被(ixocutis)。
コツブオオワカフサタケ Hebeloma crustuliniforme f. microspermum は春と秋に発生し、傘が直径2.5~5.5㎝。胞子が長さ8~10.5µm、幅4.5~5.5µmのアーモンド形。縁シスチジアは長さ28~40µm、幅4.5~8µmの棍棒形~円柱形~ややフラスコ形。
ワカフサタケHebeloma mesophaeum は単一の種ではなく次の特徴をもつグループと考えられている。
①傘が褐色~ピンク色を帯びた褐色、中央が濃く、縁が淡色、②ダイコン臭、③内被膜は短命又は残存性、④胞子は惰円形、ほぼ平滑、偽アミロイドではなく、長さが11µmより短い。
ニセアブラシメジ(クリフウセンタケ) Cortinarius tenuipes は秋に広葉樹林やアカマツ混生林内の地上に群生する。傘は湿時、粘性があり、黄土色~黄褐色、中央部はやや濃く、辺縁に白色のクモの巣膜の残片が残る。ひだは密、直生~上生し、白色、後にニッケイ色。柄は白色、繊維状、上部に綿毛状のつばがある。肉は白色、無味無臭。胞子は長さ7~9.5µm、幅3.5~5µm、紡錘状惰円形、不明瞭な微いぼがあるか平滑、可食(美味)。 カキシメジ Tricholoma ustale は秋に広葉樹、針葉樹林内の地上に群生する。幼時、粘性があり、色が濃いがよく似ている。傘が帯赤褐色~栗褐色でオオワカフサタケより色が濃く、繊維状鱗片が放射状に密生する。ひだは密につき、湾生、初め白色、後に褐色のしみを生じる。柄もやや褐色を帯びる。胞子は長さ5.5~7µm、幅3.5~5µm、惰円形~卵形、平滑、油滴を1個含む。肉は無臭、苦味があり、有毒。
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