子実体は高さ5㎝以下、中心生、直立する。傘は直径1~4㎝、厚さ1.5~3㎜の円形、中央がへそ状に窪み、周縁は薄い。背面は乾き、黄褐色~茶褐色、放射状に繊維が圧着し、光沢が強く、不明瞭な環紋がある。柄は中実、硬く、長さ1~4㎝、幅0.2~0.5㎝、円柱形、基部はやや肥大し、表面は暗褐色、ビロード状。腹面はタバコ色、孔口は2~3個/㎜、やや歯牙状。管孔は垂生、管孔長は1~2㎜。肉はニッケイ色(くすんだ黄赤色)、薄くて脆い海綿質臭。菌糸は3菌糸型、原菌糸にクランプがある。胞子は長さ6~8µm、幅4.5~5µmの楕円形、非アミロイド。1菌糸型、クランプは無い。
オツネンタケColtricia perennisはニッケイタケよりまれである。傘の放射状の繊維がビロード状の短毛で光沢が少なく、初期には環紋が不明瞭、後に短毛が脱落すると黒ずみ環紋が顕著になり、やがて退色して灰褐色になる。肉が黄褐色、柔らかい革質。胞子が微偽アミロイド(デキストリノイド)。
ヒメニッケイタケColtriciella subpicta マラヤ、マレーシア、スリランカ、日本に分布し、山地の林内の砂地に単生ときに基部で合着し束生する。中心柄であり、まれに柄が分枝する。傘表面は全体にシナモン鉄銹色、古くなると銹褐色になる。傘は幅25㎜以下、伏した小繊維状、中心はしばしば剛毛状、かすかに環紋があり、縁はやや裂ける。茎は長さ10~25㎜、幅0.7~1.5㎜、基部は幅1~2.5㎜、円柱形、直線状、細く、伏した細かな類綿毛が密にある。管孔は長さ2.5㎜以下、短く垂生。孔口は幅150~300(600)µm、角張り、縁は歯状~かぎ裂き状になる。肉は薄い。
ヒメオツネンタケColtriciella pusilla はシイノキの腐朽材や地上にまれに群生する。傘は半円形~へら形、高さ約1㎝、幅0.5~1㎝と小型、暗褐色、ほぼ無毛平滑、環紋は不明瞭。柄は側生、まれに中心生、長さ5~7㎜、幅約0.5㎜、褐色、平滑。
チャハリタケHydnellum concrescens はマツバハリタケ科(Bankeraceae) チャハリタケ属であり、子実層托が針状。アカマツ、広葉樹の林下の地上に生える普通種。子実体は1年性、高さ2~4㎝。傘は直径1~4㎝、上から見ると不整円形、薄く、扁平~浅い漏斗形、表面は茶褐色~さび色、放射状の繊維紋があり、濃淡の環紋があり、やや絹状の光沢がある。傘の肉は厚さ1~2㎜、革質、強靭、茶褐色。柄は長さ0.5~2.5㎝、幅2~4㎜、でこぼこした不整円形、表面は茶褐色、フェルト状。管孔のある下面は平坦、白色~わら色、後に、きつね色を帯びる。管孔長は3~10㎜。孔口は円形、3~4個/㎜。胞子は長卵形、長さ12~13.5(15)µm、幅6~8µm、非アミロイド。ヨーロッパのものは多年性でやや大きくなり(7㎝以下)、胞子もやや大きく、Mycobankに詳しい解説が載せられている。
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