公園の雑木林の下で、よく見られる。
学名はRussula mariae Peck ともされたことがある。Russula mariaeは北アメリカ、ロシアに分布し、傘が紫色を帯び、Russula
alachuana と同義語とされる。Russula mariaeは可食とされている。現在の学名は日本、朝鮮、中国に分布するRussula bella
とするのが普通である。
傘は直径2~4㎝、半球形~饅頭形~杯形、縁が波打ち、湿時に粘性があり、乾時、微粉状。傘表面の色は中央が紅赤色、周縁は淡く、雨で退色し、縁に溝条線が見えるようになる。柄は長さ2~4㎝、幅5~7㎜、上下同径~下部がやや細くなり、中実~中空、表面は白色で淡紅色のぼかしが入り、条線がある。ひだはやや密~やや疎、離生~垂生、白色~クリーム色、縁が赤色を帯びることがある。肉は白色、もろく、無味、果実臭~カブトムシ様の臭気がある。胞子紋は白色。胞子は無色、長さ6.5~7.5µm、幅5.5~6µmの広卵形、小突起と不完全網柄目の連絡糸がある。縁シスチジアは長さ28~77µm、幅6~16µm、紡錘形~べ便腹形、先端が伸びる。側シスチジアは同形同大。傘上表皮層は毛状被。
チシオハツは肉が硬くて、辛味がある。傘の色が血赤色、縁の色が薄く、溝条線が短いか欠く。表皮を剥ぎやすい。柄は白色で、淡紅色のぼかしがある。ひだが白色~クリーム色。胞子紋はクリーム色。胞子は表面に疣状突起と少数の連絡糸がある。
ヤブレベニタケは傘が真紅色~橙赤色~朱赤色、やや紛状、周縁は黄色を帯び、短い溝条線があり、成熟につれ表皮がひび割れて剥がれ、白色の地が見えるようになる。ひだは直生~離生、乳白色、小ひだは無く、叉状分岐、脈絡あり。柄は白色、淡紅色を帯びることがある。肉は苦味は弱く、辛味があり、佳香があり、可食。
シュイロハツは傘が朱赤色~橙赤色、古くなると傘の中央から退色して黄色を帯び、条線は不明瞭。柄は下部がやや肥大し、白色。胞子紋は黄土色。食毒不明。
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