広葉樹の枯木、枯枝にきわめて普通に見られる白色腐朽菌。子実体は全背着生、膜状に不定形に大きく広がり、普通幅10㎝程度、厚さ1(2)㎜以下、しばしば、乾くと基物から離れ、縁の成長部分は白色、繊維状、その他は子実層を形成し、淡黄褐色(ochraceous
buff)~肉色(pinkish cinnamon)。子実層托は柔軟なコルク質~繊維質、管孔状、孔口は小円形~角形、5~7個/㎜。担子器は棍棒形、4胞子性、長さ12~16µm、幅4~5µm、基部にクランプがある。胞子は凸平レンズ状、広楕円形~卵形、長さ(3)3.5~4.5(5)µm、幅2~2.5(3)µm、平滑、非アミロイド。シスチジアは棍棒形、長さ40~80µm、幅9~15µm、厚壁、結晶に覆われる。菌糸は2菌糸型。原菌糸は幅2~4µm、まれに分枝し、薄壁、無色、クランプがある。骨格菌糸は幅2~4µm、厚壁、隔壁は無く、まれに分枝する。
アナタケSchizopora flavipora (Berk. et M.A. Curtis ex Cooke) Ryvardenは日本、中国、台湾、ロシア、ベトナムに分布する。広葉樹の枯木に発生する。子実体は全背着生、不定形に広がる。厚さ1~2㎜、縁の成長部分は白色、繊維状、その他は子実層を形成しクリーム色~淡バフ色。子実層托は柔軟な革質、管孔状、孔口は円形~角形、乱れることが多く、迷路状~薄歯状、3~5個/㎜、管孔長は0.5~1㎜。肉は類白色、革質、乾くと脆く、無味、無臭。担子器は類つぼ形、長さ15~20µm、幅4~5µm。胞子紋は白色。胞子は長さ4.5~5.5
µm、幅3~3.5µm、 楕円形、無色、平滑、非アミロイド。シスチジアは無く、シスチジオールがあり、シスチジオールはフラスコ形、薄壁。菌糸は1菌糸型、幅2~3µm、クランプがある。
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